(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下記(A)成分を20〜50質量部、下記(B)成分を50〜80質量部(但し、(A)成分と(B)成分の合計は100質量部である)、及び下記(C)成分を0.01〜5質量部含有し、
質量で9倍量の水に分散させた液の25℃でのpHが4.0〜5.0の範囲となる難燃剤組成物。
(A)成分:オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン又はこれらメラミン塩を2種以上含む混合物から、1種以上選択されるメラミン塩。
(B)成分:オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン又はこれらピペラジン塩を2種以上含む混合物から、1種以上選択されるピペラジン塩。
(C)成分:ハイドロタルサイト化合物。
(A)成分として選択されるメラミン塩の1種以上が、オルトリン酸メラミンを加熱縮合させて得られたメラミン塩であり、かつ(B)成分として選択されるピペラジン塩の1種以上が、オルトリン酸ピペラジンを加熱縮合させて得られたピペラジン塩である請求項1記載の難燃剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の難燃剤組成物で(A)成分として用いられるメラミン塩は、オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、及びポリリン酸メラミンから選択され、これらは単独でも混合物で使用されてもよい。これらの中でも耐熱性、加工機の腐食リスク低減、耐候性の点からピロリン酸メラミンが好ましく、混合物で使用する場合は、ピロリン酸メラミンの含有割合が高いほど好ましい。
【0017】
これらリン酸とメラミンとの塩は、それぞれ対応するリン酸又はリン酸塩とメラミンを反応させることによって得ることもできるが、本発明の(A)成分で使用されるメラミン塩は、オルトリン酸メラミンを加熱縮合させて得られたピロリン酸メラミン又はポリリン酸メラミンが好ましく、特にピロリン酸メラミンが好ましい。
ピロリン酸メラミンは、未反応のオルトリン酸メラミンや、過反応で精製したポリリン酸メラミン、又はその他の副生成物を含んでいてもよい。
【0018】
オルトリン酸メラミンの加熱縮合反応は、オルトリン酸メラミンを加熱し、脱水縮合反応させて、ピロリン酸メラミン又はポリリン酸メラミンを生成させればよい。
オルトリン酸メラミンの加熱縮合反応は、固相状態で反応を行うのが好ましく、溶融状態でもよく、水を少量含んだスラリー状態でもよい。もちろん溶媒を使用して反応させてもよいが、溶媒の除去等の手間を考えると好ましくない。
オルトリン酸メラミンを固相状態で加熱縮合反応させて得られたピロリン酸メラミンは、精製処理を行わずにそのまま使用してもよい。
【0019】
オルトリン酸メラミンを固相状態で加熱縮合反応させて、ピロリン酸メラミンを得る場合の温度は、得られるピロリン酸メラミンの純度と生産効率の観点から、150℃〜300℃であることが好ましく、160〜280℃であることが最も好ましい。温度が150℃より低いとピロリン酸化の反応が十分に進まず、300℃を超えると、トリリン酸塩やそれ以上に脱水縮合反応の進んだポリリン酸塩が生成し易くなる。
また、反応時間は特に限定されることはなく、温度条件によって、オルトリン酸メラミンからピロリン酸メラミンへの脱水縮合反応が完了するまで、適宜反応を行えばよい。
【0020】
本発明の難燃剤組成物で(B)成分として用いられるピペラジン塩は、オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン及びポリリン酸ピペラジンから選択され、これらは単独でも混合物で使用されてもよい。これらの中でも耐熱性、加工機の腐食リスク低減、耐候性の点から、ピロリン酸ピペラジンが好ましく、混合物で使用する場合は、ピロリン酸ピペラジンの含有割合が高いほど好ましい。
【0021】
これらリン酸とピペラジンの塩は、それぞれ対応するリン酸又はリン酸塩とピペラジンを反応させることで得ることもできるが、本発明の(B)成分で使用されるピペラジン塩は、オルトリン酸ピペラジンを加熱縮合させて得られたピロリン酸ピペラジン又はポリリン酸ピペラジンが好ましく、特にピロリン酸ピペラジンが好ましい。
ピロリン酸ピペラジンは、未反応のオルトリン酸ピペラジンや、過反応で生成したポリリン酸ピペラジン、又はその他の副生成物を含んでいてもよい。
【0022】
オルトリン酸ピペラジンの加熱縮合反応は、オルトリン酸ピペラジンを加熱し、脱水縮合反応させて、ピロリン酸ピペラジン又はポリリン酸ピペラジンを生成させればよい。
オルトリン酸ピペラジンの加熱縮合反応は、固相状態で反応を行うのが好ましく、溶融状態でもよく、水を少量含んだスラリー状態でもよい。もちろん溶媒を使用して反応させてもよいが、溶媒の除去等の手間を考えると好ましくない。
オルトリン酸ピペラジンを固相状態で加熱縮合反応させて得られたピロリン酸ピペラジンは、精製処理を行わずにそのまま使用してもよい。
【0023】
オルトリン酸ピペラジンを固相状態で加熱縮合反応させて、ピロリン酸ピペラジンを得る場合の温度は、得られるピロリン酸ピペラジンの純度と生産効率の観点から、170℃〜320℃であることが好ましく、180〜300℃であることが最も好ましい。温度が170℃より低いとピロリン酸化の反応が十分に進まず、320℃を超えると、トリリン酸塩やそれ以上に脱水縮合反応の進んだポリリン酸塩が生成し易くなる。
また、反応時間は特に限定されることはなく、温度条件によって、オルトリン酸メラミンからピロリン酸メラミンへの脱水縮合反応が完了するまで、適宜反応を行えばよい。
【0024】
本発明の難燃剤組成物中の(A)成分と(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計を100質量部として、(A)成分が20〜50質量部、(B)成分が50〜80質量部である。
【0025】
次に本発明の(C)成分について説明する。
本発明では、(C)成分としてハイドロタルサイト化合物を使用する。本発明において、ハイドロタルサイト化合物とは、マグネシウム及び/又は亜鉛とアルミニウムとの炭酸複塩化合物をいう。ハイドロタルサイト化合物は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特開昭61−174270号公報等に記載の公知の方法を例示することができる。また、本発明においては、ハイドロタルサイト化合物の結晶構造、結晶粒子系或いは結晶水の有無及びその量等に制限されることなく使用することできる。
【0026】
また、ハイドロタルサイト化合物は、過塩素酸処理することもでき、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックス等で被覆したものも使用できる。
【0027】
ハイドロタルサイト化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。Mg
x1Zn
x2Al
