(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
分注部と、当該分注部が必要に応じてアクセス可能なコントロール群を保持する保持部と、一般検体・コントロールをサンプリングする処理部と、サンプリングした一般検体・コントロールを分析する分析部と、分析結果を解析する解析部と、複数のコントロール運用プロセスを保持するデータベースと、当該運用プロセスを選択する入力部と、これらを制御する制御部とを備え、
予め設定された運用プロセスに応じてコントロール・一般検体および/または測定結果情報を運用する自動分析装置であって、
一般検体のサンプリングタイミングとしてコントロール測定完了前か後かを予め設定できる設定項目を備え、コントロール・一般検体運用プロセスが、次の3つのプロセスで運用されることを特徴とする自動分析装置。1)測定要求されている全ての分析項目に対応するコントロール群全てを優先してサンプリングを開始する。2)コントロール群全てのサンプリング完了後、予め設定されたサンプリングタイミングに従い自動的に一般検体のサンプリングを開始する。3)コントロール群のうち、少なくともいずれかのコントロールの測定結果に異常がある場合に、異常の認められたコントロールに対応する一般検体のサンプリングを停止して検査者に異常を通知する。
請求項1に記載の自動分析装置であって、ある分析項目のコントロール群の測定結果に異常がある場合に、他の分析項目の測定完了前のコントロール群に対応する一般検体のサンプリングも一時停止する設定と処理が可能であることを特徴とする自動分析装置。
請求項3に記載の自動分析装置であって、コントロール測定完了前により一時停止した一般検体に対して、コントロール測定結果に異常がなかった場合に、そのサンプリングを自動的に再開することを特徴とする自動分析装置。
分注部と、当該分注部が必要に応じてアクセス可能なコントロール群を保持する保持部と、一般検体・コントロールをサンプリングする処理部と、サンプリングした一般検体・コントロールを分析する分析部と、分析結果を解析する解析部と、複数のコントロール運用プロセスを保持するデータベースと、当該運用プロセスを選択する入力部と、これらを制御する制御部とを備え、
予め設定された運用プロセスに応じてコントロール・一般検体および/または測定結果情報を運用する自動分析装置であって、
一般検体のサンプリングタイミングとしてコントロール測定完了前か後かを予め設定できる設定項目を備え、コントロール運用プロセスが、以下のプロセスであることを特徴とする自動分析装置。1)測定要求されているN番目に優先順位の高い分析項目に対応するコントロール群全てを優先してサンプリングを開始し、該当するコントロール群全てのサンプリング完了後、設定項目に従い自動的に当該コントロール群に対応する一般検体のサンプリングを開始する。2)1)に該当する一般検体のサンプリング完了後、自動的にN+1番目に優先順位の高い分析項目に対応するコントロール群全てを優先してサンプリングを開始し、該当するコントロール群全てのサンプリング完了後、設定項目に従い自動的に当該コントロール群に対応する一般検体のサンプリングを開始する。3)コントロール群のうち、少なくともいずれかのコントロールの測定結果に異常がある場合に、異常の認められたコントロールに対応する一般検体のサンプリングを停止して検査者に異常を通知する。
請求項1または5に記載の自動分析装置であって、M番目に測定された一般検体の測定結果に対して陽性判定が得られた際に、測定結果情報の上位への送信を保留し、M+1番目以降に測定された一般検体の測定結果が陰性判定で、内部コントロール結果が正常判定であった場合に、保留していたM番目に測定された測定結果情報と一緒に上位へ送信することを特徴とする自動分析装置。
請求項6に記載の自動分析装置であって、運用プロセスを選択する入力部に測定終了後にコントロールの測定要否を選択するための設定項目を備え、当該設定項目においてコントロール測定を指示する設定に対して、依頼されていた測定の完了後に自動的に設定されたコントロールを測定することを特徴とする自動分析装置。
請求項1または5に記載の自動分析装置であって、少なくとも運用プロセスを選択する入力部に連続的に所定数の陽性判定を検出した場合に自動的に陰性コントロールを測定することを設定できる設定項目を備え、当該設定項目においてコントロール測定を指示する設定に対して、所定数の連続陽性判定結果を得た際に陰性コントロールを自動的に分析し、陰性コントロールが異常判定だった場合にユーザに異常を通知することを特徴とする自動分析装置。
請求項8に記載の自動分析装置であって、運用プロセスを選択する入力部に検査項目毎に連続陽性判定数として数値を入力できる入力部を備え、当該設定にあわせて自動的に運用できることを特徴とする自動分析装置。
請求項8に記載の自動分析装置であって、自動的に陰性コントロールを分析している間は、一般検体の分析を停止し、陰性コントロールの分析結果が正常だった場合に、測定を再開できることを特徴とする自動分析装置。
【背景技術】
【0002】
