特許第6386507号(P6386507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386507
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】車両の補剛構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/04 20060101AFI20180827BHJP
   B29C 65/54 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   B62D25/04 Z
   B29C65/54
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-202533(P2016-202533)
(22)【出願日】2016年10月14日
(62)【分割の表示】特願2014-156769(P2014-156769)の分割
【原出願日】2009年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-24719(P2017-24719A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】08164690.3
(32)【優先日】2008年9月19日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・クラウシャー
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06378933(US,B1)
【文献】 米国特許第06247287(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/04
B29C 65/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部材(2)と、前記構造部材(2)の空洞(3)内に配置された補剛部(4)とを有する車両用の補剛構造体(1)の製造方法であって、
前記補剛部(4)は、板状ではなく、かつプラスチックで構成されている支持部(5)と、前記構造部材(2)および前記支持部(5)の間に配置された結合手段(6)とを有しており、
前記支持部(5)を、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)と比較して、前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離が小さくなるように、前記空洞(3)内に配置すること、
前記外部からの力の作用(8)の下とは、車両製造業における標準荷重条件であり、変形の可能性は、経験的および/または理論的に決定すること、
前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離を、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が最大の前記構造部材(2)の箇所において、20mm〜0mmとすること、及び
前記結合手段(6)は、硬化性接着剤であること
を含む、車両用の補剛構造体の製造方法。
【請求項2】
前記構造部材(2)と前記支持部(5)との間における前記結合手段(6)の量を、前記構造部材(2)への外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)と比較して、少なくすることを特徴とする、請求項1に記載の補剛構造体の製造方法。
【請求項3】
前記結合手段(6)を、熱によって活性化することを特徴とする、請求項1又は2に記載の補剛構造体の製造方法。
【請求項4】
前記支持部(5)は、少なくとも1つのリブ(11)と、少なくとも1つの前記リブ(11)に対して略垂直に配置された少なくとも1つのリブ支持部(12)とを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の補剛構造体の製造方法。
【請求項5】
板状ではなく、かつプラスチックで構成されている支持部(5)と結合手段(6)とを有する、構造部材(2)の空洞(3)を補剛するための車両用の補剛部(4)の製造方法であって、
活性化可能な結合手段(6)を、前記支持部(5)の外側面に塗布すること、
前記結合手段(6)を活性化した後に前記構造部材(2)への外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)と比較して、前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離を小さくなるように前記支持部(5)を形成すること、
外部からの力の作用(8)の下とは、車両事故における荷重条件であり、変形の可能性は、前記構造部材(2)の前記空洞(3)内の補剛部(4)のFEモデルを用いて決定すること、
前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離を、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が最大の前記構造部材(2)の箇所において、20mm〜0mmとすること、及び
前記結合手段(6)は、硬化性接着剤であること
を含む、車両用の補剛部の製造方法。
【請求項6】
