(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下部ドームの前記周辺フランジの前記平坦な底表面が、前記熱処理チャンバの中に配置された基板支持体の基板受け面によって画定される水平面と実質的に平行である、請求項9または10に記載のドームアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0026] 理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。一つの実施形態の要素および特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれうることが企図される。
【0010】
[0027] 以下の記述では、説明の目的のために、本発明の徹底的な理解を提供するため、多数の詳細が記述される。幾つかの例では、本発明を不明瞭にすることを回避するため、周知の構造及び装置が、詳細によりはむしろ、ブロック図の形で示される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分詳細に記載される。他の実施形態が利用されうるということと、本発明の範囲から逸脱することなく、論理的、機械的、電気的及び他の変化がなされうるということが理解されるべきである。
【0011】
[0028]
図1Aは、本発明の一実施形態による裏側加熱処理チャンバ100の概略断面図を示す。
図1Bは、
図1Aの線1B−1Bに沿って見た、処理チャンバ100の概略側面図を示す。ライナアセンブリ163と円形シールド167が、明確さのために、
図1Bから省略されたことに留意されたい。処理チャンバ100が、基板108の上面上での材料の堆積を含んで、一つ又は複数の基板を処理するために使用されうる。処理チャンバ100は、処理チャンバ100の中に配置された基板支持体106の裏側104を、他の部品の中でも特に、加熱するための放射加熱ランプ102の列を含みうる。幾つかの実施形態において、放射加熱ランプの列は、上部ドーム128の上に配置されてもよい。基板支持体106は、示されているようなディスク状の基板支持体106であってもよいし、又は
図1Bに示されるような中央開口のないリング状の基板支持体107であってもよく、これは、ランプ102の熱放射への基板の曝露を容易にするために、基板のエッジから基板を支持する。
【0012】
例示的な基板支持体
[0029] 幾つかの実施形態において、基板支持体106は、
図1Cに示されるような、複数アームの設計であってよい。
図1Cに示される実施形態において、基板支持体190は、3つの支持アーム192a、192c及び192e並びに3つのダミーアーム192b、192d及び192fを有し、支持アームとダミーアームの各々が、中心シャフト194を通って伸びている軸「G]の周囲で、外側に伸び、互いから角度的に間隔が空けられている。より多くの又はより少ない支持アーム又はダミーアームが、考えられる。支持アームの長さ方向に沿ったダミーアーム192b、192d及び192fの各々の角196が、より良い光学系のために面取りされてもよい。支持アームとダミーアーム192a−192fの各々が、軸「G」に対して約5°〜約15°の角度「A]でありうる。一つの例において、角度「A]は、約10°である。基板を閉じ込め、横移動しないようにするために、支持アーム192a、192c及び192eの先端が、上方に曲げられてもよい。
【0013】
[0030] ダミーアーム192b、192d及び192fは、概して、基板と接触せず、又は他の仕方で基板を支持することはない。その代り、ダミーアームは、ランプ102からのより良い熱伝達バランス又は熱のより一様な分布を提供し、それにより、処理の間の基板の正確な温度制御を容易にするように、設計される。処理の間、基板支持体190は、基板支持体及び/又は基板を加熱するために利用される熱エネルギーを、ランプから吸収する。吸収された熱は、基板支持体190から放射される。基板支持体190、詳細には支持アーム192a、192c及び192eによって放射された放射熱は、基板支持体190及び/又は基板によって吸収される。支持アーム192a、192c及び192eの、基板支持体190又は基板への相対的に近接した位置のため、熱は、基板支持体190へ容易に放射され、支持アーム192a、192c及び192eに隣接する領域の温度上昇を引き起こす。けれども、ダミーアーム192b、192d及び192fの利用は、支持アーム192a、192c及び192eから基板支持体190及び/又は基板への熱のより均一な放射を容易にし、それゆえ、ホットスポットの発生が減少する。例えば、ダミーアーム192b、192d及び192fの利用は、支持アーム192a、192c及び192eに隣接する3つの局所的なホットスポット/ラインではなく、基板支持体の均一な放射をもたらす。
【0014】
[0031]
図1Aに戻って、基板支持体106は、処理チャンバ100の中で上部ドーム128と下部ドーム114の間に配置されている。上部ドーム128、下部ドーム114及び上部ドーム128と下部ドーム114の間に配置されるベースリング136は、処理チャンバ100の内部領域を概して画定する。
図1Aでは基板支持体106によって覆い隠されているが、
図1Bでは見えるローディングポート103を通って、基板108(正確な縮尺ではない)が、処理チャンバ100の中へ持って来られ、基板支持体106の上に配置されることができる。
【0015】
[0032] 基板支持体は106は、高い処理位置に示されているが、アクチュエータ(図示せず)によって処理位置より下のローディング位置へと垂直に移動されてもよく、ローディング位置で、リフトピン105が、下部ドーム114と接触し、基板支持体106の穴と中心シャフト132を通過し、基板108を基板支持体106から持ち上げる。その後、ロボット(図示せず)が、処理チャンバ100に入り、基板108を係合し、ローディングポート103を通ってチャンバから基板108を取り去りうる。その後、基板支持体106は、デバイス側116を上にして、基板108を基板支持体106の表側110の上に置くために、処理位置へ持ち上げられうる。
【0016】
[0033] 基板支持体106は、処理位置に置かれている間、処理チャンバ100の内部容積を、基板より上のプロセスガス領域156と基板支持体106より下のパージガス領域158へと分割する。基板支持体106は、処理チャンバ100内の熱流とプロセスガス流の空間的偏差の効果を最小化し、従って基板108の均一な処理を容易にするために、処理の間、中心シャフト132によって回転させられる。基板支持体106は、中心シャフト132によって支持され、中心シャフトは、基板108のローディング及びアンローディングの間、及び場合によっては処理の間、基板108を上下方向134に移動させる。基板支持体106は、ランプ102からの放射エネルギーを吸収し、放射エネルギーを基板108に伝導するために、炭化ケイ素又は炭化ケイ素で被覆されたグラファイトから形成されうる。
【0017】
[0034] 概して、上部ドーム128の中央窓部と下部ドーム114の底部は、石英などの光学的に透明な材料から形成される。
図2Aに関して以下でより詳細に論じられるように、上部ドーム128の厚さ及び湾曲度は、処理チャンバの中の均一な流れの均一性のためにより平坦な形状寸法を提供するように、本発明に従って、構成されうる。
【0018】
[0035] ランプ102の列などの一つ又は複数のランプが、特定の最適な望ましい仕方で、下部ドーム114の下に隣接して中心シャフト132の周囲に配置されることができ、プロセスガスが上を通り過ぎるときに、基板108の様々な領域で温度を独立に制御し、これにより基板108の上面上への材料の堆積を容易にする。本明細書では詳細に論じられないが、堆積される材料は、ガリウムヒ素、窒化ガリウム又は窒化アルミニウムガリウムを含みうる。
【0019】
[0036] ランプ102は、バルブ141を含むように構成され、摂氏約200度〜摂氏約1600度の範囲内の温度に基板108を加熱するように構成されうる。各ランプ102は、分電盤(図示せず)に連結され、それを通して電力が、各ランプ102に供給される。ランプ102は、ランプヘッド145の中に配置され、ランプヘッドは、例えば、ランプ102とランプ102の間に置かれたチャネル149の中に導入される冷却流体によって、処理の間又は処理の後に冷却されうる。ランプヘッド145は、原因の一つとして、ランプヘッド145が下部ドーム114に近接しているため、伝導及び放射で下部ドーム114を冷却する。ランプヘッド145はまた、ランプ壁及びランプの周囲のリフレクタ(図示せず)の壁を冷却しうる。あるいは、下部ドーム114は、対流法により冷却されうる。応用に応じて、ランプヘッド145は、下部ドーム114と接触してもよいし、接触しなくてもよい。ランプヘッド145の更なる説明が、
図5Aと
図5Bに関して以下で論じられる。
【0020】
