特許第6381520号(P6381520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6381520極端紫外光生成装置及びパルスレーザ光の集光ビーム計測装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381520
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】極端紫外光生成装置及びパルスレーザ光の集光ビーム計測装置
(51)【国際特許分類】
   H05G 2/00 20060101AFI20180820BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   H05G2/00 K
   G03F7/20 521
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-506552(P2015-506552)
(86)(22)【出願日】2013年12月10日
(86)【国際出願番号】JP2013083048
(87)【国際公開番号】WO2014147901
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2016年11月10日
(31)【優先権主張番号】特願2013-57994(P2013-57994)
(32)【優先日】2013年3月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】300073919
【氏名又は名称】ギガフォトン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 計
(72)【発明者】
【氏名】川筋 康文
(72)【発明者】
【氏名】若林 理
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−103499(JP,A)
【文献】 特開2007−109451(JP,A)
【文献】 特開2011−198569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05G 2/00
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に所定のガスを含むチャンバと、
レーザ装置から出力されるパルスレーザ光の光路上に配置され、前記パルスレーザ光を集光する集光光学系と、
前記パルスレーザ光の光路の軸外に設けられ、前記集光光学系により集光された前記パルスレーザ光が前記所定のガスに照射されることによって前記チャンバの内部で生成されたプラズマ発光の像を撮像する撮像部と、
前記撮像部から得られたプラズマ発光像に基づいて、前記パルスレーザ光の集光位置及び集光幅を計測する計測部と
を備え
前記撮像部は、
第1の方向に向けられた第1の撮像部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けられた第2の撮像部と
を含む
極端紫外光生成装置。
【請求項2】
前記撮像部による撮像タイミングを、前記レーザ装置による前記パルスレーザ光の出力タイミングから遅延したタイミングに同期させる制御部をさらに備えた
請求項1に記載の極端紫外光生成装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記パルスレーザ光の光路軸に対して直交する方向を向くように配置されている
請求項1に記載の極端紫外光生成装置。
【請求項4】
前記計測部は、
前記第1の撮像部から得られた第1のプラズマ発光像に基づいて、前記パルスレーザ光の第1の集光位置及び第1の集光幅を計測すると共に、前記第2の撮像部から得られた第2のプラズマ発光像に基づいて、前記パルスレーザ光の第2の集光位置及び第2の集光幅を計測する
請求項に記載の極端紫外光生成装置。
【請求項5】
前記第1の撮像部と前記第2の撮像部はそれぞれ、互いに直交する方向を向くように配置され、かつ、それぞれが前記パルスレーザ光の光路軸に対して直交する方向を向くように配置されている
請求項に記載の極端紫外光生成装置。
【請求項6】
極端紫外光の生成に用いられるパルスレーザ光の集光ビームを計測する装置であって、
パルスレーザ光の光路の軸外に設けられ、所定のガスに前記パルスレーザ光が照射されることによって生成されたプラズマ発光の像を撮像する撮像部と、
前記撮像部から得られたプラズマ発光像に基づいて、前記パルスレーザ光の集光位置及び集光幅を計測する計測部と
を備えたパルスレーザ光の集光ビーム計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極端紫外(EUV)光を生成するための装置、及びパルスレーザ光の集光ビームを計測するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外(EUV)光を生成するための極端紫外光生成装置と縮小投影反射光学系(reduced projection reflective optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(Laser Produced Plasma:レーザ励起プラズマ)方式の装置と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(Discharge Produced Plasma)方式の装置と、軌道放射光を用いたSR(Synchrotron Radiation)方式の装置との3種類の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−178534号公報
【特許文献2】特開2012−199512号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/0223256号明細書
【特許文献4】米国特許第5017012号明細書
【概要】
【0005】
本開示による極端紫外光生成装置は、内部に所定のガスを含むチャンバと、レーザ装置から出力されるパルスレーザ光の光路上に配置され、パルスレーザ光を集光する集光光学系と、パルスレーザ光の光路の軸外に設けられ、集光光学系により集光されたパルスレーザ光が所定のガスに照射されることによってチャンバの内部で生成されたプラズマ発光の像を撮像する撮像部と、撮像部から得られたプラズマ発光像に基づいて、パルスレーザ光の集光位置及び集光幅を計測する計測部とを備えてもよい。撮像部は、第1の方向に向けられた第1の撮像部と、第1の方向とは異なる第2の方向に向けられた第2の撮像部とを含んでもよい。
【0006】
本開示によるパルスレーザ光の集光ビーム計測装置は、極端紫外光の生成に用いられるパルスレーザ光の集光ビームを計測する装置であって、パルスレーザ光の光路の軸外に設けられ、所定のガスにパルスレーザ光が照射されることによって生成されたプラズマ発光の像を撮像する撮像部と、撮像部から得られたプラズマ発光像に基づいて、パルスレーザ光の集光位置及び集光幅を計測する計測部とを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの一構成例を概略的に示す。
図2図2は、本開示の第1の実施形態に係るパルスレーザ光の集光ビーム計測装置の一構成例を概略的に示す。
図3図3は、集光ビームを計測する場合に得られる画像データの一例を模式的に示す。
図4図4は、集光ビームを計測する場合の発振トリガ、パルスレーザ光、プラズマ発光光、及びシャッタトリガの一例を示すタイミングチャートである。
図5図5は、計測制御部によるメインの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、集光ビームを計測する場合の画像取り込み範囲の一例を示す。
図7図7は、画像の取り込み処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ビームウエスト位置とビームウエスト全幅とを計算する処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、ビームウエスト位置とビームウエスト全幅との計算過程の一例を示す説明図である。
図10図10は、ビームウエストの中心位置と全幅とを計算する処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、シャッタトリガ生成の変形例を示す。
図12図12は、第1の実施形態の第2の変形例に係る集光ビーム計測装置のYZ断面内の一構成例を概略的に示す。
図13図13は、第2の変形例に係る集光ビーム計測装置のYX断面内の一構成例を概略的に示す。