前記結合手段(6)の量が、前記構造部材(2)への外部からの力の作用(8)に変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)に対して、より少なくすることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記結合手段(6)を、熱によって活性化することを特徴とする、請求項5又は6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記結合手段(6)は、単一成分によるエポキシ樹脂組成物、単一成分によるポリウレタン組成物、又は単一成分によるアクリレート組成物に基づくものであることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記支持部(5)は、少なくとも1つのリブ(11)と、少なくとも1つの前記リブ(11)に対して略垂直に配置された少なくとも1つのリブ支持部(12)とを有することを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記結合手段(6)を活性化する前における、前記補剛部(4)と前記構造部材(2)との間の距離を、液体が前記補剛部(4)に対向する前記構造部材(2)の表面に接触することを可能にするものとすることを特徴とする、請求項5から9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
少なくとも1つの補剛部(4)を構造部材(2)の空洞(3)内に配置することによって、前記構造部材(2)を補剛するための方法であって、前記補剛部(4)は、板状ではなく、かつプラスチックで構成されている支持部(5)と、活性化可能で、前記構造部材(2)および前記支持部(5)の間に配置された結合手段(6)とを有しており、
i)前記構造部材(2)の前記空洞(3)内に少なくとも1つの前記補剛部(4)を配置せずに、前記構造部材(2)のFEモデルを作成するステップ、または、
i’)前記構造部材(2)の前記空洞(3)内に少なくとも1つの前記補剛部(4)を配置して、前記構造部材(2)のFEモデルを作成するステップと、
ii)FEモデルの衝突挙動を算定するステップと、
iii)算定されたFEモデルの衝突挙動において、前記構造部材(2)の変形が大きい箇所における活性化可能な前記結合手段(6)の量を、前記構造部材(2)の変形の少ない箇所に対して減少させるステップと、
iv)先行するステップからの認識に沿った前記結合手段(6)の分配を有する前記補剛部(4)を製造するステップと、
v)前記補剛部(4)を前記構造部材(2)の前記空洞(3)内に配置するステップと、
vi)前記結合手段(6)を活性化するステップと、
を有し、
前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離を、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が最大の車両の補剛構造体(1)の箇所において、20mm〜0mmとすること、及び
前記結合手段(6)は、硬化性接着剤であること
を特徴とする方法。
【請求項12】
前記衝突挙動は、車両製造業の標準荷重条件における挙動であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下記[1]のプリアンブルに記載の補剛構造から出発している。前記補剛構造は、構造部材と、前記構造部材の空洞に配置された補剛部とを有している。前記補剛部は、支持部と、構造部材および支持部の間に配置された結合手段とを有する。
さらに本発明は、さらなる独立項のプリアンブルに記載の補剛部と、構造部材を補剛するための方法とから出発している。
【背景技術】
【0002】
あらゆる種類の構造、特に輸送手段の構造において、しばしば空洞のような形態の構造部材が用いられる。この製造方法では、構造の重量と材料消費とが低く抑えられる。しかしながら、これによって、部材の安定性が減少するので、特に輸送手段構造の交通事故に際する安定性に関しては問題となる。
安定性の低下に対処するとともに、空洞の使用を可能にするために、前記空洞においては典型的に、補剛部が用いられる。前記補剛部は一般的に、典型的には硬質材料から成る支持部と、前記補剛部を空洞中で固定する結合手段とを有する。
このように補剛された構造部材は、以下において補剛構造とも称されるが、一方では外部からの負荷に対して均等に補剛されており、他方ではしばしば、支持部と構造部材との間に均等量の結合手段を有するという欠点を有している。どちらも高い材料消費と補剛部、したがって補剛構造の大きな重量とにつながる。
自動車車体の曲げ強度を高めるための、支持部と構造部材との間における結合手段の不均等な分配については、特許文献1が開示している。支持部とは、補剛用泡状体に包囲された中空体のことである。前記中空体の形態は、高い曲げ応力を有する構造部材の領域が、可能な限り大きな割合の補剛泡状体を有するように構成される。前記系の欠点は、弾性係数が5000MPa〜200000MPaである支持部の材料に比べて、補剛泡状体の弾性係数は400MPa〜2000MPaと、はるかに小さく、したがって、交通事故の場合に安定性が減少するということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6378933号明細書
【特許文献2】欧州特許第0204970号明細書
【特許文献3】国際公開第2005/080524号パンフレット
【特許文献4】米国特許第5266133号明細書
【特許文献5】米国特許第5373027号明細書
【特許文献6】米国特許第6387470号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、本発明の課題は、冒頭に記載した種類の補剛構造において、重量を軽減するとともに、必要な安定性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、本課題は、下記[1]の特徴によって解決される。
【0006】
すなわち、本発明の核は、支持部と構造部材との間の距離が、前記構造部材への外部からの力の作用の下で変形する可能性が比較的高い構造部材の箇所において、外部からの力の作用の下で変形する可能性が比較的低い構造部材の箇所に対して、より小さくなるように、前記支持部が空洞内に配置されていることにある。
