(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トップシートと前記吸収コアとの間の前記基材シートより前記トップシート側に、前記基材シートと異なる液透過性の別の基材シートを有し、前記別の基材シートに前記着色領域がある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
前記吸収コアがコアラップで覆われており、前記基材シートが前記コアラップであり、前記コアラップ及び前記吸収コアに形成されたエンボス部に前記着色領域がある、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、液透過性シートの裏側に接して配置される着色層はホットメルト着色剤であるため、凹部によって形成されるデザインパターンの周囲まで着色層が存在しているが、凹部の色とその周囲の着色領域の色が同じであり、着色領域のさらに周囲の非着色領域に着色領域の視認性を高めるための特別の処理はされていない。
【0007】
特許文献2では、チャネルを示す印刷された接着剤層とともに、エンボス加工も利用されるものであり、エンボス加工することにより形成される圧搾条溝は、圧搾条溝以外の非着色部分とは異なる色に見えるようになっているが、圧搾条溝と印刷による他の模様は全体として一つの模様とされており、圧搾条溝の着色は他の模様の着色と一体的に着色されるものであり、その一体的な着色において圧搾条溝とその他の領域での色が同一である為、圧搾条溝をより明確に見せることができなかった。また、特許文献2においても、着色領域の周囲の非着色領域に視認性を高めるための特別の処理はされていない。
【0008】
特許文献3でも、着色領域の周囲の非着色領域に視認性を高めるための特別の配慮はされていない。
【0009】
そのため、吸収体が体液を吸収して体液の色で染まると、元来の着色領域とその周囲との色の差が小さくなり、元来の着色領域の視認性が低下して見づらくなるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の課題は、トップシートと吸収コアとの間にある着色領域を有し、その着色領域の周囲領域において吸収される体液による色を隠蔽して、着色領域の視認性を向上させた吸収性物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、下記の態様を提供する。
【0012】
(態様1) 液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及びそれらの間に介在された吸収コアを有し、厚み方向を有する吸収性物品であって、
前記トップシートと前記吸収コアとの間に、前記トップシートを通して視認可能な、前記トップシートの色とは異なる色の着色領域を有し、
前記トップシートと前記吸収コアとの間に液透過性の基材シートを有し、前記基材シートは繊維素材を含んで構成され、
前記基材シートの前記繊維素材に、前記着色領域の色とは異なる色の、非吸収性で、水不溶性の微粒子が付着した微粒子付着領域を有し、前記微粒子の平均粒径は前記基材シートの前記繊維素材の平均幅より小さく、
前記微粒子付着領域は、前記吸収性物品を前記厚み方向において、前記着色領域及び該着色領域を囲む周囲領域の両方と重なる領域を含むことを特徴とする吸収性物品。
【0013】
(作用効果)トップシートと吸収コアとの間にある、繊維素材から構成される液透過性の基材シートに、着色領域の色とは異なる色の、非吸収性で、水不溶性の微粒子(以下、単に微粒子ともいう。)を付着させるので、微粒子は基材シートの繊維素材表面には付着するが、裏面や繊維素材間の間隙を塞いで体液の透過を阻害することは少ない。非吸収性で、水不溶性の微粒子は体液を保持しないので、基材シートの微粒子が付着されている部分は、体液を保持せず、基材シート及び基材シートより非肌側にある吸収体コアが体液によって染まる色を隠蔽する働きがある。基材シート及び吸収コアの体液によって染まる色を隠蔽できる微粒子が着色領域及びその周囲領域と厚み方向に重なる領域にあるので、着色領域及びその周囲領域における色の隠蔽性が高くなり、体液吸収後でも着色領域が明確に見える。したがって、体液の吸収性を阻害することが少なく、体液吸収後でも着色領域がトップシートを通して明確に見える。
【0014】
(態様2) 前記微粒子の平均粒径は0.01〜5μmの範囲内である、態様1に記載の吸収性物品。
(作用効果)非吸水性で水不溶性の微粒子の平均粒径が0.01〜5μmの範囲内であるので、微粒子が、基材シートの繊維素材表面を覆い、液透過性を担保しながら、隠蔽性を向上させることが可能である。
【0015】
(態様3) 前記吸収性物品の前記厚み方向において、前記着色領域が前記吸収コアに施された凹部及び/又はスリットと重なっている、態様1又は2に記載の吸収性物品。
