(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共通電極と前記画素電極間に、前記第一の基板と前記第二の基板に略垂直に電荷を印加し、前記液晶組成物層中の液晶分子を制御する前記配向膜を有する請求項4に記載の液晶表示素子。
前記第一の基板及び前記第二の基板における前記液晶組成物層と隣接する面に前記配向膜を有し、前記第一の基板にカラーフィルター層を有する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の液晶表示素子及びその製造方法の実施の形態について説明する。
【0022】
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[液晶表示素子]
本発明の液晶表示素子は、一対の基板の間に挟持された液晶組成物層を有する液晶表示素子であって、液晶組成物層に電圧を印加し、液晶組成物層中の液晶分子をフレデリクス転移させることにより、光学的なスイッチとして働かせる原理に基づくものであり、この点では周知慣用技術を用いることができる。
【0023】
二つの基板は、液晶分子をフレデリクス転移するための電極を有する、通常の垂直配向液晶表示素子では、一般的に、二つの基板間に垂直に電荷を印加する方式が採用される。この場合、一方の電極は共通電極となり、もう一方の電極は画素電極となる。以下に、この方式の最も典型的な実施形態を示す。
【0024】
図1は、本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す概略斜視図である。
【0025】
本実施形態の液晶表示素子10は、第一の基板11と、第二の基板12と、第一の基板11と第二の基板12の間に挟持された液晶組成物層13と、第一の基板11における液晶組成物層13と対向する面上に設けられた共通電極14と、第二の基板12における液晶組成物層13と対向する面上に設けられた画素電極15と、共通電極14における液晶組成物層13と対向する面上に設けられた垂直配向膜16と、画素電極15における液晶組成物層13と対向する面上に設けられた垂直配向膜17と、第一の基板11と共通電極14の間に設けられたカラーフィルター18とから概略構成されている。
【0026】
第一の基板11と、第二の基板12としては、ガラス基板又はプラスチック基板が用いられる。
【0027】
プラスチック基板としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂等の樹脂からなる基板が用いられる。
【0028】
共通電極14は、通常、インジウム添加酸化スズ(ITO)等の透明性を有する材料から構成される。
【0029】
画素電極15は、通常、インジウム添加酸化スズ(ITO)等の透明性を有する材料から構成される。
【0030】
画素電極15は、第二の基板12にマトリクス状に配設されている。画素電極15は、TFTスイッチング素子に代表されるアクティブ素子のドレイン電極により制御され、そのTFTスイッチング素子は、アドレス信号線であるゲート線及びデータ線であるソース線をマトリクス状に有している。なお、ここでは、TFTスイッチング素子の構成を図示していない。
【0031】
視野角特性を向上させるために画素内の液晶分子の倒れる方向をいくつかの領域に分割する画素分割を行う場合、各画素内において、ストライプ状やV字状のパターンを有するスリット(電極の形成されない部分)を有する画素電極を設けていてもよい。
【0032】
図2は、画素内を4つの領域に分割する場合のスリット電極(櫛形電極)の典型的な形態を示す概略平面図である。このスリット電極は、画素の中央から4方向に櫛歯状にスリットを有することにより、電圧無印加時に基板に対して略垂直配向している各画素内の液晶分子は、電圧の印加に伴って4つの異なった方向に液晶分子のダイレクターを向けて、水平配向に近づいていく。その結果、画素内の液晶の配向方位を複数に分割できるので極めて広い視野角特性を有する。
【0033】
画素分割するための方法としては、前記画素電極にスリットを設ける方法の他に、画素内に線状突起等の構造物を設ける方法、画素電極や共通電極以外の電極を設ける方法等が用いられる。これらの方法により、液晶分子の配向方向を分割することもできるが、透過率、製造の容易さから、スリット電極を用いる構成が好ましい。スリットを設けた画素電極は、電圧無印加時には液晶分子に対して駆動力を有さないことから、液晶分子にプレチルト角を付与することはできない。しかし、本発明において用いられる配向膜材料を併用することにより、プレチルト角を付与することができるとともに、画素分割したスリット電極と組み合わせることにより、画素分割による広視野角を達成することができる。
【0034】
本発明において、プレチルト角を有するとは、電圧無印加状態において、基板面(第一の基板11および第二の基板12における液晶組成物層13と隣接する面)に対して垂直方向と液晶分子のダイレクターが僅かに異なっている状態を言う。
【0035】
本発明の液晶表示素子は、垂直配向(VA)型液晶表示素子であるので、電圧無印加時に液晶分子のダイレクターは基板面に対して略垂直配向しているものである。液晶分子を垂直配向させるためには、一般的に垂直配向膜が用いられる。垂直配向膜を形成する材料(垂直配向膜材料)としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリシロキサン等が用いられるが、これらのなかでもポリイミドが好ましい。
【0036】
垂直配向膜材料は、メソゲン性部位を含んでいてもよいが、後述する重合性化合物とは異なり、メソゲン性部位を含まないことが好ましい。垂直配向膜材料がメソゲン性部位を含むと、電圧の印加を繰り返すことにより、分子配列が乱れることに起因する焼き付き等が発生することがある。
【0037】
垂直配向膜がポリイミドからなる場合には、テトラカルボン酸二無水物およびジイソシアネートの混合物、ポリアミック酸、ポリイミドを溶剤に溶解又は分散させたポリイミド溶液を用いることが好ましく、この場合、ポリイミド溶液中におけるポリイミドの含有量は、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
【0038】
一方、ポリシロキサン系の垂直配向膜を用いる場合には、アルコキシ基を有するケイ素化合物、アルコール誘導体及びシュウ酸誘導体を所定の配合量比で混合して加熱することにより製造したポリシロキサンを溶解させた、ポリシロキサン溶液を用いることができる。
【0039】
本発明の液晶表示素子において、ポリイミド等により形成される前記垂直配向膜は、反応性基を有する重合性化合物の重合により形成される重合体を含むものである。この重合性化合物は、液晶分子のプレチルト角を固定する機能を付与するものである。すなわち、スリット電極等を用いて、画素内の液晶分子のダイレクターを電圧印加時に異なった方向にチルトさせることが可能となる。しかし、スリット電極を用いた構成においても、電圧無印加時に、液晶分子は基板面に対してほとんど垂直配向しており、プレチルト角は発生しない。
【0040】
上述のPSA方式の場合、電極間に電圧を印加し、液晶分子を僅かにチルトさせた状態で、紫外線等を照射し、液晶組成物中の反応性モノマーを重合させることにより、適切なプレチルト角を付与している。
【0041】
本発明の液晶表示素子においても、PSA方式と同様に、電極間に電圧を印加し、液晶分子を僅かにチルトさせた状態で、紫外線等を照射し、プレチルト角を付与するが、PSA方式とは異なり、液晶組成物中に重合性化合物を含有していない。本発明にあっては、前記ポリイミド等の垂直配向膜材料に反応性基を有する重合性化合物をあらかじめ含有させ、液晶組成物を基板間に挟持した後、電圧を印加しながら、重合性化合物を硬化させることにより、プレチルト角を付与するものであり、PSA方式とは重合性化合物の相分離を利用しない点で本質的に異なる。
【0042】
本発明において、略垂直とは、垂直配向している液晶分子のダイレクターが垂直方向からやや倒れてプレチルト角を付与した状態を意味する。プレチルト角が完全な垂直配向の場合を90°、ホモジニアス配向(基板面に水平に配向)の場合を0°とすると、略垂直とは、89.5〜85°であることが好ましく、89.5〜87°であることがより好ましい。
【0043】
反応性基を有する重合性化合物の重合体を含む垂直配向膜は、垂直配向膜材料に混合した重合性化合物の効果により形成されるものである。従って、垂直配向膜と重合性化合物は複雑に絡み合って、一種のポリマーアロイを形成しているものと推定されるが、その正確な構造を示すことはできない。
(反応性基を有する重合性化合物)
反応性基を有する重合性化合物はメソゲン性部位を含んでいても、含んでいなくてもよい。また、反応性基を有する重合性化合物の重合体は耐久性の観点から、架橋構造を有していることが好ましく、耐久性の観点から、反応性基を有する重合性化合物はニ官能又は三官能等の二つ以上の反応性基を有する重合性化合物が好ましい。
【0044】
反応性基を有する重合性化合物において、反応性基は光による重合性を有する置換基が好ましい。特に、垂直配向膜が熱重合により生成するときに、垂直配向膜材料の熱重合の際に、反応性基を有する重合性化合物の反応を抑制できるので、反応性基は光による重合性を有する置換基が特に好ましい。
【0045】
反応性基を有する重合性化合物として具体的には、下記一般式(V)
【0047】
(式中、X
7及びX
8はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Sp
1及びSp
2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−X−(CH
2)
s−(式中、sは2〜7の整数を表し、XはO、OCOO、又はCOOを表し、XはU中に存在する芳香環に結合するものとする。)を表し、Uは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基、炭素原子数3〜20の直鎖もしくは分岐多価アルケニレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基又は多価アルケニレン基中のアルケニレン基は酸素原子が隣接しない範囲で−O−、−CO−、−CF
2−により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)、又は環状置換基により置換されていてもよく、kは1〜5の整数を表す。)で表される重合性化合物が好ましい。
【0048】
上記一般式(V)において、X
7及びX
8はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表すが、反応速度を重視する場合には水素原子が好ましく、反応残留量を低減することを重視する場合にはメチル基が好ましい。
【0049】
上記一般式(V)において、Sp
1及びSp
2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−X−(CH
2)
s−(式中、sは2〜7の整数を表し、XはO、OCOO、又はCOOを表し、XはU中に存在する芳香環に結合するものとする。)を表すが、炭素鎖があまり長くないことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基がより好ましい。また、Sp
1及びSp
2が−O−(CH
2)
s−を表す場合も、sは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、Sp
1及びSp
2の少なくとも一方が、単結合であることがより好ましく、いずれも単結合であることが特に好ましい。
【0050】
上記一般式(V)において、Uは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基炭素原子数3〜20の直鎖もしくは分岐多価アルケニレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で−O−、−CO−、−CF
2−により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)、又は環状置換基により置換されていてもよく、2つ以上の環状置換基により置換されていることが好ましい。
【0051】