[0037] 円形シールド167が、任意選択で、基板支持体106の周囲に配置され、ライナアセンブリ163によって囲まれてもよい。シールド167は、プロセスガスのための予熱ゾーンを提供している間、ランプ102から基板108のデバイス側116への熱/光ノイズの漏れを防止又は最小化する。シールド167は、CVD SiC、SiCで被覆された焼結グラファイト、成長したSiC、不透明な石英、被覆された石英、又はプロセスガス及びパージガスによる化学分解に対して耐久性のある任意の類似の適当な材料から作られうる。
【0021】
[0038] ライナアセンブリ163は、ベースリング136の内周の中に組み入れられるように又は内周によって囲まれるように大きさが決められる。ライナアセンブリ163は、処理容積(すなわち、プロセスガス領域156とパージガス領域158)を処理チャンバ100の金属壁から保護する。金属壁は、前駆体と反応し、処理容積の中で汚染を引き起こしうる。ライナアセンブリ163は、単一の物体として示されているが、
図3A〜
図3C及び
図6に関して以下で論じられるように、ライナアセンブリ163は、異なる構成を有する一つ又は複数のライナを含んでよい。
【0022】
[0039] 基板支持体106からの基板108の裏側加熱の結果として、基板支持体上の温度測定/制御のために光学高温計118を使用することができる。光学高温計118による温度測定は、この方法で基板の表側110を加熱することは放射率に依存しないので放射率が不明である基板デバイス側116でも行われうる。その結果、ランプ102から光学高温計118に直接に到達する背景放射は最小となり、光学高温計118は、基板支持体106から伝導する高温の基板108からの放射のみを感知することができる。
【0023】
[0040] 基板108から放射されている赤外線を基板108の上へと反射するために、リフレクタ122が、任意選択で、上部ドーム128の外側に置かれてもよい。リフレクタ122は、クランプリング130を用いて上部ドーム128に固定されてもよい。クランプリング130の詳細な説明が、
図4Aと
図4Bに関して以下で更に論じられる。リフレクタ122は、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属で作ることができる。反射の効率は、金などの非常によく反射する被覆でリフレクタ領域を被覆することにより改善されることができる。リフレクタ122は、冷却源(図示せず)と接続された一つ又は複数の機械加工されたチャネル126を有することができる。チャネル126は、リフレクタ122の一つの側に形成される通路(図示せず)に接続する。通路は、水などの流体の流れを運ぶように構成され、リフレクタ122を冷却するためにリフレクタ122の一部表面又は全表面を覆う任意の望ましいパターンでリフレクタ122の当該側に沿って水平に走ってよい。
【0024】
[0041] プロセスガス供給源172から供給されるプロセスガスが、ベースリング136の側壁の中に形成されるプロセスガス吸入口174を通ってプロセスガス領域156の中に導入される。プロセスガス吸入口174は、プロセスガスを概して半径方向内側に向けるように構成される。膜形成プロセスの間、基板支持体106は、プロセスガス吸入口174に隣接し、プロセスガス吸入口174とほぼ同じ高さである処理位置に置かれてもよく、これによりプロセスガスは、流路173に沿って上方へと回って流れ、基板108の上面を渡って層流式に流れる。プロセスガスは、(流路175に沿って)処理チャンバ100のプロセスガス吸入口174の反対側に置かれたガス噴出口178を通ってプロセスガス領域156を出る。ガス噴出口178を通るプロセスガスの除去は、それに連結された真空ポンプ180によって促進されうる。プロセスガス吸入口174とガス噴出口178は、互いに一直線に並べられ、ほぼ同じ高さに配置されるので、そのような平行な配列は、比較的平坦な上部ドーム128と結び付くとき(以下で詳細に論じられるように)、基板108に渡って概して平面状の均一なガス流を可能にするであろうと信じられている。更なる半径方向の均一性が、基板支持体106を通した基板108の回転により提供されうる。
【0025】
角度の付いた注入を行う例示的なガス吸入口
[0042] 幾つかの実施形態において、プロセスガス供給源172は、複数種類のプロセスガス、例えば第三族前駆体ガス及び第五族前駆体ガス、を供給するように構成されうる。複数のプロセスガスが、同じプロセスガス吸入口174を通って又は別々のガス吸入口を通って処理チャンバ100の中に導入されうる。別々のガス吸入口が望まれる場合、代替的方法が、処理チャンバの中でのプロセスガスの混合を改善するように適合されうる。
図3Aは、プロセスガス又はガスのプラズマなどの一つ又は複数の流体を処理容積(例えば、プロセスガス領域156及びパージガス領域158)に供給するために
図1A及び
図1Bの処理チャンバの中で用いられうる、本発明の一実施形態による、ガス吸入メカニズム300の部分透視断面図を示す。ガス吸入メカニズム300は、
図6のライナアセンブリ600の注入器ライナ614などの注入器ライナとして役立ってもよく、
図1Aのプロセス供給源172などのプロセスガス供給源372と流体連通している注入挿入ライナアセンブリ330の上に載ってもよく又は注入挿入ライナアセンブリ330によって支えられてもよい。
図3Cでより良くわかるように、注入挿入ライナアセンブリ330は、交互に配列され、制御された方法で異なるプロセスガスを供給するように構成されるガス通路の第一の組331aとガス通路の第二の組331bを含みうる。
【0026】
[0043] 概して、ガス吸入メカニズム300は、プロセスガス(複数可)が処理チャンバの中に導入されるべき場所に配置される。ガス吸入メカニズム300は、第一の吸入チャネル304と第二の吸入チャネル306を有する本体302を含む。第一の吸入チャネル304と第二の吸入チャネル306は、各々、一つ又は複数のプロセスガス供給源372と流体連通する。本体302は、概して、処理チャンバ100の内周の一部を回る。本体302は、上部ライナ及び排気ライナ(例えば、
図6の上部ライナ608及び排気ライナ612)に形成される切欠きに取付けられるように大きさが決められる円柱内径を含みうる。それゆえ、本体302は、ライナアセンブリの排気ライナと上部ライナに取外し可能に結合される。ライナアセンブリの更なる詳細が、
図6に関して以下で論じられる。
【0027】
[0044] 第一の吸入チャネル304は、注入挿入ライナアセンブリ330の中に形成される第一のガス通路331aの長手方向軸と実質的に直交する長手方向軸を有する。第一のプロセスガスが、プロセスガス供給源372からガス通路の第一の組331aを通って、第一の吸入口305と流体連通している第一の吸入チャネル304の中に流されうる。第一の吸入口305は、第一のプロセスガスを処理チャンバの中に、例えば
図1Aに示すようなプロセスガス領域156の中に供給するように構成される。ガス吸入メカニズム300は、一つ又は複数の第一の吸入口305、例えば約3〜20個の第一の吸入口を有してよく、第一の吸入口305の各々は、それぞれの第一の吸入チャネル304に接続し、第一の吸入チャネルは、第一のガス通路331a及びプロセスガス供給源372に通じる。より多くの又はより少ない第一の吸入口305が考えられる。
【0028】
[0045] 第一のプロセスガスは、特定のプロセスガスであってもよいし、又は幾つかのプロセスガスの混合であってもよい。あるいは、応用に応じて、一つ又は複数の第一の吸入口305が、少なくとも一つの他の第一の吸入口と異なる一つ又は複数のプロセスガスを供給してもよい。一つの実施形態において、第一のプロセスガスが、第一の吸入口305に存在した後に、図示されているように第一の方向307に沿った角度で流れているように、第一の吸入口305の各々が、基板108の長手方向と通常平行な水平面「P]に対して角度「θ」で構成される。第一の吸入口305の長手方向と水平面「P]の間の角度「θ」は、約90°より小さい、例えば45°より小さい、例えば約5°〜約30°、例えば約15°であってよい。
図3Bに示された例において、第一の吸入口305は、第一の吸入チャネル304に対して約25°〜約85°、例えば約45°〜約75°の角度(α)で構成される。
【0029】
[0046] 第二の吸入チャネル306は、ガス吸入口の数及び導入されるべきプロセスガスの点で、第一の吸入チャネル304と設計において実質的に類似してよい。例えば、第二の吸入チャネル306は、一つ又は複数のプロセスガス供給源372と流体連通してよい。幾つかのプロセスガスの混合であってもよい第二のプロセスガスが、プロセスガス供給源372からガス通路の第二の組331bを通って、第二の吸入口308と流体連通している第二の吸入チャネル306の中に流されうる。あるいは、一つ又は複数の第二の吸入口308が、少なくとも一つの他の第二の吸入口と異なる一つ又は複数のプロセスガスを供給してもよい。第二の吸入口308は、第二のプロセスガスを処理チャンバの中に、例えば
図1Aに示すようなプロセスガス領域156の中に供給するように構成される。詳細には、第二の吸入口308の各々が、第二のプロセスガスを、第二の吸入口308に存在した後に、第一の方向307と異なる第二の方向309(
図3Bを参照)に供給するように構成される。第二の方向309は、基板の長手方向と平行な水平面「P」と概して平行である。
