特許第6382291号(P6382291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382291
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】簡易ランプ設計
(51)【国際特許分類】
   H01K 1/66 20060101AFI20180820BHJP
   H01K 7/00 20060101ALI20180820BHJP
   H01K 1/46 20060101ALI20180820BHJP
   H05B 3/02 20060101ALI20180820BHJP
   H05B 3/06 20060101ALI20180820BHJP
   H05B 3/44 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   H01K1/66
   H01K7/00 B
   H01K1/46 D
   H05B3/02 Z
   H05B3/06 A
   H05B3/44
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-500596(P2016-500596)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-517614(P2016-517614A)
(43)【公表日】2016年6月16日
(86)【国際出願番号】US2014020256
(87)【国際公開番号】WO2014149677
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月23日
(31)【優先権主張番号】61/787,805
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ラニッシュ, ジョゼフ エム.
【審査官】 藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭48−008982(JP,U)
【文献】 実開昭49−028369(JP,U)
【文献】 実開昭59−069477(JP,U)
【文献】 特開平02−109233(JP,A)
【文献】 米国特許第04570104(US,A)
【文献】 実開平3−82554(JP,U)
【文献】 実開昭61−103862(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01K 1/66
H01K 1/40
H01K 1/46
H01K 7/00
H05B 3/02
H05B 3/06
H05B 3/44
H01J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプアセンブリであって、
中にフィラメントが配置されているカプセルと、
前記カプセルから延在して、前記カプセルを気密封止するためのプレスシールと、
第1および第2のリードであって、前記第1および第2のリードの各々は、前記プレスシール内の前記フィラメントに電気的に結合されて、前記プレスシールから延在前記第1および第2のリードは、真っすぐである、第1および第2のリードと、
前記プレスシールから延在する第1の真っすぐな部分と、前記プレスシールの外部にある前記第1の真っすぐな部分から延在する曲がった部分と、前記曲がった部分から延在する、前記第2のリードに実質的に平行な第2の真っすぐな部分と、を有する第3のリードであって、前記プレスシール内の前記第1および第2のリードから電気的に隔離される、第3のリードと、
前記プレスシールおよび前記カプセルの外部にある前記第1のリードに前記第3のリードを電気的に結合するヒューズであって、前記ヒューズは、前記曲がった部分内で前記第3のリードに結合している、ヒューズを備える、ランプアセンブリ。
【請求項2】
前記第1、第2および第3のリードは、前記プレスシールから互いに実質的に平行に延在する、請求項1に記載のランプアセンブリ。
【請求項3】
前記プレスシールから延在する第4のリードであって、前記プレスシール内の前記第1、第2および第3のリードから電気的に隔離される、第4のリードと、
前記第2のリードに前記第4のリードを電気的に結合する第2のヒューズとをさらに備える、請求項1に記載のランプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般に基板を熱処理するための装置に関する。詳細には、本発明の実施形態は急速熱処理(RTP)チャンバまたは他のランプ加熱式熱処理チャンバ内の熱放射源として用られる高電圧タングステンハロゲンランプの簡易化に関する。
【背景技術】
【0002】
基板のRTPでは、、一般的に熱放射により、制御環境内で基板を約1350℃までの最高温度まで急速に加熱することが行われる。この最高温度は、特定のプロセスに応じて、1秒未満から数分までの範囲内の一定時間の間、保持される。その後、基板は室温まで冷却され、次の処理に移る。
