【実施例】
【0138】
次に、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。
【0139】
[評価方法]
(粘着テープを構成する粘着剤層のゲル分率の測定)
実施例及び比較例の粘着テープの製造に使用した基材の質量(G
0)を測定した。
【0140】
次に、前記粘着テープを縦50mm、横40mmの大きさに裁断し、その両面の離型ライナーを剥がして得た試験片1の質量(G
1)を測定した。
【0141】
次に、前記試験片1をトルエンに浸漬したものを、25℃(常温)で24時間放置した。
【0142】
前記24時間後、前記試験片1のうちトルエンに溶解しなかったものを、300メッシュ金網を用いて濾過することで分離し、それを105℃で1時間乾燥したものの質量(G
2)を測定した。
【0143】
前記ゲル分率は、下記式にしたがって算出した。ゲル分率(質量%)=[(G
2−G
0)/(G
1−G
0)]×100
【0144】
(23℃環境下における90°折り曲げ時の耐反発性)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせた。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。
【0145】
前記方法で得たエーテル系ポリウレタンフォームと粘着テープとの貼付物を、幅10mm及び長さ50mmの大きさに切断し、23℃及び50%RH環境下に24時間放置したものを試験片4とした。
【0146】
次に、前記試験片4を構成する他方の離型ライナーを剥がし、それを、厚さ4mmのアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と省略)製のL字アングル1の面に、貼付面積が幅10mm及び長さ10mmとなるように貼付した。
【0147】
次に、前記L字アングル1に貼付されていない前記試験片4の一部を、前記L字アングル1の他方の面側に90°折り曲げた状態で、23℃及び50%RH環境下に24時間放置した。具体的には、
図1に示すように、前記試験片4を前記L字アングル1に貼付した。
【0148】
前記放置後、前記エーテル系ポリウレタンフォームが前記粘着テープの表面から剥がれた距離(浮き剥がれ距離)を測定した(
図1)。
【0149】
◎:浮き剥がれ距離が、5mm未満であった。
○:浮き剥がれ距離が、5mm以上、10mm未満であった。
【0150】
△:浮き剥がれ距離が、10mm以上、20mm未満であった。
【0151】
×:浮き剥がれ距離が、20mm以上であった。
【0152】
(高湿度条件下における90°折り曲げ時の耐反発性)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせた。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。
【0153】
前記方法で得たエーテル系ポリウレタンフォームと粘着テープとの貼付物を、幅10mm及び長さ50mmの大きさに切断し、23℃及び50%RH環境下に24時間放置したものを試験片5とした。
【0154】
次に、前記試験片5を構成する他方の離型ライナーを剥がし、それを、厚さ4mmのABS樹脂製のL字アングル1の面に、貼付面積が幅10mm及び長さ10mmとなるように貼付した。
【0155】
次に、前記L字アングル1に貼付されていない前記試験片5の一部を、前記L字アングル1の他方の面側に90°折り曲げた状態で、23℃及び50%RH環境下に24時間放置した。
【0156】
次に、前記試験片5を、小型環境試験器[エスペック(株)製、型番:SH−241]を用い、高湿度条件下(40℃及び85%RHの環境下)に500時間放置した後、前記エーテル系ポリウレタンフォームが前記粘着テープの表面から剥がれた距離(浮き剥がれ距離)を測定した。
【0157】
◎:浮き剥がれ距離が、5mm未満であった。
○:浮き剥がれ距離が、5mm以上、10mm未満であった。
【0158】
△:浮き剥がれ距離が、10mm以上、20mm未満であった。
【0159】
×:浮き剥がれ距離が、20mm以上であった。
【0160】
(23℃環境下におけるポリウレタンフォームの重ね合わせ貼付適性)
実施例および比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせた。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。前記方法で得たエーテル系ポリウレタンフォームと粘着テープとの貼付物を、幅10mm及び長さ50mmの大きさに切断し、23℃及び50%RH環境下に24時間放置することによって試験片を2枚作成した(試験片6及び試験片7)。
【0161】
次に、前記試験片6を構成する他方の離型ライナーを剥がし、それを、厚さ4mmのABS樹脂板の面に貼付した。
【0162】
次に、前記試験片7の離型ライナーを剥がし、前記試験片7を、前記試験片6の上に、それらの重なる部分が幅10mm及び長さ10mmとなるように貼付したものを試験片8とした。具体的には、
図2に示す構成からなる試験片8を得た。
【0163】
次に、前記試験片8を23℃及び50%RH環境下に500時間放置した後、前記試験片6の浮きはがれ具合を目視で観察した。
【0164】
◎:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、及び、粘着テープとABS樹脂板の間ともに、浮きや剥がれが無かった。
【0165】
○:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、または、粘着テープとABS樹脂板の間で、若干の浮きが生じたものの実用上問題ないレベルであった。
【0166】
△:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、または、粘着テープとABS樹脂板の間で大きな浮きが生じ、実用上支障が生じる恐れのあるレベルであった。
【0167】
×:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、または、粘着テープとABS樹脂板の間で完全に剥がれ、実用上支障が生じるレベルであった。
【0168】
(40℃及び85%RH環境下におけるポリウレタンフォームの重ね合わせ貼付適性)
実施例および比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせた。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。前記方法で得たエーテル系ポリウレタンフォームと粘着テープとの貼付物を、幅10mm及び長さ50mmの大きさに切断し、23℃及び50%RH環境下に24時間放置することによって試験片を2枚作成した(試験片9及び試験片10)。
【0169】
次に、前記試験片9を構成する他方の離型ライナーを剥がし、それを、厚さ4mmのABS樹脂板の面に貼付した。
【0170】
次に、前記試験片10の離型ライナーを剥がし、前記試験片10を、前記試験片9の上に、それらの重なる部分が幅10mm及び長さ10mmとなるように貼付したものを試験片11とした。具体的には、
図2に示す構成からなる試験片11を得た。
【0171】
次に、前記試験片11を23℃及び50%RH環境下に500時間放置した後、前記試験片9の浮きはがれ具合を目視で観察した。
【0172】
◎:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、及び、粘着テープとABS樹脂板の間ともに、浮きや剥がれが無かった。
【0173】
○:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、または、粘着テープとABS樹脂板の間で、若干の浮きが生じたものの実用上問題ないレベルであった。
