(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384312
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】運搬用台車及びそのキャスターの取付け構造
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20180827BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20180827BHJP
B62B 5/04 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
B62B5/00 K
B62B3/00 D
B62B5/04 A
B62B5/00 F
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-258137(P2014-258137)
(22)【出願日】2014年12月20日
(65)【公開番号】特開2016-117395(P2016-117395A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100140615
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154313
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 忠志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 力
【審査官】
畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−062429(JP,A)
【文献】
特開2014−227083(JP,A)
【文献】
特開平11−020706(JP,A)
【文献】
特開2011−121457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 5/00
B62B 3/00
B62B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座の底部に、キャスターの座板が挿入されるキャスター取付け部とストッパーが装着されるストッパー装着部が連ねて設けられ、台座の側部外方からキャスター取付け部に挿入されたキャスターをストッパー装着部に装着されたストッパーで台座底部に固定する構成を有する運搬用台車において、
キャスター取付け部は、
台座底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に折れた、キャスターの座板の端部が係合する一対のキャスターガイド部と、
台座底板から下方へ突出していて前記両キャスターガイド部間に並設された、キャスターの座板上面を支持する複数のリブと、
両キャスターガイド部の端部側に設けられた、キャスターの座板の一側の側端部を係止する係止突部とを備え、
ストッパー装着部は、
台座底部の前記キャスター取付け部に隣接した外側に設けられていて台座底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に折れた、ストッパーの装着位置を規制する一対のストッパーガイド部と、
両ストッパーガイド部の鉤型に折れた先端部に設けられた、ストッパーの係合部が係合する被係合部を備え、
ストッパーは、
その一側の側端部に設けられていて、前記キャスター取付け部に挿入されたキャスターの座板の他側の側端部を係止する係止部と、
その下部に下方へ突出させて設けられていて、前記両ストッパーガイド部間に挿入された当該ストッパーを下方へ変位させたときに前記ストッパー装着部の被係合部に係合する突部を備えて形成された構成を有することを特徴とする運搬用台車。
【請求項2】
ストッパーを手で掴むための把手部がストッパーの下部に設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の運搬用台車。
【請求項3】
台座の内部に断熱材が挿入された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の運搬用台車。
【請求項4】
運搬用台車のキャスターをストッパーで台座に固定する運搬用台車のキャスターの取付け構造において、
台座の底部に、
台座底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に折れた一対のキャスターガイド部と、台座底板から下方へ突出していて前記両キャスターガイド部間に並設された複数のリブと、両キャスターガイド部の端部側に設けられた係止突部とを備えたキャスター取付け部と、
