(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜2のシート状培養器材に含まれるポリビニルアルコールは含水による溶解・膨潤時の粘度が高いため、ゲル化した培地における自由水の流動性が低くなってしまう。そうすると、培地中に含有させる発色剤等の量を、一般的な寒天培地における使用量程度にすると、微生物と発色剤等との接触が乏しくなるためにコロニーの発色が弱くなり検出が困難になる場合がある。
これに対して発色剤等の量を増加することは、発色剤等が高価であるために、ルーチン検査において大量かつ使い捨てで用いられる培養器材のコストを抑える観点から、避けたいという事情がある。
また、ポリビニルアルコールの溶解・膨潤時の粘度を下げるために、ポリビニルアルコールの含有量を小さくしたり重合度を低くしたりすることも考えられるが、コロニー発色を増強できる一方で、培地の水分保持能力が弱まるためにコロニーが培地中で拡散して検出し難くなったり、マトリックスから培地が流出して微生物汚染の恐れが生じたりする。
【0006】
このような状況を鑑みて、本発明は、水溶性高分子化合物層と多孔質マトリックス層とを含むシート状培養器材において、水溶性高分子化合物層の水分保持能を低下させることなく、コロニー発色能を増強させた微生物培養器材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究の末、水溶性高分子化合物層に含有させる水溶性高分子化合物として、ポリビニルアルコールにメチルセルロース又はグアーガムを組み合わせることによって、高い水分保持能とコロニー発色能を両立できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]多孔質材料を含む第一の層と、前記第一の層に隣接するゲル化剤を含む第二の層とを、含む微生物培養器材であって、
前記ゲル化剤は、ポリビニルアルコールと、メチルセルロース又はグアーガムとを含む、微生物培養器材。
[2]ポリビニルアルコールとメチルセルロースとの重量比が90:10〜50:50である、[1]に記載の微生物培養器材。
[3]ポリビニルアルコールとグアーガムとの重量比が90:5〜90:25である、[1]に記載の微生物培養器材。
[4]前記第二の層に含まれるゲル化剤の総量が50〜200g/m
2である、[1]〜
[3]の何れかに記載の微生物培養器材。
[5]前記ポリビニルアルコールが、重量平均分子量5000〜200000かつ鹸化度75〜99%のものである、[1]〜[4]の何れかに記載の微生物培養器材。
[6]前記第二の層の前記第一の層の反対側に隣接する第三の層をさらに含む、[1]〜[5]の何れかに記載の微生物培養器材。
[7][1]〜[6]の何れかに記載の微生物培養器材と、少なくとも一種の発色剤又は蛍光剤と、少なくとも一種の栄養成分とを含む、微生物培地。
[8][7]に記載の微生物培地に検体を接種する工程、前記検体に含まれる微生物を培養する工程、及び前記微生物のコロニーを検出する工程を含む、微生物検出法。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、検体中の微生物を、明瞭な発色コロニーとして簡便かつ効率的に検出することができる、安価な微生物培養器材が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の微生物培養器材は、多孔質材料を含む第一の層と、前記第一の層に隣接するゲル化剤を含む第二の層とを含む。
第一の層は、微生物培養器材においてマトリックスの役割を担う層である。すなわち、微生物培養器材の支持体であり、また使用時に溶解・膨潤した第二の層に含まれるゲル化剤が浸潤し内部に分散するのを保持して一体化する基盤である。
第二の層は、微生物培養器材において培地の水分を保持する役割と、使用時に培地となり微生物を生育させコロニーを形成させる役割とを担う層である。
【0011】
第一の層に含まれる多孔質材料は、例えば、合成繊維、半合成繊維、天然繊維、及び無機繊維等で形成された編織布、不織布、多孔質フィルム、スポンジ等が挙げられる。多孔質セラミックスを用いてもよい。合成繊維としては、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体、親水化処理されてもよいポリエステル、親水化処理されてもよいポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。半合成繊維としては、レーヨン等が挙げられる。天然繊維としては、羊毛、絹、綿、セルロース、パルプ等が好ましい。