(作用効果)着色領域が吸収コアに施された凹部・スリットと重なることで、凹部・スリットの高低差により、着色領域がより明確に見える。
【0016】
(態様4) 前記微粒子が前記基材シートの前記繊維素材にバインダーによって付着されている、態様1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)非吸水性で水不溶性の微粒子がバインダーによって基材シートの繊維素材に付着されているので、製造中、使用中、及び体液吸収後でも、微粒子が基材シートから移動、脱落することが少ないため、隠蔽性が低下しづらい。
【0017】
(態様5) 前記着色領域が前記基材シートにある、態様1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)着色領域と微粒子付着領域が同一シートにあることで、着色領域と着色領域の周囲の隠蔽部分との境界がシャープになり、コントラストがはっきりして、着色領域がより明確に見える。
【0018】
(態様6) 前記トップシートと前記吸収コアとの間の前記基材シートより前記トップシート側に、前記基材シートと異なる液透過性の別の基材シートを有し、前記別の基材シートに前記着色領域がある、態様1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)非吸水性で水不溶性の微粒子が付着されて隠蔽作用のある基材シートよりトップシート側にある別の基材シートに着色領域があるので、その別の基材シートにある着色領域は、吸収コアの体液による着色から隠蔽される。
【0019】
(態様7) 前記着色領域が感圧着色剤により着色されており、前記微粒子が前記感圧着色剤の顕色剤である、態様5に記載の吸収性物品。
(作用効果)感圧着色剤を着色に用いることで、エンボス加工で形成される凹部に一致する着色を得ることができ、さらに感圧着色剤の発色を発現させる顕色剤が非吸水性で水不溶性の微粒子として隠蔽機能を発揮するので、着色領域と着色領域の周囲の隠蔽部分とのコントラストがはっきりして、エンボス加工のパターン及び着色領域がより明確に見える。
【0020】
(態様8) 前記基材シートがティッシュペーパーである、態様1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)ティッシュペーパーはトップシートよりも繊維素材密度が高いので、体液吸収前は、着色の密度も高くなり、着色領域が見えやすい利点を有する。しかし、ティッシュペーパーは、体液吸収後に保持された体液によって着色領域の着色が見にくくなりやすいが、非吸水性で、水不溶性の微粒子を付着させることで液を保持しにくくなり、着色パターンが明確に見える。
【0021】
(態様9) 前記吸収コアがコアラップで覆われており、前記基材シートが前記コアラップであり、前記コアラップ及び前記吸収コアに形成されたエンボス部に前記着色領域がある、態様1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)コアラップで覆われた吸収コアからなる吸収体に形成されたエンボス部に着色領域があり、コアラップの着色領域及びその周囲領域に非吸水性で水不溶性の微粒子が存在するので、吸収体が体液を吸収しても、コアラップの着色領域が体液による色から効果的に隠蔽されて、エンボス部に符合する着色領域が明瞭に見えるので、使用者に清潔感や安心感が与えられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、トップシートと吸収コアとの間に着色領域を有し、その着色領域とその周囲領域において吸収される体液による色を隠蔽して、着色領域の視認性を向上させた吸収性物品が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(使い捨ておむつの実施態様)
本発明の吸収性物品の実施態様として使い捨ておむつ1を、図面を参照して説明する。
図1は実施態様である使い捨ておむつ1の展開平面図であり、使い捨ておむつ1を肌側から見た図である。
図2は、
図1の線分II−IIに沿った端面の端面図である。
図3は、使い捨ておむつ1に含まれる吸収体10の平面図である。使い捨ておむつ1は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Lと、短手方向Wと、長手方向L及び短手方向Wに対して垂直な方向である厚さ方向Tとを有する。
【0025】
図1及び
図2を参照すると、使い捨ておむつ1は、吸収体10と、吸収体10の肌側にある液透過性のトップシート13と、吸収体10の非肌側にある液不透過性のバックシート14とを有する。本実施態様では、使い捨ておむつ1は、さらに、吸収体10とトップシート13との間に液捕捉層として液透過性であるセカンドシート15を有する。本発明ではセカンドシート15はなくてもよい。