【0007】
結合手段の量が、前記構造部材への外部からの力の作用の下で変形する可能性が比較的高い構造部材の箇所において、外部からの力の作用の下で変形する可能性が比較的低い構造部材の箇所に対して、より少なくなると特に適している。結合手段は、特に発泡材料である場合一般的に、構造部材の安定性に関して、支持部よりも低い補剛特性を有する。つまり、上述の箇所の結合手段がより少量になることによって、一般的に比較的高い補剛特性を有する支持部が、構造部材の上述の箇所において、より近くに位置決めできるようになる。それによって、負荷が与えられた場合に、構造部材は、その原形、特にその元の横断面を維持するので、構造部材の安定性にとって有利である。
【0008】
本発明の利点は特に、補剛構造が、本発明に係る製造方法によって、従来技術の製造方法に比べて上述の外部からの力の作用に対して安定し、それによって、所望の安定性を確保するために、より少ない補剛部の材料で、したがってより少ない重量で製造可能であるということにある。
【0009】
本発明のさらなる有利な構成は、下記の従属項から明らかになる。
【0010】
本発明のさらなる態様は、下記のさらなる独立項の対象である。本発明の特に好ましい実施形態は、下記の従属項の対象である。本発明としては、以下の実施態様が挙げられる:
[1]
構造部材(2)と、前記構造部材(2)の空洞(3)内に配置された補剛部(4)とを有する補剛構造(1)であって、
前記補剛部(4)は、支持部(5)と、前記構造部材(2)および前記支持部(5)の間に配置された結合手段(6)とを有している補剛構造(1)において、
前記支持部(5)は、前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離が、前記構造部材(2)への外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)に対して、より小さくなるように、前記空洞(3)内に配置されていること、
外部からの力の作用(8)の下とは、車両製造業における標準荷重条件であること、
変形の可能性は、経験的および/または理論的に、特に前記構造部材(2)のFEモデルを用いて決定されること、および、
変形する可能性が最大である前記構造部材(2)の箇所における前記結合手段(6)の量は、外部から力が作用した際に変形する可能性が最小である前記構造部材(2)の箇所における前記結合手段(6)の量の0%〜60%であり、好ましくは10%〜30%であることを特徴とする補剛構造(1)。
[2]
前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離が、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が最大の前記構造部材(2)の箇所において、20mm〜0mmであり、好ましくは10mm〜0mmであり、より好ましくは5mm〜0mmであることを特徴とする[1]に記載の補剛構造(1)。
[3]
前記構造部材(2)と前記支持部(5)との間における前記結合手段(6)の量が、前記構造部材(2)への外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)に対して、より少なくなることを特徴とする[1]または[2]に記載の補剛構造(1)。
[4]
前記結合手段(6)は熱によって、水分または電磁放射を通じて特に熱によって活性化されたことを特徴とする[1]から[3]のいずれか一項に記載の補剛構造(1)。
[5]
前記結合手段(6)は、発泡材料および/または硬化性接着剤であることを特徴とする[1]から[4]のいずれか一項に記載の補剛構造(1)。
[6]
前記支持部(5)は、少なくとも1つのリブ(11)と、少なくとも1つのリブ支持部(12)、特に少なくとも1つの前記リブ(11)に対して略垂直に配置された少なくとも1つの前記リブ支持部(12)とを有することを特徴とする[1]から[5]のいずれか一項に記載の補剛構造(1)。
[7]
支持部(5)と結合手段(6)とを有する、構造部材(2)の空洞(3)を補剛するための補剛部(4)であって、前記結合手段(6)は活性化可能であり、前記支持部(5)の外側面に塗布されている補剛部(4)において、
前記支持部(5)は、前記結合手段(6)が活性化した後、前記支持部(5)と前記構造部材(2)との間の距離が、前記構造部材(2)への外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)に対して、より小さくなるように形成されており、
外部からの力の作用(8)の下とは、車両事故における荷重条件、特に正面衝突、障害物への衝突、ガードレールへの衝突、車両同士の衝突、側面衝突、または後方衝突であり、
変形の可能性は、前記構造部材(2)の前記空洞(3)内の補剛部(4)のFEモデルを用いて決定され、
変形する可能性が最大である対応する前記構造部材(2)の箇所における前記結合手段(6)の量は、外部から力が作用した際に変形する可能性が最小である前記構造部材(2)の箇所における前記結合手段(6)の量の0%〜60%であり、好ましくは10%〜30%であることを特徴とする補剛部(4)。
[8]
前記結合手段(6)の量が、前記構造部材(2)への外部からの力の作用(8)に変形する可能性が比較的高い前記構造部材(2)の箇所(7)において、外部からの力の作用(8)の下で変形する可能性が比較的低い前記構造部材(2)の箇所(9)に対して、より少なくなることを特徴とする[7]に記載の補剛部(4)。
[9]
前記結合手段(6)は熱によって、水分または電磁放射を通じて特に熱によって活性化され得ることを特徴とする[7]または[8]に記載の補剛部(4)。
[10]
前記結合手段(6)は、発泡材料および/または接着剤、特に活性化に際して0%〜5%の膨張を示す接着剤であることを特徴とする[7]から[9]のいずれか一項に記載の補剛部(4)。