上記一般式(V)において、Uは具体的には、以下の式(Va−1)から式(Va−6)を表すことが好ましく、式(Va−1)、式(Va−2)、式(Va−6)を表すことがより好ましく、式(Va−1)を表すことが特に好ましい。
【0053】
(式中、両端はSp
1又はSp
2に結合するものとし(上記はk=1の場合)、kが2〜5の整数である場合、連結基数は対応して増加する。Z
1、Z
2及びZ
3はそれぞれ独立して、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−COO−CH
2−、−OCO−CH
2−、−CH
2−COO−、−CH
2−OCO−又は単結合を表し、式中の全ての芳香環は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい。)
上記Uにおいて、Z
1、Z
2及びZ
3はそれぞれ独立して、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合が好ましく、−COO−、−OCO−又は単結合がより好ましく、単結合が特に好ましい。
【0054】
Uが上記環構造を有する場合、前記Sp
1及びSp
2は少なくとも一方が単結合を表すことが好ましく、両方共に単結合であることも好ましい。
【0055】
上記一般式(V)において、kは1〜5の整数を表すが、kが1の2官能化合物、又はkが2の3官能化合物であることが好ましく、2官能化合物であることがより好ましい。
【0056】
上記一般式(V)で表される化合物は、具体的には、以下の一般式(Va−1−1)〜(Va−6−52)で表される化合物が好ましい。
【0071】
また、上記式(Va−1−1)〜式(Va−6−52)で表される化合物の中でも、式(Va−1−1)〜式(Va−2−11)で表される化合物が好ましく、式(Va−1−1)〜式(Va−1−13)で表される化合物がより好ましい。
(液晶組成物)
本発明における液晶組成物には、一般式(I)
【0073】
(式中、X
1〜X
4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、
R
1及びR
2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、
環B及び環Cはそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表すが、該1,4−フェニレン基中に存在する1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていても良く、該1,4−シクロヘキシレン基中に存在する1つ以上の−CH
2−は−O−に置換されていても良い。)で表される化合物を含有することを特徴とする。
【0074】
上記一般式(I)において、R
1及びR
2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表すが、
炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、
炭素原子数2〜5のアルキル基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基を表すことがより好ましく、
炭素原子数2〜5のアルキル基、炭素原子数2〜4のアルケニル基を表すことが特に好ましい。
【0075】
R
1及び/又はR
2がアルキル基を表す場合においては、炭素原子数1、3又は5のアルキル基が特に好ましい。R
1及び/又はR
2がアルケニル基を表す場合においては以下の構造が好ましい。
【0077】
(上記式(i)〜(iv)中、*は環構造への結合部位を示す。)
このうち、式(ii)および式(iv)で表される構造が好ましく、式(ii)で表される構造がより好ましい。
【0078】
上記一般式(I)において、R
1及びR
2は同一であっても異なっていてもよい。
【0079】
上記一般式(I)において、X
1〜X
4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基であり、水素原子またはハロゲン原子が好ましい。当該ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
【0080】
上記一般式(I)において、環B及び環Cはそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基中に存在する1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていても良く、該1,4−シクロヘキシレン基中に存在する1つ以上の−CH
2−は−O−に置換されていても良いが、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表すことが好ましい。
【0081】
本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−a)〜一般式(I−c)からなる群から選択される少なくとも1つで表される化合物であることが好ましい。
【0083】
(上記一般式(I−a)〜(I−c)中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、X
1〜X
6はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基を表す。)
一般式(I−a)〜一般式(I−c)で表される化合物のうち、一般式(I−a)及び/又は一般式(I−b)で表される化合物を用いることがより好ましい。
【0084】
本発明に係る一般式(I−a)で表される化合物は、一般式(I−a−1)〜一般式(I−a−6)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
【0086】
(上記一般式(I−a−1)〜(I−a−6)中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
上記本発明に係る一般式(I−a)で表される化合物の好ましい例としては、以下の式(I−a−7)〜式(I−a−32)が挙げられる。
【0090】
また、上記式(I−a−7)〜式(I−a−32)の中でも、上記式(I−a−7)〜式(I−a−18)が好ましく、上記式(I−a−7)〜式(I−a−10)、上記式(I−a−16)〜式(I−a−18)特に好ましい。
【0091】
本発明に係る一般式(I−b)で表される化合物は、一般式(I−b−1)、一般式(I−b−2)および一般式(I−b−3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
【0093】
(上記一般式(I−b−1)〜(I−b−3)中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
上記本発明に係る一般式(I−b)で表される化合物の好ましい例としては、以下の式(I−b−4)〜式(I−b−13)が挙げられる。
【0095】
本発明に係る一般式(I−c)で表される化合物は、一般式(I−c−1)〜一般式(I−c−3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
【0097】
(上記一般式(I−c−1)〜(I−c−3)中、R
3およびR
4はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
上記本発明に係る一般式(I−c)で表される化合物の好ましい例としては、以下の式(I−c−4)〜式(I−c−17)が挙げられる。
【0100】
本発明の液晶組成物における一般式(I)で表される化合物の含有量は、当該液晶組成物の使用態様・使用目的だけでなく他の成分との関係で適宜選択されるものであるため、当該液晶組成物に含まれる一般式(I)で表される化合物の含有量の好適範囲は実施形態によってそれぞれ別個独立していることが好ましいが、4環構造を有する一般式(I)で表される化合物を2〜18質量%使用した場合に、配向膜中の反応性モノマーを重合するために照射された光を当該化合物が増感することにより、低強度且つ短時間のUV照射で配向膜中の反応性モノマーの重合が可能となり、液晶材料の劣化を抑制できる液晶表示素子を提供することができる。より具体的には、一般式(I)で表される化合物を液晶組成物中に、3〜15質量%含有することがより好ましく、4〜10質量%含有することがさらに好ましく、4〜8質量%含有することが最も好ましい。
【0101】
本発明に係る液晶組成物は、下記一般式(X)
【0103】
(式中R
X1及びR
X2はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシ基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
u及びvはお互い独立して、0又は1を表すが、u+vは1以下であり、
M
X1、M
X2及びM
X3はお互い独立して、
(a)トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)又は基(b)に含まれる水素原子はそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されていても良く、
L
X1、L
X2及びL
X3はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、
X
X1及びX
X2はお互い独立してトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表すが、X
X2及びX
X1の何れか一つはフッ素原子を表す)で表される群より選ばれる1種または2種類以上の化合物を含有する。
【0104】
R
X1及びR
X2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0105】
表示素子の応答速度の改善を重視する場合はアルケニル基が好ましく、電圧保持率等の信頼性を重視する場合にはアルキル基が好ましい。アルケニル基としては次に記載する式(Alkenyl−1)〜式(Alkenyl−4)
【0107】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
で表される構造が好ましいが、本願発明の液晶組成物が反応性モノマーを含有する場合は、式(Alkenyl−2)及び式(Alkenyl−4)で表される構造が好ましく、式(Alkenyl−2)で表される構造がより好ましい。
【0108】
一般式(X)で表される化合物は液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には硫黄原子、窒素原子、エステル基、シアノ基及び塩素原子をその分子内に有さないことが好ましい。
【0109】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて1種または2種以上用いる。
【0110】
本発明の液晶組成物において、一般式(X)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0111】
好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0112】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0113】
本発明の液晶組成物において、一般式(X)で表される化合物の含有量は、液晶組成物中に、30〜98質量%含有することがより好ましく、40〜80質量%含有することがさらに好ましく、50〜70質量%含有することが最も好ましい。なお、駆動電圧を重視する場合には、70〜98質量%含有することが好ましい。
【0114】
さらに、一般式(X)で表される化合物は一般式(XI)で表される化合物であることが好ましい。
【0116】
(式中、R
X1は一般式(X)におけるR
X1と同じ意味を表し、M
X1は一般式(X)におけるM
X1と同じ意味を表し、R
X2は一般式(X)におけるR
X2と同じ意味を表す。)
一般式(XI)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0117】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0118】
