特許第6380054号(P6380054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6380054コンクリートクラック検出剤、及び、コンクリートクラック検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6380054
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】コンクリートクラック検出剤、及び、コンクリートクラック検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/91 20060101AFI20180820BHJP
   G01N 33/38 20060101ALI20180820BHJP
   E04G 23/02 20060101ALN20180820BHJP
【FI】
   G01N21/91 A
   G01N33/38
   !E04G23/02 A
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-241404(P2014-241404)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-102721(P2016-102721A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100159293
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 真
(72)【発明者】
【氏名】野中 眞一
(72)【発明者】
【氏名】河原 英昭
(72)【発明者】
【氏名】山本 明史
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−035827(JP,A)
【文献】 特開昭54−056487(JP,A)
【文献】 特開平10−316890(JP,A)
【文献】 特開2004−264233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G01N 33/38
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造物表面に、ガラス転移温度が50℃以上である合成樹脂(a−1)及び水性媒体(a−2)を含有するコンクリートクラック検出剤を塗布し、乾燥させた後、クラック内部以外に塗布された前記コンクリートクラック検出剤を拭き取ることを特徴とするコンクリートクラック検出方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物表面の微細なクラックを簡便に検出できるコンクリートクラック検出剤、及び、コンクリートクラック検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート補修等の土木建築業界では、笹子トンネル崩落事故などを背景にインフラ補強に対する注目度が高まっている。高度経済成長期以降に建設されたコンクリート構造物は、今後30年間に築50年を経過するため、コンクリート補修の需要は増加傾向にある。
【0003】
加えて、2011年に起きた福島第一原子力発電所事故を皮切りに、コンクリート構造物からの放射能漏れに対する懸念が非常に高まっている。コンクリート構造物にクラックが生じている場合には、そのクラックが非常に微細なものであっても放射能の漏れや侵入の恐れがある、あるいは水の浸入によるRC構造体の劣化の恐れがあるなどの問題が生じるため、目視で判断できないような微細なクラックも検出できるシステムの開発が渇望されている。
【0004】
コンクリート構造物の微細なクラックを検出し得る方法としては、例えば、透明な蛍光液をコンクリート構造物表面に塗布し、ブラックライトを照射することにより検出する方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、この方法では、蛍光液がクラックの存在しないコンクリート構造物表面に残存する可能性があるため、検出後に不具合が生じる可能性があること、及び、ブラックライト装置の導入が必要となる問題があった。
【0005】
また、その他の方法としては、例えば、浸透性が高く、揮発性を有するクラック検出剤を使用する方法が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、この方法では、揮発性液体を使用するため、現場における臭気の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−204142号公報
【特許文献2】特開2005−195564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、コンクリート構造物表面の微細なクラックを簡便に検出できるコンクリートクラック検出剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ガラス転移温度が50℃以上である合成樹脂(a−1)及び水性媒体(a−2)を含有することを特徴とするコンクリートクラック検出剤を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、コンクリート構造物表面に、ガラス転移温度が50℃以上である合成樹脂(a−1)及び水性媒体(a−2)を含有するコンクリートクラック検出剤を塗布し、乾燥させた後、該塗布面に水を散布し、前記水を拭き取ることを特徴とするコンクリートクラック検出方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンクリートクラック検出剤及びコンクリートクラック検出方法は、コンクリート構造物表面の微細なクラックを簡便に検出できるものである。また、本発明のコンクリートクラック検出剤は、水性媒体に分散した合成樹脂を用いることから、溶剤揮発等による臭気の問題もなく、特にガラス転移温度が50℃以上であり、好ましくは平均粒子径が50μm以下である水分散体を用いることにより、微細なクラックには浸入し、クラックの無い部分では水揮発後も造膜しないことから、塗布、乾燥後にクラック内部以外に塗布された前記コンクリートクラック検出剤を拭き取った後は、クラック部のみに残存するため、目視でクラック部を確認することができる。また、クラック部がないコンクリート構造物表面では水の拭き取りにより余分なコンクリートクラック検出剤を除去できるため、コンクリート補修等の次工程へ悪影響を及ぼすことがない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のコンクリートクラック検出剤は、ガラス転移温度が50℃以上である合成樹脂(a−1)及び水性媒体(a−2)を含有するものである。
