(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386476
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】閉断面用補強要素及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B60J 5/00 20060101AFI20180827BHJP
B29C 65/48 20060101ALI20180827BHJP
B29C 65/56 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
B60J5/00 P
B29C65/48
B29C65/56
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-553078(P2015-553078)
(86)(22)【出願日】2014年1月16日
(65)【公表番号】特表2016-505449(P2016-505449A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】EP2014050828
(87)【国際公開番号】WO2014111480
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年12月27日
(31)【優先権主張番号】13151903.5
(32)【優先日】2013年1月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】バンサン ビルペール
(72)【発明者】
【氏名】ローラン オリー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ニクゲマン
【審査官】
岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/053773(WO,A2)
【文献】
特開昭64−069308(JP,A)
【文献】
特開2004−341199(JP,A)
【文献】
特開2012−121563(JP,A)
【文献】
特表2011−529818(JP,A)
【文献】
特開2001−199362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00
B29C 65/48
B29C 65/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車パネルである構造体(102)によって画定された長軸方向に延在している空洞(C)内に収納されるよう構成されている、以下を具備する補強要素(104):
そこに適用されている結合材料(108、160)を有する、ベース部(106);及び
前記ベース部(106)に対して可動する部材(110、150)であって、前記補強要素(104)が前記空洞(C)内に収納されるときに、前記ベース部(106)から選択的に離れて拡がり、かつ前記ベース部(106)と長軸方向に整列するように構成されており、それにより前記部材(110、150)が前記ベース部(106)に関して第一の位置にある場合には、第一の長さ(L1)を画定し、そして前記部材(110、150)が前記ベース部(106)に関して離れて拡がりかつその長軸方向に整列している第二の位置にある場合には、前記第一の長さ(L1)よりも長い第二の長さ(L1+L2)を画定し、かつ前記ベース部の中央通路内に収納される押出板を具備しており、前記押出板は、前記結合材料(160)を前記中央通路を通って押出すように構成され、ここで前記結合材料(160)は前記中央通路にあらかじめ堆積されている、部材(110、150)。
【請求項2】
前記ベース部(106)に前記部材(110)を固定しているヒンジ(114)をさらに具備しており、それにより前記部材(110)が前記ベース部(106)に関して回転することができるようになっており、前記ヒンジ(114)は、前記部材(110)の第一の端部を前記ベース部(106)の端部に接続し、それにより前記第二の長さ(L1+L2)が、前記部材(110)の長さ(L1)と前記ベース部(106)の長さ(L2)との組み合わせた長さとほぼ同じになっている、請求項1に記載の補強要素(104)。
【請求項3】
前記部材(110)が、前記ヒンジ(114)及び前記ベース部(106)と一体となって形成されている、請求項2に記載の補強要素(104)。
【請求項4】
少なくとも一つの前記部材(110、150)及び前記ベース部(106)が、プラスチック材料で形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
【請求項5】
前記部材(150)が、前記ベース部(106)から選択的に取り外し可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
【請求項6】
前記ベース部(106)が、前記ベース部の外壁を貫通して延在している、少なくとも一つの通路(148)を有する、請求項1に記載の補強要素(104)。
【請求項7】
