(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記循環ラインから前記分配ラインを介した前記回収ラインへ流入する液の温度を、前記処理部で基板を処理する際に基板に供給される処理液の温度より高温にするヒータをさらに備えた、請求項1記載の基板液処理装置。
基板を処理液にて処理する少なくとも1つの処理部と、処理液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンク内から処理液を取り出し、前記貯留タンクに戻す循環ラインと、前記循環ラインから分岐して、前記処理部に処理液を供給する分岐供給ラインと、前記処理部で基板に供給された後の処理液を、前記貯留タンクに戻す回収ラインと、前記循環ラインと前記回収ラインとを接続する分配ラインと、前記分配ラインに介設され、回収ラインへの液の流入を遮断可能な開閉弁と、を備えた基板液処理装置において、前記回収ラインを洗浄する洗浄方法において、
(a)前記貯留タンク及び前記循環ラインにある処理液を排出する工程と、
(b)前記工程(a)の後に、前記貯留タンク及び前記循環ラインに洗浄液を供給し、前記洗浄液を前記貯留タンク及び前記循環ラインに循環させるとともに前記循環ラインを循環している洗浄液の一部を前記分配ラインを介して前記回収ラインに導入して前記回収ラインを洗浄する工程と、
を備えた基板液処理装置の洗浄方法。
基板を処理液にて処理する少なくとも1つの処理部と、処理液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンク内から処理液を取り出し、前記貯留タンクに戻す循環ラインと、前記循環ラインから分岐して、前記処理部に処理液を供給する分岐供給ラインと、前記処理部で基板に供給された後の処理液を、前記貯留タンクに戻す回収ラインと、前記循環ラインと前記回収ラインとを接続する分配ラインと、前記分配ラインに介設され、回収ラインへの液の流入を遮断可能な開閉弁と、を備えた基板液処理装置において、当該基板液処理装置の動作を制御するコンピュータからなる制御装置により実行可能なプログラムを記憶する記憶媒体であって、前記プログラムが前記コンピュータにより実行されると、前記制御装置が、前記基板液処理装置に請求項6から10のうちのいずれか一項に記載の洗浄方法を実行させることを特徴とする記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、好適な実施形態について説明する。
【0012】
図1に示すように、基板液処理装置は、処理液循環システム10と、処理液循環
システム10内を循環する処理液を用いて半導体ウエハ等の被処理基板(以下単に「基板W」と呼ぶ)を処理する処理ブロック20と、処理ブロック20から排出された処理液を処理液循環システム10に戻して再利用するための処理液回収システム30を備えている。
【0013】
処理液循環システム10は、処理液を貯留する貯留タンク11と、貯留タンク11に両端が接続された循環ライン(循環管路)12を有している。循環ライン12には、貯留タンク11から出て上流側から順に、処理液を加熱するヒータ13と、処理液を送る循環ポンプ14と、処理液中に含まれるパーティクル等の汚染物質を除去するフィルタ15と、循環ライン12を流れる処理液の流量を計測する流量計18Aが順次介設されている。循環ライン12には、さらに、後述する接続領域12aの下流側に、定圧弁18Bが介設されている。
【0014】
循環ライン12には、この循環ライン12をガスパージするための循環ラインパージ機構16が設けられている。循環ラインパージ機構16は、フィルタ15の下流側において循環ライン12に介設された開閉弁16aと、パージガス供給源としてのN
2ガス(窒素ガス)供給源16bと、開閉弁16aの下流側の第1位置12bにおいて循環ライン12に接続されたパージガス供給ライン16cと、パージガス供給ライン16cに介設された開閉弁16dとを有している。さらに、循環ラインパージ機構16は、循環ライン12の後述する接続領域12aより下流側であってかつ貯留タンク11よりも少し上流側の位置において循環ライン12に介設された開閉弁16eと、開閉弁16eの上流側の第2位置12cにおいて循環ライン12に接続されたドレンライン16fと、ドレンライン16fに介設された開閉弁16gとを有している。