一般式(XI)で表される化合物を含有する場合には、液晶組成物中に、10〜60質量%含有することが好ましく、12〜45質量%含有することがより好ましく、15〜35質量%含有することが更に好ましい。
【0119】
一般式(XI)において、R
X1は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数3〜5のアルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数3又は5のアルキル基を表すことが更に好ましく、直鎖であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0120】
一般式(XI)において、R
X2は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数3〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜4のアルコキシ基を表すことがより好ましく、炭素原子数3又は5のアルキル基又は炭素原子数2又は4のアルコキシ基を表すことがより好ましく、炭素原子数2又は4のアルコキシ基を表すことが更に好ましく、直鎖であることが好ましい。
【0121】
表示素子の応答速度の改善を重視する場合はアルケニル基が好ましく、電圧保持率等の信頼性を重視する場合にはアルキル基が好ましい。
【0122】
一般式(XI)で表される化合物は1種または2種以上用いることが好ましい。一般式(XI)で表される化合物を2種以上使用する場合にはR
X1が炭素原子数が3〜5のアルキル基を表し、R
X2が炭素原子数が2〜4のアルコキシ基を表す一般式(XI)の化合物を組み合わせて使用することが好ましく、他の一般式(XI)で表される化合物と組み合わせて使用する場合、R
X1が炭素原子数が3〜5のアルキル基を表し、R
X2が炭素原子数が2〜4のアルコキシ基を表す一般式(XI)の化合物の含有量が、一般式(XI)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
一般式(XI)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(XI−a)及び/または一般式(XI−b)
【0124】
(式中R
X11、R
X21、R
X12及びR
X22はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基を表す。)で表される群から選ばれる化合物であることが好ましい。
R
X21、R
X12及びR
X22がアルケニル基の場合は、炭素原子数は4〜5であることが好ましい。R
X11はアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、アルキル基が更に好ましく、R
X21及びR
X22はアルキル基又はアルコキシ基が好ましく、Δεの絶対値を大きくする場合にはアルコキシ基又はアルケニルオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基が更に好ましく、R
X12はアルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基が更に好ましい。
【0125】
一般式(XI)で表される化合物は具体的には次に記載する式(XI−1−1)〜式(XI−2−4)
【0128】
で表される化合物が好ましいが、式(XI−1−1)〜式(XI−1−4)、式(XI−2−1)及び式(XI−2−2)で表される化合物がより好ましく、式(XI−1−1)、式(XI−1−3)、式(XI−2−1)及び式(XI−2−2)で表される化合物が更に好ましく、式(XI−1−1)、式(XI−1−3)及び式(XI−2−1)で表される化合物が特に好ましく、より具体的に述べると本願発明の液晶組成物に要求される屈折率異方性Δnの値が比較的低い場合(概ね0.100未満)は式(XI−1−1)及び式(XI−1−3)で表される化合物が最も好ましく、要求される屈折率異方性Δnの値が比較的高い場合(概ね0.100以上)は式(XI−2−1)で表される化合物が最も好ましい。
一般式(XI)で表される化合物がアルケニル基を有する場合、具体的には次に記載する式(XI−1−10)〜式(XI−2−11)
【0131】
(式中、R
X22は一般式(XI−2)におけるR
X22と同じ意味を表す。)
で表される群から選ばれる化合物であること好ましい。
【0132】
さらに、一般式(X)で表される化合物は、一般式(XII)で表される化合物であることが好ましい。
【0134】
(式中、R
X1は一般式(X)におけるR
X1と同じ意味を表し、M
X2は一般式(X)におけるM
X2と同じ意味を表し、R
X2は一般式(X)におけるR
X2と同じ意味を表す。)
一般式(XII)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0135】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0136】
一般式(XII)で表される化合物を含有する場合の、液晶組成物中に、20〜70質量%含有することが好ましく、21〜65質量%含有することがより好ましく、22〜60質量%含有することが更に好ましく、25〜40質量%含有することが特に好ましい。
【0137】
一般式(XII)で表される化合物は1種または2種以上用いることが好ましい。
【0138】
一般式(XII)において、R
X1は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基を表すことが更に好ましく、炭素原子数3〜5のアルキル基を表すことが特に好ましく、直鎖であることが好ましい。
【0139】
一般式(XII)において、R
X2は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましいが、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表すことがより好ましく、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表すことが更に好ましく、炭素原子数2又は3のアルコキシ基を表すことが特に好ましく直鎖であることが好ましい。
【0140】
表示素子の応答速度の改善を重視する場合はアルケニル基が好ましく、電圧保持率等の信頼性を重視する場合にはアルキル基が好ましい。
【0141】
一般式(XII)で表される化合物は更に一般式(XII−1)及び一般式(XII−2)で表される化合物が好ましい。
【0143】
(式中、R
X1は一般式(X)におけるR
X1と同じ意味を表し、R
X2は一般式(X)におけるR
X2と同じ意味を表す。)
一般式(XII−1)で表される化合物は具体的には次に記載する式(XII−1−1)〜(XII−1−6)
【0145】
で表される化合物が好ましいが、式(XII−1−1)〜式(XII−1−4)で表される化合物がより好ましく、式(XII−1−1)〜式(XII−1−3)で表される化合物が更に好ましく、式(XII−1−1)及び式(XII−1−3)で表される化合物が特に好ましい。
【0146】
一般式(XII−1)で表される化合物がアルケニル基を有する場合には、具体的には次に記載する式(XII−1−10)〜(XII−1−14)
【0148】
(式中、R
X2は一般式(X)におけるR
X2と同じ意味を表す。)で表される化合物が好ましい。
【0149】
一般式(XII−2)で表される化合物は具体的には次に記載する式(XII−2−1)〜(XII−2−6)
【0151】
で表される化合物が好ましいが、式(XII−2−1)〜式(XII−2−4)で表される化合物がより好ましく、式(XII−2−1)〜式(XII−2−3)で表される化合物が更に好ましく、式(XII−2−1)及び式(XII−2−3)で表される化合物が特に好ましい。
【0152】
一般式(XII−2)で表される化合物がアルケニル基を有する場合には、具体的には次に記載する式(XII−2−10)〜(XII−2−14)
【0154】
(式中、R
X2は一般式(X)におけるR
X2と同じ意味を表す。)で表される化合物が好ましい。
【0155】
さらに、一般式(X)で表される化合物は、一般式(XIII)で表される化合物であることが好ましい。
【0157】
(式中、R
X1は一般式(X)におけるR
X1と同じ意味を表し、R
X2は一般式(X)におけるR
X2と同じ意味を表し、X
31〜X
36は水素原子又はフッ素原子を表すが、X
31及びX
32の組み合わせ、X
33及びX
34の組み合わせ、X
35及びX
36の組み合わせ、のうち少なくとも1組の組み合わせがともにフッ素原子である。)
一般式(XIII)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0158】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0159】
一般式(XIII)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、5〜30質量%含有することが好ましく、10〜27質量%含有することがより好ましく、15〜25質量%含有することが特に好ましい。
【0160】
一般式(XIII)で表される化合物は1種または2種以上用いることが好ましい。
【0161】
一般式(XIII)において、R
X1及びR
X2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましいが、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基を表すことが更に好ましく、炭素原子数3〜5のアルキル基を表すことが特に好ましく、R
1及びR
2の炭素原子数はそれぞれ異なることが最も好ましく、直鎖であることが好ましい。
【0162】
一般式(XIII)においてX
31〜X
36はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表すことが好ましいが、2〜5個がフッ素原子を表すことが好ましく、2〜4個がフッ素原子を表すことがより好ましく、2〜3個がフッ素原子を表すことがより好ましく、2個がフッ素原子を表すことが更に好ましい。
【0163】
この場合において、フッ素原子が2つの場合は、X
33〜X
36のいずれか2つがフッ素原子を表すことが好ましく、X
33及びX
34の組み合わせがともにフッ素原子を表す、又はX
35及びX
36の組み合わせがともにフッ素原子を表すことが好ましく、X
33及びX
34の組み合わせがともにフッ素原子を表すことが更に好ましい。フッ素原子が3つ以上の場合は、少なくともX
33及びX
34の組み合わせがともにフッ素原子を表す、又は少なくともX
35及びX
36の組み合わせがともにフッ素原子を表すことが好ましく、少なくともX
33及びX
34の組み合わせがともにフッ素原子を表すことが更に好ましい。
【0164】
一般式(XIII)で表される化合物は次に記載する一般式(XIII−1)〜(XIII−5)
【0166】
(式中、R
X1は一般式(X)におけるR
X1と同じ意味を表し、R
X2は一般式(X)におけるR
X2と同じ意味を表す。)で表される化合物が好ましいが、一般式(XIII−1)及び(XIII−2)で表される化合物が好ましく、一般式(XIII−1)で表される化合物が更に好ましい。
【0167】
一般式(XIII−1)で表される化合物は、具体的には式(XIII−1−1)〜式(XIII−1−16)で表される化合物であることが好ましい。
【0170】
上記化合物のうち、式(XIII−1−1)〜式(XIII−1−6)で表される化合物が好ましく、式(XIII−1−1)、式(XIII−1−2)及び式(XIII−1−4)で表される化合物が好ましく、式(XIII−1−2)及び式(XIII−1−4)で表される化合物が好ましい。
【0171】
一般式(XIII)におけるR
X1及びR
X2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表すが、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表すことがより好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基を表すことが更に好ましく、直鎖であることが好ましく、R
X1及びR
