【課題を解決するための手段】
【0020】
前述した目的を達するために第1の発明は、管体の端部近傍の外周部に形成される雄型嵌合部を有する電線管であって、前記雄型嵌合部は、管軸方向に離間して配置される一対の係止壁と、前記係止壁間を相互に結んで管軸方向に平行に形成される直管状のリング部材配置部と、前記係止壁で挟まれた前記リング部材配置部に配置されるリング部材と、を具備し、前記リング部材は、円周方向の一部が開口した略C字状であり、前記リング部材は、前記リング部材の一方の端部側の縮径部と、前記縮径部に対して、円周方向にスリットを介して互いに離間して併設される複数の第1の爪部と、複数の第2の爪部を有し、前記第1の爪部は、前記縮径部から管軸方向に略平行に突出してスライドガイドを形成する爪部であり、前記第2の爪部は、前記縮径部から先端に行くにつれて、徐々に外径が大きくなるように拡径される係止爪であり、前記リング部材は、前記第2の爪部の先端と前記スライドガイドの先端がともに、前記管体の基部側に位置するように配置され、前記縮径部が前記管体の先端側に位置するように配置され、前記縮径部の外径は、前記係止壁の外径より小さく、前記第2の爪部の先端の外径は、前記係止壁の外径より大きく形成され、前記リング部材は、少なくとも一方の前記係止壁との間にクリアランスを有し、前記リング部材が前記リング部材配置部において、軸方向にスライド可能であることを特徴とする電線管である。
【0021】
このように、リング部材は、リング部材の一方の端部側の縮径部と、縮径部に対して、円周方向にスリットを介して互いに離間して併設される複数の第1の爪部と、複数の第2の爪部を有する。ここで、第1の爪部は、縮径部から管軸方向に略平行に突出してスライドガイドを形成する爪部であり、第2の爪部は、縮径部から先端に行くにつれて、徐々に外径が大きくなるように拡径される係止爪により構成される。このように、円周方向の一部に第1の爪部を配置するため、その第2の爪部の配置本数が少なくなり、雌型嵌合部に雄型嵌合部を挿入する際の挿入抵抗が減少して、雌型嵌合部に雄型嵌合部を挿入しやすくなる。ここで、第1の爪部を設けることによる挿入抵抗の低下効果は、特に大口径の電線管の接続に際しては、特に有効である。
【0022】
また、電線管の第1の爪部であるスライドガイドと第2の爪部である係止爪は、所定間隔で複数個形成される。この際、例えば、それぞれの爪部を円周方向に相互に所定間隔で形成されるように配置しても良いし、それぞれの爪部をリング部材配置部の中心に対向するように配置しても良い。
【0023】
ここで、電線管同士を嵌合させるために、雄型嵌合部を雌型嵌合部に挿入すると、第1の爪部であるスライドガイドの外径が係止壁の外径より小さいため、リング部材がスライド移動する際に、第1の爪部が係止壁に当接する。このため、抜け止めリングが係止壁を乗り越えることがなく、リング部材を安定して保持することができる。また、第2の爪部である係止爪が係止壁より外径が大きく、係止爪が係止壁から突出して形成されるため、リング部材に引き抜き力がかかった時に雌型嵌合部のリング部材嵌合部を係止爪で安定して保持できる。
また、リング部材がスライド移動することで、雌型嵌合部とリング部材の間の摩擦抵抗を減少させることもできるため、電線管同志の接続が容易となる。
【0024】
ここで、前記リング部材の両端部には、それぞれリング部材接続部が形成され、前記リング部材の両端部がリング部材接続部で相互に接続されて、管体の雄型嵌合部にリング部材配置部にリング部材が環状に形成されていても良い。
【0025】
このように、リング部材接続部で、リング部材の端部が相互に接続され、リング部材が環状に形成されることで、電線管を運搬したり、電線管同士を接続したりする際に、リング部材が傾いたり、脱落したりすることがない。
【0026】
また、リング部材の接続部を、例えば、鋸刃状溝群、多数の微小突起、離型紙付き粘着剤層などで形成することで、リング部材の接続位置を変えることが可能となり、リング部材を長さ調整可能にすることもできる。このようにリング部材の接続部が長さ調整可能に形成されていれば、電線管の嵌合部の製造時の寸法バラツキを吸収したり、リング部材とリング部材配置部のクリアランスを最適化することができる。
【0027】