規格42 CFR 493.1256 Standard: Control procedures には以下の内容が記載されている。コントロール運用により誤測定となるシステムの故障、環境、操作を検出しなければならない。検査施設は検査システム毎に試薬メーカまたは施設の運用基準に従い、最低限 下記のようにコントロールを運用しなければならない。
a) 定量検査は最低1回/日、高濃度コントロールと低濃度コントロールを測定すること
b) 定性検査は最低1回/日、陽性コントロールと陰性コントロールを測定すること。
中国規格(YY)によれば、検査プロセスの異常を検出するために、標的となる核酸と同じプロセスで処理される内部コントロール(以下、IC)を同時に測定する試薬であることが要求されている。
【0003】
高濃度および低濃度コントロールは検査システムや検査試薬の定量性能が目標性能を満足することの確認を目的とする。陽性コントロールは、試薬や検査システムや検査環境の異常有無の確認を目的とする。陰性コントロールは、マニュアルによる検査と共用している検査室の場合は、検査室の汚染による偽陽性が発生することがあり、この異常有無の確認を目的とする。内部コントロールは、反応液内で標的核酸と一緒に増幅するコントロールサンプルであり、個々の検査の処理プロセスの異常有無の確認を目的とする。上述のように最低限のコントロールの運用規準は定められているが、一日の検査工程においてコントロールをどのようなタイミングで測定するかなど、実際のコントロールの運用方法は検査施設毎に異なる。従来は、上記のコントロール群をオペレータが運用することによって、検査施設毎に独自のルールで検査品質を確保しており、オペレータはコントロールの測定結果から検査品質が確保されていることを確認して検査結果を上位に報告していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一日の検査工程においてコントロールをどのようなタイミングで測定するかなど、実際のコントロールの運用方法は検査施設毎に異なるため、全自動でコントロールを含めて運用する場合に施設の運用方法と適合しない課題があった。さらに、ユーザがコントロールの測定要否、測定タイミング、そして測定結果に応じた装置停止等の運用を自分で判断しなければならないため、高度に訓練された検査者が必要だった。さらに、コントロールの異常の要因が抽出試薬等の共通試薬やシステムの共通機構である場合は、以降の測定が全て異常判定となり、全自動で検査していた場合には試薬・消耗品が無駄になる問題があった。一日の検査工程におけるコントロールを測定するタイミングとして、例えば、一日の最初に測定予定の分析項目のコントロールを全て測定した場合に、コントロールに対応する一般検体を測定する前にその日の測定を中止すると、前もって測定したコントロール分のコントロール試料、試薬、消耗品が無駄になる問題があった。さらに、全自動で検査して測定環境の一部の汚染が原因で連続的に陽性判定が発生した場合に、試料、試薬、消耗品が無駄になる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、当該課題に対して、複数の検査施設のコントロール運用方法等を調査し、鋭意検討を行い、全自動でコントロールを運用する際に必要な構成と機能を実現することにより当該課題を解決した。
【0006】
すなわち、分注部と当該分注部が必要に応じてアクセス可能なコントロール群を保持する保持部と一般検体・コントロールを分析準備処理する処理部と分析準備した一般検体・コントロールを分析する分析部と分析結果を解析する解析部と、複数のコントロール運用プロセスを保持するデータベースと当該運用プロセスを選択する入力部と、これらを制御する制御部をもつ装置構成であって、予め設定された運用プロセスに応じてコントロール・一般検体および/または測定結果情報を運用することを特徴とする自動検査装置。
【0007】
さらに、当該装置において、コントロールで確認すべき項目の一部を、内部コントロール(以下、IC)を含む患者検体の測定結果から代用する。具体的には、患者検体の測定結果が陽性である場合は、検査室の汚染による偽陽性の可能性を考慮して確定・報告を保留とする。その後、患者検体の測定結果が陰性である場合は、ICにより検査プロセスの品質が確保されているため即時確定する。さらに、陰性であることから検査室の環境汚染による偽陽性が発生している可能性が否定されるため、当該結果より以前に確定保留としていた陽性の検査結果を即時確定する。確定された測定結果は、即時上位に自動的に報告できる設定を持つ。これによって、検査品質を確保して、コントロール測定数を最小限に抑え、測定結果を迅速に上位に報告できる。さらに、当該装置は予め設定されたコントロール・一般検体運用プロセスが、次の3つのプロセスで運用される機能を備えることを特徴とする。第1のプロセスは、1)測定要求されている全ての分析項目に対応するコントロール群全てを優先して分析準備処理を開始する。第2のプロセスは、2)コントロール群全てのサンプリング完了後、自動的に一般検体の分析準備処理およびサンプリングを開始する。第3のプロセスは、3)コントロール群の測定結果に異常がある場合に、異常の認められたコントロールに対応する一般検体のサンプリングを停止して検査者に異常を通知する。さらに、ある分析項目のコントロール群の測定結果に異常がある場合に、他の分析項目の測定完了前のコントロール群に対応する一般検体のサンプリングも一時停止する設定および/または処理が可能であることを特徴とする機能を備える。さらに、コントロール測定完了前により一時停止した一般検体に対して、コントロール測定結果に異常がなかった場合に、そのサンプリングを自動的に再開することを特徴とする機能を備える。