前記結合材料(108、160)が、構造発泡体及び構造接着剤のうち少なくとも一つを有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
【請求項8】
前記ベース部(106)が、プラスチック材料及び金属材料の一つから構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
【請求項9】
前記ベース部(106)が押出されていることにより、前記ベース部(106)が、前記ベース部(106)の長さ(L2)の少なくとも部分に沿って、所定の断面形状を画定している、請求項1〜8いずれか一項に記載の補強要素(104)。
【請求項10】
前記結合部材(108、160)が、熱に応じて膨張又は硬化するように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
【請求項11】
前記ベース部(106)が、前記第一の長さ(L2)を画定しており、前記第一の長さ(L2)が、前記構造体(102)によって画定される前記第二の長さ(L1+L2+L3)の約20%から60%の間である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
【請求項12】
長軸方向に延在する空洞(C)を画定している構造体(102)、及び前記空洞(C)に収納されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の補強要素(104)を具備する、自動車パネルである補強された構造体。
【請求項13】
自動車パネルである構造体(102)によって画定される、長軸方向に延在する空洞(C)内に収納されるように構成された補強要素(104)を製造する方法(700)であって、以下を含む方法:
そこに適用されている結合材料(108、160)を有するベース部(106)を提供すること;及び
部材(110,150)を前記ベース部(106)に連結すること、
ここで前記部材(110、150)は、前記補強要素(104)が前記空洞(C)内に収納されるときに、前記ベース部(106)から選択的に離れて拡がり、かつ前記ベース部(106)と長軸方向に整列するように構成されており、それにより前記部材が前記ベース部(106)に関して第一の位置にある場合には、第一の長さ(L1)を画定し、そして前記部材が前記ベース部(106)に関して離れて拡がりかつその長軸方向に整列している第二の位置にある場合には、前記第一の長さ(L1)よりも長い第二の長さ(L1+L2)を画定し、かつ前記ベース部の中央通路内に収納される押出板を具備しており、前記押出板は、前記結合材料(160)を前記中央通路を通って押出すように構成され、ここで前記結合材料(160)は前記中央通路にあらかじめ堆積されている。
【請求項14】
請求項13に記載の方法によって得られた補強要素(104)を長軸方向に延在している前記構造体(102)内に挿入することをさらに含む、自動車パネルである補強された構造体(102)の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉断面用補強要素及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用のパネル、例えばドアパネルは、車両重量の要求に適合するように、かつ美的及び製造上の理由による要求に応じてパネルを形成できるように、典型的には比較的薄くなっている。これらのパネルには典型的なサイズ及び略平坦な形状から、それらは変形をうけやすく、そして乗員の適切な保護を与えるために、例えば衝突時において乗員の適切な保護を与えるために、補強を必要とする。
【0003】
したがって、自動車パネルは、追加の構造体部品、例えばブレース又は補強体を用いて補強されることがある。ある公知のブレースは、全体的に開断面を持って形成される構成部分を含んでおり、これによりその中に追加の補強要素を設置することを可能としている。開断面は、追加の補強要素の設置及び適切な配置を可能とするために一般的に利用されており、その場合、特に膨張性材料又は膨張性接着剤を使用して開断面内に補強要素を持続的に保持している。
【0004】
他の手法において、ブレースは、比較的閉じた断面をもって形成されるが、しかしながらアクセスが制限されているため、その断面中での追加の補強要素の組立てを阻害することがあり、それによりこのような組立てを非実用的にしており、特に大量生産を行う環境においてこのような組立てを非実用的にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記の難点を最小化しながら、十分な強固さを提供することができる、改良された補強構造体が必要とされている。
【0006】
典型的な補強要素を、構造体によって画定される長軸方向に延在している空洞中に収納されるように、構成することができる。この補強要素は、結合材料が適用されているベース部、及びベース部に選択的に固定され、かつ膨張可能な補強要素が空洞に収納される場合にはベース部から選択的に離れて延長されるように構成されている部材を含むことができる。したがって、その部材がベース部に対して第一の配置にあるときには、補強要素は第一の長さを画定し、その部材がベース部から離れて延長して第二の配置にあるときには補強要素は第二の長さを画定し、この第二の長さは、第一の長さよりも長い。膨張可能な補強体の選択的に延長する配置は、全体的に閉じた構造体内への膨張可能な補強材の設置を、より簡単かつ正確にすることができる。