【0174】
△:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、または、粘着テープとABS樹脂板の間で大きな浮きが生じ、実用上支障が生じる恐れのあるレベルであった。
【0175】
×:ポリウレタンフォームと粘着テープの間、または、粘着テープとABS樹脂板の間で完全に剥がれ、実用上支障が生じるレベルであった。
【0176】
(23℃環境下に放置した後の180度引き剥がし接着力)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付し裏打ちしたものを試験片2とした。
【0177】
次に、前記試験片2を構成する他方の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、後述する被着体(1)〜(3)を貼り合わせ、2kgのローラーを用い1往復加圧することでそれらを接着させた。
【0178】
前記方法で接着させたものを、23℃及び50%RH環境下に24時間放置した後、同環境下で、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記試験片2を、被着体の水平方向に対して180度方向に300mm/分の速度で引き剥がすことによって接着力を測定した
被着体(1);厚さ4mmのステンレス鋼板
被着体(2);厚さ4mmのアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂板(ABS樹脂板)
被着体(3);厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)
前記ステンレス鋼板に対して14N/20mm以上の接着力を示し、かつ、ABS樹脂板に対して12N/20mm以上の接着力を示し、かつ、エーテル系ポリウレタンフォームに対して4N/20mm以上の接着力を示したものを優良と評価した。なお、エーテル系ポリウレタンフォームに対しての接着力が7N/20mm以上を示したものを「7<」と記載した。
【0179】
(高湿度条件下に放置した後の180度引き剥がし接着力)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付し裏打ちしたものを試験片とした。
【0180】
次に、前記試験片3を構成する他方の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、後述する被着体(1)〜(3)を貼り合わせ、2kgのローラーを用い1往復加圧することでそれらを接着させ、それらを、23℃及び50%RH環境下に24時間放置することによって接着物を得た。
【0181】
次に、前記試験片3を、小型環境試験器[エスペック(株)製、型番:SH−241]を用い、高湿度条件下(40℃及び85%RHの環境下)に500時間放置した後、23℃及び50%RH環境下で、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記接着物を構成する前記試験片3を、被着体の水平方向に対して180度方向に300mm/分の速度で引き剥がすことによって接着力を測定した
被着体(1);厚さ4mmのステンレス鋼板
被着体(2);厚さ4mmのABS樹脂板
被着体(3);厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)
前記ステンレス鋼板に対して14N/20mm以上の接着力を示し、かつ、ABS樹脂板に対して12N/20mm以上の接着力を示し、かつ、エーテル系ポリウレタンフォームに対して4N/20mm以上の接着力を示したものを優良と評価した。なお、エーテル系ポリウレタンフォームに対しての接着力が7N/20mm以上を示したものを「7<」と記載した。
【0182】
(離型ライナーの手剥がし適性の評価)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせたものを3個用意した。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。
【0183】
次に、前記3個の貼付物を重ねた状態で、
図2に示す形状に打ち抜き加工したものを試験片12とした。
【0184】
前記試験片12の1角(
図3中のA点)から、対角方向(
図2中のB点方向)に、前記試験片12を構成する他方の離型ライナーを20m/分の速度で引き剥がした際の剥がしやすさを評価した。試験者5人が試験片毎に3回実施し、一番多い評価を採用した。
【0185】
◎:離型ライナーが破けず、軽い力で剥がすことができた。
【0186】
○:離型ライナーが破けず、やや重い感触はあったものの剥がすことができた。
【0187】
△:1回または2回、離型ライナーが破けた。
【0188】
×:3回とも離型ライナーが破けた。
【0189】
(粘着テープの剥離荷重)
実施例及び比較例の粘着テープを幅20mmに切断したものを試験片13とした。23℃及び50%RH環境下で、試験片13の離型ライナーを掴み、高速剥離試験機[テスター産業(株)製]を用い、粘着剤層から180度方向に5m/分、及び、20m/分の速度で剥がした際の剥離荷重を測定した。
【0190】
(離型ライナーの剥離荷重)
離型ライナーに、SKダイン801B(綜研化学(株)製、溶剤系粘着剤)を、乾燥後の厚さが90μmとなるように塗工し、乾燥後に厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと貼り合わせ、40℃環境下で20時間養生し、幅20mmに切断したものを試験片14とした。前記試験片14の離型ライナーを掴み、高速剥離試験機[テスター産業(株)製]を用い、180度方向に5m/分の速度で剥がした際の剥離荷重を測定した。
【0191】
(離型ライナーの引張強度)
剥離ライナーを流れ方向に5mm及び幅方向に180mmの寸法に裁断した試験片15を5枚用意した。前記試験片15の幅方向の引張強度を、高速引張試験機[テスター産業(株)製]を用い、標線間隔150mm、引張速度20m/分の条件で測定し平均した。また、剥離ライナーを流れ方向に180mm及び幅方向に5mmの寸法に裁断した試験片16を5枚用意した。前記試験片16の幅方向の引張強度を、高速引張試験機[テスター産業(株)製]を用い、標線間隔150mm、引張速度20m/分の条件で測定し平均した。
【0192】
(離型ライナーの剛軟度)
離型ライナーの剛軟度は、JIS L 1085規格に従い測定した。剥離ライナーを流れ方向に20mm及び幅方向に340mmの寸法に裁断した試験片17を5枚用意した。
【0193】
次に、ガーレー式剛軟度試験機[テスター産業(株)製、型式;ST−401]を用い、前記試験片17を5枚重ねチャックで固定した。
【0194】
次に、支点から10cm離れたところに25gの荷重をかけてアームを定速回転させ、前記試験片17が振り子から離れる際の目盛り(RG)を読み取った。測定は表裏それぞれ5回ずつ行い、平均値を算出した。測定値をもとに、下式より剛軟度を算出した。
【0195】
式:剛軟度(mg)=(RG)×10×25×(3.4×3.4÷2)×0.306
【0196】
また、剥離ライナーを流れ方向に340mm及び幅方向に20mmの寸法に裁断した試験片18を5枚用意した。
【0197】
次に、ガーレー式剛軟度試験機[テスター産業株式会社製、型式;ST−401]を用い、前記試験片18を5枚重ねチャックで固定した。
【0198】
次に、支点から10cm離れたところに25gの荷重をかけてアームを定速回転させ、前記試験片18が振り子から離れる際の目盛り(RG)を読み取った。測定は表裏それぞれ5回ずつ行い、平均値を算出した。測定値をもとに、下式より剛軟度を算出した。
【0199】
式:剛軟度(mg)=(RG)×10×25×(3.4×3.4÷2)×0.306
【0200】
(離型ライナーの引裂強度)
離型ライナーを幅50mm、長さ100mmに切断したものを試験片19とした。