特に、目付、通気度の調整が容易な編織物や不織布等が好ましく、また比較的容易に細繊維が得られるメルトブロー製法で作製したナイロンメルトブロー不織布や、分割繊維から製造した極細繊維不織布が、さらに好ましい。
【0012】
また、多孔質材料の目付は、50〜90g/m
2 が好ましく、55〜80g/m
2 がさらに好ましい。目付がこの範囲であれば、微生物培養器材の水分保持能を十分に確保しやすく、液体試料(検体)が第一の層からあふれることもなく、第一の層と第二の層とを十分に一体化しやすいので、観察しやすい良好な形状・大きさのコロニーを形成させやすくなる。また、微生物が第一の層の表面に押し上げられるため、第一の層の表面上だけで生育し、コロニーを検出し易く、微生物の生育が十分となりやすい。
また、多孔質材料の通気度は7〜24cm/sec(70〜240L/(m
2・sec
))が好ましく、8〜20cm/secがより好ましく、10〜18cm/secがさらに好ましい。通気度がこの範囲にあれば、液体試料(検体)を添加した際に、第二の層に均一にその水分が行き渡りやすく、均一に微生物を培養しやすくなる。また、第二の層に含まれるゲル化剤が溶解・膨潤した際の固定性を十分に確保しやすいので、観察しやすい良好な形状・大きさのコロニーを形成させやすくなる。なお通気度は、JIS規格L1096 8.26で定められるフラジール形法による。
【0013】
第二の層に含まれるゲル化剤は、ポリビニルアルコールとメチルセルロースとの組み合わせ、又はポリビニルアルコールとグアーガムとの組み合わせを含む。
ポリビニルアルコールとメチルセルロースとの重量比は、90:10〜50:50であることがコロニーの発色及び大きさが良好になるので好ましく、90:10〜75:25
であることが第二の層作製時の溶解性の観点及び均一に第一の層に塗布できる観点からもさらに好ましい。
ポリビニルアルコールと
グアーガムとの重量比は、90:5〜90:25であることがコロニーの発色及び大きさが良好になるので好ましく、90:5〜90:20であることが第二の層作製時の溶解性の観点及び均一に第一の層に塗布できる観点からもさらに好ましい。
【0014】
ポリビニルアルコールは、重量平均分子量5000〜200000、かつ鹸化度75〜99%のものが好ましい。
メチルセルロースは、重量平均分子量100000〜1000000のものが好ましい。
グアーガムは、重量平均分子量100000〜500000のものが好ましい。
これらの範囲であることにより、第二の層が含水した時に、水分保持能及び発色能を好ましく両立できる粘度になる。
【0015】
本発明において第二の層に含まれるゲル化剤の総量は、第一の層の単位面積当たりの塗布量として、50〜200g/m
2であることが好ましい。このような範囲であることに
より、微生物培養器材の作製が容易であるとともに、微生物の生育がしやすく、培地上のコロニー計測がしやすくなる。
【0016】
また、ゲル化剤は、上述したポリビニルアルコールとメチルセルロースとの組み合わせ、又はポリビニルアルコールとグアーガムとの組み合わせ以外に、他のゲル化剤を含んでいてもよいが、ゲル化剤総量の好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上が、ポリビニルアルコールとメチルセルロースとの組み合わせ、又はポリビニルアルコールとグアーガムとの組み合わせである。
他のゲル化剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体;デンプン及びその誘導体;ヒアルロン酸、キサンタンガム等の多糖類;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体等の
アクリル酸誘導体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル;コラーゲン等のタンパク質;等が挙げられる。
【0017】
