(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3の工程において、前記透光部材前駆体を、前記第1光反射部材の延長する方向に直交する方向で切断する請求項1〜3のいずれか1つに記載の透光部材の製造方法。
前記第4の工程において、平面視、前記透光性樹脂の外縁よりも小さい前記発光素子を用い、前記透光性樹脂の外縁を、前記発光素子の外縁よりも外側に配置し、前記透光部材を前記発光素子に固定する請求項6に記載の発光装置の製造方法。
前記第4の工程において、平面視、前記透光部材の外縁よりも大きい前記発光素子を用い、前記透光部材の外縁を、前記発光素子の外縁よりも内側に配置し、前記透光部材を前記発光素子に固定し、
前記第5の工程において、さらに、前記発光素子の上面及び前記透光部材の側面を、前記第2光反射部材で被覆する請求項6に記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態及び実施例においては、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。以下の説明において、同一の名称、符号については同一又は同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。一実施形態及び一実施例において説明された内容は、他の実施形態及び他の実施例等に利用可能である。
【0011】
〔透光部材の製造方法〕
透光部材の製造では、まず、第1の工程において、第1光反射部材を準備する。そして、第2の工程において、第1の工程で準備した第1光反射部材に、準備した透光性樹脂を充填して硬化させて、透光部材前駆体を得る。第2の工程で得られた透光部材前駆体を、第3の工程において、第1光反射部材が延長する方向で切断することで、透光部材を作製する。
【0012】
・第1の工程
第1の工程において、筒状に延長した第1光反射部材を準備する。筒状とは、細長い棒状であって、中心が空洞であるものを意味する。例えば、パイプ状、チューブ状、管状と言い換えることができる。延長する方向とは、筒の高さ方向又は筒の直径に対する垂直方向を意味する。この延長する方向に対して垂直な断面における外径(直径)は、筒状に延長した第1光反射部材よりも短い。第1光反射部材は、剛性であってもよいし柔軟性を有していてもよい。
【0013】
第1光反射部材の延長方向の長さは特に限定されるものではなく、用いる材料等によって適宜設定することができる。
【0014】
第1光反射部材の断面の外側の形状は、円状に限定されるものではなく、用いる発光素子の形状や発光装置の特性によって適宜設定することができる。例えば、断面形状が四角形、特に、正方形又は長方形であることが好ましい。これにより、平面視で正方形又は長方形の発光素子を用いる場合に、効率的に光を取り出すことが可能である。
その断面の外径(直径)は、用いる発光素子のサイズ、形成する発光装置のサイズ等によって、適宜変更することができる。第1光反射部材の外径は、発光素子の上面よりも大きいことが好ましい。これにより、発光装置の見切り性を確保しやすい。第1光反射部材の外径は、形成される発光装置の実装基板の外縁以下の大きさであることが好ましい。これにより、後述する発光装置ごとに分離する工程において、分離しやすい。第1光反射部材の外径は延長方向に変化していてもよいが、一定であることが好ましい。外径は、例えば、数十μm〜数mm程度が挙げられる。内径は、例えば、十数μm〜数百μm程度が挙げられる。
【0015】
第1光反射部材の肉厚は、筒状の形態を確保することができ、かつ後述する透光性樹脂の充填及び硬化後も形状を維持することができる強度を有している限り、延長方向において一定であってもよいし、変化していてもよい。例えば、
図2Aに示すように、第1光反射部材の延長方向において、その内側に幅狭又は幅広と変化するテーパ形状が連続して配置されており、内径が変化していてもよい。その変化する形状のピッチは、後述するように、透光部材前駆体を切断して個片化する場合の1片に相当する長さ(厚み)とすることが好ましい。例えば、数十μm〜数百μm程度、特に50〜300μm程度が好ましい。
【0016】
個片化後に発光素子の上面に配置される側の第1光反射部材の内径は、発光素子の上面と同じか、大きいことが好ましい。これにより、発光素子の光を効率的に出射可能な透光部材を形成することができる。従って、
図2Aのように第1光反射部材の内径が変化する場合、最も幅狭となる第1光反射部材の内径は、発光素子の上面と同じか、大きいことが好ましい。
第1光反射部材の内側の形状は、例えば、凹凸、曲面を有する形状としてもよい。個片化後に発光素子の上面に配置される側の第1光反射部材の内径は、発光素子の上面よりも小さくてもよい。