【0201】
次に、前記試験片19の幅方向の端部の中央に、長さ25mmの切れ目を入れたのち、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、0.2m/分の速度で引き裂いた際の強度を測定した。
【0202】
(調製例1)エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(1)の調製
容器にイオン交換水75gと界面活性剤であるアクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製、有効成分25質量%]20gと界面活性剤であるラテムルPD−104[花王(株)製、有効成分20質量%]37.5gを入れ、均一に溶解した。そこに、2−エチルヘキシルアクリレート469.9g、メチルメタクリレート15g、アクリル酸15g、KBM−503[信越化学工業(株)製、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン]0.1g、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.2gを加えて乳化し、乳化液(1)632.7gを得た。
【0203】
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、イオン交換水331.5gを入れ、窒素を吹き込みながら60℃まで昇温した。攪拌下、乳化液(1)の一部[7.59g]、アゾ系重合開始剤であるVA−044[和光純薬工業(株)製、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、10時間半減期温度44℃]の水溶液2.5g[有効成分10質量%]を添加し、60℃を保ちながら1時間で重合させた。
【0204】
引き続き、残りの乳化液(1)625.11gと、アゾ系重合開始剤であるVA−057[和光純薬工業(株)製、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、10時間半減期温度57℃]の水溶液50g[有効成分1質量%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら8時間かけて滴下重合した。
【0205】
引き続き、前記乳化液と前記重合開始剤の滴下を終了してから1時間後に、過硫酸アンモニウム水溶液5g[有効成分5質量%]、亜硫酸水素ナトリウム水溶液5.0g[有効成分2質量%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら1時間かけて滴下重合した。
【0206】
引き続き、過硫酸アンモニウム水溶液と亜硫酸水素ナトリウム水溶液の滴下を終了してから1時間後に、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水[有効成分10質量%]で調整した。これを200メッシュ金網で濾過し、アクリル重合体のエマルジョン(1)1027.9gを得た。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(1)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は303nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(1)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、80万であった。
【0207】
前記アクリル重合体のエマルジョン(1)1000gに、粘度調整剤としてB−500[東亞合成(株)製、固形分36質量%、カルボン酸系共重合体]7.5g、レベリング剤としてサーフィノールPSA−336[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製、有効成分100質量%]2.5g、消泡剤としてサーフィノールDF−110D[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製、有効成分100質量%]2.5g、粘着付与樹脂としてスーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製;軟化点160℃、固形分濃度50質量%、エマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂]200g添加し、2時間撹拌した。続いて、200メッシュ金網で濾過することによって、エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(1)を得た。
【0208】
(調製例2)
2−エチルヘキシルアクリレートを469.9gから459.9gに変更し、メチルメタクリレートを15gから25gに変更したこと以外は、調製例1と同様の方法で乳化液(2)を調製した。
【0209】
次に、乳化液(1)の代わりに前記乳化液(2)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(2)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(2)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は311nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(2)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、85万であった。
【0210】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(1)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(2)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(2)を得た。
【0211】
(調製例3)
2−エチルヘキシルアクリレートを469.9gから434.9gに変更し、メチルメタクリレートを15gから50gに変更したこと以外は、調製例1と同様の方法で乳化液(3)を調製した。
【0212】
次に、乳化液(1)の代わりに前記乳化液(3)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(3)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(3)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は300nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(3)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、78万であった。
【0213】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(1)の代わりに前記アクリル重合体エマルジョン(3)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(3)を得た。
【0214】
(調製例4)
メチルメタクリレートを25gから、エチルアクリレート25gに変更したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(4)を調製した。
【0215】