X2が共にアルキル基である場合には、それぞれの炭素原子数は異なっている方が好ましい。
【0172】
更に詳述すると、R
X1がプロピル基を表しR
X2がエチル基を表す化合物又はR
X1がブチル基を表しR
X2がエチル基を表す化合物が好ましい。
【0173】
本発明に係る液晶組成物は、下記一般式(L)
【0175】
(式中、R
L1及びR
L2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
OLは0、又は1を表し、
B
L1、B
L2及びB
L3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L
L1及びL
L2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表すが、
ただし、一般式(X)で表される化合物を除く。)で表される群より選ばれる1種または2種類以上の化合物を含有する。
【0176】
R
L1及びR
L2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0177】
一般式(L)で表される化合物は液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には塩素原子をその分子内に有さないことが好ましい。
【0178】
本発明の液晶組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性または揮発性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0179】
好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0180】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0181】
本発明の液晶組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、液晶組成物中に、2〜60質量%含有することがより好ましく、15〜50質量%含有することがさらに好ましく、25〜45質量%含有することが最も好ましい。
【0182】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0183】
さらに、一般式(L)で表される化合物は、一般式(L−I)から一般式(L−V)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0185】
(式中、R
91からR
9aはそれぞれ独立して炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシ基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表す。)
一般式(L−I)から一般式(L−V)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有する場合、1種〜10種含有することが好ましく、1種〜8種含有することが特に好ましく、1種〜5種含有することが特に好ましく、2種以上の化合物を含有することも好ましい。
【0186】
R
91からR
9aはそれぞれ独立しては炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルコキシ基を表すことがより好ましく、アルケニル基としては次に記載する式(Alkenyl−1)〜式(Alkenyl−4)
【0188】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
で表される構造が好ましいが、本願発明の液晶組成物が反応性モノマーを含有する場合は、式(Alkenyl−2)及び式(Alkenyl−4)で表される構造が好ましく、式(Alkenyl−2)で表される構造がより好ましい。
【0189】
又、R
91及びR
92は同一でも異なっていても良いが、異なった置換基を表すことが好ましい。
【0190】
さらに、一般式(L−I)で表される化合物は、一般式(L−I−a)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0192】
(式中、R
13およびR
14はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
本発明の液晶組成物において、一般式(L−I−a)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0193】
一般式(L−1−a)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0194】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0195】
一般式(L−I−a)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、2〜60質量%含有することがより好ましく、15〜50質量%含有することがさらに好ましく、25〜45質量%含有することが最も好ましい。
【0196】
式(L−I−a)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
【0198】
式(L−I−a−1)、式(L−I−a−2)および式(L−I−a−3)で表される化合物であることが好ましい。粘度が小さく高速応答の液晶表示素子を作製したいときは式(I−a−3)を多めに使用することが好ましいが、Tniが高く高温でも安定的な表示が可能な液晶表示素子を作製したいときは、式(L−I−a−1)〜式(L−I−a−2)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましい。
【0199】
さらに、一般式(L−I)で表される化合物は一般式(L−I−b)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0201】
(式中R
12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
【0202】
一般式(L−I−b)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0203】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0204】
一般式(L−I−b)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、2〜60質量%含有することがより好ましく、15〜50質量%含有することがさらに好ましく、25〜45質量%含有することが最も好ましい。
【0205】
式(L−I−b)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
【0207】
式(L−I−b−2)または式(L−I−b−3)で表される化合物であることが好ましく、式(L−I−b−3)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0208】
さらに、一般式(L−I)で表される化合物は、一般式(L−I−c)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0210】
(式中、R
13は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R
15は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
【0211】
一般式(L−I−c)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0212】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0213】
一般式(L−I−c)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、2〜60質量%含有することがより好ましく、15〜50質量%含有することがさらに好ましく、25〜45質量%含有することが最も好ましい。
【0214】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0215】
式(L−I−c)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
【0217】
式(I−c−2)、式(I−c−5)または式(I−c−9)で表される化合物であることが好ましい。
【0218】
本願発明の液晶組成物は、更に、一般式(L−I)で表される化合物と類似した構造を有する式(L−I−d−1)で表される化合物を含有することもできる。
【0220】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて式(L−I−d−1)であらわされる化合物の含有量を調整することが好ましく、当該化合物を含有する場合、この化合物を本発明の液晶組成物の総量に対して2質量%以上含有することが好ましく、5質量%以上含有することがさら好ましく、10質量%以上含有することがさらに好ましく、26質量%以上含有することが更に好ましく、15質量%以上含有することが特に好ましい。
【0221】
さらに、一般式(L−I)で表される化合物は一般式(L−I−e)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0223】
(式中、R
16およびR
17はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、1種類から3種類以上組み合わせることが好ましい。一般式(L−I−e)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
【0224】
一般式(L−I−e)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0225】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0226】
一般式(L−I−e)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、2〜60質量%含有することがより好ましく、15〜50質量%含有することがさらに好ましく、25〜45質量%含有することが最も好ましい。
【0227】
さらに、一般式(L−I−e)で表される化合物は、式(L−I−e−1)から式(L−I−e−10)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−I−e−1)、式(L−I−e−2)および式(L−I−e−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0229】
さらに、一般式(L−II)で表される化合物は一般式(L−II−a)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0231】
(式中、R
11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、R
12は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。
【0232】
一般式(L−II−a)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0233】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0234】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−II−a)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、2〜60質量%含有することがより好ましく、15〜50質量%含有することがさらに好ましく、25〜45質量%含有することが最も好ましい。
【0235】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(L−II−a)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