本発明において第二の層に含まれるゲル化剤の混合物は、オストワルド粘度計を用いて20℃で測定した4重量%水溶液の粘度が、好ましくは10mPa・s以上、さらに好ましくは15〜80mPa・sを示す。このような粘度であることにより、微生物が培地内部に侵入せず、また培地表面を移動せず、主として培地表面にコロニーを形成して検出・計測が容易になる。
【0018】
本発明の微生物培養器材は、第三の層をさらに含んでもよい。第三の層は、好ましくは、前記第二の層の、前記第一の層が隣接する面と反対側に隣接する。
第三の層は、微生物培養器材を補強したり、第二の層を保護したりして、その運搬や収納や取り扱いを容易にする役割を担う。
第三の層として用いる材料としては、例えば水不溶性の合成樹脂が好ましく、具体的にはポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン等が好ましく挙げられる。その形状としてはフィルム状又はシート状が好ましく、厚さは0.03〜2mmが好ましく、0.04〜0.2mmがより好ましい。
【0019】
本発明の微生物培養器材に、さらに少なくとも一種の発色剤又は蛍光剤と、少なくとも一種の栄養成分とを含有させると、本発明の微生物培地となる。
【0020】
発色剤又は蛍光剤は、培地上で生育した微生物のコロニーを発色又は蛍光させることにより見やすくし、後述する微生物検出法において、該コロニーを検出し計測するのを容易にするためのものである。
発色剤又は蛍光剤は、酵素の基質となるもの、すなわち酵素反応により有色又は蛍光の色素化合物を遊離し得るものが好ましい。例えば、検出対象の微生物が大腸菌群の場合、β−ガラクトシダーゼの基質となる5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド(X−GAL)等が挙げられ、大腸菌の場合は5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−グルクロン酸、又はその塩等も好ましく挙げられる。また、黄色ブドウ球菌の場合、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−リン酸(X−phos)、又はその塩等が好ましく挙げられる。
これらの発色剤又は蛍光剤は、微生物培養器材1m
2あたり0.01〜1.0gの含有
量とすることが好ましい。本発明の微生物培養器材は、第二の層のゲル化剤が溶解・膨潤時に粘度が高くなりすぎることなく、培地における自由水の流動性が確保されるため、発色剤又は蛍光剤の量を多くせずともコロニーの良好な着色を確保することができる。
【0021】
栄養成分は、培地において微生物を生育するためのものである。例えば、ペプトン、大豆ペプトン、酵母エキス、獣肉エキス、魚肉エキス、ブドウ糖、ショ糖、乳糖等が挙げられる。
また、培地において特定の微生物を選択的に生育するための選択物質も、含有させてもよい。選択物質としては、抗生物質、合成抗菌剤、色素、界面活性剤、無機塩等が挙げられる。抗生物質としては、メチシリン、セ
フメタゾール、セフィキシム、セフタジジム、セフスロジン、バシトラシン、ポリミキシンB、リファンピシン、ノボビオシン、コリスチン、リンコマイシン、クロラムフェニコール、テトラシクリン、ストレプトマイシン等が挙げられる。合成抗菌剤としては、サルファ剤、ナリジクス酸、オラキンドックス等が挙げられる。色素としては、静菌又は殺菌作用のある、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、マラカイトグリーン、メチレンブルー等が挙げられる。界面活性剤としては、Tergito17、ドデシル硫酸塩、ラウリル硫酸塩等が挙げられる。無機塩類としては、亜セレン酸塩、亜テルル酸塩、亜硫酸塩、窒化ナトリウム、塩化リチウム、シュウ酸塩、塩化ナトリウム等が挙げられる。これらの他、タウロコール酸塩、グリシン、胆汁末、胆汁酸塩、デオキシコール酸塩等を用いてもよい。
その他に、本発明の培地には、pH調整剤等、通常微生物培地に用いられる成分を任意に含有させることができる。
【0022】
また、本発明の微生物培地は、水分を含んでいてもよいが、保存性及び取扱い性の観点から、使用前の状態では通常50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。また、使用時(微生物生育時)には、微生物培養器材1m
2あたり350〜650mL