次に、乳化液(2)の代わりに前記乳化液(4)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(4)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(4)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は318nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(4)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、77万であった。
【0216】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(4)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(4)を得た。
【0217】
(調製例5)
2−エチルヘキシルアクリレートを469.9gから484.9gに変更し、メチルメタクリレートを15gから0gに変更したこと以外は、調製例1と同様の方法で乳化液(5)を調製した。
【0218】
次に、乳化液(1)の代わりに前記乳化液(5)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(5)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(5)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は322nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(5)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、70万であった。
【0219】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(1)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(5)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(5)を得た。
【0220】
(調製例6)
2−エチルヘキシルアクリレートを459.9gから322gに変更し、n−ブチルアクリレート137.9gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(6)を調製した。
【0221】
次に、乳化液(2)の代わりに前記乳化液(6)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体エマルジョン(6)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(6)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は332nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(6)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、84万であった。
【0222】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(6)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(6)を得た。
【0223】
(調製例7)
2−エチルヘキシルアクリレートを322gから229.95gに変更し、n−ブチルアクリレートを138gから229.95gに変更したこと以外は、調製例6と同様の方法で乳化液(7)を調製した。
【0224】
次に、乳化液(6)の代わりに前記乳化液(7)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(7)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(7)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は341nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(7)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、89万であった。
【0225】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(6)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(7)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(7)を得た。
【0226】
(調製例8)
2−エチルヘキシルアクリレートを322gから137.9gに変更し、n−ブチルアクリレートを137.9gから322gに変更したこと以外は、調製例6と同様の方法で乳化液(7)を調製した。
【0227】
次に、乳化液(6)の代わりに前記乳化液(8)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(8)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(8)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は300nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(8)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、78万であった。
【0228】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(6)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(8)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(8)を得た。
【0229】
(調製例9)
2−エチルヘキシルアクリレートを322gから0gに変更し、n−ブチルアクリレートを137.9gから459.9gに変更したこと以外は、調製例6と同様の方法で乳化液(9)を調製した。
【0230】
次に、乳化液(6)の代わりに前記乳化液(9)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(9)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(9)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は341nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(9)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、88万であった。
【0231】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(6)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(9)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(9)を得た。
【0232】
(調製例10)
2−エチルヘキシルアクリレートを459.9gから454.9gに変更し、N−ビニルピロリドン5gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(10)を調製した。
【0233】
