特許第6386543号(P6386543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6386543-膨張ペレットの製造 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386543
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】膨張ペレットの製造
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/16 20060101AFI20180827BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   C08J9/16CEQ
   C08J9/16CFD
   C08J9/16CFG
   B29C44/00 E
   B29C44/00 G
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-518996(P2016-518996)
(86)(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公表番号】特表2016-521796(P2016-521796A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】EP2014062144
(87)【国際公開番号】WO2014198779
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年6月9日
(31)【優先権主張番号】13171855.3
(32)【優先日】2013年6月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】デシュライン,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】グートマン,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】プリソク,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ケッペラー,ウヴェ
(72)【発明者】
【氏名】アーレルス,ユルゲン
【審査官】 芦原 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/153190(WO,A1)
【文献】 特開2011−202077(JP,A)
【文献】 特開平05−117438(JP,A)
【文献】 特公昭47−017465(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/00−42
B29C 44/00−60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DIN EN ISO 527−2に準拠して測定した破断点伸びが100%を超える熱可塑性エラストマーから膨張ペレットを製造する方法であって、
(a)発泡剤を含むポリマー溶融物を、150℃と280℃の間の温度に制御された有孔ディスク(18)を通してペレット化チャンバ(26)へと押出すステップと、
(b)有孔ディスク(18)を通して押出したポリマー溶融物を切断装置(20)を用いて細断して、個々の膨張性ペレットにするステップと、
(c)液体流(36)を用いてペレット化チャンバ(26)からペレットを排出するステップと
を含み、発泡剤がCOもしくはNまたはCOとNの組合せを含み、発泡剤を含むポリマー溶融物中の発泡剤の量が0.5〜2.5wt%の範囲にあり、5℃と90℃の間の温度に制御されかつ圧力が周囲圧力よりも0.1バール〜20バール高い液体流がペレット化チャンバ(26)を横断し、ペレット化チャンバ(26)内の液体の圧力および温度と有孔ディスク(18)の温度とが、加圧液体中でペレットが含有する発泡剤によってペレットが膨張して連続表皮を有する膨張ペレットとなるように選択される、方法。
【請求項2】
ポリマー溶融物が、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエステルエステルまたはスチレン−ブタジエンブロックコポリマーをベースとする熱可塑性エラストマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
DIN EN ISO 527−2に準拠して測定した熱可塑性エラストマーの破断点伸びが200%を超える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
DIN 53505に準拠して測定したペレットのポリマーのショア硬さがA65〜A99の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ペレット化チャンバ(26)内の液体の温度が、ペレットが連続表皮を生成しない制御されていない膨張を起こす場合には低下され、ペレットの膨張が起こらないまたは不十分な場合には上昇される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