【0015】
フィルタ15には、循環ライン12を流れる処理液に含まれる気泡を除去するためのガス抜きライン17が接続されており、ガス抜きライン17は貯留タンク11に接続されている。ガス抜きライン17には開閉弁17aが介設されている。貯留タンク11には、ドレンライン19が接続されており、ドレンライン19には開閉弁19aが介設されている。
【0016】
処理ブロック20内には、互いに同じ構成を有する複数の処理ユニット21が設けられている。処理液循環システム10の循環ライン12の一部が処理ブロック20内を通っている。循環ライン12の処理ブロック20内にある接続領域12aにおいて、各処理ユニット21に処理液を供給する分岐ライン22が循環ライン12に接続されている。分岐ライン22が接続される接続領域12aは、循環ラインパージ機構16のパージガス供給ライン16cが接続される第1位置12bの下流側であって、かつ、循環ラインパージ機構16のドレンライン16fが接続される第2位置12cの上流側にある。
【0017】
分岐ライン22には、開閉弁23および流量調整弁24が介設されている。分岐ライン22は処理液供給ノズル25に接続されており、処理液供給ノズル25から基板保持部26により保持された基板Wに制御された流量で処理液が供給され、これにより基板Wに対して洗浄処理あるいはウエットエッチング処理等の所定の液処理が施される。
図1には4つの処理ユニット21が表示されているが、処理ブロック20内に設けられる処理ユニット21の数は任意である。
【0018】
各処理ユニット21には、処理液供給ノズル25から吐出されて基板の処理に供された後に基板から飛散する処理液を受け止める回収カップ27が、基板保持部26の周囲に設けられている。回収カップ27により回収された処理液は、回収カップ27の底部に接続された液排出ライン28を通って回収カップ27から排出される。液排出ライン28は、後述する回収ライン31から分岐する分岐回収ラインとみなすこともできる。
【0019】
処理液回収システム30は、回収ライン31と、回収ライン31に介設された回収タンク32と、回収タンク32の下流側において回収ライン31に介設された戻しポンプ33と、を備えている。回収ライン31の下流端は貯留タンク11に接続されている。戻しポンプ33は、回収タンク32に回収された処理液を貯留タンク11に送る。各処理ユニットの液排出ライン(分岐回収ライン)28は、回収タンク32の上流側において回収ライン31に接続されている。
【0020】
各処理ユニット21の液排出ライン28から分岐排液ライン29が分岐している。各分岐排液ライン29は、工場廃液系に接続された排液ライン29Aに合流する。液排出ライン28に開閉弁28aが介設され、分岐排液ライン29に開閉弁が介設されている。これらの開閉弁28a,29aを切り換えることにより、処理ユニット21から液排出ライン28に流出した処理液が、そのまま液排出ライン28を流れて回収ライン31に流入する状態と、分岐排液ライン29に流入する状態とを切り換えることができる。各処理ユニット21から液排出ライン28に流出する処理液には回収が望まれないものもあ
る。これには例えば前工程の純水リンス処理で使用された純水で過度に希釈されてしまった処理液、洗浄処理の初期に排出される汚染物質を多く含む処理液
が該当する。そのような処理液は分岐排液ライン29に廃棄される。
【0021】
接続領域12aの上流側の第3位置12dにおいて、循環ライン12から分配ライン60が分岐している。分配ライン60は、循環ライン12を流れる液(特に後述する洗浄用の処理液)が、回収ライン31の最も上流側に接続された液排出ライン28が回収ライン31に接続されている位置あるいはそれよりも上流側から回収ラインに流入するように、回収ライン31に接続されている。分配ライン60には、上流側から順に、開閉弁61及び流量制御弁62が介設されている。
【0022】