[11]
前記支持部(5)は、少なくとも1つのリブ(11)と、少なくとも1つのリブ支持部(12)、特に少なくとも1つの前記リブ(11)に対して略垂直に配置された少なくとも1つの前記リブ支持部(12)とを有することを特徴とする[7]から[10]のいずれか一項に記載の補剛部(4)。
[12]
前記結合手段(6)を活性化する前における、前記補剛部(4)と前記構造部材(2)との間の距離は、液体、特に表面処理液が前記補剛部(4)に対向する前記構造部材(2)の表面に接触することを可能にするものであることを特徴とする[7]から[11]のいずれか一項に記載の補剛部(4)。
[13]
少なくとも1つの補剛部(4)を構造部材(2)の空洞(3)内に配置することによって、前記構造部材(2)を補剛するための方法であって、前記補剛部(4)は、支持部(5)と、活性化可能で、前記構造部材(2)および前記支持部(5)の間に配置された結合手段(6)とを有しており、
i)前記構造部材(2)の前記空洞(3)内に少なくとも1つの前記補剛部(4)を配置せずに、前記構造部材(2)のFEモデルを作成するステップ、または、
i’)前記構造部材(2)の前記空洞(3)内に少なくとも1つの前記補剛部(4)を配置して、前記構造部材(2)のFEモデルを作成するステップと、
ii)FEモデルの衝突挙動を算定するステップと、
iii)算定されたFEモデルの衝突挙動において、前記構造部材(2)の変形が大きい箇所における活性化可能な前記結合手段(6)の量を、前記構造部材(2)の変形の少ない箇所に対して減少させるステップと、
iv)先行するステップからの認識に沿った前記結合手段(6)の分配を有する前記補剛部(4)を製造するステップと、
v)前記補剛部(4)を前記構造部材(2)の前記空洞(3)内に配置するステップと、
vi)前記結合手段(6)を活性化するステップと、
を有することを特徴とする方法。
[14]
前記衝突挙動は、車両製造業の標準荷重条件、特に車両事故に際する標準荷重条件における挙動であることを特徴とする[13]に記載の方法。
[15]
前記方法が、前記衝突挙動におけるFEモデルへの最小要求および/または最大要求を得るためのステップを追加的に有していることを特徴とする[13]または[14]に記載の方法。
【0011】
以下に、図を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。異なる図における同一の要素には、同一の参照符号が用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】結合手段活性化後の構造部材の空洞内に本発明に係る補剛部を有する、本発明に係る補剛構造の概略的横断面を示す図である。
図2】構造部材の空洞内にリブおよびリブ支持部を備えた本発明に係る補剛部を有する、本発明に係る補剛構造の、結合手段活性化後の概略的横断面を示す図である。
図3】結合手段活性化前の構造部材の空洞内に本発明に係る補剛部を有する、本発明に係る補剛構造の概略的横断面を示す図である。発明に係る補剛構造の概略的横断面を示す図である。
図4】構造部材の空洞内にリブおよびリブ支持部を備えた本発明に係る補剛部を有する、本発明に係る補剛構造の、結合手段活性化前の概略的横断面を示す図である。
【0013】
本発明の直接的理解にとって重要な要素のみが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1a〜図1cおよび図2a〜図2dにはそれぞれ、本発明に係る補剛構造1が示されている。補剛構造1は、構造部材2と、前記構造部材の空洞3に配置された補剛部4とを有している。補剛部4は、支持部5と、構造部材2および支持部5の間に配置された結合手段6とを有している。補剛構造1は、支持部5を有している。支持部5は、支持部と構造部材2との間の距離が、前記構造部材への外部からの力の作用8の下で変形する可能性が比較的高い構造部材の箇所7において、外部からの力の作用8の下で変形する可能性が比較的低い構造部材の箇所9に対して、より小さくなるように、空洞3に配置されている。
【実施例1】
【0015】
構造部材は一般的に、構造部材への特別な負荷が予想される箇所において補剛される。このような予想される負荷または荷重条件は、しばしば標準荷重条件として知られており、それによって当業者は、外部から構造部材に力が作用した場合の構造部材の挙動、特に変形挙動を調査することができる。このような標準荷重条件は、特に車両製造業において大きな意味を有している。それによって、補剛構造の挙動を、典型的な負荷事例において、特に車両事故において、標準荷重条件を用いて分析することが可能になる。車両製造業では、多数のこのような標準荷重条件、特に正面衝突、障害物への衝突、ガードレールへの衝突、車両同士の衝突、側面衝突、または後方衝突が知られている。標準荷重条件は、特にヨーロッパ新車アセスメントプログラム(Euro NCAP)または米国新車アセスメントプログラム(US NCAP)などの衝突試験プログラムに含まれている。
すでに言及したように、外部からの力の作用8は、標準荷重条件、特に車両製造業の標準荷重条件に相当する。
【0016】
構造部材2は、外部からの力の作用8によって変形し、一般的にはその安定性を失う。
【0017】
圧縮力に対する抵抗力、特に外部から力が作用した際の変形に対する抵抗力は、構造部材、特に横断面の形状が、前記構造部材が輸送手段の安定性に資するように構成されている場合、特に重要である。構造部材2が例えば車両のB−サポート(B−Traeger)である場合、前記構造部材は変形の際、例えば座屈において特に横断面で変形が生じる際に、外部からの力の作用8によって安定性を失う。結果として、車両の安定性も減少する。
【0018】