台座底部の前記キャスター取付け部に隣接した外側に設けられていて台座底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に折れた一対のストッパーガイド部と、両ストッパーガイド部の鉤型に折れた先端部に設けられた被係合部を備えたストッパー装着部を連ねて設け、
台座の側部外方からキャスター取付け部にキャスターが挿入され、このキャスターの座板の上面が前記リブで支持されるとともに当該座版の端部が両キャスターガイド部に係合した状態で、下部に係合突部を備えたストッパーをストッパー装着部の両ストッパーガイド部間に挿入するとともに、ストッパーを下方へ変位させてその係合突部を両ストッパーガイド部に設けられた被係合部に係合させてストッパーをストッパー装着部に取付けることにより、
キャスターの座板の周囲端部をキャスター取付け部の両キャスターガイド部及び係止突部とストッパーの側端部に係止させてキャスターを台座に固定する構成を有することを特徴とする運搬用台車のキャスターの取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台座の上に荷物を載せて運搬するキャスター付きの運搬用台車に係り、台座の底部にキャスター取付け部とストッパー装着部を設け、キャスター取付け部に挿入支持させたキャスターを、ストッパー装着部に装着されたストッパーで台座に固定する構造のものに関する。
【背景技術】
【0002】
運搬用台車のキャスターを、キャスターとともに台座の底部にストッパーを装着して固定する構成のものとして、例えば
図12に示されるように、台座101のコーナー部に面した内部を開口させて、キャスター102の座板102aが載る突片101a,101aと、ストッパー103が装着される凹状空間部101bと、装着されたストッパー103に係合する板バネ部101cとを形成し、突片101a,101a上にキャスター102の座板102aを載せて支持させた状態で、凹状空間部101b内にストッパー103を挿入し、板バネ部101cを座板102aの縁部とストッパー103とに係合させて、キャスター102を台座101の底部に固定する構造を備えた運搬用台車100が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2009−1047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図示した従来の運搬用台車100は、キャスター102を留めネジやビスなどの鋼製の固定部材を用いずに固定することが可能であるものの、キャスター102の金属製の台座102aと台座101の突片101a,101a及びストッパー103との接触面積が比較的大きく、構造上、キャスター102から台座101に伝熱し易い。
【0005】
この運搬用台車100は、キャスター102から台座101への伝熱性が問題とされない荷物や物品の運搬には適しているが、保温や保冷が必要な荷物や物品を運搬する場合、キャスター102から台座101に伝わる熱の影響を台座101に載せた荷物や物品が受けて、その品質を低下させてしまうという問題がある。
また、前記運搬用容器100の構成では、台座101の直ぐ下にキャスター102及びストッパー103の挿入空間が設けられているので、台座101の内部に断熱材を挿入するなどして台座101の断熱性を向上させることはできないという問題もある。
【0006】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、運搬用台車の台座にキャスターを固定するにあたり、キャスターから台座への熱伝導を出来る限り少なくし、且つ台座の底部にキャスターをガタつくことなく堅牢に固定することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は、台座の底部に、キャスターの座板が挿入されるキャスター取付け部とストッパーが装着されるストッパー装着部が連ねて設けられ、台座の側部外方からキャスター取付け部に挿入されたキャスターをストッパー装着部に装着されたストッパーで台座底部に固定する構成を有する運搬用台車において、
キャスター取付け部は、
台座底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に折れた、キャスターの座板の端部が係合する一対のキャスターガイド部と、
台座底板から下方へ突出していて前記両キャスターガイド部間に並設された、キャスターの座板上面を支持する複数のリブと、
両キャスターガイド部の端部側に設けられた、キャスターの座板の一側の側端部を係止する係止突部とを備え、
ストッパー装着部は、
台座底部の前記キャスター取付け部に隣接した外側に設けられていて台座底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に折れた、ストッパーの装着位置を規制する一対のストッパーガイド部と、