【0012】
前記合成樹脂(a−1)は、ガラス転移温度が50℃以上であるものを用いることにより、微細なクラックには浸入し、クラックの無い部分では水揮発後も造膜しないことから、塗布、乾燥後にクラック内部以外に塗布された前記コンクリートクラック検出剤を拭き取った後は、クラック部のみに残存するため、目視でクラック部を確認することができる。前記合成樹脂(a−1)の代わりにガラス転移温度が50℃未満の合成樹脂を用いた場合には、常温で造膜性があり、塗布、乾燥後にクラック内部以外に塗布された前記コンクリートクラック検出剤を拭き取る際に、造膜性の強さに起因して一緒に剥ぎ取られてしまうためクラック部の検出ができない場合や、クラックのない部分のコンクリート表面に塗膜が残存し、増厚等の後工程に支障をきたすなどの問題が生じる。なお、前記合成樹脂(a−1)のガラス転移温度としては、水による拭き取りがより一層向上できる点から、70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
【0013】
なお、前記合成樹脂(a−1)のガラス転移温度は、前記合成樹脂(a−1)として重合体を用いる場合には、Foxの式による計算値を示し、それ以外の合成樹脂を用いるには、JISK7121:2012に準拠した示差走査型熱量計(DSC)により測定した中間点ガラス転移温度(Tmg)を示す。具体的には、前記合成樹脂を、示差走査型熱量計(DSC)装置内に入れ、(Tmg+50℃)まで昇温速度10℃/分で昇温した後、3分間保持し、その後急冷することにより得られる示差熱量曲線から読み取った中間点ガラス転移温度(Tmg)を示す。また、前記合成樹脂(a−1)として、重合体及びそれ以外の合成樹脂を併用する場合には、各合成樹脂のガラス転移温度を用いてFoxの式により計算した値を示す。
【0014】
また、前記合成樹脂(a−1)としては、微細なコンクリートクラックへの注入性をより一層向上できる点から、平均粒子径が50μm以下のものを用いることが好ましく、0.001〜10μmの範囲のものがより好ましい。なお、前記合成樹脂(a−1)の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製SALD−7000)を使用して測定した、D50の値(μm)を示す。
【0015】
前記合成樹脂(a−1)としては具体的には、例えば、アクリル重合体、アクリル−スチレン共重合体、酢酸ビニル重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂等の公知の合成樹脂を用いることができる。これらの合成樹脂は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、汎用性が高い点から、アクリル重合体、アクリル−スチレン共重合体、酢酸ビニル重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、及び、ウレタン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の合成樹脂を用いることが好ましく、スチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることがより好ましい。
【0016】
前記スチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体、及び、スチレンを必須成分とした単量体成分を水性媒体(a−2)中で公知の乳化重合により得られるものを用いることができる。
【0017】
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらの単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0018】
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体及び前記スチレン以外に用いることができる単量体としては、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン、酢酸ビニル等を用いることができる。これらの単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記合成樹脂(a−1)の好ましいものとしては、例えば、DIC株式会社製「グランドールPP−1000EF」等を市販品として入手することができる。
【0020】
前記水性媒体(a−2)としては、例えば、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物などを用いることができる。これらの水性媒体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル;N-メチル−2−ピロリドン等のラクタムなどを用いることができる。前記水性媒体(a−2)としては、安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、または、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみを使用することが特に好ましい。
【0021】
前記合成樹脂(a−1)を水性媒体(a−2)に分散する方法としては、前記合成樹脂(a−1)を前記水性媒体(a−2)中で重合又は反応する方法、前記合成樹脂(a−1)と前記水性媒体(a−2)とを混合する方法等が挙げられる。
【0022】
本発明のコンクリートクラック検出剤は、前記合成樹脂(a−1)及び前記水性媒体(a−2)を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて、その他の添加剤を更に含んでもよい。
【0023】
前記その他の添加剤としては、顔料、染料、中和剤、重合開始剤、チキソ付与剤、分散剤、増感剤、ウレタン化触媒、重合禁止剤、レベリング剤、粘着付与剤、整泡剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。本発明では、前記合成樹脂(a−1)を用いることによりコンクリートのクラック部にコンクリート検出剤が残存するため、プラスチック様の光沢により目視でクラック部を十分に目視確認できるが、目視確認がより一層しやすくなる場合があるため、顔料及び/又は染料を更に用いることが好ましい。