【0238】
式(L−II−a−2)、式(L−II−a−6)または式(L−II−a−9)で表される化合物であることが好ましい。
【0239】
さらに、本発明の液晶組成物は、一般式(L−II)で表される化合物と類似した構造を有する一般式(L−II−b)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有しても良い。
【0241】
(式中、R
11およびR
12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
12はそれぞれ独立してフッ素原子または塩素原子を表す。)
一般式(L−II−b)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0242】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0243】
一般式(L−II−b)で表される化合物を、液晶組成物中に、0〜20質量%含有することが好ましく、0〜5質量%含有することがより好ましい。
【0244】
さらに、一般式(L−II−b)で表される化合物は、式(L−II−b−1))で表される化合物であることが好ましい。
【0246】
さらに、一般式(L−III)で表される化合物は一般式(L−III−a)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0248】
(式中、R
11およびR
12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0249】
一般式(L−III−a)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0250】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0251】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−III−a)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0252】
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0253】
式(L−III−a)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
【0255】
式(L−III−a−2)、式(L−III−a−4)〜式(L−III−a−7)で表される化合物であることが好ましく、式(L−III−a−5)〜式(L−III−a−7)で表される化合物であることが好ましく。
【0256】
さらに、一般式(L−III)で表される化合物と類似した構造を有する一般式(L−III−b)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することができる。
【0258】
(式中、R
11およびR
12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
11およびX
12はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、X
11またはX
12のどちらか一方はフッ素原子である。)
本発明の液晶組成物において、一般式(L−III−b)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0259】
さらに、一般式(L−III−b)で表される化合物は、式(L−III−b−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0261】
さらに、一般式(L−IV)で表される化合物は、例えば一般式(L−IV−a)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0263】
(R
25は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R
24は炭素原子数1〜5のアルキル基表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0264】
一般式(L−IV−a)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0265】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0266】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−IV−a)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0267】
式(L−IV−a)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
【0269】
式(L−IV−a−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0270】
さらに、一般式(L−IV)で表される化合物は、例えば一般式(L−IV−b)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0272】
(R
25は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R
26は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましい。
【0273】
一般式(L−IV−b)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0274】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0275】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−IV−b)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0276】
さらに、一般式(L−IV−b)で表される化合物は、例えば式(L−IV−b−1)から式(L−IV−b−4)で表される化合物であることも好ましく、その中でも式(L−IV−b−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0278】
さらに、一般式(L−IV)で表される化合物は、例えば一般式(L−IV−c)で表される化合物群から選ばれる化合物であっても良い。
【0280】
(R
23は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、R
24は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0281】
一般式(L−IV−c)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0282】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0283】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−IV−c)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0284】
さらに、一般式(L−IV−c)で表される化合物は、例えば式(L−IV−c−1)から式(IV−c−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0286】
さらに、一般式(L−V)で表される化合物は、一般式(L−V−a)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0288】
(R
31およびR
32はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基をまたは炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(L−V−a)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0289】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0290】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−V−a)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
式(L−V−a)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
【0292】
さらに、一般式(L−V)で表される化合物は、一般式(L−V−b)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0294】
(R
33は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、R
32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(L−V−b)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0295】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0296】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−V−b)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0297】
一般式(L−V−b)で表される化合物は、たとえば式(L−V−b−1)または式(L−V−b−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0299】
さらに、一般式(L−V)で表される化合物は、一般式(L−V−c)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0301】
(R
31は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R
34は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(L−V−c)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0302】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0303】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−V−c)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0304】
さらに、一般式(L−V−c)で表される化合物は、たとえば式(L−V−c−1)から式(L−V−c−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L−V−c−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0306】
さらに、一般式(L)で表される化合物は、例えば一般式(L−VI)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0308】
(R
21およびR
22はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基をまたは炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(VI)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましい。
【0309】