筒状の第1光反射部材の肉厚、つまり、1光反射部材の内径と外径とが一定の場合には、第1光反射部材を容易に形成できるため好ましい。
【0017】
第1光反射部材は、発光素子の光を遮光できる部材であればよい。発光素子の光を吸収しにくい材料で形成されることが好ましい。特に、発光素子から出射される光に対する反射率が60%以上、70%以上、80%以上又は90%以上の材料によって形成されていることが好ましい。
第1光反射部材は、例えば、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等の光反射性物質を含むことができる。
【0018】
このような光反射性物質は、例えば、樹脂又はセラミックス等の母材と混合され、筒状に延長した形状に成形することができる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等などが挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂(シリコーン変性エポキシ樹脂等)、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂(エポキシ変性シリコーン樹脂等)、ハイブリッドシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0019】
第1光反射部材を、光反射性物質と樹脂とによって構成する場合、光反射性物質は、第1光反射部材の全重量において、10〜95重量%程度、20〜80重量%程度、30〜60重量%程度、20〜60重量%程度で用いることが好ましく、30〜50重量%程度がより好ましい。このような組成とすることにより、光反射率を高めつつ、成形性を高めることができる。また、強度を確保することができる。さらに、後述する透光性樹脂の充填及び硬化等における温度変化においても十分な耐性を確保することができる。
【0020】
第1光反射部材は、さらに、フィラー、光散乱材及び着色材等を含んでいてもよい。例えば、ガラス、酸化マグネシウム、ワラストナイト等の無機フィラー、蛍光体等の波長変換部材を含んでいてもよい。
【0021】
第1光反射部材は、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形等、プラスチックの成形加工の分野で公知の方法により成形することができる。予め、レジスト等の可溶性樹脂の成形物を形成し、その周りに第1光反射部材を構成する材料をコート(例えば、ポッティング、スプレー、塗布等)し、その後、成形物を溶解させて除去することにより形成してもよい。特に、延長方向において、内側の形状が変化する第1光反射部材を形成する場合、金型を用いて、第1光反射部材を延長方向に例えば半分に切断した形状の成形体を作製し、それらを張り合わせることで形成することができる。あるいは、上述した公知の成形方法で筒状の第1光反射部材を形成した後又は形成する際に、プレス等の外力を負荷してその内側の形状を変形させてもよい。棒状の第1光反射部材を形成し、その中心を第1光反射部材の延長方向にくり抜くことによって形成してもよい。
【0022】
第1光反射部材の内側には、反射膜を形成してもよい。反射膜は、第1光反射部材の成形後に、内側を被覆するように形成してもよいし、上述の可溶性樹脂の成形物上に形成し、その上に第1光反射部材をコートし、成形物を除去することで形成してもよい。反射膜は、反射性の材料、例えば、銀、アルミニウム、銅、酸化チタン等を用いて形成することができる。反射膜は、スパッタ等の公知の方法で形成することができる。反射膜を有することで、発光素子からの光をさらに効率的に出射可能な透光部材を形成することができる。
【0023】
・第2の工程
第2の工程において、透光性樹脂の準備、充填及び硬化を行う。透光性樹脂は、透光性を有するものであればよく、例えば、発光素子から出射される光に対する透過率が60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上の材料によって形成されていることが好ましい。
【0024】
透光性樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等など、上述の第1光反射部材の母材として挙げられる樹脂と同様のものが挙げられる。ここで用いる透光性樹脂は、上述した第1光反射部材を構成する樹脂と同じ樹脂を選択することにより、両者の密着性を確保することができ、透光部材を安定的に作製することができる。
【0025】
透光性樹脂には、発光素子の光を所望の波長に変換するため、蛍光体等の波長変換部材を含有させることが好ましい。
【0026】
