(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1誘電部分内部に設けられて第3誘電率を有する第3材料を含む支柱をさらに有する請求項2に記載のプラズマ調整ロッドであって、前記第3誘電率は前記第1誘電率とは異なる、プラズマ調整ロッド。
前記複数のプラズマ調整ロッドの隣接するロッドが、前記プロセスチャンバの第1面上の第1部分と、前記プロセスチャンバの第2面上の第2部分との間で互い違いに設けられるように、前記複数のプラズマ調整ロッドの第1部分と第2部分が配置される、請求項21に記載のマイクロ波処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願に含まれて本願の一部を構成する添付図面は、本発明の実施例を表す。上述の本発明の基本概念と共に、以降の実施例の詳細な説明は、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0017】
ここで
図1と
図2を参照すると、本発明の一の実施例によるマイクロ波処理システム20が図示されている。マイクロ波処理システム20はプロセスチャンバ22を有する。プロセスチャンバ22は、少なくとも1つの側壁24を有し、かつ、内部でプラズマ26を生成するように構成される。プロセスチャンバは、円筒形−たとえば1つの側壁24を有する−であって良いし、又は、
図2に図示されているように、たとえば4つの側壁24を有する正方形若しくは長方形であっても良い。限定ではない例として、プロセスチャンバ22は、数mの長さ、幅、若しくは直径であって良く、又は、特定の種類の基板−たとえば200mm、300mm、400mm等−、半導体ウエハ、OLED、フラットパネルディスプレイ、及びソーラーパネルを実効的に処理するのに必要な他の任意のサイズであっても良い。上で(複数の)基板30を支持する基板ホルダ28が、プロセスチャンバ22内に設けられる。基板ホルダ28は、静止しても良いし、又は、回転移動若しくは垂直移動しても良い。
【0018】
図示された長方形のプロセスチャンバ22を有する実施例では、2つの電磁エネルギー調整システム32,34が、基板30及び基板ホルダ28からある高さに位置するプロセスチャンバ22の上部付近で、かつ、プロセスチャンバ22に沿って対向する壁24に隣接して設けられる。各調整システム32,34は、少なくとも1つの空洞壁36,38を有する。空洞壁36,38は各対応する各対応する空洞40,42を取り囲む。一例では、調整システム32,34は、略プロセスチャンバ22の長さ方向に沿って延び、かつ、互いに長さ方向でオフセットされて良い。他の実施例では、単一の調整システム(たとえば32)−たとえば円筒形チャンバに巻き付くリング形状の調整システム又は正方形若しくは長方形チャンバの一面のみの上に存在する単一の調整システム−が供されて良い。他の実施例では、3つ以上の調整システム−たとえば円筒形チャンバの周りで複数の半径方向に離間した調整システム又は各々が正方形若しくは長方形チャンバの一面に存在する4つの調整システム−が供されて良い。
【0019】
さらに
図1に図示された実施例について、電磁源44,46(「EM源」と表されている)が、整合回路48,50と結合ネットワーク52,54を介して各調整システム32,34に結合されて良い。結合ネットワーク52,54は、以降で詳述するように、マイクロ波エネルギーを各対応する調整システム32,34へ供するのに用いられて良い。
【0020】
制御装置56は、電磁源44,46、整合ネットワーク48,50、及び結合ネットワーク52,54と動作可能に結合し、かつ、特定のプロセスレシピに従って各々を動作させるように構成される。電磁源44,46は、約500MHz〜約5000MHzの範囲の周波数で動作するように構成されて良い。
【0021】
制御装置56はさらに、気体供給システム58及びシャワーヘッド60と動作可能に結合して良い。気体供給システム58及びシャワーヘッド60は、1種類以上の処理気体をプロセスチャンバ22へ注入するように構成される。乾式プラズマエッチング中、処理気体は、エッチャント、不動態、及び不活性気体のうちの1種類以上を含んで良い。たとえば誘電膜−たとえばシリコン酸化物(“SiO