図14図14は、第2の変形例に係る集光ビーム計測装置における計測制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、パルスレーザ光の集光ビーム計測装置を含むEUV光生成装置の一構成例を概略的に示す。
図16図16は、図15に示したパルスレーザ光の集光ビーム計測装置を含むEUV光生成装置のY2−Y2’線断面内の一構成例を概略的に示す。
図17図17は、パルスレーザ光の集光ビーム計測装置を含むEUV光生成装置において、集光ビームを計測する場合の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、不活性ガスの圧力とプラズマ生成との関係の一例を示す。
図19図19は、制御部のハードウエア環境の一例を示す。
【実施形態】
【0010】
<内容>
[1.概要]
[2.EUV光生成装置の全体説明]
2.1 構成
2.2 動作
[3.パルスレーザ光の集光ビーム計測装置](第1の実施形態)
3.1 構成
3.2 動作
3.2.1 全体の動作
3.2.2 計測制御部のメインフロー
3.2.3 画像データの取り込み処理
3.2.4 ビームウエスト位置Pwとビームウエスト全幅Dwの計算
3.3 作用
3.4 第1の実施形態の第1の変形例(シャッタトリガ生成の変形例)
3.4.1 構成
3.4.2 動作
3.4.3 作用
3.5 第1の実施形態の第2の変形例(2つのカメラを含む実施形態)
3.5.1 構成
3.5.2 動作
3.5.3 作用
3.6 その他の変形例
[4.パルスレーザ光の集光ビーム計測装置を含むEUV光生成装置](第2の実施形態)
4.1 構成
4.2 動作
4.2.1 EUV光生成時の動作
4.2.2 集光ビーム計測時の動作
4.3 作用
[5.その他]
5.1 不活性ガスの圧力とプラズマ生成との関係
5.2 制御部のハードウエア環境
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
[1.概要]
本開示は、不活性ガス中にパルスレーザ光を集光したときに生成されたプラズマ発光の像を計測する装置に関する。
【0013】
[2.EUV光生成システムの全体説明]
2.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられてもよい。本願においては、EUV光生成装置1及びレーザ装置3を含むシステムを、EUV光生成システム11と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2、及びターゲット供給装置として例えばターゲット供給部26を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。ターゲット供給部26は、例えば、チャンバ2の壁を貫通するように取り付けられてもよい。ターゲット供給部26から供給されるターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0014】
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよい。その貫通孔には、ウインドウ21が設けられてもよい。ウインドウ21をレーザ装置3から出力されるパルスレーザ光32が透過してもよい。チャンバ2の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有し得る。EUV集光ミラー23の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域25又はその近傍に位置し、その第2の焦点が露光装置の仕様によって規定される所望の集光位置である中間集光点(IF)292に位置するように配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー23の中央部には貫通孔24が設けられていてもよく、貫通孔24をパルスレーザ光33が通過してもよい。
【0015】
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御部5を含むことができる。またEUV光生成制御部5は、ターゲットセンサ4等を含むことができる。ターゲットセンサ4は、ターゲット27の存在、軌跡、位置、及び速度の内の少なくとも1つを検出しても良い。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有していても良い。
【0016】
さらに、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通する接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャ293が形成された壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャ293がEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
【0017】
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27を回収するためのターゲット回収部28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を制御するために、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えてもよい。
【0018】
2.2 動作
図1を参照に、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光の経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのターゲット27に照射されてもよい。
【0019】
ターゲット供給部26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力するよう構成されてもよい。ターゲット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスが照射されてもよい。パルスレーザ光が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマから放射光と共にEUV光251が放射され得る。EUV光251は、EUV集光ミラー23によって反射されると共に集光されてもよい。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光252は、中間集光点292を通って、露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
【0020】
EUV光生成制御部5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括するよう構成されてもよい。EUV光生成制御部5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージデータ等を処理するよう構成されてもよい。また、EUV光生成制御部5は、例えば、ターゲット27が出力されるタイミングの制御、及びターゲット27の出力方向の制御の内の少なくとも1つを制御するよう構成されてもよい。
【0021】
さらに、EUV光生成制御部5は、例えば、レーザ装置3の発振タイミングの制御、パルスレーザ光32の進行方向の制御、及びパルスレーザ光33の集光位置の制御の内の少なくとも1つを制御するよう構成されてもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
【0022】
[3.パルスレーザ光の集光ビーム計測装置](第1の実施形態)
3.1 構成
図2は、第1の実施形態に係るパルスレーザ光の集光ビーム計測装置の一構成例を示している。図3は、集光ビームを計測する場合に得られる画像データとしてプラズマ発光像データの一例を模式的に示している。
【0023】
第1の実施形態に係る集光ビーム計測装置は、チャンバ2及びレーザ装置3と共に用いられてもよい。この集光ビーム計測装置は、カメラ40と、計測制御部53と、遅延回路71と、ワンショット回路72とを含んでもよい。
【0024】
レーザ装置3は、パルスレーザ光31を出力するレーザ発振器と、パルスレーザ光31を増幅する複数の増幅器とを含んでいてもよい。レーザ発振器及び増幅器はCO2レーザガスを含むものであってもよい。レーザ装置3から出力されるパルスレーザ光31は、パルスエネルギーが50mJ〜400mJ、パルス幅が10ns〜25nsであってもよい。レーザ発振器には、発振トリガTG1が入力されていてもよい。
【0025】
チャンバ2は、ウインドウ21と、レーザ集光光学系22aと、ダンパ44と、ウインドウ43とを含んでいてもよい。ウインドウ21はチャンバ2の壁に配置してもよい。ウインドウ21と、レーザ集光光学系22aと、ダンパ44とは、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31の光路上に、パルスレーザ光31の進行方向に沿ってこの順番で、それぞれ配置してもよい。