基板液処理装置にはさらに、処理液循環システム10に交換用または補充用の処理液を供給するための処理液補給装置40を備えており、この処理液補給装置40は、処理液供給源41と、処理液供給源41と処理液循環システム10の貯留タンク11を接続する処理液供給ライン42と、処理液供給ライン42に介設された開閉弁43とを有している。処理液供給源41の構成は任意であ
る。処理液供給源41は、例えば、貯留タンク11に補充すべき処理液を貯留する補給タンク(図示せず)と、処理液の原料液(例えば、処理液が希釈薬液である場合には、濃い薬液と希釈液としての純水)を補給タンクに供給する手段(図示せず)
と、補給タンクから処理液供給ライン42に処理液を送り出す手
段(例えばポンプ
)と、を備えたものとすることができる。
【0023】
基板液処理装置には複数種類の処理液を用いて基板の処理をするものもあ
る。このような場合には、処理ブロック20の各処理ユニット21に複数の処理液供給ノズル25が設けられるとともに、処理液循環システム10、処理液回収システム30および処理液補給装置40が必要に応じて複数設けられる。なお、処理液には貯留タンク11に戻すことができない種類のものもあり、その場合には、回収ライン31は工場排液系に直接接続されるドレンラインとして設けられ、回収タンク32及び戻しポンプ33は設けられない。
図1には、基板液処理装置の構成要素のうち、回収して再利可能な一種類の処理液の供給及び回収に関与するものだけが示されている。
【0024】
基板液処理装置は、制御装置100を備える。制御装置100は、たとえばコンピュータであり、制御部101と記憶部102とを備える。記憶部102には、基板液処理装置において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部101は、記憶部102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板液処理装置の動作を制御する。
【0025】
かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置100の記憶部102にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0026】
次に、上記基板液処理装置の運用について説明する。
【0027】
基板液処理装置の通常運転時には、開閉弁16a、16eが開いた状態で、循環ポンプ14により循環ライン12内を処理液が循環している。この処理液循環時には、開閉弁19a,16d,16g,17aは閉じており、また分配ライン60の開閉弁61も閉じている。すなわち、通常運転時には、循環ライン12から分配ライン60を介して回収ライン31に処理液は供給されていない。ヒータ13が必要に応じて処理液を適当な温度に維持する。処理液中に含まれるパーティクル等の汚染物質は、フィルタ15により除去される。必要に応じて、各処理ユニット21に対応する分岐ライン22を介して循環ライン12から処理液が送り込まれて、基板Wの液処理が行われる。基板Wの液処理は、制御装置100の制御の下で行われる。
【0028】
また、通常運転時には、各処理ユニット21において基板Wの処理に供された処理液が、対応する液排出ライン28から排出される。排出された処理液は、回収ライン31に流入し、回収タンク32に貯留される。回収タンク32に貯留された液は、必要に応じて、戻しポンプ33を駆動することにより貯留タンク11に送られる。上記の通常運転時の動作は、記憶部102に記憶された処理レシピに基づいて制御部101が基板液処理装置の各機能部品を制御することにより実行される。
【0029】
基板液処理装置の通常運転時において処理ユニット21少なくともいずれか一つで液処理が行われているときに、
分配ライン60の開閉弁61を開いて循環ライン12を流れる処理液の一部を、分配ライン60を介して回収ライン31に流してもよい。こうすれば、
回収ラインの上流側から清浄な処理液を流すことにより回収ラインが洗浄され、回収ライン31が汚染物質によって汚染されることを防止することができる。