【0026】
本実施態様の使い捨ておむつのトップシート13は、吸収体10に形成された着色領域が視認できるように光透過性である。光透過性の程度は光透過度で評価できるが、ここでは吸収体10に形成された着色領域が視認できることが重要である。たとえば、光透過度60〜95%、さらには65〜90%であることが好ましいが、吸収体10に形成された着色領域の着色の濃度などによるので、光透過度は一概ではない。また、トップシート13は、光透過性であるほか、開口部を有して、その開口部を通して吸収体10に形成された着色領域が視認できるものであってもよい。
【0027】
本実施態様のようにセカンドシート15を有し、着色領域がセカンドシート15より非肌側にある場合には、セカンドシート15も着色領域が視認できるように光透過性でなければならない。この場合、トップシート13とセカンドシート15の両方の合計の光透過度が、たとえば、50〜90%、さらには55〜85であることが好ましい。
【0028】
吸収体10は、典型的には粉砕パルプと吸収性ポリマー(SAP)からなる吸収コア11と、吸収コア11を覆い、典型的にはティッシュペーパーからなる液透過性のコアラップ12とを含む。
【0029】
図3を参照すると、吸収体10は、吸収体10の短手方向Wの左右両側にあり、長手方向に延在する吸収体の屈曲基点(ヒンジ)となる、左右一対のエンボス部である凹部Pを有する。
図2及び
図3を参照すると、エンボス部の凹部Pは、コアラップ12の表面から厚み方向Tに吸収コア11の内部まで延びる凹部(圧搾凹部)である。本発明は、コアラップの表面から厚み方向に吸収コアの内部まで延びる凹部(圧搾凹部)、エンボス凹部における着色領域に、好ましく適用される。
【0030】
図2及び
図3を参照すると、吸収体10は、エンボス部の凹部Pにおいて、コアラップ12は着色されて、着色領域21を形成している。着色領域21はたとえば青色である。着色領域21は、エンボス加工で形成される凹部Pに形成されているので、凹部Pと着色領域21とは符合している。しかし、凹部Pと着色領域21が完全一致している必要はなく、着色領域21が凹部Pの一部であったり、凹部Pより少し広がっていてもよい。
【0031】
コアラップ12の着色領域21と、着色領域21を囲う周囲領域22とは、全体として、微粒子付着領域23を形成している。微粒子付着領域23では、コアラップ12を構成しているパルプ繊維の表面に、非吸水性で水不溶性の微粒子が付着している。
【0032】
微粒子付着領域23において、パルプ繊維の表面に付着している非吸水性で水不溶性の微粒子は、パルプ繊維の平均幅より小さい平均粒径を有する。この微粒子は、パルプ繊維の平均幅より小さい平均粒径を有するので、コアラップ12を構成するパルプ繊維の間の間隙を塞いで、コアラップ12の液透過性が低下する恐れが少ない。
【0033】
図4(A)は、パルプ繊維を含むティッシュペーパーからなるコアラップ(後出の比較例5)の表面を、電子顕微鏡で撮影した写真である。
図4(A)を参照すると、繊維幅が20μm程度のパルプ繊維が観察され、パルプ繊維の繊維同士の間には間隙(空間)があることが理解される。
図4(B)は、
図4(A)に示したコアラップに、非吸水性で水不溶性の微粒子とバインダーとを含む分散液を塗布したコアラップ(後出の実施例1)の表面を、
図4(A)と同様に、電子顕微鏡で撮影した写真である。
図4(B)を参照すると、パルプ繊維の表面を覆うように多数の微粒子が付着していることが観察される。微粒子の大きさは、1μm以下の程度であり、パルプ繊維の幅と比べて小さいので、微粒子が繊維同士の間の間隙(空間)を塞ぐものではないことも理解される。
【0034】
本実施態様において、吸収体10は肌側からトップシート13を通して視認可能な着色領域21をエンボス部の凹部Pに有し、青色に着色された着色領域21並びにその周囲領域22には非吸水性で水不溶性の微粒子が塗布され、微粒子は繊維素材であるパルプ繊維の表面に付着して存在している。コアラップは白色であるが、この微粒子も白色であり、周囲領域22は白色である。
【0035】
このような吸収体10を含む使い捨ておむつ1において、尿などの体液がトップシート13を透過して吸収体10(コアラップ12及び吸収コア11)に吸収されると、コアラップ12及び吸収コア11は体液の色(尿では黄色)に染まるが、本実施態様では、コアラップ12のパルプ繊維の表面に白色の微粒子が付着しているので、着色領域21及びその周囲領域22の両方(微粒子付着領域23)において体液の色が白色の微粒子によって隠蔽されるので、使い捨ておむつ1を見る者にとって、着色領域21とその周囲領域22の両方(微粒子付着領域23)における元来の色が体液の色で汚染される程度が小さい。着色領域21のみならずその周囲領域22においても色の汚れ(色の混合)が少ないので、着色領域21の色と周囲領域22の背景色との色のコントラストの低下が小さくなり、着色領域21の視認性の低下を小さくすることができる。
