(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記三次元計測する際に、既知の寸法を有する基準寸法体を計測して該基準寸法体の寸法を算出し、算出された前記基準寸法体の算出値と、予め登録された前記基準寸法体の寸法の値とを比較し、測定された前記組立図板上の三次元データを校正することを特徴とする請求項7に記載の寸法検査方法。
算出された前記三次元データと、設定した採寸点の情報を含む予め登録された三次元データとを比較し、前記三次元データにおける採寸点の位置を特定することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の寸法検査方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように作業者がクリップとコネクタの間の寸法をメジャーテープによって測定する場合、複数の測定箇所につき1箇所毎にメジャーテープをワイヤーハーネスに沿わせて目盛りを読むため、作業に多大な時間を要していた。
【0007】
また、寸法検査台にハーネスを広げて配置し、ワイヤーハーネスの分岐と端末の位置を、寸法検査台に記載された合否判定範囲に入っているかを目視で検査する場合、一定の精度で検査を行う事は困難である。
また、特許文献2に記載された寸法測定装置を用いても、作業者の手作業と目視検査が必要であり、一定の精度で検査を行うことは難しい。
また、特許文献1に記載されたような装置を用いても電線保持具の間を弛んだ状態で電線を組み付けた場合は、ワイヤーハーネスが寸法公差範囲外になることもあった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワイヤーハーネスの寸法検査を短時間に、一定の精度で行うことができる寸法検査装置、寸法検査システム、及び寸法検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の寸法検査装置は、光切断法により、ワイヤーハーネスの製造工程のラインを搬送される組立図板上を計測する三次元計測手段と、前記ワイヤーハーネスが配設された前記組立図板上を計測するように前記三次元計測手段を制御し、三次元データを算出する演算部と、前記三次元データに基づいて、前記ワイヤーハーネスの寸法を測長する測長部と、を備える。
【0010】
また、本発明の寸法検査装置の一態様は、設定した採寸点の情報を含む予め登録された三次元データと、算出された前記三次元データとを比較し、前記三次元データにおける採寸点の位置を特定する位置特定部を備える。
【0011】
また、本発明の寸法検査装置の一態様は、前記測長部により測長された前記ワイヤーハーネスの長さが、所定の寸法の範囲内か否かを判定する判定部を備える。
【0012】
また、本発明の寸法検査装置の一態様は、前記判定部の判定結果を表示する表示部を備える。
【0013】
また、本発明の寸法検査システムは、前述の寸法検査装置と、前記組立図板上に配設され、前記三次元計測手段により走査される光線の走査位置の情報を取得するための走査位置検出体と、を備える。
【0014】
また、本発明の寸法検査システムの一態様は、前記三次元計測手段により計測される位置に配設され、既知の寸法を有する基準寸法体を備え、前記演算部は、前記基準寸法体を計測するように前記三次元計測手段を制御し、前記基準寸法体の寸法を算出し、該前記基準寸法体の算出値と、予め登録された前記基準寸法体の寸法の値とを比較し、算出された前記三次元データを校正する。
【0015】
また、本発明の寸法検査システムは、前述の寸法検査装置と、前記三次元計測手段により計測される位置に配設され、既知の寸法を有する基準寸法体と、を備え、前記演算部は、前記基準寸法体を計測するように前記三次元計測手段を制御し、前記基準寸法体の寸法を算出し、該前記基準寸法体の算出値と、予め登録された前記基準寸法体の寸法の値とを比較し、算出された前記三次元データを校正する。
【0016】
また、本発明の寸法検査方法は、ワイヤーハーネスが配設された組立図板上を、光切断法を用いた三次元計測手段により三次元計測して三次元データを算出し、該三次元データに基づいて、前記ワイヤーハーネスの寸法を測長する。
【0017】