【0026】
ウインドウ21は、CO2レーザ光が透過するダイヤモンドウインドウであってもよい。ウインドウ43は、レーザ集光光学系22aによるパルスレーザ光31のビームウエストで生成されるプラズマ発光の像を、パルスレーザ光31の光路の軸外からカメラ40で計測できるようにチャンバ2の壁に配置してもよい。例えば、ウインドウ43は、パルスレーザ光31の光路軸に対して略直交する方向からカメラ40でパルスレーザ光31のビームウエストで生成されるプラズマ発光の像を計測できるように配置してもよい。なお、パルスレーザ光31のビームウエストはプラズマ生成領域25或いはその近傍に設定されるとよい。
【0027】
レーザ集光光学系22aは、パルスレーザ光31を透過する集光レンズであってもよい。レーザ集光光学系22aは、複数のレンズを組み合わせた光学系であってもよい。その場合、レンズの材質はZnSeであってもよい。或いは、レーザ集光光学系22aは、複数のミラーを組み合わせた光学系であってもよい。レーザ集光光学系22aの解像力は、70μm〜300μmとなるよう設計されてもよい。
【0028】
チャンバ2内には、所定のガスとして、あらかじめ所定の圧力の不活性ガス37が充填されていてもよい。その場合、不活性ガス37は、例えばArガスで、圧力は、例えば8kPa〜140kPaの範囲の所定の圧力であってもよい。不活性ガス37の圧力は、パルスレーザ光31の光強度に応じて調節されてもよい。
【0029】
計測制御部53は、発振トリガTG1の信号をレーザ装置3及び遅延回路71に出力してもよい。遅延回路71は、ワンショット回路72に信号を出力してもよい。ワンショット回路72は、所定のパルス幅のシャッタトリガTG2の信号をイメージセンサ41に出力してもよい。
【0030】
カメラ40は、転写光学系42と、イメージセンサ41とを含んでいてもよい。転写光学系42とイメージセンサ41は、パルスレーザ光31のビームウエストで生成されたプラズマ発光の像がイメージセンサ41の受光面上に結像するように配置してもよい。転写光学系42は、パルスレーザ光31の集光ビームのビーム径が計測できる解像力の組レンズで構成してもよい。イメージセンサ41は、イメージインテンシファイヤ付きのCCD(Charge Coupled Device)であってもよい。イメージセンサ41は、高速シャッタ付きのイメージセンサであって、シャッタトリガTG2の信号によって、所定時間シャッタを開けて、閉じる機能を持っていてもよい。
【0031】
イメージセンサ41と計測制御部53は、イメージセンサ41で撮像された画像データD1を計測制御部53に送ることができるように接続されていてもよい。この場合、画像データD1はプラズマ発光像データを含んでいてもよい。
【0032】
カメラ40は、パルスレーザ光31の光路の軸外に設けられ、例えば不活性ガス37にパルスレーザ光31が照射されることによってチャンバ2の内部で生成されたプラズマ発光の像を撮像する機能を有していてもよい。カメラ40は、パルスレーザ光31の光路軸に対して略直交する方向を向くように配置されていてもよい。カメラ40によって撮像されたプラズマ発光の像は、例えば図3に例示したようなものであってもよい。
【0033】
計測制御部53は、カメラ40から得られた画像データD1に基づいて、パルスレーザ光31の集光位置及び集光幅を計測する計測部としての機能を有していてもよい。計測制御部53は、例えば図3に示すように画像データD1に基づいて、集光ビームの集光位置をビームウエスト位置Pw、集光幅をビームウエスト全幅Dwとして、計測してもよい。
【0034】
3.2 動作
3.2.1 全体の動作
図4は、集光ビームを計測する場合の発振トリガTG1、パルスレーザ光31、プラズマ発光光35、及びシャッタトリガTG2の一例を示している。図4のタイミングチャートを適宜参照して、パルスレーザ光31の集光ビームを計測する際の全体の動作を説明する。
【0035】
図2において、レーザ装置3に発振トリガTG1が入力されると、レーザ装置3から例えば波長10.6μmのパルスレーザ光31が出力し得る。パルスレーザ光31は、ウインドウ21を透過して、チャンバ2内に入射し得る。パルスレーザ光31は、レーザ集光光学系22aによって、この光学系によって形成されるビームウエストに集光し得る。所定のガスとして、不活性ガス37中で、パルスレーザ光31が集光されて、所定の光強度を超えるとプラズマが生成され、プラズマ発光光35が発生し得る。不活性ガス37は、例えばArガスであってよい。カメラ40は、このプラズマから発生したプラズマ発光の像を撮像し得る。カメラ40による画像データD1は、例えば図3に示すように得られてもよい。得られた画像データD1は、カメラ40から計測制御部53に送られてもよい。計測制御部53は、画像データD1に基づいて、ビームウエスト全幅Dwとビームウエストの位置Pwを計算してもよい。
【0036】
計測制御部53は、カメラ40による撮像タイミングを、レーザ装置3によるパルスレーザ光31の出力タイミングから遅延したタイミングに同期させてもよい。そのために、計測制御部53は、遅延回路71及びワンショット回路72を制御してもよい。計測制御部53は、レーザ装置3と遅延回路71とに発振トリガTG1をパルス信号として出力してもよい。その結果、図4に示したようにレーザ装置3からは所定の遅延時間ta後にパルスレーザ光31が出力され得る。そしてtb時間後にパルスレーザ光31がレーザ集光光学系22aによるビームウエスト付近に到達し得る。一方、遅延回路71からは、発振トリガTG1のパルス信号が入力されてから所定の遅延時間td後に、電気パルス信号が出力され、ワンショット回路72に入力され得る。ワンショット回路72からは、所定のパルス幅のシャッタトリガTG2信号がカメラ40に出力され得る。
【0037】
ここで、所定の遅延時間tdは、レーザ装置3に発振トリガTG1が入力されてレーザ装置3からパルスレーザ光31が出力されるまでの時間taと、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31がレーザ集光光学系22aによるビームウエストに到達する時間tbの和となるように設定してもよい。
【0038】
例えば、レーザ装置3からレーザ集光光学系22aによるビームウエストまでの光路長をLとすると、tb=L/cとなる(c:光速)。
発振トリガTG1とシャッタトリガTG2とのタイミングの遅延時間をtdとすると、
td=ta+tbとなる。
【0039】
ところで、プラズマは生成直後から空間に拡散し、これに伴って発光領域も拡大してしまう。このため、プラズマ生成後の経過時間とシャッタの開閉時間は、ビームウエスト全幅Dwとビームウエスト位置Pwとを計測する場合の計測精度に影響し得る。例えば、プラズマの拡散速度が105m/sとすると、0.01nsでは1μm広がり得る。ここで、ビームウエストの直径が例えば300μmと想定される場合は、直径の10分の1の計測精度として30μm程度の精度が得られるようにしてもよい。そこで、遅延回路71は遅延時間をtdとなるように設定してもよく、カメラ40におけるシャッタの開閉時間は、例えば、0.3nsの間シャッタが開いて閉じるようにしてもよい。さらに、1μmの計測精度が必要な場合には、シャッタの開時間は0.01nsに設定するとよい。また、計測するビームウエストの直径が1000μmと想定され、100μmの計測精度を得たい場合は、シャッタの開時間は1nsと設定してもよい。シャッタの開時間はワンショット回路72が出力するシャッタトリガTG2信号のパルス幅によって規定してもよい。
【0040】
3.2.2 計測制御部のメインフロー
図5は、計測制御部53によるメインの処理動作の一例を示している。計測制御部53は、レーザ装置3と遅延回路71とに発振トリガTG1の信号を出力してもよい(ステップS101)。次に、計測制御部53はカメラ40による画像データD1を取り込む処理を行ってもよい(ステップS102)。次に、計測制御部53は画像データD1に基づいてビームウエスト位置Pwとビームウエストの全幅Dwとを計算してもよい(ステップS103)。
【0041】
3.2.3 画像データD1の取り込み処理
図7は、図5に示される画像データD1の取り込み処理の一例を示している。図7に示される取り込み処理は、図5に示されるステップS102のサブルーチンとして、計測制御部53によって行われてもよい。図6は、画像データD1の取り込み範囲の一例を示す。
【0042】
図6に示したように、計測制御部53はカメラ40で撮像した画像から、あらかじめ指定された指定領域91のデータを画像データD1として切り出して取り込んでもよい。このようにすると、取り込む画像データのデータサイズが減るので、処理時間を高速化し得る。ただし、ビームウエストの位置が指定領域91から大きく外れている場合は、全画像サイズ90を画像データD1として取り込んでもよい。
