(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プラズマ処理装置には、被処理体の処理の面内均一性が要求される。この面内均一性を向上させるためには、被処理体の面内における温度のバラツキを減少させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面においては、被処理体をその上に載置するための載置台が提供される。この載置台は、支持部材、基台、及び複数の配線を備えている。支持部材は、被処理体を支持するための部材であり、本体部、一以上のヒータ、一以上の第1配線層、一以上の第2配線層、及び、複数の接点部を含む。本体部は、セラミック製であり、被処理体をその上に載置する載置領域、及び、当該載置領域を囲む外周領域を有する。一以上のヒータは、本体部内に設けられている。一以上の第1配線層は、本体部内において延在しており、一以上のヒータの給電側にそれぞれ電気的に接続されている。一以上の第2配線層は、本体部内において延在しており、一以上のヒータの基準電位側に電気的に接続されている。複数の接点部は、外周領域において本体部から露出されており、一以上の第1配線層及び一以上の第2配線層のそれぞれに電気的に接続されている。基台は、載置領域をその上に支持する第1領域、及び、外周領域をその上に支持する第2領域を有している。第2領域には、複数の接点部にそれぞれ通じる複数の第1貫通孔が設けられている。複数の配線は、複数の第1貫通孔を通って複数の接点部にそれぞれ接合される。
【0007】
ここで、基台に形成された貫通孔は、支持部材に温度の特異点を生じさせ得る。しかしながら、上記一側面に係る載置台では、複数の接点部に通じる複数の第1貫通孔が、その上に載置領域が支持される第1領域ではなく、第1領域を囲む第2領域に設けられている。したがって、支持部材の載置領域における温度の特異点の発生が抑制され得る。その結果、この載置台を有するプラズマ処理では、被処理体の面内における温度のバラツキを減少させることが可能となる。
【0008】
一形態では、一以上のヒータは複数のヒータであり、一以上の第1配線層は、複数のヒータの給電側にそれぞれ接続された複数の第1配線層であってもよい。載置台では、ヒータの個数の増加につれて、第1貫通孔の個数が多くなる。本形態によれば、第1貫通孔が第2領域に設けられているので、ヒータの個数
の増加につれて第1貫通孔の個数が増加しても、支持部材の載置領域における温度の特異点の発生を抑制することが可能である。
【0009】
一形態では、一以上の第2配線層のうち少なくとも一つは、前記複数のヒータのうち二以上のヒータの基準電位側に接続されていてもよい。この形態では、二以上のヒータの基準電位側に接続する配線層が共通化されている。したがって、基準電位用の接点部の個数、基準電位用の配線の数、及び、基準電位用の配線を通すための貫通孔の数を減少させることが可能である。
【0010】
一形態では、基台には、冷媒が供給される冷媒流路が形成されていてもよい。
【0011】
一形態では、支持部材は、静電吸着用電極、該静電吸着用電極に電気的に接続する第3配線層、及び、第3配線層に電気的に接続する別の接点部を、本体部内に更に有し、別の接点部は、外周領域において本体部から露出されており、第2領域には、前記別の接点部に通じる第2貫通孔が設けられており、載置台は、第2貫通孔を通って別の接点部に接合される別の配線を更に備えていてもよい。この形態では、支持部材は静電チャックとして機能する。また、第2貫通孔が第2領域に設けられているので、載置領域における温度の特異点の発生が抑制され得る。
【0012】
一形態では、基台は、導電性の主部と絶縁部と、を有していてもよい。この形態では、主部は、前記第1領域及び前記第2領域を提供する。絶縁部は、主部に取り外し可能に取り付けられでおり、複数の第1貫通孔を提供する。複数の配線の各々は、一端及び他端を有する可撓性のリード線、リード線の一端に結合され複数の接点部のうち対応の接点部に結合される第1端子、及び、リード線の他端に結合される第2端子を含み、第1端子及びリード線が通された第1貫通孔を画成する絶縁部の内面と第1端子及びリード線との間には、空間が介在している。この形態によれば、基台の熱膨張が発生しても、当該熱膨張に起因する応力はリード線によって緩和される。したがって、第1端子と接点部との結合の信頼性が高められる。
【0013】
