【実施例】
【0045】
以下、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。なお、転化率、反応選択性は、以下のようにして求めた値である。
【0046】
(転化率)
転化率は、下記式により求めた値である。
【0047】
【数1】
【0048】
(反応選択性)
反応選択性は、下記式により求めた値である。
【0049】
【数2】
【0050】
(実施例1)化合物1の合成
【0051】
【化6】
【0052】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化カリウム2.55g(45.4mol)、及び、1−ブロモヘキサン6.00g(36.3mol)を加え、全容を25℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物1を6.42g得た(転化率95.1%、反応選択性96.7%、収率85.0%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0053】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.60(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.53(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.27(ddd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz,8.0Hz)、7.06(ddd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz,8.0Hz)4.22(s,2H)、3.74(t,2H,J=7.5Hz)、1.69−1.76(m,2H)、1.29−1.42(m,6H)、0.89(t,3H,J=7.0Hz)
【0054】
(実施例2)化合物2の合成
【0055】
【化7】
【0056】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化ナトリウム1.82g(45.4mol)、及び、1−ブロモヘプタン6.50g(36.3mol)2反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を、水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物2を6.97g得た(転化率94.6%、反応選択性95.7%、収率87.3%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0057】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.59(dd,1H,J=1.5Hz,8.0Hz)、7.53(dd,1H,J=1.5Hz,8.0Hz)、7.06−7.28(m,2H)、4.22(s,2H)、3.75(t,2H,J=7.0Hz)、1.29−1.38(m,10H)、0.88(t,3H,J=7.0Hz)
【0058】
(実施例3)化合物3の合成
【0059】
【化8】
【0060】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びジメチルスルホキシド40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化カリウム2.55g(45.4mol)、及び、1−ブロモドデカン9.05g(36.3mol)を加え、全容を25℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を、水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物3を8.48g得た(転化率91.3%、反応選択性97.7%、収率83.9%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0061】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.60(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.53(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.27(ddd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz,8.0Hz)、7.06(ddd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz,8.0Hz)、4.22(s,2H)、3.74(t,2H,J=7.5Hz)、1.73(tt,2H,J=7.5Hz,7.5Hz)、1.41−1.25(m,18H)、0.88(t,3H,J=7.0Hz)
【0062】
(実施例4)化合物4の合成
【0063】
【化9】
【0064】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びジメチルスルホキシド40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化カリウム2.55g(45.4mol)、及び、2−ブロモヘキサン5.99g(36.3mol)を加え、全容を25℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を、水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物4を6.39g得た(転化率92.3%、反応選択性96.6%、収率84.5%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0065】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.59(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.52(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.24−7.30(m,1H)、7.05(ddd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz,8.0Hz)、3.97(s,2H)、1.47−1.74(m,3H)、1.20−1.41(m,7H)、0.89(t,3H,J=5.5Hz)
【0066】
(実施例5)化合物5の合成
【0067】
【化10】
【0068】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びアセトニトリル40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化ナトリウム1.82g(45.4mol)、及び、3−ブロモヘプタン6.50g(36.3mol)を加え、全容を25℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を、水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物5を6.80g得た(転化率93.0%、反応選択性95.5%、収率85.2%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0069】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.58(dd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz)、7.51(dd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz)、7.27(ddd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz,7.5Hz)、7.04(ddd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz,7.5Hz)、3.94(s,2H)、1.48−1.72(m,5H)、1.18−1.41(m,4H)、0.91(t,3H,J=7.5Hz)、0.86(t,3H,J=7.5Hz)
【0070】
(実施例6)化合物6の合成
【0071】
【化11】