蛍光体としては、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)、硫化物系蛍光体などが挙げられる。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば、白色系)を出射する発光装置、紫外光の一次光に励起されて可視波長の二次光を出射する発光装置とすることができる。
【0027】
蛍光体は、例えば、中心粒径が50μm以下、30μm以下、10μm以下であるものが好ましい。中心粒径は、は、F.S.S.S.No(Fisher Sub Sieve Sizer’s No)における空気透過法で得られる粒径を指す。
波長変換部材は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料、例えば、II−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdS
xSe
1-x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。
【0028】
透光性樹脂には、さらに、充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)を含有させてもよい。これらは、上述したものと同様のものを用いることができる。透光性樹脂に波長変換部材及び/又は充填材を含有させる場合、波長変換部材及び/又は充填材は、例えば、これらの合計重量の10〜80重量%程度とすることが好ましい。
【0029】
筒状に延長した第1光反射部材内に透光性樹脂を充填する方法は、特に限定されるものではなく、プラスチックの成形加工の分野において公知の方法を利用することができる。例えば、粘度又は流動性を調整しながら、筒状の第1光反射部材内に流し込む方法、金型を利用する射出法等が挙げられる。
【0030】
透光性樹脂の硬化は、プラスチックの成形加工の分野において公知の方法を利用することができる。硬化方法としては、用いる樹脂の種類等によって適宜選択することができ、例えば、加熱する方法、所定時間静置又は放置する方法、冷気を吹き付ける方法、放射線(X線、紫外線等)を照射する方法等が挙げられる。第1光反射部材に充填された透光性樹脂を硬化することで、硬化した透光性樹脂22を含む第1光反射部材11、つまり、透光部材前駆体30を得ることができる。
【0031】
上述した第1の工程及び第2の工程は、この順に行うことが好ましいが、これらの工程を同時に行ってもよい。例えば、第1光反射部材を成形するための材料を準備し、透光性樹脂を準備し、これらを共押出する又は同時に上述した構成となるように射出成形等する方法を利用してもよい。このような方法を利用することにより、簡便かつ高精度に成形することができる。
【0032】
・第3の工程
第2の工程後、第2の工程によって得られた透光部材前駆体30の個片化を行う。この場合、硬化した透光性樹脂の略全周囲に第1光反射部材が配置される形態であれば、どのような形態に切断してもよい。これにより、発光装置の配光特性、特に見切り性を改善することができる。本来、発光素子からの光は拡散して放射状に出射されるため、発光面側に配置される透光部材の第1光反射部材で縁取られることで集約され、発光領域となる透光性樹脂から出射される光が明瞭に区切られる。従って、得られた第1光反射部材の切断は、第1光反射部材が延長する方向に交差する方向、特に、直交する方向に切断することが好ましい。これにより、透光部材において透光性樹脂の上面と下面の位置を一致させやすく、発光装置の見切り性を高めることができる透光部材を形成することができる。
【0033】
切断方法としては、その切断面を平坦とできる方法を利用することがより好ましい。これにより、硬化した透光性樹脂の上面と第1光反射部材の上面とが略同一面上に形成されるため、透光部材によって発光装置の見切り性をより向上させることができる。このような切断方法は、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、ブレードダイシング、レーザダイシング等が挙げられる。
切断は、個片化された透光部材が均一な厚みとなるように行うことが好ましい。例えば、個片化された透光部材の厚みは、数μm〜数mm程度、10〜1000μm程度、10〜500μm程度、さらに50〜300μm程度が挙げられる。個片化した後、研磨等を行って、所望の厚みとしてもよい。
得られた第1光反射部材を連続して切断する場合、各切断は、互いに平行に行うことが好ましく、同じ間隔(厚み)で行うことが好ましい。
【0034】
上述した工程を行うことにより、貫通孔を有する板状体の第1光反射部材に、波長変換部材を含有する透光性樹脂を備え、第1光反射部材及び透光性樹脂の上面が略同一面上にある透光部材を形成することができる。これにより、高精度に、簡便かつ容易に発光装置の見切り性を良好にできる透光部材を製造することができる。