【0007】
結合材料が適用されたベース部を提供すること、及びベース部に部材を固定することを含むことができる、例示的な方法がさらに開示されている。その部材は、補強要素が空洞内に収納されるときに、ベース部から選択的に離れて延長するように構成されることができる。したがって、補強要素は全体的に、部材がベース部に対して第一の位置にあるときには第一の長さを画定し、そして部材がベース部から離れて延長した第二の位置にあるときには第二の長さを画定することができ、第二の長さは第一の長さよりも長い。
【0008】
図面を参照すると、例示が詳細に示されている。図面はいくつかの例を表現しているが、図面のスケール通りであることは必須でなく、本発明をさらによく図示及び説明をするために、いくつかの特徴は強調され、排除され、又は部分的に区分されうる。さらに、ここで述べられるこの例示は、網羅的なものではなく、又は図面に示され、かつ後述における詳細な記述において公開された構成及び正確な形態に、請求項を限定し若しくは制限することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】例示である、第一の位置又は短縮された位置にある補強要素の斜視図である。
【
図1B】例示である、第二の位置又は延長された位置にある
図1Aの補強要素の斜視図である。
【
図1C】例示である、
図1A及び
図1Bの補強要素を構造体に挿入しているところの斜視図である。
【
図2A】例示である、補強要素の典型的なベース部の斜視図である。
【
図2B】例示である、結合材料が取り除かれた、
図2Aの典型的なベース部の斜視図である。
【
図3A】例示である、ヒンジのある典型的な補強要素の拡大斜視図である。
【
図3B】例示である、
図3Aに図示されるような第一の位置又は整列した位置から回転した部材を有する、ヒンジのある典型的な補強要素の拡大斜視図である。
【
図3C】例示である、
図3Aに図示される整列した位置から回転して完全に延長された位置又は第二の位置にある部材を有する、
図3A及び
図3Bのヒンジのある典型的な補強要素の拡大斜視図である。
【
図4A】例示である、補強要素を収納するための空洞を画定する、典型的な構造体の斜視図である。
【
図4B】例示である、
図4Aの典型的な構造体の断面図である。
【
図5A】例示である、典型的な補強要素の斜視図である。
【
図5B】例示である、典型的な補強要素の部分的な断面図である。
【
図6A】例示である、典型的な補強要素の部分的な断面図である。
【
図6B】例示である、典型的な補強要素の部分的な断面図である。
【
図7】例示である、典型的な補強要素の製造方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A〜D、
図2A、2B、
図3A〜C、
図4A、及び
図4Bを見てみると、例示による構造アセンブリ100が図示されている。構造アセンブリ100は、細長い又は長軸方向に延在している空洞Cを画定している構造体102を含むことができる。構造体100が、細長い構造体102の一端又は両端のみで開口するように、長軸方向に延在している空洞Cは、全体的に閉断面でよい。しかしながら、以下にさらに記載するように、構造体102内に、いくつかの特徴が供えられていてもよく、例えばベース部106の挿入及び/又は設置を可能にする隙間又は開口部が、構造体102の端部間に備えられていてもよい。
【0011】
また、構造アセンブリ100は、補強要素104を含むことができる。補強要素104は、一般的に、構造体102の空洞Cに収納されるように構成されていてもよい。補強要素104は、一般的に、ベース部106及びベース部106に選択的に固定される部材110を含むことができる。一つの例示において、部材110のベース部に対する選択的な動作を可能とするために、部材110はベース部106から選択的に取り外すことが可能である。他の例において、部材110は、略永続的にベース部106に固定されるが、ベース部106に対して選択的に動くことができ、例えばベース部106に対して回転することによってベース部106に対して選択的に動くことができる。
【0012】
ベース部106は、ベース部106に適用又は固定される結合材料108を有することができる。典型的な結合材料は、単なる例示であるが、下記においてさらに記載されるような接着剤又は加熱下で一般的には膨張及び/若しくは硬化する材料を含むことができる。部材110を、補強要素104が空洞Cに収納される際に、ベース部に固定してもよく、またベース部106から離れて選択的に延長するように、全体的に構成することができる。一つの例示的な方法において、補強要素104は、部材110がベース部106に関して第一の位置にあるときには第一の長さL