の含水量とすることが好ましい。すなわち、本発明の微生物培地は、使用前は乾燥状態にあるが、使用時に液体試料(検体)を添加してその水分によりゲル化剤が溶解・膨潤することにより、微生物が生育し得る状態になる。
【0023】
本発明の微生物培養器材及び微生物培地は、特に限定されないが、例えば次のような手順で作製することができる。
ゲル化剤を含む第二の層の構成成分を水に混合・溶解し、これを不溶性フィルム等の上に塗布した後に乾燥させることで第二の層を形成し、該第二の層を第一の層を構成する多孔質材料上に貼り合わせる。あるいは、第二の層にゲル化剤溶液を塗布した後に乾燥してもよい。その後に、第二の層の、第一の層が隣接する面と反対側に第三の層を構成するフィルム等を貼り合わせる。このようにして作製したシート状の微生物培養器材に、発色剤又は蛍光剤と栄養成分とを含浸、付着、又は吸着させた後、乾燥させて、微生物培地とする。あるいは、第二の層の構成成分とともに発色剤又は蛍光剤及び栄養成分も水に混合・溶解して、上記のように塗工・乾燥等を経て、微生物培地を作製してもよい。
【0024】
本発明の微生物培地は、検体中の微生物を検出する方法に好適に利用できる。該方法は、本発明の微生物培地に検体を接種する工程、前記検体に含まれる微生物を培養する工程、及び前記微生物のコロニーを検出する工程を含む。本発明の微生物培地は、コロニーが大きく生育しかつ発色が明瞭になるため、本発明の検出方法によれば微生物の検出及び計測が容易に行える。
【0025】
微生物培地に検体を接種する工程においては、第一の層と第二の層のどちらの側から接種してもよいが、第一の層側から接種することが好ましい。この場合、検体(通常は液体試料)は第一の層の多孔質材料内に水平方向及び垂直方向に拡散し、第二の層に到達し、液体試料中の水分がゲル化剤を溶解して、その溶液が第一の層の多孔質材料中に浸潤し、第一の層と第二の層が一体化する。また、培地中の栄養成分等も溶け出すので、微生物の生育が始まる。ゲル化剤溶液は粘度が高いため、微生物は第二の層内部まで入り込まず、培地表面(第一の層の第二の層に隣接する面と反対側)まで押し上げられ、そこでコロニーを形成する。
微生物を培養する工程は、検出対象の微生物に適する培養温度・時間を適宜選択することができる。
形成したコロニーの検出は、コロニーが発色剤又は蛍光剤等により発色又は蛍光するため、容易に行うことができる。
【0026】
本発明の検出法に適用される検体としては、肉類、魚介類などの生鮮食料品、便などの臨床検体、海水、調理場、病院などのふき取り検体等が挙げられる。また、これらの検体を、予めトリプトソーヤブイヨンやプレストンブイヨン等で培養した培養液や、さらにこれを増菌用培地で培養した培養液も、検体として用いることができる。
なお、特に限定されるものではないが、通常、検体は水や培地等の液体に溶解又は懸濁された状態の、液体試料として検査に供される。
また、本発明の微生物培地での生育や微生物検出法での検出の対象となる微生物としては、大腸菌・大腸菌群、ブドウ球菌、ビブリオ属細菌、腸球菌、真菌等が挙げられ、特に限定されない。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
<参考例>
表1に示す組成で、黄色ブドウ球菌用ベース培地を作製した。ベース培地と、表2に示す各ゲル化剤の1リットル使用量とを1リットルの精製水に加え、95℃、1分間加温溶解し、20μm厚1×1mポリエステルフィルム上に全量を塗布し、65℃で乾燥させ、ポリエステルフィルムから剥離したものをナイロンメルトブローン不織布(90g/m
2
)に貼り合わせた。その後、100μm厚70×80mmポリエステルフィルムを不織布と反対側に接着し、シート状の簡易培地(0−1)〜(0−4)とした。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC 14462)をトリプトソ
ーヤ寒天培地(日水製薬製)で24時間培養後、滅菌綿棒を用いて、マクファーランド比濁#1相当(約3.0×10
8CF
U/mL)になるように滅菌生理食塩水に懸濁し、菌原液とした。菌原液は10
−7まで滅菌生理食塩水にて10倍段階希釈を繰り返し、その10
−7希釈菌液を各簡易培地へ500mL/m
2ずつ供試した。35℃、24時間培養後、コロニーの大きさ及び発色を確認した。
【0032】
表2に示すとおり、いずれの簡易培地も作製することができたが、ポリビニルアルコールを用いた簡易培地(0−1