【0036】
本実施態様では、
図2及び
図3を参照すると、微粒子付着領域23は、着色領域21と、着色領域21を包囲し或る面積をもつ周囲領域22との全体であるが、微粒子付着領域は、着色領域の背景部として、体液からの色の汚染を防いで、着色領域との色のコントラストを維持して、着色領域の視認性が維持できる面積が担保されていればよい。着色領域の周囲の領域の面積は、着色領域の大きさにも依存するが、たとえば、周囲領域の面積が、着色領域の面積の少なくとも2倍以上、4倍以上であり、8倍以上、10倍以上であることが好ましい。また、周囲領域は、着色領域の全周囲において、5mm以上、さらには10mm以上、15mm以上、20mm以上の幅で、着色領域を囲むことが好ましい。ただし、微粒子が付着されている周囲の領域の面積が十分に大きければ、着色領域の周囲の一部においては、着色領域を囲む領域の幅が小さくてもよいことは明らかである。特に、
図3に示すエンボス部の凹部Pに形成された着色領域のように、長尺状の着色領域である場合には、長尺状の着色領域の長手方向における周囲領域の寸法が、長尺状の着色領域の長手方向の寸法より実質的に長ければよい。また、微粒子付着領域は、
図3に示されるように限定された領域である必要はなく、コアラップの全表面あるいは実質的に全表面であってもよい。特に、本実施態様の変形例として、長手方向に延在する屈曲基点となる左右一対のエンボス部である凹部の間に、格子状のエンボス部である凹部を有し、吸収体のほぼ全面を微粒子付着領域とする態様が考えられる。
【0037】
本実施態様の使い捨ておむつにおいて着色領域と微粒子付着領域を形成する方法は、コアラップに微粒子付着領域を形成する工程と、コアラップと吸収コアとの積層体にエンボスロールを用いてエンボス加工を施す際に、凹部を形成するとともにその凹部を着色領域とする工程とを含むことで製造することができる。本実施態様の使い捨ておむつは、着色領域と微粒子付着領域を形成する工程以外については、従来公知の使い捨ておむつの製造方法と同様であることができる。
【0038】
(非吸水性で水不溶性の微粒子)
本発明において用いられる非吸水性で水不溶性の微粒子(ここでは、単に微粒子ともいう。)について説明する。
【0039】
微粒子が非吸水性であるとは、微粒子を脱イオン水と接触させたとき、水を吸収して膨潤しないことをいう。しかし、ここで非吸水性は、水を全く吸収しないことを求めるものではなく、微量であれば吸水性があってもよく、厳密であるものではない。多く有機樹脂は微量に水を吸収するが、実質的意味で非吸水性ではない。非吸水性とは、微粒子が水を吸収して膨張する結果として繊維間の間隙を埋める吸収性ポリマー粒子等を排除するものである。乾燥した微粒子を脱イオン水中に1時間浸漬後に、微粒子の重量増加が10%以下であれば、非吸水性であるものとするが、微粒子の重量増加は1%以下であることが好ましい。微粒子の重量増加は、微粒子を脱イオン水中に入れ、軽く撹拌しながら10分間浸漬した後、水中から取り出した微粒子を20℃60%RHの環境下でガラス基材上に30秒間置いて水切りしてから、微粒子の重量を測定し、その値と、水に浸漬前の微粒子の重量との差を計算して求める。
【0040】
微粒子が水不溶性とは、微粒子が水に溶解されないことをいうが、微粒子が水に全く溶解しないことをいうものではなく、微量の溶解は許容される。乾燥した微粒子を水中に1時間浸漬後に、微粒子の重量減少が5%以下であれば、水不溶性であるものとするが、微粒子の重量減少は1%以下であることが好ましい。微粒子の重量減少は、微粒子を脱イオン水中に入れ、軽く撹拌しながら10分間浸漬した後、水中から取り出した微粒子を20℃60%RHの環境下でガラス基材上に30秒間置いて水切りしてから、微粒子の重量を測定し、その値と、水に浸漬前の微粒子の重量との差を計算して求める。
【0041】
非吸水性で水不溶性の微粒子の平均粒径は、基材シートを構成する繊維素材、特にパルプ繊維の平均幅より小さいものを使用する。微粒子を繊維素材に付着させ、微粒子が繊維間の間隙を塞いで、液透過性を低下させることを避けるためである。微粒子の平均粒径が繊維素材の平均幅の2分の1以下であること、さらには5分の1以下、10分の1以下、15分の1以下であることがより好ましい。
【0042】