1を画定し、部材110がベース部106に関してベース部106から離れて延在する第二の位置にあるときには第二の長さ(長さL
1とL
2の合計によりあらわされる)を画定する。例示において、第二の長さ(L
1+L
2)は、第一の長さ(L
1)よりも長い。それにより、選択的に延長できる部材110は、構造体102内でベース部106を操作することができ、例えば設置時において操作することができる。一つの例において、ベース部106は、構造体102の全長L
1+L
2+L
3の約20%〜約60%である全長L
2を画定する。
【0013】
いくつかの例示的な手法において、空洞C内のベース部106の配置を容易にするために、部材110を、ベース部106から選択的に離れた方向に延長するように全体的に構成することができる。例えば、上述の通り、空洞Cは全体的に細長くてもよく、それにより延長した位置にある部材110でベース部材を操作することのみによって、ベース部106の配置を行うことができる。例えば、
図1B、
図1C、及び
図1Dにおいて最もよく理解できるように、ベース部材110を、補強要素104の全長を増加させるように、選択的に操作することができる。その補強要素104の追加した長さは、その上に配置された結合材料108を含むベース部106を、構造体102の空洞C内の長軸方向に、比較的正確に配置させることを可能とする。
図1B〜
図1Dに示される例示は、補強要素104の選択的な延長を促進するためにベース部106に対して回転可能となっている部材110を全体的に図示しているが、他の例においては、以下においてさらに記載されるとおり、選択的な延長を容易にするために、部材がベース部106から選択的に取り外し可能であってもよい。さらに、部材110を、手で操作し、かつ/又は追加の道具を要さずに操作することによって、ベース部106を配置できる。ベース部106の構造体102への挿入後に、部材110は、構造体102内に留まっていてもよい。
【0014】
次に
図2A及び2Bを見てみると、ベース部106が詳細に図示されている。例示的なベース部106は、複数のつめ又はノッチ130を具備することができる。一般的には、つめ130を用いて、結合材料108をベース部106に保持させることができる。
【0015】
ベース部106は、一つ又は複数の位置決めピン109を具備することができ、例えば
図2A及び2Bに図示されるように、長軸方向に延長するベース部106に対して外側方向に延長する一つ又は複数の位置決めピン109を具備することができる。位置決めピン109は、構造体102内で、ベース部106及び/又は補強要素104の側位を維持するように用いることができる。さらに、位置決めピン109は、空洞C内で構造体102の位置決め穴111に、ベース部106を固定することができる(
図4A、4B参照)。例えば、位置決めピン109は、構造体102内の対応する特徴、例えば位置決め穴111にしっかりと噛み合わさることができ、これによりベース部106を、構造体102の空洞C内で選択的な位置に固定することができる。したがって、ベース部106を、空洞C内に固定することができる。続いて、以下にさらに記載のとおり、結合材料108を膨張し又は硬化することができ、これによりベース部106を空洞C内で略永続的に固定して、構造体102を補強することができる。
【0016】
上述のとおり、補強要素104の全長を選択的に大きくできるように、部材110は、ベース部106に対して選択的に延長可能又は操作可能である。一つの例示的な手法において、部材110を、ベース部106に対してヒンジで連結することができる。例えば、
図1A、
図1B、
図1C、及び
図3A〜
図3Cにおいて最もよく図示されているとおり、部材110とベース部106との間に延びるヒンジ112を与えることができ、これにより部材110が、ベース部106に対してその端部において旋回又は回転することを可能としている。
図3A、3B及び3Cに最もよく示されているように、ヒンジ112は、部材110の端部116とベース部106の端部114との間に延在し、一体となって形成される一体ヒンジを含むことができる。一つの例において、ベース部106、ヒンジ112及び部材110は、一体となって形成されており、例えば射出成形法によって一体となって形成されている。他の例示において、以下にさらに記載のとおり、ベース部106と部材110とは個別に形成されることができる。
【0017】
図3Aに示されているとおり、補強要素104が挿入される構造体102の長軸方向軸A−A(
図4A及び
図4B参照)と部材110とが平行に全体的に整列されるように、部材110は、第一の位置に配置されることができる。部材110がベース部106に対して約180°の角度を形成するように、ヒンジ112は、一般的に、部材110を第二の位置に旋回させることができる。部材110は、第二の位置に旋回された時に、ベース部106と平行になることができる。
【0018】