【0043】
画像データD1は、例えば、ビットマップデータとして表現され得る。ビットマップデータは、画像を多くの画素(ピクセル)に格子状に分割し、それらの画素における光強度をそれぞれ数値で表現したデータであり得る。例えば図6に示したように、ビットマップデータの画像右上の隅を原点I(0,0)とし、水平方向に画素を数えたときの列番号をJで表し、垂直方向に画素を数えたときの行番号をKで表してもよい。特定の位置の画素は、列番号Jと行番号Kとで特定され、(K,J)と表してもよい。画素(K,J)における光強度は、I(K,J)と表してもよい。イメージセンサ41の画素数は、例えば、512列×512行であってもよい。この場合、Jの値は、0から511までの範囲内の整数であり、Kの値は、0から511までの範囲内の整数であり得る。
【0044】
計測制御部53は、例えば図6に指定領域91として示したような画像の取り込み範囲が指定される場合に、画像の取り込み範囲を示す値を読み込んでもよい(ステップS111)。取り込み範囲を示す値は、列番号Jの最小値(Jmin)及び最大値(Jmax)と、行番号Kの最小値(Kmin)及び最大値(Kmax)とで与えられ得る。例えば全画像サイズ90が512列×512行の画素である場合には、Jmin及びJmaxの値は、0≦Jmin<Jmax≦511の範囲内の整数であり、Kmin及びKmaxの値は、0≦Kmin<Kmax≦511の範囲内の整数であってもよい。読み込まれるJmin及びJmax、Kmin及びKmaxの値は、常に一定の値でもよいし、状況によって変更されてもよい。
【0045】
次に、計測制御部53は、撮像された画像データD1から、定められた取り込み範囲内の各画素(K,J)における光強度のデータを読み込んでもよい(ステップS112)。例えば図6に示した例においては、画素(Kmin,Jmin)、画素(Kmin,Jmax)、画素(Kmax,Jmax)、画素(Kmax,Jmin)、及びこれら4つの画素によって囲まれた画素のそれぞれにおける光強度のデータI(K,J)を読み込んでもよい。こうして限られた範囲内の画素における光強度のデータを読み込むことにより、その後の処理が高速化され得る。
【0046】
次に、計測制御部53は、各画素(K,J)における光強度のデータを、予め定義しておいた配列I(K,J)のデータに置き換える処理を行ってもよい(ステップS113)。画像の各光強度のデータI(K,J)は、8〜10ビットのデータ(例えば0〜1024)であってもよい。計測制御部53は、配列I(K,J)のデータに置き換える処理を行ったら、本フローチャートによるサブルーチンを終了してもよい。
【0047】
3.2.4 ビームウエスト位置Pwとビームウエスト全幅Dwの計算
図8は、図5に示されるビームウエスト位置Pwとビームウエスト全幅Dwとを計算する処理の一例を示している。図8に示される計算処理は、図5に示されるステップS103のサブルーチンとして、計測制御部53によって行われてもよい。図9は、ビームウエスト位置Pwとビームウエスト全幅Dwとの計算過程の一例を示している。図9では、画像データD1におけるZ軸に垂直な方向(J列)の光強度分布の一例を示している。
【0048】
計測制御部53は、列番号JをJminにセットしてもよい(ステップS121)。次に、計測制御部53は、図9に示すようにJ列における光強度データI(K,J)の分布から、現在の列番号Jにおけるビームウエストの中心位置Pとビームウエスト全幅Dとを計算してもよい(ステップS122)。ビームウエスト全幅Dは、図9に示したように、J列の光強度の最大値Imaxの1/e2の値となる位置に基づいて計算してもよい。次に、計測制御部53は、計算した中心位置Pの値Xを、予め定義しておいた配列X(J)のデータに、ビームウエスト全幅Dの値を、予め定義しておいた配列D(J)のデータに置き換える処理を行ってもよい(ステップS123)。次に、計測制御部53は、現在の列番号Jが図6に示したような画像の取り込み範囲のJ列の最大値Jmaxに達したか否かを判断してもよい(ステップS124)。最大値Jmaxに達していない場合(ステップS124:N)には、計測制御部53は、現在の列番号Jに1を加えて、列番号Jのカウンタの値を更新(ステップS125)し、再度、ビームウエストの中心位置Pとビームウエスト全幅Dとを計算してもよい(ステップS122)。
【0049】
最大値Jmaxに達した場合(ステップS124:Y)には、計測制御部53は、列番号JをJminにリセットし(ステップS126)、次に、配列D(J)の値が配列D(J+1)の値以下になったか否かを判断してもよい(ステップS127)。配列D(J)の値が配列D(J+1)の値を超える場合(ステップS127:N)には、計測制御部53は、現在の列番号Jに1を加えて、列番号Jのカウンタの値を更新(ステップS128)し、再度、配列D(J)の値が配列D(J+1)の値以下になったか否かを判断してもよい(ステップS127)。このようにして、計測制御部53は、配列D(J)に格納された最小の値を求めるために、値を比較する処理を行ってもよい。
【0050】
配列D(J)の値が配列D(J+1)の値以下になった場合(ステップS127:Y)には、計測制御部53は、現在の列番号Jにおけるビームウエスト全幅Dの値が最小値であると判断してもよい。そして、計測制御部53は、配列D(J)の値をビームウエスト全幅Dwに置き換える処理を行ってもよい(ステップS129)。さらに、計測制御部53は、現在の列番号Jにおける配列X(J)の値をビームウエストのX方向の位置Xwに置き換える処理を行ってもよい(ステップS130)。さらに、計測制御部53は、以下の式により、現在の列番号JにおけるビームウエストのZ方向の位置Zwを計算する処理を行ってもよい(ステップS131)。ここで、pzは、画像データD1におけるZ方向の1画素当たりのピッチ幅であってもよい。αはカメラ40の転写光学系42の倍率に応じた値であってもよい。例えば、転写光学系42の倍率が1倍の場合は、α=1としてもよい。
Zw=J・pz・α
【0051】
次に、計測制御部53は、以上のようにして計算した位置Xwをx、位置Zwをzと置き換えることにより、ビームウエスト位置Pw(x,z)を計算し(ステップS132)、本フローチャートによるサブルーチンを終了してもよい。(x,z)は、X方向の座標及びZ方向の座標であってもよい。
【0052】
図10は、図8に示されるビームウエストの中心位置Pとビームウエスト全幅Dとを計算する処理の一例を示している。図10に示される計算処理は、図8に示されるステップS122のサブルーチンとして、計測制御部53によって行われてもよい。
【0053】
計測制御部53は、列番号JをJminにセットしてもよい(ステップS141)。次に、計測制御部53は、J列の光強度分布から最大値Imaxを求めてもよい(ステップS142)。次に、計測制御部53は、J列の光強度の最大値Imaxの1/e2の値(Imax/e2)を求め、以下の式のようにビームウエストの位置を例えば図9に示したように判定するための閾値Ithを計算してもよい(ステップS143)。
Ith=Imax/e2
【0054】
次に、計測制御部53は、行番号KをKminにセットしてもよい(ステップS144)。次に、計測制御部5は、行番号K及び列番号Jにおける光強度I(K,J)が閾値Ith以上であるか否かを判断してもよい(ステップS145)。閾値Ith以上ではない場合(ステップS145:N)には、計測制御部53は、現在の行番号Kに1を加えて、行番号Kのカウンタの値を更新(ステップS146)し、再度、閾値Ith以上であるか否かの判断をしてもよい(ステップS145)。
【0055】
閾値Ith以上であった場合(ステップS145:Y)には、計測制御部53は、以下の式により、例えば図9に示したようなビームウエストの上端位置X1を計算する処理を行ってもよい(ステップS147)。ここで、pxは、画像データD1におけるX方向の1画素当たりのピッチ幅であってもよい。αはカメラ40の転写光学系42の倍率に応じた値であってもよい。例えば、転写光学系42の倍率が1倍の場合は、α=1としてもよい。
X1=K・px・α
【0056】
次に、計測制御部53は、行番号K及び列番号Jにおける光強度I(K,J)が閾値Ith以下であるか否かを判断してもよい(ステップS148)。閾値Ith以下ではない場合(ステップS148:N)には、計測制御部53は、現在の行番号Kに1を加えて、行番号Kのカウンタの値を更新(ステップS149)し、再度、閾値Ith以下であるか否かの判断をしてもよい(ステップS148)。
【0057】