一形態では、基台は、導電性の主部、第1絶縁部、及び第2絶縁部を更に備え得る。この形態では、主部は、前記第1領域及び前記第2領域を提供する。第1絶縁部は、主部に取り外し可能に取り付けられており、複数の第1貫通孔を提供する。第2絶縁部は、主部に取り外し可能に取り付けられており、第2貫通孔を提供する。第1絶縁部及び第2絶縁部は、一体化された絶縁部材であってもよい。複数の配線の各々は、一端及び他端を有する可撓性の第1リード線、第1リード線の一端に結合され複数の接点部のうち対応の接点部に結合される第1端子、及び、第1リード線の他端に結合される第2端子を含み、第1端子及び第1リード線が通された第1貫通孔を画成する第1絶縁部の内面と第1端子及び該第1リード線との間には、空間が介在している。別の配線は、一端及び他端を有する可撓性の第2リード線、第2リード線の一端に結合され別の接点部に結合される第3端子、及び、第2リード線の他端に結合される第4端子を含み、第2貫通孔を画成する第2絶縁部の内面と第3端子及び第2リード線との間には、空間が介在している。この形態によれば、基台の熱膨張が発生しても、当該熱膨張に起因する応力は第1リード線及び第2リード線によって緩和される。したがって、第1端子と接点部との結合の信頼性、及び、第3端子と別の接点部との結合の信頼性が高められる。
【0014】
一形態では、載置台は、第3端子と第2絶縁部との間に介在する筒状の絶縁部を更に備えていてもよい。この形態によれば、第3端子の周囲に、より高い絶縁耐力が得られる。
【0015】
別の側面においては、プラズマ処理装置が提供される。このプラズマ処理装置は、処理容器、上述した一側面又は種々の形態のうち何れかの載置台と、を備える。載置台は、処理容器内に設けられている。このプラズマ処理装置によれば、被処理体の面内の温度のバラツキが抑制され得る。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、被処理体の面内における温度のバラツキを減少させ得る載置台、及び、プラズマ処理装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0019】
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図1においては、一実施形態に係るプラズマ処理装置の縦断面における構造が概略的に示されている。
図1に示すプラズマ処理装置10は、容量結合型平行平板プラズマエッチング装置である。このプラズマ処理装置10は、略円筒状の処理容器12を備えている。処理容器12は、例えば、アルミニウムから構成されており、その表面には陽極酸化処理が施されている。
【0020】
処理容器12内には、載置台16が設けられている。載置台16は、支持部材18及び基台20を含んでいる。基台20は、略円盤形状を有しており、その主部において、例えばアルミニウムといった導電性の金属から構成されている。この基台20は、下部電極を構成している。基台20は、支持部14によって支持されている。支持部14は、処理容器12の底部から延びる円筒状の部材である。
【0021】
基台20には、整合器MU1を介して第1の高周波電源HFSが電気的に接続されている。第1の高周波電源HFSは、プラズマ生成用の高周波電力を発生する電源であり、27〜100MHzの周波数、一例においては40MHzの高周波電力を発生する。整合器MU1は、第1の高周波電源HFSの出力インピーダンスと負荷側(基台20側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
【0022】
また、基台20には、整合器MU2を介して第2の高周波電源LFSが電気的に接続されている。第2の高周波電源LFSは、ウエハWにイオンを引き込むための高周波電力(高周波バイアス電力)を発生して、当該高周波バイアス電力を基台20に供給する。高周波バイアス電力の周波数は、400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数であり、一例においては3MHzである。整合器MU2は、第2の高周波電源LFSの出力インピーダンスと負荷側(基台20側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
【0023】
基台20上には、支持部材18が設けられている。一実施形態においては、支持部材18は、静電チャックである。即ち、一実施形態においては、支持部材18は、クーロン力等の静電力によりウエハWを吸着し、当該ウエハを保持する。支持部材18は、セラミック製の本体部内に静電吸着用の電極E1を有している。電極E1には、スイッチSW1を介して直流電源22が電気的に接続されている。
【0024】