また、本発明の寸法検査方法の一態様は、前記三次元計測する際に、前記組立図板上に配設された走査位置検出体を計測して三次元データを算出し、該走査位置検出体の三次元データに基づいて、光線の走査位置の情報を取得することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の寸法検査方法の一態様は、前記三次元計測する際に、既知の寸法を有する基準寸法体を計測して該基準寸法体の寸法を算出し、算出された前記基準寸法体の算出値と、予め登録された前記基準寸法体の寸法の値とを比較し、測定された前記組立図板上の三次元データを校正する。
【0019】
また、本発明の寸法検査方法の一態様は、算出された前記三次元データと、設定した採寸点の情報を含む予め登録された三次元データとを比較し、前記三次元データにおける採寸点の位置を特定する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ワイヤーハーネスの寸法検査を短時間に、一定の精度で行うことができる寸法検査装置、及び寸法測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態である寸法検査装置、寸法検査システム、及び寸法検査方法について説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る寸法検査装置1が配置されたワイヤーハーネスWの製造工程の概略説明図である。
図2は、本発明の実施形態に係る寸法検査装置1の概略を示すブロック図である。
図3は、本発明の実施形態に係る寸法検査装置1を側面側から見た概略図である。
図4は、本発明の実施形態に係る寸法検査装置1を正面側から見た概略図である。
図5は、本発明の実施形態に係る寸法検査装置1を上面側から見た概略図である。
【0024】
ワイヤーハーネスWの製造工程は、
図1に示すように、ワイヤーハーネスWの組立図板40が、ループ状に設けられたコンベア50の周に沿って時計回りに搬送され、作業者が組立図板40上に、順にワイヤーハーネスWを組立てるようになっている。組立図板40は、例えば搬送台41に載置されている。
組立てられたワイヤーハーネスWは、組立図板40上に配置されたまま寸法検査装置1によって寸法検査が行われ、その後、組立図板40から取り外される。
【0025】
コンベア50は、例えば、図示しないスプロケットとチェーンとによって構成される。このチェーンが組立図板40の搬送台41の脚に取り付けられ、スプロケットの回転に従って、チェーンが回転することにより、搬送台41が移動する。スプロケットは、例えばモータなどの駆動機構によって回転される。
【0026】
組立図板40には、例えばワイヤーハーネスWを保持する電線保持具42が複数設けられている。電線保持具42としては、例えば、上方が略U字状とされたワイヤーハーネスWを引っ掛ける部材、上端部がワイヤーハーネスWのコネクタを保持する形状の部材、ワイヤーハーネスWに設けられた固定部材を嵌め込んで保持する部材などがある。
また、組立図板40には、既知の寸法を有する基準寸法体32が設けられている。この基準寸法体32は、後述する寸法検査の際に用いられるものであり、後に詳述する。
【0027】
本実施形態において寸法検査の対象としているワイヤーハーネスWは、例えば、車両の電気機器同士を接続する配線部材であり、車両に設けられた配線経路に沿って組み付けられる。この種のワイヤーハーネスWは、電線等の配線が適宜分岐、結束されている。各配線の結束には、例えば粘着テープ等が使用される。また、ワイヤーハーネスWには、ワイヤーハーネスWを車両に組み付ける際に使用する固定部材が取付けられている。また、ワイヤーハーネスWの端末部位には、コネクタが取付けられている。
【0028】
寸法検査装置1は、
図2に示すように、三次元計測手段10とパーソナルコンピュータ20とを備えている。本発明の実施形態に係る寸法検査装置1は、組立図板40上に配設されたワイヤーハーネスWの寸法を、三次元計測手段10を用いて検査するものである。寸法検査装置1は、例えば、ワイヤーハーネスWの分岐位置、端末位置、電線保持具42の位置などの各間に配置されているワイヤーハーネスWの長さを測長する。本実施形態において、具体的には、2つの電線保持具42の間に配置されているワイヤーハーネスWの長さを測長する。この寸法検査装置1は、ワイヤーハーネスWの組立の製造ライン上に配置されているため、ワイヤーハーネスWが配設された組立図板40を他の検査台等に乗せ換えることなく、寸法検査を行うことができる。