閾値Ith以下であった場合(ステップS148:Y)には、計測制御部53は、以下の式により、例えば図9に示したようなビームウエストの下端位置X2を計算する処理を行ってもよい(ステップS150)。ここで、pxは、画像データD1におけるX方向の1画素当たりのピッチ幅であってもよい。αはカメラ40の転写光学系42の倍率に応じた値であってもよい。例えば、転写光学系42の倍率が1倍の場合は、α=1としてもよい。
X2=K・px・α
【0058】
次に、計測制御部53は、以下の式により、例えば図9に示したようなビームウエスト全幅Dを計算する処理を行ってもよい(ステップS151)。
D=X2−X1
【0059】
次に、計測制御部53は、以下の式により、例えば図9に示したようなビームウエストの中心位置Pを計算する処理を行い(ステップS152)、本フローチャートによるサブルーチンを終了してもよい。
X=(X2+X1)/2
【0060】
3.3 作用
第1の実施形態に係る集光ビーム計測装置によれば、不活性ガス37中でパルスレーザ光31を集光することによってプラズマを生成し、そのプラズマ発光の像を高速シャッタを含むカメラ40で撮像し得る。これにより、図3のように、パルスレーザ光31の集光ビームの伝播状態を画像として計測し得る。
【0061】
この計測によって、少なくともパルスレーザ光31の1パルスの画像データD1からビームウエスト全幅Dwとビームウエスト位置Pwとを計算し得る。この計測によれば、例えばレーザ集光光学系22a又はイメージセンサ41をZ方向に移動させて、パルスレーザ光31の光路軸に沿った複数位置でのビームプロファイルの計測を行う必要がないため、ビームウエストの断面を複数回計測しなくてもよい。
【0062】
3.4 第1の実施形態の第1の変形例(シャッタトリガTG2生成の変形例)
3.4.1 構成
図2の構成では、計測制御部53から出力された発振トリガTG1をレーザ装置3及び遅延回路71に分岐して入力するようにしたが、図11に示したようにレーザ装置3から遅延回路71に信号を入力することで、シャッタトリガTG2の信号を生成してもよい。
【0063】
図11に示したように、レーザ装置3は、マスタオシレータ(MO)311と、複数の増幅器と、ビームスプリッタ312と、光センサ313とを含んでいてもよい。複数の増幅器は、例えば第1の増幅器PA1と、第2の増幅器PA2と、第3の増幅器PA3と、第4の増幅器PA4とで構成されていてもよい。
【0064】
マスタオシレータ311は、CO2レーザの増幅波長域で発振するレーザ装置であってもよい。例えば、量子カスケードレーザ及びQスイッチを含むレーザ発振器でもよい。第1の増幅器PA1、第2の増幅器PA2、第3の増幅器PA3及び第4の増幅器PA4は、マスタオシレータ311から出力されたパルスレーザ光31の光路上に配置され、CO2レーザガスを含む増幅器であってもよい。
【0065】
ビームスプリッタ312は、マスタオシレータ311と第1の増幅器PA1との光路上に配置されてもよい。ビームスプリッタ312は、パルスレーザ光31を透過する基板にマスタオシレータ311から出力された光の一部を反射し、一部を透過する膜がコートされていてもよい。
【0066】
光センサ313は、ビームスプリッタ312からの反射光を検出してもよい。光センサ313は、パイロエレクトリックセンサであって、電気パルス信号を出力する図示しない回路を含んでいてもよい。
【0067】
ビームスプリッタ312の位置からレーザ装置3のパルスレーザ光31が出力されるまでの光路長をLlaserとしたとき、遅延回路71の遅延時間tdは、以下の式のように、LlaserとLとの和を光速cで除算した値であってもよい。Lはレーザ装置3からビームウエストまでの距離としてもよい。
td=(Llaser+L)/c
例えば、Llaser=200m、L=30mとすると、td=76.7nsとなる。
【0068】
3.4.2 動作
計測制御部53から発振トリガTG1がマスタオシレータ311に入力されると、パルスレーザ光31がマスタオシレータ311から出力され得る。このパルスレーザ光31はビームスプリッタ312に入射し、一部の光は反射して、光センサ313に入射し得る。一方、ビームスプリッタ312を透過したパルスレーザ光31は、第1の増幅器PA1乃至第4の増幅器PA4を通過して増幅され得る。
【0069】
パルスレーザ光31が光センサ313に入射すると、光センサ313は、パルスレーザ光31が入射したタイミングに応じて電気パルス信号を遅延回路71に出力し得る。遅延回路71は、入力された電気パルス信号よりもtdだけ遅延した電気パルス信号をワンショット回路72に出力し得る。ワンショット回路72は、所定のパルス幅のシャッタトリガTG2信号をカメラ40のイメージセンサ41に出力し得る。
【0070】
3.4.3 作用
第1の実施形態の第1の変形例によれば、マスタオシレータ311から出力されたパルスレーザ光31が実際に光センサ313に入射したタイミングに基づいて、シャッタトリガTG2の信号が生成され得る。その結果、パルスレーザ光31のビームウエストで生成されるプラズマ発光のタイミングに対するイメージセンサ41のシャッタの開閉タイミングを高精度に制御し得る。特に、発振トリガTG1に対して、マスタオシレータ311から出力されるパルスレーザ光31の出力タイミングに無視できないジッタがある場合に有効であり得る。
【0071】
なお、図11の構成例では、マスタオシレータ311と第1の増幅器PA1との間の光路上にビームスプリッタ312を配置したが、図11の構成例に限定されることなく、その他の位置にビームスプリッタ312を配置してもよい。例えば、第1の増幅器PA1と第2の増幅器PA2との間の光路上にビームスプリッタ312を配置して、透過するパルスレーザ光31のタイミングを計測してもよい。または、第2の増幅器PA2と第3の増幅器PA3との間の光路上にビームスプリッタ312を配置してもよい。または、第3の増幅器PA3と第4の増幅器PA4との間の光路上にビームスプリッタ312を配置してもよい。または、レーザ装置3の最終出力の光路上、または、レーザ装置3とビームウエストとの間の光路上にビームスプリッタ312を配置してもよい。ビームスプリッタ312をビームウエストに近い光路上に配置すればするほど、遅延回路71の遅延時間tdを短くするとよい。
【0072】
3.5 第1の実施形態の第2の変形例(2つのカメラを含む実施形態)
3.5.1 構成
図12及び図13は、第1の実施形態の第2の変形例に係る集光ビーム計測装置の一構成例を示している。図2では、集光ビームを計測するための撮像部として1つのカメラ40を備えた例を示したが、図12及び図13のように、2つの撮像部を備えた構成であってもよい。2つの撮像部はそれぞれ、第1のカメラ40A及び第2のカメラ40Bを含んでよい。なお、図12はYZ断面内の構成、図13図12のY1−Y1’線を含むYX断面内の構成を示している。
【0073】
第1のカメラ40Aは、実質的に図2のカメラ40と同じ構成であってもよい。第1のカメラ40Aは、第1の転写光学系42Aと、第1のイメージセンサ41Aとを含んでいてもよい。第2のカメラ40Bは、第2の転写光学系42Bと、第2のイメージセンサ41Bとを含んでいてもよい。チャンバ2の壁には、第1のカメラ40Aを配置する位置に対応してウインドウ43Aが設けられていてもよい。チャンバ2の壁にはまた、第2のカメラ40Bを配置する位置に対応してウインドウ43Bが設けられていてもよい。
【0074】
第1のカメラ40Aは第1の方向を向くように配置され、第2のカメラ40Bは第1の方向とは異なる第2の方向を向くように配置されていてもよい。例えば、第1の方向はY軸方向、第2の方向はX軸方向であってもよい。第1のカメラ40Aと第2のカメラ40Bはそれぞれ、互いに直交する方向を向くように配置されていてもよい。第1のカメラ40Aと第2のカメラ40Bはまた、それぞれがパルスレーザ光31の光路に対して直交する方向を向くように配置されていてもよい。第1のカメラ40Aは、第1の方向からプラズマ発光の像を撮像し、第1のプラズマ発光像データとして第1の画像データD11を出力するようにしてもよい。また、第2のカメラ40Bは、第2の方向からプラズマ発光の像を撮像し、第2のプラズマ発光像データとして第2の画像データD12を出力するようにしてもよい。
【0075】
ワンショット回路72の出力として、所定のパルス幅の第1のシャッタトリガTG21の信号を第1のイメージセンサ41Aに入力すると共に、所定のパルス幅の第2のシャッタトリガTG22の信号を第2のイメージセンサ41Bに入力するようにしてもよい。第1のシャッタトリガTG21と第2のシャッタトリガTG22は、実質的に同一の信号を2つに分岐させたものであってもよい。第1のイメージセンサ41Aと計測制御部53は、第1のイメージセンサ41Aで撮像された第1の画像データD11を計測制御部53に送るように接続されていてもよい。第2のイメージセンサ41Bと計測制御部53は、第2のイメージセンサ41Bで撮像された第2の画像データD12を計測制御部53に送るように接続されていてもよい。