【0008】
さらに、予め設定可能なコントロール運用プロセスが、1)測定要求されているN番目に優先順位の高い分析項目に対応するコントロール群全てを優先して分析準備処理を開始し、該当するコントロール群全てのサンプリング完了後、自動的に当該コントロール群に対応する一般検体の分析準備処理を開始する。2)1)に該当する一般検体のサンプリング完了後、自動的にN+1番目に優先順位の高い分析項目に対応するコントロール群全てを優先して分析準備処理を開始し、該当するコントロール群全てのサンプリング完了後、自動的に当該コントロール群に対応する一般検体の分析準備処理を開始する。3)コントロール群の測定結果に異常がある場合に、異常の認められたコントロールに対応する一般検体のサンプリングを停止して検査者に異常を通知するプロセスであることを特徴とする機能を備える。
【0009】
さらに、N番目に測定された一般検体の測定結果に対して陽性判定が得られた際に、測定結果情報の上位への送信を保留し、N+1番目以降に測定された一般検体の測定結果が陰性判定で、内部コントロール結果が正常判定であった場合に、保留していたN番目に測定された測定結果情報と一緒に上位へ送信することを特徴とする機能を備える。さらに、運用プロセスを選択する入力部に測定終了後にコントロールの測定要否を選択するための設定項目を備え、当該設定項目においてコントロール測定を指示する設定に対して、依頼されていた測定の完了後に自動的に設定されたコントロールを測定することを特徴とする機能を備える。
【0010】
さらに、運用プロセスを選択する入力部に連続的に所定数の陽性判定を検出した場合に自動的に陰性コントロールを測定することを設定できる設定項目を備え、当該設定項目においてコントロール測定を指示する設定に対して、所定数の連続陽性判定結果を得た際に陰性コントロールを自動的に分析し、陰性コントロールが異常判定だった場合にユーザに異常を通知することを特徴とする機能を備える。さらに、運用プロセスを選択する入力部に検査項目毎に連続陽性判定数として数値を入力できる入力部を備え、当該設定にあわせて自動的に運用することを特徴とする。さらに、自動的に陰性コントロールを分析している間は、一般検体のサンプリングを一時停止し、陰性コントロールの分析結果が正常だった場合に、サンプリングを再開することを特徴とする機能を備える。
【0011】
さらに、運用プロセスを選択する入力部に連続的に所定数のIC異常判定を検出した場合に自動的に所定のコントロール群を測定することを設定できる設定項目を備え、当該設定項目を設定して運用した際に、所定数の連続IC異常判定結果を得た際にコントロール群を自動的に分析し、コントロール群が異常判定だった場合にユーザに異常を通知することを特徴とする機能を備える。さらに、運用プロセスを選択する入力部に検査項目毎に連続異常判定数として数値を入力できる入力部を備え、当該設定に合わせて、自動的に運用することを特徴とする。さらに、自動的にコントロール群を分析している間は、一般検体のサンプリングを一時停止し、コントロール群の分析結果が正常だった場合に、サンプリングを再開することを特徴とする機能を備える。
【発明の効果】
【0012】
上述の手段を実現することによって、予め設定された運用プロセスに応じて全自動で装置を運用することによって、検査施設毎に最適な運用が可能になる。さらに、システムが測定要否、測定タイミング、装置停止等の運用を自動で実施するため、高度に訓練された検査者でなくてもシステムを運用できる。さらに、コントロールの異常結果が検査室全体や共通試薬や共通機構の要因である可能性がある場合は、以降のサンプリングを即時停止することで、試薬・消耗品の無駄を防ぐことができる。さらに、コントロール測定結果に問題ないと判明した分析項目の一般検体のサンプリングを自動的に再開することで、検査者不在でも検査可能な一般検体は検査を進めることができる。さらに、コントロールの測定が必要なタイミングの直前にコントロールの測定が実行でき、予定していた検査を途中で取りやめたとしても、コントロール試料、試薬、消耗品の無駄を防ぐことができる。さらに、コントロール運用方法として一般検体の測定前後に測定することを定めた検査施設または地域においても、同じ分析項目に対してコントロールを複数回測定しなくても、一般検体の測定結果に基づいて逐次測定結果を上位に報告できる。測定の終了時に1測定以上の測定結果が陽性判定の場合にのみ、コントロールを測定することで、コントロール測定の回数を低減できる。汚染のリスクが考慮される連続的に陽性判定を検出した場合に、自動的に検査プロセスの良否を確認できる。さらに、検査項目または検査施設毎に最適な連続的な陽性判定の数値を設定することで、検査施設毎、分析項目毎に最適な運用ができる。さらに、測定環境汚染のリスクが高いと想定されるときに、自動的にサンプリングを中断することで、実際に汚染していた場合の試料、試薬、消耗品の無駄を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