【0003】
RTPチャンバ内の熱放射源としては、例えば、約40ボルト〜約130ボルトのような高電圧のタングステンハロゲンランプが一般に用いられる。高電圧タングステンハロゲンランプは、ランプ故障中のランプ内のアーク放電や破裂の可能性を防ぐために、回路内にヒューズを必要とする。ランプのカプセル内部にヒューズを設けることは、カプセルサイズが小さいことや、ハロゲンサイクルに影響を及ぼす汚染の可能性があることから、実施するのが難しい。ランプのプレスシール内にヒューズを設けた場合には、プレスシールに望ましくない亀裂や割れが生じるおそれがある。したがって、カプセルおよびプレスシールの外部にヒューズを組み込むことが望ましい。現在のランプ設計では、カプセルおよびプレスシールにヒューズを外付けするためには、幾つもの追加構成要素(例えば、ステンレス鋼管、セラミック注封化合物、プラグ)が必要であり、また、RTPチャンバの加熱アセンブリベースに係合するためにリードに十分な剛性を持たせる必要がある。
【0004】
したがって、コストを削減し、ランプ故障中のアークを防止するために、簡易化した高電圧タングステンハロゲンランプ設計を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態において、ランプアセンブリは、中にフィラメントが配置されているカプセルと、カプセルから延在して、カプセルを気密封止するように構成されるプレスシールと、第1および第2のリードと、プレスシールから延在する第3のリードと、プレスシールおよびカプセルの外部にある第1および第2のリードのうちの一方に第3のリードを電気的に結合するヒューズとを備えている。第1および第2のリードはそれぞれ、プレスシール内のフィラメントに電気的に結合されて、プレスシールから延在する。第3のリードは、プレスシール内で第1および第2のリードから電気的に隔離される。
【0006】
別の実施形態において、ランプアセンブリは、中にフィラメントが配置されているカプセルと、カプセルから延在し、カプセルを気密封止するように構成されるプレスシールと、第1および第2のリードと、プレスシールの外部にある第1のリードに結合される絶縁スリーブと、絶縁スリーブに結合される第3のリードと、第1のリードを第3のリードに電気的に結合するヒューズとを備える。第1および第2のリードはそれぞれ、プレスシール内のフィラメントに電気的に結合されて、プレスシールから延在する。
【0007】
さらに別の実施形態では、ランプアセンブリは、中にフィラメントが配置されているカプセルと、カプセルから延在して、カプセルを気密封止するように構成されるプレスシールと、第1および第2のリードと、プレスシールに結合される絶縁スリーブと、絶縁スリーブに結合される第3のリードと、第1のリードを第3のリードに電気的に結合するヒューズとを備えている。第1および第2のリードはそれぞれ、プレスシール内のフィラメントに電気的に結合されて、プレスシールから延在する。少なくとも第1のリードは絶縁スリーブ内に延在する。
【0008】
上記の本発明の特徴が細部まで理解されるように、添付図面に示したものを含めて実施形態を参照することによって、上で要約した本発明についてさらに詳細に説明する。。当然ながら、本発明は他の同等な実施形態を包含するものであるところから、添付図面は本発明の典型的な実施形態を単に例示したものにすぎず、、本発明の範囲を限定しないものであることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態が用いられるRTPチャンバの概略的な断面図である。
図2】(従来技術)図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための従来技術のタングステンハロゲンランプアセンブリの概略的な断面図である。
図3A図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図3B図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図3C図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図3D図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図3E図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図3F図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図4A図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図4B図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図4C図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図4D図