【0029】
三次元計測手段10は、
図3〜
図5に示すように、光源部11と受光部12とを備えている。これら光源部11と受光部12は、
図3に示すように、搬送台41に配置された組立図板40を覆うように設けられた測定架台13に配置されている。本実施形態において、測定架台13はトンネル状の枠体14を有しており、測定架台13には、光源部11と受光部12とが、組立図板40の面に対して縦方向の中央付近に位置するように取り付けられている。なお、本実施形態において、横方向とはコンベア50の進行方向と平行な方向(
図4において左右方向)であり、縦方向とはコンベア50の進行方向と直交する方向(
図4において上下方向)である。
【0030】
光源部11は、線状光を投光するレーザー光源とレンズとを有している。光源部11は、
図3及び
図5に示すように、組立図板40の面に対して直交するように配置されている。この光源部11から出力される光は、コンベア50の進行方向と直交する方向に線状に投光され、かつコンベア50の進行方向と直交する方向における組立図板40の長さよりも長い範囲を投光するようになっている(
図4参照)。例えば
図4において、L1で示される破線上が、光源部11の線状光が照射される範囲である。
【0031】
受光部12は、受光素子とレンズとを有している。受光部12は、光源部11に対してコンベア50の進行方向に所定の距離離れた位置に配置されている。この受光部12は、光源部11から出力された光の反射光を受光するものであり、本実施形態においては、
図5に示すように、組立図板40の面に対して斜め方向に配置されている。受光部12は線状光からの反射光を受光素子の中央付近で受光するために、線状光の反射光に向くように組立図板40の面に対して斜め方向に取付けられているのである。
上述のような構成とされた三次元計測手段10においては、光源部11から光を測定対象物に向けて出力し、その反射光を受光部12で受光し、光切断法を用いて測定対象物の高さの情報が得られる。光源部10から出力された光において、組立図板40で反射される光と、ワイヤーハーネスWで反射される光とでは、
図5に示すように、受光部によって受光される位置が異なる。ここで、
図5の両矢印で示される長さが、高さの情報となっている。
【0032】
なお、測定架台13に配置された光源部11と受光部12とが、一体となって組立図板40上を移動する構成としても良いし、光源部11と受光部12とを固定しておいて組立図板40を製造ラインの周に沿って移動させても良い。すなわち、組立図板40上の全面にわたって、三次元計測手段10によって高さが測定される構成となっていればよい。本実施形態においては、
図4に示す矢印のように、組立図板40が移動する構成とされている。
【0033】
また、ワイヤーハーネスWの製造において、組立図板40はコンベア50に積載され移動する間にワイヤーハーネスWの組立が行われるため、組立が終わった直後にコンベア50に載せられたまま、インラインで寸法検査を行うことが望ましい。
【0034】
パーソナルコンピュータ20は、
図2に示すように、例えば演算部21と、位置特定部22と、測長部23と、合否判定部24とを備えている。
演算部21は、三次元計測手段10に制御信号を出力してワイヤーハーネスWが配設された組立図板40上を計測するように三次元計測手段10を制御し、受光部12が受光した光の情報から三次元計測手段10が光を照射した領域における三次元データを算出する。本実施形態において、三次元データとは、組立図板40の面内方向及び組立図板40の面からの高さ方向における測定対象物の位置情報を示すデータである。
【0035】
図6は、本発明の実施形態に係る寸法検査装置1によって測定される高さのデータ(輝線の像)の一例を示している。この図は、組立図板40の横方向におけるある位置の高さのデータである。横軸は組立図板40の縦方向の位置、縦軸は高さを示している。このような高さのデータが、組立図板40の横方向の全面にわたって取得されることになる。
【0036】
位置特定部22は、上述した三次元データ(走査位置と縦方向に対する高さのデータ(輝線の像))から、例えば電線保持具42の位置を特定する。例えば、予め所定の2か所の電線保持具42の情報を含む三次元データを登録しておき、この登録したデータと、算出された三次元データとを比較し、電線保持具42の位置を特定する。