両ストッパーガイド部の鉤型に折れた先端部に設けられた、ストッパーの係合部が係合する被係合部を備え、
ストッパーは、
その一側の側端部に設けられていて、前記キャスター取付け部に挿入されたキャスターの座板の他側の側端部を係止する係止部と、
その下部に下方へ突出させて設けられていて
、前記両ストッパーガイド部間に挿入された当該ストッパーを下方へ変位させたときに前記ストッパー装着部の被係合部に係合する突部を備えて形成された構成を有することを特徴とする。
【0008】
前記構成の運搬用台車によるキャスターの取付け構造は、台座の側部外方からキャスター取付け部にキャスターを挿入して当該キャスターの座板の端部を両キャスターガイド部に係合させた状態で、下部に係合突部を備えたストッパーをストッパー装着部の両ストッパーガイド部間に挿入するとともに、
ストッパーを下方へ変位させてその係合突部を両ストッパーガイド部に設けられた被係合部に係合させてストッパーをストッパー装着部に取付けることにより、キャスターの座板の周囲端部がキャスター取付け部の両キャスターガイド部及び係止突部とストッパーの側端部に係止して、キャスターを台座に固定することができる。
【0009】
これによれば、キャスターは、その座板の周囲端部のうち、一の対向側端部がキャスターガイド部にそれぞれ係合して、他の対向側端部がキャスター取付け部の係止突部とストッパーの側端部にそれぞれ係止して台座の底部に取付けられ、座板の上面はキャスター取付け部に設けられた複数のリブが当接してキャスターが支持されて、キャスターの金属製の座板とストッパーを含む台座表面との接触面積が極めて小さいため、キャスターから台座への熱伝導を少なくすることができる。また、キャスターは、その座板の周囲端部が、これを囲うキャスターガイド部などに係止して固定されるので、運搬用台車を任意に滑走させても、ガタつきを起こすことなく台座の底部に堅牢且つ確実に取付けておくことができる。
ストッパーの取付けは、台座の側方からストッパー装着部のストッパーガイド部内にストッパーをスライド挿入した状態で、ストッパーを下方へ押す又は引っ張るなどして変位させて、その下部に設けた係合突部を、ストッパーガイド部に設けられた被係合部に係合させるという簡単な操作で行なうことが可能である。
【0010】
前記構成の運搬用台車において、ストッパーの装着と取付け操作がし易いように、ストッパーを手で掴むための把手部がストッパーの下部に設けられていることが好ましい。
また、前記構成の運搬用台車は、保温や保冷が必要な荷物や物品を運搬に適するように、台座の内部に断熱材が挿入して構成することができる。
本発明は、手押し台車やカゴ台車、平台車など、台座の底部にキャスターが取付けられた各種の運搬用台車に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態の運搬用台車の外観図である。
【
図3】台車の底部に取付けられるキャスターの概略外観図である。
【
図4】
図1の運搬用台車の台座底部のキャスターが取付けられるコーナー部分を拡大して示した図である。
【
図5】キャスターを固定するストッパーの下部側の外観図(A)と後方側の外観図(B)である。
【
図6】
図4に示された台座底部に設けたキャスター取付け部のキャスターガイド部にキャスターの座板を挿入した状態の外観図である。
【
図7】
図6の状態からストッパーをストッパー装着部のストッパーガイド部に挿入した状態の外観図である。
【
図8】
図7の状態からストッパーを変位操作して固定した状態の外観図である。
【
図9】(A)は
図7に示した状態におけるストッパーの係合状態を示す要部破断外観図、(B)は
図8に示した状態におけるストッパーの係合状態を示す要部破断外観図である。
【
図10】(A),(B)はストッパーの係合突部がストッパー装着部の被係合部に係合する過程を示した図である。
【
図11】ストッパーをストッパー装着部に固定した状態のストッパーの係合突部と
ストッパー装着部の被係合部の要部断面を示した図である。
【
図12】ストッパーでキャスターを固定する従来の運搬用台車における、A)は台座とキャスターを分離した状態の要部断面図、(B)はキャスターを台座に固定した状態の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1及び
図2は本発明の一実施形態の運搬用台車の上部側と底部側の外観をそれぞれ示している。
【0013】