【0030】
[0047] 同様に、ガス吸入メカニズム300は、一つ又は複数の第二の吸入口308、例えば約3〜20個の第二の吸入口を有してよく、第二の吸入口308の各々は、それぞれの第二の吸入チャネルに接続し、第二の吸入チャネルは、ガス通路及びプロセスガス供給源372に通じる。より多くの又はより少ない第二の吸入口308が考えられる。
【0031】
[0048] 第一の吸入口305及び第二の吸入口308の各々において流量、プロセスガス組成などが独立に制御されうることが、考えられる。例えば、幾つかの例において、第一の吸入口305の幾つかは、第二の吸入口308によって供給される第二のプロセスガスとの所望の流れの相互作用を達成するために、処理の間中、使用されなくてもよいし又はパルス状に使用されてもよい。第一の吸入チャネル304及び第二の吸入チャネル306が、ただ一つの二次吸入口しか含まない幾つかの場合において、二次吸入口は、上記と同様な理由によりパルス状であってよい。
【0032】
[0049] 第一の吸入チャネル304の第一の吸入口305及び第二の吸入チャネル306の第二の吸入口308は、処理チャンバの内周に沿って互いに対して垂直方向にずらして配列されてもよい。あるいは、第一の吸入チャネル304の第一の吸入口305及び第二の吸入チャネル306の第二の吸入口308は、垂直な一直線上に配列されてもよい。いずれの場合も、第一の吸入口305からの第一のプロセスガスが、第二の吸入口308からの第二のプロセスガスと適切に混合するように、第一の吸入口305と第二の吸入口308は、配列される。第一のプロセスガスと第二のプロセスガスの混合は、第一の吸入口305の角度の設計によっても改善されると思われる。第一の吸入チャネル304の第一の吸入口305は、第二の吸入チャネル306の第二の吸入口308により近接していてもよい。けれども、幾つかの実施形態において、第一のプロセスガスと第二のプロセスガスが、吸入口に存在した直後にあまりに早く混合するのを防止するために、第一の吸入口305と第二の吸入口308の間に適当な距離を設けることが有利でありうる。
【0033】
[0050] ガス吸入メカニズム300の本体302は、
図2Aに関して以下で論じるように、上部ドームの平坦に近い構成と調和するように、高さが低くされてもよい。一つの実施形態において、本体302の全高は、約2mm〜約30mm、例えば約6mm〜約20mmなど、例えば約10mmであってよい。プロセスガス領域156に面する本体302の側の高さ「H
1」は、約2mm〜約30mm、例えば約5mm〜約20mmであってよい。本体302の高さが低くされるので、第一の吸入チャネル304の高さが、強度を維持するために、それに応じて低くされてもよい。一つの例において、第一の吸入チャネル304の高さ「H
2」(高さ「H
1」に対向している)は、約1mm〜約25mm、例えば約6mm〜約15mmである。外側通路310を低くすることは、注入のより浅い角度をもたらすであろう。
【0034】
[0051]
図1Aに戻って、パージガスが、ベースリング136の側壁の中に形成される任意選択のパージガス吸入口164を通って(又はプロセスガス吸入口174を通って)パージガス源162からパージガス領域158に供給されてもよい。パージガス吸入口164は、プロセスガス吸入口174より下の高さに配置される。円形シールド167又は予熱リング(図示せず)が用いられる場合、円形シールド又は予熱リングは、プロセスガス吸入口174とパージガス吸入口164の間に配置されうる。いずれの場合も、パージガス吸入口164は、パージガスを概して半径方向内側に向けるように構成される。膜形成プロセスの間、基板支持体106は、パージガスが、流路165に沿って下方へと回って流れ、基板支持体106の裏側104を渡って層流式に流れるような位置に置かれてよい。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、パージガスの流れは、プロセスガスの流れがパージガス領域158の中に入ることを防止する若しくは実質的に回避する又はパージガス領域158(すなわち、基板支持体106の下の領域)に入るプロセスガスの拡散を減少させると思われる。パージガスは、(流路166に沿って)パージガス領域158を出て、処理チャンバ100のパージガス吸入口164の反対側に置かれたガス噴出口178を通って処理チャンバから排気される。
【0035】
[0052] 同様に、パージプロセスの間、基板支持体106は、パージガスが基板支持体106の裏側104を横方向に横切って流れることを可能にするように、高い位置に置かれてもよい。プロセスガス吸入口、パージガス吸入口及びガス噴出口は、例示目的のために示されており、ガス吸入口又は噴出口等の位置、大きさ又は数は、基板108上の材料の均一な堆積を更に容易にするように調整されうるということが、当業者により認識されるべきである。
【0036】
[0053] 希望する場合には、パージガス吸入口164は、プロセスガスをプロセスガス領域156の中に閉じ込めるために、パージガスを上方向に向けるように構成されてもよい。
【0037】
例示的なクランプリング
[0054]
図4Aは、本発明の一実施形態による、
図1Aのクランプリング130の代わりに使用されうるクランプリング400の透視図である。クランプリング400は、ベースリング(例えば、
図1A〜
図1B及び
図8A〜
図8Cのベースリング)よりも相対的に上に配置され、クランプリング400の周囲に配置される締め付けレセプタクル402によって処理チャンバ100に固定される。締め具(図示せず)が、クランプリング400を処理チャンバ100に固定するために、締め付けレセプタクル402を通って処理チャンバ100の側壁の中の凹部の中に配置される。
【0038】
[0055] クランプリング400は、冷却導管404などの冷却特徴を設けてよい。冷却導管404は、クランプリング400を通ってクランプリングの周囲に水などの冷却流体を循環させる。冷却流体は、入口408を通って冷却導管404に導入され、導管404を通って循環し、出口410を通って出て来る。冷却導管404は、冷却流体が導管404の一つからもう一つの導管404に流れることを可能にするランプ406によって接続されてもよい。
【0039】
[0056]
図4Aの実施形態において、一つの導管404が、クランプリング400の内側部分の周りに配置され、他方、第二の導管404が、クランプリング400の外側部分の周りに配置される。クランプリング400の内側部分が、最も多くの熱に曝され、処理チャンバ100のプロセス状況に最も近いので、冷却流体は、クランプリング400の内側部分の周りに配置された導管404に導入される。冷却流体は、比較的低い温度で導入されるので、クランプリング400の内側部分から最も効率的に熱を吸収する。冷却流体がクランプリング400の外側部分の周りに配置された導管404に到達するとき、冷却流体の温度は上昇してしまっているが、それでもなお冷却流体は、内側部分よりも加熱されていないクランプリング400の外側部分の温度を調節する。このように、冷却流体は、クランプリング400を通って対向流の仕方で流される。
【0040】
[0057]
図4Aのクランプリング400はまた、上部ドーム128を冷却するために設けられたガス流特徴を有する。冷却ガスのための吸入マニホールド422は、冷却ガスを処理チャンバ100の上部ドーム128に当てる。ガス吸入口412は、吸入プレナム414に沿ってガスを分配する吸入プレナム414と連通する。下部表面416の開口(図示せず)は、
図4Bに示されているクランプリング400を通って形成された分配プレナム418と連通する。
【0041】
[0058]
図4Bは、別の実施形態による処理チャンバのリッド部の断面図である。リッド部は、クランプリング400を含む。ガスは、上部ドーム128の周囲に近接する分配プレナム418及び吸入プレナム420の中へ流れる。ガスは、上部ドーム128の温度を調節している上部ドーム128の上部表面に沿って流れる。
【0042】
[0059]
図4Aを再び参照して、ガスは、収集プレナム428とガス噴出口430に連通する出口プレナム426を有する出口マニホールド424の中に流れる。上部ドーム128の熱状態を調節することは、熱応力が許容範囲を超えるのを防止し、上部ドーム128の下部表面上の堆積を減少させる。上部ドーム128上の堆積を減少させることは、上部ドーム128を通ってリフレクタ122に到り上部ドーム128を通って戻るエネルギーフラックスを公称レベルに維持し、処理の間、基板108の中の温度偏差及び非均一性を最小化する。
【0043】
例示的なランプヘッドアセンブリ
[0060]
図5Aと
図5Bは、本発明の実施形態による、
図1Aのランプヘッド145の代わりに使用されうる一つ又は複数のランプアセンブリ520の概略図である。ランプアセンブリ520は、一つ又は複数のフレキシブル支持棒524を含む。
図5Aは、一つの実施形態による、ランプヘッド545とプリント基板552とともに下部ドーム114の断面図を示す。以下で論じられるように、ランプアセンブリ520の各々が、フレキシブル支持棒524に取付けられることができ、フレキシブル支持棒は、使用される下部ドーム114の角度に従って異なる高さを有しうる。ランプアセンブリ520、フレキシブル支持棒524及びランプヘッド545は、リフレクタ(図示せず)などの他の部品と共に、ランプヘッドアセンブリの一部である。