次に、乳化液(2)の代わりに前記乳化液(10)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(10)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(10)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は380nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(10)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、83万であった。
【0234】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(10)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(10)を得た。
【0235】
(調製例11)
2−エチルヘキシルアクリレートを459.9gから454.9gに変更し、N−イソプロピルアクリルアミド5gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(11)を調製した。
【0236】
乳化液(2)の代わりに前記乳化液(11)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体エマルジョン(11)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(11)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は360nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(11)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、80万であった。
【0237】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(11)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(11)を得た。
【0238】
(調製例12)
アクリル酸を15gから5gに変更し、メタクリル酸10gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(12)を調製した。
【0239】
乳化液(2)の代わりに前記乳化液(12)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(12)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(12)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は355nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(12)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、69万であった。
【0240】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(12)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(12)を得た。
【0241】
(調製例13)
2−エチルヘキシルアクリレートを459.9gから454.9gに変更し、N−ビニルピロリドン5gを追加したこと以外は、調製例12と同様の方法で乳化液(13)を調製した。
【0242】
乳化液(12)の代わりに前記乳化液(13)を使用した以外は、調製例12と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(13)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(13)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は360nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(13)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、83万であった。
【0243】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(12)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(13)を使用した以外は、調製例12と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(13)を得た。
【0244】
(調製例14)
N−ビニルピロリドン5gを、N−イソプロピルアクリルアミド5g変更したこと以外は、調製例13と同様の方法で乳化液(14)を調製した。
【0245】
乳化液(13)の代わりに前記乳化液(14)を使用した以外は、調製例13と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(14)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(14)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は377nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(14)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、81万であった。
【0246】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(13)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(14)を使用した以外は、調製例13と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(14)を得た。
【0247】
(調製例15)
VA−044の水溶液を、過硫酸アンモニウム水溶性1.25g[有効成分20質量%]と、亜硫酸水素ナトリウム水溶液1.25g[有効成分8質量%]に変更し、VA−057の水溶液を、過硫酸アンモニウム水溶液50g[有効成分1質量%]に変更した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(15)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(15)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は340nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(15)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、83万であった。
【0248】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(15)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で、エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(15)を得た。
【0249】
(調製例16)