図示されるように、この運搬用台車1は、平面視方形状の台座2の底部四隅に各々キャスター3,3,3,3が取付けられており、台座2上に荷物を載せた状態でキャスター3を滑動させて移動することができるように構成してある。そして、四つのキャスター3,3,3,3の内、台座2の対向短手二側辺の一方の短手側辺の左右近傍に取付けられたキャスター3,3は、そのハウジング31の内部に制動機構(図示せず)を具備したものであり、台座2の当該短手側辺の縁部に取付けられたフットペダル4の変位操作をリンク機構5及びロッド6を介して制動機構に伝達することで制動機構を作動させ、キャスター3にブレーキを掛けたりブレーキを解除したりすることで、運搬用台車1の移動を制御することができるように構成してある。
また、本形態の運搬用台車1は、その台座2が、その上面側の合成樹脂製の上枠材21と底面側の同じく合成樹脂製の下枠材22を一体に重ね、且つ保温や保冷が必要な荷物や物品の運搬に適するように、両枠材の間に、合成樹脂製の断熱材23を台座2の内部全体に挿入して形成してある(
図9参照)。
【0014】
台座2の底部に取付けられた各キャスター3は、
図3に示されるように、支持金具であるハウジング31でゴム車輪32を保持した標準中荷重用キャスターであり、各々ハウジング31の上端に設けられた座板33を、台座2の底部に設けられたキャスター取付け部7に挿入支持させ、さらに、キャスター取付け部7に隣接して設けられたストッパー装着部8にストッパー9を装着することで、台座2に固定されるように構成してある。
【0015】
詳しくは、
図4に示されるように、キャスター取付け部7とストッパー装着部8は、台座2の底部の四隅コーナー部に、キャスター取付け部7を底部の内方側、ストッパー装着部8をキャスター取付け部7に隣接した底部の外方側に連ねて設けられ、台座2の側部外方からキャスター3とストッパー9をキャスター取付け部7とストッパー装着部8に順次挿入し装着して取付けることができるように形成してある。
【0016】
同図に示されるように、キャスター取付け部7は、台座2の底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に水平に折れた一対のキャスターガイド部71,71と、台座2の底板から下方へ突出していて両キャスターガイド部71,71間に並設された複数のリブ72と、両キャスターガイド部71,71の台座底部の内方側の端部に設けられた係止突部73とを備えて形成してある。
キャスター取付け部7は、台座2の側部外方からキャスター3をその座板33を両キャスターガイド部71,71内にスライド挿入すると、座板33の上面がリブ72の上端に載って支持されて、当該座板33の前後端部が両キャスターガイド部71,71の鉤型に折れた端部上面に係合するとともに、座板33の台座底部内方側の側端部が係止突部73に係止して、キャスター3が両キャスターガイド部71,71と座板33との係合位置に保持されるように設けてある。
【0017】
また、ストッパー装着部8は、前述の通り、キャスター取付け部7の外側に連ねて一体に設けられており、台座2の底部から下方へ突出して先端が向かい合わせに鉤型に水平に折れた一対のストッパーガイド部81,81と、両ストッパーガイド部81,81の鉤型に折れた先端部に設けられた被係合部82,82を備えて形成してある。被係合部82,82は、両ストッパーガイド部81,81の先端部分に、後述するストッパー9の係合突部94を構成するロックピン94aを挿入して係合する孔部82aと、同じく位置決め用突部94bが挿入して係合する長孔部82bを形成して設けてある。
ストッパー装着部8は、台座2の側部外方からストッパー9を両ストッパーガイド部81,81内にスライド挿入すると、両ガイド部でストッパー9の両端部の位置が規制されて、両被係合部82,82が面する空間内に嵌り込み、そのままストッパー9を下方へ変位させると、両被係合部82の孔部82aと長孔部82bに
ストッパー9のロックピン94aと位置決め用突部94bが係合して、ストッパー9が台座2の底部に固定されるように設けてある。
【0018】
ストッパー9は、合成樹脂製のブロック体であり、
図5に示されるように、一側にストッパー9をストッパー装着部8に取付けたときにストッパー装着部8の台座2の側部に開口した開口面を閉鎖する枠部91、他側にキャスター取付け部7に保持されたキャスター3の座板33の外側端部に当接して座板33を係止する係止部92を有するとともに、枠部91と係止部92の間の下部中央に、ストッパー9を手で掴んで操作するための把持部93を設け、把持部93の両側にストッパー装着部8の被係合部82に係合する下方へ突出した係合突部94,94を配置して形成してある。
係合突部94は、ストッパー装着部8の被係合部82の孔部82aに挿通して係合する、先端を先細りテーパ鈎状に形成されたロックピン94aと、被係合部82の長孔部82bに挿通して係合する、平面視コ字形に屈曲して突出した位置決め用突部94bからなり、
図5(A)に示されるように、ロックピン94aは前記係止部92の内面から突出したアーム部94cの先端から下方へ突出させてあり、アーム部94cが上下又は左右方向へ撓む範囲でロックピン94aが弾性変位することで、前記被係合部82の孔部82aへの係合操作がスムーズに行えるように形成してある。また、アーム部94cの下面にはロックピン94aに並設させて下方へ突出した突部94dを設けてある。