図5Bは、一つの実施形態による、一つ又は複数のランプアセンブリ520に接続される一つ又は複数のフレキシブル支持棒524を示す。
図7Aと
図7Bに関して以下で論じられるように、下部ドーム114は、中央開口708を有する、概して円形の浅いマティーニグラス又は漏斗の形状で形成されることができる。ランプアセンブリ520は、基板の様々な領域で温度を独立に制御するために、指定された最適な望ましい方法で中心シャフト(例えば、
図1Aの中心シャフト132)の周囲に下部ドーム114に隣接して下部ドーム114の下に配置される。
【0044】
[0061]
図5Aは、下部ドーム114、PCB552及び一つ又は複数のランプアセンブリ520を示し、ここでは6個のランプアセンブリ520として示される。明瞭さのために幾つかの要素が記載から除外されたことが、当業者には明らかであろう。PCB552は、一つ又は複数のランプアセンブリ520への電力分配を制御するように設計された任意の標準的な回路基板でありうる。PCB552は、一つ又は複数のランプアセンブリ520との接続のための一つ又は複数の接続スロット512を更に含むことができ、ここでは6個の接続スロットとして示される。PCB552は、平坦であるとしてここで描かれているけれども、PCBは、処理チャンバの要求に従った形であってよい。一つの実施形態において、PCB基板は、ランプヘッド545と平行に配置される。
【0045】
[0062] 一つ又は複数のランプアセンブリ520の各々が、ランプバルブ522及びランプベース523を概して含む。ランプバルブ522は、ハロゲンランプ、赤外線ランプ及び加熱デバイスとして適合される同様なものなどの、基板を加熱し、指定された温度に維持することができるランプでありうる。ランプアセンブリ520は、一つ又は複数のフレキシブル支持棒524と接続することができ、
図5Bを参照してより詳細に記載される。
【0046】
[0063] 下部ドーム114は、石英などの半透明材料を含むことができ、下部ドームに関して本開示に記載される一つ又は複数の元素を組み入れることができる。下部ドームは、4〜6mmの厚さでありうる。ランプヘッド545は、下部ドーム114の下に近接して配置されることができる。一つの実施形態において、ランプヘッド545は、下部ドーム114から約1mm離れている。
【0047】
[0064] ランプヘッド545は、ランプバルブ522の特定の位置及び配向を保証する複数の固定のランプヘッド位置504を有する。ランプヘッド545は、400以上もの数の固定のランプヘッド位置504を有することができる。固定のランプヘッド位置504は、複数の同心円配向でありうる。固定のランプヘッド位置504は、孔が内半径から外半径へ広がるにつれて、深くなりうる。固定のランプヘッド位置504は、ランプヘッド545の中にあけられた孔でありうる。一つの実施形態において、ランプベース523は、固定の配向にランプヘッド545によって保持され、ランプヘッド545によって冷却される。
【0048】
[0065] ランプアセンブリ520及び接続スロット512は、6個1組として示されているが、この数は、限定的であることを意図していない。適当な基板温度を維持するために必要とされるのに応じて、各々についてより多くてもよいし、又はより少なくてもよい。更に、これは三次元構造の側面図であるということを理解することが重要である。故に、部品は直線的に配置されているように見えるけれども、任意の位置又は位置の組合せが可能である。例えば、円形のPCB552上で、ランプは、X軸及びY軸の両方で3cmの間隔で配置され、このようにして円を満たしてもよい。この実施形態の多数の変形例が存在することを、当業者は理解でるであろう。
【0049】
[0066]
図5Bは、一つの実施形態による、フレキシブル支持棒524を示す。ここに示されるフレキシブル支持棒524は、ソケット526及びコンタクトアダプタ528を含む。フレキシブル支持棒524は、ソケット526に標準的なmill−maxソケットを有し、コンタクトアダプタ528に同等のコンタクトアダプタを有し、このようにしてランプ/支持棒インターフェース及び支持棒/PCBインターフェースを作るものとして、ここに描かれている。けれども、この設計の選択は、限定的であることを意図するものではない。ソケットのデザインは、電源からランプ522に電力を伝えることができる、幾つかの現在のデザイン又は未だ作られていないデザインのうちの一つであることができる。一つの実施形態において、フレキシブル支持棒は、はんだ付けなどによって恒久的にPCBに取付けられる。
【0050】
[0067] フレキシブル支持棒524は、ランプが電源から電力を受け取るように、導電性構成要素と非導電性構成要素の両方から構成されることができる。一つの例において、真ちゅう又は銅などの導電性金属が、電力をランプ522に伝えるために用いられ、導電性金属は、プラスチック、フレキシブルガラス又はセラミックファイバ又はビーズから作られたハウジングなどの、非導電性のハウジングによって囲まれる。フレキシブル支持棒524は、下部ドーム114への適切な放射伝達にとって適当な種々の長さであることができる。フレキシブル支持棒524は、長さが異なるので、ランプアセンブリ520は、下部ドーム114に沿って同じ全体的なサイズ及び形状を維持することができる。
【0051】
[0068] 更に、フレキシブル支持棒524は、直線である必要はない。フレキシブル支持棒524は、湾曲を帯びることができるので、ランプ軸は、処理チャンバの中心軸と平行である必要はない。つまり、フレキシブル支持棒524は、ランプ軸に所望のインボリュート角を持たせることができる。本明細書に記載されるフレキシブル支持棒524は、エラストマを伴うプラスチックなどのフレキシブル材料から構成されることができる。
【0052】
[0069] 本明細書に記載されるフレキシブル支持棒524は、交換可能性と配向の両方で利益を提供することができる。フレキシブル支持棒524は、曲がった構造又はフレキシブル材料を組み入れている場合、PCB552と直角に配向されていない固定のランプヘッド位置504でランプヘッド545と接続されうる。更に、フレキシブル支持棒524は、非消耗であるように設計される。ランプアセンブリ520が故障した場合、ランプアセンブリ520は、唯一つのサイズのランプアセンブリ520によって取り替えることができ、従って、PCB552上の又はランプヘッド545の中のランプアセンブリ520の位置にかかわらず、ランプアセンブリ520をチャンバの中で交換可能とする。
【0053】
[0070] フレキシブル支持棒524は、ランプヘッド545の中に形成された固定のランプヘッド位置504とPCB552の中に形成された接続スロット512の間の適当な位置決めを提供する。ランプヘッド545は、銅などの、熱伝導性の材料から構成されることができる。他の実施形態において、ランプヘッド545は、銅の円錐の断片又はランプヘッド545を中心軸132に接近させる内径と下部ドーム114のエッジとほぼ一致する外形を有する回転の環でありうる。
【0054】
[0071] スペーサ514などの、一つ又は複数の支持構造体が、PCB552の上を覆って形成されることができる。この例で示されるようなスペーサ514は、ランプアセンブリ520を垂直方向に維持するなど、ランプバルブ522の特定の方向を維持するように、PCB552とランプアセンブリ520と合わせて働くことができる。更に、フレキシブル支持棒524は、リップ525などの、スペーサ514と相互作用する一つ又は複数の構造体を有することができる。この実施形態において、リップ525は、フレキシブル支持棒の完全な挿入を保証し、フレキシブル支持棒524とランプバルブ522の両方の方向を維持する。
【0055】
例示的なライナアセンブリ
[0072]
図6は、本発明の実施形態による、
図1Aのライナアセンブリ163の代わりに使用されることのできる例示的なライナアセンブリの透視図を示す。ライナアセンブリ600は、
図1Aと
図1Bの処理チャンバなどの処理チャンバの内部の処理領域をライニングするように構成される。ライナアセンブリ600は、ガス吸入ポート602、ガス噴出ポート604及びローディングポート606を概して備える。ライナアセンブリ600は、ガス吸入ポート602、ガス噴出ポート604及びローディングポート606の位置が、それぞれプロセスガス吸入口874、ガス噴出口878及びローディングポート803と実質的に同じ高さで概して一致するように、
図8A〜
図8Cのベースリングと合わせて働きうる。同じ高さのガス吸入口/噴出口は、処理チャンバへのより短い流路を可能にし、高コンダクタンスの排気及び注入を可能にする。それゆえ、層状のガス流と移行が、より制御される。
【0056】
[0073] ライナアセンブリ600は、処理チャンバの中に配置されたベースリング(例えば、
図1A〜
図1B及び
図8A〜