また、微粒子の平均粒径は、上記の繊維素材の平均幅との関係を満たせばよいが、0.01〜5μmの範囲内であることが好ましい。基材シートを構成する繊維素材の表面に付着させるために、平均粒径5μm以下であることが好ましい。平均粒径が小さいと、繊維素材の表面に付着させて表面を覆いやすいので好ましいが、平均粒径が0.01μmより小さくなると、取扱いが面倒であり、コストも高くなるので好ましくない。微粒子の平均粒径は、基材シートを構成する繊維素材の幅にもよるが、0.1〜3μm、さらには0.15〜1μmの範囲内であることがより好ましい。
【0043】
微粒子の平均粒径の測定は、画像イメージング法による。微粒子の画像写真から任意に10個以上の粒子について等価円径として測定し、その平均値を求める。
【0044】
非吸水性で水不溶性の微粒子は、半透明であっても透過光を減少させ体液による色を隠蔽する効果が得られるので使用できるが、実質的に不透明であることが好ましい。体液による着色を隠蔽する効果が大きいからである。非吸水性で水不溶性の微粒子は、白色か白色に近い色であることが色の隠蔽性の観点から好ましいが、着色領域の色彩によっては、白色以外の色を有する微粒子であっても、微粒子の色彩が背景色となり、着色領域の色彩とのコントラストが取れれば、隠蔽効果は得られるので、白色系に限定されない。
【0045】
非吸水性で水不溶性の微粒子は、無機系微粒子でも、有機系微粒子でもよい。無機系微粒子としては、炭酸カルシウム、クレー、二酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、非晶質シリカ、アルミナなどが挙げられる。有機系微粒子としては、公知の合成有機顔料であるスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機白色顔料などを用いることができる。さらに、フェノールホルムアルデヒド樹脂、フェノールアセトアルデヒド樹脂、フェノールアセチレン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のフェノール樹脂及びその多価金属塩、サリチル酸及びその金属塩(特に亜鉛塩)、スルホニルウレア化合物なども用いることができる。
【0046】
基材シートにおける非吸水性で水不溶性の微粒子の付着量は、基材シートにおける繊維素材の密度や基材シートの厚みにも依存するが、0.35〜3g/m
2(gsm)、さらには0.5〜2g/m
2(gsm)であることが好ましい。この付着量の範囲内であれば、基材シートの液透過性を阻害しないで、基材シートの繊維素材を覆って隠蔽効果を発揮することができる。付着量が少ないと、隠蔽効果が小さくなる。付着量が上記の範囲より多くなっても基材シートの液透過性はまだ阻害されないが、隠蔽効果が飽和し、コストが上昇する。
【0047】
非吸水性で水不溶性の微粒子を基材シートの繊維素材に付着させるとき、基材シートに微粒子の分散液を塗布するだけでもよいが、バインダーを用いることが好ましい。基材シートの繊維素材に微粒子を結合させることで、体液によって微粒子が繊維素材から洗い流され難くできる。バインダーとして、各種の樹脂を使用することができるが、例えば、共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系バインダーを挙げることができる。
【0048】
(基材シート)
本発明において、微粒子付着領域が形成される基材シートは、液透過性であり、繊維素材を含んで構成されるシートである。このような液透過性シートとしては、当技術分野で通常用いられているもののうち、繊維素材を含んで構成されるものであれば、特に制限なく採用することができ、例えば、ティッシュペーパー、織布、不織布等が挙げられる。
【0049】
繊維素材としては、上記織布及び不織布を構成する繊維として、天然繊維及び化学繊維が挙げられ、天然繊維としては、例えば、粉砕パルプ、コットン等のセルロースが挙げられ、化学繊維としては、例えば、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、熱可塑性疎水性化学繊維、並びに親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維が挙げられる。パルプ繊維を含むものが最も好ましい。
【0050】
ティッシュペーパーは、体液吸収前は、繊維素材密度が高いので、着色の密度も高くなり、着色領域が見えやすいが、体液吸収後には、保持された体液によって着色領域の着色が見にくくなりやすい特徴を有するので、本発明においてティッシュペーパーの基材シートに微粒子付着領域を形成することは、効果が大きく、好ましい。
【0051】
基材シートに含まれる繊維素材の幅(平均)は、5〜25μm程度が好ましい。ここで繊維素材の幅とは、基材シートの表面に垂直な方向から見て、繊維素材の長手方向ではなく短手方向の寸法(幅)をいう。通常の繊維素材では、繊維素材の繊維の長さ方向に対する太さ方向の寸法をここでは幅という。パルプ繊維の場合は扁平な形状をしており、基材シートにおいて積繊された扁平なパルプ繊維を想定し、扁平なパルプ繊維の平らな面に垂直な方向から見て、長い寸法ではなく短い寸法をもって、パルプ繊維の幅という。
