(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、めっき装置が収容されるクリーンルーム内全体に下降気流(ダウンフロー)を形成することでクリーンルーム内の清浄度を高め、基板を搬送する際、基板の表面(被めっき面)にパーティクルが付着することを防止するめっき装置が開示されている。しかしながら、ディップ方式を採用した電気めっき法では、搬送される基板の下方に処理槽が存在しており、この処理槽が下降気流の形成を妨げるため、均一な下降気流を形成することが困難となる。このため、空気中に浮遊するパーティクルを完全に除去することができず、結果としてパーティクルが基板の表面に付着してしまう。
【0006】
また、ディップ方式を採用した電気めっき法では、基板は、処理槽内の処理液に浸漬され処理槽から引き上げられた後、垂直姿勢のまま水平方向に搬送されるため、空気中に浮遊するパーティクルが基板の表面に付着しやすい。
【0007】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、基板の表面にパーティクルを付着させることなく、基板を搬送することができるめっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、基板を保持する基板ホルダと、基板を保持した前記基板ホルダを基板ホルダ起倒機構と処理槽との間で搬送するトランスポータと、前記基板ホルダに保持された基板を覆うカバー部材と、前記カバー部材と前記基
板との間の空間に気体を導入する気流形成装置とを備え、
前記気流形成装置は、気体を導入する気体導入管と、前記気体導入管に取り付けられ前記気体を流出するガスノズルとを備えており、前記気流形成装置は、基板を保持した前記基板ホルダの搬送中に気体を導入することを特徴とするめっき装置である。
【0009】
本発明の好ましい態様は、前記カバー部材は、上壁を有していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は
、前記ガスノズルの先端は、前記カバー部材の内部に配置されており、前記気流形成装置は、前記気体が前記空間を下方に流れるように、前記気体を前記基板ホルダに保持された基板に向けて流出させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記気流形成装置は、前記ガスノズルから不活性ガスを供給することを特徴とする
。
【0010】
本発明の好ましい態様は、前記基板および前記基板ホルダを加熱する発熱体を前記カバー部材上に配置したことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基板から静電気を除去する除電装置をさらに備えることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基板ホルダから落下した処理液を受ける受液機構をさらに備え、前記トランスポータは、前記受液機構を前記基板ホルダと一体に水平方向に移動させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記受液機構は、前記基板ホルダの下方に位置するトレーと、前記トレーを水平方向に移動させるアクチュエータとを備え、前記基板を保持した前記基板ホルダを前記処理槽内の処理液に浸漬させている間、前記アクチュエータは、前記トレーを所定の退避位置に移動させることを特徴とする。
【0011】
本発明の一参考例は、処理液を溜める処理槽と、基板を保持する基板ホルダと、前記基板を保持した前記基板ホルダを前記処理槽内の前記処理液に浸漬させ、前記基板ホルダを前記処理槽から引き上げ、さらに前記基板ホルダを搬送するトランスポータと、前記基板ホルダの搬送方向において前記基板の前方に清浄な気流を形成する気流形成装置とを備え、前記トランスポータは、前記基板ホルダを水平方向に搬送している間、前記気流形成装置を前記基板ホルダと一体に水平方向に移動させることを特徴とするめっき装置である。
【0012】
上記参考例の好ましい態様は、前記気流形成装置は清浄な空気を供給するファンフィルタユニットを備えることを特徴とする。
上記参考例の好ましい態様は、前記気流形成装置は前記清浄な空気の流量を変える流量調整器を備えることを特徴とする。
上記参考例の好ましい態様は、前記気流形成装置は、気体を導入する気体導入管と、前記気体導入管に取り付けられ前記気体を流出するガスノズルとを備えていることを特徴とする。
【0013】
上記参考例の好ましい態様は、前記基板ホルダに保持された基板を覆うカバー部材をさらに備え、前記気流形成装置は前記カバー部材と前記基板との間の空間に清浄な気流を形成することを特徴とする。
上記参考例の好ましい態様は、前記基板および前記基板ホルダを加熱する発熱体を前記カバー部材上に配置したことを特徴とする。
上記参考例の好ましい態様は、前記基板から静電気を除去する除電装置をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