x”)又はシリコン窒化物(“Si
xN
y”)−をプラズマエッチングするとき、一の適切なプラズマエッチング気体は、フルオロカーボンを主成分とする化学物質(“C
xF
y”)−たとえばC
4F
8、C
5F
8、C
4F
6、CF
4−及び/又はフルオロハイドロカーボンを主成分とする化学物質(“C
xH
yF
z”)−たとえばCHF
3、CH
2F
2−を含んで良い。不活性気体はたとえばO
2、CO、又はCO
2であって良い。多結晶シリコン(ポリシリコン)をエッチングするとき、プラズマエッチング気体組成物は、ハロゲン含有気体−たとえばHBr、Cl
2、NF
3、又はSF
6−及び/又はフルオロハイドロカーボンを主成分とする化学物質(“C
xH
yF
z”)−たとえばCHF
3、CH
2F
2−を含んで良い。プラズマ堆積中、処理気体は、膜を生成する前駆体、還元気体、及び/又は不活性気体を含んで良い。
【0022】
制御装置56はさらに、プロセスチャンバ22と流体をやりとりする圧力制御システム62−たとえばポンプ−と動作可能に結合して良い。圧力制御システム62は、プロセスチャンバ22を排気して、プロセスチャンバ22内部の圧力を制御するように構成される。
【0023】
制御装置56はまた、1つ以上のプラズマセンサ63及び/又はプロセスセンサ65と動作可能に結合して良い。1つ以上のプラズマセンサ63及び/又はプロセスセンサ65は、マイクロ波処理システム20の周りに配置され、かつ、マイクロ波処理システム20の壁24に結合する。これらのセンサ63,65は、プロセスチャンバ22内部で点火したプラズマに関するデータ、及び、基板30の処理に関する処理状態を取得する。
【0024】
各調整システム32,34は、1つ以上のプラズマ調整ロッド64,66を有する。
図2には一例として、各調整システム32,34内に5つのプラズマ調整ロッド64,66が図示されている。複数のプラズマ調整ロッド64,66の数は、図示された数に限定される必要がない。各プラズマ調整ロッド64,66は、プラズマ調整部68,70と対応する電磁調整部72,74を有するロッド状の構造を含み、かつ、隔離集合体76,78を介して調整システム32,34と結合する。前記結合は移動可能であって良いし、又は静止しても良い。
【0025】
図2で具体的に図示されているように、プラズマ調整ロッド64,66は、プロセスチャンバ22の長さを拡張するように、直線状、互い違い、又は等間隔に配置されて良いし、又は、円筒チャンバ内において放射状に配置されても良い。限定ではない例として、複数のプラズマ調整ロッド64,66のうちの隣接するロッド間の間隔は、約5mm〜約50mm以上の範囲であって良く、又は、同一の調整システム32,34内では約10mm〜約100mm以上の範囲であって良い。複数のプラズマ調整ロッド64,66は、プロセスチャンバ22の底部から約100mm〜約400mm以上の高さに設けられて良い。代替実施例では、プラズマ調整ロッド64,66は、チャンバ内の様々な高さで非直線状に配置されて良い。プラズマ調整ロッド64,66は、所望のパターンを生成するように互い違いに配置されても良いし、又は、互い違いに配置されなくても良い。
【0026】
プラズマ調整ロッド64,66の各々は、たとえば約10mm〜約400mm又は最大数mの範囲の距離だけプロセスチャンバ22へ入り込む。たとえばプラズマ調整部68,70は、プロセスチャンバ22を貫通して、対向する壁まで延びて良い。対応する電磁調整部72,74は、最大約100mm以上の距離だけ伸びて各対応する調整用空洞40,42へ入り込む。対応する電磁調整部72,74は、波長に依存して、電磁源44,46によって発生する電磁エネルギーのλ/4〜10λまで変化して良い。
【0027】
ここで
図2と
図2Aを具体的に参照すると、調整用空洞40,42内部の電磁調整部72,74の詳細が記載されている。