有孔ディスク(18)の温度が、ペレットが連続表皮を生成しない制御されていない膨張を起こす場合には低下され、ペレットの膨張が起こらないまたは不十分な場合には上昇される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
発泡剤を含むポリマー溶融物が成核剤を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
成核剤が、0.01μmと100μmの間のサイズを有し、タルク、フッ化カルシウム、フェニルホスフィン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、カーボンブラック、グラファイト、顔料、微粉ポリテトラフルオロエチレンまたはこれらの混合物から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
発泡剤が共発泡剤を含み、共発泡剤がアルカン、アルコール、ハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ペレット化チャンバ内の圧力および温度が、膨張ペレットのかさ密度が250g/l以下となるように選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DIN EN ISO 527−2に準拠して測定した破断点伸びが100%を超える熱可塑性エラストマーから膨張ペレットを製造する方法に関する。DIN EN ISO 527−2に準拠して測定した破断点伸びが100%を超える熱可塑性エラストマーの膨張ペレットは弾性的特性およびトライボロジー的特性を有し、そのため、多種多様な用途において有用である。該当する膨張ペレットの使用例としては、再利用可能な体操用マット、ボディプロテクタ、自動車製造におけるトリム要素、吸音材および防振材、包装材料、または靴底が挙げられる。ペレット部分の高い弾性と良好な均一性が、こうした分野全てにとって決定的な重要性を持つ。
【背景技術】
【0002】
特にビーズ発泡体を含む発泡材料は以前から知られ、文献、例えば、Ullmann、「Enzyklopaedie der technischem Chemie」、第4版、20巻、416ページ以下に広く記載されている。
【0003】
WO2007/082838は、発泡剤を含む膨張熱可塑性ポリウレタンの製造方法を開示している。方法の第1の工程は、熱可塑性ポリウレタンを押出してペレットにすることを含む。ペレットは、第2の工程において、水性懸濁液中にて圧力下で発泡剤を含浸させ、第3の工程において膨張させる。方法の更なる実施形態においては、熱可塑性ポリウレタンを押出機にて発泡剤と共に溶融し、発泡を防止するための装置を使用せずに溶融物をペレット化する。押出による製造では、揮発性の有機化合物が発泡剤として使用される。
【0004】
EP−A 0 664 197は、有機発泡剤を回避する試みとして水を発泡剤として使用した膨張熱可塑性エラストマーの製造を開示している。二酸化炭素および窒素を発泡剤として使用することにより熱可塑性エラストマーから発泡体を製造する代替的な方法が、例えばWO2004/018551により公知である。WO2004/018551に記載された発泡体の製造方法に出てくる膨張熱可塑性エラストマーを製造する更なる方法が、WO2007/044123にも開示されている。
【0005】
しかし、先行技術による公知の文献の中に、記載する方法が連続表皮を有する膨張ペレットの製造にも使用できることを開示しているものはない。
【0006】
TPUの膨張ペレットの製造に押出法を使用すると連続製造が可能となり、従って、様々な硬さの迅速な処理に加え、更なる特性、例えば、製造される膨張ビーズの色の迅速な切り替えが可能となる。
【0007】
しかし、押出による膨張ペレットの直接製造には、その過程でビーズが連続表皮を形成することなく膨張し、膨張したビーズはつぶれてしまうため、かさ密度の低いビーズの製造ができないという点で問題がある。使用される発泡剤が可燃性であるため、絶えず存在する爆発のリスクのために処理するのが難しいことも同様に都合が悪い。更に、製造された膨張ペレットは、出荷できるようになるまでには、使用した可燃性発泡剤が揮発するまで保管する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2007/082838
【特許文献2】EP−A 0 664 197
【特許文献3】WO2004/018551
【特許文献4】WO2007/044123
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ullmann、「Enzyklopaedie der technischem Chemie」、第4版、20巻、416ページ以下
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、DIN EN ISO 527−2に準拠して測定した破断点伸びが100%を超える熱可塑性エラストマーから、連続表皮を有し、先行技術において知られる欠点のない膨張ペレットを製造する方法を提供することである。この方法を使用して製造されるペレットは均一な形状、均一な気泡構造、および非常に低いかさ密度を有する。同時に、使用した方法によって広い範囲に及ぶ様々な密度が可能になる。加えて、有機発泡剤の使用を避けるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、DIN EN ISO 527−2に準拠して測定した破断点伸びが100%を超える熱可塑性エラストマーから膨張ペレットを製造する方法であって、