2(OH)
2(x1+x2)+4・CO
3・mH
2O (4)
(式中、x1およびx2は各々下記式で表される条件を満たす数を示し、mは実数を示す。0≦x2/x1<10、2≦x1+x2<20)
【0028】
ハイドロタルサイト化合物は市販品を使用することができ、例えば、DHT−4(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、DHT−4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、マグセラ−1(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー1(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー2(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー4(アルカマイザーP−93)(亜鉛変性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー7(亜鉛変性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー5(過塩素酸処理ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)等があげられ、特にDHT−4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)が好ましい。
【0029】
本発明の難燃剤組成物中の(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部であり、耐熱性、加工機の腐食リスク低減、耐候性の点から、好ましくは0.05〜4質量部であり、より好ましくは0.1〜2質量部である。
【0030】
本発明の難燃剤組成物には、さらに、難燃助剤である酸化亜鉛を配合してもよい。該酸化亜鉛は表面処理されていてもよい。酸化亜鉛は市販品を使用することができ、例えば、酸化亜鉛1種(三井金属工業(株)製)、部分被膜型酸化亜鉛(三井金属工業(株)製)、ナノファイン50(平均粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業(株)製)、ナノファインK(平均粒径0.02μmの珪酸亜鉛被膜した超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業(株)製)等があげられる。
本発明の難燃剤組成物における酸化亜鉛の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1.2〜5質量部である。
【0031】
また本発明の難燃剤組成物には、燃焼時のドリップを防止するために、ドリップ防止剤を配合してもよい。ドリップ防止剤としては、フッ素系ドリップ防止剤やシリコンゴム類、層状ケイ酸塩等が挙げられる。中でも、フッ素系ドリップ防止剤が好ましい。
【0032】
フッ素系のドリップ防止剤の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系樹脂やパーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロ−t−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−2−エチルヘキサンスルホン酸カルシウム塩等のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩化合物またはパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。ドリップ防止剤の中でも、ドリップ防止性の点から、ポリテトラフルオロエチレンが最も好ましい。
【0033】
ドリップ防止剤として層状ケイ酸塩を用いる場合、層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、タルク等が挙げられ、その層間に、有機カチオン、第4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンがインターカレートされているものでもよい。
【0034】
本発明の難燃剤組成物におけるドリップ防止剤の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.05〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。ドリップ防止剤の含有量が0.01質量部未満だとドリップ防止効果が十分でない場合があり、5質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
【0035】
本発明の難燃剤組成物には、配合時における二次凝集の抑制や耐水性を改良するために、シリコーンオイルを配合してもよく、シリコーンオイルの例としては、ポリシロキサンの側鎖、末端がすべてメチル基であるジメチルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部が水素であるメチルハイドロジェンシリコーンオイル等や、これらのコポリマーが挙げられ、またこれらの側鎖及び/または末端の一部に有機基を導入した、アミン変性、エポキシ変性、脂環式エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メルカプト変性、ポリエーテル変性、長鎖アルキル変性、フロロアルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級脂肪酸アミド変性、シラノール変性、ジオール変性、フェノール変性及び/またはアラルキル変性した変性シリコーンオイルを使用してもよい。
【0036】
上記シリコーンオイルの具体例をあげると、ジメチルシリコーンオイルとして、KF−96(信越化学(株)製)、KF−965(信越化学(株)製)、KF−968(信越化学(株)製)等が挙げられ、メチルハイドロジェンシリコーンオイルまたはメチルハイドロジェンポリシロキサン構造を有するシリコーンオイルとして、KF−99(信越化学(株)製)、KF−9901(信越化学(株))、HMS−151(Gelest社製)、HMS−071(Gelest社製)、HMS−301(Gelest社製)、DMS−H21(Gelest社製)などがあげられ、メチルフェニルシリコーンオイルの例としては、KF−50(信越化学(株)製)、KF−53(信越化学(株)製)、KF−54(信越化学(株)製)、KF−56(信越化学(株)製)等が挙げられ、エポキシ変性品としては、例えば、X−22−343(信越化学(株)製)、X−22−2000(信越化学(株)製)、KF−101(信越化学(株)製)、KF−102(信越化学(株)製)、KF−1001(信越化学(株)製)、カルボキシル変性品としては、例えば、X−22−3701E(信越化学(株)製)、カルビノール変性品としては、例えば、X−22−4039(信越化学(株)製)、X−22−4015(信越化学(株)製)、アミン変性品としては、例えば、KF−393(信越化学(株)製)などがあげられる。