【0076】
計測制御部53は、第1のカメラ40Aから得られた第1の画像データD11に基づいて、パルスレーザ光31の集光ビームの第1の集光位置及び第1の集光幅を計測する機能を有していてもよい。第1の集光位置は、第1のビームウエスト位置Pxwであってよく、第1の集光幅は、第1のビームウエスト全幅Dxwであってよい。計測制御部53はまた、第2のカメラ40Bから得られた第2の画像データD12に基づいて、パルスレーザ光31の集光ビームの第2の集光位置及び第2の集光幅を計測する機能を有していてもよい。第2の集光位置は第2のビームウエスト位置Pywであってよく、第2の集光幅は第2のビームウエスト全幅Dywであってよい。
【0077】
3.5.2 動作
レーザ装置3に発振トリガTG1が入力されると、レーザ装置3からパルスレーザ光31が出力し得る。パルスレーザ光31は、ウインドウ21を透過して、チャンバ2内に入射し得る。パルスレーザ光31は、レーザ集光光学系22aによって、この光学系によって形成されるビームウエストに集光し得る。所定のガスとして、不活性ガス37中で、パルスレーザ光31が集光されて、所定の光強度を超えるとプラズマが生成し、プラズマ発光光が発生し得る。不活性ガス37は、例えばArガスであってよい。第1のカメラ40Aは、第1の方向から観測される第1のプラズマ発光光35Aによる像を撮像し得る。第1のカメラ40Aによる第1の画像データD11は、計測制御部53に送られてもよい。計測制御部53は、第1の画像データD11から、第1のビームウエスト位置Pxwと第1のビームウエスト全幅Dxwとを計算してもよい。一方、第2のカメラ40Bは、第2の方向から観測される第2のプラズマ発光光35Bによる像を撮像し得る。第2のカメラ40Bによる第2の画像データD12は、計測制御部53に送られてもよい。計測制御部53は、第2の画像データD12から、第2のビームウエスト位置Pywと第2のビームウエスト全幅Dywとを計算してもよい。
【0078】
図14は、計測制御部53による処理動作の一例を示している。計測制御部53は、レーザ装置3と遅延回路71とに発振トリガTG1の信号を出力してもよい(ステップS161)。次に、計測制御部53は第1のカメラ40Aによる第1の画像データD11と第2のカメラ40Bによる第2の画像データD12とを取り込む処理を行ってもよい(ステップS162)。第1の画像データD11を取り込む処理は、実質的に上述の図7に示した処理と同様であってもよい。第2の画像データD12を取り込む処理は、座標系の入れ換えを行うことを除いて、実質的に上述の図7に示した処理と同様であってもよい。
【0079】
次に、計測制御部53は第1の画像データD11に基づいて、実質的に上述の図8及び図10と同様の処理を実行し、ビームウエスト位置Pw(x,z)=(Xw,Zw)とビームウエストの全幅Dwとを計算してもよい(ステップS163)。次に、計測制御部53は、(Xw,Zw)を第1のビームウエスト位置Pxw(x,z)に置き換えると共に、全幅Dwを第1のビームウエスト全幅Dxwに置き換える処理を行ってもよい(ステップS164)。
【0080】
次に、計測制御部53は第2の画像データD12に基づいて、処理におけるX座標をY座標として、実質的に上述の図8及び図10と同様の処理を実行してもよい。これにより、ビームウエスト位置Pw(y,z)=(Yw,Zw)とビームウエストの全幅Dwとを計算してもよい(ステップS165)。次に、計測制御部53は、(Yw,Zw)を第2のビームウエスト位置Pyw(y,z)に置き換えると共に、全幅Dwを第2のビームウエスト全幅Dywに置き換える処理を行ってもよい(ステップS166)。
【0081】
3.5.3 作用
第1の実施形態の第2の変形例によれば、X方向とY方向とのそれぞれについて、ビームウエスト全幅と、ビームウエスト位置とを計測し得る。その結果、X方向とY方向とのビームウエスト位置が一致する場合は、ビームウエスト位置の3次元座標位置(x,y,z)が計測し得る。一方、X方向とY方向とのビームウエスト全幅及びビームウエスト位置が異なって計測された場合は、X方向とY方向とでレーザ光の波面の曲率が異なっていることを意味しうる。この場合、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31やレーザ集光光学系22aに非点収差が発生していると判定し得る。この計測結果を用いて、集光ビームの非点収差を評価してもよい。
【0082】
3.6 その他の変形例
以上の第1の実施形態及びその変形例で例示した構成に限らず、以下のような構成を採用してもよい。
【0083】
レーザ装置3としてCO2レーザ装置を例示したが、パルスレーザ装置であればよい。例えば、固体のパルスレーザ装置であってもよい。例えば、YAGレーザ装置、ファイバーレーザ装置、又はチタンサファイヤレーザ装置であってもよい。高調波を発生するその他のレーザ装置であってもよい。
【0084】
レーザ集光光学系22aとしては、レンズを例示したが、凹面ミラーを含む複数のミラーで構成されていてもよい。例えば、軸外放物面ミラーと平面ミラーとの組み合わせであってもよい。
【0085】
不活性ガス37の実施形態として、Arガスを例示したが、Heガス、Krガス、又はN2ガス等を含む不活性ガスであってもよい。また、不活性ガス37以外のガスをチャンバ2内に封入してもよい。例えば水素ガスを封入してもよい。また、チャンバ2内に封入するガスは複数種類のガスの混合ガスでもよい。
【0086】
ウインドウ21は、ダイヤモンドウインドウを例示したが、CO2レーザ光を透過する材料、例えばZnSeであってもよい。ただし、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31の出力が数100W以上の場合はダイヤモンドウインドウが好ましい。
【0087】
遅延回路71の遅延時間td及びワンショット回路72のパルス幅の設定は、計測制御部53が行ってもよい。計測制御部53と、遅延回路71と、ワンショット回路72とを分けて記載したが、計測制御部53は、遅延回路71とワンショット回路72とを含んで構成されてもよい。
【0088】
[4.パルスレーザ光の集光ビーム計測装置を含むEUV光生成装置](第2の実施形態)
4.1 構成
図15及び図16は、第2の実施形態に係るEUV光生成装置の一構成例を示している。図15及び図16には、図12及び図13に示した集光ビーム計測装置と同様の計測装置をEUV光生成装置に搭載した場合の実施形態を示す。なお、図15はZ軸を含む断面内の構成を示し、図16図15のY2−Y2’線断面内の構成を示している。
【0089】
このEUV光生成装置は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられてもよい。このEUV光生成装置は、チャンバ2と、EUV光生成制御部5と、レーザ光進行方向制御部34と、排気装置47と、不活性ガス供給装置46と、遅延回路71と、ワンショット回路72とを含んでいてもよい。EUV光生成制御部5は、EUV制御部51と、ターゲット生成制御部52と、計測制御部53とを含んでいてもよい。
【0090】
レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31がチャンバ2に入射するようにレーザ光進行方向制御部34を配置してもよい。レーザ装置3は、波長10.6μm、パルス幅10〜50nsで、50mJ〜400mJ、繰り返し周波数50k〜100kHzのパルスレーザ光31を出力するCO2レーザ装置であってもよい。
【0091】
不活性ガス供給装置46と排気装置47は、チャンバ2にガス配管を介して接続されていてもよい。チャンバ2は、ターゲット供給部26と、レーザ集光光学系22aと、プレート82と、XYZ軸ステージ84とを含んでもよい。さらに、チャンバ2は、EUV集光ミラー23と、ミラーホルダ81と、ダンパ44と、ウインドウ21と、ターゲット回収部28と、ゲートバルブ294とを含んでもよい。チャンバ2には、ウインドウ43Aを介して第1のカメラ40Aが取り付けられていてもよい。チャンバ2にはまた、ウインドウ43Bを介して第2のカメラ40Bが取り付けられていてもよい。
【0092】
ターゲット供給部26は、ノズル62から出力されるターゲット27がドロップレット状でプラズマ生成領域25に到達するように配置されてもよい。ターゲット回収部28は、ドロップレット状のターゲット27の軌道の延長線上に設置してもよい。ウインドウ21は、チャンバ2の内壁にシールして固定されてもよい。
【0093】