図8Cのベースリング)の中に組み入れられうる又はベースリングによって囲まれうる。ライナアセンブリ600は、一体の部品として形成されてもよいし、又は一緒に組立てることができる複数の部品を含んでもよい。一つの例において、ライナアセンブリ600は、モジュール式である複数の部品(又はライナ)を含み、モジュール設計により追加の柔軟性や費用の節約を提供するために個々に又は全体として交換されるように適合される。ライナアセンブリ600のモジュール設計は、保守容易性及び高い機能性を可能にする(すなわち、
図3Aに示される二次吸入口305などの様々な注入器の取り替え)。一つの実施形態において、ライナアセンブリ600は、垂直に積み重ねられる上部ライナ608と下部ライナ610を少なくとも含む。排気ライナ612は、位置安定性を改良するために、上部ライナ608の一部によって結合されうる。
【0057】
[0074] 上部ライナ608と排気ライナ612は、注入器ライナ614を受け入れるように切り抜かれうる。注入器ライナ614は、
図3Aの本体302に概して対応し、
図3A〜
図3Cに関して上記で論じたガス吸入メカニズム300などのガス吸入メカニズムを含んでよい。上部ライナ608、下部ライナ610、排気ライナ612及び注入器ライナ614の各々が、ベースリング(図示せず)の中に組み入れられるようにサイズが決められる概して円柱の外径を含む。ライナ608、610、612、614の各々が、重力及び/又はライナ608、610、612のうちの幾つかの中または上に形成された突起部及び嵌合凹部などのインタロック装置(図示せず)によりベースリングによって支持されうる。上部ライナ608及び下部ライナ610の内側表面603は、処理容積(例えば、プロセスガス領域156及びパージガス領域158)に曝される。
【0058】
[0075] 一つの実施形態において、上部ライナ608には、円周方向に沿って外周面上に凹み特徴616が設けられてもよい。凹み特徴616は、上部ライナ608の外周面全体に沿って又は等しい間隔で設けられうる。凹み特徴616は、上部ライナ608上のパージ能力を可能にし、それによりライナアセンブリ上の不必要な堆積を防止し、同時にライナアセンブリの温度を制御する。
【0059】
例示的な上部ドーム
[0076]
図2Aと
図2Bは、本発明の実施形態による、
図1Aの上部ドーム128の代わりに使用されうる上部ドーム200の概略図である。
図2Aは、上部ドーム200の断面図を示す。
図2Bは、上部ドーム200の上面図を示す。上部ドーム200は、実質的に円形の形状(
図2B)を有し、わずかに凸状の外側表面210とわずかに凹状の内側表面212(
図2A)を有する。以下でより詳細に論じられるように、凸状の外側表面210は、基板処理の間、処理チャンバの中の低下した内部圧力に対する外部気圧の圧縮力に対抗するのに十分に曲がっており、同時に、プロセスガスの整然とした流れと反応物質材料の均一な堆積を促進するのに十分に平坦である。
【0060】
[0077] 上部ドーム200は、熱放射を通す中央窓部202と中央窓部202を支持するための周辺フランジ204を概して含む。中央窓部202は、概して円形の周囲を有するものとして示される。周辺フランジ204は、中央窓部202を支持境界面206に沿って中央窓部202の周囲において及び周囲の周りに係合する。周辺フランジ204は、周辺フランジと側壁の間に配置されるOリング(
図1Aの符号184)によって処理チャンバの側壁の中に密閉され、処理チャンバの中の処理ガスが周囲環境の中に逃げるのを防止するための密閉を提供しうる。ここでは詳細に論じないが、下部ドームは、Oリング(
図1Aの符号182)を用いて処理チャンバの側壁の中で同様に支持されることができることが予期される。より少ない数のOリング182、184が用いられてもよいし、又はより多い数のOリング182、184が用いられてもよい。
【0061】
[0078] 周辺フランジ204は、不透明に作られてもよいし、又は透明な石英から作られてもよい。上部ドーム200の中央窓部202は、著しく吸収することなく、ランプからの直接放射に対して概して光学的に透明である透明な石英などの材料から作られてもよい。あるいは、中央窓部202は、狭帯域フィルタリング能力を有する材料から作られてもよい。加熱された基板及び基板支持体から再放射された熱放射のうちのいくらかは、中央窓部202の中へと通って、中央窓部202により著しく吸収されうる。これらの再放射は、中央窓部202の中で熱を発生させ、熱膨張力を生ずる。Oリングを直接に熱放射に曝露されることから保護するために不透明に作られてもよい周辺フランジ204は、中央窓部202よりも相対的に冷たいままであり、それにより、中央窓部202は、最初の室温での曲がり以上に外側に曲がる。中央窓部202は、薄く作られており、曲がりに適応するのに十分な柔軟性を有するが、他方、周辺フランジ204は、厚く、中央窓部202を閉じ込めるのに十分な剛性を有する。その結果、中央窓部202の中の熱膨張は、熱補償曲がりとして表される。中央窓部202の熱補償曲がりは、処理チャンバの温度が上昇するにつれて、増加する。
【0062】
[0079] 周辺フランジ204と中央窓部202は、溶接ジョイント「B」によって両端で固定される。周辺フランジ204は、中央窓部202の薄さから周辺フランジ204のバルクへの滑らかで緩やかな変化によって画定される寸法移行部213に沿ってフィレット半径「r」で作られる。
図2Cは、周辺フランジ204のフィレット半径を示す接合ジョイント「B」の拡大図を示す。フィレット半径は、周辺フランジ204の内側の底部、移行部213の主本体及び中央窓部202と噛み合う部分を含む3つの曲線とみなされうる連続的に曲がった凹面である。それゆえ、フィレット半径は、3つの曲線を通じて同じ半径でなくともよい。フィレット半径は、フィレット半径の表面輪郭を決定し、その後、この輪郭に最もぴったり合う球面を数学的に決定することにより、通常、測定される。この最もぴったり合う球面の半径が、フィレット半径である。
【0063】
[0080] フィレット半径は、周辺フランジ204と中央窓部202とが接するジョイントの境界面において鋭い角を除去する。鋭い角の除去はまた、鋭い角を有するジョイントよりも均一で厚い被覆が装置のジョイント上に堆積されることを可能にする。フィレット半径は、緩やかな変化を伴う、より良い流れのための周辺フランジ204の半径方向の厚さの増大と、中央窓部202の「平坦に近い」湾曲(以下で論じられる)とを備えるように選択され、その結果、流れの乱れが減少し、均一性が良くなる。最も重要なことには、フィレット半径を有するジョイントはまた、ジョイントでの剪断力を減少又は除去する。様々な実施形態において、周辺フランジのフィレット半径「r」は、約0.1インチ〜約5インチの範囲であり、例えば、約0.5インチ〜約2インチの範囲である。一つの例において、フィレット半径「r」は、約1インチである。
【0064】
[0081] より大きいフィレット半径の周辺フランジ204ほど、熱応力及び空気による応力を扱うのに理想的である。以前に論じたように、基板の処理の間、上部ドーム200には、処理チャンバ内の低下した内部圧力と上部ドームに働く外部気圧との間の大きな圧力差による強い引張応力がかかる。強い引張応力は、上部ドームの変形を引き起こしうる。しかし、横方向の圧力「P」が、周辺フランジ204の側面に内向きにかけられる場合、上部ドーム200の引張応力は、処理の間、大いに減少させることができるということが、認められた(
図2A)。周辺フランジ204にかけられる横方向の圧力は、中央窓部202を外に向かって曲げ、このようにしてドームの変形を相殺する。本明細書において、横方向の圧力「P」は、周辺フランジ204の外周面205にかけられる重量ポンド毎平方インチ(psi)での所与の大きさの荷重力を指す。一つの実施形態において、横方向の圧力「P」は、約200psi又はそれより大きくてよい。別の実施形態において、横方向の圧力「P」は、約45psi〜約150psiであってよい。一つの実施形態において、横方向の圧力「P」は、約80psi〜約120psiである。
【0065】
[0082] 周辺フランジ204の引張応力は、横方向の圧力「P」がない場合の1300psi〜2000psiから、横方向の圧力が周辺フランジ204にかけられる場合に1000psi未満に低下させることができることが、認められた。先に言及した大きいフィレット半径「r」と組み合わせると、約80psiの横方向の圧力「P」が、周辺フランジ204にかけられる場合、周辺フランジ204の引張応力は、大いに低下させることができる。横方向の圧力「P」が、約150psiに増加する場合、引張応力は更に減少させることができる。
【0066】
[0083] 中央窓部202の厚さと外方向への湾曲は、熱補償曲がりが対処されることを保証するように選択される。
図2Aの実施形態において、中央窓部202の内側湾曲は、球面状として示され、軸「A」に沿った中心「C」と大きな曲率半径「R」を持つ球面の断片によって形成される。室温と約1200℃又はそれより高い処理温度の間の基板温度で0〜1気圧の圧力差に耐えるのに十分な曲がりを与えるために、中央窓部202は、中央窓部202の長さ又は広がりに沿った任意の点で約1122mmプラスマイナス300mmの曲率半径「R」を有しうる。曲率半径は、上部ドームの角度(θ)、直径及び厚さ、周辺フランジの厚さ又は幅並びに上部ドーム200の表面210、212に働く圧力差等に依存して変化しうるので、曲率半径の範囲は、例示目的のみであることが意図されるということが予期される。様々な例において、曲率半径「R」は、約900mm〜約2500mmでありうる。