(a)発泡剤を含むポリマー溶融物を、150℃と280℃の間の温度に制御された有孔ディスクを通してペレット化チャンバへと押出すステップと、
(b)温度制御された有孔ディスクを通して押出したポリマー溶融物を切断装置を用いて細断して、個々の膨張性ペレットにするステップと、
(c)液体流を用いてペレット化チャンバからペレットを排出するステップと
を含み、発泡剤がCOもしくはNまたはCOとNの組合せを含み、発泡剤を含むポリマー溶融物中の発泡剤の量が0.5〜2.5wt%の範囲にあり、5℃と90℃の間の温度に制御されかつ圧力が周囲圧力よりも0.1バール〜20バール高い液体流がペレット化チャンバを横断し、ペレット化チャンバ内の液体の圧力および温度と有孔ディスクの温度とが、加圧液体中でペレットが含有する発泡剤によってペレットが膨張して連続表皮を有する膨張ペレットとなるように選択される、方法によって達成される。
【0012】
驚くべきことに、発泡剤の量が非常に多い場合に、期待されるような最も低いかさ密度が得られず、発泡剤が2.5wt%以下、好ましくは2wt%以下、とりわけ1.5wt%以下の量である場合に、特に低いかさ密度が得られることが明らかとなった。発泡剤の量が0.5wt%未満であると、かさ密度は同様に再び上昇する。ここでのそれぞれの質量分率は、ポリマー溶融物中に存在する発泡剤を含む、ポリマー溶融物の全質量に対するものである。
【0013】
使用する発泡剤の最適な量は使用する熱可塑性エラストマーおよび発泡剤の組成によって変わるが、常に0.5と2.5wt%の間の範囲である。
【0014】
発泡剤および任意に更なる混和剤と混合したポリマー溶融物は、方法の工程(a)において有孔ディスクを通して押出される。発泡剤および任意に更なる混和剤を含むポリマー溶融物の製造は一般に、押出機および/または溶融ポンプを用いて行われる。これらの装置は、有孔ディスクを通してポリマー溶融物を押出すのに必要な圧力を発生させるのにも使用される。押出機、例えば2軸スクリュー押出機を使用する場合、ポリマーはまず可塑化され、任意に助剤と混合される。混合中に、押出機内の材料は温度制御された有孔ディスクの方向へと搬送される。発泡剤をポリマーと共に最初から押出機に導入していない場合は、ポリマーが押出機内の距離の一部を移動した後に発泡剤をポリマーに添加することができる。発泡剤とポリマーは、押出機内の残りの距離を移動する間に混じり合う。その過程で溶融物は、これに続くペレット化に必要な温度にされる。有孔ディスクを通して溶融物を押出すのに必要な圧力は、例えば溶融ポンプによって加えることができる。あるいは、必要な圧力は、押出機、特に、押出機スクリューの適切な形状寸法によって発生させる。ペレット化に必要な圧力および溶融に必要な温度は、使用するポリマーと、使用する助剤および使用する発泡剤とによって変わり、更に、成分の混合比に左右される。ポリマー溶融物をペレット化チャンバへと入れるのは、温度制御された有孔ディスクを通してである。温度制御された液体の流れがペレット化チャンバを横断し、その圧力は周囲圧力よりも0.1バール〜20バール高い。ペレット化チャンバを通って流れる液体の圧力は、好ましくは、周囲圧力よりも0.1〜5バール高い。
【0015】
ペレット化チャンバにおいては、温度制御された有孔ディスクを通して押出したポリマーをストランドに成形し、切断装置がそれを細断して個々の膨張性ペレットにする。切断装置は、例えば高速回転ブレードとして具体化してもよい。結果として得られるペレットの形状は、有孔ディスクの開口の形状およびサイズ、および有孔ディスクの穴を通して溶融物を押出す圧力と切断装置の速度とに左右される。押出す圧力、切断装置の速度、および有孔ディスクの穴のサイズは、ペレットの形状が実質的に球形または楕円形となるように選択することが好ましい。
【0016】
方法の最終工程において、ペレット化チャンバを通って流れる温度制御された液体によってペレットをペレット化チャンバから排出する。温度制御された液体の圧力および温度の選択は、ポリマーストランド/ペレットが、含有する発泡剤によって制御された形で膨張し、ペレットの表面に連続表皮が生成されるようになされる。
【0017】
ペレットは温度制御された液体と共に乾燥機へと流入し、そこでペレットは液体から分離される。最終的な膨張ペレットは容器に集められ、一方、液体はろ過されてポンプによってペレット化チャンバへと戻される。
【0018】
液体の温度を制御した加圧液体中でのペレット化は、発泡剤を含むポリマー溶融物が、連続表皮の形成が起こり得ない制御されていない膨張を起こすことを防止する。このようなビーズは、当初はかさ密度が低いが、すぐに再びつぶれてしまう。その結果、かさ密度が高く、より弾性の低い不均一なビーズが生成される。本発明の方法は、ペレットの膨張を制御された形で遅らせ、連続表皮と、気泡サイズが表面では小さく中心に向かって大きくなる気泡構造を内側に有する、構造化された粒子を生成する。中心の気泡のサイズは、好ましくは250μm未満である。膨張ペレットのかさ密度は、250g/l以下である。個々の膨張ペレットの最大膨張は、好ましくは、2〜15mmの範囲、特に5〜12mmの範囲であり、一方、個々のペレットの質量は、2と40mgの間、特に5と35mgの間である。