基台20の上面の上、且つ、支持部材18の周囲には、フォーカスリングFRが設けられている。フォーカスリングFRは、プラズマ処理の均一性を向上させるために設けられている。フォーカスリングFRは、実行すべきプラズマ処理に応じて適宜選択される材料から構成されており、例えば、シリコン、又は石英から構成され得る。
【0025】
基台20の内部には、冷媒流路24が形成されている。冷媒流路24には、処理容器12の外部に設けられたチラーユニットから配管26aを介して冷媒が供給される。冷媒流路24に供給された冷媒は、配管26bを介してチラーユニットに戻るようになっている。なお、この基台20及び支持部材18を含む載置台16の詳細については、後述する。
【0026】
処理容器12内には、上部電極30が設けられている。この上部電極30は、載置台16の上方において、基台20と対向配置されており、基台20と上部電極30とは、互いに略平行に設けられている。
【0027】
上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、処理容器12の上部に支持されている。上部電極30は、電極板34及び電極支持体36を含み得る。電極板34は、処理空間Sに面しており、複数のガス吐出孔34aを提供している。この電極板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から構成され得る。
【0028】
電極支持体36は、電極板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成され得る。この電極支持体36は、水冷構造を有し得る。電極支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。このガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。また、電極支持体36にはガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されており、このガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
【0029】
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介してガスソース群40が接続されている。バルブ群42は複数の開閉バルブを有しており、流量制御器群44はマスフローコントローラといった複数の流量制御器を有している。また、ガスソース群40は、プラズマ処理に必要な複数種のガス用のガスソースを有している。ガスソース群40の複数のガスソースは、対応の開閉バルブ及び対応のマスフローコントローラを介してガス供給管38に接続されている。
【0030】
プラズマ処理装置10では、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択された一以上のガスソースからの一以上のガスが、ガス供給管38に供給される。ガス供給管38に供給されたガスは、ガス拡散室36aに至り、ガス通流孔36b及びガス吐出孔34aを介して処理空間Sに吐出される。
【0031】
また、
図1に示すように、プラズマ処理装置10は、接地導体12aを更に備え得る。接地導体12aは、略円筒状の接地導体であり、処理容器12の側壁から上部電極30の高さ位置よりも上方に延びるように設けられている。
【0032】
また、プラズマ処理装置10では、処理容器12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。また、デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、処理容器12にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY
2O
3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
【0033】
処理容器12の底部側においては、支持部14と処理容器12の内壁との間に排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材にY
2O
3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。この排気プレート48の下方において処理容器12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、処理容器12内を所望の真空度まで減圧することができる。また、処理容器12の側壁にはウエハWの搬入出口12gが設けられており、この搬入出口12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