上記参考例の好ましい態様は、前記基板ホルダから落下した処理液を受ける受液機構をさらに備え、前記トランスポータは、前記受液機構を前記基板ホルダと一体に水平方向に移動させることを特徴とする。
上記参考例の好ましい態様は、前記受液機構は、前記基板ホルダの下方に位置するトレーと、前記トレーを水平方向に移動させるアクチュエータとを備え、前記基板を保持した前記基板ホルダを前記処理槽内の前記処理液に浸漬させている間、前記アクチュエータは、前記トレーを所定の退避位置に移動させることを特徴とする。
【0015】
本発明の他の参考例は、基板を基板ホルダにより保持し、前記基板を保持した前記基板ホルダを処理槽内の処理液に浸漬させ、前記基板ホルダを前記処理槽から引き上げ、前記基板ホルダを前記基板とともに水平方向に搬送し、前記基板ホルダを水平方向に搬送している間、前記基板ホルダの搬送方向において前記基板の前方に清浄な気流を形成することを特徴とするめっき方法である。
【0016】
上記参考例の好ましい態様は、前記基板ホルダが前記基板の表面に残留した処理液を除去するブロー槽付近の所定の位置に搬送されたとき、前記清浄な気流の流速および流量を増加させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基板ホルダの搬送方向において、基板ホルダに保持された基板の前方に清浄な気流を形成することができる。したがって、基板の表面にパーティクルを付着させることなく、基板を搬送することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1乃至
図22において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るめっき装置を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、このめっき装置には、装置フレーム1と、ウェーハ等の基板を収納したカセットを搭載する2台のロードポート2と、めっき装置の動作を制御する制御部3が備えられている。さらに、めっき装置は、基板のオリエンテーションフラットまたはノッチの位置を所定の方向に合わせるアライナ4と、めっき処理後の基板を高速回転させて乾燥させるスピン・リンス・ドライヤ(SRD)6と、基板ホルダ8(
図2乃至
図5参照)が水平に載置されるテーブル20と、基板を搬送する基板搬送ロボット22とを備えている。これらアライナ4、スピン・リンス・ドライヤ6、テーブル20、および基板搬送ロボット22は、装置フレーム1内に配置されている。
【0020】
テーブル20の上方に位置して、テーブル20上に載置された基板ホルダ8を開閉して基板の該基板ホルダ8への着脱を行う基板ホルダ開閉機構24が配置されている。更に、テーブル20の側方には、基板ホルダ8を起倒させる基板ホルダ起倒機構26が配置されている。
【0021】
装置フレーム1の内部には、基板ホルダ8の保管および一時仮置きを行うストッカ30、基板ホルダ8で保持した基板を純水等の前処理液で前洗浄(前処理)する前水洗槽32、基板ホルダ8で保持した基板にめっきを行うめっき槽34、めっき後の基板を基板ホルダ8と共にリンス液でリンスするリンス槽36、およびリンス後の基板の水切りを行うブロー槽38が配置されている。ストッカ30、前水洗槽32、めっき槽34、リンス槽36、およびブロー槽38は、この順に直列に配列されている。
【0022】
前水洗槽32には、内部に純水等の前処理液を保持する1つの前水洗セル32aが備えられている。めっき槽34には、内部にめっき液を保持する複数(この例では10列)のめっきセル34aとオーバフロー槽34bが備えられている。リンス槽36には、内部にリンス液を保持する1つのリンスセル36aが備えられている。めっきセル34aは例えば電解めっきセルであり、内部にアノード電極を備える。基板ホルダ8は各めっきセル34a内に設置され、この状態で電解めっきが行われる。あるいは、めっきセル34aは基板に無電解めっきを行う無電解めっきセルであってもよい。本実施形態では、めっき槽34は1種類のめっき液を用いており、各めっきセル34aからオーバフローしためっき液は共通のオーバフロー槽34bに流れ込むようになっている。ストッカ30は、複数の基板ホルダ8を鉛直に並列に保持するように構成されている。ブロー槽38は、エアの吹き付けによって、基板ホルダ8で保持した基板の表面に残留した液滴を除去し乾燥させるように構成されている。
【0023】
めっき槽34の一側方には、各めっきセル34a内のめっき液を攪拌するパドル(図示せず)を駆動するパドルモータユニット40が設けられている。めっき槽34の他側方には、排気ダクト42が設けられている。
【0024】
基板ホルダ8は、
図2乃至
図5に示すように、矩形平板状の第1保持部材(固定保持部材)54と、この第1保持部材54にヒンジ56を介して開閉自在に取付けられた第2保持部材(可動保持部材)58とを有している。他の構成例として、第2保持部材58を第1保持部材54に対峙した位置に配置し、この第2保持部材58を第1保持部材54に向けて前進させ、また第1保持部材54から離間させることによって第2保持部材58を開閉するようにしてもよい。