【0019】
ペレットの膨張は、ペレット化チャンバ内の温度制御された液体の圧力および温度を制御することと、有孔ディスクの温度を制御することによって規制される。ペレットがあまりにも急速に、および/または制御されていない形で膨張する場合、即ち、連続表皮が形成されない場合は、ペレット化チャンバ内の液体の圧力を上昇させ、ペレット化チャンバ内の温度制御された液体の温度を低下させる。ペレットを包囲する温度制御された液体の圧力を上昇させると、発泡剤の膨張作用を弱め、ペレットの膨張を抑制する。ペレット化チャンバ内の温度制御された液体の温度を低下させると、より厚い表皮がビーズに生じ、そのため、膨張に対してより強い抵抗となる。使用した発泡剤に対して温度制御された液体の圧力が高すぎる、または温度が低すぎる場合には、ペレットの膨張が過剰に阻害されたり、あるいは完全に止められたりさえして、かさ密度が高すぎるペレットが生成される可能性がある。この場合には、ペレット化チャンバ内の温度制御された液体の圧力を低下させる、および/または温度制御された液体の温度を上昇させる。
【0020】
ペレット化チャンバ内の温度制御された液体の圧力および/または温度の調節に加えてまたはその代わりに、温度制御された有孔ディスクの温度にもペレットの膨張は影響され得る。温度制御された有孔ディスクの温度を低下させることは、ポリマー溶融物から環境へと熱をより急速に放出させる効果がある。これにより、安定した発泡ペレットの必須条件である連続表皮の形成が促進される。温度制御された有孔ディスクおよび/またはペレット化チャンバ内の液体の温度を低くしすぎると、ポリマー溶融物はあまりにも急速に冷えて適切な膨張が始まらないうちに固化してしまう。ペレットが含有する発泡剤によるペレットの膨張は非常に大きく妨げられ、かさ密度が過剰に高いペレットが形成される。従って、そのような場合には、ペレット化チャンバ内の温度制御された液体の温度および/または温度制御された有孔ディスクの温度を上昇させる。
【0021】
本発明によると、連続した発泡表皮が形成される制御された膨張をペレットが起こし得るには、ペレット化チャンバ内の液体の温度は、好ましくは5℃と90℃の間である。液体の温度は、好ましくは10℃と60℃の間、より好ましくは25℃と45℃の間である。本発明によると、温度制御された有孔ディスクの温度は、好ましくは150℃と280℃の間、より好ましくは220℃と260℃の間である。
【0022】
有孔ディスク側の過度な温度は、ビーズの表面の薄い表皮の原因となり、後で表面がつぶれることにつながる。有孔ディスク側の過剰に低い温度は、膨張の程度を低下させ、厚く、発泡していない表面がビーズに生じる。
【0023】
本発明のやり方で膨張ペレットを製造する方法に使用される熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ポリエステルエラストマー、例えばポリエーテルエステルもしくはポリエステルエステル、熱可塑性ポリエーテルコポリアミド、例えばポリエーテルコポリアミド、またはスチレンブロックコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンブロックコポリマーが挙げられる。
【0024】
熱可塑性ポリエステルエラストマー、例えばポリエーテルエステルおよびポリエステルエステルの場合、ならびにスチレンブロックコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンブロックコポリマーの場合、発泡剤の量が0.5wt%を超え1.5wt%未満であり、ペレット化チャンバを通って流れる温度制御された液体の圧力が周囲圧力よりも0.1〜2バール高い範囲であるときに最も低い密度が実現できることが判明した。熱可塑性コポリアミド、例えばポリエーテルコポリアミドの場合、発泡剤の量は、好ましくは1.5wt%を超え2.5wt%未満であり、ペレット化チャンバ内の圧力は、好ましくは、周囲圧力よりも5〜20バール高い。
【0025】
当該熱可塑性ポリエーテルエステルおよびポリエステルエステルは、一般的な文献に記載の方法に従い、炭素原子が4〜20の芳香族および脂肪族ジカルボン酸およびそのそれぞれのエステルの、適切な脂肪族および芳香族ジオールおよびポリオールを用いたエステル化またはエステル交換によって得ることができる。該当する製造方法は、例えば、「Polymer Chemistry」、Interscience Publ.、New York、1961、111〜127ページ;Kunststoffhandbuch、VIII巻、C.Hanser Verlag、Munich 1973、およびJournal of Polymer Science、Part A1、4、1851〜1859ページ(1966)に記載されている。
【0026】