上述の通り、結合材料108の膨張又は硬化の後、構造体102を全体的にベース部106によって補強することができる。より具体的には、ベース部106を、構造体102に関して構造的に補強する効果を有するいかなる材料から全体的に形成することができる。単なる例として、ベース部106を、プラスチック材料、例えばナイロンのようなプラスチック材料、繊維質材料又は金属質材料、例えばアルミニウム、鋼又はマグネシウムのような金属質材料により形成されることができる。ベース部106は、簡易ないかなる方法によっても形成することができ、例えば、単なる例として、押出、スタンピング、成型によって形成することができる。ベース部106が押出される場合には、ベース部106は、少なくともベース部106の長さの一部分に沿って、一様な断面の形状を全体的に画定することができ、これにより押出工程において、ベース部のその長さの部分を形成することを容易にしている。
【0019】
結合材料108は、膨張可能な発泡体、例えば構造発泡体のような膨張可能な発泡体、又は膨張可能な結合材料若しくは接着材を含むことができる。一つの例示において、結合材料108は、膨張性の支持体100の膨脹後に1〜100MPaの圧縮強度を有する、膨張可能な発泡体である。他の一つの例示において、圧縮強度は2〜25MPaである。さらに、一つの例示においては、結合材料108は10〜400%の膨張率を有する。さらに別の例において、結合材料108の膨張率は50〜200%である。例示的な膨張性材料としては、単なる例示ではあるが、SikaReinforcer−911PB、SikaReinforcer−911NT2、SikaReinforcer−912、SikaReinforcer−940、SikaReinforcer−941、又はSikaReinforcer−955の名称で入手可能な膨張性の補強材料が挙げられる。他の例示的な結合材料としては、構造接着剤、例えばSikaPower−960,SikaPower−961,SikaPower−962,又はSikaPower−963の名称で入手可能な構造接着剤が挙げられる。
【0020】
例示的な結合材料は、例えば加熱によって、膨張可能又は発泡可能であってよい。外部又は内部からの熱源、例えば発熱反応によって反応する、その他の膨張性材料も当然利用可能である。
【0021】
一つの例示において、結合材料108又はその部分は、押出法によって形成される。結合材料108はさらに、全体的に非粘着性であってよく、これにより結合材料108及び/又は補強要素104の取り扱い性を向上させる。これにより、構造体102内の補強要素104の適用及び組立てが比較的に容易となり、そして特別な道具又は機械を用いずに達成できる。
【0022】
他の一つの例示において、下記にさらに記載されるように、結合材料108は膨張性の接着材料又は結合材を含むことができる。例えば、結合材料は、構造体102の中においてベース部106を少なくとも半永続的に固定できるように設計された、膨張性材料、接着剤、及び選択的に活性化される結合材の少なくとも一つを含むことができる。ある例において、結合材料を、加熱により反応するように構成する。代わりに、結合材料を、硬化剤又はその他の結合剤を加えることで活性化することができる。
【0023】
図5A、5B、6A、及び6Bを見てみると、代替的な例示に基づいて、膨張性の補強体のための追加のベース部材106が図示されている。ベース部材106’及び106’’は、それぞれ結合剤又は接着剤を利用して、ベース部材106を収納する構造体102に接着する。結合剤は、ベース部材106’及び106’’を構造体102に全体的に固定し、これにより構造体102を補強する。
【0024】
図5A及び5Bを参照すると、典型的なベース部106’が図示されている。ベース部106’に取り付けられている選択的に可動する部材、例えば上述の部材110は、
図5Aにおいて具体的に図示されていないが、
図5Bに図示される部材110’又はさらに他の任意の装置を用いて、ベース部106’を、構造体102’に最初に挿入することができる。さらに、部材110’をベース部材106’の端部の穴144に一時的に固定するために、コネクタ(
図5A及び5Bに示されていない)を、与えることができる。
【0025】
ベース部106’を構造体102’に挿入する際に、結合剤又は接着剤146はチューブ140を使用してベース部106’の中心又は内側部分146に導入されることができる。さらに具体的には、接着剤はベース部106’の側面の穴142及び/又は終端部の穴144内に供給されてもよい。その後、接着剤は中央部分146を流通し、放射状の通路148から空洞C’に出る。代わりに、結合剤又は接着剤は、ベース部106’内に存在してもよく、その後、部材110’から供給される流体の圧力、例えば空気の圧力によって中央部分146から放射状の通路148を通される。接着剤はこのようにして全体的に構造体102’とベース部106’の隙間を埋め、これにより構造体102’内でベース部106’を全体的に固定し、構造体102’を補強する。
【0026】
図6Aを見ると、他の例示的なベース部106’が図示されている。押動部材150は、ベース部106’’の端部に挿入され、ベース部106’’の中央通路146に隣接する。ヒンジ112がベース部106と部材110と一体となって形成されている上述のヒンジのある部材110とは対照的に、押動部材150は、ベース部106’’から選択的に取り外し可能である。さらに具体的には、押動部材150は、ベース部106’’に挿入される個別の部品として形成されていてもよく、例えば構造体102’’の中でベース部106’’の組み立て直前にベース部106’’に挿入される個別の部品として形成されていてもよい。中央通路146は全体的に、接着剤160で事前に充填される。押動部材150は、その端部に位置する押出板190を含んでいてよい。