【0025】
第1保持部材54は例えば塩化ビニル製である。第2保持部材58は、基部60と、リング状のシールホルダ62とを有している。シールホルダ62は例えば塩化ビニル製であり、下記の押えリング64との滑りを良くしている。シールホルダ62の上部には環状の基板側シール部材66(
図4および
図5参照)が内方に突出して取付けられている。この基板側シール部材66は、基板ホルダ8が基板Wを保持した時、基板Wの表面外周部に圧接して第2保持部材58と基板Wとの隙間をシールするように構成されている。シールホルダ62の第1保持部材54と対向する面には、環状のホルダ側シール部材68(
図4および
図5参照)が取付けられている。このホルダ側シール部材68は、基板ホルダ8が基板Wを保持した時、第1保持部材54に圧接して第1保持部材54と第2保持部材58との隙間をシールするように構成されている。ホルダ側シール部材68は、基板側シール部材66の外側に位置している。
【0026】
図5に示すように、基板側シール部材66は、シールホルダ62と第1固定リング70aとの間に挟持されてシールホルダ62に取付けられている。第1固定リング70aは、シールホルダ62にボルト等の締結具69aを介して取付けられる。ホルダ側シール部材68は、シールホルダ62と第2固定リング70bとの間に挟持されてシールホルダ62に取付けられている。第2固定リング70bは、シールホルダ62にボルト等の締結具69bを介して取付けられる。
【0027】
シールホルダ62の外周部には段部が設けられており、この段部には押えリング64がスペーサ65を介して回転自在に装着されている。押えリング64は、第1固定リング70aの外周部によって脱出不能に装着されている。この押えリング64は、酸やアルカリに対して耐食性に優れ、十分な剛性を有する材料から構成される。例えば、押えリング64はチタンから構成される。スペーサ65は、押えリング64がスムーズに回転できるように、摩擦係数の低い材料、例えばPTFEで構成されている。
【0028】
押えリング64の外側には、複数のクランパ74が押えリング64の円周方向に沿って等間隔で配置されている。これらクランパ74は第1保持部材54に固定されている。各クランパ74は、内方に突出する突出部を有する逆L字状の形状を有している。押えリング64の外周面には、外方に突出する複数の突起部64bが設けられている。これら突起部64bは、クランパ74の位置に対応する位置に配置されている。クランパ74の内方突出部の下面および押えリング64の突起部64bの上面は、押えリング64の回転方向に沿って互いに逆方向に傾斜するテーパ面となっている。押えリング64の円周方向に沿った複数箇所(例えば3箇所)には、上方に突出する凸部64aが設けられている。これにより、回転ピン(図示せず)を回転させて凸部64aを横から押し回すことにより、押えリング64を回転させることができる。
【0029】
第2保持部材58を開いた状態で、第1保持部材54の中央部に基板Wが挿入され、ヒンジ56を介して第2保持部材58が閉じられる。押えリング64を時計回りに回転させて、押えリング64の突起部64bをクランパ74の内方突出部の内部に滑り込ませることで、押えリング64とクランパ74にそれそれぞれ設けたテーパ面を介して、第1保持部材54と第2保持部材58とを互いに締付けて第2保持部材58をロックする。また、押えリング64を反時計回りに回転させて押えリング64の突起部64bをクランパ74から外すことで、第2保持部材58のロックを解くようになっている。
【0030】
第2保持部材58をロックした時、基板側シール部材66の下方突出部は基板Wの表面外周部に圧接される。シール部材66は均一に基板Wに押圧され、これによって基板Wの表面外周部と第2保持部材58との隙間をシールする。同じように、第2保持部材58をロックした時、ホルダ側シール部材68の下方突出部は第1保持部材54の表面に圧接される。シール部材68は均一に第1保持部材54に押圧され、これによって第1保持部材54と第2保持部材58との間の隙間をシールする。
【0031】
第1保持部材54の端部には、一対のホルダハンガ108が外方に突出して設けられている。このホルダハンガ108は、内側ハンガ部90と外側ハンガ部94から構成される。両側の内側ハンガ部90の間にはハンドレバー92が延びている。前水洗槽32、めっき槽34、リンス槽36、およびブロー槽38内では、基板ホルダ8は、ホルダハンガ108の内側ハンガ部90または外側ハンガ部94を介してそれらの周壁に吊下げられる。
【0032】
第1保持部材54の上面には、基板Wの大きさにほぼ等しいリング状の突条部82が形成されている。この突条部82は、基板Wの周縁部に当接して該基板Wを支持する環状の支持面80を有している。この突条部82の円周方向に沿った所定位置に凹部84が設けられている。
【0033】
図3に示すように、凹部84内には複数(図示では12個)の導電体(電気接点)86がそれぞれ配置されている。これら導電体86は、ホルダハンガ108の内側ハンガ部90に設けられた接続端子91から延びる複数の配線にそれぞれ接続されている。第1保持部材54の支持面80上に基板Wを載置した際、この導電体86の端部が基板Wの側方で飛び出して、