液透過性の基材シートは、繊維素材のほかに、吸収性ポリマー(SAP)を含むことができる。
液透過性の基材シートに含まれる繊維素材及び吸収性ポリマー(SAP)の坪量や組成(割合)あるいは基材シートの密度は、当技術分野で通常用いられている従来のものと同様であることができる。
【0052】
本発明では、液透過性の基材シートとしてコアラップに微粒子付着領域が形成されることが好ましい。この実施態様では、コアラップに着色領域と符合するエンボス部を形成するとともに、その着色領域を微粒子付着領域で見やすくできる効果が顕著である。
【0053】
(他の実施態様)
本発明に従う使い捨ておむつは、特定の配置で着色領域と微粒子付着領域を有する以外は、従来公知の使い捨ておむつの製造方法と同様であることができる。
図1〜3を参照して説明した上記の実施態様では、着色領域は吸収コアに形成された凹部と重なるが、吸収コアに形成されたスリットと重なるものも好ましい。
【0054】
また、
図1〜3を参照して説明した上記の実施態様では、着色領域と微粒子付着領域はコアラップに形成されたが、着色領域と微粒子付着領域を形成する部材は、コアラップ以外であっても、繊維素材を含む液透過性の基材シートであればよい。
【0055】
たとえば、繊維素材を含む液透過性のセカンドシートに微粒子付着領域及び着色領域を形成してもよい。この実施態様を
図5に示す。
図5は
図2と同様な使い捨ておむつ端面図であるが、着色領域21と微粒子付着領域23(したがって、周囲領域22)は、コアラップ12ではなく、セカンドシート15に形成されている。エンボス加工によって形成される凹部Pは、セカンドシート15の表面から吸収コア11内の深さまで延びている。この実施態様の使い捨ておむつ1は、セカンドシートに微粒子付着領域を形成する工程と、吸収コアとコアラップとセカンドシートとの積層体にエンボスロールを用いてエンボス加工を施す際に、凹部を形成するとともにその凹部を着色領域とする工程とを含むことで製造することができる。
【0056】
また、上記の実施態様と異なり、微粒子付着領域と着色領域とを異なる液透過性シートに形成してもよい。たとえば、微粒子付着領域はコアラップに形成し、着色領域はセカンドシートに形成してもよい。この実施態様を
図6に示す。
図6は
図2と同様な使い捨ておむつの端面図であるが、着色領域21はセカンドシート15に形成されて、微粒子付着領域23は、セカンドシート15ではなく、コアラップ12に形成されている。さらに、着色領域21と微粒子付着領域23とは厚み方向Tにおいて重なるが、どちらもエンボス加工で形成される凹部Pではなく、左右一対の凹部Pの間の領域に形成されている。この実施態様において、着色領域21と微粒子付着領域23とを形成する領域の配置は、これらが相互に厚み方向Tにおいて重なる限り、任意である。
図6の実施態様の使い捨ておむつ1は、コアラップに微粒子付着領域を形成する工程と、吸収コアとコアラップとの積層体にエンボスロールを用いてエンボス加工を施す工程と、セカンドシートに着色領域を形成する工程と、吸収コアとコアラップとの積層体(吸収体)と、セカンドシートとを積層する工程とを含むことで製造することができる。
【0057】
また、
図2、
図5、
図6に示した実施態様では、着色領域を形成するコアラップ又はセカンドシートの上からエンボス加工を施し、その上にセカンドシートやトップシートを積層したが、
図2、
図5、
図6に示した実施態様のいずれの態様においても、エンボス加工をトップシートを積層後に施してもよい。たとえば、
図7を参照すると、
図2に示した態様において、セカンドシート15がない点でも異なるが、さらにトップシート13を吸収体10と積層後にトップシート13の上からエンボス加工がなされている点で異なる。しかし、着色領域21と周囲領域22並びに微粒子付着領域231は
図2と同様にコアラップ12に形成されている。
図5、
図6に示した実施態様でも、同様に、トップシート13を吸収体10と積層後にトップシート13の上からエンボス加工をすることができることは明らかである。
【0058】