【0024】
前記顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、カーボンブラック、酸化第二鉄、クロム酸鉛、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機顔料;キナクリドン化合物、キナクリドンキノン化合物、ジオキサジン化合物、フタロシアニン化合物、アントラピリミジン化合物、アンサンスロン化合物、インダンスロン化合物、フラバンスロン化合物、ペリレン化合物、ジケトピロロピロール化合物、ペリノン化合物、キノフタロン化合物、アントラキノン化合物、チオインジゴ化合物、ベンツイミダゾロン化合物、アゾ化合物等の有機顔料;重炭酸カルシウム、クレー、シリカ、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料などを用いることができる。これらの顔料は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記顔料を用いる場合の使用量としては、水性媒体(a−2)への分散性の点からコンクリートクラック検出剤中0.001〜10質量%の範囲であることが好ましい。
【0026】
前記染料としては、例えば、モノアゾ・ジスアゾ等のアゾ染料;金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノイミン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ペリノン染料、フタロシアニン染料、トリアリルメタンなどをもちいることができる。これらの染料は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記染料を用いる場合の使用量としては、水性媒体(a−2)への分散性の点からコンクリートクラック検出剤中0.001〜10質量%の範囲であることが好ましい。
【0028】
次に、本発明のコンクリートクラック検出方法について説明する。
【0029】
本発明のコンクリートクラック検出方法は、コンクリート構造物表面に、前記コンクリートクラック検出剤を塗布し、乾燥させた後、クラック内部以外に塗布された前記コンクリートクラック検出剤を拭き取ることを必須とするものである。この方法によれば、前記水を拭き取った後も、クラック部に前記コンクリートクラック検出剤が残存するため、目視でクラック部を確認することができる。
【0030】
前記コンクリートクラック検出剤をコンクリート構造物表面に塗布する方法としては、例えば、刷毛、鏝、レーキ、ローラー、アプリケーター等により塗布する方法が挙げられる。また、前記コンクリートクラック検出剤の塗布量としては、例えば、0.001〜1kg/mの範囲である。
【0031】
前記塗布されたコンクリートクラック検出剤を乾燥させる方法としては、常温にて例えば20分〜2日放置する方法、例えば30〜50℃の温度で例えば10分〜10時間の間加熱乾燥する方法が挙げられるが、現場施工性の点から前者の方法が好ましい。
【0032】
前記乾燥後は、クラック内部以外に塗布された前記コンクリートクラック検出剤を拭き取ることにより本発明のコンクリートクラック検出剤がクラック部にのみ残存することとなる。また、前記拭き取りの際には、必要に応じて、水で濡らしたウエスを使用したり、水の散布により拭き取りを容易にする方策をとってもよい。なお、本発明においては、前記合成樹脂(a−1)としてガラス転移温度が50℃以上であるものを用いるため造膜性が比較的弱く、容易に拭き取りを行うことができる。
【0033】
前記拭き取り後にコンクリート構造物表面にクラックが検出された場合には、前記コンクリートクラック検出剤を含むコンクリート構造物表面上にコンクリート補修材の塗布、コンクリート補修用シート材の貼り合せ等のコンクリート補修を簡便に行うことができる。
【0034】
以上のように、本発明のコンクリートクラック検出剤及びコンクリートクラック検出方法は、コンクリート構造物表面の微細なクラックを簡便に検出できるものである。また、本発明のコンクリートクラック検出剤は、水性媒体に分散した合成樹脂を用いることから、溶剤揮発等による臭気の問題もなく、特にガラス転移温度が50℃以上で、好ましくは平均粒子径が50μm以下である水分散体を用いることにより、微細なクラックには浸入し、クラックの無い部分では水揮発後も造膜しないことから、塗布、乾燥後にコンクリート構造物表面に水を散布して前記水を拭き取った後も、クラック部に残存するため、目視でクラック部を確認することができる。また、クラック部がないコンクリート構造物表面では水の拭き取りにより余分なコンクリートクラック検出剤を除去できるため、コンクリート補修等の次工程へ悪影響を及ぼすことがない。
【実施例】
【0035】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【0036】
[実施例1]
JISA5304−1999規格のコンクリート平板の表面に、0.05mm幅のクラックを作製し試験体を得た。このクラックは目視では非常に判別が困難なものである。
次いで、DIC株式会社製のアクリル−スチレン共重合体「グランドールPP−1000EF」(ガラス転移温度;104℃、平均粒子径;0.5μm)を0.1kg/mの量で刷毛を用いて前記試験体表面に全面塗布した後、23℃で1時間放置し乾燥させた。次いで、これに0.5L/mの量の水を散布し、ウエスで拭きとることにより、クラックの生じていない部分の塗布物を除去することができ、かつ、クラック内部に入り込んだ塗布物は水による拭き取り後でもクラック内部に残存していることを目視観察により確認することができた。
【0037】
[比較例1]
前記「グランドールPP−1000EF」の代わりに、DIC株式会社製アクリル−スチレン共重合体「ボンコート5400EF」(ガラス転移温度;6℃、平均粒子径;0.2μm)を使用した以外は実施例1と同様にしてコンクリート検出試験を行ったが、塗布物の乾燥後に水を散布しても造膜性が強く、拭き取っても容易に除去することができなかった。また、強引に剥ぎ取ろうとした場合には、クラック内部に入り込んだ塗布物も同時に剥ぎ取られてしまった。クラック部のみに塗布物が残存している状態でなければ、コンクリート構造物表面のクラック部の検出はできないことが分かった。