図5に示す電気接点88の下部に弾性的に接触するようになっている。
【0034】
導電体86に電気的に接続される電気接点88は、ボルト等の締結具89を介して第2保持部材58のシールホルダ62に固着されている。この電気接点88は、板ばね形状に形成されている。電気接点88は、基板側シール部材66の外方に位置した、内方に板ばね状に突出する接点部を有している。電気接点88はこの接点部において、その弾性力によるばね性を有して容易に屈曲するようになっている。第1保持部材54と第2保持部材58で基板Wを保持した時に、電気接点88の接点部が、第1保持部材54の支持面80上に支持された基板Wの外周面に弾性的に接触するように構成されている。
【0035】
第2保持部材58の開閉は、図示しないエアシリンダと第2保持部材58の自重によって行われる。つまり、第1保持部材54には通孔54aが設けられ、テーブル20の上に基板ホルダ8を載置した時に通孔54aに対向する位置にエアシリンダ(図示せず)が設けられている。このエアシリンダのピストンロッドにより、通孔54aを通じて第2保持部材58のシールホルダ62を上方に押上げることで第2保持部材58を開き、ピストンロッドを収縮させることで、第2保持部材58をその自重で閉じるようになっている。
【0036】
図1に戻って、ストッカ30、前水洗槽32、めっき槽34、リンス槽36、ブロー槽38、および基板ホルダ起倒機構26の間で基板ホルダ8を基板とともに搬送するトランスポータ100が設けられている。このトランスポータ100は、装置フレーム1に固定されて水平方向に延びる固定ベース102と、固定ベース102上を水平方向に移動可能に構成されたリフタ101と、リフタ101に連結されたアーム104とを備えている。アーム104は、基板ホルダ8を把持するグリッパ103を有している。アーム104とリフタ101は一体に水平方向に移動し、アーム104はリフタ101によって上昇および下降される。リフタ101およびアーム104を水平方向に移動させる駆動源としてはリニアモータまたはラックピニオンを採用することができる。
【0037】
次に、上記のように構成されためっき装置による処理動作を説明する。まず、トランスポータ100のアーム104により、ストッカ30から鉛直姿勢の基板ホルダ8を取り出す。基板ホルダ8を把持したアーム104は、水平方向に移動して、基板ホルダ起倒機構26に基板ホルダ8を渡す。基板ホルダ起倒機構26は、基板ホルダ8を鉛直姿勢から水平姿勢に転換し、テーブル20の上に載置する。そして、基板ホルダ開閉機構24によりテーブル20に載置された基板ホルダ8を開く。
【0038】
基板搬送ロボット22は、ロードポート2に搭載されたカセットから基板を1枚取出し、アライナ4に載せる。アライナ4はオリエンテーションフラットまたはノッチの位置を所定の方向に合わせる。基板搬送ロボット22は、基板をアライナ4から取り出し、テーブル20上に載置された基板ホルダ8に挿入する。この状態で、基板ホルダ開閉機構24により基板ホルダ8を閉じ、基板ホルダ8をロックする。
【0039】
次に、基板ホルダ起倒機構26は、基板ホルダ8を水平姿勢から鉛直姿勢に転換する。アーム104のグリッパ103は、この起立した状態の基板ホルダ8を把持し、この状態でアーム104は前水洗槽32の上方位置まで基板ホルダ8を水平方向に移動させる。さらに、トランスポータ100のリフタ101は、基板ホルダ8とともにアーム104を下降させて、前水洗槽32内の所定の位置に基板ホルダ8をセットする。この状態で、基板の前水洗が行われる。基板の前水洗が終了した後、アーム104のグリッパ103は基板ホルダ8を把持し、リフタ101がアーム104を上昇させることで基板ホルダ8を前水洗槽32から引き上げる。
【0040】
アーム104は、めっき槽34の上方位置まで水平方向に基板ホルダ8を移動させる。さらに、トランスポータ100のリフタ101は、基板ホルダ8とともにアーム104を下降させて、めっき槽34のめっきセル34a内の所定の位置に基板ホルダ8をセットする。この状態で、基板のめっきが行われる。めっきが終了した後、アーム104のグリッパ103は基板ホルダ8を把持し、リフタ101がアーム104を上昇させることで基板ホルダ8をめっき槽34から引き上げる。
【0041】
アーム104は、リンス槽36の上方位置まで水平方向に基板ホルダ8を移動させる。さらに、トランスポータ100のリフタ101は、基板ホルダ8とともにアーム104を下降させて、リンス槽36内の所定の位置に基板ホルダ8をセットする。この状態で、基板のめっき後のリンスが行われる。リンスが終了した後、アーム104のグリッパ103は基板ホルダ8を把持し、リフタ101がアーム104を上昇させることで基板ホルダ8をリンス槽36から引き上げる。
【0042】
アーム104は、ブロー槽38の上方位置まで水平方向に基板ホルダ8を移動させる。さらに、トランスポータ100のリフタ101は、基板ホルダ8とともにアーム104を下降させて、ブロー槽38内の所定の位置に基板ホルダ8をセットする。ブロー槽38は、エアの吹き付けによって、基板ホルダ8で保持した基板の表面に付着した液滴を除去し乾燥させる。ブロー処理が終了した後、アーム104のグリッパ103は基板ホルダ8を把持し、リフタ101がアーム104を上昇させることで基板ホルダ8をブロー槽38から引き上げる。