レーザ集光光学系22aは、プレート83と、ホルダ223と、ホルダ224と、軸外放物面ミラー221と、平面ミラー222とを含んでいてもよい。軸外放物面ミラー221はホルダ223によってプレート83に保持されてもよい。平面ミラー222はホルダ224によってプレート83に保持されてもよい。軸外放物面ミラー221及び平面ミラー222によって反射されたパルスレーザ光31がプラズマ生成領域25で集光するように、これらのミラーの位置及び姿勢が保持されてもよい。ダンパ44は図示しないダンパ44のホルダによって、レーザ集光光学系22aによって集光されたパルスレーザ光31の光路上に配置してもよい。
【0094】
XYZ軸ステージ84は、レーザ集光光学系22aによって形成されるビームウエストがX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動するように配置してもよい。
【0095】
第1のカメラ40A及び第2のカメラ40Bはそれぞれ、図13に示した構成例と同様に、互いに直交する方向を向くように配置され、また、それぞれがパルスレーザ光31の光路軸に対して略直交する方向を向くように配置されていてもよい。第1のカメラ40Aによって第1の方向からプラズマ発光の像を撮像し、第1の画像データD11として出力するようにしてもよい。また、第2のカメラ40Bによって第2の方向からプラズマ発光の像を撮像し、第2の画像データD12として出力するようにしてもよい。第1の方向は、例えばY軸方向でよく、第2の方向は、例えばX軸方向でもよい。
【0096】
プレート82はチャンバ2の内部で、壁に固定されていてもよい。EUV集光ミラー23は、Z軸を中心とする回転楕円面のミラーであってもよい。回転楕円面の第1焦点が、プラズマ生成領域25と略一致するようにミラーホルダ81を介して、プレート82に固定してもよい。EUV集光ミラー23の中央部にはパルスレーザ光31が通過するための貫通孔24があってもよい。
【0097】
EUV制御部51は、不活性ガス供給装置46と、排気装置47と、レーザ装置3と、ターゲット生成制御部52と、計測制御部53と、ゲートバルブ294とにそれぞれ出力信号を出力してもよい。計測制御部53の発振トリガTG1の信号は、EUV制御部51を介して、レーザ装置3に入力されてもよい。ゲートバルブ294は、EUV制御部51からの信号によって開閉し、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通あるいは隔絶してもよい。
【0098】
レーザ光進行方向制御部34は、2枚の平面ミラー341,342で構成してもよい。平面ミラー341,342と、平面ミラー222及び軸外放物面ミラー221との反射表面には、パルスレーザ光31を高反射する膜がコーティングされていてもよい。EUV集光ミラー23の反射表面には、Mo/Siの多層膜がコーティングされていてもよい。
【0099】
4.2 動作
4.2.1 EUV光生成時の動作
EUV制御部51は、ターゲット生成制御部52を介して、ターゲット供給部26にドロップレット生成信号を送信してもよい。そして、ターゲット供給部26のノズル62からドロップレット状のターゲット27が生成し得る。EUV制御部51は、生成したドロップレット状のターゲット27が、プラズマ生成領域25に到達したときにパルスレーザ光31がドロップレット状のターゲット27に照射されるタイミングとなるように、レーザ装置3に発振トリガTG1を出力してもよい。
【0100】
レーザ装置3に発振トリガTG1が入力されると、レーザ装置3からパルスレーザ光31が出力し得る。パルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34の平面ミラー341,342によって高反射されて、ウインドウ21に入射し得る。ウインドウ21を透過したパルスレーザ光31は軸外放物面ミラー221と平面ミラー222とによって、プラズマ生成領域25に集光し得る。プラズマ生成領域25に到達したドロップレット状のターゲット27は、パルスレーザ光31に照射され、プラズマ化し、EUV光を生成し得る。EUV光は、EUV集光ミラー23によって、中間集光点(IF:Intermediate Focus)292で集光し、露光装置6に出力されてもよい。
【0101】
4.2.2 集光ビーム計測時の動作
図17は、パルスレーザ光31の集光ビームを計測する際のEUV制御部51の処理動作の一例を示している。EUV制御部51は、集光ビームを計測する必要があるときに以下の動作を行ってもよい。
【0102】
図17に示したEUV制御部51による処理動作は、EUV光生成装置の立ち上げ時やメンテナンス時に実行してもよい。その他、パルスレーザ光31の集光状態の確認をする必要がある場合に適宜、実行してもよい。
【0103】
EUV制御部51は、EUV光の生成動作が停止していることの確認を行ってもよい(ステップS171)。この際、EUV制御部51は、ターゲット生成制御部52を介してドロップレット状のターゲット27の生成が停止していることの確認を行ってもよい。また、EUV制御部51は、レーザ装置3においてパルスレーザ光31の出力が停止していることの確認を行ってもよい。このとき、EUV制御部51は、ゲートバルブ294を閉じてもよい。
【0104】
次に、EUV制御部51は、排気装置47を制御し、バッファガス等がチャンバ2内に存在する場合に、真空に近い圧力となるまで排気を行うようにしてもよい(ステップS172)。バッファガスは、例えば水素ガスを含んでもよい。また、真空に近い圧力とは、例えば1hPa以下であってもよい。
【0105】
次に、EUV制御部51は、不活性ガス供給装置46を制御し、例えばArガス等の不活性ガス37をプラズマが生成する条件の所定の圧力となるまで供給してもよい(ステップS173)。
【0106】
次に、EUV制御部51は、発振トリガTG1の受け付けを開始してもよい(ステップS174)。これにより、計測制御部53からパルスレーザ光31の発振トリガTG1の信号がEUV制御部51に出力された際に、発振トリガTG1の信号がEUV制御部51を経由してレーザ装置3に入力される状態となってよい。
【0107】
次に、EUV制御部51は、計測制御部53において図14のフローチャートで示される計測処理が実行されるよう、計測信号を計測制御部53に出力してもよい(ステップS175)。これにより、計測制御部53は、図14のフローチャートで示される計測処理を実行してもよい。その後、計測制御部53は、計測処理が完了した場合、EUV制御部51に計測処理が完了した旨の信号を送信してもよい。
【0108】
次に、EUV制御部51は、計測制御部53から集光ビームの計測が完了した旨の信号を受信したかどうかの判断を行ってもよい(ステップS176)。
【0109】
計測制御部53から集光ビームの計測が完了した旨の信号を受信した場合(ステップS176:Y)には、EUV制御部51は、計測制御部53からビームウエスト全幅Dwとビームウエスト位置Pw(x,y,z)とのデータを受信してもよい(ステップS177)。
【0110】
次に、EUV制御部51は、以下の式のように、ビームウエスト位置Pw(x,y,z)と所望のプラズマ生成領域の座標Pt(xt,yt,zt)との差ΔP(Δx,Δy,Δz)を計算してもよい(ステップS178)。
ΔP(Δx,Δy,Δz)=Pw(x,y,z)−Pt(xt,yt,zt)
【0111】
次に、EUV制御部51は、ΔP(Δx,Δy,Δz)に基づいて、レーザ集光光学系22aによって形成されるビームウエストが適切な位置となるように、XYZ軸ステージ84を駆動してもよい(ステップS179)。
【0112】
次に、EUV制御部51は、排気装置47を制御し、チャンバ2内に存在するArガス等の不活性ガス37を真空に近い圧力になるまで排気してもよい(ステップS180)。次に、EUV制御部51は、EUV光を生成する準備をしてもよい(ステップS181)。この際、EUV制御部51は、ターゲット生成制御部52を介してドロップレット状のターゲット27の生成準備を行ってもよい。また、EUV制御部51は、チャンバ2内にバッファガスの供給をする準備をしてもよい。EUV光を生成する準備が完了したら、EUV制御部51は、ゲートバルブ294を開けてもよい。
【0113】
4.3 作用
第2の実施形態によれば、EUV光生成装置に集光ビーム計測装置を搭載することによって、実際にドロップレット状のターゲット27に集光されるパルスレーザ光31のビームウエストの全幅Dwと、ビームウエストの位置Pwとを高精度に計測し得る。また、所望のプラズマ生成領域25の位置に対して、パルスレーザ光31のビームウエスト位置が適正な位置となるようにレーザ集光光学系22aによる集光位置を高精度に制御し得る。この結果、パルスレーザ光の集光状態が安定し、安定したEUV光の生成が可能となってよい。
【0114】
[5.その他]
5.1 不活性ガスの圧力とプラズマ生成との関係