【0067】
[0084]
図2Aを参照して、一つの実施形態において、上部ドーム200は、中央窓部202が、水平面「E」に対して角度(θ)だけ傾いているように作られる。水平面「E」は、基板(図示せず。例えば
図1Aの基板108など)の長手方向又は基板支持体106の基板受け面によって画定される水平面と概して平行である。あるいは、水平面「E」は、周辺フランジ204の平坦な上表面203から半径方向に広がる平面とみなすことができる。従って、水平面「E」は、周辺フランジ204の平坦な上表面203と実質的に平行である。角度(θ)は、より詳細には、周辺フランジ204の平坦な上表面203(又は水平面「E」)と、中央窓部202と周辺フランジ204の交線を通る、中央窓部202の凹状の内側表面212上の接線207の間の角度として定義することができる。中央窓部202の厚さは、実質的に一定に作られるので、凸状の外側表面210で測定することと凹状の内側表面212で測定することは、同じ角度を得るはずである。種々の実施形態において、水平面「E」と接線207の間の角度(θ)は、概して22°未満である。一つの実施形態において、角度(θ)は、約6°〜約20°であり、例えば、約6°〜約8°、約8°〜約10°、約10°〜約12°、約12°〜約14°、約14°〜約16°、約16°〜約18°、約18°〜約20°などである。一つの例において、角度(θ)は、約10°である。約10°の傾きの中央窓部202は、約22°又はそれより大きい角度(θ)を通常有する従来の上部ドームより平坦な上部ドームを提供する。また角度(θ)の減少により、従来の上部ドームと比べて、上部ドーム200が約0.05インチ〜0.8インチ、例えば約0.3インチ下がる。
【0068】
[0085] 上部ドーム200の全外径は、約200mm〜約500mmでありえ、例えば約240mm〜約330mmなど、例えば約295mmなどでありうる。中央窓部202は、例えば約2mm〜約4mm、約4mm〜約6mm、約6mm〜約8mm、約8mm〜約10mmなどの、約2mm〜約10mmの一定の厚さ「T
1」を有しうる。幾つかの例において、中央窓部202の厚さは、約3.5mm〜約6.0mmである。一つの例において、中央窓部202の厚さは、約4mmである。薄い中央窓部202ほど、小さい熱容量を有し、上部ドーム200が急速に加熱及び冷却することを可能にする。中央窓部202は、約130mm〜約250mm、例えば約160mm〜約210mmの外径「D
1」を有しうる。一つの例において、中央窓部202の直径は、約190mmである。周辺フランジ204は、約25mm〜約125mm、例えば約45mm〜約90mmの厚さ「T
2」を有しうる。「T
2」は、平坦な上表面203と平坦な底表面209の間の厚さとして概して定義される。一つの例において、周辺フランジ204の厚さは、約70mmである。周辺フランジ204の幅「W
1」は、約5mm〜約90mm、例えば約12mm〜約60mmでありえ、半径とともに変わりうる。一つの例において、周辺フランジ204の幅は、約30mmである。ライナアセンブリが処理チャンバの中で使用されない場合、周辺フランジ204の幅は約50mm〜約60mmだけ増加してもよく、中央窓部202の幅は、同じ量だけ減少する。そのような場合、周辺フランジ204の厚さとドーム角度(θ)は、それに応じて減少してもよく、その量は、本明細書に基づいて当業者により計算されることができる。
【0069】
[0086] より低いドーム角度が適合される場合、周辺フランジ204は、より中央窓部202の方に入って来てもよい。けれども、中央窓部202の直径に対する制限要因は、リフレクタ(例えば、
図1のリフレクタ122)が、基板に予熱リング(使用される場合)を加えた領域に光を反射することができなければならないということである。従って、周辺フランジ204をわずかに内側に移動させながら、直径が約130mm〜約300mmの中央窓部202を設けることができることが有利であろう。
【0070】
[0087] 上部ドーム200の「平坦に近い」構成は、ベースリング(
図8Aのベースリング836など)及び比較的平坦な下部ドーム(
図7Aと
図7Bの下部ドーム700など)と組み合わされたときに、浅い球面状の幾何学形状を形成し、この幾何学形状は、特に、エピタキシャル堆積プロセスなどの、減圧又は低圧の応用が実行される場合、処理チャンバの内部と外部の間の圧力差に耐えることに有効であることが、発明者によって認められた。加えて、上部ドーム200の「平坦に近い」構成は、横方向の圧力が周辺フランジ204に加えられる場合、周辺フランジ204と中央窓部202の間に配置される溶接ジョイント「B」の領域内で、より低い剪断応力をもたらすことが認められた。圧力差による中央窓部202の応力は、より厚い窓部を用いることにより対処することができるが、厚い窓部により、熱容量が大きくなりすぎる可能性があり、これは安定状態の処理にとって時間の遅れを招く。従って、全体的なスループットは低下する。また、厚い窓部を有する上部ドームは、処理の間、乏しい弾性を示し、中央窓部202が周辺フランジ204によって半径方向に包含されている間、周辺フランジ204における高い剪断応力を引き起こす。更に、厚い窓部は、基板の安定化に影響を与えるであろう熱を放散するのに、より長い時間がかかる。球面状の幾何学形状は、本来的に、減圧圧力を効果的に取り扱うので、上部ドーム200は、基板より上の断面積が急に大きく変化する従来の容器によって用いられるよりも薄い石英壁を用いることができる。
【0071】
[0088] 上部ドーム200の中央窓部202の厚さは、周辺フランジ204と中央窓部202の間の境界面(
図2C)に現れる剪断応力が対処されることを保証するように、上記の範囲で選択される。石英壁(すなわち、中央窓部202)が薄いほど、より効率的な熱伝達媒質となるので、石英により吸収されるエネルギーは少なくなる。従って、上部ドームは、比較的冷たいままである。また、より薄い壁のドームほど、蓄えられるエネルギーが少なくなり、外側表面への伝導経路が短くなるので、より速く温度が安定するであろうし、より早く対流冷却に反応するであろう。従って、上部ドーム200の温度は、中央窓部202のいたる所でのより良い熱均一性を提供するための所望の設定点により近く保つことができる。加えて、中央窓部202が、周辺フランジ204へ半径方向に伝導する間、薄いドーム壁ほど、基板上の温度均一性が改善される。周辺フランジ204の周囲に配置されたOリングを保護するため、周辺フランジ204を過度に加熱しないことが、有利でありうる。処理されている基板の表面上に反射し、膜の均一性を悪化させるであろう不必要な温度勾配をもたらすので、中央窓部202を半径方向に過度に冷却しないこともまた、有利である。
【0072】
[0089] 以下の表1は、本発明の実施形態による例として与えられる上部ドーム200の非限定的な詳細事項を提供する。
【0073】
[0090] 上部ドーム200を平らにすることによって、処理チャンバの放射熱伝達特性は、寄生損失の低下と、高温計を可能な限り基板表面の近くに配置することができることによる温度センサに対するノイズの低下に伴い、大いに改善される。改良された上部ドームと下部ドーム(
図7A〜
図7Cに関して、以下に論じられる)はまた、全チャンバ容積を減少させ、これはガス移行時間を改善し、吸排気時間を短縮し、その結果、サイクル時間が短縮され、基板スループットが改善する。加えて、上部ドームの「平坦に近い」構成は、流れの均一性に悪影響を与える基板の上の断面積の急激な変化を有する従来設計と関連する問題を回避するので、チャンバの上部処理領域の中でのガス流の乱れ又は循環を回避する又は著しく最小化する。フランジ半径の増加を伴う平坦に近いことはまた、チャンバ断面にわたっての排気ガス圧力の一定の均一性を容易にし、その結果、基板上の非常に均一な流れの場をもたらす。
【0074】
例示的な下部ドーム
[0091]
図7Aと
図7Bは、本発明の一実施形態による、
図1Aの下部ドーム114の代わりに使用されうる下部ドーム700の概略図である。
図7Aは、下部ドーム700の断面図を示す。
図7Bは、下部ドーム700の上面図を示す。下部ドーム700は、わずかに凸状の外側表面710とわずかに凹状の内側表面712を有する。
図7Aに見ることができるように、下部ドーム700は、中央開口708を有する、概して円形の浅いマティーニグラス又は漏斗の形状で形成される。下部ドーム700は、中心軸「C」の周りに半径方向に対称である(
図7B)。先に論じたように、中央開口708は、基板のローディング及びアンローディングの間、そこを通る軸(
図1の中心軸132など)の自由な運動を提供する。下部ドーム700は、脚部702、周辺フランジ704及び脚部702と周辺フランジ704を接続するように半径方向に広がる底部706を概して含む。周辺フランジ704は、底部706の周囲を囲むように構成される。あるいは、周辺フランジ704は、チャンバ設計に依存して、底部706を少なくとも部分的に囲んでもよい。いずれの場合も、周辺フランジ704は、底部706の周囲で底部706と係合する。周辺フランジ704と底部706は、(