変形の可能性は、経験的および/または理論的に、特に構造部材2のFEモデルを用いて決定される。ここで変形の可能性とは、空洞3内に支持部5を配置する前の、構造部材2が変形する可能性であると理解される。変形の可能性は、一方では経験的に、特に実負荷試験において調べられる。しかしながら、このような実験はしばしば、試作品の製造を必要とするので、多くの時間と費用が必要になる。したがって、実負荷試験の回数を、完成部材を用いた数回の試験にまで削減できると有利である。他方、変形の可能性は理論的に、特に有限要素モデル(FEモデル)を用いて、例えば構造部材2のFEモデルを用いて決定することができる。このような決定方法は、特にコンピュータを用いて行われ、したがって、実負荷試験よりも速く安価であり、特に部材の製作中には適している。
車両の製造では、荷重条件、特に車両事故についてシミュレーションを行うためにFEモデルを用いたソフトウェアプログラムが使用される。このようなソフトウェアプログラムには、例えばフランスのESIグループのパムクラッシュ、または米国のリバーモア・ソフトウェア・テクノロジー・コーポレーションのエルエスダイナ(登録商標)などが挙げられる。
【0019】
本発明によると、支持部5は、支持部と構造部材2との間の距離が、前記構造部材2への外部からの力の作用8の下で変形する可能性が比較的高い構造部材の箇所7において、外部からの力の作用の下で変形する可能性が比較的低い構造部材の箇所9に対して、より小さくなるように、空洞3に配置されている。支持部が近くなるほど、構造部材2が変形する可能性は減少し、構造部材の安定性が増大する。
変形する可能性が最大である構造部材2の箇所における結合手段の量は、外部から力が作用した際に変形する可能性が最小である構造部材2の箇所における結合手段の量の0%〜60%であり、好ましくは10%〜30%である。
【0020】
有利には、支持部5と構造部材2との間の距離は、外部からの力が作用した際8に変形する可能性が最大である構造部材の箇所において20mm〜0mm、好ましくは10mm〜0mm、より好ましくは5mm〜0mmである。
【0021】
構造部材2と支持部5との間における結合手段6の量が、前記構造部材への力の作用8の下で変形する可能性が比較的高い構造部材2の箇所7において、外部からの力の作用の下で変形する可能性が比較的低い構造部材2の箇所9に対して、より少なくなると特に適している。これは例えば、図1a、図2a、図2b、および図2dに示されている。例えば図1b、図1c、および図2cに示したように、変形する可能性が比較的高い構造部材2の箇所7には結合手段が存在しないと特に有利である。
【0022】
結合手段6は、それが特に発泡材料である場合は、その活性化された状態において一般的に、支持部5よりも低い補剛特性を有している。上述の箇所の結合手段6がより少量になることによって、一般的に比較的高い補剛特性を有する支持部が、構造部材の上述の箇所において、より近くに位置決めできるようになる。それによって、負荷が与えられた場合に、構造部材2は、その形状、特にその横断面を維持するので、構造部材の安定性にとって有利である。
【0023】
構造部材2は、どのような材料で構成されても良いし、どのような形状を有していても良い。典型的には、構造部材2は金属から、特にアルミニウムまたは鋼から構成されている。このような構造部材とは、例えば、輸送手段および移動手段の車体および/またはフレーム、特に水上車両もしくは陸上車両または航空機の車体および/またはフレームである。例えば、自動車、トラック、鉄道車両、ボート、船舶、ヘリコプター、および航空機の車体またはフレームであり、最も好ましいのは自動車である。
好ましくは構造部材2は、その製造に際して表面処理が行われ、典型的には薬浴で処理され、特に浄化浴、リン酸浴、もしくは浸漬コーティング浴において浄化、リン酸塩処理、もしくはコーティングされる構造部材である。これらの表面処理は、典型的には腐食防止に資するものである。
【0024】
補剛構造1は、構造部材2の空洞3に配置された補剛部4を有しており、補剛部4は、支持部5と、構造部材2および支持部5の間に配置された結合手段6を有している。
【0025】
結合手段6としては基本的に、支持部5を構造部材2の空洞3に固定するために適していれば、どのような材料でも任意で用いることができる。すでに言及した結合機能の他に、前記結合手段は、密閉機能および補剛機能を有していても良い。
例えば図1aまたは図2dに示したように、または、例えば図1b、図1c、図2a、図2b、もしくは図2cに部分的に示したように、結合手段6は、支持部5の構造部材2に対向する外側面全体と結合していても良い。
有利には、補剛構造の結合手段は熱によって、水分または電磁放射を通じて特に熱によって活性化された。構造部材の表面処理が行われた場合、活性化可能な結合手段の使用によって、構造部材2をその製造中に補剛すること、および/または密閉することが可能になる。これは例えば、輸送手段構造を製造する場合などである。一般的には、補剛部4を挿入した後、結合手段6を活性化する前に、構造部材は表面処理が行われ、特に浄化浴、リン酸浴、および/または浸漬コーティング浴において処理されるので、前記構造部材は腐食から保護される。
典型的には、図3a〜図3dおよび図4a〜図4dに示したように、結合手段6を活性化する前は、表面処理の間、表面処理剤、特に液体を循環させるために、結合手段と構造部材2との間には中間領域14が残存する。
しかしながら、活性化可能な結合手段を、構造部材に塗布することも可能であり、また、その他いずれかの方法によって、構造部材と支持部との間に配置することも可能である。
補剛構造1の結合手段6は、発泡材料および/または硬化性接着剤組成物であり得る。
【0026】
このとき、発泡材料としては基本的に、任意の発泡可能な材料が使用可能であるが、特に活性化を通じて制御して発泡させることができる材料が好ましい。前記材料は、補剛特性を有していても良いし、有していなくても良い。典型的には、前記発泡材料は、熱によって、水分または電磁放射を通じて発泡する。