動的にコントロールを運用する本実施例の最良の形態として図を参酌して以下詳細を説明する。
【0015】
複数の分析項目に対応するコントロール群と一般検体を自動測定して報告する全自動分析装置に関する。本実施例の具体例としては、磁性ビーズを用いる核酸抽出方式とリアルタイムPCR法を用いる分析方法を自動分析する全自動遺伝子検査装置を用いて説明する。なお、核酸抽出方式としてカラムを用いた抽出方法等であってもよく、また分析方法としては、LAMP法、NASBA法、TRC法等の恒温増幅法等でもよい。このように、本実施例は、様々な方法において実施可能であり、抽出法、検査法の違いが本明細書で提案する発明を限定するものではない。
【0016】
本実施例を実現するための最低限の構成としては、
図1に示すように、分注部101と当該分注部が必要に応じてアクセス可能な一般検体とコントロール群を保持する試料保持部102と一般検体・コントロールを分析準備処理する処理部103と分析準備した一般検体・コントロールを分析する分析部104と分析結果を解析する解析部106と、複数のコントロール運用プロセスを保持するデータベースと当該運用プロセスを選択する表示部/入力部107と、これらを制御する制御部をもつ装置構成である。より好ましくは、当該入力部が、ある分析項目のコントロール群の測定結果に異常がある場合に、他の分析項目の測定完了前のコントロール群に対応する一般検体のサンプリングも一時停止することを意味する設定項目を備える。
【0017】
本実施例における一般検体とは、本実施例における分析項目の対象物が含まれているかどうか、濃度がどの程度かが未知の試料を意味し、より具体的には患者由来の血清試料、血漿試料等、が挙げられる。
【0018】
本実施例におけるコントロールとは、定性検査では陽性コントロール、陰性コントロールがあり、定量検査では高値コントロール、低値コントロール、陰性コントロールがある。また、定量検査、定性検査ともに内部コントロールがある。高値および低値コントロールは検査システムや試薬の定量性能が目標性能を満足することの確認を目的とする。陽性コントロールは、試薬やシステムの異常有無の確認を目的とする。陰性コントロールは、マニュアルによる検査と共用している検査室の場合は、検査室の汚染による偽陽性が発生することがあり、この異常有無の確認を目的とする。内部コントロールは、反応液内で標的核酸と一緒に増幅するコントロールサンプルであり、個々の検査の処理プロセスの異常有無の確認を目的とする。本実施例におけるコントロール群とは、上記複数のコントロールを包括する意味である。
【0019】
本実施例における分注部101とは、具体的な例としては、試料を吸引するためのノズルとこれにチューブで連結されたシリンジ機構と、ノズルをXYZ方向の3軸方向に移動可能とするための稼動部とを備える。当該XY稼動部は、より好ましくはθ方向つまり回転移動の機構であってもよい。当該分注部101は試料を吸引して目的の場所に吐出する機能を備える構成であればいかなる構成でもよく、上述の具体例に限定されない。
【0020】
本実施例における試料保持部102とは、具体的な例としては、
図2−1に示すように少なくとも架設部201と排出部204とソータ部202と搬送レーン206から構成され、分注部がアクセスする分注ポジションを備える。より好ましくは緊急投入架設部205、コードリーダ207を備える。当該架設部201は検査者が容易にアクセス可能なコントロール群および一般検体を架設する機能を備える。より好ましくは、コントロールや一般検体のIDを検出するコードリーダ207を備える。当該ソータ部202とは、システムがコントロール群を保持し、システムが測定の必要なタイミングに応じて、必要なコントロールを分注ポジション203に搬送する機能を備える。当該保持部のもう一つの具体例として、
図2−2にその構成を示す。いずれの構成においても、当該保持部は一般検体とコントロール群をシステム内に保持し、システムプロセスの要求に従い所定の一般検体とコントロール試料を分注ポジションに搬送できればよく、上述の具体例に限定されない。
【0021】
本実施例における処理部103とは、具体的な例としては、
図3に示すように抽出試薬架設部301、抽出消耗品架設部302、抽出処理部303、分析消耗品架設部304、分析試薬架設部305、反応液調整部306より構成される。抽出試薬架設部301は核酸抽出に必要な試薬類を架設する領域であり、抽出消耗品架設部302および分析消耗品架設部304は抽出処理および分析処理に必要な消耗品類を架設する領域である。抽出処理部303は試料から核酸を抽出処理するユニットである。反応液調製部306は抽出処理部303で検体から抽出した核酸試料と分析試薬を混合して反応液を調製するユニットである。