また、本発明の1つの好ましい実施態様においては、非吸水性で水不溶性の微粒子として、顕色剤として知られる微粒子から選択される非吸水性で水不溶性の微粒子を用いることができる。特に、エンボス加工で凹部の形成と着色領域の形成を行う際に、着色剤として発色剤と顕色剤との組合せからなる感圧着色剤を用い、顕色剤を着色領域のみならず、着色領域の周囲領域にも塗布すると、エンボス加工による凹部の形成と、凹部への着色領域の形成の際に、本発明の実施態様として凹部の着色領域及びその周囲領域に非吸水性で水不溶性の微粒子を付着させることを、同じ工程で達成できる。感圧着色剤としてマイクロカプセルに内包された発色剤を用い、非吸水性で水不溶性の微粒子である顕色剤を用い、そのような発色剤及び顕色剤を基材シートの少なくとも凹部形成領域及びその周囲領域に塗布するとともに、エンボス加工で凹部を形成すると、凹部に着色領域が形成され、着色領域及びその周囲領域の繊維素材の表面に非吸水性で水不溶性の微粒子を付着させることができる。基材シートへの発色剤の塗布はエンボス加工の前に行うが、顕色剤の塗布はエンボス加工の前後いずれでもよい。また、基材シートの着色領域は、基材シートのトップシート側の表面又は吸収コア側の表面のいずれにマイクロカプセル発色剤を塗布して、着色、形成されてもよい。
【0059】
また、基材シート及び吸収コアにエンボス加工で凹部を形成する際に、感圧着色剤を用いて着色領域を形成すると、凹部の底部における着色が均一ではなく、基材シートの凹凸などの組織の影響を受けた模様を呈することができる。また、凹部の傾斜を有する壁部では、押圧力の加減によって凹部の底部と壁部の境界線から遠ざかるにつれて着色濃度が低くなるグラデーションを設けることも可能である。このように、エンボス加工の際に感圧着色剤を用いることで、吸収性物品の吸収体に設けるエンボス部に符合する着色領域を設けるとともに、エンボス部における着色を立体的、自然なものとすることができる利点がある。さらに、感圧着色剤を用いて着色領域を形成する際に、エンボスロールの凹部を形成する部位(版面)において、形成される凹部の底部と壁部との境界線となる部位の押圧力を他の部位より高くする(たとえば、上記版面において他の領域より突出させる)ことで、形成される凹部において底部と壁部との境界線を含む線状領域(第1の線状領域)における着色濃度が、その第1の線状領域に隣接する両側において第1の線状領域と少なくとも同じ幅の線状領域(それぞれ第2及び第3の線状領域)における着色濃度(平均値)より高くすることが可能である。このような着色領域を形成すれば、エンボス部の形状をより明瞭に認識できる。したがって、上記のようにエンボス部に特異な形態の着色領域を有し、その着色領域及び周囲領域に非吸水性で水不溶性の微粒子付着領域を有する吸収性物品は、使用者にエンボス部をしっかりとかつ立体的あるいは自然な印象をもって認識させることができるので、清潔感や安心感を与えることができる。
【0060】
上記において、着色領域の着色濃度は、着色領域を含む領域の写真画像から色表系のL*値(色の明度)を測定して評価できる。L*値は黒色が0であり、白色が正の値(通常100)である。着色領域において着色濃度が高いと色表系のL*値は低下する。着色領域のL*値(平均値)は、エンボス部の任意の5箇所で凹部の底部と壁部の境界線と直角な方向にL*値を測定し、その平均値を算出して求めることができる。白色のL*値と着色領域のL*値(平均値)と差で定義される着色濃度は、第1の線状領域の着色濃度が、第2及び第3の線状領域の色表系の着色濃度より少なくとも15%、さらには少なくとも20%高いことが好ましい。
【0061】
図8に、上記のようなエンボス加工で形成された凹部の例を示す。
図8(A)において、コアラップ12及び吸収コア11に形成された凹部Pは、溝状であり、底部31と壁部32を有する。底部31と壁部32との境界線33に沿ってドットで模式的に示されている着色濃度が高い第1の線状領域34があり、第1の線状領域34の着色濃度は、その両側の第2の線状領域35及び第3の線状領域36の着色濃度より高い。第1の線状領域34は、凹部Pを平面視して境界線33から底部31側に幅w1を有し、壁部32側にw2、合計でw3の幅を有するように区画される仮想領域である。第1の線状領域34に隣接する底部31側の第2の線状領域35と、壁部32側の第3の線状領域36とは、第1の線状領域34に隣接して幅w3を有するように区画される仮想領域である。第1の線状領域34、第2の線状領域35及び第3の線状領域36は、着色濃度の測定において任意の幅で設定される仮想領域である。そして、上記の測定方法において、任意の第1の線状領域34のL*値(平均値)が第2の線状領域35及び第3の線状領域36のいずれのL*値(平均値)よりも低くなれば、上記の好ましい態様の要件を満たしていると判断できる。
【0062】
図8(A)に示すような凹部は
図8(B)に示すエンボス形成部を有するエンボスロールと感圧接着剤とを用いて形成することができる。
図8(B)において、エンボスロールの基部41に形成された凸部42は、エンボス部に凹部Pを形成する部分であり、