このような発泡材料は、典型的には、化学的または物理的発泡剤を有している。化学的発泡剤は、有機化合物または無機化合物であって、熱、水分、または電磁放射の影響下で分解し、その分解生成物の少なくとも1つは気体である。物理的発泡剤としては、例えば、温度が上昇すると気体状の凝集状態に移行するような化合物を用いることができる。それによって、化学的発泡剤も物理的発泡剤も、ポリマー内に泡構造を形成することが可能になる。
【0027】
好ましくは、発泡材料は、化学的発泡剤を用いて、熱によって発泡する。化学的発泡剤として適しているのは、例えばアゾジカーボンアミド、スルホン酸ヒドラジド、炭酸水素塩、または炭酸塩である。
適切な発泡剤は例えば商品としても入手可能である。前記商品としては、オランダアクゾノーベル社のエクスパンセル(登録商標)、または米国ケムチュラ・コーポレーションのセロゲン(登録商標)が挙げられる。
発泡に必要な熱は、外部熱源または発熱性化学反応のような内部熱源によって供給される。この発泡材料は、好ましくは110℃〜250℃において、より好ましくは150℃〜200℃において、さらに好ましくは160℃〜180℃において発泡可能である。
【0028】
発泡材料として適しているのは、例えば単一成分による、雰囲気温度では流動的ではないエポキシ樹脂系である。エポキシ樹脂系は、特に増大した衝撃靱性を有し、アエロジルまたはナノクレイなどのチキソトロープ剤を含んでいる。前記エポキシ樹脂系は、例えば20重量%〜50重量%の液状エポキシ樹脂と、0重量%〜30重量%の固体状エポキシ樹脂と、5重量%〜30重量%の靱性調整剤と、1重量%〜5重量%の物理的または化学的発泡剤と、10重量%〜40重量%の増量剤と、1重量%〜10重量%のチキソトロープ剤と、2重量%〜10重量%の熱によって活性化する硬化剤と、を有する。固体状エポキシ樹脂の他にも、結晶性ポリエポキサイドが適している。例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエーテルとトリメリト酸トリグリシジルエーテルとの混合物、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ならびにトリメチロールプロパンジグリシジルエーテルからの、4,4’‐、2,4’‐、2,2’‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4‐、2,6‐トルイレンジイソシアネート(TDI)、または1‐イソシアナト‐3,3,5‐トリメチル‐5‐イソシアナトメチル‐シクロヘキサン(IPDI)などのジイソシアネートとの付加物である。
靱性調整剤として適しているのは、ニトリルゴムまたはポリエーテルポリオール‐ポリウレタンの誘導体に基づく反応性液状ゴム、コアシェルポリマー、および当業者に知られている類似の系である。
【0029】
同じく発泡材料に適しているのは、発泡剤を含む、単一成分によるポリウレタン組成物である。前記組成物は、結晶性でOH基を有するポリエステルと、さらなるポリオール、好ましくはポリエーテルポリオールとの混合物、およびブロック化されたイソシアネート基を有するポリイソシアネートから構成されている。結晶性ポリエステルの融点は50℃以上の方が良い。ポリイソシアネートのイソシアネート基は、例えばカプロラクタム、フェノール、またはベンゾオキサゾロンなどの求核剤でブロック化される。さらに、例えば粉末コーティング分野で用いられるようなブロック化されたポリイソシアネート、および、例えばベスタゴン(登録商標)BF1350、ベスタゴン(登録商標)BF1540の商標名でドイツのデグサ・ゲーエムベーハーが販売しているブロック化されたポリイソシアネートが適している。イソシアネートとしては、いわゆるカプセル化された、または表面不活性化されたポリイソシアネートが適している。前記ポリイソシアネートは当業者に知られており、例えば特許文献2に開示されている。
【0030】
さらに発泡材料としては、発泡剤を含む、2つの成分によるエポキシド/ポリウレタン組成物が適している。前記組成物については、例えば特許文献3に記載されており、これをもって開示したものとする。
【0031】
やはり適した発泡材料として、例えば米国シーカコーポレーションによって商標名シーカバッフル(登録商標)240、シーカバッフル(登録商標)250、またはシーカバッフル(登録商標)255で販売されているものがある。前記材料は、特許文献4および特許文献5に記載されており、これをもって開示したものとする。
補剛特性を有する発泡材料として好ましいのは、例えば米国シーカコーポレーションによって商標名シーカレインフォーサー(登録商標)941で販売されているものがある。前記材料は特許文献6に記載されており、これをもって開示したものとする。
前記発泡材料は、発泡した状態において特に、密閉機能、結合機能、および/または補剛機能を有し得るが、好ましくは結合機能を有する。
【0032】
硬化性接着剤組成物としては、様々な系を用いることが可能であるが、特に活性化によって制御して硬化させられるものが好ましい。これは熱によって、水分、電磁放射、または粒子放射を通じて特に熱によって行われることが好ましい。
【0033】
硬化性接着剤組成物としては、110℃以上、好ましくは150℃〜220℃、より好ましくは160℃〜200℃で硬化する熱硬化性接着剤組成物が特に適している。
【0034】
好ましくは、硬化性接着剤組成物は、単一成分によるエポキシ樹脂組成物、単一成分によるポリウレタン組成物、または単一成分によるアクリレート組成物である。
【0035】
最も好ましくは、前記硬化性接着剤組成物は、単一成分による熱硬化性エポキシ樹脂組成物である。前記組成物は、少なくとも1つのエポキシ樹脂Aと、温度の上昇によって活性化する少なくとも1つのエポキシ樹脂用硬化剤Bとを含有している。