スーパーエステルE−865NTの代わりに、ハリエスターSK−822E[ハリマ化成グループ(株)製、軟化点170℃、固形分濃度50質量%、エマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂]200gを使用した以外は、調製例2と同様の方法で、エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(16)を得た。
【0250】
(調製例17)
スーパーエステルE−865NTの代わりに、タマノルE−200NT[荒川化学工業(株)製、軟化点150℃、固形分濃度53質量%、エマルジョン型ロジンフェノール系粘着付与樹脂]188.68gを使用した以外は、調製例2と同様の方法で、エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(17)を得た。
【0251】
(調製例18)
スーパーエステルE−865NTを200gから100gに変更した以外は、調製例2と同様の方法で、エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(18)を得た。
【0252】
(調製例19)
スーパーエステルE−865NTを200gから300gに変更した以外は、調製例2と同様の方法で、エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(19)を得た。
【0253】
(比較調製例1)
2−エチルヘキシルアクリレートを459.9gから460gに変更し、KBM−503を0.1gから0gに変更したこと以外は、調製例2と同様の方法で、乳化液(H1)を調製した。次に、乳化液(2)の代わりに、乳化液(H1)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H1)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H1)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は336nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H1)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、80万であった。
【0254】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H1)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例2と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(H1)を得た。
【0255】
(比較調製例2)
2−エチルヘキシルアクリレートを459.9gから230gに変更し、n−ブチルアクリレート230gを追加し、KBM−503を0.1gから0gに変更したこと以外は、調製例2と同様の方法で、乳化液(H2)を調製した。次に、乳化液(2)の代わりに、乳化液(H2)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H2)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H2)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は300nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H2)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、79万であった。
【0256】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H2)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例2と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(H2)を得た。
【0257】
(比較調製例3)
n−ブチルアクリレートを459.9gから460gに変更しKBM−503を0.1gから0gに変更したこと以外は、調製例9と同様の方法で、乳化液(H3)を調製した。次に、乳化液(9)の代わりに、乳化液(H3)を使用した以外は、調製例9と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H3)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H3)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は311nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H3)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、88万であった。
【0258】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(9)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H3)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例9と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(H3)を得た。
【0259】
(比較調製例4)
2−エチルヘキシルアクリレートを484.9gから485gに変更し、KBM−503を0.1gから0gに変更したこと以外は、調製例5と同様の方法で、乳化液(H4)を調製した。次に、乳化液(5)の代わりに、乳化液(H4)を使用した以外は、調製例5と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H4)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H4)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は354nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H4)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、87万であった。
【0260】
次に、アクリル重合体のエマルジョン(5)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H4)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例5と同様の方法でエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(H4)を得た。
【0261】
(比較調製例5)
テトラッドCの10質量%エタノール溶液の代わりに、エポクロスWS−700[(株)日本触媒製、オキサゾリン基を有する化合物、不揮発分25質量%]40gを使用した以外は、比較調製例1と同様の方法で、エマルジョン型アクリル系粘着剤組成物(H5)を得た。
【0262】
前記表に記載の「単量体組成」の質量%は、アクリル重合体を構成する単量体の全量に対する各単量体の質量割合を指す。また、表に記載の「重合開始剤」「追加の重合開始剤」「追加の還元剤」「連鎖移動剤」「重合ロジンエステル粘着付与樹脂」「架橋剤」の質量部は、アクリル重合体100質量部に対する各成分の質量割合を指す。
【0263】
【表1】
【0264】
【表2】
【0265】
【表3】
【0266】
【表4】
【0267】
<離型ライナー(1)の調製>
上質紙[日本製紙(株)製、N材/L材混成、坪量78g/m