有用な芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸(teraphthalic acid)、またはこれらそれぞれのエステルが挙げられる。有用な脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、飽和ジカルボン酸としての1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸およびデカンジカルボン酸、ならびに不飽和ジカルボン酸としてのマレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸およびテトラヒドロテレフタル酸が挙げられる。
【0027】
有用なジオール成分としては、例えば、一般式HO−(CH−OH(式中、nは2〜20の整数である)のジオールが挙げられる。有用なジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
【0028】
熱可塑性ポリエーテルエステルへのエステル交換が可能なポリエーテルオールは、好ましくは、一般式HO−(CH−O−(CH−OH(式中、nおよびmはそれぞれ独立に2と20の間の整数であり、nとmは同じでも異なってもよい)を有するものである。
【0029】
ポリエーテルエステルの生成に有用な不飽和のジオールおよびポリエーテルオールとしては、例えば1,4−ブテンジオール、ならびに芳香族単位を含むポリエーテルオールおよびジオールが挙げられる。
【0030】
引用したカルボン酸とそのエステル、および引用したアルコールに加え、これらのクラスを一般的に代表する更なる化合物はいずれも本発明の方法において使用されるポリエーテルエステルおよびポリエステルエステルを供給するのに使用することができる。ブロックコポリマーの硬質相は、典型的には芳香族ジカルボン酸と短鎖ジオールから形成され、一方、軟質相は、分子量Mが500と3000g/モルの間の予め形成された脂肪族二官能基ポリエステルから形成される。硬質相および軟質相は、例えば末端アルコール基と反応する反応性結合剤、例えば、ジイソシアナートによって更に結合させてもよい。
【0031】
本発明の方法に有用な熱可塑性ポリエーテルアミドは、公知の任意の文献の方法に従い、アミンとカルボン酸またはそのエステルとの反応によっても得ることができる。この場合のアミンおよび/またはカルボン酸は、R−O−R型(式中、Rは脂肪族または芳香族有機基である)のエーテル単位を更に含む。以下のクラスの化合物から選択されるモノマーが一般に使用される:
HOOC−R’−NH(式中、R’は芳香族または脂肪族であってもよく、好ましくは、R−O−R型のエーテル単位を含み、式中のRは脂肪族または芳香族の有機基である)、
芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸、またはそのエステル、ならびにR−O−R型(式中、Rは脂肪族または芳香族の有機基である)のエーテル単位を含む芳香族ジカルボン酸、
脂肪族ジカルボン酸、例えば、飽和ジカルボン酸としての1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸およびデカンジカルボン酸、ならびに不飽和ジカルボン酸としてのマレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸およびテトラヒドロテレフタル酸、更にはR−O−R型(式中、Rは脂肪族および/または芳香族の有機基である)のエーテル単位を含む脂肪族ジカルボン酸、
一般式HN−R”−NHのジアミン(式中、R”は芳香族および脂肪族であってもよく、好ましくはR−O−R型のエーテル単位を含み、Rは脂肪族および/または芳香族の有機基である)、
ラクタム、例えばε−カプロラクタム、ピロリドンまたはラウロラクタム、および
アミノ酸。
【0032】
引用したカルボン酸とそのエステル、ならびに引用したアミン、ラクタムおよびアミノ酸に加え、これらのクラスを一般的に代表する更なる化合物はいずれも、本発明の方法において使用されるポリエーテルアミンを供給するのに使用することができる。更に公知なのは、ポリテトラヒドロフランとアミドシントンの混合生成物であり、これも同様に使用できる。
【0033】
本発明に従い使用されるブロックコポリマー構造を有する熱可塑性エラストマーは、好ましくは、ビニル芳香族単位、ブタジエン単位およびイソプレン単位、ならびにポリオレフィン単位およびビニル単位、例えばエチレン単位、プロピレン単位および酢酸ビニル単位を含む。スチレン−ブタジエンコポリマーが好適である。
【0034】
本発明に従い使用される熱可塑性エラストマーは、好ましくはショア硬さがA40〜D80の範囲である。特に好ましいのは、A44〜D60の範囲、特にA65〜A99の範囲のショア硬さである。特に好ましいのは、A65〜A96の範囲のショア硬さである。ショア硬さは、DIN 53505に従い判定される。本発明に従い使用される熱可塑性エラストマーの融点は、好ましくは300℃未満、より好ましくは250℃以下、とりわけ220℃以下である。本発明の熱可塑性エラストマーの破断点伸びは、DIN EN ISO 527−2に準拠して測定した場合に100%より大きく、好ましくは200%より大きく、更に好ましくは300%より大きく、特に400%より大きい。更には、破断点伸びは、好ましくは最大で1000%、特に最大で800%である。
【0035】
本発明に従い使用される熱可塑性エラストマーは、非晶質であってもよく、部分的に結晶質であってもよい。
【0036】