図6Aに図示されるように、押出板190はベース部106’’の端部を閉じるように略平坦なプレートであってよく、これによって押出板がベース部材106’’に挿入された際に接着剤160は一般的にベース部材106’’から出ることができない。さらに、ベース部106’’を配置するとき、例えば押動部材150を介してベース部106’’を配置するとき、押動部材150を、中央通路146の奥深くに移動させてもよく、これにより押出板190は、ベース部材106’’から複数の放射状に延びる通路148を通して、接着剤160を全体的に空洞Cに絞り出す。接着剤160は、これによりベース部106’’と構造体102’’の間の隙間に流れ、これによりベース部106’’を構造体102’’の内部表面に固定する。
【0027】
図6Bを見ると、接着剤160を空洞Cに押し出して、ベース部106’’の構造体102’’への固定を促進する代替的な装置と共に、ベース部106’’が図示されている。さらに具体的には、膨張性のコア材料152を、ベース部106’’内に略中心に配置する。コア材料152を、ベース部106’’の全体的に閉じた中心領域内で膨張するように構成することができ、例えば加熱により膨張するように構成することができ、これにより少なくとも一部の接着剤160を、放射状の通路148を通して空洞Cに入れている。接着剤160は、これによりベース部106’’と構造体102’’との間の隙間を全体的に充填し、これによりベース部106’’を構造体102’’の内部表面に固定し、そして構造体102’’を補強する。
【0028】
例示的な接着剤160は、有用な結合材又は粘着性材料を一般的に含むことができる。例示にすぎないが、国際公報第2008/077944号及び対応する米国特許出願公開第2010/0092733号明細書において、多様な例示的な接着剤160が記載されており、それぞれの接着剤160の内容が、これらの参照によって明示的に組み込まれる。例示的な接着剤160は要求される状態に合わせることができる。例えば、要求される機械的特性を具体的に選択することができる。さらに、接着剤160の経年劣化の問題はほとんどなく、輸送、保管又は設置の途中で、性質の喪失が一般的にはない。
【0029】
一つの例示において、硬化剤の添加後及び/又は加熱後に、硬化し又はキャリアの固定を可能とする反応型接着剤を、接着剤160が含んでいてよい。反応型接着剤のために利用できるシステムには広い多様性がある。十分に早い硬化を起こして要求される機械的性質を与えるように、後に使用時に発生する温度に従って、反応型接着剤を選択することができる。例えば、仮に、構造体102及び/又は補強要素104が標準的な塗装乾燥炉に平均温度165〜180℃で、約30分間通過する場合、典型的な一剤エポキシ系構造用接着剤を利用することができる。他の例において、平均温度は165〜180℃であってよく、温度は約140℃から約205℃までであってもよい。他の一つの実施態様において、接着剤160は、50℃までその形状を全体的に維持し、室温において全体的に流動可能又は圧縮可能であり、エレクトロコーティング及び/又は塗装乾燥炉に典型的な温度、例えば自動車の組み立て作業に関連するエレクトロコーティング及び/又は塗装乾燥炉に典型的な温度において硬化し又は固まる一剤加熱硬化性ペーストを含んでいる。さらに、接着剤160は、所定時間中、例えば「オープンタイム」中に、硬化又は反応に抵抗して最終的な組立て場所までの輸送、準備、及び配送を可能にしてもよい。1つの例示において、接着剤160は、少なくとも2時間のオープンタイムを有しており、ある状態においては3カ月より長い時間のオープンタイムを有している。さらに、接着剤160は、約40℃以下において固体であってもよく、かつ/又は指触乾燥していてよく、熱、赤外線又は活性化剤との化学反応によって活性化して、組立て前に流動可能又は圧縮可能なペーストを形成していてもよい。また、接着剤160は、手作業で取り除くことができ又は最後の組立て前に熱により融解する保護フィルムによって、被覆されていてもよい。
【0030】
それゆえ、生産者によって所望される条件に対応した結合材料又は接着剤160を、各場面で選択することが可能である。さらに、キャリア要素の変更なしで、接着剤の性質を、変化する現場製造条件に即座に適合させることができる。例えば、補強部分を当初の計画よりも高い温度で設置する場合、例えば生産工程を簡略化するために補強部分を当初の計画よりも高い温度で設置する場合、対応した温度において硬化する接着剤160を簡単に使用する。
【0031】
接着剤160に使用できる例示的な1剤反応性接着剤は、貯蔵安定性の高いポリマー組成物であり、少なくとも一つの重合反応を行う樹脂A、少なくとも一つの硬化剤B、より詳細にはブロックされた硬化剤、少なくとも一つの添加材D、及びさらに随意にさらなる成分を含むこと、好ましくはさらなる成分としてブロックされた形態で存在するB又はAの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0032】