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図4E図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図4F図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図5A図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図5B図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図5C図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図5D図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。
図6A図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の別の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の上断面図である。
図6B図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための本発明の別の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の側断面図である。
図6C】別の実施形態による、図6Aのスリーブとプレスシールとの間の嵌合の詳細図「C」の図である。
図6D図1のRTPチャンバなどの、RTPチャンバにおいて用いるための高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の別の実施形態の上断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は一般に、急速熱処理(RTP)チャンバまたは他のランプ加熱式熱処理チャンバ内の熱放射源として用いるための簡易高電圧タングステンハロゲンランプに関する。実施形態は、従来技術のランプの部品数および費用を削減しながら、外部ヒューズを含むランプアセンブリ設計を含む。さらに、本明細書において記述されるランプの実施形態は、簡易ヒューズ設計を保持しながら、ランプを加熱アセンブリベースに挿入する圧縮力に対処するだけの十分な剛性を与える。
【0011】
図1は、本発明の実施形態が用いられるRTPチャンバ100の概略的な断面図である。RTPチャンバ100は、側壁102と、側壁102に結合されるチャンバ底部104と、側壁102の上方にわたって配置される石英窓106とを含む。側壁102、チャンバ底部104および石英窓106は、その中にある基板110を処理するための内側容積108を画定する。
【0012】
そこを通して基板を移送するために、側壁102を貫通してスリットバルブドア116を形成することができる。RTPチャンバ100は、処理中に内側容積108に1つまたは複数の処理ガスを与えるように構成されるガス源118に結合される。内側容積108から外へ排気するためにRTPチャンバ100に真空ポンプ120を結合することができる。
【0013】
基板位置決めアセンブリ122が内側容積108内に配置され、処理中に基板110を支持し、位置決めし、および/または回転させるように構成される。特に、基板位置決めアセンブリ122は、基板110を支持し、位置決めし、および/または回転させるために流体の流れを利用する非接触基板支持デバイスとすることができる。
【0014】
加熱アセンブリ112が、石英窓106の上方に配置され、石英窓106を通して内側容積108に向かって熱エネルギーを送るように構成される。加熱アセンブリ112は、六角形パターンに配置され、内側容積108の異なるゾーンに制御された加熱を与えるためにゾーンにおいて制御可能な高電圧タングステンハロゲンランプなどの、複数のランプ114を含む。複数のランプ114はそれぞれ、電源(図示せず)に電気的に接続するために加熱アセンブリベース117に挿入される。
【0015】
図2(従来技術)は、RTPチャンバ100などのRTPチャンバにおいて使用するための従来技術のタングステンハロゲンランプアセンブリ200の概略的な断面図である。ランプアセンブリ200は、タングステンフィラメント204を収容する石英カプセル202を含む。タングステンリード206がフィラメント204から延在し、それぞれモリブデン箔208に取り付けられる(例えば、溶接される)。モリブデンリード210がモリブデン箔208に取り付けられ(例えば、溶接され)、モリブデン箔から延在する。石英プレスシール212が、モリブデン箔208を封入し、モリブデン箔208の周囲に気密シールを作り出す。モリブデンリード210は電気的接続のためにプレスシール212から外に延在する。
【0016】