一般式(L−VI)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0310】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0311】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−VI)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0312】
さらに、一般式(L−VI)で表される化合物は、例えば式(L−VI−1)及び式(L−VI−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0314】
さらに、一般式(L)で表される化合物は、例えば一般式(L−VII)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0316】
(R
21およびR
22はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
これらの化合物のうち1種類だけを含有していても2種類以上含有していても良いが、求められる性能に応じて適宜組み合わせることが好ましい。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましく、1種〜3種類含有することが特に好ましい。
【0317】
一般式(L−VII)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0318】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0319】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−VII)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0320】
さらに、一般式(L−VII)で表される化合物は、例えば式(L−VII−1)から式(L−VII−5)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−VII−2)または/および式(L−VII−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0322】
さらに、一般式(L)で表される化合物は、一般式(L−VIII)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0324】
(式中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、A
51およびA
52はそれぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基または1,4-フェニレン基を表し、Q
5は単結合または−COO−を表し、X
51およびX
52はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表す。X
51およびX
52は同時にフッ素原子であることは無い。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。さらに、本発明の別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では4種類である。
【0325】
一般式(L−VIII)で表される化合物を含有する場合の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1%である。あるいは本発明の別の実施形態では5%である。あるいは本発明の別の実施形態では10%である。また、本発明の別の実施形態では11%である。また、本発明の別の実施形態では14%である。また、本発明の別の実施形態では20%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では40%である。さらに、本発明の別の実施形態では50%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では60%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では70%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では80%である。
【0326】
さらに、好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%である。また、本発明の別の実施形態では85%である。さらに、本発明の別の実施形態では75%である。さらに、本発明の別の実施形態では65%である。さらに、本発明の別の実施形態では55%である。さらに、本発明の別の実施形態では45%である。さらに、本発明の別の実施形態では35%である。さらに、本発明の別の実施形態では30%である。さらに、本発明の別の実施形態では28%である。さらに、本発明の別の実施形態では27%である。さらに、本発明の別の実施形態では25%である。
【0327】
本発明の液晶組成物において、一般式(L−VIII)で表される化合物を含有する場合、液晶組成物中に、3〜25質量%含有することがより好ましく、4〜20質量%含有することがさらに好ましく、5〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0328】
本発明における液晶組成物は、上記一般式(I)、一般式(X)、及び一般式(L)で表される化合物の合計含有量は、液晶組成物全体に対して、80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましく、95〜100質量%が特に好ましい。
【0329】
本発明に係る液晶組成物における添加剤(酸化防止剤、UV吸収剤など)は100ppm〜1質量%であることが好ましい。
【0330】
本発明における液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)を幅広い範囲で使用することができるものであるが、ネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)は60〜120℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましく、70〜85℃であることが特に好ましい。
【0331】
本発明における液晶組成物の誘電率異方性Δεは、25℃において、−2.0〜−6.0であることが好ましく、−2.5〜−5.0であることがより好ましく、−2.5〜−3.5であることが特に好ましい。
【0332】
本発明における液晶組成物の屈折率異方性Δnは、25℃において、0.08〜0.13であることが好ましいが、0.09〜0.12であることがより好ましい。さらに詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合、本発明における液晶組成物の屈折率異方性は、25℃において、0.10〜0.12であることが好ましく、更に詳述すると、薄いセルギャップ(セルギャップ3.4μm以下)に対応する場合は約0.9から約0.12程度であることが好ましく、厚いセルギャップ(セルギャップ3.5μm以上)に対応する場合は約0.08から約0.1程度であることが好ましい。
【0333】
本発明に係る液晶組成物の回転粘度(γ
1)の上限値は、150(mPa・s)以下が好ましく、130(mPa・s)以下がより好ましく、120(mPa・s)以下が特に好ましい。一方、当該回転粘度(γ
1)の下限値は、20(mPa・s)以上が好ましく、30(mPa・s)以上がより好ましく、40(mPa・s)以上が更に好ましく、50(mPa・s)以上がより更に好ましく、60(mPa・s)以上がさらにより好ましく、70(mPa・s)以上が特に好ましい。
【0334】
本発明に係る液晶組成物では、回転粘度と屈折率異方性の関数であるZが特定の値を示すことが好ましい。
【0336】
(上記数式中、γ
1は回転粘度を表し、Δnは屈折率異方性を表す。)
Zは、13000以下が好ましく、12000以下がより好ましく、11000以下が特に好ましい。
【0337】
本発明に係る液晶組成物は、アクティブマトリクス表示素子に使用する場合においては、10
11(Ω・m)以上の比抵抗を有することが必要であり、10
12(Ω・m)が好ましく、10
13(Ω・m)以上がより好ましい。
【0338】
本発明に係る液晶組成物はネマチック相−等方性液体相転移温度(T
NI)を幅広い範囲で使用することができるものであるが、当該相転移温度(T
NI)は、60〜120℃であることが好ましく、70〜110℃がより好ましく、75〜100℃が特に好ましい。
[液晶表示素子の製造方法]
次に、
図1を参照して、本発明の液晶表示素子の製造方法を説明する。
【0339】
第一の基板11の共通電極14が形成された面及び第二の基板12の画素電極15が形成された面に、反応性基を有する重合性化合物及び垂直配向材料を含有する配向材料を塗布し、加熱することにより垂直配向膜16,17を形成する。
【0340】
ここでは、まず、第1の高分子化合物となる高分子化合物前駆体(重合性化合物)と、上記一般式(V)で表される化合物等の重合性化合物、あるいは、光重合性および光架橋性を有する化合物とを含む配向材料を調製する。
【0341】
第1の高分子化合物がポリイミドの場合には、高分子化合物前駆体としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物およびジイソシアネートの混合物や、ポリアミック酸や、ポリイミドを溶剤に溶解あるいは分散させたポリイミド溶液等が挙げられる。このポリイミド溶液中におけるポリイミドの含有量は、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
【0342】
また、第1の高分子化合物がポリシロキサンの場合には、高分子化合物前駆体としては、例えば、アルコキシ基を有するケイ素化合物、ハロゲン化アルコキシ基を有するケイ素化合物、アルコールおよびシュウ酸を所定の配合量比で混合して加熱することによりポリシロキサンを合成し、それを溶剤に溶解させたポリシロキサン溶液などが挙げられる。
【0343】
なお、配向材料には、必要に応じて、光架橋性を有する化合物、光重合開始剤、溶剤などを添加してもよい。
【0344】
配向材料の調整後、この配向材料を、第一の基板11および第二の基板12のそれぞれに、共通電極14、並びに、画素電極15およびそのスリット部(図示略)を覆うように塗布あるいは印刷した後、加熱などの処理をする。これにより、塗布あるいは印刷された配向材料に含まれる高分子化合物前駆体が、重合および硬化して第1の高分子化合物となり、第1の高分子化合物と重合性化合物とが混在した垂直配向膜16,17が形成される。
【0345】
ここで、加熱処理する場合、その温度は、80℃以上が好ましく、150〜200℃がより好ましい。
【0346】
なお、第1の高分子化合物を含む配向制御部は、この段階において形成される。この後、必要に応じて、ラビングなどの処理を施してもよい。
【0347】
次に、第一の基板11と第二の基板12とを重ね合わせ、それらの間に、液晶分子を含む液晶組成物層13を封止する。
【0348】
具体的には、第一の基板11と第二の基板12のいずれか一方における、垂直配向膜16,17が形成されている面に対して、セルギャップを確保するためのスペーサ突起物、例えば、プラスチックビーズ等を散布すると共に、例えば、スクリーン印刷法によりエポキシ接着剤等を用いて、シール部を印刷する。
【0349】
この後、第一の基板11と第二の基板12とを、垂直配向膜16,17を対向させるように、スペーサ突起物およびシール部を介して貼り合わせ、液晶分子を含む液晶組成物を注入する。
【0350】
その後、加熱するなどして、シール部を硬化することにより、液晶組成物を、第一の基板11と第二の基板12との間に封止する。
【0351】