【0037】
また、本発明の難燃剤組成物には、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤とは、有機官能基と共に加水分解性基を有する化合物であり、例えば、一般式A−(CH
2)
k−Si(OR)
3で表される。Aは有機官能基であり、kは1〜3の数を表し、Rはメチル基又はエチル基を表す。Aの有機基としては、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。本発明で使用するシランカップリング剤としては、エポキシ基を有するものが特に好ましい。
【0038】
更に、本発明の難燃剤組成物には、必要に応じて滑剤を配合することも好ましい。このような滑剤としては、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、低分子量ポリエチレン、ポリエチレンワックス等の純炭化水素系滑剤;ハロゲン化炭化水素系滑剤;高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤;脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステル、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル(エステルワックス)等のエステル系滑剤;金属石鹸、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリグリセロールの部分エステル系の滑剤や、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、シリコーンオイル、鉱油等が挙げられる。
【0039】
更に本発明の難燃剤組成物には、難燃助剤として多価アルコール化合物を配合することも好ましい。多価アルコール化合物は、複数のヒドロキシル基が結合している化合物であり、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、キシロース、スクロース(シュクロース)、トレハロース、イノシトール、フルクトース、マルトース、ラクトース等である。これら多価アルコール化合物のうち、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール等の、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールの縮合物の群から選ばれる一種以上が好ましく、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールの縮合物が特に好ましく、ジペンタエリスリトールが最も好ましい。
【0040】
ペンタエリスリトールの縮合物は、ペンタエリスリトールとペンタエリスリトールの縮合物の混合物でもよく(本発明ではこれを(ポリ)ペンタエリスリトール混合物という)、この(ポリ)ペンタエリスリトール混合物は、ペンタエリスリトールの縮合度をnで表すと、(ポリ)ペンタエリスリトール混合物の総量に対し、n=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量が5〜40質量%であることを特徴とするものである(但し、n=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物とn≧4のペンタエリスリトールの縮合物との合計の含有量は100質量%である。)。なお、n=1のものがペンタエリスリトールであり、n=2のものがジペンタエリスリトールである。
【0041】
上記(ポリ)ペンタエリスリトール混合物としては、難燃性の点から、ペンタエリスリトールの縮合度をnで表すと、混合物の総量に対し、n=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量が10〜30質量%であるものが好ましく、n=1のペンタエリスリトールの含有量が0〜10質量%であり、且つn=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量が5〜30質量%であるものがより好ましく、n=1のペンタエリスリトールの含有量が0〜5質量%であり、且つn=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量が10〜30質量%であるものが最も好ましい。
【0042】
上記ペンタエリスリトール及びその縮合物としては、下記一般式(5)で示される化合物が挙げられる。
【化1】
【0043】
上記(ポリ)ペンタエリスリトール混合物としては、上記一般式(5)で示されるペンタエリスリトールの縮合物が分子内でエーテル結合したもの、中間メチロール基が他の分子とエーテル結合したもの、さらには網目状に連なったもの、分子がさらに連なり、大きくなって各所で大環状エーテル構造になったもの等も含まれていてよい。
【0044】
上記(ポリ)ペンタエリスリトール混合物は、特に制限がなく公知の方法で製造することができる。例えば、ペンタエリスリトール及び/又はペンタエリスリトールの縮合物を、そのまま、或いは適当な触媒と溶媒の存在下、加熱脱水縮合反応させることによって製造することができる。
【0045】
上記(ポリ)ペンタエリスリトール混合物の製造に用いられる触媒の例としては、アルコールの脱水縮合反応に通常使用される無機酸、有機酸等が挙げられる。無機酸としては、リン酸、硫酸等の鉱酸;これらの鉱酸の酸性塩;粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト等)、シリカ・アルミナ、ゼオライト等の固体酸触媒等が挙げられる。有機酸としては、蟻酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。
【0046】
上記触媒の使用量は特に制限はないが、水溶性の酸触媒を用いる場合には、反応中の反応系内のpHが7未満、好ましくは5以下に維持できる量であればよい。また固体酸触媒を用いる場合には、通常、ペンタエリスリトールに対して0.1〜100質量%の使用量でよい。
【0047】
上記(ポリ)ペンタエリスリトール混合物の製造に用いられる溶媒の例としては、ベンゼン、キシレン、デカリン、テトラリン等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、アニソール、フェニルエーテル、ジグライム、テトラグライム、18−クラウン−6等のエーテル類、酢酸メチル、酪酸エチル、安息香酸メチル、γ−ブチロラクトン等のケトン類、N−メチルピロリジン−オン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピペリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のN−置換アミド類、N,N−ジエチルアニリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、キノリン等の三級アミン類、スルホラン等のスルホン類、ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の尿素誘導体、トリブチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、及びシリコーンオイル等が挙げられ、脱水処理したものでも含水品でもよい。