【0043】
アーム104は、水平方向に移動して、基板ホルダ8を基板ホルダ起倒機構26に渡す。基板ホルダ起倒機構26は、前述と同様にして、基板ホルダ8をテーブル20の上に水平に載置し、基板ホルダ開閉機構24により基板ホルダ8を開く。基板搬送ロボット22は、基板ホルダ8から処理後の基板を取出し、この基板をスピン・リンス・ドライヤ6に搬送する。スピン・リンス・ドライヤ6は基板を高速で回転させることで基板を乾燥させる。基板搬送ロボット22は、乾燥された基板をスピン・リンス・ドライヤ6から取り出し、ロードポート2のカセットに戻す。これによって、1枚の基板に対する処理が終了する。
【0044】
図6は、めっき装置の一部を示す正面図である。
図6に示すように、アーム104は、処理液を溜める処理槽(以下、前水洗槽32、めっき槽34、リンス槽36を総称して処理槽110と呼ぶ)の上方に位置している。アーム104は、基板ホルダ8を把持するグリッパ103を備えている。このグリッパ103は、基板ホルダ8を下から支持するフック105と、ホルダハンガ108を下方に押圧する2つの押圧機構106を備えている。フック105は基板ホルダ8のハンドレバー92を引っ掛ける形状を有している。
【0045】
押圧機構106は、ホルダハンガ108の上面に接触する押圧部材107と、押圧部材107を下方に移動させるエアシリンダ109とを備えている。エアシリンダ109のピストンロッド109aが下降すると、押圧部材107は下方に移動し、ホルダハンガ108を下方に押圧する。ハンドレバー92がフック105に引っ掛けられた状態で、押圧部材107がホルダハンガ108を下方に押圧することで、基板ホルダ8はグリッパ103に把持される。グリッパ103に把持された基板ホルダ8は、揺れ動くことなくトランスポータ100によって鉛直方向および水平方向に搬送される。
【0046】
図7は
図6に示すめっき装置の斜視図である。
図8は
図7に示すめっき装置の正面図であり、
図9は
図7に示すめっき装置の上面図である。本実施形態のめっき装置は気流形成装置200を備えており、気流形成装置200は、HEPAフィルタやULPAフィルタなどのエアフィルタ220を有するファンフィルタユニット(FFU)201を備えている。ここで、HEPAフィルタとは、粒径が0.3μmのパーティクルに対して99.97%以上の捕集率を有するエアフィルタである。ULPAフィルタとは、粒径が0.15μmのパーティクルに対して99.9995%以上の捕集率を有するエアフィルタである。ULPAフィルタは、HEPAフィルタよりも高い捕集率を有している。ファンフィルタユニット201は、エアフィルタ220と、その上方に配置されたファン222とを備えている。ファン222には図示しないモータが接続されており、このモータの駆動によりファン222が回転すると、空気がファンフィルタユニット201の内部に導入される。この空気がエアフィルタ220を通過することで、パーティクルなどの不純物が空気から除去され、清浄な空気がファンフィルタユニット201から下方に排出される。
【0047】
ファンフィルタユニット201は載置台202上に載置されている。ファンフィルタユニット201の周囲には、側壁204A,204Bと背面壁205から構成される周壁203が配置されている。ファンフィルタユニット201の下方にはフード206が設けられており、このフード206は載置台202の下面に着脱可能に取り付けられている。このフード206の下端は開口している。これらファンフィルタユニット201、載置台202、周壁203、およびフード206は気流形成装置200を構成している。フード206の開口部の幅は、気流が基板Wの表面を均一に流れるように、基板Wの幅(直径)と同程度か、基板Wの幅よりも若干大きくなっている。
【0048】
リフタ101は、鉛直に延びるベース部101aと、このベース部101aに対して相対的に上下動する上下動部101bとを備えている。
図9に示すように、気流形成装置200は支持部材210に支持されており、支持部材210はリフタ101のベース部101aに固定されている。したがって、支持部材210およびこれに固定された気流形成装置200の鉛直方向の位置は固定されている。アーム104は上下動部101bに固定されており、アーム104はリフタ101によって上昇および下降されるようになっている。支持部材210はアーム104と平行に配置されており、基板ホルダ8の搬送方向において、支持部材210はアーム104の前方に位置する。
【0049】
基板Wを保持した基板ホルダ8はアーム104のグリッパ103に把持されている。気流形成装置200は基板ホルダ8の搬送方向において、基板Wの前方に位置する。したがって、基板ホルダ8がトランスポータ100によって水平方向に搬送されているとき、気流形成装置200は、清浄な気流を基板ホルダ8に保持された基板Wの前方に形成することができる。