【0035】
〔発光装置の製造方法〕
発光装置は、第4の工程において、上述した透光部材を、発光素子の上面に固定し、第5の工程において、発光素子の側面を、第2光反射部材で被覆することによって形成することができる。ただし、後述するように、第4の工程と第5の工程は、この順に行うことが好ましいが、必ずしもこの順に行わなくてもよく、これらの工程を同時に又は逆の順序で行ってもよい。
第4の工程の前後、特に第4の工程の前に、発光素子を実装基板上に搭載することが好ましい。これにより、発光素子を実装基板に精度よく実装しやすい。1つの発光素子を1つの実装基板上に搭載してもよいし、複数の発光素子を複数の実装基板上に搭載してもよいし、複数の発光素子を1つの実装基板上に搭載してもよい。複数の発光素子を1つの実装基板上に搭載する場合、第5の工程の後に、発光装置ごとに分離する工程を行ってもよい。
【0036】
・第4の工程
第4の工程において、透光部材を発光素子上に固定する。つまり、発光装置における光取り出し面側に透光部材を配置する。
ここで用いる透光部材は、1つでもよいし、複数でもよい。ここで用いる発光素子は、1つでもよいし、複数でもよい。つまり、実施形態において製造する発光装置は、発光素子を1つのみ含むものであってもよいし、複数含むものであってもよい。
特に、発光装置の見切り性を確保するという観点から、1つの透光部材を1つの発光素子の上に固定することが好ましい。
【0037】
ここで用いる発光素子は、当該分野で一般的に用いられている発光素子を用いることができる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSe、窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaPなどの半導体層を用いたもの、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどの半導体層を用いたものが挙げられる。
発光素子は、サファイア等の絶縁性の半導体成長用の基板上に半導体層が積層されて形成されることがあるが、最終的に、この半導体成長用の基板が除去されたものであってもよい。
発光素子は、半導体層の反対側に電極が配置されているもの(両面電極)であってもよいが、同じ側に電極が配置されているものが好ましい。これによって、実装基板に対して電極を接合するフリップチップ実装することができる。発光素子をフリップチップ実装すると、発光素子の上面に透光部材を配置させやすいため好ましい。
【0038】
発光素子は、平面視において、透光部材(詳述すると第1光反射部材)の外縁、より好ましくは透光性樹脂の外縁よりも小さいものを用いることが好ましい。これにより、発光素子から出射される光を透光性樹脂に効率的に導入することができ、発光装置の光の取り出しを向上させることができる。ただし、発光素子は、平面視で透光性樹脂の外縁又は透光部材(第1光反射部材)の外縁よりも大きいものを用いてもよい。平面視で透光性樹脂の外縁よりも大きく、透光部材の外縁よりも小さい発光素子を用いる場合、少なくとも発光素子の側面及び透光部材の下面を後述の第2光反射部材で被覆することにより、見切りの良い発光装置を形成することができる。平面視で透光部材の外縁よりも大きい発光素子を用いる場合は、発光素子の側面だけでなく、発光素子の上面及び透光部材の側面を第2光反射部材で被覆することにより、見切りの良い発光装置を形成することができる。平面視で透光部材の外縁と略同じ大きさの発光素子を用いてもよい。
このように、本実施形態では、発光素子の上面の大きさにかかわらず、透光部材の透光性樹脂の平面視の大きさによって、発光装置の発光面の大きさが決定される。
【0039】
発光素子の上面への透光部材の固定は、例えば、透光性の接着部材によって行うことができる。接着部材は、特に限定されるものではなく、透光性を有し、かつ、発光素子に透光部材を固定し得るものであればよい。
【0040】
接着部材は、平面視で透光部材よりも外縁の小さい発光素子を用いる場合、例えば、発光素子上面の外縁から透光部材下面の外縁方向へ広がるフィレット形状に形成することができる。また、平面視で透光部材の外縁よりも大きい発光素子を用いる場合、例えば、透光部材下面の外縁から発光素子上面の外縁方向へ広がるフィレット形状の接着部材を形成することができる。ここで、見切りの良い発光装置を形成するという観点から、接着部材の外縁は、透光部材外縁よりも内側に配置することが好ましい。しかし、接着部材の外縁が第2光反射部材で被覆される場合は、これに限らない。
【0041】