本発明の方法を用いて得られる膨張ペレットは、更なる混和剤、例えば、染料、顔料、フィラー、難燃剤、難燃剤用共力剤、帯電防止剤、安定剤、表面活性物質、可塑剤および赤外線遮蔽剤を有効量で含んでもよい。
【0037】
熱伝導性に対する放射の寄与を低減させるのに適する赤外線遮蔽剤としては、例えば、金属酸化物、非金属酸化物、金属粉末、例えばアルミニウム粉末、炭素、例えばカーボンブラック、グラファイトもしくはダイヤモンド、または有機染料および顔料染料が挙げられる。赤外線遮蔽剤の使用は、特に高温での用途に好都合である。カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄または二酸化ジルコニウムが赤外線遮蔽剤としての使用に特に好適である。上記の物質は、それぞれ単独で用いることも、組み合わせて、即ち、2以上の物質の混合物の形態で用いることもできる。フィラーはいずれも有機および/または無機とすることができる。
【0038】
フィラーが含まれる場合、それは、例えば有機および無機の粉末または繊維状物質、およびその混合物である。有用な有機フィラーとしては、例えば木粉、デンプン、亜麻繊維、麻繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、サイザル繊維、綿繊維、セルロース繊維またはアラミド繊維が挙げられる。有用な無機フィラーとしては、例えばケイ酸塩、重晶石、ガラス玉、ゼオライト、金属または金属酸化物が挙げられる。特に好ましいのは、粉末状無機化学物質、例えば、胡粉、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、亜硝酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、粉末石英、Aerosil、陶土、雲母もしくは珪灰石、または球形もしくは繊維状の無機化学物質、例えば、鉄粉、ガラス玉、ガラス繊維もしくは炭素繊維の使用である。平均粒子径、または、繊維状のフィラーの場合の繊維の長さは、ほぼ気泡サイズに等しいか、またはそれ未満とすべきである。好ましいのは、0.1〜100μmの範囲、特に1〜50μmの範囲の平均粒子径または平均繊維長さである。好ましいのは、発泡剤と、発泡剤を含む系の全質量に対して5と80wt%の間の有機および/または無機フィラーとを含む、膨張可能な熱可塑性エラストマーである。
【0039】
熱可塑性成形組成物に含ませることが有用な表面活性物質としては、例えば、出発物質の均一化を促進するために使用され、気泡構造の調整も可能にし得る化合物が挙げられる。適する表面活性物質としては、例えば、乳化剤、例えばヒマシ油硫酸エステルまたは脂肪酸のナトリウム塩、ならびに脂肪酸とアミンの塩、例えばオレイン酸ジエチルアミン、ステアリン酸ジエタノールアミン、リシノール酸ジエタノールアミン、スルホン酸の塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸またはジナフチルメタンジスルホン酸、およびリシノール酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;発泡安定剤、例えば、シロキサン−オキシアルキレンインターポリマーおよび他のオルガノシロキサン、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化脂肪アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステルまたはリシノール酸エステル、ロート油および落花生油、ならびに気泡調整剤、例えば、パラフィン、脂肪アルコールおよびジメチルポリシロキサンが挙げられる。ポリオキシアルキレン部分およびフルオロアルカン部分を側基として有するオリゴマーのポリアクリラートは、乳化作用、気泡構造および/またはその安定性を向上させるのにも有用である。表面活性物質は、典型的には発泡剤を含む系の全質量に対して0.01〜5wt%の量が使用される。
【0040】
適する難燃剤としては、例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(2−クロロエチル)、リン酸トリス(2−クロロプロピル)、リン酸トリス(1,3−ジクロロプロピル)、リン酸トリス(2,3−ジブロモプロピル)および二リン酸テトラキス(2−クロロエチル)エチレンが挙げられる。既に述べたハロゲン置換されたリン酸塩に加え、赤リン、酸化アルミニウム水和物、三酸化アンチモン、三酸化ヒ素、ポリリン酸アンモニウムおよび硫酸カルシウムを含む無機難燃剤、もしくはシアヌル酸誘導体、例えばメラミン、または少なくとも2種類の難燃剤、例えばリン酸アンモニウムおよびメラミンの混合物、ならびに更に任意にデンプンおよび/または膨張可能なグラファイトもまた、製造される発泡熱可塑性エラストマーに難燃性を付与するのに使用できる。発泡剤を含む系の全質量に対して0〜50wt%、好ましくは5〜25wt%の難燃剤または難燃剤混合物を使用するのが好都合であることが判明するであろう。
【0041】