【0048】
上記(ポリ)ペンタエリスリトール混合物の製造における加熱脱水縮合の反応温度は、通常約100〜280℃程度であり、より好ましくは、150〜240℃である。反応温度が100℃より低いと反応が遅くなる場合があり、280℃より高いと縮合反応の制御が困難になる場合がある。
【0049】
本発明の難燃剤組成物にこれらの多価アルコール化合物を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.5〜15質量部が好ましく、より好ましくは2〜12質量部であり、さらにより好ましくは5〜10質量部である。
【0050】
本発明の難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて更に、ハロゲンを含有しない、有機又は無機系の難燃剤又は難燃助剤の一種以上を使用することができる。それら難燃剤・難燃助剤としては、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、ホスフェート系難燃剤、無機リン系難燃剤、ジアルキルホスフィン酸塩、シリコーン系難燃剤、金属酸化物、ホウ酸化合物、膨張性黒鉛、その他の無機系難燃助剤、その他の有機系難燃剤等が挙げられる。
【0051】
上記トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン、アンメリン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3−ヘキシレンジメラミン等が挙げられる。
【0052】
上記金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、キスマー5A(協和化学工業(株)製水酸化マグネシウムの商標)等が挙げられる。
【0053】
上記リン酸エステル系難燃剤の例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリスイソプロピルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t-ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(t-ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス-(t-ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス-(イソプロピルフェニル)ホスフェートなどが挙げられる。
【0054】
上記、縮合リン酸エステル系難燃剤の例としては、1,3−フェニレン ビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレン ビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられる。
【0055】
上記、無機リン系難燃剤としては、赤リンが挙げられる。
【0056】
上記、ジアルキルホスフィン酸塩としては、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。
【0057】
上記、その他の無機系難燃助剤としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの無機化合物、及びその表面処理品が挙げられる。その具体例としては、例えば、TIPAQUE R−680(石原産業(株)製酸化チタンの商標)、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製酸化マグネシウムの商標)などの種々の市販品を用いることができる。
【0058】
本発明で使用される難燃剤組成物には、必要に応じて、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、老化防止剤等を配合してもよい。これらの成分は本発明の難燃剤組成物にあらかじめ配合してもよいし、本発明の難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに合成樹脂に配合してもよい。これらを配合することにより合成樹脂を安定化することが好ましい。
【0059】
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6―ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
これらのフェノール系酸化防止剤の使用量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂組成物中、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましい。
【0060】
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。これらのリン系酸化防止剤の使用量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂組成物中、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましい。
【0061】
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。これらのチオエーテル系酸化防止剤の使用量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂組成物中、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましい。
【0062】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。これらの紫外線吸収剤の使用量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂組成物中、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましい。
【0063】
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。これらのヒンダードアミン系光安定剤の使用量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂組成物中、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましい。