【0050】
気流形成装置200は支持部材210を介してトランスポータ100のベース部101aに固定されている。基板ホルダ8を把持するグリッパ103はアーム104を介して上下動部101bに連結されている。したがって、気流形成装置200は、トランスポータ100により基板ホルダ8と一体に水平方向に移動されるが、基板ホルダ8および基板Wとともに上下動しない。
【0051】
図10は、トランスポータ100によって搬送されているときの基板ホルダ8と気流形成装置200との位置関係を示す模式図である。
図10において、水平方向に延びる矢印は気流形成装置200および基板ホルダ8の搬送方向を示し、白抜き矢印は気流形成装置200により形成される気流を示し、湾曲した矢印は空気中に浮遊するパーティクルの流れを示す。
図10に示すように、気流形成装置200は、基板ホルダ8の搬送方向において、基板ホルダ8に保持された基板Wの前方に位置している。フード206の下部は、鉛直状態の基板ホルダ8に保持された基板Wに向かって傾斜している。このため、ファンフィルタユニット201から供給される空気は、基板ホルダ8に保持された基板Wの表面に当たり、さらに、基板Wの表面と平行に、かつ下方に流れる。このように、清浄な気流は、基板ホルダ8の搬送方向において基板Wの前方に形成され、基板Wの搬送中、基板Wの表面の全体は清浄な気流で覆われる。
【0052】
空気中に浮遊するパーティクルは、基板Wに到達する前に清浄な気流によって下方に流されるため、パーティクルは基板Wの表面に付着しない。言い換えると、基板Wの前方に形成される清浄な気流は、パーティクルが基板Wの表面に付着することを防止することができる。その結果、基板Wは汚染されず、処理槽110内の処理液も汚染されることはない。
【0053】
図11はフード206の変形例を示す図である。
図11に示すように、基板Wの乾燥を防ぐために、フード206を基板ホルダ8に保持された基板Wの表面と平行に、かつ鉛直方向に延ばしてもよい。この例では、清浄な空気は基板Wに直接接触せずに、基板Wの表面と平行に、かつ下方に流れる。なお、フード206は着脱可能に載置台202の下面に取り付けられているため、
図10に示すフード206と
図11に示すフード206とを交換することができる。
【0054】
図12は、ファンフィルタユニット201のファン222の動作シーケンスを示す図である。ブロー槽38は、エアの吹き付けによって、基板ホルダ8に保持された基板Wの表面に残留した液滴を除去する。このため、パーティクルはエアによって巻き上げられ、周囲空気中に浮遊する。ブロー槽38の周囲雰囲気はめっき装置内でも特に汚染される領域である。したがって、基板ホルダ8および基板Wがブロー槽38の上方を通過するときは、基板Wの汚染を確実に防ぐ必要がある。そこで、ファンフィルタユニット201は、より強力な気流を形成するために、ファン222の回転速度を変える、すなわち、空気の流量を変える流量調整器223(
図9参照)を備えている。
【0055】
図12において、左側欄はファンフィルタユニット201のファン222の動作を示し、右側欄はトランスポータ100の動作を示す。トランスポータ100が待機しているとき、ファン222は回転しない。トランスポータ100が基板Wおよび基板ホルダ8を水平方向に搬送しているとき(すなわち、基板Wおよび基板ホルダ8が処理槽110間を移動しているとき)、ファン222は低速で回転される。基板ホルダ8の搬送方向において、基板Wの前方に清浄な気流が形成されるため、空気中に浮遊するパーティクルが基板Wの表面に付着することを防止することができる。
【0056】
トランスポータ100は、基板Wおよび基板ホルダ8を処理槽110の上方の所定の位置に搬送し、その後、基板Wを基板ホルダ8とともに処理槽110内の処理液に浸漬させる。基板Wを浸漬させている間、トランスポータ100は処理槽110付近の所定の待機位置で待機するか、または該基板Wおよび基板ホルダ8とは別の基板Wおよび基板ホルダ8の搬送を行う。トランスポータ100が待機している場合は、ファン222の回転は停止している。基板Wの処理が終了した後、トランスポータ100は基板Wおよび基板ホルダ8を処理槽110から引き上げ、ブロー槽38に搬送する。基板Wおよび基板ホルダ8がブロー槽38から所定の距離範囲以上離れている領域で基板Wおよび基板ホルダ8を搬送している間、ファン222は低速で回転する。
【0057】
基板Wおよび基板ホルダ8がブロー槽38から所定の距離範囲内に到達したとき、ファン222の回転速度が低速から高速に切り替えられ、これによりファン222は高速で回転される。その結果、清浄な気流の流速および流量が増加する。上述したように、ブロー槽38の周囲雰囲気はめっき装置内でも特に汚染されている領域であるため、ファン222を高速で回転させることにより強力なダウンフローをブロー槽38の上方に形成し、このダウンフローによって周囲雰囲気に浮遊しているパーティクルが基板Wに付着することをより確実に防止することができる。ブロー槽38で基板Wの表面の乾燥が終了すると、トランスポータ100は基板Wおよび基板ホルダ8をブロー槽38から取り出す。基板Wおよび基板ホルダ8がブロー槽38から引き上げられた後、基板Wを保持した基板ホルダ8はテーブル20の方向へ搬送される。基板Wおよび基板ホルダ8の搬送中、基板Wおよび基板ホルダ8がブロー槽38から所定の距離範囲内にある間は、ファン222は高速で回転される。基板Wおよび基板ホルダ8がブロー槽38から所定の距離以上離れると、ファン222は低速で回転される(ファン222の回転速度が高速から低速に切り替えられる)。