【0022】
当該処理部における具体的な処理動作とは、検体容器から検体を抽出容器に分注し、蛋白成分を溶解させる溶解液を添加し、所定の温度で所定の時間溶解する。溶解液に核酸を析出させる試薬と核酸を結合する磁性ビーズを添加して攪拌する。磁石を用いて抽出容器内の核酸が吸着した磁性ビーズを集磁して、核酸と夾雑成分を分離し、夾雑成分を廃棄して洗浄液を添加する。集磁したビーズと洗浄液を懸濁して磁石を用いて磁性ビーズを集磁して洗浄液を廃棄する。当該洗浄工程を数回繰り返して、最後に溶出液を磁性ビーズに懸濁して、核酸を溶出液に溶離させて核酸抽出液を得る。反応液調製部で核酸抽出液と分析試薬を反応容器内で混合して反応容器を分析部に導入する。本実施例における処理部303は所定の処理を実行するために必要な機構を備えればよく、当該構成の具体例に限定されない。
【0023】
分析部104は調製された反応液の反応過程を分析するユニットである。分析部104では、反応液にPCRで増幅される熱サイクルをかけると同時に経時的に蛍光強度を測定し、測定データを解析部に送る。より好ましくは、
図4に示すように、PCR熱サイクルを実施可能な反応ブロック401が円盤ディスク402の円周上に配置され、さらにその外側に検出器403が配置され、反応容器を載せた反応ブロック401が所定のPCR熱サイクル(例えば、95℃10分の前加熱、95℃>55℃>72℃の50回サイクル)を実施しながら、円盤ディスク402が周期的に(例えば10秒に1回)回転することによって、経時的に検出器403によって反応ブロック401に保持された反応液の蛍光強度を検出できる構成である。本実施例における分析部は、分析反応を検出可能な構成であればよく、上述の具体例に限定されない。
【0024】
本実施例における解析部106とは、分析部104において検出したデータを蓄積する記憶部406と、解析に必要なパラメータ情報を保持するデータベースと、パラメータ情報に基づいて所定の解析プログラムでデータを演算する演算部407と、解析結果を表示する表示部107から構成される。本構成により、分析部より検出したデータを記憶部に保存し、データベースに格納されているパラメータ情報に基づいて検出データを解析し、演算部がCt値を算出する。分析項目が定量検査項目である場合は、データベースに格納されているキャリブレーションデータを参照して、演算部がCt値を濃度に換算する。より具体的には、周期的に(例えば10秒に1回)検出された蛍光検出データから1つのサイクル内おける所定の温度における検出データのみ選択されて、サイクル数と蛍光強度の関係のデータとなる。当該データはPCR増幅反応が進んだ場合は、サイクル数が大きくなるほど蛍光強度は増大し、縦軸を蛍光強度、横軸をサイクル数としたグラフとした場合にはS字曲線(増幅曲線)を描く。当該増幅曲線の蛍光強度が増大したと判定するためのパラメータ情報としてThreshold Levelとして所定の蛍光強度値が格納される。解析部106はデータベースから所定の分析項目のThreshold Levelのパラメータを参照して、演算部が増幅曲線との交点を演算してCt値として算出する。分析項目が定量検査項目である場合は、事前にデータベースに格納されているキャリブレーションデータを参照して、演算部がCt値を濃度値に換算して、表示部が濃度値を表示する。測定したサンプルが陽性コントロール(または、高濃度コントロール、低濃度コントロール)、内部コントロールの場合は、データベースに格納されている所定のコントロール範囲を参照して、演算部がCt値または濃度値が所定の範囲内にあるかを判定して、所定の範囲外であれば、表示部に警告を表示する。本実施例ではリアルタイムPCRを用いた解析方法を例示したが、本実施例における解析部は検出データを解析して、解析結果と解析結果の判定情報を表示部に表示できればよく、上述の具定例に限定されない。
【0025】
本実施例における入力部とは、ユーザが文字を入力可能なインターフェースと入力画面で構成される。当該インターフェースの具体例としては、タッチパネル、キーボード、マウスが挙げられる。
【0026】
上述の装置構成により当該実施例として、HCV患者検体、HBV患者検体、HIV患者検体がランダムに並んだ検体群とこれらに対応するコントロール群を測定する具体例について以下、
図5−1および
図5−2のコントロール運用方法のフローチャートおよび
図6−1、
図6−2、
図6−3、
図6−4、および
図6−5のコントロールの画面設定を用いて説明する。コントロールを優先測定する設定における装置構成を以下に示す。装置は本実施例を実現する装置の入力部107に装置運用プロセスに関わる
図6−1に示すような設定画面を備え、ユーザがコントロールを優先測定することを意味する設定601を入力する。ユーザにより一般検体群とこれらに対応したコントロール群が試料保持部102に架設され、分析試薬が分析試薬架設部305に架設され、スタートボタンが押されると、本実施例を実現する装置は、一般検体が並ぶ順番に対応する順番で「コントロール群のサンプリング」502を開始する。より具体的には、一般検体が、HCV,HCV,HBV,HCV,HBV,HIV,HIVという順番で並んでいる場合には、HCVコントロール群,HBVコントロール群,HIVコントロール群という順番で「コントロール群のサンプリング」502を行う。