平均して1分子当り1つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂Aは、好ましくはエポキシ液状樹脂またはエポキシ固体樹脂である。「エポキシ固体樹脂」という概念は、エポキシの当業者には最も知られており、「エポキシ液状樹脂」との対照において用いられる。固体樹脂のガラス転移点は雰囲気温度よりも高い。すなわち、固体樹脂は雰囲気温度においては、ばら積み可能な粉末になる。
このようなエポキシ固体樹脂は例えば、米国ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー、米国ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー、または米国ヘキシオン・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレイテッドなどの製品として入手可能である。
このような液状樹脂は例えば、米国ハンツマン・インターナショナル・エルエルシーのアラルダイト(登録商標)GY250、アラルダイト(登録商標)PY304、アラルダイト(登録商標)GY282、または、米国ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーのD.E.R.(登録商標)331もしくはD.E.R.(登録商標)330、または、米国ヘキシオン・スペシャルティ・ケミカルズ・・インコーポレイテッドのエピコート(登録商標)828もしくはエピコート(登録商標)862などの製品として入手可能である。
エポキシ樹脂用硬化剤Bは、温度の上昇によって活性化する。ここでは、ジシアンジアミド、グアナミン、グアニジン、アミノグアニジン、およびそれらの誘導体から成る群から選択される硬化剤が好ましい。さらに、置換尿素のような促進効果のある硬化剤であっても良い。例えば、3‐クロロ‐4‐メチルフェニル尿素(クロロトルロン)、またはフェニル‐ジメチル尿素などであり、特にp‐クロロフェニル‐N,N‐ジメチル尿素(モニュロン)、3‐フェニル‐1,1‐ジメチル尿素(フェヌロン)、または、3,4‐ジクロロフェニル‐N,N‐ジメチル尿素(ジウロン)である。さらに、イミダゾール類とアミン錯体との化合物も用いられる。
【0036】
同様に、硬化性接着剤組成物として適しているのは、単一成分による熱硬化性ポリウレタン組成物である。前記組成物は、高分子ポリオールとポリイソシアネートとから構成される。特に適したポリイソシアネートは、ジイソシアネートおよびトリイソシアネートである。
さらに、ポリウレタン組成物は、少なくとも1つの硬化剤B’を含有する。硬化剤B’は、イソシアネートに対して反応基を有しており、ブロック化された形態で存在する。このとき、ブロック化は、化学的性質または物理的性質のものであり得る。
【0037】
さらに、硬化性接着剤組成物は、単一成分による熱硬化性アクリレート組成物であっても良い。前記組成物は、好ましくは、少なくとも1つの二価または多価のアクリル基またはメタクリル基を有するモノマーと、少なくとも1つの単官能基のアクリル基またはメタクリル基を有するモノマーとを含有している。
硬化剤B’’として、アクリレート組成物は、ブロック化された形態の熱開始剤を含有する。前記熱開始剤は、アクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーの重合を引き起こす。
さらに、前記硬化性接着剤組成物は、硬化に際して0%〜5%の膨張を示すと有利である。
【0038】
支持部5は、任意の材料から構成され得る。好ましい材料はプラスチックであり、特にポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、およびポリオレフィン、好ましくはポリ(フェニレンエーテル)、ポリスルホン、またはポリエーテルスルホンなどの高温耐熱ポリマー;特にポリアミドおよびガラス繊維からの化合物;金属、特にアルミニウムおよび鋼;またはこれら金属の任意の組み合わせである。
【0039】
さらに、支持部5は任意の構造および任意の構成を有していても良い。例えば図1a、図1b、図3a、図3b、図3cに示したように中空でなくても良いし、中空であっても良いし、または、図1cおよび図3dに示したように貫通する開口部13を有していても良い。
図2a〜図2d、図4a〜図4dが示すように、支持部5は、少なくとも1つのリブ11と、少なくとも1つのリブ支持部12、特に少なくとも1つのリブに対して略垂直に配置された少なくとも1つのリブ支持部とを有する。
貫通する開口部および/またはリブおよびリブ支持部を有する支持部5は、表面処理液がより良く構造部材2内を循環できるという利点を有する。さらに、このような支持部はより軽量になるので、製造に際して必要とする材料もより少なくなる。
さらに、支持部5は、図2a、図2b、図4a、もしくは図4bに示すように1つの構成要素から構成されていても良いし、または図2c、図2d、図4c、図4dに示すように互いに連結した複数の構成要素から構成されていても良い。
【0040】
さらに、本発明は、構造部材2の空洞3を補剛するための補剛部4を有しており、補剛部4は、支持部5と結合手段6とを有している。結合手段6は活性化可能であり、支持部5の外側面に塗布されている。典型的には、補剛部ならびに構造部材は、補剛構造1に適したものとしてすでに言及されたものである。
【0041】
補剛部4は、結合手段6が活性化した後、支持部5と構造部材2との間の距離が、構造部材2への外部からの力の作用8の下で変形する可能性が比較的高い構造部材の箇所7において、外部からの力の作用8の下で変形する可能性が比較的低い構造部材の箇所9に対して、より小さくなるように形成されている。
外部からの力の作用8とは、車両事故の再の荷重条件、好ましくは正面衝突、障害物への衝突、ガードレールへの衝突、車両同士の衝突、側面衝突、または後方衝突である。変形の可能性は、構造部材2のFEモデルを用いて決定される。