【0058】
このように、基板Wおよび基板ホルダ8がブロー槽38に近づいてからブロー槽38から離れるまでの間、ファンフィルタユニット201のファン222は高速で回転する。ファンフィルタユニット201は通常よりも強い気流を形成し、基板Wの汚染をより確実に防ぐことができる。
【0059】
図13は、気流形成装置200および除電装置(イオナイザー)250を備えためっき装置の一部を示す斜視図である。
図14は、
図13に示すめっき装置の正面図である。
図14において、気流形成装置200は省略されている。除電装置250は、基板Wおよび基板ホルダ8から静電気を除去する装置である。
図13および
図14に示すように、除電装置250は、支持部材210の下面に取り付けられている。除電装置250は、トランスポータ100により基板ホルダ8と一体に水平方向に移動されるが、基板ホルダ8および基板Wとともに上下動しない。気流形成装置200と除電装置250とを組み合わせることにより、基板Wの表面にパーティクルが付着することをより効果的に防ぐことができる。
【0060】
図15は、気流形成装置200およびカバー部材260を備えためっき装置の一部を示す斜視図である。
図16(a)は気流形成装置200を省略した
図15に示すめっき装置の一部を示す正面図であり、
図16(b)は気流形成装置200を備えた
図15に示すめっき装置の一部を示す正面図である。
図17はカバー部材260の上面図である。
図15、
図16(a)、および
図16(b)に示すように、めっき装置は、カバー部材260を備えてもよい。このカバー部材260は、基板ホルダ8に保持された基板Wを覆う形状を有しており、空気中に浮遊するパーティクルが基板Wの表面に付着することを防止している。
【0061】
カバー部材260は、前壁260aおよび2つの側壁260bから構成されている。具体的には、
図17に示すように、前壁260aは基板ホルダ8上の基板Wと平行に配置されており、2つの側壁260bは、前壁260aの両端に固定されている。カバー部材260の下端は開放されている。
図16(a)および
図16(b)に示すように、側壁260bの上部には逆L字状の連結部材262,262が取り付けられている。カバー部材260は連結部材262,262によって支持部材210に連結されている。したがって、カバー部材260は、トランスポータ100により基板ホルダ8と一体に水平方向に移動され、その一方で基板ホルダ8および基板Wとともに上下動はしない。カバー部材260は、基板ホルダ8の搬送方向において、基板ホルダ8および基板Wの前方に位置する。
【0062】
前壁260aの上部には切り欠き261が形成されており、この切り欠き261の上方にフード206の下端が位置している。気流形成装置200から供給される清浄な空気は、この切り欠き261を通じて基板ホルダ8とカバー部材260との間の空間内に導入される。清浄な空気は基板ホルダ8とカバー部材260との間の空間を下方に流れ、カバー部材260の下端から流出する。このように、カバー部材260が基板ホルダ8の搬送方向において、基板ホルダ8に保持された基板Wの前方に配置され、基板ホルダ8とカバー部材260との間に清浄な気流が形成されることにより、基板Wの汚染をより確実に防ぐことができる。
【0063】
めっき液の種類によっては、基板Wのめっき中に高温状態に維持しなければならないものがある。しかしながら、高温状態に維持されためっき液の中に温度の低い基板Wおよび基板ホルダ8が浸漬されると、めっき液の温度が低下してしまう。このような問題を解決するために、
図18に示すように、カバー部材260にヒーターなどの発熱体264を配置してもよい。
図18では2個の発熱体264が前壁260aに配置されているが、発熱体264の個数および配置箇所はこの例に限定されない。カバー部材260上に配置された発熱体264は、熱を基板Wおよび基板ホルダ8に伝達し、これにより基板Wおよび基板ホルダ8を加熱する。その結果、基板Wおよび基板ホルダ8をめっき液の中に浸漬させてもめっき液の温度が低下することはない。
【0064】
図19は、受液機構270を備えためっき装置の一部を示す斜視図である。基板ホルダ8を処理槽110から引き上げる時、基板Wおよび基板ホルダ8上には処理液が残留する。処理液が残留したまま基板ホルダ8および基板Wが搬送されると、搬送中に処理液が基板ホルダ8から落下し、汚染を引き起こすことがある。このような問題を解決するために