次に、共通電極14と画素電極15との間に、電圧印加手段を用いて、電圧を印加する。電圧は、例えば、5〜30(V)の大きさで印加する。前記印加は、第一の基板と第二の基板に略垂直に電荷を印加する場合もある。これにより、第一の基板11における液晶組成物層13と隣接する面(液晶組成物層13と対向する面)、および、第二の基板12におけるにおける液晶組成物層13と隣接する面(液晶組成物層13と対向する面)に対して所定の角度をなす方向の電場が生じ、液晶分子19が、第一の基板11と第二の基板12の法線方向から所定方向に傾いて配向することとなる。このとき、液晶分子19の傾斜角は、後述の工程で液晶分子19に付与されるプレチルトθと概ね等しくなる。従って、電圧の大きさを適宜調節することにより、液晶分子19のプレチルトθの大きさを制御することが可能である(
図3参照)。
【0352】
さらに、電圧を印加した状態のまま、紫外光UVを、例えば、第一の基板11の外側から液晶組成物層13に照射することにより、垂直配向膜16,17中の重合性化合物を重合させ、第2の高分子化合物を生成する。
【0353】
この場合、照射する紫外光UVの強度は一定であっても、一定でなくてもよく、照射強度を変化させる際の各々の強度における照射時間も任意であるが、2段階以上の照射工程を採用する場合には、2段階目以降の照射工程の照射強度は1段階目の照射強度よりも弱い強度を選択することが好ましく、2段階目以降の総照射時間は1段階目の照射時間よりも長くかつ照射総エネルギー量が大きことが好ましい。また、照射強度を不連続に変化させる場合には、全照射工程時間の前半部分の平均照射光強度が後半部分の平均照射強度よりも強いことが望ましく、照射開始直後の強度が最も強いことがより望ましく、照射時間の経過と共にある一定値まで常に照射強度が減少し続けることがさらに好ましい。その場合の紫外線UV強度は2mW/cm
−2〜100mW/cm
−2であることが好ましいが、多段階照射の場合の1段階目、または不連続に照射強度変化させる場合の全照射工程中の最高照射強度は10mW/cm
−2〜100mW/cm
−2であること、かつ多段階照射の場合の2段階目以降、または不連続に照射強度を変化させる場合の最低照射強度は2mW/cm
−2〜50mW/cm
−2であることがより好ましい。また、照射総エネルギー量は1J〜300Jであることが好ましいが、照射の影響により液晶組成物中の液晶化合物の分解を抑制するために、最小限の照射総エネルギー量に留める必要がある。
【0354】
この場合、印加電圧は交流であっても直流であってもよい。
【0355】
その結果、垂直配向膜16,17の配向制御部と固着した、第2の高分子化合物を含む配向規制部(図示略)が形成される。この配向規制部は、非駆動状態において、液晶組成物層13における垂直配向膜16,17との界面近傍に位置する液晶分子19にプレチルトθを付与する機能を有する。なお、ここでは、紫外光UVを、第一の基板11の外側から照射したが、第二の基板12の外側から照射してもよく、第一の基板11および第二の基板12の双方の基板の外側から照射してもよい。
【0356】
このように、本発明の液晶表示素子では、液晶組成物層13において、液晶分子19が、所定のプレチルトθを有している。これにより、プレチルト処理が全く施されていない液晶表示素子およびそれを備えた液晶表示装置と比較して、駆動電圧に対する応答速度を大幅に向上させることができる。
【0357】
本発明の液晶表示素子において、垂直配向膜16,17を構成する高分子化合物前駆体としては、感光性でないポリイミド前駆体が好ましい。
【0358】
上記反応性基を有する重合性化合物、特に上記一般式(V)で表される化合物の、前記高分子化合物前駆体中における含有量は、0.5〜4質量%であることが好ましく、1〜2質量%であることがより好ましい。
【実施例】
【0359】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は「質量%」を意味する。
【0360】
以下の実施例及び比較例において、Tni、Δn、Δε、η、γ
1をそれぞれ下記の通り定義する。
T
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :25℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
η :20℃における粘度(mPa・s)
γ
1 :25℃における回転粘度(mPa・s)
UV照射前電圧保持率(初期VHR):周波数6Hz,印加電圧5Vの条件下で343Kにおける電圧保持率(%)
UV照射後VHR:以下の実施例・比較例の条件で作成した液晶表示素子の液晶組成物層中のUV照射後の液晶組成物を上述のVHR測定方法と同条件で測定した。
【0361】
以下の実施例及び比較例において、下記の方法により、液晶表示素子の焼き付き、滴下痕を評価した。
(焼き付き)
液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1000時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
◎:残像無し
○:残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△:残像有り許容できないレベル
×:残像有りかなり劣悪
(滴下痕)
液晶表示装置の滴下痕の評価は、全面黒表示した場合における白く浮かび上がる滴下痕を目視にて以下の4段階評価で行った。
◎:残像無し
○:残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△:残像有り許容できないレベル
×:残像有りかなり劣悪
なお、実施例において化合物の記載について以下の略号を用いた。
(側鎖)
−n −CnH2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルキル基
−On −OCnH2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルコキシ基
−V −C=CH2 ビニル基
−Vn −C=C−CnH2n+1 炭素原子数(n+1)の1−アルケン
(連結基)
D −C=C−
T −C≡C−
(環構造)
【0362】
【化87】
【0363】
(実施例1)
透明な共通電極からなる透明電極層及びカラーフィルター層を具備した第一の基板(共通電極基板)と、アクティブ素子により駆動される透明画素電極を有する画素電極層を具備した第二の基板(画素電極基板)とを作製した。
【0364】
画素電極基板において、各画素電極としては、液晶分子の配向を分割するため、画素電極に電極を有さないスリットが存在するように、ITOをエッチングしたものを用いた。
【0365】
共通電極基板及び画素電極基板のそれぞれに、ポリイミド前駆体及び反応性基を有する重合性化合物を含む垂直配向膜材料をスピンコート法により塗布し、その塗布膜を200℃で加熱することにより、垂直配向膜材料中のポリイミド前駆体を硬化させ、各基板の表面に100nmの垂直配向膜を形成した。この段階において、その垂直配向膜において、反応性基を有する重合性化合物は硬化していない。
【0366】
垂直配向膜形成材料としては、ポリイミド前駆体を3%含有するポリイミド溶液(商品名:JALS2131−R6、JSR社製 )に、以下の式(Va−1−1)で表される反応性基を有する重合性化合物を3%含有する溶液を用いた。
【0367】
【化88】
【0368】
垂直配向膜を形成した共通電極基板及び画素電極基板に、以下に示す化学式で表される化合物を含有する液晶組成物を挟持した後、シール材を硬化させて、液晶組成物層を形成した。この際、厚さ4μmのスペーサを用いて、液晶組成物層の厚さを4μmとした。
【0369】
【化89】
【0370】
得られた液晶表示素子に、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射し、前記反応性基を有する重合性化合物を硬化させた。照射装置としては、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、20mWで300秒、液晶表示素子に紫外線を照射し、実施例1の液晶表示素子を得た。この工程により、反応性基を有する重合性化合物の重合体を含む垂直配向膜が形成され、液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角が付与される。
【0371】
ここで、プレチルト角は、
図3に示すように定義される。完全な垂直配向をしている場合、プレチルト角(θ)は90°となり、プレチルト角が付与された場合、プレチルト角(θ)は90°より小さくなる。
【0372】
実施例1の液晶表示素子は、
図2に示すような画素電極のスリットに従って、4つの区画において異なった方向にプレチルト角を有し、前記重合性化合物の硬化後、交流電場を切った状態でもプレチルト角が維持された。維持されたプレチルト角は87.1°であった。
【0373】
実施例1の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、以下の表に示す。この結果、実施例1の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られない。これは、液晶組成物中に一般式(I)で表される化合物を含有しているため、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を重合させる際のUV照射総エネルギー量を低く抑えることができるため、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できるためと考察される。
【0374】
【表1】
【0375】
(比較例1)
以下の表に示す化合物を含有する液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の液晶表示素子を得た。
【0376】
【表2】
【0377】
得られた液晶表示素子に、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射し、前記配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化させた。照射装置としては、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、20mWで600秒、液晶表示素子に紫外線を照射し、比較例1の液晶表示素子を得た。なお、実施例1と同一条件(20mWで300秒)で液晶表示素子に紫外線を照射し、プレチルト角の付与を行ったが、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化が不十分であり、安定的にプレチルト角が付与されていなかったため、プレチルト角の維持をするには20mWで600秒の照射を要し、最終的に維持されたプレチルト角は87°であった。
【0378】
比較例1の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を以下の表に示す。この結果、比較例1の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
【0379】
【表3】
【0380】
(実施例2)
垂直配向膜形成材料として、ポリイミド前駆体を3%含有するポリイミド溶液(商品名:JALS2131−R6、JSR社製 )に、以下の式(Va−1−16)で表される反応性基を有する重合性化合物を3%含有する溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の液晶表示素子を得た。
【0381】
【化90】
【0382】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった(維持されたプレチルト角:87.1°)。
【0383】
実施例2の液晶表示素子に用いられた液晶組成物のUV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を以下の表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
【0384】
【表4】
【0385】
(実施例3)
垂直配向膜形成材料として、ポリイミド前駆体を3%含有するポリイミド溶液(商品名:JALS2131−R6、JSR社製 )に、以下の式(Va−1−16)で表される反応性基を有する重合性化合物を3%含有する溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の液晶表示素子を得た。
【0386】
【化91】