【0027】
好ましくは、
図6−2に示すように設定画面において一般検体のサンプリングタイミングとしてコントロール測定結果を待つかどうかを設定できる項目があり、「コントロール測定結果を待たずに一般検体のサンプリングを実行する設定」604をした場合は、全てのコントロール群のサンプリングが完了した後は、コントロール群の測定結果を待たずに「一般検体のサンプリング」508を開始する。当該分析項目の測定時間が長い場合は、コントロール群の測定完了を待った場合は処理能力が極端に低下するため、測定完了を待たずに一般検体のサンプリングを開始することで最大の処理能力を確保できる。このとき具体的には、一般検体のサンプリングはHCV,HCV,HBV,HCV,HBV,HIV,HIVという実際の並び順番でサンプリングされてもよいし、分析項目毎にサンプリングされてもよい。さらに、このとき一般検体の測定中に「コントロール測定完了」509する。「コントロール判定情報」509が良好(OK)の場合は、「一般検体のサンプリングは継続」511される。「コントロール判定情報」509が不良(NG)の場合は、「対応検体のサンプリングを中止」513する。より具体的な例として、前述の順番でHCV,HBV,HIVのコントロール群を測定し、HCVコントロール群が良好な結果を得て、HBVコントロール群の分析結果の判定情報がエラーとなり警告表示が出た場合は、HCVの一般検体のサンプリングは継続し、HBVの一般検体のサンプリングは中止される。このとき、HIVのコントロール群の測定が完了しておらず判定結果が出ていない場合は、HIVの分析項目の一般検体のサンプリングを継続してもよい。より好ましくは、入力部の設定画面に、「他のコントロール不良時の一般検体サンプリング一時停止することを意味する設定」606が入力できて、当該設定606を入力した場合は、HIVの一般検体のサンプリングを一時停止する。その後、HIVのコントロール測定が完了し、判定情報が良好な場合は、当該HIVの一般検体のサンプリングを再開する。逆に、判定情報が不良の場合は、HIV一般検体のサンプリングも完全停止とする。このように、他の分析項目の測定結果に基づいてサンプリングの一時停止を実行することで、不良の原因が分析試薬ではなく共通の要因だった場合に患者試料や遺伝子検査のような高価な試薬や消耗品の無駄な消耗を防ぐことができる。さらに、コントロールの測定結果が良好な場合には自動的に再開することによって、検査者が不在でも分析すべき一般検体の分析を進めることができる。
【0028】
次に、
図6−2に示すように設定画面において一般検体のサンプリングタイミングとしてコントロール測定結果を待つことを設定する項目である、「コントロール測定完了後にコントロール正常項目のみ一般検体を測定する設定」603を備え、ユーザが当該設定603を入力した場合は、「コントロールの測定が完了」505した後、「コントロール判定情報」506に基づいて、コントロール結果が良好な判定(OK)であれば自動的に「一般検体のサンプリング」507を開始し、コントロール測定結果が不良(NG)の場合は「対応検体のサンプリングを完全に停止する」513これによって、コントロール測定結果が不良だった場合に一般検体のサンプリングと測定を回避し患者試料、高価な試薬や消耗品の無駄な消耗を抑えることができる。
【0029】
上述の装置構成におけるもう一つの運用プロセスとして、ユーザが装置運用プロセスに関わる設定画面において、「コントロール群を必要時に測定することを意味する設定」503を入力する。ユーザにより一般検体群(HCV,HCV,HCV,HCV,HBV,HCV,HBV,HBV,HBV,HBV,HIV,HIV,HBV,HIV,HIVの順番)と、これらに対応したコントロール群が試料保持部102に架設され、分析試薬が分析試薬架設部305に架設され、スタートボタンが押されると、本実施例を実現する装置は、測定の優先順位が検体の並び順であった場合に、まず、並び順の最初であるHCVに対応する「コントロール群のサンプリング」520を開始する。好ましくは、
図6−2に示すように設定画面において「コントロールサンプリング後に一般検体の測定を開始する。」設定604を備え、具体例としてはHCVに対応するコントロール群のサンプリング完了後に、当該コントロール群の測定完了を待たずにHCVの一般検体のサンプリングを開始する。当該分析項目の測定時間が長い場合は、コントロール群の測定完了を待った場合は処理能力が極端に低下するため、測定完了を待たずに一般検体のサンプリング開始することで最大の処理能力を確保できる。
【0030】
一方、