上述したように、発光素子は、実装基板上に搭載されることが好ましい。ここでの実装基板は特に限定されず、1つの発光素子を搭載するための、いわゆる正負一対の端子を有する実装基板であってもよいし、複数の発光素子を搭載するための配線パターンを有する実装基板であってもよい。
いずれの実装基板であっても、例えば、絶縁性の基材と、その表面に形成された導電性の端子又は配線パターンを有する。基材及び端子又は配線パターンを形成する材料、形状、大きさ等は、所望の発光装置の形態によって適宜選択することができる。
【0042】
発光素子は、発光素子の半導体層側(電極形成面と反対側)を実装基板上に接合させるフェイスアップ実装でもよい。フェイスアップ実装する場合、例えば、上述の樹脂等の接着部材を、発光素子上に配置させることにより、ワイヤの一部を埋設し、その上に透光部材を配置させることができる。また、透光部材を、発光素子の電極とワイヤとの接続部を避けるような形状とし、発光素子上に固定することができる。例えば、個片化された透光部材に孔を設けてもよいし、発光素子の電極の位置を発光素子の上端部とすることで、孔を有さない形状としてもよい。
【0043】
発光素子の実装基板への搭載は、通常、ダイボンド材を介して行われる。ダイボンド材としては、例えば、錫−ビスマス系、錫−銅系、錫−銀系、金−錫系などの半田、AuとSnとを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金等の共晶合金、あるいは、銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、低融点金属のろう材、上述の樹脂等が挙げられる。
【0044】
複数の発光素子を1つ又は複数の実装基板上に搭載する場合には、第4の工程の前に、複数の透光部材を1つの支持体上に配列することができる。支持体としては、特に限定されるものではなく、剥離型の粘着テープ又はシートを用いることが好ましい。このような支持体の利用によって、複数の発光素子に対して、複数の透光部材を同時に載置し、固定することができる。その結果、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0045】
・第5の工程
第5の工程において、発光素子の側面を第2光反射部材で被覆する。発光素子が複数配置されている場合には、隣接する発光素子(及び透光部材)間を充填するように第2光反射部材を設ける。これにより、見切り性の良い発光装置を形成することができる。さらに、発光素子が隣接して配置される場合における、非点灯の発光素子の微小発光現象を防止することが可能となり、また、発光装置の配光を精度よく制御することができる。第2光反射部材は、直接的に、つまり発光素子の側面と接触するように配置することが好ましい。第2光反射部材は、透光部材との接着性等との観点から、第1光反射部材を構成する材料と同じ材料、特に同じ樹脂を含むことが好ましい。上述した反射膜のなかから選択したもので形成してもよい。複数の層で構成されていてもよい。
【0046】
このように第2光反射部材で発光素子の側面を被覆することにより、より効率的に、発光素子から出射される光を特定の方向に配光することができる。被覆する発光素子の側面は、一部であってもよいが、全側面であることが好ましい。ここでの発光素子の側面とは、主に発光素子を構成する半導体層の側面や半導体成長用の基板の側面を意味するが、電極が配置されている場合には、電極の側面にわたって配置されていてもよい。
【0047】
上述したように、通常、発光素子は第4の工程の前に実装基板上に搭載されるため、発光素子の側面から実装基板の表面にわたって、第2光反射部材で被覆することが好ましい。発光素子と実装基板との間に空間がある場合には、その空間が第2光反射部材で充填(埋設)されていることが好ましい。これらの全ての部位(発光素子側面、電極側面及び発光素子と実装基板との間)において、第2光反射部材として同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
【0048】
第2光反射部材として、上述した第1光反射部材を構成する材料と同じ材料を用いる場合、ポッティング、トランスファーモールド、コンプレッションモールド等を利用することにより、発光素子の側面を被覆することができる。これらの方法によって、発光素子の側面の被覆を簡便に行うことができる。また、第2光反射部材を、透光部材の下方にのみ、簡便かつ確実に、精度よく配置することができる。特に、第5の工程を第4の工程の後に実行する場合には、第2光反射部材の上面を透光部材の下面と容易かつ確実に一致させるように、発光素子の側面を被覆することができる。また、複数の発光素子が配列されている実装基板上において、これらの複数の発光素子を、一体的に一括で第2光反射部材によって、簡便に被覆することができる。
【0049】