前記リング部材の第2の爪部は、面状に形成することができる。例えば、第2の爪部の面状形状としては矩形状、台形状、舌片状である。また、第2の発明における爪部は、例えば、面状の形状の輪郭外周部のみの形状に形成することができる。たとえば、コの字型、U字型、V字型である。このような輪郭外周部のみの形状にすることによって、雌型嵌合部を挿入する時に、縮径部が変形しやすくなり、電線管の挿入が容易になる。
【0028】
前記雄型嵌合部の基部側の前記係止壁よりもさらに基部側に、止水部材が設けられる電線管としても良い。本発明においては、後述するように、管体の開口部側を管体の先端側とし、その逆側である管体の長手方向の奥側を管体の基部側と規定する。
【0029】
第1の発明によれば、雄型嵌合部の外面に配置したリング部材を容易に視認して、リング部材配置部上をスライド移動することができる。また、雄型嵌合部を雌型嵌合部に挿入する際に、リング部材に第1の爪部であるスライドガイドが形成されていることから、スライドガイドにより雌型嵌合部を雄型嵌合部に安定した状態で挿入することができる。さらに、リング部材にスライドガイドを形成することによりリング部材の第2の爪部である係止爪の本数が減少することでも挿入抵抗が減少して、リング部材の挿入性が改善する。また、リング部材の弾性反発力によるリング部材の周長の拡大による拡径と、爪部の管軸方向断面内の曲げ変形の回復による拡径の両者の効果によって、リング部材を効率よく変形させることができる。
【0030】
また、リング部材の端部にリング部材接続部を設けてリング部材の端部同士を接続すれば、リング部材を環状に形成することができる。このようにリング部材を環状に形成することで、リング部材を円滑にリング部材配置部上でスライド移動させることができる。
【0031】
特に、雌型嵌合部に雄型嵌合部を嵌合させる際に、リング部材は、雄型嵌合部のリング部材配置部上をスライド移動することができる。さらに、雌型嵌合部に雄型嵌合部を押し込むと、最終的には、雌型嵌合部の斜面部に隣接するリング嵌合部が、リング部材の第2の爪部に当接することで、雌型嵌合部に雄型嵌合部がリング部材によって拘束され、雄型嵌合部が電線管の接続に有効に作用する。
【0032】
このように、第1の発明は、雌型嵌合部に形成されたリング嵌合部によって雄型嵌合部がロックされるもので、リング部材の爪部が、リング嵌合部を越えた瞬間にロックがかかるものである。また、リング部材の縮径や拡径がしやすいように、リング部材の第2の爪部の先端を電線管の奥側に配置して、リング部材の弾性反発力で、拡径を容易にするものである。また、引き抜き力がかかるリング部材の縮径部の端部の肉厚を大きくしても、リング部材にスリットが形成されているので、容易に縮径することができる。
【0033】
第2の発明は、両端に嵌合構造を有する電線管であって、管体と、前記管体の一方の端部に形成された雄型嵌合部と、前記管体の他方の端部に形成され、前記雄型嵌合部と嵌合可能な形状を有する雌型嵌合部と、を具備し、前記雄型嵌合部は、前記管体の端部近傍の外周部に形成され、管軸方向に離間して配置される一対の係止壁と、前記係止壁間を相互に結んで管軸方向に平行に形成される直管状のリング部材配置部と、前記係止壁で挟まれた前記リング部材配置部に配置されるリング部材と、を具備し、前記リング部材は、円周方向の一部が開口した略C字状であり、前記リング部材は、前記リング部材の一方の端部側の縮径部と、前記縮径部に対して、円周方向にスリットを介して互いに離間して併設される複数の第1の爪部と、複数の第2の爪部を有し、前記第1の爪部は、前記縮径部から管軸方向に略平行に突出してスライドガイドを形成する爪部であり、前記第2の爪部は、前記縮径部から先端に行くにつれて、徐々に外径が大きくなるように拡径される係止爪であり、前記リング部材は、前記第2の爪部の先端と前記スライドガイドの先端がともに、前記管体の基部側に位置するように配置され、前記縮径部が前記管体の先端側に位置するように配置され、前記縮径部の外径は、前記係止壁の外径より小さく、前記第2の爪部の先端の外径は、前記係止壁の外径より大きく形成され、前記リング部材は、少なくとも一方の前記係止壁との間にクリアランスを有し、前記リング部材が前記リング部材配置部において、管軸方向にスライド可能であり、前記雌型嵌合部は、前記管体の内周部に形成され、先端側から、筒状部と、前記筒状部から徐々に縮径する斜面部と、前記斜面部の最小内径部から拡径したリング嵌合部と、を具備することを特徴とする電線管である。
【0034】