図6−2に示すように設定画面においてユーザがコントロール測定結果を待つことを意味する設定を入力することが可能で、例えば「コントロール測定完了後にコントロール正常項目のみ一般検体を測定する。」設定603を備え、この場合は「コントロールの測定が完了」522した後に、「コントロール判定情報」523に基づいて、良好な判定(OK)であれば自動的に「一般検体のサンプリングを開始」524する。一方、判定が不良(NG)であれば「コントロール群に対応する項目の一般検体のサンプリングを中止」529する。これによって、コントロール測定結果が不良だった場合の患者試料、高価な試薬や消耗品の無駄な消耗を抑えることができる。
【0031】
上述のプロセスの具体例として、HCVの一般検体を4検体サンプリングした後、HBVの一般検体をサンプリングする直前に、HBVのコントロール群のサンプリングを実施する。全てのコントロールのサンプリングが完了したら、当該コントロール群の測定完了を待たずにHBVの一般検体のサンプリングを開始する。即時サンプリングを開始する効果については前述の通りである。好ましくは、設定画面において一般検体のサンプリングタイミングとしてコントロール測定結果を待つかどうかを設定できる項目があり、コントロール測定結果を待つことを意味する設定を行った場合は、コントロールの測定が完了して判定情報に基づいて、良好な判定であれば自動的に一般検体のサンプリングを開始し、不良な判定だった場合には一般検体のサンプリングを中止する。これによって、コントロール測定結果が不良だった場合に患者試料や高価な試薬の無駄な消耗を抑えることができる。
【0032】
上述の運用プロセスでHBVの一般検体を1検体サンプリングした後に並ぶHCVの一般検体については既にコントロールのサンプリングが完了しているためサンプリング継続する。設定画面で、HCV項目のみ測定結果が得られた後にサンプリングする設定を入力した場合は、当該HCVの一般検体のサンプリングはスキップする。その後、HBVの一般検体を4検体分サンプリングして、HIVの一般検体をサンプリングする前に、自動的にHIVのコントロール群のサンプリングを開始する。HIVに対応するコントロール群のサンプリング完了後に、当該コントロール群の測定完了を待たずにHIVの一般検体のサンプリングを開始する。即時サンプリングを開始する効果については前述の通りである。好ましくは、設定画面において一般検体のサンプリングタイミングとしてコントロール測定結果を待つかどうかを設定できる項目があり、コントロール測定結果を待つことを意味する設定を行った場合は、コントロールの測定が完了して判定情報に基づいて、良好な判定であれば自動的に一般検体のサンプリングを開始する。これによって、測定時間の短い分析項目の場合は、処理能力にほとんど影響せずにコントロール測定結果が不良だった場合の高価な試薬の無駄な消耗を抑えることができる。
【0033】
上記は優先順位が並び順であった場合について具体例を用いて説明したが、優先順位が分析項目順であれば、設定画面に分析項目に優先順位を設定する画面があるか、分析試薬の架設番号が分析項目の優先順位になる等の分析項目で優先順位を決定可能な手段が備えられ、このとき、優先順位の高いコントロール測定後にコントロールに対応する一般検体のサンプリングを実施してもよい。このときの運用設定については、上述の並び順の優先順位で説明した通りである。
【0034】
次に、一般検体の測定結果情報を例えばHOST通信を介して上位の管理者に自動報告する運用プロセスについて説明する。本実施例における自動報告とは、ネットワークを介して測定結果情報を装置外のコンピュータに自動的に送信することを意味する。
本実施例を実現する装置の入力部より装置運用プロセスに関わる
図6−3に示すような設定画面において、一般検体の測定結果を自動報告する条件として、「全測定結果を自動報告しない」607、コントロール群の結果を含めて「全測定結果を自動報告する」608、「測定結果の良好なコントロール群とこれに対応する一般検体のみ自動報告する」609、「コントロール群が良好、かつ一般検体が陰性結果で自動報告する」610があり、それぞれ設定が入力された場合には、設定に従い測定結果情報を自動報告する。
【0035】
より具体的には、「全測定結果を自動報告しない」607が設定入力された場合は、当該発明を実現する装置は、いかなる測定結果が得られようとも測定結果情報を自動送信しない。このとき、装置の画面にマニュアルで送信するボタンがあり、ユーザが当該ボタンを押すことでユーザが選択した情報のみ送信できてもよい。「全測定結果を自動報告する」608が設定入力された場合は、当該発明を実現する装置は、いかなる測定結果が得られようとも測定結果情報を全て自動報告する。「測定結果の良好なコントロール群とこれに対応する一般検体のみ自動報告する」609が設定入力された場合は、当該発明を実現する装置は、内部コントロール以外のコントロール群のいずれかに測定不良があれば、当該コントロールに対応する一般検体の測定結果を自動報告しない。内部コントロール以外のコントロール群で全て測定結果が良好な場合は、内部コントロールの測定結果が良好な一般検体を自動報告する。上記のようにコントロールの結果に応じた自動報告条件を設定できることより、検査施設の方針に沿った自動報告が可能となる。
【0036】