【0072】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化ナトリウム1.82g(45.4mol)、及び、(ブロモメチル)シクロヘキサン6.43g(36.3mol)を加え、全容を25℃で4時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物6を6.66g得た(転化率91.3%、反応選択性95.6%、収率84.1%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0073】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.58(d,1H,J=8.5Hz)、7.51(d,1H,J=8.1Hz)、7.26(dd,1H,J=7.0Hz,8.1Hz)、7.04(dd,1H,J=7.0Hz,8.1Hz)、4.24(s,2H)、3.59(d,2H,J=7.4Hz,)1.84−1.92(m,1H)、1.67−1.77(m,5H)、1.16−1.29(m,3H)、1.02−1.13(m,2H)。
【0074】
(実施例7)化合物7の合成
【0075】
【化12】
【0076】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びN−メチルピロリドン40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化カリウム2.55g(45.5mol)、及び、ブチル2−クロロエチルエーテル4.96g(36.3mol)を加え、全容を2時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、5℃にて析出した固体をろ取した。5℃にてろ取した固体を水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物7を6.73g得た(転化率90.8%、反応選択性94.4%、収率83.7%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0077】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.61(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.50(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.27−7.29(m,1H)、7.04−7.08(m,1H)、4.70(s,2H)、4.01(t,2H,J=5.0Hz)、3.82(t,2H,J=5.0Hz)、3.44(t,2H,J=7.0Hz)、1.52−1.57(m,2H)、1.31−1.39(m,2H)、0.90(t,3H,J=7.0Hz)
【0078】
(実施例8)化合物8の合成
【0079】
【化13】
【0080】
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びN−メチルピロリドン40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化ナトリウム1.82g(45.4mol)、及び、5−ブロモバレロニトリル5.88g(36.3mol)を加え、全容を25℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を、水10ml、n−ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物8を6.19g得た(転化率91.1%、反応選択性97.7%、収率82.9%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0081】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.60(d,1H,J=7.8Hz)、7.51(d,1H,J=8.1Hz)、7.28(dd,1H,J=7.3Hz,7.8Hz)、7.07(dd,1H,J=7.3Hz,7.8Hz)、4.23(s,2H)、3.81(t,2H,J=6.9Hz)、2.46(t,2H,J=7.1Hz,)1.88−1.95(m,2H)、1.71−1.79(m,2H)
【0082】
(実施例9)化合物9の合成
【0083】
【化14】
【0084】
温度計を備えた3つ口反応器に窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化カリウム2.55g(45.4mol)、及び、1−ブロモ−2−ブチン4.83g(36.3mol)を加え、全容を25℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を、水10ml、ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物9を5.47g得た(転化率94.1%、反応選択性95.7%、収率85.1%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0085】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.63(dd,1H,J=1.3Hz,7.8Hz)、7.58(dd,1H,J=1.3Hz,7.8Hz)、7.29(ddd,1H,J=1.3Hz,7.8Hz,7.8Hz)、7.10(ddd,1H,J=1.3Hz,7.8Hz,7.8Hz)、4.56(q,2H,J=2.5Hz)、4.36(s,2H)、1.84(t,3H,J=2.5Hz)
【0086】
(実施例10)化合物10の合成
【0087】
【化15】
【0088】
温度計を備えた3つ口反応器に窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mol)、及びN−メチルピロリドン40mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、水酸化ナトリウム1.82g(45.4mol)、及び、4−ブロモ−1−ブテン4.90g(36.3mol)を加え、全容を25℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を5℃まで冷却した後、水40mlを加え、析出した固体をろ取した。ろ取した固体を、水10ml、ヘプタン25mlで洗浄後、真空乾燥機で乾燥させて白色固体として化合物10を6.00g得た(転化率94.0%、反応選択性96.6%、収率84.9%)。
目的物の構造は
1H−NMRで同定した。
【0089】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,TMS,δppm):7.60(d,1H,J=7.8Hz)、7.54(d,1H,J=7.5Hz)、7.30(dd,1H,J=7.8Hz,7.8Hz)、7.07(dd,1H,J=7.5Hz,7.8Hz)、5.89(ddt,1H,J=10.3Hz,17.0Hz,7.0Hz)5.18(dd,1H,J=1.5Hz,17.0Hz)、5.09(dd,1H,J=1.5Hz,10.3Hz)、4.27(s,2H)、3.86(t,2H,J=7.0Hz)、2.53(dt,2H,J=7.0Hz,7.0Hz)
【0090】
(比較例1)化合物1の合成
実施例1と同様の条件において、溶媒として2−プロパノールを用いて全容を80℃で6時間反応させた後、酢酸エチル20mlを加えて同様に後処理を行い、化合物1を2.67g得た(転化率68.3%、反応選択性56.4%、収率35.4%)。
【0091】
(比較例2)化合物1の合成
実施例1と同様の条件において、溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルを用いて全容を80℃で6時間反応させた後、酢酸エチル20mlを加えて同様に後処理を行い、化合物1を2.14g得た(転化率48.3%、反応選択性72.9%、収率28.3%)。
【0092】
(比較例3)化合物1の合成
実施例1と同様の条件において、溶媒としてトルエンを用いて全容を80℃で6時間反応させた後、同様に後処理を行い、化合物1を0.26g得た(転化率12.1%、反応選択性59.4%、収率3.5%)。
【0093】
(比較例4)化合物1の合成
実施例1と同様の条件において、無溶媒下で全容を80℃で6時間反応させた後、酢酸エチル20mlを加えて同様に後処理を行い、化合物1を2.95g得た(転化率55.1%、反応選択性76.4%、収率39.1%)。
【0094】
(比較例5)化合物1の合成
実施例1と同様の条件において、塩基として40%水酸化カリウム水溶液を用いて全容を50℃で8時間反応させた後、同様に後処理を行い、化合物1を2.61g得た(転化率72.5%、反応選択性66.7%、収率34.6%)。
【0095】
(比較例6)化合物1の合成