図19に示すように、基板ホルダ8の下方に受液機構270を設けることが好ましい。この受液機構270は、基板ホルダ8から落下した処理液を受けるトレー272と、トレー272を水平方向に移動させるアクチュエータ274とを備えている。トレー272は処理槽110の上方に位置し、アクチュエータ274によって水平移動される。アクチュエータ274は、ボールねじ機構とサーボモータとの組み合わせからなる電動アクチュエータから構成されている。トレー272はアクチュエータ274に取り付けられており、アクチュエータ274はリフタ101のベース部101aに取り付けられている。受液機構270は、トランスポータ100により基板ホルダ8と一体に水平方向に移動されるが、基板ホルダ8および基板Wとともに上下動はしない。
【0065】
図20は、受液機構270および基板ホルダ8の動作を示す模式図である。ステップ1に示すように、基板ホルダ8はトランスポータ100により処理槽110の上方の所定の位置まで移動される。次に、ステップ2に示すように、アクチュエータ274はトレー272を所定の退避位置に水平移動させ、トランスポータ100のリフタ101は基板ホルダ8とともにアーム104を下降させる。基板ホルダ8がトレー272に接触しないように、トレー272の退避動作は、基板ホルダ8の下降動作が開始される前または同時に開始される。リフタ101はアーム104を下降させることで基板ホルダ8を処理槽110内の所定の位置にセットする。
【0066】
基板Wの処理が終了した後、アーム104のグリッパ103は基板ホルダ8を把持し、リフタ101がアーム104を上昇させることで基板ホルダ8を処理槽110から引き上げる。アーム104の上昇が終了し、基板ホルダ8が所定の位置まで上昇すると、ステップ3に示すように、アクチュエータ274はトレー272を所定の退避位置から基板ホルダ8の下方の受液位置に水平移動させる。基板ホルダ8から落下した処理液は、トレー272によって受けられる。トレー272は、ステップ3に示す受液位置にある状態で基板ホルダ8とともにトランスポータ100によって次の処理槽に移動される。
【0067】
図19に示したように、気流形成装置200によって基板Wの表面に下向きの清浄な気流が形成されると、基板Wおよび基板ホルダ8に付着した処理液は基板Wの表面を伝って大きな液滴となり滴り落ちやすくなる。本実施形態によれば、処理液が落下しても、この処理液は受液機構270によって受け止められるため、基板Wおよび基板ホルダ8の下方にある他の処理槽110などが汚染されることを防止することができる。
【0068】
図21は、本発明の他の実施形態に係るめっき装置の一部を示す斜視図である。
図22は、カバー部材260の一部を示す断面図である。
図21に示すように、本実施形態に係る気流形成装置200はファンフィルタユニット201を備えておらず、その代わりに、気体導入管302と、スリットノズル304とを備えている。スリットノズル304は気体導入管302に取り付けられている。気体導入管302は気体供給管303に接続されており、気体供給管303は図示しない気体供給源に接続されている。導入される気体として、窒素ガスなどの不活性ガスが好ましく使用される。
【0069】
図21に示すように、本実施形態のめっき装置はカバー部材260を備えている。
図21に示すカバー部材260は、
図15に示すカバー部材260と異なり、上壁260cをさらに有している。気流形成装置200は、カバー部材260の上部に配置されており、トランスポータ100により基板ホルダ8および基板Wと一体に水平方向に移動される。
【0070】
図22に示すように、スリットノズル304はその先端にスリットを有したガスノズルである。スリットノズル304の先端はカバー部材260の内部に位置しており、基板Wを向いている。スリットの幅は、気流が基板Wの表面を均一に流れるように、基板Wの幅(直径)と同程度か、基板Wの幅よりも若干大きくなっている。図示しない気体供給源から供給された気体は気体供給管303および気体導入管302を通り、スリットノズル304から基板Wに向かって流出する。清浄な気体は基板ホルダ8とカバー部材260との間の空間を下方に流れ、カバー部材260の下端から流出する。このように、カバー部材260が基板ホルダ8の搬送方向において、基板Wの前方に配置され、基板ホルダ8とカバー部材260との間に清浄な気流が形成されることにより、基板Wの汚染をより確実に防ぐことができる。スリットノズル304の代わりに、複数のガスノズルを気体導入管302に取り付けてもよい。
【0071】
上述した実施形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、上述した発熱体264を
図21に示す前壁260aに配置してもよい。また、
図21に示す実施形態に除電装置250と受液機構270とを組み合わせてもよい。
【0072】
これまで、電解めっき装置の例を記載してきたが、本発明は無電解めっき装置にも適用することができる。無電解めっき装置の場合、1枚の基板を、その縁を引っ掛けるようにして縦に保持する基板ホルダが好適に用いられる。基板の外周面および裏面(被めっき面の反対側に位置する面)にめっき液が接しないようにするシール部材は必ずしも設けなくてもよい。
【0073】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。