【0034】
また、プラズマ処理装置10は、制御部Cntを更に備え得る。この制御部Cntは、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、プラズマ処理装置10の各部を制御する。この制御部Cntでは、入力装置を用いて、オペレータがプラズマ処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができ、また、表示装置により、プラズマ処理装置10の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部Cntの記憶部には、プラズマ処理装置10で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムや、処理条件に応じてプラズマ処理装置10の各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ち、処理レシピが格納される。
【0035】
以下、
図2〜
図6を参照して、載置台16について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る載置台を示す平面図である。
図3は、一実施形態に係る載置台の基台を示す平面図である。
図4は、
図2のIV−IV線に沿ってとった断面図である。
図5は、一実施形態に係る支持部材の一部を拡大して示す断面図である。また、
図6は、
図2のVI−VI線に沿ってとった断面図である。
【0036】
上述したように載置台16は、支持部材18及び基台20を有している。支持部材18は、セラミック製の本体部18mを有している。本体部18mは、略円盤形状を有している。本体部18mは、載置領域18a及び外周領域18bを提供している。載置領域18aは、平面視において略円形の領域である。この載置領域18aの上面上には、被処理体であるウエハWが載置される。一実施形態においては、
図5に示すように、載置領域18aの上面は、複数の凸部の頂面によって構成されている。また、載置領域18aの直径は、ウエハWと略同一の直径であるか、或いは、ウエハWの直径よりも若干小さくなっている。外周領域18bは、この載置領域18aを囲む領域であり、略環状に延在している。一実施形態では、外周領域18bの上面は、載置領域18aの上面より低い位置にある。
【0037】
上述したように、一実施形態では、支持部材18は、静電チャックである。この実施形態の支持部材18は、載置領域18a内に静電吸着用の電極E1を有している。この電極E1は、上述したように、スイッチSW1を介して直流電源22に接続されている。
【0038】
また、載置領域18a内、且つ、電極E1の下方には、一以上のヒータHTが設けられている。一実施形態では、
図2、
図4、及び
図5に示すように、載置領域18aには、複数のヒータHTが設けられている。例えば、
図2に示すように、載置領域18aの中央の円形領域内、及び、当該円形領域を囲む同心状の複数の環状領域に、複数のヒータHTが設けられている。また、複数の環状領域のそれぞれにおいては、複数のヒータHTが周方向に配列されている。これらヒータHTには、
図1に示す、ヒータ電源HPから個別に調整された電力が供給される。これにより、各ヒータHTが発する熱が個別に制御され、載置領域18a内の複数の部分領域の温度が個別に調整される。
【0039】
また、
図4及び
図5に示すように、支持部材18の本体部18m内には、ヒータHTの給電側に電気的に接続する配線層EW1(第1配線層)が設けられている。本体部18m内に複数のヒータHTが設けられている場合には、本体部18m内には、複数のヒータHTの給電側にそれぞれ個別に接続される複数の配線層EW1が設けられる。各配線層EW1は、対応のヒータHTの給電側から外周領域18bまで延びている。例えば、各配線層EW1は、本体部18m内において水平に延びるライン状のパターン、及び、ライン状のパターンに対して交差する方向(例えば、垂直方向)に延びるコンタクトビアを含み得る。また、各配線層EW1は、外周領域18bにおいて、対応の接点部CT1(
図2、
図5及び
図6参照)に電気的に接続している。例えば、各配線層EW1は、外周領域18bにおいて接点部CT1を構成している。接点部CT1は、外周領域18bにおいて、当該外周領域18bの下面から露出されている。
【0040】
また、支持部材18の本体部18m内には、ヒータHTの基準電位側に電気的に接続する配線層EW2(第2配線層)が設けられている。本体部18m内に複数のヒータHTが設けられている場合には、当該本体部18m内には、複数のヒータHTの基準電位側にそれぞれ個別に接続される複数の配線層EW2が設けられる。或いは、