【0064】
上記の老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニルジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系などが挙げられる。これらの老化防止剤の使用量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂組成物中、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましい。
【0065】
本発明の難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として強化材を配合してもよい。これらの成分は本発明の難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。この強化材としては、通常合成樹脂の強化に用いられる繊維状、板状、粒状、粉末状のものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維及び硼素繊維等の無機繊維状強化材、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、再生セルロース繊維、アセテート繊維、ケナフ、ラミー、木綿、ジュート、麻、サイザル、亜麻、リネン、絹、マニラ麻、さとうきび、木材パルプ、紙屑、古紙及びウール等の有機繊維状強化材、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト及び白土等の板状や粒状の強化材が挙げられる。これらの強化材は、エチレン/酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で被覆又は集束処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシラン等のカップリング剤等で処理されていても良い。
【0066】
本発明の難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、更に結晶核剤を配合してもよい。該結晶核剤としては一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを適宜用いることができ、本発明においては無機系結晶核剤及び有機系結晶核剤のいずれをも使用することができる。これらの成分は本発明の難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。
【0067】
上記無機系結晶核剤の具体例としては、カオリナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム及びフェニルホスホネート等の金属塩を挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
【0068】
有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレート等の有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウム等の有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド、ベンジリデンソルビトール及びその誘導体、ナトリウム−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等のリン化合物金属塩、及び2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム等を挙げることができる。
【0069】
本発明の難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、可塑剤を配合してもよい。該可塑剤としては、一般にポリマーの可塑剤として用いられるものを適宜用いることができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤及びエポキシ系可塑剤等を挙げることができる。
これらの成分は本発明の難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。
【0070】
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ロジン等の酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のジオール成分とからなるポリエステルや、ポリカプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル等を挙げることができる。これらのポリエステルは、単官能カルボン酸若しくは単官能アルコールで末端が封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物等で末端が封鎖されていてもよい。
【0071】
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート及びグリセリンモノアセトモノモンタネート等を挙げることができる。多価カルボン酸エステル系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシル等のトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシル、アジピン酸メチルジグリコールブチルジグリコール、アジピン酸ベンジルメチルジグリコール、アジピン酸ベンジルブチルジグリコール等のアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル等のアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、及びセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等のセバシン酸エステル等を挙げることができる。
【0072】
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体等のポリアルキレングリコール、或いはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、及び末端エーテル変性化合物等の、末端封鎖化合物等を挙げることができる。
【0073】
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリド等を指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート等の脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル等のオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル及びパラフィン類等を挙げることができる。