図2Aには1つの電磁調整部72,74しか図示及び記載されていないが、すべての電磁調整部72,74及び複数のプラズマ調整ロッド64,66を含むプラズマ調整部68,70も同様に構成されうることは当業者には明らかである。とはいえこれは必須ではなく、構成は、本発明の実施例に従って変化して良い。
【0028】
電磁結合領域80,82が、各対応する空洞40,42の内壁41,43から間隔dの位置に設けられる。間隔dはたとえば、0.1mm〜約100mm以上の範囲であって、波長に依存してλ/4〜10λまで変化して良い。電磁結合領域80,82は、各対応する結合電磁石集合体(各々は電磁源44,46と整合及び結合ネットワーク48,50,52,54を有する)からの電磁エネルギーを受けるように構成される。電磁調整部72,74は、各対応する電磁結合領域80,82へ入り込むように延び、かつ、電磁結合領域80,82からの電磁エネルギーを、各対応するプラズマ調整部68,70に沿ってプラズマ調整部68,70付近であってプロセスチャンバ22内の位置へ移送するように構成される。各電磁結合領域80,82は、最大電磁場領域、電圧領域、エネルギー領域、又は電流領域のうちの少なくとも1つを有して良い。
【0029】
対応する制御集合体88,90を備える調整スラブ84,86は、電磁調整部72,74及び電磁結合領域88,90に直接対向又は隣接する。制御集合体88,90は、各対応する調整スラブ84,86を各対応する調整用空洞40,42内部において、各対応する電磁調整部72,74から調整可能な距離lだけ移動させるように構成される。限定ではない例として、調整可能な距離は、約0.01mm〜約100mm以上の範囲で変化して良く、かつ、波長に依存してλ/4〜10λまで変化して良い。調整可能な距離lは、プロセスチャンバ22(
図1)でのプラズマの均一性を調節、制御、及び維持するように各独立して個別に最適化されて良い。
【0030】
再度
図2を参照すると、調整用空洞40,42はまた少なくとも1つの空洞調節器91,93をも有して良い。空洞調整器91,93の各々は、調整スラブ92,94と制御集合体96,98を有する。空洞調整器91,93は、各対応する調整用空洞40,42の側面に設けられるように表され、かつ、特に空洞中央からオフセットされる。しかし他の位置が用いられても良い。空洞調整器91,93は、プロセスチャンバ22(
図1)でのプラズマの均一性を調節、制御、及び維持するように各独立して個別に最適化されて良い。
【0031】
ここで
図3Aを参照すると、本発明の一の典型的実施例によるプラズマ調整ロッド64のプラズマ調整部68の断面が図示されている。本図及び以降の図の断面がプラズマ調整部68の図であるとしても、記載された構成は、プラズマ調整部70及び電磁調整部72,74、ひいては全体としてのプラズマ調整ロッド64,66にも適用される。プラズマ調整部68は図示されているように、外径が第1半径(r
0)である内側誘電部102(コアとも呼ばれる)及び外径が第2半径(r
1)である外側誘電部102(殻とも呼ばれる)を有する同軸構成を含む。この特別な実施例では、誘電部102,104を含む材料のそれぞれの誘電率ε
1,ε
2が変化して良い。たとえば、内側誘電部102は誘電率(ε
1)が約9のアルミニウム酸化物(Al
2O
3)で構成されて良く、外側誘電部104は誘電率(ε
2)が約3.5の二酸化シリコン(SiO
2)で構成されて良い。しかし誘電率は同一であっても良い。本発明の実施例によると、内側誘電部102の誘電率は、外側誘電部104誘電率以下であって良い。各誘電部102,104の材料及び半径は、誘電プラズマ調整ロッド64に沿ってプロセスチャンバ22(
図1)へ均一で効率的な電力供給を実現するように、互いに選択及び最適化されて良い。
【0032】
代替実施例では、内側誘電部102は、外側誘電部104と同軸ではなく軸方向にオフセットされる。よって同軸として図示及び記載された本発明の実施例がそのように限定される必要はない。しかし同軸の位置合わせは、当業者には明らかなように製造及び効果の点で有利となりうる。