【0037】
図7は、予め位置特定部22に登録された、走査位置と縦方向の位置に対する高さのデータ(輝線の像)の一例を示す図である。例えば、予め組立図板40に対して三次元計測手段10を用いて演算部21により三次元データを算出しておくことにより、このようなデータを予め取得し、位置特定部22に予め登録できる。なお、
図7においては、組立図板40の横方向における5か所の位置(a点〜e点)についてのデータが示されており、横軸は組立図板40の縦方向の位置、縦軸は組立図板40の面からの高さを表している。また、
図7において矢印で示される点は、採寸点を示している。採寸点とは寸法を測る起点又は終点のことであり、本実施形態においては、ワイヤーハーネスの寸法検査の対象となる範囲として予め設定された電線保持具42の位置である。
【0038】
寸法検査装置1により組立図板40上を検査する際には、位置特定部22は、光線の走査ごとに受光部12から逐次情報が入力され、走査位置と縦方向に対する高さのデータ(輝線の像)を取得する。このとき、採寸点位置における予め登録された走査位置及び縦方向に対する高さのデータ(輝線の像)と、取得した走査位置及び縦方向に対する高さのデータ(輝線の像)とが照合され、一致度が高い場合、その近傍の走査位置と縦方向に対する高さのデータ(輝線の像)との一致度も調べたうえで採寸点が特定される。
【0039】
測長部23は、算出された三次元データからワイヤーハーネスWの所定の位置の長さを測長する。本実施形態においては、位置特定部22により特定された2か所の電線保持具42(採寸点)の間に配置されたワイヤーハーネスWの長さを測長する。測長の際には、取得した三次元データのうち、ワイヤーハーネスWの高さ情報の点を連続的な高さのデータとして集め、ワイヤーハーネスWを示すデータに基づいて、例えばスプライン曲線や曲線当てはめ法で補完し、ワイヤーハーネスWの曲がりや弛みが考慮された長さを算出する。
【0040】
合否判定部24は、測長部23によって測長された電線保持具42(採寸点)の間におけるワイヤーハーネスWの長さが、所定の寸法の範囲内にあるか否かを判定する。
また、本実施形態において、寸法検査装置1は、前述の合否判定部24の判定の結果を表示する合否表示部25を備えている。この合否表示部25は、例えばパーソナルコンピュータ20に接続されたディスプレイなどである。
【0041】
本実施形態において、寸法検査システム100は、寸法検査装置1と、走査位置検出体31と、を備えている。前述したように、走査位置検出体31は、組立図板40の上方に配置されている。具体的には、
図3及び
図4に示すように、走査位置検出体31は組立図板40のフレームに取り付けられており、組立図板40及びコンベア50と一体に移動する。走査位置検出体31は、組立図板40のフレームから上方に伸び、その途中で、組立図板40の面と平行な方向に櫛歯状に伸びるように形成されている。走査位置検出体31の櫛歯は、組立図板40の長手方向に対して、0°超90°以下の角度の方向に伸びている。本実施形態において、櫛歯の角度は、45°とされている。なお、櫛歯の角度が大きい場合、組立図板40の縦方向の測定精度が向上する。また、櫛歯の角度が小さいと、櫛歯の本数が少なくても櫛歯の位置を検出することが可能である。
【0042】
図8は、本発明の実施形態に係る寸法検査システム100が備える走査位置検出体31において、光線が走査される際に光線が照射される位置を説明するための概略図である。
図8において左側の図は組立図板40の上側から見たときに光線が照射される位置を示す図であり、
図8において右側の図は組立図板40の側面側から見たときに光線が照射される位置を示す図である。
【0043】
走査位置検出体31は、
図8に示す位置(
図8の破線L2)に光源部11から出力される線状光を受けると、
図8に示すように走査位置検出体31の2か所(
図8においてR1で示す位置)に光が照射されるため、この2か所(2点)の高さが測定されることになる。そして、
図9に示すように、組立図板がy1の位置からy2の位置に移動し、光源部11から出力される線状光の走査位置が
図9に示す破線L3上になると、走査位置検出体31の3か所(
図9においてR2で示す位置)に光が照射されるため、3か所(3点)の高さが測定される。