前記雄型嵌合部の基部側の前記係止壁よりもさらに基部側に、止水部材が設けられてもよい。このようにすることで、より確実に止水することが可能になる。
【0035】
前記雄型嵌合部と前記雌型嵌合部の間において、前記管体の外周面に連続した所定ピッチの螺旋状の波形状が形成されてもよい。
【0036】
前記雄型嵌合部と前記雌型嵌合部の間において、前記管体の外周面に略正方形状の山部としての大径部位と、円形状の谷部として小径部位が交互に形成されてもよい。
【0037】
前記管体の管軸方向に対する前記谷部としての小径部位の略中央部に、一対の突起部が形成され、前記管体の管軸方向断面において、前記突起部の間に平坦部が形成されてもよい。
【0038】
前記管体の管軸方向断面において、前記谷部としての小径部位が波形に形成されてもよい。
【0039】
前記リング部材の前記第2の爪部は、管軸方向断面において、前記第2の爪部の先端から前記縮径部に向かって縮径するテーパ部を有し、前記第2の爪部の先端から前記縮径部に向かって肉厚が薄くなる鋭角のくさび型形状であってもよい。
【0040】
前記リング部材の内周部の形状が第2の爪部から徐々に連続的に縮径するくさび形状であっても良いし、あるいは内周部が折れ曲がって形成された2段の鋭角のくさび形状に形成されていても良い。このように、リング部材の内周部は、前記のように2段に折れ曲がって形成されても良いし、リング部材の内周部は、第2の爪部から徐々に連続的に縮径するくさび形状であっても良い。
【0041】
また、リング部材に引き抜き力がかかった時に座屈しない十分な強度を付与すれば、リング部材の形状として、第2の爪部の先端から前記縮径部に向かう途中に僅かに肉厚が薄くなる部分を形成したくさび型形状とすることも可能である。
【0042】
前記リング部材の両端部には、それぞれリング部材接続部が形成され、リング部材接続部で接続され、前記リング部材が前記リング部材配置部に環状に形成されていてもよい。
【0043】
前記リング部材は、ABS樹脂、PP樹脂、硬質塩化ビニルまたはこれらのいずれかとPC樹脂の混合樹脂またはポリマーアロイのいずれかであってもよい。
【0044】
前記止水部材は、前記雄型嵌合部の基部側の前記係止壁よりもさらに基部側に形成された止水部材収容部に配置されてもよい。
【0045】
前記止水部材は、ゴム製または水膨張部材のいずれかであってもよい。
【0046】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。また、一方の端部に雄型嵌合部を有し、他方の端部に雌型嵌合部を有するため、複数の電線管同士を接続するのが容易である。
【0047】
また、第2の発明にかかる電線管は、管体の外周面に螺旋状の波形状を形成することもできる。すなわち、従来の螺旋波付管に対して、雄型嵌合部と雌型嵌合部を設けることができる。
【0048】
また、第2の発明にかかる電線管は、管体の外周面に略正方形状の山部と、円形状の谷部とが交互に形成されてもよい。すなわち、電線管を角型電線管としてもよい。このようにすることで、複数の電線管を積層する際に、安定して電線管を積み上げることができる。
【0049】
この際、管体の管軸方向に対する谷部の略中央部に、一対の突起部が形成され、突起部の間に溝形状が形成されれば、当該部位で、容易に電線管を切断することができる。このため、長さ調整が容易である。
【0050】
なお、略正方形の山部と山部の間の谷部を波形としてもよい。このようにすることで、より可撓性を高めることができる。
【0051】
ここで、電線管同士を嵌合させるために、雄型嵌合部を雌型嵌合部に挿入する際、第1の爪部であるスライドガイドの外径が係止壁の外径より小さいため、リング部材がスライド移動すると、第1の爪部が係止壁に当接する。このため、抜け止めリングが係止壁を乗り越えることがなく、リング部材を安定して保持することができる。また、第2の爪部である係止爪が係止壁より外径が大きく、係止爪が係止壁から突出して形成されるため、リング部材に引き抜き力がかかった時に雌型嵌合部のリング部材嵌合部を係止爪で安定して保持できる。また、リング部材がスライド移動することで、雌型嵌合部とリング部材の間の摩擦抵抗を減少させることもできるため、電線管同志の接続が容易となる。
【0052】