図5に示すように、複数の配線層EW2のうち少なくとも一つが、複数のヒータHTのうち二以上のヒータHTの基準電位側に共通に接続される。一実施形態では、複数の配線層EW2の各々が、複数のヒータHTのうち対応の二以上のヒータHTの基準電位側に共通に接続される。これにより、基準電位用の接点部CT2の個数、基準電位用の配線WR2の数、及び、基準電位用の配線WR2を通すための貫通孔TH2の数を減少させることが可能である。
【0041】
各配線層EW2は、外周領域18bまで延びている。例えば、配線層EW2は、本体部18m内において水平に延びるライン状のパターン、及び、ライン状のパターンに対して交差する方向(例えば、垂直方向)に延びるコンタクトビアを含み得る。また、各配線層EW2は、外周領域18bにおいて、対応の接点部CT2(
図2及び
図6参照)に電気的に接続している。例えば、各配線層EW2は、外周領域18bにおいて接点部CT2を構成している。接点部CT2は、外周領域18bにおいて、当該外周領域18bの下面から露出されている。
【0042】
さらに、支持部材18の本体部18m内には、静電吸着用の電極E1に電気的に接続する配線層EW3(第3配線層)が設けられている。配線層EW3は、電極E1から外周領域18bまで延びている。例えば、配線層EW3は、本体部18m内において水平に延びるライン状のパターン、及び、ライン状のパターンに対して交差する方向(例えば、垂直方向)に延びるコンタクトビアを含み得る。また、配線層EW3は、外周領域18bにおいて、対応の接点部CT3(
図2及び
図6参照)に電気的に接続している。例えば、配線層EW3は、外周領域18bにおいて接点部CT3を構成している。この接点部CT3は、外周領域18bにおいて、当該外周領域18bの下面から露出されている。
【0043】
このように構成された支持部材18は、基台20上に設けられている。一実施形態においては、支持部材18は、接着剤AH(
図6参照)によって基台20に接合されている。基台20は、
図3及び
図4に示すように、第1領域20a及び第2領域20bを有している。第1領域20aは、平面視において略円形の領域であり、第2領域20bは、第1領域20aを囲むよう環状に延在する領域である。第1領域20a上には載置領域18aが搭載され、第2領域20b上には外周領域18bが搭載されている。
【0044】
第2領域20bには、鉛直方向に当該第2領域20bを貫通する一以上の貫通孔TH1及び一以上の貫通孔TH2が設けられている。これら貫通孔TH1及びTH2は、一実施形態の第1貫通孔である。貫通孔TH1は接点部CT1に通じており、貫通孔TH2は接点部CT2に通じている。
図3に示すように、一実施形態においては、複数の貫通孔TH1及び複数の貫通孔TH2が設けられている。これら貫通孔TH1及び貫通孔TH2の個数は、接点部CT1及び接点部CT2の個数に応じて設定されている。
【0045】
また、一実施形態において、第2領域20bには、鉛直方向に当該第2領域20bを貫通する貫通孔TH3(第2貫通孔)が設けられている。この貫通孔TH3は、接点部CT3に通じている。
【0046】
さらに、一実施形態において、
図6に示すように、基台20は、主部20mを有している。主部20mは、略円盤形状を有しており、例えばアルミニウムといった導電性の金属から構成されている。主部20mは、上述した第1領域20a及び第2領域20bを提供している。
【0047】
また、基台20は、絶縁部20iを更に有している。絶縁部20iは、絶縁性の部材であり、例えば、樹脂から構成されている。絶縁部20iは、基台20の主部20mに形成された貫通孔内に設けられており、例えばネジといった締結手段によって主部20mに固定されている。即ち、絶縁部20iは、基台20の主部20mから取り外し可能である。一実施形態においては、基台20は、複数の絶縁部20iを有している。複数の絶縁部20iのうち一つは、貫通孔TH1及び貫通孔TH3を提供しており、他の絶縁部20iは、貫通孔TH1を提供している。また、複数の絶縁部20iのうち幾つかは、貫通孔TH2を提供していてもよい。
図6に示す絶縁部20iは、貫通孔TH1、貫通孔TH2、及び貫通孔TH3を提供している。
【0048】
貫通孔TH1には、配線WR1が通っている。配線WR1は、ヒータ電源HPと接点部CT1とを接続する配線である。また、貫通孔TH2には、配線WR2が通っている。配線WR2は、ヒータ電源HPと接点部CT2とを接続する配線である。また、貫通孔TH3には、配線WR3が通っている。配線WR3は、直流電源22と接点部CT3とを接続する配線である。これら配線WR1、配線WR2、及び配線WR3は、略同様の構造を有している。したがって、以下では、これら配線WR1、配線WR2、及び配線WR3を、配線WRと総称して説明することがある。