より具体的には、「コントロール群が良好、かつ一般検体が陰性結果で自動報告」610が設定入力された場合は、内部コントロール以外のコントロール群のいずれかに測定不良があれば、当該コントロールに対応する一般検体の測定結果を自動報告せずに、内部コントロール以外のコントロール群で全て測定結果が良好な場合は、内部コントロールの測定結果が良好な一般検体で陽性結果であった場合は保留とし自動報告しない。当該一般検体で陰性結果であった場合は、それより以前に保留とした陽性結果と一緒に自動報告する。内部コントロールが良好な場合は、検査プロセスが良好であることを保証できるが、例えば検査室の汚染等の問題により汚染が発生している可能性を考慮する検査施設の場合は、特定の分析項目で全て増幅判定となるリスクを排除できないため、一般検体の測定結果において陰性判定が得られた際に全て増幅している可能性を排除した上で測定結果を自動報告することによって、より信頼性の高い測定結果を自動報告できる。
【0037】
さらに、
図6−1のコントロール運用設定において、一般検体の測定終了後に再度測定結果の品質を確認する目的でコントロールの測定を実施したい施設がある場合は、測定終了後に自動的に予め設定されたコントロール(群)を自動的に測定できる。例えば「一般検体測定終了後に設定されたコントロール群を自動設定する。」設定項目616を備え、ユーザが当該設定を入力した場合に、本発明を実現する装置は、設定されたコントロール群を試料保持部102に保持し、一般検体測定終了後に自動的に当該コントロール群をサンプリングして測定できる。
【0038】
さらに、一般検体の測定結果情報に対して、全てのコントロール測定結果により完全に検査結果が保証された状態を「確定」とし、いずれかのコントロール測定結果が不足している状態を「保留」として一般検体の結果情報にフラグを付けることができる。このとき
図6−5に示すように、「確定結果のみを自動報告する。」設定614と、「保留結果を含めて自動報告する。」設定615を備え、ユーザはこれらの設定を選択できる。「確定結果のみを自動報告する。」設定614が入力された本発明を実現する装置は、内部コントロールを含む全てのコントロール測定結果の判定情報が良好な一般検体結果のみを上位に送信する。一方、「保留結果を含めて自動報告する。」設定615が入力された本発明を実現する装置は、測定結果が得られた時点でコントロール結果情報が不足していたとしても即時に上位に結果を送信する。このとき、送信した結果が「保留」であった場合には測定結果が「確定」された時点で再度確定情報を上位に送信する。これによって連続的に試料を分析する装置において全てのコントロール結果を待たずに迅速に測定結果を上位に自動的に報告できる。
【0039】
さらに、検査室の汚染等の問題により連続的に増幅判定となるケースにおいてサンプリングを自動停止する運用プロセスについて説明する。装置の入力部より装置運用プロセスに関わる
図6−4に示すような設定画面において、本発明を実現する装置は、例えば「サンプリングを自動停止しない。」という設定項目611と、「所定の増幅判定が連続的に認められた場合はサンプリングを自動停止する。」という設定項目612を備え、設定項目612において項目毎に停止設定と一般検体の連続増幅判定数の数値を入力できる構成である。当該設定画面において連続数の数値を20と設定した場合は、装置が一般検体を測定した際に連続的に20以上の増幅判定を得た場合は自動的にサンプリングを停止する。
【0040】
本サンプリングを停止することによって、検査室の汚染等のリスクにより発生した検査不良となる測定を回避し、試料、高価な試薬、消耗品の無駄な消耗を抑えることができる。
【0041】
より好ましくは、分析項目毎に当該連続増幅判定数を設定でき、分析項目毎に異なる連続増幅判定数で該当の分析項目の一般検体のサンプリングをスキップする。より好ましくは、装置内に陰性コントロールを常に保持し、連続増幅判定数が設定値となったら、自動的に陰性コントロールをサンプリングして、一般検体のサンプリングを一時中断し、陰性コントロールの測定結果が正常な場合は、一般検体のサンプリングを継続し、陰性コントロールが異常であれば当該分析項目に対応する一般検体のサンプリングをスキップする。
上記のように保持部に陰性コントロールが常に保持されており、本実施例の保持部の構成と分注部を備えることによって、任意のタイミングで測定対象のコントロールを分注ポジションに搬送でき、対象を分注することにより自動的に陰性コントロールを測定し、陰性コントロールを測定している間はサンプリングを中断することによって、検査室汚染のリスク有無を自動的に確定し、問題なかった場合には検査者が不在でも自動的に検査を再開できる。
【0042】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0043】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置に置くことができる。
【0044】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。