予め実装基板上に第2光反射部材を形成し、その後、透光部材が固定された発光素子を第2光反射部材上に配置し、発光素子の電極と実装基板の配線とが接するように押圧してもよい。この場合、第2光反射部材として、光反射性物質を含有したACP等の異方性導電部材を用いることができる。これにより、発光素子の側面の被覆を簡便に行うことができるとともに、第2光反射部材を、透光部材の下方にのみ(つまり、透光部材の側面を被覆することなく)、簡便かつ確実に、精度よく配置することができる。また、第2光反射部材の上面を透光部材の下面と容易かつ確実に一致させることができる。
【0050】
1つの実装基板上に複数の発光素子が搭載されている場合、複数の発光素子の上に1つの透光部材が固定されている場合など、その必要に応じて、第5の工程の後、1つの発光素子ごと又は1群の発光素子ごとに、透光部材、第2光反射部材及び/又は実装基板等を分離してもよいし、分離しなくてもよい。これによって、所望の配向性、輝度、大きさ等の発光装置を得ることができる。分離は、ブレードダイシング、レーザダイシング等を利用して透光部材、第2光反射部材及び/又は実装基板等を切断することで行うことができる。
【0051】
透光部材は、第1光反射部材の側面が、さらに透光性または光反射性の部材で被覆されていてもよい。透光性の部材は、透光性樹脂と同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。例えば、透光性樹脂と同じ樹脂を用いて、含有させる波長変換部材等を変更することにより、所望の発光を有する発光装置を形成することができる。光反射性の部材は、例えば、上述の反射膜と同じ材料で形成することができる。これにより、発光素子の光を効率的に出射可能な透光部材を形成することができる。第1光反射部材と同様の方法で、第1光反射部材の外縁よりも大きい空洞を有する光反射性の部材を準備し、透光部材前駆体を囲むように配置させ、透光部材前駆体と光反射性の部材との隙間に透光性の部材を充填させて硬化することにより、透光部材の外側にさらに透光性の部材及び光反射性の部材を有するように形成してもよい。
【0052】
以下に、透光部材の製造方法及び発光装置の製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0053】
〔実施例1:透光部材の製造方法〕
図1Aに示すように、第1の工程において、筒状に延長した第1光反射部材11を準備する。第1光反射部材11は、シリコーン樹脂に、60重量%の光反射性物質であるTiO
2を含有させて成形したものを用いることができる。そのサイズは、例えば、延長方向に垂直な断面の外径1300×400μm、肉厚50μm、延長方向の長さ200mmとすることができる。本実施例の第1光反射部材11は、その延長方向に垂直な断面において、外形が矩形であり、その中心に矩形の貫通孔を有する。すなわち、矩形の環状である。本実施例の第1光反射部材11の内側の形状は、延長方向において一定であり、第1光反射部材11の肉厚は略一定である。
【0054】
第2の工程において、
図1Bに示すように、筒状の第1光反射部材内に、透光性樹脂12aを流し込んで充填し、硬化させる。透光性樹脂12aは、例えば、シリコーン樹脂に5〜70重量%のYAG蛍光体を含有させたものを用いることができる。透光性樹脂12aの硬化は、用いる樹脂の種類にもよるが、25〜200℃に加熱したオーブン中で1〜360分間加熱することにより行うことができる。これにより、硬化した透光性樹脂12を含む第1光反射部材11である透光部材前駆体30を得る。
【0055】
第3の工程において、
図1Cに示すように、透光部材前駆体30を、第1光反射部材11が延長する方向に直交する方向Aで切断して個片化し、
図1Dに示す透光部材13を形成する。ここで、切断はダイサー等によって行うことができる。これにより、例えば、平面視で外径1300×400μm、厚み100μmの透光部材13を形成することができる。
【0056】
〔実施例2:透光部材の製造方法〕
実施例2に示される透光部材は、内側にテーパ形状が連続して配置される
図2Aに示す第1光反射部材21を用いた以外は、実施例1と略同様の構成及び製造方法で形成される。
この第1光反射部材21は、例えば、射出成形によって筒状に成形された第1光反射部材を冷却する際に内側からプレスすることにより、内側にのみテーパ形状を複数形成することができる。このような形状は、予めレジスト等の可溶性の成形物を形成し、その周りに第1光反射部材を形成し、その後に成形物を溶解させて除去することによっても、形成可能である。つまり、テーパ形状を複数有する成形物を準備し、その側面に第1光反射部材を形成し、成形物を溶解させて除去することにより、
図2Aに示される第1光反射部材を形成することができる。