図1の上部ドーム128とベースリング136などの)上部ドーム及びベースリングと結びついて、処理チャンバの内部容積を概して画定する。
【0075】
[0092] 以下で論じられるように、底部706は、薄く作られており、処理の最中の曲がりに適応するのに十分な柔軟性を有するが、他方、周辺フランジ704は、厚く、底部706を閉じ込めるのに十分な剛性を有する。周辺フランジ704は、Oリング(
図1の符号182)を熱放射に直接曝露されることから保護するために、不透明に作られてもよい。あるいは、周辺フランジ704は、透明な石英から作られてもよい。下部ドーム700の底部706は、著しく吸収することなく、ランプからの直接放射に対して概して光学的に透明である材料から作られてもよい。
【0076】
[0093] 周辺フランジ704と底部706は、溶接ジョイント「B」によって両端で固定される。周辺フランジ704は、底部706の薄さから周辺フランジ704のバルクへの滑らかで緩やかな変化によって画定される寸法移行部713に沿ってフィレット半径「r」で作られる。
図7Cは、周辺フランジ704のフィレット半径を示す、接合ジョイント「B」の拡大図を示す。フィレット半径は、周辺フランジ704の上部、移行部713の主本体及び底部706と噛み合う部分を含む3つの曲線とみなされうる連続的に曲がった凹面である。それゆえ、フィレット半径は、3つの曲線を通じて同じ半径でなくともよい。フィレット半径は、フィレット半径の表面輪郭を決定し、その後、この輪郭に最もぴったり合う球面を数学的に決定することにより、通常、測定される。この最もぴったり合う球面の半径が、フィレット半径である。
【0077】
[0094] フィレット半径は、周辺フランジ704と底部706とが接するジョイントの境界面において鋭い角を除去する。鋭い角の除去はまた、鋭い角を有するジョイントよりも均一で厚い被覆が装置のジョイント上に堆積されることを可能にする。フィレット半径は、緩やかな変化を伴う周辺フランジ704の半径方向の厚さの増大と、底部706の「平坦に近い」構成(以下で論じられるであろう)とをもたらすように選択され、ランプを基板に近接して配置することができるので、基板への均一な放射熱伝達をもたらす。最も重要なことには、フィレット半径を有するジョイントはまた、ジョイントでの剪断力を減少又は除去する。様々な実施形態において、周辺フランジ704のフィレット半径「r」は、約0.1インチ〜約5インチの範囲でありえ、例えば、約0.5インチ〜約2インチでありうる。一つの例において、フィレット半径「r」は、約1インチである。
【0078】
[0095] より大きいフィレット半径の周辺フランジ704ほど、熱応力及び空気による応力を扱うのに理想的である。基板の処理の間、下部ドーム700には、処理チャンバ内の低下した内部圧力と下部ドームに働く外部気圧との間の大きな圧力差による強い引張応力がかかる。強い引張応力は、下部ドームの変形を引き起こしうる。けれども、横方向の圧力「P」が、周辺フランジ704の側面に内向きにかけられる場合、下部ドームの引張応力は、処理の間、大いに減少させることができるということが認められた(
図7Aを参照)。周辺フランジ704にかけられる横方向の圧力は、底部706を外に向かって曲げ、このようにしてドームの変形を相殺する。本明細書において、横方向の圧力「P」は、周辺フランジ704の外周面726にかけられる重量ポンド毎平方インチ(psi)での所与の大きさの荷重力を指す。一つの実施形態において、横方向の圧力「P」は、約280psi又はそれより大きくてよい。別の実施形態において、横方向の圧力「P」は、約60psi〜約250psiであってよい。一つの実施形態において、横方向の圧力「P」は、約80psiである。
【0079】
[0096] 周辺フランジ704の引張応力は、横方向の圧力「P」がない場合の1300psi〜2000psiから、横方向の圧力が周辺フランジ704にかけられる場合に1000psi未満に低下させることができることが認められた。先に言及した大きいフィレット半径「r」と組み合わせると、約80psiの横方向の圧力「P」が、周辺フランジ704にかけられる場合、周辺フランジ704の引張応力は、大いに低下させることができる。
【0080】
[0097]
図7Aを参照して、一つの実施形態において、下部ドーム700は、底部706が、水平面「A」に対して角度(θ)だけ傾いているように作られる。水平面「A」は、基板(図示せず。例えば
図1Aの基板108など)の長手方向又は基板支持体106の基板受け面によって画定される水平面と概して平行である。あるいは、水平面「A」は、周辺フランジ704の平坦な底表面703から半径方向に広がる平面とみなすことができる。従って、水平面「A」は、周辺フランジ704の平坦な底表面703と実質的に平行である。角度(θ)は、より詳細には、周辺フランジ704の平坦な底表面703(又は水平面「A」)と、底部706と周辺フランジ704の交線を通る、底部706の凸状の外側表面710上の接線707の間の角度として定義することができる。底部706の厚さは、実質的に一定に作られるので、凸状の外側表面710で測定することと凹状の内側表面712で測定することは、同じ角度を得るはずである。種々の実施形態において、接線707と水平面「A」の間の角度(θ)は、概して22°未満である。一つの実施形態において、角度(θ)は、約6°〜約20°であり、例えば、約6°〜約8°、約8°〜約10°、約10°〜約12°、約12°〜約14°、約14°〜約16°、約16°〜約18°、約18°〜約20°などである。一つの例において、角度(θ)は、約10°である。約10°の傾きの底部706は、約22°又はそれより大きい角度(θ)を通常有する従来の下部ドームより平坦な下部ドーム700を提供する。角度(θ)の減少により、従来の下部ドームと比べて、下部ドーム700が、約0.3インチ〜1インチ、例えば約0.6インチ上がるであろう。
【0081】
[0098] 下部ドーム700の底部706の厚さは、周辺フランジ704と底部706の間の境界面(
図2C)に現れる剪断応力が対処されることを保証するように選択される。本発明の様々な実施形態において、底部706は、約2mm〜約16mmの範囲内、例えば約2mm〜約4mm、約4mm〜約6mm、約6mm〜約8mm、約8mm〜約10mm、約10mm〜約12mm、約12mm〜約14mm、約14mm〜約16mm、の一定の厚さ「T
2」を有しうる。幾つかの例において、底部706の厚さは、約3.5mm〜約10mmである。一つの例において、底部706は、約6mmの厚さを有しうる。薄い底部706ほど、小さい熱容量を提供し、下部ドーム700が急速に加熱及び冷却することを可能にする。底部706は、約300mm〜約600mm、例えば約440mmの外径「D
2」を有しうる。周辺フランジ704は、約20mm〜約50mmの範囲内、例えば約30mm、の厚さ「T
2」及び約10mm〜約90mm、例えば約50mm〜約75mmの、半径とともに変わりうる幅「W
2」を有しうる。一つの例において、下部ドーム700は、約500mm〜約800mm、例えば約600mm、の全外径を有しうる。中央開口708は、約300mm〜約500mm、例えば約400mm、の外径を有しうる。別の実施形態において、中央開口708は、約10mm〜約100mm、例えば約20mm〜約50mm、例えば約35mmなどの外径を有しうる。下部ドームのサイズ、角度(θ)及び厚さは、チャンバ設計及び下部ドーム700の両側に働く圧力差に依存して、変わりうることが予期される。
【0082】
[0100] 下部ドーム700の「平坦に近い」構成は、ベースリング(
図8Aのベースリング836など)及び比較的平坦な上部ドーム(
図2Aと
図2Bの上部ドーム200など)と組み合わされたときに、浅い球面状の幾何学形状を形成し、この幾何学形状は、特に、エピタキシャル堆積プロセスなどの、減圧又は低圧の応用が実行される場合、処理チャンバの内部と外部の間の圧力差に耐えることに有効であることが、証明された。加えて、下部ドーム700の「平坦に近い」構成は、横方向の圧力が周辺フランジ704に加えられる場合、周辺フランジ704と底部706の間の溶接ジョイント「B」の領域内において、より低い剪断応力をもたらすことが認められた。圧力差による底部706の応力は、より厚いドーム壁(すなわち、底部706)を用いることにより対処することができるが、厚いドーム壁により、熱容量が大きくなりすぎる可能性があり、これは安定状態の処理にとって時間の遅れを招く。従って、全体的なスループットは低下する。また、厚いドーム壁は、処理の間、乏しい弾性を示し、底部706が周辺フランジ704によって半径方向に包含されている間、周辺フランジ704における高い剪断応力を引き起こす。厚いドーム壁はまた、基板の安定化に影響を与えるであろう熱を放散するのに、より長い時間がかかる。球面状の幾何学形状は、本来的に、減圧圧力を効果的に取り扱うので、下部ドーム700は、基板の下の断面積が急に大きく変化する従来の容器よりも薄いドーム壁を用いることができる。