図7を見ると、補強要素、例えば補強要素(104)の形成の例示的なプロセス700が記載されている。プロセス700は一般的に、ベース部が提供されるブロック702から始められる。例えば、上述の通り、補強される構造体102内にベース部106を固定するために適用された膨張性材料又は接着剤を含むベース部106が提供されてもよい。そして、工程700はブロック704に進む。
【0033】
ブロック704において、部材をベース部に固定することができる。例えば、部材110がベース部106と一体となって形成されている場合に、部材110及びベース部106は、例えば、単なる例示であるが、押出法又は成型法で形成されてよい。代替的に、例えば押動部材150のように、部材がベース部106から別個に形成されている場合、構造体102への設置を容易にするために、押動部材150をベース部106の端部に挿入してよい。
【0034】
ブロック706に進むと、構造体に補強体を挿入することができる。例えば、ベース部106から離れて延在して延長した長さを画定する部材110又は押動部材150を用いて、ベース部106を構造体102内に比較的正確に配置することができる。その後、工程700はブロック707に進む。
【0035】
ブロック707において、上述のある例示的な手法のとおり、接着剤を補強要素内に供給し又はポンプで入れることができる。例えば、上述のような、
図5A、5B、6A、及び6Bのように、接着剤がベース部材106’又は106’’から押し出される例示において、接着剤160は、部材110’によって供給される流圧で押し出され、押動部材150によって押し出され、又は膨張性のコア材料152によって押し出されてよい。
【0036】
ブロック708に進むと、補強要素に付随する結合材料を、硬化又は膨張することができる。例えば、結合材料108を、膨張若しくは硬化し、又は接着剤160を膨張若しくは硬化してよい。結合材料の膨張又は硬化、例えば結合材料108又は接着剤160の膨張又は硬化は、これによって構造体102の中の補強要素104を固定することができる。より具体的には、結合材料の膨張は、ベース部106と構造体102の間の隙間を全体的に充填し、これによってベース部106を構造体102の内部表面に固定し、そして構造体102を補強する。これにより工程700は終了する。
【0037】
「一つの例」、「例」、「一つの実施態様」、「実施態様」についての言及は、例に関連して示されている特定の機能、構造体又は特徴が、少なくとも一つの例に含まれていることを意味する。明細書中の様々な場所にある、「一つの例において」という言葉は、必ずしも毎度同じ例について言及しているのではない。
【0038】
ここに記載したプロセス、システム、方法、経験則等に関して、そのようなプロセス等のステップが、ある順序のシーケンスにより起こるものとして記載されていたとしても、そのようなプロセスは、ここに記載された順序とは異なる順序で実行される記載されたステップで実施されることができることがさらに理解されるべきである。ある種の複数ステップを、同時に実行することができ、他のステップを追加することができ、またここに記載されるある種のステップを省略することができることがさらに理解されるべきである。言い換えると、ここでのプロセスの記載は、ある種の実施形態を例示する目的のために提供されており、請求項に記載された発明に限定するために解釈されるべきではない。
【0039】
したがって、上述の記載は、例示的であり制限的でないことを意図していると理解されるべきである。提供されている例以外の多くの実施態様および応用は、上述の記載を読めば明らかになる。本発明の範囲は、上述の記載の参照なしで決められるべきであるが、代わりに、添付された請求項を参照して、そのような請求項が与えられる均等の全範囲を伴って、決められるべきである。ここに記載される技術が将来発展し、公開されたシステム及び方法がその様な将来の実施態様に組み込まれうることが、予想され、かつ意図されている。要するに、本発明は修正及び変形をすることが可能であり、後述する請求項によってのみ制限されると理解されるべきである。
【0040】
請求項で使用されたすべての用語は、それらの最も広く合理的な解釈及びここでなされた反対の明確な指摘のない限りここに記載された技術の当業者により理解されるそれらの通常の意味が与えられるべきである。特に、原文中の「a」、「the」、「said」等のような単数冠詞の使用は、請求項が反対の明確な限定をしていない限り、1又はそれ以上の支持された要素を記載するものと読まれるべきである。
本発明の態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
構造体(102)によって画定された長軸方向に延在している空洞(C)内に収納されるよう構成されている、以下を具備する補強要素(104):
そこに適用されている結合材料(108、160)を有する、ベース部(106);及び