透光部材前駆体30は、
図2Aに示すように、幅狭及び幅広の部位の境界Bにおいて切断することにより、
図2Bに示す透光部材23を得ることができる。
【0057】
得られた透光部材23は、第1光反射部材21の内面が傾斜しており、その個片化された上下の切断面において、透光性樹脂22の大きさが異なっている以外は、実質的に実施例1で得られた透光部材と同様の構成を有する。この透光部材23は、第1光反射部材21の内面が傾斜していることでリフレクタの役割を果たし、より一層良好な配光性を与えることができる。
【0058】
〔実施例3:発光装置の製造方法〕
まず、第4の工程において、
図3Aに示される実装基板に実装された発光素子14に、実施例1で得られた透光部材13を、透光性の接着部材等を介して発光素子14の上面に載置し、
図3Bに示すように固定する。
【0059】
発光素子14は、そのサイズが、例えば、平面視1100×300μm、高さ200μmであるものを用いる。発光素子14の上面の外形は、透光部材13の透光性樹脂12の外形と同等か若干小さい。従って、透光部材13を、透光部材13の透光性樹脂12の外縁が、発光素子14の外縁と一致するか、外縁より若干外側に配置するように、発光素子14上に載置し、固定する。発光素子14は、予め、実装基板16にダイボンド材である半田を用いてフリップチップ実装によって搭載することができる。
【0060】
第5の工程において、
図3Cに示すように、発光素子14の全側面を、第2光反射部材15で被覆する。第2光反射部材15は、例えば、シリコーン樹脂に、シリカと、酸化チタンとを、それぞれ、2〜2.5重量%及び40〜50重量%で含有させて形成されたものを用いることができる。第2光反射部材15を、透光部材13の下方に吐出することにより、その流動性を利用して、発光素子14の全側面を被覆する。
第2光反射部材15は、透光部材13の下方にのみ配置しており、その上面が、透光部材13の下面と一致している。発光素子14と実装基板16との空間にも、第2光反射部材15が充填される。これによって、発光素子14から出射される光を、透光部材13に効率的に導入することができる。その結果、配光性及び見切り性の良好な発光装置を得ることができる。
【0061】
〔実施例4:発光装置の製造方法〕
実施形態1で得られた透光部材13に代えて、実施例2で得られた透光部材23を用いて、実施例3と同様にして発光装置を製造する。透光部材23における第1光反射部材21の外形は、
図4に示すように、実施例1の透光部材13と同じであるが、透光性樹脂22の側面及び第1光反射部材の内側が、その上面から下面に幅広となっている。透光性樹脂22の下面の外縁は、発光素子の外縁の外側に配置される。このような形状によって、発光素子14から出射された光は、効率的に透光性樹脂22を通り、かつ、第1光反射部材21の内面がリフレクタの役割を果たすことで、より一層良好に発光装置から取り出される。
【0062】
〔実施例5:発光装置の製造方法〕
図5Aに示すように、複数の発光素子14を1つの実装基板36上に、規則的に配列して搭載する。また、
図5Bに示すように、支持体37として剥離型の粘着シート上に、実装基板36上に配列した発光素子14にそれぞれ対応する位置に、複数の透光部材13を規則的に配列する。
第4の工程において、
図5Cに示すように、平面視において、透光部材13の透光性樹脂12の外縁が、発光素子14の外縁より外側にそれぞれ配置するように、透光部材13を発光素子14上に一括して載置し、固定する。
第5の工程において、
図5Dに示すように、透光部材13と支持体37とを固定したまま、第2光反射部材15を、透光部材13の下方に吐出することにより、その流動性を利用して、複数の発光素子14のそれぞれの全ての側面を一体的に被覆する。その後、
図5Eに示すように、透光部材13から支持体37を剥離する。これにより、支持体37が第2光反射部材15のマスクとなり、第2光反射部材15を、主に、透光部材13の下方に配置することができる。
図5Fに示すように、発光素子14間の第2光反射部材15である切断位置Cで、ダイサーを用いて、実装基板36及び第2光反射部材15を切断することで、発光装置を得ることができる。
上記以外は、実質的に実施例3と同様の方法で製造することができる。
このような発光装置においても、実施例2の発光装置と同様の効果が得られる。
【0063】
上述したような製造方法によって、高精度かつ簡便に透光部材及び発光装置を製造することができる。また、見切り性が良好な発光装置を得ることが可能となる。
さらに、複数の発光装置が搭載される発光装置であっても、個々の発光素子をそれぞれ独立に点灯制御する際に、点灯した発光素子の光が、隣接する非点灯の発光素子方向に出射しにくく、非点灯の発光素子の微小発光を阻止することができる。