【0387】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった(維持されたプレチルト角:87.1°)。
【0388】
実施例3の液晶表示素子に用いられた液晶組成物のUV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、以下の表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
【0389】
【表5】
【0390】
(実施例4)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の液晶表示素子を得た。
【0391】
【表6】
【0392】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0393】
実施例4の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例2)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の液晶表示素子を得た。
【0394】
【表7】
【0395】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0396】
比較例2の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例2の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例5)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の液晶表示素子を得た。
【0397】
【表8】
【0398】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった(維持されたプレチルト角:87.2°)。
【0399】
実施例5の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例3)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の液晶表示素子を得た。
【0400】
【表9】
【0401】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0402】
比較例3の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例3の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例6)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の液晶表示素子を得た。
【0403】
【表10】
【0404】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで290秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0405】
実施例6の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例4)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の液晶表示素子を得た。
【0406】
【表11】
【0407】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0408】
比較例4の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例4の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例7)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の液晶表示素子を得た。
【0409】
【表12】
【0410】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0411】
実施例7の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例5)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の液晶表示素子を得た。
【0412】
【表13】
【0413】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0414】
比較例5の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例5の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例8)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8の液晶表示素子を得た。
【0415】
【表14】
【0416】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0417】
実施例8の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例6)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6の液晶表示素子を得た。
【0418】
【表15】
【0419】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0420】
比較例6の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例6の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例9)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9の液晶表示素子を得た。
【0421】
【表16】
【0422】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0423】
実施例9の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例7)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例7の液晶表示素子を得た。
【0424】
【表17】
【0425】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0426】
比較例7の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例7の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例10)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例10の液晶表示素子を得た。
【0427】
【表18】
【0428】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0429】
実施例10の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例8)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例8の液晶表示素子を得た。
【0430】
【表19】
【0431】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0432】
比較例8の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例8の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例11)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の液晶表示素子を得た。
【0433】
【表20】
【0434】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで310秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0435】
実施例11の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例9)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例9の液晶表示素子を得た。
【0436】
【表21】
【0437】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0438】
比較例9の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例9の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例12)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例12の液晶表示素子を得た。
【0439】
【表22】
【0440】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0441】
実施例12の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例10)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例10の液晶表示素子を得た。
【0442】
【表23】
【0443】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0444】
比較例10の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例10の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。
(実施例13)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例13の液晶表示素子を得た。
【0445】
【表24】
【0446】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで300秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0447】
実施例13の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、UV照射前後において、VHRの大きな低下は見られず、液晶組成物を構成する液晶化合物の分解を抑制できているものと考察される。
(比較例11)
以下の表に示す組成からなる液晶組成物を調製し、その液晶組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例11の液晶表示素子を得た。
【0448】
【表25】
【0449】
得られた液晶表示素子に、実施例1と同様に、照射装置として、ウシオ電機社製UIS−S2511RZと共に、紫外線ランプとして、ウシオ電機社製USH−250BYを用いて、矩形の交流電場を印加した状態で紫外線を照射した。液晶組成物層中の液晶分子にプレチルト角を付与するために必要な、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物の硬化は、20mWで600秒の紫外線照射により達成することが可能であった。
【0450】
比較例11の液晶表示素子に用いられた液晶組成物の各物性、UV照射前後のVHR及び、得られた液晶表示素子の滴下痕評価、焼き付き評価を、合わせて上記表に示す。この結果、比較例11の液晶表示素子に用いられた液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有しておらず、配向膜中の反応性基を有する重合性化合物を硬化するためのUV照射総エネルギー量が大きくなった結果、VHRの低下が見られ、液晶組成物中の液晶化合物の分解による物性低下が確認された。