2]の両面に、Tダイ押出機にて310℃でポリエチレンを押し出した後に冷却ラミネートすることで、厚さ25μmのポリオレフィン層を形成した。付加型シリコーン系剥離剤[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SD7333]100質量部に白金系触媒[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SRX212]1質量部を加え、トルエンに溶解して固形分濃度5質量%の塗工液を調製した。この塗工液を、前記ポリエチレン層の上面に、塗工量が0.6g/m2(固形分)となるように塗工し、100℃で10秒間乾燥しキュアすることでシリコーン層を形成し、40℃環境下で72時間養生し、離型ライナー(1)を得た。得られた離型ライナー(1)は、総坪量が127g/m
2、総厚みが135μmであり、流れ方向の引張強度が60N/5mm、幅方向の引張強度が50N/5mmであり、流れ方向の剛軟度が2130mg、幅方向の剛軟度が1410mgであり、流れ方向の引裂強度が0.6Nであった。また、SKダイン801Bを用いて測定した離型ライナー(1)の剥離荷重は、0.12N/20mmであった。
【0268】
<離型ライナー(2)の調製>
付加型シリコーン系剥離剤(SD7333)と白金系触媒(SRX212)とを混合した塗工液の代わりに、付加型シリコーン系剥離剤[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SRX345]100質量部に、白金触媒[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SRX212]1質量部を加え、トルエンに溶解して固形分濃度5質量%に調製した塗工液を用いた以外は、離型ライナー(1)の調製例と同様の方法で、離型ライナー(2)を調製した。得られた離型ライナー(2)は、総坪量が127g/m
2、総厚みが135μmであり、流れ方向の引張強度が58N/5mm、幅方向の引張強度が49N/5mmであり、流れ方向の剛軟度が2000mg、幅方向の剛軟度が1340mgであり、流れ方向の引裂強度が0.5Nであった。また、SKダイン801Bを用いて測定した離型ライナー(2)の剥離荷重は、0.41N/20mmであった。
【0269】
(実施例1)
前記離型ライナー(1)に、調製例1で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)を、乾燥後の厚さが65μmとなるように塗工し乾燥することによって、離型ライナー(1)上に粘着剤層を設けたシートを2枚調製した。
【0270】
次に、不織布製の基材(1)[五十川製紙(株)製、商品名:DIテックスLC−N、パルプ/レーヨン混合、坪量14g/m
2、厚さ38μm]の両面に、前記シートが有する粘着剤層を転写し、40℃環境下で48時間養生することで粘着テープ(1)を得た。前記粘着テープ(1)を構成する粘着剤層のゲル分率は、33.5質量%であった。
【0271】
(実施例2)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例2で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(2)を得た。得られた粘着テープ(2)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.4質量%であった。
【0272】
(実施例3)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例3で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(3)を得た。得られた粘着テープ(3)を構成する粘着剤層のゲル分率は、36.5質量%であった。
【0273】
(実施例4)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例4で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(4)を得た。得られた粘着テープ(4)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.4質量%であった。
【0274】
(実施例5)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例5で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(5)を得た。得られた粘着テープ(5)を構成する粘着剤層のゲル分率は、31.1質量%であった。
【0275】
(実施例6)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例6で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(6)を得た。得られた粘着テープ(6)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.1質量%であった。
【0276】
(実施例7)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例7で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(7)を得た。得られた粘着テープ(7)を構成する粘着剤層のゲル分率は、30.6質量%であった。
【0277】
(実施例8)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例8で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(8)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(8)を得た。得られた粘着テープ(8)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.4質量%であった。
【0278】
(実施例9)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例9で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(9)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(9)を得た。得られた粘着テープ(9)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.6質量%であった。
【0279】
(実施例10)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例10で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(10)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(10)を得た。得られた粘着テープ(10)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.3質量%であった。
【0280】
(実施例11)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例11で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(11)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(11)を得た。得られた粘着テープ(11)を構成する粘着剤層のゲル分率は、35.1質量%であった。
【0281】