また、いずれの処理ユニット21においても液処理が行われていないときに、循環ライン12を流れる処理液の一部または全部を回収ライン31に流してもよく、こうすることでも回収ライン31が汚染物質によって汚染されることを防止することができる。
【0030】
次に、処理液を交換する場合の手順について
図2に示すフローチャートも参照して説明する。以下の処理液交換作業の手順は、記憶部102に記憶されている処理液交換レシピに基づいて、制御装置100の制御の下で自動的に行うことができる。
【0031】
処理液交換の際には、処理ユニット21への基板Wの搬入が中止される。全ての処理ユニット21において基板Wの処理が終了し基板Wの搬出が完了すると
図2に示すフローが開始される。
【0032】
処理液交換作業は、
図2のフローチャートに示すステップS1〜S3からなる配管洗浄工程と、ステップS4〜S6からなる液交換工程とから構成される。まず、配管洗浄工程を実行するか否かを判断する。配管洗浄工程を実行する場合はステップS1に進み
、配管洗浄工程を行わない場合にはステップS4に進む。
【0033】
<配管洗浄工程>
[処理液排出工程]
まず、ドレンライン19の開閉弁19aを開き、貯留タンク11内の液を排出する。次に、開閉弁19aを開いた状態のまま、循環ポンプ14を作動させて、貯留タンク11から循環ポンプ14までの区間の循環ライン12内にある液を循環ポンプ14の下流側に追い出す。このステップS1は、循環ポンプ14の上流側の循環ライン12が空になり、循環ポンプ14が液をポンプ送りしない状態(空打ち状態)になるまで循環ポンプ14の運転を継続することにより行う(以上ステップS1)。
【0034】
[ガスパージ工程]
処理液排出工程の直後には、液流れ方向に関して循環ポンプ14から貯留タンク11までの間の区間の循環ライン12内に液が残っている。これを排出するため、N
2ガスパージを行う。まず、循環ライン12に介設された開閉弁16aおよび開閉弁16eを閉じ、パージガス供給ライン16cに介設された開閉弁16dおよびドレンライン16fに介設された開閉弁16gを開く。これにより、N
2ガス供給源16bからパージガス供給ライン16cを介して循環ライン12にN
2ガスが流れ込み、循環ライン12を流れた後、ドレンライン16fから排出される。このN
2ガスの流れに乗って、第1位置12bから第2位置12cまでの間の区間における循環ライン12内にある液がドレンライン16fから強制的に排出される。
【0035】
このガスパージ工程の終了間際に(例えば終了の5秒前から終了までの間に)、開閉弁16gに加えて開閉弁16eを開く。これによって、貯留タンク11への汚染物質の流入を最小限に抑制しつつ、循環ライン12の第2位置12cから貯留タンク11までの間の区間にある液を抜くことができる(以上ステップS2)。
【0036】
[温調循環洗浄工程]
次に、循環ライン12の開閉弁16aおよびドレンライン16fの開閉弁16gが開状態とされ、循環ライン12の開閉弁16e、パージガス供給ライン16cの開閉弁およびドレンライン19の開閉弁19aが閉状態とされる。この状態で、処理液供給ライン42の開閉弁43が開かれ、処理液供給源41から貯留タンク11内に、洗浄液として、所定量の処理液(具体的には、例えば、処理ユニット21で基板の処理に用いる薬液と同じ薬液)が供給される。ここで、
貯留タンク11内に供給する処理液の量は、処理液を循環ライン12に支障無く循環させるために必要な最小限の量、あるいはそれよりやや多い量とすることが好ましい。具体的には、貯留タンク11の液位が、例えば、通常運転時における貯留タンク11内の処理液の液位の1/4〜1/2程度の液位となるような量の処理液が、貯留タンク11に供給される。
【0037】
貯留タンク11内に処理液が所定量貯留されたことが貯留タンク11に付設された液位センサ11aにより検出されたら、処理液供給源41からの処理液の供給を停止し、循環ポンプ14を駆動して循環ライン12内に処理液を循環させる。また、ヒータ13により循環ライン12を循環する処理液を加熱して所定温度に維持する。このときの処理液の温度は、処理ユニット21で
基板Wに供給されるときの温度が25℃とすると、それよりも高い温度、例えば40℃とする。