【0033】
図3Bに示された他の同様な実施例では、他のプラズマ調整部68’の断面が図示されている。他のプラズマ調整部68’は、
図3Aの第1誘電部102と同様な第1誘電率(ε
1)を有する第1半径(r
0)の第1誘電部108、及び、
図3Aの第2誘電部104と同様の第2誘電率(ε
2)を有する一方で
図3Aの第2誘電率104よりも小さい第2半径(r
1)の第1中間部110を有する。プラズマ調整部68はさらに、第1誘電部108と同一のε
1の値を有する第3半径(r
2)の第2中間部112、及び、第1中間部110と同一のε
1の値を有する第4半径(r
3)の外側誘電部114を有する。例として
図3Aのプラズマ調整部68のように、このプラズマ調整部68’を有する材料は、Al
2O
3及びSiO
2を含んで良い。
【0034】
図4A及び
図4Bは、本発明の代替実施例によるプラズマ調整部116,116’を表している。プラズマ調整部116,116’の各々は、第1半径(r
0)の誘電コア120,120’、及び、第3半径(r
2)の気体帯128によって隔離される第2半径(r
1)の誘電殻124,124’を有する。定義されているように、真空の誘電率ひいては気体帯128の誘電率(ε
air)は1である。一の実施例では、気体は空気である。他の実施例では、気体はN
2又は不活性気体である。
【0035】
コア120及び殻124を有する材料は本来誘電性であり、前述したように相互に変化する。あるいはその代わりに、
図4Bのプラズマ調整部116’のコア120’と殻124’は同一の誘電材料で構成される。
図4Bに図示された他の代替実施例では、殻124’は、気体帯128に隣接する殻124’の内面上に金属スロットアンテナを有する。
【0036】
図5Aと
図5Bは、本発明の他の実施例によるプラズマ調整部を表している。たとえば
図5Aでは、プラズマ調整部132は、気体帯139によって誘電コア136から離間した複数の層137(図では3層)を有する誘電殻134を含む。誘電殻134内の複数の層137のうちの少なくとも1層138は、誘電コア136と同程度の誘電率(ε
1)を有する。実際、誘電殻134内の少なくとも1つの層138は、誘電コア136と同一の材料であって良い。また図示されているように、複数の層137のうちの少なくとも1つの層140は、少なくとも1つの層138の誘電率ε
1とは異なる誘電率を有する。しかも誘電コア136及び複数の層137は、他の実施例においては、それぞれ異なる誘電率の複数の層で構成されて良い。
【0037】
殻134の厚さが、エバネッセント場−たとえばプラズマ26(
図1)へ結合させるためにプラズマ調整部132から移送されるエバネッセント場−の強度に影響を及ぼすので、殻134を含む層137の厚さ及び層数は、所望の結合の程度を実現させるように選ばれて良い。それに加えて殻134の最も外側の層は、特定の処理方法において用いられる処理気体との相性が良くなるように選ばれて良い。たとえば主としてフルオロカーボンエッチング化学物質は、ある酸化物誘電材料を浸食させうるので、相性の良くない材料は、殻134の内側の層に制限されうる。
【0038】
殻134の複数の層137に加えて、誘電コア136’もまた、
図5Bのプラズマ調整部132’内に図示されているように、複数の層146を有して良い。誘電コア136’内の複数の層146のうちの少なくとも1つの層142は、殻134’の少なくとも1つの層140’の第2誘電率(ε
2)とは異なる第1誘電率(ε
1)を有する。複数の層146の他の層143は、殻134’の複数の層137’のうちの1層以上と同一の材料であって良い。あるいはその代わりに、層138’,143は、層140’及び/又は142とは異なる材料であって良い。繰り返しになるが、複数の層146のうちのすく数の層の層数と厚さは変化して良く、かつ、所望の程度のエネルギー結合を生成するように選ばれて良い。
【0039】
たとえば
図6Aと
図6Bのプラズマ調整部150,150’のような他の実施例では、誘電コア152は、該誘電コア152の半径r