前記ベース部(106)に対して可動する部材(110、150)であって、前記補強要素(104)が前記空洞(C)内に収納されるときに、前記ベース部(106)から選択的に離れて拡がり、かつ前記ベース部(106)と長軸方向に整列するように構成されており、それにより前記部材(110、150)が前記ベース部(106)に関して第一の位置にある場合には、第一の長さ(L1)を画定し、そして前記部材(110、150)が前記ベース部(106)に関して離れて拡がりかつその長軸方向に整列している第二の位置にある場合には、前記第一の長さ(L1)よりも長い第二の長さ(L1+L2)を画定する、部材(110、150)。
《態様2》
前記ベース部(106)に前記部材(110)を固定しているヒンジ(114)をさらに具備しており、それにより前記部材(110)が前記ベース部(106)に関して回転することができるようになっており、前記ヒンジ(114)は、前記部材(110)の第一の端部を前記ベース部(106)の端部に接続し、それにより前記第二の長さ(L1+L2)が、前記部材(110)の長さ(L1)と前記ベース部(106)の長さ(L2)との組み合わせた長さとほぼ同じになっている、態様1に記載の補強要素(104)。
《態様3》
前記部材(110)が、前記ヒンジ(114)及び前記ベース部(106)と一体となって形成されている、態様2に記載の補強要素(104)。
《態様4》
少なくとも一つの前記部材(110、150)及び前記ベース部(106)が、プラスチック材料で形成されている、態様1〜3のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様5》
前記部材(150)が、前記ベース部(106)から選択的に取り外し可能である、態様1〜4のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様6》
前記部材(150)が、前記ベース部材の中央通路内に収納される押出板を具備しており、前記押出板は、接着剤(160)を前記中央通路に押出すように構成され、ここで前記接着剤(160)は前記中央通路にあらかじめ堆積されている、態様1〜5のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様7》
前記ベース部(106)が、前記ベース部材の外壁を貫通して延在している、少なくとも一つの通路(148)を有する、態様1に記載の補強要素(104)。
《態様8》
前記結合材料(108、160)が、構造発泡体及び構造接着剤のうち少なくとも一つを有している、態様1〜7のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様9》
前記ベース部(106)が、プラスチック材料及び金属材料の一つから構成されている、態様1〜8のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様10》
前記ベース部(106)が押出されていることにより、前記ベース部(106)が、前記ベース部(106)の長さ(L2)の少なくとも部分に沿って、所定の断面形状を画定している、態様1〜9のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様11》
前記結合部材(108、160)が、熱に応じて膨張又は硬化するように構成されている、態様1〜10のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様12》
前記ベース部(106)が、前記第一の長さ(L2)を画定しており、前記第一の長さ(L2)が、前記構造体(102)によって画定される前記第二の長さ(L1+L2+L3)の約20%から60%の間である、態様1〜11のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様13》
前記空洞(C)を画定している前記構造体(102)をさらに具備する、態様1〜12のいずれか一項に記載の補強要素(104)。
《態様14》
構造体(102)によって画定される、長軸方向に延在する前記空洞(C)内に収納されるように構成された前記補強要素(104)を製造する方法(700)であって、以下を含む方法:
そこに適用されている結合材料(108、160)を有するベース部(106)を提供すること;及び
部材(110,150)を前記ベース部(106)に連結すること、ここで前記部材(110、150)は、前記補強要素(104)が前記空洞(C)内に収納されるときに、前記ベース部(106)から選択的に離れて拡がり、かつ前記ベース部(106)と長軸方向に整列するように構成されており、それにより前記部材が前記ベース部(106)に関して第一の位置にある場合には、第一の長さ(L1)を画定し、そして前記部材が前記ベース部(106)に関して離れて拡がりかつその長軸方向に整列している第二の位置にある場合には、前記第一の長さ(L1)よりも長い第二の長さ(L1+L2)を画定する。
《態様15》
前記補強要素(104)を長軸方向に延在している前記構造体(102)内に挿入することをさらに含む、態様14に記載の方法。