処理液を処理時の温度より高温として用いる理由は、汚染物質をより効率良く除去できるからである。
【0038】
またこのとき、それまでずっと閉じていた分配ライン60の開閉弁61を開くとともに流量
制御弁62を所定の開度に調節し、循環ライン12内を流れる温められた処理液の一部が、分配ライン60を通って回収ライン31に流入させる。そして、回収ライン31の戻しポンプ33を駆動し、回収タンク32内にある処理液が貯留タンク11に戻るようにする。すなわち、循環ライン12から流入した処理液が回収ライン31を連続的に流れるようにする。
【0039】
循環ライン12内を循環する温められた処理液(薬液)により、循環ライン12(貯留タンク11を含む)及び循環ライン12に介設された各種機器(ヒータ、ポンプ、流量計、各種弁等)の接液面に付着した汚染物質が効率良く除去される。特に、フィルタ15内にトラップされたゲル状成分(フィルタ詰まりの主要な原因物質)が温められた処理液により溶かされ、循環ライン12内に流出する。すなわち、温められた薬液をフィルタ15に流すことにより、フィルタ15のクリーニングを行うこともできる。
【0040】
背景技術の項で先に述べたように、基板処理システムの通常運転中には、回収ライン31及び回収ライン31に介設された各種機器の接液面に汚染物質が付着ないし堆積しやすい。このような汚染物質も、分配ライン60を通って回収ライン31に流入する温められた処理液(薬液)により効率良く除去される。除去された汚染物質は貯留タンク11に流入する。貯留タンク11に流入した汚染物質は循環ライン12に流出するが、当該汚染物質のうち可溶性成分はそのまま循環ライン12を循環し続け、不溶性成分はフィルタ15によりトラップされる。(以上ステップS3)
【0041】
なお、ガス抜きライン17にも、古い処理液が存在するため、温調循環洗浄工程(ステップS3)が実行されている時間のうちの少なくとも一部において、開閉弁17aを開いて、ガス抜きライン17を薬液にて洗浄することが好ましい。
【0042】
上記温調循環洗浄工程を実施している間、各分岐ライン22の開閉弁23を開き、処理液供給ノズル25からダミーディスペンスを行ってもよい。なお、「ダミーディスペンス」とは、通常は、ホームポジション(回収カップ27の外側の待機位置)に処理液供給ノズル25を位置させて、回収カップ27の外側に設けられた液受け(図示せず)に向けて処理液を吐出させることを意味する。通常は、上記の液受けが受けた処理液は工場廃液系に廃棄される。ダミーディスペンスを行うことにより、分岐ライン22及び処理液供給ノズル25の処理液吐出路内を洗浄することができる。
【0043】
上記温調循環洗浄工程を実施している間、各処理ユニット21のダミー運転を行うことにより、処理ユニット21特に回収カップ27及び液排出ライン28(排液管)の内部を洗浄してもよい。ダミー運転は、例えば、ダミー基板(好ましくは処理液に対して反応性の無い材料から製造されたもの)を用いて、通常の基板Wの処理と同様にして処理液供給ノズル25から当該ダミー基板に処理液を供給することにより行うことができる。このときには、各分岐ライン22の開閉弁23を開いて、循環ライン12を流れる温調された処理液を処理液供給ノズル25からダミー基板に供給する。ダミー基板に供給された処理液は回収カップ27及び液排出ライン28の内面に堆積ないし付着した汚染物質を除去する。除去された汚染物質は回収ライン31に流出し、分配ライン60から回収ライン31に流入してきた処理液と一緒に下流側に流れる。
【0044】
<液交換工程>
[処理液排出工程]
上記循環洗浄工程を実施した後、循環ポンプ14を停止する。そして再び、上記ステップS1と同じ手順を実行する(以上ステップS4)。上述の配管洗浄工程を行わずにステップS4からフローを開始する場合においても、ステップS4の内容は上述したステップS1と同じである。
【0045】
[ガスパージ工程]
次に、上記ステップS2と同じ手順を実行する(以上ステップS5)。上述の配管洗浄工程を行わずにステップS4からフローを開始する場合においても、ステップS5の内容は上述したステップS2と同じである。