0よりもはるかに小さな半径の中心支柱154を有して良い。中心支柱154の誘電率はコアの残りの部分156の誘電率とは等しくなくて良い。図示されていないが、殻は、先に詳述した
図4Aの単一層の殻のように、気体帯160によってコア152から離間する単一の層を有して良い。前記単一の層は、支柱154を含む材料に似た誘電材料であって良い。あるいはその代わりに中心支柱154は金属支柱であって良い。
図6Aと
図6Bに図示されているように、誘電殻158,158’は複数の層162,162’,164,164’,166を有して良い。複数の層162,162’,164,164’,166の各々は誘電材料を含んで良い。あるいはその代わりに複数の層162,162’,164,164’,166の構成は、少なくとも1つの層が、コアの残りの部分156の第1誘電率(ε
1)とは異なる第2誘電率(ε
2)を有するようなものである。図示された層−
図6Aの2つの層及び
図6Bの3つの層−は必ずしも限定されるものではない。
【0040】
よって本発明によると、マイクロ波処理システムは、マイクロ波エネルギー源からのマイクロ波エネルギーをプロセスチャンバへ移送するように構成された複数のプラズマ調整ロッドを有する。各プラズマ調整ロッドは、誘電コアを取り囲む誘電殻で構成されるプラズマ調整部と電磁調整部を有する。誘電コアと誘電殻との間の介入気体帯の有無にかかわらず、誘電コアは誘電殻に対して同軸であって良い。誘電コア及び/又は誘電殻は2層以上の層を有して良い。誘電コア及び誘電殻は同程度の誘電率を有して良い。あるいは場合によっては、誘電コア(又はそのうちの少なくとも1つの層)の誘電率は、誘電殻(又はそのうちの少なくとも1つの層)の誘電率とは異なる。
【0041】
再度
図1を参照すると、マイクロ波処理システム20の使用時においては、電磁源44,46、整合ネットワーク48,50、及び結合ネットワーク52,54からの電磁エネルギーは、空洞40,42内の調整された電磁結合領域80,82に結合される。そこから、電磁エネルギーは、電磁調整部72,74、プラズマ調整部68,70、及び最終的にはプロセスチャンバ22へ移送されることで、プラズマ26が点火及び/又は維持される。電磁調整部72,74及びプラズマ調整部68,70を有するプラズマ調整ロッド64,66は、既知である従来の調整ロッドによって引き起こされる上述の問題を起こすことなく、プラズマ26へ電磁エネルギーを均一に供給する。調整スラブ84,86は、プラズマの均一性を操作及び制御するため、電磁結合領域80,82に対して移動して良い。
【0042】
さらに
図1及び
図2を参照すると、かなりの距離まで延びることでプロセスチャンバ22へ入り込むプラズマ調整部68,70が図示されている。しかしこれは必須ではない。実際、ある実施例においては、相対的に短い距離しか延びずにプロセスチャンバへ入り込むことで、ロッド/プラズマ界面が滑らかになり、かつ、ロッドに沿ったプラズマ/マイクロ波伝播長が短くなるという利点が得られる。この利点は分子気体に起因すると考えられる。プラズマ調整部の構成の複数の典型的実施例が
図7A〜
図9Cに図示されている。図中、プラズマ調整部は、短い距離だけ延びてプロセスチャンバへ入り込む。
【0043】
図7A〜
図7Bでは、プラズマ調整ロッド200aが、隔離集合体76(先に
図1〜
図2Aで説明した)と結合する。プラズマ調整ロッド200aは、円筒部202と非円筒部204aを有する。非円筒部204aは半球形状を有する。
図7Aでは、非円筒先端部204aが、プラズマ調整部206として延びることでプロセスチャンバ(図示されていない)へ入り込む。
図7Bでは、非円筒先端部204aと円筒部202の一部の両方が、プラズマ調整部206として延びることでプロセスチャンバへ入り込む。
図7Cは
図7Aと似ている。しかし隔離集合体76に隣接するプロセスチャンバ内部の非円筒先端部204aの直径D
Hは、隔離集合体76内の開口部276の直径D