(実施例12)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例12で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(12)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(12)を得た。得られた粘着テープ(12)を構成する粘着剤層のゲル分率は、36.2質量%であった。
【0282】
(実施例13)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例13で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(13)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(13)を得た。得られた粘着テープ(13)を構成する粘着剤層のゲル分率は、33.0質量%であった。
【0283】
(実施例14)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例14で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(14)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(14)を得た。得られた粘着テープ(14)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.2質量%であった。
【0284】
(実施例15)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例15で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(15)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(15)を得た。得られた粘着テープ(15)を構成する粘着剤層のゲル分率は、37.7質量%であった。
【0285】
(実施例16)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例16で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(16)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(16)を得た。得られた粘着テープ(16)を構成する粘着剤層のゲル分率は、35.5質量%であった。
【0286】
(実施例17)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例17で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(17)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(17)を得た。得られた粘着テープ(17)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.8質量%であった。
【0287】
(実施例18)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例18で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(18)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(18)を得た。得られた粘着テープ(18)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.9質量%であった。
【0288】
(実施例19)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例19で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(19)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(19)を得た。得られた粘着テープ(19)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.2質量%であった。
【0289】
(実施例20)
不織布製の基材(1)の代わりに、不織布製の基材(2)[日本製紙パピリア(株)製、商品名:D−02、マニラ麻、坪量20g/m
2、厚さ60μm]を用いた以外は実施例2と同様の方法で、粘着テープ(20)を得た。得られた粘着テープ(20)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.4質量%であった。
【0290】
(実施例21)
離型ライナー(1)の代わりに、離型ライナー(2)を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法で、粘着テープ(21)を得た。得られた粘着テープ(21)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.4質量%であった。
【0291】
(比較例1)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例1で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H1)を得た。得られた粘着テープ(H1)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.8質量%であった。
【0292】
(比較例2)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例2で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H2)を得た。得られた粘着テープ(H2)を構成する粘着剤層のゲル分率は、33.5質量%であった。
【0293】
(比較例3)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例3で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H3)を得た。得られた粘着テープ(H3)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.0質量%であった。
【0294】
(比較例4)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例4で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H4)を得た。得られた粘着テープ(H4)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.2質量%であった。
【0295】
(比較例5)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例5で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H5)を得た。得られた粘着テープ(H5)を構成する粘着剤層のゲル分率は、39.5質量%であった。
【0296】
(比較例6)
離型ライナー(1)の代わりに、離型ライナー(2)を用いた以外は、比較例1と同様の方法で、粘着テープ(H6)を得た。得られた粘着テープ(H6)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.8質量%であった。
【0297】
【表5】
【0298】
【表6】
【0299】
【表7】
【0300】
【表8】
【0301】
【表9】
【0302】
【表10】
【0303】
【表11】