ここで、リング部材の両端部には、それぞれリング部材接続部が形成され、リング部材の両端部がリング部材接続部で相互に接続されて、リング部材配置部にリング部材が環状に形成されていても良い。このように、リング部材接続部で、相互に接続され、リング部材が環状に形成されることで、電線管を運搬したり、電線管同士を接続したりすることにより、リング部材が管軸に対して傾いたり、脱落したりすることがない。
【0053】
ここで、第2の発明に用いるリング部材は、第1の発明に用いるリング部材と同等の構造を有するため、第1の発明のリング部材を用いた場合と、同様の効果を有する。そのため、リング部材が第2の爪部である係止爪のみから形成されるリング部材を用いる場合に起こるリング部材が傾いたり、係止壁に乗りあげたりする電線管の嵌合時に生じる不具合が起こりにくい。さらに、雌型嵌合部に雄型嵌合部を挿入する際の挿入抵抗を減少させることが可能になり、電線管の接続がしやすくなる。また、第2の発明におけるリング部材の第1の爪部や第2の爪部の配置や形状も第1の発明におけるリング部材と同様の構成を取ることができるため、第1の発明と同様の効果を有する。
【0054】
また、リング部材の端部にリング部材接続部を設けてリング部材の端部同士を接続すれば、リング部材を環状に形成することができる。このようにリング部材を環状に形成することで、リング部材を円滑にリング部材配置部上でスライド移動させることができる。さらに、リング部材を接続する時に、リング部材の接続部が鋸刃状溝群や、多数の微小突起群により形成されていて長さ調整可能な構造であれば、電線管の嵌合部の製造時の寸法バラツキを吸収したり、リング部材とリング部材配置部のクリアランスを最適化することができる。
【0055】
ここで、リング部材は、第2の爪部の先端から縮径部に向かって肉厚が薄くなる鋭角のくさび形状であるか、あるいはリング部材の内周部が折れ曲がって2段に形成されたくさび型形状である。すなわち、リング部材が、第2の爪部の先端から縮径部に向かって縮径する縮径部を有するくさび形となる。この場合でも、リング部材を縮径させる際、縮径部を支点として、管軸方向に倒れるように弾性変形させてリング部材を縮径させることができる。
【0056】
また、リング部材の材質と形状を適切に選定することで、適度な弾性力と、引き抜き力に耐える強度とを両立することができる。
【0057】
また、止水部材としては、ゴム製または水膨張部材のいずれかを選択することができる。
【0058】
第3の発明は、第2の発明にかかる電線管の接続構造であって、複数の前記電線管を具備し、一の前記電線管の前記雄型嵌合部と、他の前記電線管の前記雌型嵌合部とが嵌合して接続されることを特徴とする電線管の接続構造である。
【0059】
また、第3の発明は、第2の発明にかかる電線管の接続構造であって、ベルブロックを有するハンドホールと、前記電線管を具備し、前記雌型嵌合部と同一構造を有する前記ベルブロックと、前記電線管の前記雄型嵌合部とが接続されることを特徴とする電線管の接続構造である。
【0060】
前記ハンドホールは、複数の前記ベルブロックを有し、前記電線管は、前記ベルブロックの一部またはすべてと接続されてもよい。
【0061】
第3の発明によれば、接続作業が容易な電線管同士または電線管とベルブロックとの接続構造を得ることができる。
【0062】
第4の発明は、第2の発明にかかる電線管と接続可能であり、前記雌型嵌合部と同一構造を有することを特徴とするベルブロックである。
【0063】
第4の発明によれば、電線管との接続が容易な、ベルブロックを得ることができる。
【0064】
第5の発明は、第2の発明にかかる電線管同士の接続方法であって、前記雄型嵌合部の先端を前記雌型嵌合部に挿入する工程と、前記雌型嵌合部の前記斜面部に、前記係止壁で挟まれた領域に配置された前記リング部材の外周の前記テーパ部を接触させて、前記リング部材を前記雄型嵌合部のリング部材配置部の端部側までスライド移動させて、前記リング部材の前記第2の爪部を、前記リング部材の前記縮径部の内周側と前記雄型嵌合部の前記リング部材配置部との接触部を支点として、前記リング部材の前記第2の爪部を、管軸方向に倒れるように弾性変形させて縮径する工程と、前記爪部の端部が前記雌型嵌合部の前記斜面部を通り抜けることで、前記爪部が、前記雌型嵌合部の前記斜面部の基部側に形成された前記リング嵌合部に収納される工程を順に行なうことを特徴とする電線管同士の接続方法である。
【0065】