図18は、不活性ガスの圧力とプラズマ生成との関係の一例を示している。図18において、横軸は圧力(kpa)、縦軸は電界(V/cm)となっている。図18には、不活性ガスの例として、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、及び窒素(N2)ガスの例を示している。図18の縦軸左側には、Arガスについて、CO2レーザ光を用いた場合の、プラズマを生成し得る単位面積当たりのパルスレーザ光の光強度In(W/cm2)の値の一例を示している。光強度Inは、以下の式で表される。Dwはパルスレーザ光のビームウエスト全幅、τはパルス幅、Eはパルスエネルギーである。Dwは例えば300μm、τは例えば20ns、Eは例えば、50mJ、100mJ、200mJ、300mJ、または400mJであってもよい。
In=E/(τ・π(Dw/2)2
これにより、例えば上述のCO2レーザ光のパルスエネルギーが200mJである場合は、チャンバ2内に供給するArガスの圧力は21(kpa)であればプラズマが生成すると判定し得る。このように、不活性ガスの圧力は、例えば図18の様な関係から決定してもよい。
【0115】
5.2 制御部のハードウエア環境
当業者は、汎用コンピュータまたはプログラマブルコントローラにプログラムモジュールまたはソフトウエアアプリケーションを組み合わせて、ここに述べられる主題が実行されることを理解するだろう。一般的に、プログラムモジュールは、本開示に記載されるプロセスを実行できるルーチン、プログラム、コンポーネント、データストラクチャー等を含む。
【0116】
図19は、開示される主題の様々な側面が実行され得る例示的なハードウエア環境を示すブロック図である。図19の例示的なハードウエア環境100は、処理ユニット1000と、ストレージユニット1005と、ユーザインターフェイス1010と、パラレルI/Oコントローラ1020と、シリアルI/Oコントローラ1030と、A/D、D/Aコンバータ1040とを含んでもよいが、ハードウエア環境100の構成は、これに限定されない。
【0117】
処理ユニット1000は、中央処理ユニット(CPU)1001と、メモリ1002と、タイマ1003と、画像処理ユニット(GPU)1004とを含んでもよい。メモリ1002は、ランダムアクセスメモリ(RAM)とリードオンリーメモリ(ROM)とを含んでもよい。CPU1001は、市販のプロセッサのいずれでもよい。デュアルマイクロプロセッサや他のマルチプロセッサアーキテクチャが、CPU1001として使用されてもよい。
【0118】
図19におけるこれらの構成物は、本開示において記載されるプロセスを実行するために、相互に接続されていてもよい。
【0119】
動作において、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005に保存されたプログラムを読み込んで、実行してもよい。また、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005からプログラムと一緒にデータを読み込んでもよい。また、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005にデータを書き込んでもよい。CPU1001は、ストレージユニット1005から読み込んだプログラムを実行してもよい。メモリ1002は、CPU1001によって実行されるプログラム及びCPU1001の動作に使用されるデータを、一時的に保管する作業領域であってもよい。タイマ1003は、時間間隔を計測して、プログラムの実行に従ってCPU1001に計測結果を出力してもよい。GPU1004は、ストレージユニット1005から読み込まれるプログラムに従って、画像データを処理し、処理結果をCPU1001に出力してもよい。
【0120】
パラレルI/Oコントローラ1020は、遅延回路71、レーザ装置3、イメージセンサ41、第1のイメージセンサ41A、及び第2のイメージセンサ41B等の、処理ユニット1000と通信可能なパラレルI/Oデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらパラレルI/Oデバイスとの間の通信を制御してもよい。シリアルI/Oコントローラ1030は、ワンショット回路72等の、処理ユニット1000と通信可能なシリアルI/Oデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらシリアルI/Oデバイスとの間の通信を制御してもよい。A/D、D/Aコンバータ1040は、アナログポートを介して、温度センサや圧力センサ、真空計各種センサ等のアナログデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらアナログデバイスとの間の通信を制御したり、通信内容のA/D、D/A変換を行ってもよい。
【0121】
ユーザインターフェイス1010は、操作者が処理ユニット1000にプログラムの停止や、割込みルーチンの実行を指示できるように、処理ユニット1000によって実行されるプログラムの進捗を操作者に表示してもよい。
【0122】
例示的なハードウエア環境100は、本開示におけるEUV光生成制御部5、レーザ光進行方向制御部34、EUV制御部51、ターゲット生成制御部52、及び計測制御部53の構成に適用されてもよい。当業者は、それらのコントローラが分散コンピューティング環境、すなわち、通信ネットワークを介して繋がっている処理ユニットによってタスクが実行される環境において実現されてもよいことを理解するだろう。本開示において、EUV光生成制御部5、レーザ光進行方向制御部34、EUV制御部51、ターゲット生成制御部52、及び計測制御部53は、イーサネット(登録商標)やインターネットといった通信ネットワークを介して互いに接続されてもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカル及びリモート両方のメモリストレージデバイスに保存されてもよい。
【0123】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0124】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0125】
1…EUV光生成装置、2…チャンバ、3…レーザ装置、4…ターゲットセンサ、5…EUV光生成制御部(EUV光生成コントローラ)、6…露光装置、11…EUV光生成システム、21…ウインドウ、22…レーザ光集光ミラー、22a…レーザ集光光学系、23…EUV集光ミラー、24…貫通孔、25…プラズマ生成領域、26…ターゲット供給部、27…ターゲット、28…ターゲット回収部、29…接続部、31,32,33…パルスレーザ光、34…レーザ光進行方向制御部、35…プラズマ発光光、35A…第1のプラズマ発光光、35B…第2のプラズマ発光光、37…不活性ガス、40…カメラ、40A…第1のカメラ、40B…第2のカメラ、41…イメージセンサ、41A…第1のイメージセンサ、41B…第2のイメージセンサ、42…転写光学系、42A…第1の転写光学系、42B…第2の転写光学系、43…ウインドウ、43A,43B…ウインドウ、44…ダンパ、46…不活性ガス供給装置、47…排気装置、51…EUV制御部(EUVコントローラ)、52…ターゲット生成制御部(ターゲット生成コントローラ)、53…計測制御部(計測コントローラ)、62…ノズル、71…遅延回路、72…ワンショット回路、81…ミラーホルダ、82,83…プレート、84…XYZ軸ステージ、90…全画像サイズ、91…指定領域、100…ハードウエア環境、221…軸外放物面ミラー、222…平面ミラー、223,224…ホルダ、251…EUV光、252…EUV光、291…壁、292…中間集光点(IF)、293…アパーチャ、311…マスタオシレータ(MO)、312…ビームスプリッタ、313…光センサ、341,342…平面ミラー、1000…処理ユニット、1001…中央処理ユニット(CPU)、1002…メモリ、1003…タイマ、1004…画像処理ユニット(GPU)、1005…ストレージユニット、1010…ユーザインターフェイス、1020…パラレルI/Oコントローラ、1030…シリアルI/Oコントローラ、1040…A/D、D/Aコンバータ、D1…画像データ(プラズマ発光像データ)、D11…第1の画像データ(第1のプラズマ発光像データ)、D12…第2の画像データ(第2のプラズマ発光像データ)、td…遅延時間、TG1…発振トリガ、TG21…第1のシャッタトリガ、TG22…第2のシャッタトリガ、Pw…ビームウエスト位置(集光位置)、Dw…ビームウエスト全幅(集光幅)、PA1…第1の増幅器、PA2…第2の増幅器、PA3…第3の増幅器、PA4…第4の増幅器。
図1
図2
図3
図4
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図6
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