【0083】
[0101] 以下の表2は、本発明の実施形態による例として与えられる下部ドーム700の非限定的な詳細事項を提供する。
【0084】
[0102] 上記のように、下部ドーム700と上部ドーム200を平らにすることにより、処理チャンバの処理容積が減少し、これは吸排気時間を短縮する。従って、基板スループットが改善される。改良された下部ドームはまた、放射加熱ランプが基板の裏側に可能な限り近接して配置することができるので、サセプタと基板への一定の均一な放射熱伝達を提供し、その結果、サセプタの裏側(プレート状の基板支持体(
図1A)が用いられた場合)又は基板の裏側(リング状の基板支持体(
図1B)が用いられた場合)でのより良い伝導、より完全なゾーン均一性をもたらし、それにより、基板が置かれるサセプタと可能な限り平行に放射加熱ランプを構成することができるので、寄生損失を低下させる。望まれる場合には、高抵抗コンタクトが、クロストークを軽減するために、流路に沿って石英ドームと石英ドームの間に導入されてもよい。
【0085】
例示的なベースリング
[0103]
図8Aは、
図1Aと
図1Bに示されるようなベースリング136の代わりに使用されうる例示的なベースリングの透視断面図を示す。ベースリング836は、アルミニウム又はステンレス鋼などの任意の適当な材料から作られてよい。ベースリング836は、ローディングポート803、プロセスガス吸入口874及びガス噴出口878を概して含み、
図1Aと
図1Bに示されるローディングポート103、プロセスガス吸入口174及びガス噴出口178と同様に機能する。ベースリング836は、
図1の処理チャンバの内周の中に受け入れられるようにサイズが決められるリング本体を含む。リング本体は、ローディングポート803に長い側、プロセスガス吸入口874及びガス噴出口878に短い側をそれぞれ持つ概して横長の形状を有しうる。ローディングポート803、プロセスガス吸入口874及びガス噴出口878は、互いに対して約90°の角度をなしてよい。一つの例において、ローディングポート803は、プロセスガス吸入口874とガス噴出口878の間のベースリング836の側に配置され、プロセスガス吸入口874とガス噴出口878は、ベースリング836の両端に配置される。様々な実施形態において、ローディングポート803、プロセスガス吸入口874及びガス噴出口878は、互いに一直線上にあり、
図1A〜
図1Bのローディングポート103、プロセスガス吸入口174及びガス噴出口178と実質的に同じ高さに配置される。
【0086】
[0104] ベースリング836の内径817は、ライナアセンブリ、例えば
図1Aのライナアセンブリ163又は
図6に関して上記で論じたライナアセンブリ600、を受け入れるように構成される。ベースリング836のローディングポート803、プロセスガス吸入口874及びガス噴出口878は、ライナアセンブリ(
図6)とガス吸入メカニズム(
図3A〜
図3C)と合わせて働き、一つ又は複数のプロセス/パージガスを処理容積の中に供給するように構成することができる。
【0087】
[0105] 図示されていないが、ベースリング836とクランプリングの間に上部ドーム128の周辺フランジを固定するために、締め具が、ベースリング836の上面814上に形成された締め付けレセプタクル(図示せず)を通って、クランプリング(例えば、
図1Aのクランプリング130又は
図4Aのクランプリング400)の中の凹部(図示せず)の中に配置されてもよい。
【0088】
[0106] 一つの例において、ローディングポート803は、約0.5インチ〜約2インチ、例えば約1.5インチ、の高さ「H
4」を有しうる。ベースリング136は、約2インチ〜約6インチ、例えば約4インチ、の高さ「H
3」を有しうる。ベースリング836の高さは、ベースリング836の全高が、従来のベースリングの全高より約0.5インチ〜約1インチ低くなるように、設計される。従って、基板と光学高温計(図示せず。例えば、
図1Aの光学高温計118)の間の距離もまた、短縮される。その結果、光学高温計の表示解像度は、大きく改善できる。一つの例において、基板と光学高温計の間の距離は、約250mmである。上部ドームと下部ドームの間の距離のみならず、基板と光学高温計の間の距離を短縮することによって、処理チャンバの放射熱伝達特性は、寄生損失の減少、温度センサへのノイズの低下、並びに放射加熱ランプから基板への及び上部リフレクタから基板への、中心からエッジまでの均一性が改善された、より多くの熱伝達により、大きく改善される。ベースリング836の高さの低下及び
図2A〜
図2Bに関して上記で論じた上部ドームの「平坦に近い」構成はまた、500℃未満の温度で強固で正確な高温測定を可能にする。プロセスガス吸入口874及びガス噴出口878の構成は、光の漏れを封じ込めるライナの能力が大きく高まり、500℃未満の温度で高温測定をより正確にする同心円のプロセスキット(例えば、ライナアセンブリ)を可能にする。
【0089】
[0107] ベースリング836は、熱伝導性材料から作られ、下部ドームの平坦に近い構成のため放射加熱ランプに近接しているので、ベースリング836は、ベースリングの中に形成され、それを通って水などの冷却流体がベースリングの冷却のために流される一つ又は複数の冷却剤チャネルを含んでよい。冷却剤チャネルは、Oリング(例えば、
図1AのOリング182、184)に近接した領域でベースリング836の周囲の周りに配置されてもよい。
図8Bは、本発明の一実施形態による、別の角度からの
図8Aのベースリング836の透視図であり、上部リング810と下部リング812を示す。上部リング810と下部リング812は、それぞれ、ベースリング836の上面814と底面816に配置するように構成される。上部リング810と下部リング812は、環状形状を有し、ベースリング836と共に組み合わされると、概して同心円又は同軸となる。
【0090】
[0108]
図8Cは、
図8Bのベースリング836の拡大部分断面図であり、上部リング810と下部リング812を受け入れるための、それぞれベースリング836の上面814と底面816(
図8B)の中に形成される上部トレンチ818と下部トレンチ820を示す。ベースリング836は、理解を容易にするため、2つの別々の部分として概略的に示される。上部トレンチ818と下部トレンチ820は、ベースリング836の内周817に隣接して形成されうる。上部リング810は、上部トレンチ818の中に置かれるときに、上部リング810と上部トレンチ818の間に環状流体流路が画定され、ベースリング836のための上部冷却剤チャネル822を形成するように、概して「H」形状で形成されうる。同様に、下部リング812は、下部トレンチ820の中に置かれるときに、下部リング812と下部トレンチ820の間に環状流体流路が画定され、ベースリング836のための下部冷却剤チャネル824を形成するように、概して「H」形状で形成されうる。上部リング810、下部リング812及びベースリング836は、溶接され、一体型の物体を形成しうる。ベースリング836の適切な冷却のために上部リング810とベースリング836の間及び下部リング812とベースリング836の間に画定されるそれぞれの環状流体流路を通って冷却流体が循環される限り、上部リング810と下部リング812は、任意の所望の形状で形成されうる。
【0091】
[0109] 一つの実施形態において、ベースリング836は、ベースリング836の上面814から上方に伸びる上部内壁826を含みうる。上部内壁826の外側部分825と上部リング810の内側部分827が、Oリング(図示せず。例えば、
図1AのOリング182、184)の配置のために、上部トレンチ818の近くに、上部環状トレンチ828を画定するように、上部内壁826は、ベースリング836の内周817の周りに構成される。同様に、ベースリング836は、ベースリング836の底面816から下方に伸びる底部内壁830をも含みうる。底部内壁830の外側部分829と下部リング812の内側部分831が、Oリング(図示せず。例えば、
図1AのOリング182、184)の配置のために、下部トレンチ820の近くに、底部環状トレンチ832を画定するように、底部内壁830は、ベースリング836の内周817の周りに構成される。
【0092】
[0110] 処理の間、ベースリング836の内周817が、最も多くの熱に曝され、処理チャンバ100のプロセス状況に最も近いので、冷却流体は、冷却源(図示せず)から、ベースリング836の内周817の周りに配置された上部冷却剤チャネル822と下部冷却剤チャネル824に導入される。冷却流体は、絶えず導入されるので、ベースリング836の内周817から最も効率的に熱を吸収する。冷却流体は、ベースリング836とOリングを比較的低温に維持するのを助けるために、上部冷却剤チャネル822と下部冷却剤チャネル824を通って対向流の仕方で流される。
【0093】
[0111] 上記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他のさらなる実施形態を考え出すこともでき、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。