【0049】
配線WRは、端子ET1、リード線LW1、端子ET2、及びリード線LW2を有している。端子ET1は、一端において閉塞された筒形状を有している。端子ET1の一端は、対応の接点部に接合される。また、端子ET1にはリード線LW1の一端が結合されている。このリード線LW1は、可撓性を有している。即ち、リード線LW1は、応力に対して容易に屈曲する性質を有している。このリード線LW1の他端は、端子ET2に結合されている。端子ET2は、一端と他端との間で縮径又は閉塞された略筒状の部材である。端子ET2の一端にはリード線LW1の他端が結合されており、端子ET2の他端にはリード線LW2が結合されている。なお、配線WR1の端子ET1(第1端子)、リード線LW1(第1リード線)、及び端子ET2(第2端子)は、貫通孔TH1内に設けられており、配線WR2の端子ET1(第1端子)、リード線LW1(第1リード線)、及び端子ET2(第2端子)は、貫通孔TH2内に設けられており、配線WR3の端子ET1(第3端子)、リード線LW1(第2リード線)、及び端子ET2(第4端子)は、貫通孔TH3内に設けられている。
【0050】
各配線WRの端子ET1とリード線LW1と、これら端子ET1とリード線LW1が通されている貫通孔を画成する内面(壁面)との間には、空間が介在している。例えば、絶縁部20iが画成する貫通孔の壁面と当該貫通孔内に通された端子ET1とリード線LW1との間には、空間が介在している。したがって、基台20が熱膨張して端子ET2に応力が加わっても、リード線LW1が変形することで当該応力が緩和され、当該応力が端子ET1に伝達することが抑制される。その結果、端子ET1と対応の接点部との結合の信頼性が高められる。
【0051】
また、一実施形態において、絶縁部20iは、上部20t及び下部20uを有し得る。上部20t及び下部20uは、互いから分離可能であり、絶縁部20iを主部20mに固定する締結手段によって互いに固定され得る。
【0052】
また、一実施形態においては、
図6に示すように、配線WR3の端子ET1と絶縁部20iとの間には、当該端子ET1を取り囲む筒状の絶縁部60が設けられている。この絶縁部60は、絶縁性材料から構成されている。配線WR3は、静電吸着用の電極E1に電圧を印加するための配線である。したがって、配線WR3には絶縁耐力が要求される。かかる絶縁部60を、配線WR3の端子ET1の周囲に設けることにより、端子ET1の周囲における絶縁耐力が更に高められる。
【0053】
以上説明した載置台16では、支持部材18の接点部が外周領域18bに設けられており、当該接点部に通じる貫通孔が基台20の第2領域20bに設けられている。基台20に形成された貫通孔は、支持部材18に温度の特異点を生じさせ得る。しかしながら、載置台16では、配線WRを通すための貫通孔が、載置領域18aの直下で延在する第1領域20aではなく、第2領域20bに設けられている。したがって、載置領域18aにおける温度の特異点の発生が抑制され得る。よって、この載置台16を有するプラズマ処理では、ウエハWといった被処理体の面内における温度のバラツキを減少させることが可能である。
【0054】
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、上述したプラズマ処理装置10は、容量結合型のプラズマ処理装置であったが、載置台16は任意のプラズマ処理装置に採用され得る。例えば、プラズマ処理装置は、誘導結合型のプラズマ処理装置、マイクロ波といった表面波によってガスを励起させるプラズマ処理装置のように、任意のタイプのプラズマ処理装置であってもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では、一つの絶縁部20iが複数の貫通孔を提供しているが、基台20は、個別に一つ以上の貫通孔を提供する複数の絶縁部20iを有していてもよい。例えば、基台20は、貫通孔TH1及び貫通孔TH2を個別に提供する複数の第1絶縁部、並びに、貫通孔TH3を提供する第2絶縁部を
有していてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、支持部材18は静電チャックであったが、支持部材18はその上に被処理体が載置されるものであれば、静電チャックでなくてもよい。この場合には、載置台16からは、電極E1、配線WR3、及び、配線層EW3といった要素が省略され得る。