【0019】
このように構成された本形態の運搬用台車1では、以下の操作により、台座2にキャスター3を取付けることができる。
【0020】
先ず、
図6に示されるように、台座2をその底部を上向きにした状態で、キャスター3をキャスター取付け部7に取付ける。
キャスター3の取付けは、台座2の側部外方からキャスター3をその座板33をキャスター取付け部7の両キャスターガイド部71,71内にスライド挿入させ、座板33の上面をリブ72の上端に載せて支持させることにより行なうことができる。両キャスターガイド部71,71間にキャスター3を挿入した状態で、座板33の前後端部が両キャスターガイド部71,71の鉤型に折れた端部上面に係合し、座板33の台座底部内方側の側端部が係止突部73に係止して、キャスター3が両キャスターガイド部71,71と座板33との係合位置に保持される。
【0021】
次いで、
図7に示されるように、ストッパー装着部8にストッパー9を挿入する。
ストッパー9の装着は、台座2の側部外方からストッパー9をストッパー装着部8の両ストッパーガイド部81,81内にスライド挿入させて、ストッパー9の枠部91を除いた全体を、両ストッパーガイド部81,81間に嵌め入れることにより行なうことができる。ストッパー9をストッパー装着部8内に嵌め入れた状態で、
図9(A)に示されるように、枠部91がストッパー装着部8の開口面の下側の台座2の側面に重なり、ストッパー装着部8の被係合部82の孔部82aと長孔部82bの下側に、ストッパー9の係合突部94のロックピン94aと位置決め用突部94bが位置する。
【0022】
そして、ストッパー9の把持部93を掴んでストッパー9を上方へ引き上げれば、
図8及び
図9(B)に示されるように、枠部91がストッパー装着部8の開口面の縁部に乗り上げて当該開口面を閉鎖するとともに、ストッパー装着部8の被係合部82の孔部82aにロックピン94aが、長孔部82bに位置決め用突部94bがそれぞれ挿通して係合し、ストッパー9が台座2に取付けられる。
【0023】
ストッパー9を取付ける際、
図10(A)に示されるように、ストッパー9のロックピン94aはストッパーガイド部81に設けた孔部82aの下方に位置しており、ストッパー9をそのまま引き上げれば、ロックピン94aの先端部が孔部82aに入り込みつつロックピン94a及びアーム部94が適度に撓んで、同図(B)に示されるように、ロックピン94aの先端部が孔部82a内面をスライドして孔部82aの上方へ貫通し、孔部82aの周縁にロックピン94aを係合させることができる。
また、
図11に示されるように、ロックピン94aが孔部82aに係合した状態で、ロックピン94aに隣接させて設けた突部94dが、被係合部82の下部から僅かな隙間を空けて配置されるので、ロックピン94aの下方への変位が孔部82aの縁部にロックピン92aの鈎状の先端が当たることで、また、上方への変位が被係合部82の下部に突部94dが当たることで規制され、台座2に取付けられたストッパー9が、台座2が上下方向に振動することで取りは外れることはない。また、被係合部82の長孔82bに位置決め用突部94bが係合して、ストッパー9の前後左右方向への変位が規制されるので、台座2が前後左右方向に振動することによってもストッパー9が台座2から取りは外れることはない。
【0024】
台座2にストッパー9を取付けた状態で、キャスター3は、その座板33の周囲端部のうち、一の対向側端部がキャスター取付け部7のキャスターガイド部71,71にそれぞれ係合し、他の対向側端部がキャスター取付け部7の係止突部73とストッパー9の係止部92にそれぞれ係止して台座2の底部に固定される。
【0025】
本形態の運搬用台車1によれば、キャスター3は、その座板33の周囲端部が、これを囲うキャスターガイド部71,71などに係止して固定されるので、運搬用台車1を任意に滑走させても、ガタつきを起こすことなく台座2の底部に堅牢且つ確実に取付けておくことができ、また、キャスター3の座板33とストッパー9を含む台座2の表面部分との接触面積が極めて小さいため、キャスター3から台座2への熱伝導を極めて少なくすることができ、台座2に載せて運搬する荷物や物品への伝熱の影響を最小限に抑えることが可能である。
【0026】
なお、図示した形態は本発明の一例であり、本発明の運搬用台車はこれに限定されず、他の適宜な形態で構成することが可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 運搬搬用台車、2 台座、3 キャスター、33 座板、4 フットペダル、5 リンク機構、6 ロッド、7 キャスター取付け部、8 ストッパー装着部、9 ストッパー