変形する可能性が最大である対応する構造部材2の箇所における、支持部5の結合手段6の量は、外部から力が作用した際に変形する可能性が最小である構造部材2の箇所における結合手段6の量の0%〜60%であり、好ましくは10%〜30%である。
さらに、結合手段6の量が、外部から前記構造部材に力が作用した際に変形する可能性が比較的高い構造部材の箇所7において、外部からの力が作用した際に変形する可能性が比較的低い構造部材の箇所9に対して、より少なくなると有利である。
結合手段6は熱によって、水分または電磁放射を通じて特に熱によって活性化され得ると、やはり有利である。
さらに、結合手段6は、発泡材料および/または接着剤、特に活性化に際して0%〜5%の膨張を示す接着剤であると有利である。
支持部5は、少なくとも1つのリブ11と、少なくとも1つのリブ支持部12、特に少なくとも1つのリブに対して略垂直に配置された少なくとも1つのリブ支持部とを有すると有利である。
さらに、結合手段6を活性化する前における、補剛部4と構造部材2との間の距離は、液体、特に表面処理液が補剛部4に対向する構造部材の表面に接触することを可能にするものであると有利である。
言及した実施形態の利点は上述されている。
【0042】
さらに、本発明は、少なくとも1つの補剛部4を構造部材の空洞3内に配置することによって、構造部材2を補剛するための方法を含む。補剛部4は、支持部5と、活性化可能で、構造部材2および支持部5の間に配置された結合手段6とを有する。前記方法は、
i)構造部材2の空洞3内に少なくとも1つの補剛部4を配置せずに、構造部材2のFEモデルを作成するステップ、または、
i’)構造部材2の空洞3内に少なくとも1つの補剛部4を配置して、構造部材2のFEモデルを作成するステップと、
ii)FEモデルの衝突挙動を算定するステップと、
iii)算定されたFEモデルの衝突挙動において、構造部材の変形、特に構造部材の横断面における変形が大きい箇所における活性化可能な結合手段の量を、変形の少ない箇所に対して減少させるステップと、
iv)先行するステップからの認識に沿った結合手段の分配を有する補剛部を製造するステップと、
v)補剛部を構造部材の空洞内に配置するステップと、
vi)結合手段6を活性化するステップと、
を有する。
特に、ステップii)の衝突挙動は、車両製造業の標準荷重条件、特に車両事故に際する標準荷重条件における挙動である。
【0043】
典型的には、補剛部4ならびに構造部材2は、補剛構造1に適したものとしてすでに言及されたものである。
すでに言及したように、補剛部4および補剛構造1の構想および最適化のための利点を有するFEモデルを用いることができる。構造部材2を補剛する方法において、例えば補剛部の質量または貫入の深さもしくは速度などの、衝突挙動におけるFEモデルへの最小要求および/または最大要求を決定すると特に有利である。
【0044】
さらに、前記方法が、衝突挙動におけるFEモデルへの最小要求および/または最大要求を得るためのステップを追加的に有していると有利である。
【0045】
これによって、特にステップiii)および/または材料の削減によって支持部5の重量を減少させるために可能なステップにおいて、FEモデルに重量を減少させる変更を加えたとしても、前記FEモデルが、所望の最小要求および/または最大要求にとって十分であることが保証されるであろう。このような重量を減少させる変更は、重量の削減という利点をもたらすだけではなく、さらに材料消費をも減少させる。
さらに、ステップi)、i’)、ii)、iii)、および、存在する場合には、材料の削減によって支持部の重量を減少させるためのステップ、衝突挙動におけるFEモデルへの最小要求および/または最大要求を得るためのステップ、の少なくとも1つを複数回実行すると有利である。
【0046】
補剛部4の製造は、様々な方法で行われる。可能な変型例においては、製造は射出成形によって行われる。このとき、例えば2成分射出成形法を用いてもよい。このとき、例えばまず第1の成分、この場合は支持部5、を噴霧する。第1の成分が凝固した後、ツール内の空洞が拡大されるか、もしくは適合させられるか、または、製造された射出成形部品が新しいツール内に設置され、第2の成分、この場合は結合材料、は、第2の噴霧アセンブリによって、第1の成分に噴霧される。
自明のことながら、補剛部4を他の任意の製造方法で製造する可能性も存在する。
【0047】
例えば図4cに示したように、補剛部4は、構造部材2の空洞3内に好ましくはクリップ10を用いて設置される。クリップ10は、前記補剛部を、結合手段6が活性化する前に、迅速かつ容易に構造部材と結合し、その箇所に留める。組立てステップにおいて時間を短縮し、組立てステップが容易になることは、製造業にとっては大きな経済的価値を有する。典型的には、クリップ10は補剛部の一部である。さらに、有利には、クリップは十分な強さを有しており、それによって、例えば浄化浴、リン酸浴、もしくは浸漬コーティング浴の間に発生する、液体による流動応力にもかかわらず、前記補剛部は予定された位置に留められる。クリップは任意の材料で構成可能である。しかしながら、好ましい材料は、支持部5に適した材料としてすでに言及された材料である。
しかしながら、補剛部4の構造部材2の空洞3内への設置は、どのような方法で行っても良い。特に、構造部材の空洞内に補剛部を単純に固定しても良い。
【0048】
結合手段6の活性化についてはすでに言及した。
【0049】
自明のことながら、本発明は図示され、かつ、記載された実施例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1 補剛構造
2 構造部材
3 空洞
4 補剛部
5 支持部
6 結合手段
7 変形する可能性が高い
8 力の作用
9 変形する可能性が低い
10 クリップ
11 リブ
12 リブ支持部
13 貫通する開口部
14 中間領域
図1
図2
図3
図4