図8(A)の溝状の凹部Pと相補となる形状を有する。凸部42は、凹部Pの底部31を形成する略平坦な先端面43と、凹部Pの壁部32を形成する壁面44とを有し、その略平坦な先端面43において、壁面44との境界線に沿って、略平坦な先端面43に対して僅かに突出する線状領域43Eを有する。このような凸部42を有するエンボスロールと感圧接着剤とを用いてエンボス加工をすると、
図8(A)に示すような凹部Pが形成されるが、先端面43の突出する線状領域43Eでは他の領域より押圧力が大きいので、形成される凹部の底部と壁部との境界線に沿って他の領域より着色濃度を高くすることができる。
【0063】
なお、本発明の吸収性物品は、使い捨ておむつ以外に、失禁パッド、生理用ナプキンなどの他の吸収性物品にも適用できることは明らかである。
【実施例】
【0064】
(実施例1〜12及び比較例1〜3)
粉砕パルプと吸収性ポリマー(SAP)とを、粉砕パルプ270g/m
2(gsm)、吸収性ポリマー(SAP)210g/m
2(gsm)の坪量になるように均一に積層し、12cm×32cmの大きさにカットした。その積層体の上下に16g/m
2(gsm)のティッシュペーパー(13cm×33cm)をホットメルト接着剤で貼り合わせ、プレス機で厚みを3.0mmに調整して、吸収体サンプルを作成した。
【0065】
非吸収性で水不溶性の微粒子の塗布液として、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛の分散液(三光社製BR−054)を用いたが、その組成は下記であった。
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛 35wt%
10−[(スチレン)−(α−メチルスチレン)]共重合体9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン 7wt%
ポリビニルアルコール 1wt%
水 57wt%
この分散液を原液とし、また水で希釈して、非吸収性で水不溶性の微粒子の固形分濃度が35wt%〜3wt%の塗布液を用意した。
【0066】
上記の各種濃度の塗布液のそれぞれを、上記の吸収体サンプル(面積429cm
2)の全面に、塗布装置(ガイアノーツ社製イージーペインター)を用いて、所定の範囲内の塗布量でスプレー塗布して、様々な微粒子塗布量(設計坪量)の吸収体サンプルを作成した。このとき、吸収体の実際の重量の増加量を測定して、用いた塗布液の固形分濃度から、微粒子の塗布坪量(実測値)を算出した。
【0067】
また、比較例1〜3として、上記の吸収体サンプルに水だけを実施例の塗布液と同じ塗布量で塗布したものを3個用意した。
各実施例及び比較例における微粒子の塗布坪量(実測値)を表1に示す。
【0068】
(吸収速度及び隠蔽性の試験)
上記の如く微粒子を塗布した吸収体サンプル(実施例)及び微粒子なしで水だけを塗布した吸収体サンプル(比較例)に人口尿を注ぎ、吸収させて、その吸収速度と、吸収前後の吸収体サンプルの色を測定した。
人口尿は、イオン交換水10Lに対して、尿素200g、塩化ナトリウム(塩)80g、硫酸マグネシウム・7水和物8g、塩化カルシウム・2水和物3g、色素:青色1号 成分〔青色1号65%/塩化ナトリウム35%〕1gを溶かして、着色された人口尿を調整した。
【0069】
吸収体サンプルと人口尿を用いて、微粒子を塗布した吸収体の中心に内径5cmの円筒を置き、ビュレットで人工尿40mLを入れ、 人工尿を入れ始めてから円筒内の人工尿が無くなるまでの時間を計測して、吸収速度を評価した。
【0070】
次に、円筒を外し、3分後および60分後に色彩計(CR‐300:ミノルタ製)を用いて吸収体サンプル表面の色(ΔE)を測定して、色差から隠蔽性を評価した。円筒内側の部分でサンプル1個につき5点で測定し平均したものを測定数値とした。ΔEは色表系のL*a*b*において、ΔE={(L*)
2+(a*)
2+(b*)
2}
1/2である。
【0071】
試験の結果を表1に示す。なお、吸水試験前の吸収体サンプルのΔEも表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
表1によれば、実施例では、吸収体に非吸収性で、水不溶性の微粒子を塗布しても、吸収体の吸収速度は比較例と比べてほとんど低下しておらず、吸収体の吸収性能に対する悪影響は見られない。また、吸収体の色は、着色人口尿の吸収後にΔEが増加しているが、実施例では比較例と比べて着色人口尿の色を隠蔽する効果が有意な程度に認められる。
【0074】
また、実施例1の非吸収性で水不溶性の微粒子を塗布したコアラップを電子顕微鏡で観察した。微粒子の粒径(平均0.6μm)はコアラップのパルプ繊維の幅(平均20μm)と比べて十分に小さいため、微粒子はパルプ繊維の表面に付着しており、パルプ繊維間の間隙を塞いでいないことが確認された。たとえば、実施例1及び比較例の吸収体の表面の電子顕微鏡写真である
図4が参照される。