)以外では、乾燥した培地が脆くなったり、完全に溶解しなかったりしたため、大量に製造するには扱いにくく問題があった。2種類のカルボキシメ
チルセルロースを用いた簡易培地(0−2)と(0−3)ではコロニーが小さくなることが認められた。また、メチルセルロースを用いた簡易培地(0−4)ではポリビニルアルコールを使用したものより良好なコロニーの発色を認めた。
【0033】
<実施例1>
参考例と同様の黄色ブドウ球菌用ベース培地と、表3記載のゲル化剤の1リットル使用量とを1リットルの精製水に加え、95℃、1分間加温溶解し、20μm厚1×1mポリエステルフィルム上に全量を塗布し、65℃で乾燥させ、ポリエステルフィルムから剥離したものをナイロンメルトブローン不織布(90g/m
2)に貼り合わせた。その後、1
00μm厚70×80mmポリエステルフィルムを不織布と反対側に接着し、シート状の簡易培地(1−1)〜(1−5)とした。
参考例と同様にマクファーランド比濁#1相当の黄色ブドウ球菌液の10
-7希釈菌液を各簡易培地へ500mL/m
2ずつ供試し、35℃、24時間培養後、コロニーの大きさ及び発色を確認した。
【0034】
【表3】
【0035】
表3に示すとおり、ポリビニルアルコールとメチルセルロースとの重量比が90:10〜50:50の範囲において、コロニーの大きさ及び発色がともに良好であった。また、90:10〜75:25の範囲において、培地作製時の溶解性も良好であった。
また、
図1に、簡易培地(1−1)及び(1−4)に相当する各培地上の発色コロニーの写真を示す。(1−1)に比べて(1−4)ではコロニーが大きくかつ発色が濃く明瞭であった。
【0036】
<実施例2>
参考例と同様の黄色ブドウ球菌用ベース培地と、表4記載のゲル化剤の1リットル使用量とを1リットルの精製水に加え、95℃、1分間加温溶解し、20μm厚1×1mポリエステルフィルム上に全量を塗布し、65℃で乾燥させ、ポリエステルフィルムから剥離したものをナイロンメルトブローン不織布(90g/m
2)に貼り合わせた。その後、1
00μm厚70×80mmポリエステルフィルムを不織布と反対側に接着し、シート状の簡易培地(2−1)〜(2−7)とした。
参考例と同様にマクファーランド比濁#1相当の黄色ブドウ球菌液の10
-7希釈菌液を各簡易培地へ500mL/m
2ずつ供試し、35℃、24時間培養後、コロニーの大きさ及び発色を確認した。
【0037】
【表4】
【0038】
表4に示すとおり、ポリビニルアルコールとキサンタンガムとを組み合わせた場合は、混合することができず培地を作製できなかった。一方、ポリビニルアルコールとグアーガムとの重量比が90:5〜90:25の範囲において、コロニーの大きさ及び発色がともに良好であった。また90:5〜90:20の範囲において、培地作製時の溶解性も良好であった。
また、
図2に、簡易培地(2−1)及び(2−5)に相当する各培地上の発色コロニーの写真を示す。(2−1)に比べて(2−5)ではコロニーが大きくかつ発色が濃く明瞭であった。
【0039】
<実施例3>
表5に示す組成で、大腸菌群用ベース培地を作製した。ベース培地と、ポリビニルアルコール120g/L、又はポリビニルアルコール90g/L及びグアーガム5g/Lの組み合わせとを1リットルの精製水に加え、95℃、1分間加温溶解し、20μm厚ポリエステルフィルム上に、ゲル化剤総量が120g/m
2となるように塗布し、65℃で乾燥
させ、ポリエステルフィルムから剥離したものをナイロンメルトブローン不織布(90g/m
2)に貼り合わせた。その後、100μm厚70×80mmポリエステルフィルムを
不織布と反対側に接着し、シート状の簡易培地(3−1)及び(3−2)とした。
【0040】
【表5】
【0041】
大腸菌(Escherichia coli NBRC 3972)をトリプトソ
ーヤ寒天培地(日水製薬製)で24時間培養後、滅菌綿棒を用いて、マクファーランド比濁#1相当(約3.0×10
8CF
U/mL)になるように滅菌生理食塩水に懸濁し、菌原液とした。菌原液は10
−7まで滅菌生理食塩水にて10倍段階希釈を繰り返し、その10
−7希釈菌液を各簡易培地へ500mL/m
2ずつ供試した。35℃、24時間培養後、コロニーの大きさ及び発色を確認した。
図3に示すとおり、ポリビニルアルコールとグアーガムとの重量比が100:0の場合に比べて、90:5の場合はコロニーが大きくかつ発色が濃く明瞭であった。