プレスシール212およびモリブデンリード210はステンレス鋼シリンダ214の中に挿入され、モリブデンリード210は、シリンダ214を貫通して延在する導電性ピンアセンブリ216に接続される(例えば、溶接される)。モリブデンリード210の少なくとも1つと導電性ピンアセンブリ216との間にヒューズ218が直列に取り付けられる。その後、シリンダ214は、セラミック注封化合物215で満たされ、シリンダ214の端部がプラスチックプラグ220で封止される。プラスチックプラグ220は、その中を貫通して延在し、導電性ピンアセンブリ216に電気的に接続される導電性ピン222を有する。導電性ピン222は、電源に接続するために、図1からのベース117などの加熱アセンブリベースに挿入される。
【0017】
ランプアセンブリ200は、幾つかの欠点を有する特徴を含む。例えば、ランプアセンブリ200は、ステンレス鋼シリンダ214およびプラスチックプラグ220などの幾つかの高価な部品を有し、不要にすることが好都合である。さらに、セラミック注封化合物は、ヒューズ218の接続がランプアセンブリ200を加熱アセンブリベースに挿入する圧縮力に耐えることができるようにするだけの剛性を与える。しかしながら、注封化合物は多孔性材料であり、RTPチャンバ内に有機汚染を導入する可能性がある。したがって、従来技術のランプ設計の幾つかの部品を不要にする簡易ランプアセンブリ設計が望ましい。
【0018】
図3A図3Fは、RTPチャンバ100または他のランプ加熱式熱処理チャンバなどの、RTPチャンバにおいて使用するための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。これらの図のそれぞれに示されるランプアセンブリ300は、タングステンフィラメント304を収容する石英カプセル302を含む。タングステンリード306a、306bがフィラメント304から延在し、それぞれモリブデン箔308a、308bに取り付けられる(例えば、溶接される)。モリブデンリード310a、310bがモリブデン箔308a、308bに取り付けられ(例えば、溶接され)、モリブデン箔308a、308bから延在する。石英プレスシール312が、モリブデン箔308a、308bを封入し、モリブデン箔308a、308bの周囲に気密シールを作り出す。モリブデンリード310a、310bはプレスシール312から外に延在する。
【0019】
図3A図3B内のランプアセンブリ300はそれぞれ、プレスシール312から延在する第3のリード311も含む。リード311はそれぞれ、端部にフック部分313を含み、フック部分313はプレスシール312内に封入され、リード311のより良好な取り付けと、安定性とを提供する。一実施形態では、フック部分313はリード311内の直角に曲がった部分である。第3のリード311はそれぞれ、プレスシール312を構成する石英材料を介して、プレスシール312内のリード310a、310bから電気的に隔離される。さらに、ランプアセンブリ300はそれぞれ、リード310a、310bのうちの一方とリード311との間に電気的に接続されるヒューズ318を含む。ヒューズ318の組成は、ランプヒューズのために使用されるのと同族の金属、例えば、ニッケル、亜鉛、銅、銀、アルミニウムおよびそれらの合金からなる。ワイヤまたはリボンのように示されるが、ヒューズ318は絶縁用外装を含むことができる。
【0020】
図3Aに示される実施形態では、リード310aは、プレスシール312内の曲がった部分315と、曲がった部分315から、プレス312を貫通して、リード310bに対して実質的に平行に延在する真っすぐな部分317とを含む。第3のリード311は、リード310aからわずかにオフセットされ、プレスシール312から、リード310bに対して実質的に平行に延在する。ヒューズ318は、リード311およびリード310aに対して実質的に垂直になるように、リード311とリード310aとの間に横方向に延在する。
【0021】
図3Bに示される実施形態では、リード310a、310bはそれぞれ、プレスシール312から、互いに実質的に平行に延在する。第3のリード311は、リード310間のプレスシール312内に埋め込まれ、プレスシール312から、リード310a、310bに対して実質的に平行に延在する第1の真っすぐな部分319を有する。リード311は、第1の真っすぐな部分319からプレスシール312の外部に延在する曲がった部分321を含む。リード311は曲がった部分321から、リード310bに対して実質的に平行に延在する第2の真っすぐな部分323を含む。ヒューズ318は、リード310aと、リード311の曲がった部分321との間に延在する。
【0022】
図3Cに示される実施形態では、リード310a、310bはそれぞれ、プレスシール312から、互いに実質的に平行に延在する。第3のリード311は、リード310間のプレスシール312内に埋め込まれ、プレスシール312から、リード310a、310bに対して実質的に平行に延在する第1の真っすぐな部分319を有する。リード311は、第1の真っすぐな部分319からプレスシール312の外部に延在する曲がった部分321を含む。リード311は、曲がった部分321から、リード310bに対して実質的に平行に延在する第2の真っすぐな部分323を含む。リード311の第2の真っすぐな部分323は、リード310aと実質的に一列に並ぶ。ヒューズ318は、リード310a、ヒューズ318およびリード311の第2の真っすぐな部分323が実質的に一列に並ぶように、リード310aとリード311の第2の真っすぐな部分323との間に延在する。