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール2.00g(12.1mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド20mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、炭酸カリウム8.36g(60.5mmol)、及び、1−ヨードヘキサン3.08g(14.5mmol)を加え、全容を50℃で7時間撹拌した。反応終了後、反応液を20℃まで冷却した後、水200mlに投入し、酢酸エチル300mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータローエバポレーターにて、ろ液から酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=75:25(体積比、以下にて同じ。))により精製し、白色固体として化合物1を2.10g得た(転化率92.1%、反応選択性73.3%、収率69.6%)。
【0096】
(比較例7)化合物2の合成
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール2.00g(12.1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた。この溶液に炭酸セシウム7.88g(24.2mol)を加えて25℃に冷却し、1−ヨードヘプタン3.28g(14.5mmol)を5分間かけて滴下し、その後反応液を25℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液に水200mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=85:15)により精製することで、白色固体として化合物2を1.81g得た(転化率90.3%、反応選択性70.6%、収率56.9%)。
【0097】
(比較例8)化合物3の合成
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール3.00g(18.2mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド45mlに溶解した。この溶液に炭酸セシウム11.9g(36.4mmol)、1−ヨードドデカン6.45g(21.8mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応終了後、反応液を水200mLに投入し、酢酸エチル300mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=95:5)により精製し、白色固体として化合物3を2.93g得た(転化率89.0%、反応選択性72.2%、収率:48.3%)。
【0098】
(比較例9)化合物4の合成
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール2.00g(12.1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた。この溶液に炭酸セシウム7.88g(24.2mol)を加えて0℃に冷却し、2−ブロモヘキサン2.39g(14.5mmol)を5分間かけて滴下し、その後反応液を25℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液に水200mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=93:7)により精製することで、白色固体として化合物4を1.61g得た(転化率90.2%、反応選択性63.5%、収率53.4%)。
【0099】
(比較例10)化合物5の合成
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール2.00g(12.1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた。この溶液に炭酸セシウム7.88g(24.2mol)を加えて0℃に冷却し、3−ブロモヘプタン2.60g(14.5mmol)を5分間かけて滴下し、その後反応液を25℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液に水200mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製することで、白色固体として化合物5を1.80g得た(転化率88.9%、反応選択性66.7%、収率56.4%)。
【0100】
(比較例11)化合物6の合成
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール3.00g(18.2mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド30mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、炭酸カリウム7.55g(54.6mmol)、及び、(ブロモメチル)シクロヘキサン3.86g(21.8mmol)を加え、全容を80℃で9時間撹拌した。反応終了後、反応液を20℃まで冷却した後、水300mlに投入し、酢酸エチル500mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータローエバポレーターにて、ろ液から酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=85:15)により精製し、白色固体として化合物6を2.36g得た(転化率87.3%、反応選択性65.6%、収率49.7%)。
【0101】
(比較例12)化合物7の合成
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール2.00g(12.1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた。この溶液に炭酸セシウム7.88g(24.2mol)を加えて0℃に冷却し、ブチル2−クロロエチルエーテル1.98g(14.5mmol)を5分かけて滴下し、その後反応液を25℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液に水200mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=75:25)により精製することで、白色固体として化合物7を1.70g得た(転化率86.3%、反応選択性69.4%、収率53.0%)。
【0102】
(比較例13)化合物8の合成
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、2−ヒドラジノベンゾチアゾール5.00g(30.3mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド100mlを加え、均一な溶液とした。この溶液に、炭酸カリウム20.9g(152mmol)、及び、5−ブロモバレロニトリル5.17g(31.9mmol)を加え、全容を60℃で8時間撹拌した。反応終了後、反応液を20℃まで冷却した後、水500mlに投入し、酢酸エチル500mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータローエバポレーターにて、ろ液から酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=60:40)により精製し、白色固体として化合物8を3.41g得た(転化率87.3%、反応選択性66.3%、収率45.7%)。
【0103】
前記実施例1〜10及び比較例1〜13の結果を、下記表1にまとめて示す。
なお、表1中、溶媒は以下のものを示す。
1:N、N−ジメチルホルムアミド
2:ジメチルスルホキシド
3:アセトニトリル
4:1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
5:N−メチルピロリドン
6:2−プロパノール
7:シクロペンチルメチルエーテル
8:トルエン
9:水
また、表1中、*は窒素原子との結合を示す。
【0104】
【表1】
【0105】
表1から、実施例1〜10の製造方法によれば、高い転化率及び反応選択性で、収率よく目的物を得られることが分かる。
一方、塩基として、アルカリ金属等の水酸化物を用いない比較例6〜13では、反応選択性が低く、目的物の単離収率が低いものとなっている。また、溶媒として、非プロトン性極性溶媒を用いない比較例1〜5においては、転化率、反応選択性、単離収率がいずれも低くなっている。