ポリマー溶融物は、ペレット化チャンバへと押出す前に、発泡剤であるCOまたはCOとNの混合物と混合する。共発泡剤を追加でポリマー溶融物に添加することができる。有用な共発泡剤としては、アルカン、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、ハロゲン化炭化水素もしくはCFC、またはこれらの混合物が挙げられる。不燃性の不活性ガスであり、爆発する可能性のある雰囲気が製造時に生じる可能性がないことから、COまたはCOとNの混合物を単独で発泡剤として使用するのが特に好都合である。これによりコストのかかる安全対策が不要になり、製造時の潜在的なリスクが大幅に低下する。生成物を出荷する前に可燃性の揮発性物質を気化させて抜くために生成物を保管する必要がないことも、同様に好都合である。
【0042】
発泡剤を含むポリマー溶融物に1種または複数の成核剤を更に添加することで更なる利点が生じる。有用な成核剤としては、特に、タルク、フッ化カルシウム、フェニルホスフィン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、カーボンブラック、グラファイト、顔料および微粉ポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、それぞれ個別に、あるいは任意の混合物として使用される。タルクを成核剤として使用することが特に好ましい。熱可塑性成形組成物またはポリマー溶融物の全質量のうち、成核剤に帰属せしめられる割合は、好ましくは0〜4wt%の範囲、とりわけ0.1〜2wt%の範囲である。
【0043】
ここで、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】ポリマー溶融物をペレット化するための装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、発泡剤を含むポリマー溶融物から膨張ペレットを製造する装置の概略図を示す。出発ポリマーを供給ホッパー14を経由して押出機10に導入する。押出機10は、例えば2軸スクリュー押出機として構成され、モータ12で駆動される。供給ホッパー14は、助剤、例えば染料または成核剤等を添加するのにも使用してよい。押出機において、導入した原料を溶解し、可塑化する。その過程で、材料は有孔ディスク18の方向へと搬送される。
【0046】
図1に図解する実施形態においては、溶融物に圧力を加えるために溶融ポンプ16が有孔ディスク18の上流に配置される。圧力は、使用する発泡剤のタイプと量の関数として選択される。供給ホッパー14と溶融ポンプ16の間の押出機10の添加点40から発泡剤をポリマー溶融物に導入する。図解した実施形態においては、発泡剤の添加点40は、ポリマーが全て溶融した後に初めて発泡剤が添加されるように配置される。導入された発泡剤は押出機の残りの距離の間に溶融物と混ざり合う。二酸化炭素と窒素の混合物が適切な発泡剤の一例である。
【0047】
溶融ポンプ16は、有孔ディスク18を通してペレット化チャンバ26へと溶融物を押出すのを補助する。液体流がペレット化チャンバを横断し、その圧力は周囲圧力よりも高い。流れの方向が矢印36で示されている。ペレット化チャンバ26の内側では、ペレット化手段20内に回転ブレード24が配置される。回転ブレード24は、モータ22によって駆動される。ポリマー溶融物は、複数の膨張性ポリマーストランドとして有孔ディスク18から出てきて、回転ブレード24によって切り落とされる。その過程で、個々の膨張性ペレットが製造される。押出す圧力と切断装置の速度とは、ペレットの形状が実質的に球形となるように選択される。
【0048】
温度制御された液体中のペレットは、ペレットが含有する発泡剤によって膨張し、一方、温度制御された液体および温度制御された有孔ディスクの温度と、温度制御された液体の圧力とは、膨張ペレットが連続した発泡表皮を有するように選択されている。結果として得られる膨張性/膨張ペレットを温度制御された液体の流れがペレット化チャンバ26から排出し、回路線38を介して乾燥機30へと送り込む。乾燥機30では、膨張ペレットが温度制御された液体から分離され、乾燥され、生成物排出32によって収集容器34へと送られる。ペレットを分離した後の温度制御された液体は、回路線38を回路ポンプ28へと流れ続け、そこで温度制御された液体はろ過され、温度を制御され、加圧される。回路ポンプ28から温度制御された液体はペレット化チャンバ26へと再び流入する。
【実施例】
【0049】
スクリュー直径が18mm、直径に対する長さの比が40である2軸スクリュー押出機に99.5質量部の熱可塑性エラストマー(TPE)と0.5質量部のタルクを充填する。2軸スクリュー押出機の溶融ゾーンで熱可塑性エラストマーを溶融し、タルクと混合した。熱可塑性エラストマーを溶融しタルクと混合した後、発泡剤としてCO、または実施例6ではCOとNの混合物を添加した。添加した発泡剤の量はそれぞれ実施例において表に記載した。押出機内の残りの距離を移動する過程で、発泡剤とポリマー溶融物は混ざり合って均一な混合物を形成した。TPE、タルクおよび発泡剤が入った押出機を通過するトータルスループットは、3.5kg/hであった。
【0050】
実施例1〜5では、以下の処理パラメーターが設定されていた:溶融ゾーンとTPUにタルクを混合する際の押出機の温度は、使用したTPEに応じ、230℃と220℃の間とした。射出部位の押出機ハウジングの温度は205℃と220℃の間に、これに続くハウジングは200℃と220℃の間に低下させた。押出機の端までの更なるハウジング部分全てと溶融ポンプは、200℃〜220℃に維持した。溶融ポンプは、押出機の端において90バールの圧力を発生させた。起動弁の温度は210℃または220℃に設定し、有孔ディスクは目標温度の250℃に電熱器で加熱した。