【0046】
[処理液循環工程]
次に、循環ライン12の開閉弁16aおよびドレンライン16fの開閉弁16gが開状態とされ、循環ライン12の開閉弁16eパージガス供給ライン16cの開閉弁およびドレンライン19の開閉弁19aが閉状態とされる。液交換工程(ステップS4〜S6)の前に配管洗浄工程(ステップS1〜S3)を行っているのであれば、温調循環洗浄工程(ステップS3)において開いた分配ライン60の開閉弁61は、遅くともこの時点まで閉じることが好ましい。この状態で、処理液供給ライン42の開閉弁43が開かれ、処理液供給源41から貯留タンク11内に所定量の処理液(処理ユニット21で基板を処理するための処理液、例えば薬液)が供給される。このときには、貯留タンク11内に処理液の液位が、基板処理システムの通常運転時の液位となるまで貯留タンク11に処理液を供給する。
【0047】
貯留タンク11内に所定量の処理液が貯留されたことが検出されたら、処理液供給源41からの処理液の供給を停止し、循環ポンプ14を駆動して循環ライン12内に処理液を循環させる。また、ヒータ13により、循環ライン12内を流れる処理液の温度を、処理ユニット21で
基板Wを処理する際の温度と同じ温度(例えば25℃)となるように温調する。なお、循環ポンプ14の駆動開始及び温調開始は、貯留タンク11内の液位が所定液位に達する前から開始してもよい。なお、この温調循環工程においても、貯留タンク11、循環ライン12および循環ライン12に介設された機器の接液面が新しい処理液によりさらに洗浄され、除去された汚染物質はフィルタでトラップされる。(以上ステップS6)
【0048】
貯留タンク11及び循環ライン12を含む循環系を循環する処理液の温度が所定の温度で安定したら、任意の時点で処理ユニット21での
基板Wの処理を開始することができる。以上にて、一連の処理液交換手順が終了する。なお、ステップS6の終了時点において、循環ライン12内のパーティクルレベルが十分に低くない場合には、ステップS4からステップS6を再び行ってもよい。
【0049】
上記実施形態によれば、循環ライン12を流れる液を分配ライン60を介して回収ライン31に導入できるようにしたため、循環ライン12に洗浄液を循環させて循環ライン12及びそこに介設された機器を洗浄しているときに、回収ライン31及びそこに介設された機器を同時に効率良く洗浄することができる。しかも、追加する部品は分配ライン60を構成する配管材、管継手及び弁61,62のみであるので、非常に低コストで上記機能を実現することができる。
【0050】
また、上記実施形態によれば、処理ユニット21で基板Wを洗浄する際に用いられる処理液を加温して洗浄液として用いるため、汚染物質を効率良く除去できる。とりわけ、フィルタ15にトラップしたゲル状物質を溶解することができるので、フィルタのクリーニングを行うこともできる。洗浄効率は、例えば純水あるいは温純水を洗浄液として用いた場合と比較して大幅に向上する。また、洗浄液を排出した後に、新しい処理液を供給する前に、余分な工程(例えば純水によりフラッシングを行い洗浄液を循環ライン12から除去する工程)を実施する必要がなく、短時間で効率良く一連の処理液の交換を行うことができる。
【0051】
また、回収ライン31を適宜洗浄することにより、回収ライン31に多量の汚染物質が堆積ないし付着することが防止されるので、予期せぬタイミングでのフィルタトラブルやパーティクルレベルの急上昇を未然に防止することができる。
【0052】
ステップS4〜S6を実行する前に、例えば純水を洗浄液として用いた循環ライン12のフラッシングを行ってもよく、この場合、貯留タンク
11に純水を供給する純水供給装置が設けられる。
【0053】
液交換工程(ステップS4〜S6)は定期的に実行される。配管洗浄工程を液交換工程の前に行っているので、配管洗浄のためだけに基板の処理を止める必要がなくなる。したがって基板の処理を止める回数を減らすことができ、装置稼働率の低下を防止することができる。配管洗浄工程を、液交換工程を実行する度に行ってもよいし、所定の回数毎に行ってもよい。配管洗浄工程の実行タイミングは、配管の汚れ具合によって適宜決定される。