【0023】
それゆえ、図3A図3Cに示されるランプアセンブリ300はそれぞれ、従来技術の高電圧タングステンハロゲンランプからの幾つかの部品(例えば、ステンレス鋼シリンダ、プラグ、セラミック注封化合物)を不要にしながら、リード311、310b間に、加熱アセンブリベース117などの加熱アセンブリベースへの直接の接続を設ける。さらに、さらなる第3のリード311が、加熱ベース117へのランプ300の挿入中に加えられる圧縮力を吸収する剛性を与える(すなわち、ヒューズ318が圧縮を受けるのを防ぐ)。
【0024】
図3A図3Cは、リード310aのみがヒューズ318に接続されることを示すが、リード310a、または310bのいずれもヒューズ318に接続することができる。図3D図3Fに示される別の実施形態では、2つのリード311が設けられ、リード310a、および310bがそれぞれ、図3A図3Cに示されるのと実質的に同じ構成において、ヒューズ318に電気的に結合され、すなわち、両方のリード310bが、リード310aが図示され、リード311に接続されるのと同じようにしてさらなるリード311に接続される。さらに、リード310bおよび311はそれぞれ、外部供給ソケット、例えば、プリント基板内の係合するソケットに適合するように構成することができる。
【0025】
図4A図4Fは、RTPチャンバ100または他のランプ加熱式熱処理チャンバなどの、RTPチャンバにおいて使用するための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。これらの図のそれぞれに示されるランプアセンブリ400は、タングステンフィラメント404を収容する石英カプセル402を含む。タングステンリード406a、406bがフィラメント404から延在し、それぞれモリブデン箔408a、408bに取り付けられる(例えば、溶接される)。モリブデンリード410a、410bがモリブデン箔408a、408bに取り付けられ(例えば、溶接され)、モリブデン箔408a、408bから延在する。石英プレスシール412が、モリブデン箔408a、408bを封入し、モリブデン箔408a、408bの周囲に気密シールを作り出す。モリブデンリード410a、410bはプレスシール412から外へ延在する。
【0026】
図4A図4Cのそれぞれおいて、導電性ピン414がリード410bに取り付けられる(例えば、溶接される)。さらに、絶縁スリーブ416(例えば、セラミックまたはプラスチックスリーブ)、ヒューズ418および導電性ピン420がリード410aに取り付けられる。ヒューズ418の組成は、ランプヒューズのために使用されるのと同族の金属、例えば、ニッケル、亜鉛、銅、銀、アルミニウムおよびそれらの合金からなる。導電性ピン414、絶縁スリーブ416、ヒューズ418および導電性ピン420は、ランプアセンブリ400を加熱ベース116に挿入するための剛性の導電性延長部を与える。
【0027】
図4Aに示される実施形態では、絶縁スリーブ416は、スリーブ416の内面417にわたって堆積した薄い金属層422を有する。金属層422の等価断面(電流の流れに対して垂直)が、本出願の場合に設計されたヒューズワイヤまたはリボンの等価断面に概ね対応する。同様に、金属層422の組成は、ランプヒューズのために使用されるのと同族の金属、例えば、ニッケル、亜鉛、銅、銀、アルミニウムおよびそれらの合金からなる。リード410aおよび導電性ピン420は、金属層422に電気的に接続され、例えば、ハンダ付けされるか、またはろう付けされる。薄い金属層422はヒューズ418としての役割を果たすように構成される。
【0028】
図4Bに示される実施形態では、絶縁スリーブ416は、スリーブ416の内面417の片側に沿って堆積した薄い金属トレース424を有する。リード410aおよび導電性ピン420は、トレース424に電気的に接触しているスリーブ416に固定され、トレース424はヒューズ418としての役割を果たす。リード410aおよび導電性ピン420は、例えば、セラミック化合物、高温エポキシ、高温フェノール樹脂、または収縮チューブを用いて、スリーブ416に取り付けることができる。ハンダ付けまたはろう付けによってスリーブ416を導電性ピン420およびリード410aに取り付けることができるようにするために、トレース424は、絶縁スリーブ416の上部および底部において軸方向に短い長さだけ内径全体を覆うように延在することができる。
【0029】