【0051】
実施例6では、以下の処理パラメーターが設定されていた:押出機内の温度は起動弁まで一律180℃に設定し、有孔ディスクは目標温度の250℃に電熱器で加熱した。溶融ポンプは、押出機の端において90バールの圧力を発生させた。
【0052】
実施例全てにおいて、直径が1mmの穴を有する有孔ディスクを通してTPEとタルクと発泡剤の混合物を押出し、水が横断する下流のペレット化チャンバにおいてブレードのリングに取り付けた10枚の回転ブレードで切り落とした。実施例1〜5では、ペレット化チャンバ内の圧力は1バールであり、実施例6では、ペレット化チャンバ内の圧力は10〜15バールに設定されていた。温度制御された媒体は、一定の30℃に維持した。混合物は、ペレット化チャンバ内にある間に膨張する。その過程で約2mmの平均サイズと約2mgの質量を有するビーズが生成された。かさ密度を判定するため、膨張ビーズを100mlの容器に充填し、±5g/lの精度で計量した。実施例全てにおいて、生成されたペレットは連続表皮を有していた。
【0053】
以下の実施例では結果を報告する。
【実施例1】
【0054】
使用したTPEは、ポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)とポリブチレンテレフタラート(PBT)をベースとする、破断点伸びが500%を超え、ショア硬さが90Aであり、溶融範囲が175〜190℃のポリエーテルエステルであった。このTPEを、上記の方法で加工し、上記のようにかさ密度を判定した。添加した発泡剤の特定の割合に対応するかさ密度を表1に記載する。
【0055】
【表1】
【実施例2】
【0056】
使用したTPEは、1,4−ベンズジカルボン酸、ジメチルエステル、1,4−ブタンジオールおよびα−ヒドロ−ω−ヒドロキシポリ(オキシ−1,4−ブタンジイル)をベースとする、破断点伸びが700%を超え、ショア硬さが96Aであり、溶融範囲が200〜220℃のポリエステルエステルであり、例えばToyobo Co,Ltd.からPelprene(登録商標)P−70Bとして得ることができるものであった。このTPEを、上記の方法で加工し、上記のようにかさ密度を判定した。添加した発泡剤の特定の割合に対応するかさ密度を表2に記載する。
【0057】
【表2】
【実施例3】
【0058】
使用したTPEは、熱可塑性エラストマー(S−TPE、300%を超える破断点伸び、ショア硬さ84A、MVR(メルトボリュームレート)(200℃/5kg)=14cm/10分)の特性を有するスチレン−ブタジエンブロックコポリマー(SBC)であり、例えばStyrolutionからStyroflex(登録商標)2G66として得ることができるものであった。このTPEを、上記の方法で加工し、上記のようにかさ密度を判定した。添加した発泡剤の特定の割合に対応するかさ密度を表3に記載する。
【0059】
【表3】
【実施例4】
【0060】
使用したTPEは、破断点伸びが450%を超え、ショア硬さが38Dであり、MVR(190℃/2.16kg)が28cm/10分の、ポリエーテル軟質セグメントを有するポリエーテルエステルであり、例えばDSMからArnitel(登録商標)PL380として得ることができるものであった。このTPEを、上記の方法で加工し、上記のようにかさ密度を判定した。添加した発泡剤の特定の割合に対応するかさ密度を表4に記載する。
【0061】
【表4】
【実施例5】
【0062】
使用したTPEは、破断点伸びが700%を超え、ショア硬さが30Dであり、質量流量MFR(190℃/2.16kg)が5g/10分である、硬質(結晶質)ポリブチレンテレフタラートセグメントと長鎖ポリエーテルグリコールに由来する軟質(非晶質)単位とをベースとするポリエーテルエステルであり、例えばDuPontからHytrel(登録商標)3078として得ることができるものであった。このTPEを、上記の方法で加工し、上記のようにかさ密度を判定した。添加した発泡剤の特定の割合に対応するかさ密度を表5に記載する。
【0063】
【表5】
【実施例6】
【0064】
使用したTPEは、破断点伸びが750%を超え、ショア硬さが27Dであり、ISO 11357に準拠して測定した融点が134℃の、弾性ポリエーテル単位および結晶質ポリアミド単位をベースとするポリエーテルコポリアミドであり、ArkemaからPebax(登録商標)2533SD02として得ることができるものであった。このTPEを、上記の方法で加工し、上記のようにかさ密度を判定した。添加した発泡剤の特定の割合およびペレット化チャンバを通って流れる温度制御された液体の様々な圧力に対応するかさ密度を表6に記載する。
【0065】
【表6】
【符号の説明】
【0066】
10 押出機
12 モータ
14 供給ホッパー
16 溶融ポンプ
18 有孔ディスク
20 ペレット化装置
22 モータ
24 ブレード
26 ペレット化チャンバ
28 回路ポンプ
30 乾燥機
32 生成物排出
34 収集容器
36 流れ方向
38 回路線
40 発泡剤の添加点
図1