I(及び円筒部202の直径)よりも大きい。よってプラズマ調整ロッド200aがプロセスチャンバへ入り込むことで、隔離集合体の端部周辺での金属は、プラズマ調整ロッド200aの誘電材料によって覆われる。
【0044】
図8A〜
図8Bは
図7A〜
図7Bと似ている。プラズマ調整ロッド200bは、隔離集合体76と結合し、かつ、円筒部202と非円筒先端部204bを有する。非円筒先端部204bはこの実施例では、丸まった錐体形状を有する。
図8Aでは、非円筒先端部204bだけが、プラズマ調整部206として延びることでプロセスチャンバへ入り込む。
図8Bでは、非円筒先端部204bと円筒部202の一部の両方が、プラズマ調整部206として延びることでプロセスチャンバへ入り込む。
【0045】
図9A〜
図9Cは、
図7Cに図示された実施例に似た代替実施例を表している。
図9A〜
図9Cに図示された実施例では、プラズマ調整ロッド200cがプロセスチャンバ(図示されていない)へ入り込むことで、隔離集合体76の端部周辺の金属は、プラズマ調整ロッド200cの誘電材料によって覆われている。プラズマ調整ロッド200cは、隔離集合体76と結合し、かつ、円筒部202及び丸まった端部208aを有するスラブ先端部208を含む。スラブ先端部の横軸A
Tは、円筒部202の縦軸A
Lと交わる。スラブ先端部208のみが、プラズマ調整部206として延びることでプロセスチャンバへ入り込む。
図9Aに図示されているように、曲率半径210が供されて良い。縦に延びる円筒部202は、横方向に延びるスラブ先端部208に遷移する。半径210は、開口部276の端部278での曲率を有する端部の半径と一致して良い。
図9Aに図示されているように、丸まった端部208は曲率半径210に隣接して設けられて良い。あるいは
図9Bに図示されているように、丸まった端部208は、隔離集合体76の内側平坦面280と同一平面にある遷移部208bによって、曲率半径210からオフセットされて良い。
図9Cでは、開口部276はまっすぐな端部278’を有し、かつ、まっすぐな角部接合210’が供されて良い。角部接合210’では、縦方向に延びる円筒部202が横方向に延びるスラブ先端部208とぶつかる。角部接合210’は、開口部276のまっすぐな端部278’と一致して良い。
図9A〜
図9Cの各々で図示されているように、丸まった端部208aは半球形状を有する。しかし代替実施例では、丸まったスラブ先端部208aもまた、
図8A〜
図8Bに図示された丸まった錐体形状を有しても良い。
【0046】
図1〜
図6Bのプラズマ調整ロッドは、
図7A〜
図9Cの任意の実施例の先端部の構成を有しても良いことに留意して欲しい。たとえばプラズマ調整ロッド64,66のプラズマ調整部68,68’,70,116,116’,132,132’,150,150’(又はその一部)−延びてプロセスチャンバへ入り込むように構成される−は、非円筒先端部又はスラブ先端部204a,204b,208のうちの一であるロッド先端部を有して良い。円筒部202は、プロセスチャンバの金属隔離壁内の開口部76を貫通するプラズマ調整ロッドと結合する結合部とも指称されうる。前記金属隔離壁は、上述の隔離集合体の一部であって良い。成形された接合部210,210’−たとえば曲率半径を有する角部の形状又はまっすぐな角部の形状−が、結合部とプラズマ調整部との間に形成される。
図3A〜
図6Bを参照すると、接合部210,210’に又はそれに隣接して位置するプラズマ調整部内の外側誘電部すなわち殻104,114,124,124’,134,134’,158,158’の最も外側の直径は、開口部の直径(D
I)よりも大きい。一の実施例では、成形された接合部210,210’は、金属隔離壁の開口部76と内側表面280との間で端部278,278’と一致する形状を有する。よって誘電殻の外側直径は、長さに沿って変化して良い。たとえば、チャンバ壁を貫通する隔離結合を供するような直径、及び、チャンバ壁内部の他の部分で大きな直径を有することで、ロッドの誘電部が隔離壁の金属と界面を構成するような封止構造又は栓構造が供されて良い。