【0074】
本発明において可塑剤を使用する場合は、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0075】
その他、本発明の難燃剤組成物には、必要に応じて通常合成樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、帯電防止剤、金属石鹸、充填剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、発泡剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤、流動性改善剤、増粘剤、チキソトロピー付与剤、フュームドシリカ等を、本発明の効果を損なわない範囲で、配合することができる。
これらの成分は本発明の難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。
【0076】
本発明の難燃剤組成物は、質量で9倍量の水に分散させたスラリー状の液とした場合に、その25℃でのpHが3.0〜5.0の範囲となるものが好ましく、3.5〜5.0の範囲がより好ましく、4.0〜5.0の範囲が最も好ましい。
pHが3.0より低くなると、耐熱性が悪くなったり、加工機を腐食したり、合成樹脂に使用した場合に、耐候性が悪くなる場合があり好ましくない。
このpHの範囲は(C)成分のハイドロタルサイト化合物を添加することにより、pHを上げて、調整できる。
【0077】
本発明の難燃剤組成物は、合成樹脂の難燃化に効果があり、合成樹脂に配合し、難燃性合成樹脂組成物として好ましく用いられる。
本発明の難燃剤組成物により、難燃化される合成樹脂の具体例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂;石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂、SBS樹脂、耐熱ABS樹脂等);ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等の芳香族ポリエステル及びポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル;ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム及びポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリカーボネート、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性樹脂及びこれらのブレンド物あるいはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴムポリエーテルスルホン、ポリサルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等を挙げることができる。更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ナイロン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等のエラストマーであってもよい。
これらの合成樹脂は2種以上を使用してもよい。また合成樹脂はアロイ化されていてもよい。
【0078】
本発明で使用する合成樹脂は、分子量、重合度、密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合、立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料となるモノマーの種類や配合比率、重合触媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロセン触媒等)等に関わらず、使用することができる。
【0079】
これら合成樹脂の中でも、特にポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂の例を挙げると、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ヘミアイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン、シクロオレフィンポリマー、ステレオブロックポリプロピレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン/プロピレンブロック又はランダム共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のα−オレフィン共重合体等が挙げられる。
【0080】
本発明の難燃性合成樹脂組成物は、前記合成樹脂100質量部に対し本発明の難燃剤組成物を、好ましくは3〜100質量部、より好ましくは10〜90質量部、更により好ましくは20〜80質量部含有する。
【0081】
本発明の難燃性合成樹脂組成物は成形することにより、難燃性に優れた成形品を得ることができる。成形方法は、特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、ブロー成形等が挙げられ、樹脂板、シート、フィルム、異形品等の種々の形状の成形品が製造できる。
【0082】
樹脂組成物は、電気自動車、機械、電気・電子機器、OA機器等のハウジング(枠、筐体、カバー、外装)や部品、自動車内外装材等に使用できる。
【0083】
本発明の難燃性合成樹脂組成物及びその成形体は、電気・電子・通信、農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類、医療、石炭、石油、ゴム、皮革、自動車、精密機器、木材、建材、土木、家具、印刷、楽器等の幅広い産業分野に使用することができる。より具体的には、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、複写機、ファクシミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、カード、ホルダー、文具等の事務、OA機器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の家電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレーヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV機器、コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電気・電子部品及び通信機器、OA機器等のハウジング(枠、筐体、カバー、外装)や部品、自動車内外装材の用途に用いられる。
【0084】