また、リング部材の両端部に、それぞれリング部材接続部が形成され、電線管同士を接続する前に、前記リング部材の両端部がリング部材接続部で相互に接続されて、前記リング部材がリング部材配置部の周囲を囲むように環状に形成される工程を含んでもよい。
【0066】
この場合には、リング部材がスライドしながら縮径するので、リング部材を固定して縮径する場合に比べてスライド位置に応じて少しずつ縮径することができる。このため、電線管同士の接続時の抵抗が少なくて済む。
【0067】
また、第6の発明は、第2の発明にかかる電線管とベルブロックとの接続方法であって、前記ベルブロックは、前記電線管の前記雌型嵌合部と同一の構造を有し、前記雄型嵌合部の先端を前記ベルブロックに挿入する工程と、前記ベルブロックの前記斜面部に、前記係止壁で挟まれた領域に配置された前記リング部材の外周の前記テーパ部を接触させて、前記ベルブロックの前記斜面部に、前記係止壁で挟まれた領域に配置された前記リング部材の外周の前記テーパ部を接触させて、前記リング部材をリング部材係止部の端部までスライド移動させて、前記リング部材の前記第2の爪部を、前記リング部材と前記リング部材配置部との接触部を支点として、管軸方向に倒れるように弾性変形させて縮径する工程と、前記第2の爪部の端部が前記ベルブロックの前記斜面部を通り抜けることで、前記第2の爪部が、前記ベルブロックの前記斜面部の基部側に形成された前記リング嵌合部に収納される工程を順に行なうことを特徴とする電線管とベルブロックの接続方法である。
【0068】
また、リング部材の両端部に、それぞれリング部材接続部が形成され、電線管同士を接続する前に、前記リング部材の両端部が前記リング部材接続部で相互に接続されて、前記リング部材がリング部材配置部の周囲を囲むように環状に形成される工程を含んでもよい。
【0069】
第5の発明、第6の発明によれば、電線管同士または電線管とベルブロックとを、容易に接続することができる。
【0070】
第7の発明は、第2の発明にかかる電線管と接続可能であり、少なくとも一方の端部が前記雄型嵌合部と同一構造を有することを特徴とする管継手である。
【0071】
この場合、両方の端部が前記雄型嵌合部と同一構造を有してもよい。また、一方の端部が前記雄型嵌合部と同一構造を有し、他方の端部がベルマウスであってもよい。また、一方の端部が雌型嵌合部で、他方の端部が雄型嵌合部であっても良い。
【0072】
また、第7の発明は、第2の発明にかかる電線管と接続可能であり、少なくとも一方の端部が前記雌型嵌合部と同一構造を有することを特徴とする管継手である。
【0073】
この場合、一方の端部が前記雌型嵌合部と同一構造を有し、他方の端部がベルマウスであってもよい。また、一方の端部が前記雌型嵌合部と同一構造を有し、他方の端部が前記管体の外表面に連続した螺旋状の波形状を有してもよい。
【0074】
第7の発明によれば、電線管の雄型嵌合部または雌型嵌合部と接続することが可能な管継手を得ることができる。
【0075】
第8の発明は、電線管の接続部に用いられるリング部材であって、前記リング部材は、円周方向の一部が開口した略C字状であり、前記リング部材は、前記リング部材の一方の端部側の縮径部と、前記縮径部に対して、円周方向にスリットを介して互いに離間して併設される複数の第1の爪部と、複数の第2の爪部を有し、前記第1の爪部は、前記縮径部から管軸方向に略平行に突出してスライドガイドを形成する爪部であり、前記第2の爪部は、前記縮径部から先端に行くにつれて、徐々に外径が大きくなるように拡径される係止爪であることを特徴とするリング部材である。
【0076】
前記リング部材の管軸方向断面において、前記第2の爪部の先端から前記縮径部に向かって縮径するテーパ部を有し、前記第2の爪部の先端から前記縮径部に向かって肉厚が薄くなる鋭角のくさび型形状であることを特徴とするリング部材である。前記第2の爪部の爪面の外縁部の厚さに対して、前記外縁部の内部の厚さを薄く形成した薄肉部が設けられてもよい。
【0077】
前記スライドガイドの形状が面状に形成されてもよい。また、前記スライドガイドの形状が枠状に形成されてもよい。ここで、面状のスライドガイドの形状は、矩形状や台形状であることが望ましく、枠状のスライドガイドの形状は、略コの字型、U字型、またはV字型が好ましい。
【0078】
第8の発明によれば、雄型嵌合部にリング部材を使用することで、雌型嵌合部との嵌合が容易であり、接続作業が容易な雄型嵌合部を得ることができる。