図4Cに示される実施形態では、ワイヤヒューズ418がリード410aに取り付けられ(例えば、溶接され、ハンダ付けされ)、絶縁スリーブ416を貫通して延在する。ヒューズ418は、導電性ピン420にさらに取り付けられる(例えば、溶接される、ハンダ付けされる)。リード410aおよび導電性ピン420は、例えば、セラミック化合物、高温エポキシ、高温フェノール樹脂、または収縮チューブを用いて、スリーブ416に取り付けることができる。図4A図4Bおよび図4Cに示される設計のいずれの場合も、絶縁スリーブ416は、消弧バロティーニタイプのヒューズとしての役割を果たすように、低融点ガラスビードまたは絶縁用粒子で満たすことができる。
【0030】
それゆえ、図4A図4Cに示されるランプアセンブリ400はそれぞれ、従来技術の高電圧タングステンハロゲンランプからの幾つかの部品(例えば、ステンレス鋼シリンダ、プラグ、セラミック注封化合物)を不要にしながら、リード410a、410bと導電性ピン414、420との間に、加熱アセンブリベース117などの加熱アセンブリベースへの接続を設ける。さらに、絶縁チューブ構成が、加熱ベース117へのランプアセンブリ400の挿入中に加えられる圧縮力を吸収する剛性を与える。
【0031】
図4A図4Cはそれぞれ、リード410bに取り付けられる導電性ピン414を示すが、図4D図4Fに示されるさらなる実施形態では、リード410bは、リード410aに関して示されたのと同じようにして、さらなる絶縁スリーブ416(例えば、セラミックまたはプラスチックスリーブ)、さらなるヒューズ418およびさらなる導電性ピン420に取り付けられる。さらに、ピン414および420はそれぞれ、外部供給ソケット、例えば、プリント基板内の係合するソケットに適合するように構成することができる。
【0032】
図5A図5Dは、RTPチャンバ100または他のランプ加熱式熱処理チャンバなどの、RTPチャンバにおいて使用するための本発明の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の概略図である。これらの図のそれぞれに示されるランプアセンブリ500は、タングステンフィラメント504を収容する石英カプセル502を含む。タングステンリード506a、506bがフィラメント504から延在し、それぞれモリブデン箔508a、508bに取り付けられる(例えば、溶接される)。モリブデンリード510a、510bがモリブデン箔508a、508bに取り付けられ(例えば、溶接され)、モリブデン箔508a、508bから延在する。石英プレスシール512が、モリブデン箔508a、508bを封入し、モリブデン箔508a、508bの周囲に気密シールを作り出す。モリブデンリード510a、510bはプレスシール512から外に延在する。
【0033】
図5A図5Bのそれぞれおいて、導電性ピン514がリード510bに取り付けられる(例えば、溶接される)。さらに、絶縁スリーブ516(例えば、セラミックまたはプラスチックスリーブ)、ヒューズ518および導電性キャップ520がリード510aに取り付けられる。ヒューズ518の組成は、ランプヒューズのために使用されるのと同族の金属、例えば、ニッケル、亜鉛、銅、銀、アルミニウムおよびそれらの合金からなる。導電性ピン514、絶縁スリーブ516、ヒューズ518および導電性キャップ520は、ランプアセンブリ500を加熱ベース116に挿入するための剛性の導電性延長部を与える。
【0034】
図5Aに示される実施形態では、リード510aの端部は、雄ねじを切られた部分511を有する。絶縁スリーブ516は、一致する雌ねじを切られた部分517を有し、雌ねじを切られた部分517はリード510aの雄ねじを切られた部分511に係合する。ワイヤヒューズ518はリード510aに電気的に取り付けられる(例えば、溶接される、ハンダ付けされる)。また、ヒューズ518は、導電性キャップ520にも電気的に接続される(例えば、溶接される、ハンダ付けされる)。キャップ520は、絶縁スリーブ516の外面522上に圧着することができ、接続を確実にするために、スリーブ516の外面522内に形成された溝524に嵌合することができる。
【0035】
図5Bに示される実施形態では、リード510aの端部は中空部分513を有し、中空部分513はヒューズ518に電気的に接続される(例えば、溶接される、ハンダ付けされる)。絶縁スリーブ516の端部は第1のフランジ部分515を有する。スリーブ516の第1のフランジ部分515は、リード510aの中空部分513に挿入され、接続を確実にするために、リード510aの壁509がスリーブ516の第1のフランジ部分515にわたって圧着される。ヒューズ518がスリーブ516を貫通して延在し、キャップ520に電気的に接続される(例えば、溶接される、ハンダ付けされる)。キャップ520は、接続を確実にするために、スリーブ516の第2のフランジ部分525にわたって圧着されてもよい。
【0036】