更に、本発明の難燃性合成樹脂組成物及びその成形体は、座席(詰物、表地等)、ベルト、天井張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サンバイザー、ホイルカバー、マットレスカバー、エアバック、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被覆材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、デッキ材、壁材、柱材、敷板、塀の材料、骨組及び繰形、窓及びドア形材、こけら板、羽目、テラス、バルコニー、防音板、断熱板、窓材等の、自動車、ハイブリッドカー、電気自動車、車両、船舶、航空機、建物、住宅及び建築用材料や、土木材料、衣料、カーテン、シーツ、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、テント、楽器等の生活用品、スポーツ用品、等の各種用途に使用される。
【実施例】
【0085】
以下、実施例により本発明を詳細に示す。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜4〕
(A)成分と(B)成分を、以下の方法で製造した。
【0086】
〔製造例1〕
(A)成分:メラミン塩
オルトリン酸メラミンを220℃で6時間、固相状態で加熱縮合反応させて、ピロリン酸メラミンを主成分とするメラミン塩を製造した。メラミン塩は精製せずにそのまま用いた。メラミン塩中のピロリン酸メラミンの純度は、98.5%だった。
純度は、(株)センシュー科学製HPLC装置(ポンプ;SSC−3150,RI検出器;ERC−7515A)、日本分光製カラムオーブン(CO−965)、ショーデックス製OH pakカラム(SB−802.5 HQ)を用いて測定した。
【0087】
〔製造例2〕
(B)成分:ピペラジン塩
オルトリン酸ピペラジンを250℃で1時間、固相状態で加熱縮合反応させて、ピロリン酸ピペラジンを主成分とするピペラジン塩を製造した。ピペラジン塩は精製せずにそのまま用いた。ピペラジン塩中のピロリン酸ピペラジンの純度は、99.0%だった。
純度は、(株)センシュー科学製HPLC装置(ポンプ;SSC−3150,RI検出器;ERC−7515A)、日本分光製カラムオーブン(CO−965)、ショーデックス製OH pakカラム(SB−802.5 HQ)を用いて測定した。
【0088】
次に、表1記載の配合で、実施例の難燃剤組成物を調整した。同様にして表1記載の配合で、比較例の難燃剤組成物を調整した。
また得られた難燃剤組成物のpHを、下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
また得られた難燃剤組成物の腐食試験を、下記腐食試験方法で行った。結果を表1に示す。
また得られた難燃剤組成物の耐熱性試験を、下記耐熱性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0089】
<pH測定方法>
100mlビーカー中の水36gに難燃剤組成物4gを加えた。そのビーカーに、室温で30分間、超音波振動を与えて、難燃剤組成物が10質量%のスラリー状の液を得た。得られたスラリー状の液の25℃でのpHを、pHメーター(株式会社堀場製作所製LAQUA F−72)で測定した。同様の操作を3回行い、その平均値をpHとした。
【0090】
<腐食試験方法>
容量100mlのガラス製のテストチューブに難燃剤組成物10gを入れた。更にそのテストチューブの中に直径10mmの真鍮製の試験棒を、難燃剤組成物中に試験棒の下半分が浸るように入れた。テストチューブを、air中、200℃のブロックバスに入れ加熱した。400時間後の、真鍮製の試験棒の難燃剤組成物に浸かっていた部分の表面状態を目視で確認し、以下のように評価した。
×:腐食により、試験棒の表面が黒く変色した。
△:試験棒の表面が少し変色した。
○:試験棒の表面に、ほとんど変化が見られなかった。
【0091】
<耐熱性試験方法>
熱重量・示差熱分析装置Thermo plus EVO(株式会社リガク製)で、空気200ml/分の気流下で昇温速度10℃/分で30℃から310℃まで昇温し、1%重量減少温度を測定した。
【0092】
〔実施例7〜12、比較例5〜8〕
ポリプロピレン(メルトフローレート=8g/10min)70質量部に、ステアリン酸カルシウム(滑剤)0.1質量部、テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル]メタン(フェノール系酸化防止剤)0.1質量部、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト(リン系酸化防止剤)0.1質量部、グリセリンモノステアレート(滑剤)0.3質量部を配合して得られたポリプロピレン樹脂組成物に対して、実施例1〜6で得られた難燃剤組成物を表2記載の割合(質量%)で添加して、実施例7〜12の難燃性合成樹脂組成物を得た。ちなみに難燃剤組成物は、実施例1で得られた難燃剤組成物を難燃剤組成物−1、実施例2で得られた難燃剤組成物を難燃剤組成物−2とし、以下同様に難燃剤組成物−6までを用いた。
【0093】
また比較例1で得られた難燃剤組成物を比較難燃剤組成物−1、比較例2で得られた難燃剤組成物を比較難燃剤組成物―2とし、以下同様に比較難燃剤組成物−4までを用いて、表2記載の配合で、比較例5〜8の難燃性合成樹脂組成物とした。
【0094】
実施例7〜12で得られた難燃性合成樹脂組成物を200〜230℃で押し出してペレットを製造し、これを使用して200℃で射出成型し、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの試験片を得た。この試験片を用いて難燃性試験として、下記試験方法で、UL−94V試験を行った。結果を表2に示す。同様にして、比較例比較例5〜8の難燃性合成樹脂組成物に対してUL−94V試験を行った。結果を表2に示す。
また、実施例7〜12で得られた難燃性合成樹脂組成物に対し耐候性試験を下記試験方法で行った。結果を表2に示す。
同様にして、比較例5〜8で得られた難燃性合成樹脂組成物に対して耐候性試験を行った。結果を表2に示す。
【0095】
<難燃性UL−94V試験方法>
長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行ない、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。
1回目と2回目の燃焼時間、綿着火の有無等からUL−94V規格にしたがって燃焼ランクをつけた。燃焼ランクはV−0が最高のものであり、V−1、V−2となるにしたがって難燃性は低下する。但し、V−0〜V−2のランクの何れにも該当しないものはNRとする。
【0096】
<耐候性試験方法>
上記試験片を、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製)、63℃雨有りの条件で、240時間及び360時間での黄色度(Y.I.)を測定した。黄色度の測定には、色差計TC−8600A((有)東京電色製)を用いた。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】