それゆえ、図5A図5Bに示されるランプアセンブリ500はそれぞれ、従来技術の高電圧タングステンハロゲンランプからの幾つかの部品(例えば、ステンレス鋼シリンダ、プラグ、セラミック注封化合物)を不要にしながら、リード510a、510bと導電性ピン514およびキャップ520との間に、加熱アセンブリベース116などの加熱アセンブリベースへの接続を設ける。さらに、絶縁チューブ構成が、加熱ベース116へのランプアセンブリ500の挿入中に加えられる圧縮力を吸収する剛性を与える。
【0037】
図5A図5Bではそれぞれ、導電性ピン514がリード510bに取り付けられるが、図5D図5Eに示されるさらなる実施形態では、リード510bは、リード510aに関して示されたのと同じようにして、さらなる絶縁スリーブ516、さらなるヒューズ518およびさらなる導電性キャップ520に取り付けられる。さらに、ピン514および導電性キャップ520はそれぞれ、外部供給ソケット、例えば、プリント基板内の係合するソケットに適合するように構成することができる。
【0038】
図6Aは、RTPチャンバ100または他のランプ加熱式熱処理チャンバなどの、RTPチャンバにおいて使用するための本発明の別の実施形態による高電圧タングステンハロゲンランプアセンブリ設計の上断面図であり、図6Bはその側断面図である。ランプアセンブリ600は、タングステンフィラメント604を収容する石英カプセル602を含む。タングステンリード606a、606bがフィラメント604から延在し、それぞれモリブデン箔608a、608bに取り付けられる(例えば、溶接される)。モリブデンリード610a、610bがモリブデン箔608a、608bに取り付けられ(例えば、溶接され)、モリブデン箔608a、608bから延在する。石英プレスシール612が、モリブデン箔608a、608bを封入し、モリブデン箔608a、608bの周囲に気密シールを作り出す。モリブデンリード610a、610bはプレスシール612から外に延在する。
【0039】
導電性ピン614がリード610bに取り付けられる(例えば、溶接される)。ヒューズ618がリード610aに電気的に取り付けられる(例えば、溶接される)。ヒューズ618の組成は、ランプヒューズのために使用されるのと同族の金属、例えば、ニッケル、亜鉛、銅、銀、アルミニウムおよびそれらの合金からなる。スリーブ616がプレスシール612に取り付けられ、その中を貫通して延在するピン614およびヒューズ618を有する。スリーブ616は、高温プラスチックなどのプラスチック材料から形成することができる。一実施形態では、プレスシール612は、その外面615内に形成される溝613を有する。係合延長部617がスリーブ616内に形成され、それにより、嵌合するときに、延長部617が溝613にスナップ嵌められていて、所定の位置に固定される。導電性ピン620が、スリーブ616の反対端部に圧入される。導電性ピン620は、その中に形成され、スリーブ616内に形成される係合延長部619と一致する溝621を有し、それにより、嵌合するときに、延長部619は溝621にスナップ嵌められていて、所定の位置に固定される。ヒューズ618は、導電性ピン620内の孔を貫通して延在する。ヒューズ618は、導電性ピン620に電気的に取り付けられる(例えば、溶接される)。
【0040】
図6Cは、別の実施形態による、スリーブ616とプレスシール612との間の嵌合の詳細図「C」である。この実施形態では、スリーブ616は、セラミック材料から形成することができる。スリーブ616は、その中に形成され、プレスシール612内の溝613と概ね一致する溝627を有する。係合する溝(627、613)は、スリーブ616およびプレスシール612を所定の位置に固定するために、セラミック注封材料、ハンダ、金属ワイヤまたは接着剤などのシーラント材料629で満たされる。シーラント材料629を挿入するために、スリーブ616内に孔(図示せず)が形成されてもよい。
【0041】
それゆえ、図6A図6Cに示されるランプアセンブリ600は、従来技術の高電圧タングステンハロゲンランプからの幾つかの部品(例えば、ステンレス鋼シリンダ、プラグ、セラミック注封化合物)を不要にしながら、リード610a、610bと導電性ピン614、620との間に、加熱アセンブリベース117などの加熱アセンブリベースへの接続を設ける。さらに、プラスチックスリーブ構成が、加熱ベース117へのランプアセンブリ600の挿入中に加えられる圧縮力を吸収する剛性を与える。
【0042】
図6A図6Bではそれぞれ、導電性ピン614がリード610bに取り付けられるが、図6Dに示されるさらなる実施形態では、リード610bは、リード610aに関して示されたのと同じようにして、さらなるヒューズ618およびピン620に取り付けられる。さらに、ピン614および620はそれぞれ、外部供給ソケット、例えば、プリント基板内の係合するソケットに適合するように構成することができる。
【0043】
上記の事柄は本発明の実施形態に向けられるが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態およびさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D