すなわち、走査位置が破線L2上の場合、距離x1の範囲内に2点の高さが測定され、走査位置が破線L3上の場合、距離x2の範囲内に3点の高さが測定されるのである。
【0044】
上述のように光線の走査位置に応じて、走査位置検出体31に光が照射される位置と、走査位置検出体31において測定される点の数とが連続的に変化する。そして、走査位置検出体31の測定の開始位置と、前述の測定点の連続的な変化とにより、光源部11から出力される光が、組立図板40上のどの位置を走査しているかが演算部21によって算出され、光の走査位置のデータを取得することができるようになっている。
【0045】
なお、走査位置検出体31の形状は、上述した走査位置検出体31に限られるものではない。
図10は、走査位置検出体の変形例を示す図である。走査位置検出体131には、
図10に示すように、格子状のスリットSが形成されており、光線のスリットSの通過有無を反射光の強度や位置から判定することにより、走査位置が特定される構成としても良い。
【0046】
なお、光源部11から出力される光の走査位置のデータを取得するために、コンベア50の駆動モータの回転角度を検出するエンコーダのパルスを用いる方法もあるが、コンベアの駆動モータから、チェーン等の動力伝達部を経て、組立図板の走行系までの機械的ながたつきにより、組立図板の移動位置を正確に取得することは困難である。
【0047】
また、本実施形態において、寸法検査システム100は、基準寸法体32を備えている。この基準寸法体32は、予め校正された寸法精度の高い立体形状の部品であり、組立図板40又はその周辺に少なくとも一つ配置され、ワイヤーハーネスWと共に三次元計測手段により、三次元計測される。本実施形態では、
図3に示すように、組立図板40上に、基準寸法体32が配置されている。演算部21は、基準寸法体32を計測するように三次元計測手段10を制御し、基準寸法体32の寸法を算出し、基準寸法体32の算出値と、予め登録された基準寸法体32の寸法の値とを比較し、この比較に基づいて算出された三次元データの全体を校正する。なお、基準寸法体32は走査位置検出体31を兼ねることもできる。
【0048】
具体的には、例えば
図11に示すように、2か所の採寸点が特定された場合、この2か所の採寸点の間にあるワイヤーハーネスWの長さを算出する。まず、採寸点間の直線距離L4と最も近くにある基準寸法体32の寸法を算出し、この基準寸法体32の算出値を予め登録された基準寸法値で校正し、L4を校正する。次いで、採寸点1と採寸点2との間のワイヤーハーネスWの経路から経路長L5を算出する。このとき、上述したように、ワイヤーハーネスWの三次元データに基づいて、スプライン曲線や曲線当てはめ法で補完し、ワイヤーハーネスWの曲がりや弛みが考慮された長さL5が算出される。
【0049】
次に、本発明の実施形態に係る寸法検査装置1及び寸法検査システム100を用いた寸法検査方法について説明する。
コンベア50上を搬送され、組立図板40上に組立てられたワイヤーハーネスWは、寸法検査装置1の位置に搬送される。ここで、光源部11から光が出力され、組立図板40の縦方向に線状に照射される。このとき、組立図板40はコンベアの進行方向に搬送されるので、光源部11から線状光を連続的に照射することにより、組立図板40の横方向全体にわたって線状光を照射する。
【0050】
光源部11から出力された光は、組立図板40、ワイヤーハーネスW、走査位置検出体31、基準寸法体32、電線保持具42などに反射され、この反射光が受光部12へ入力される。この受光部12が受光した光の情報に基づいて、演算部21が、組立図板40の面内方向及び高さのデータに変換する。具体的には、組立図板40の横方向、縦方向、及び組立図板40の面からの高さの情報が得られることになる。
【0051】
次に、本実施形態においては、基準寸法体32の実測値と、予め登録された基準寸法体32の値とを比較し、三次元データを校正する。この校正は、演算部21によって行われる。
【0052】
次に、採寸点の情報を含む予め登録された三次元データと、算出された三次元データを比較することにより、算出された三次元データにおける採寸点の位置を特定する。例えば検査対象とは異なるワイヤーハーネスが配設された組立図板40に対して、三次元計測を行って三次元データを算出し、三次元データの中から採寸点の位置を特定し、採寸点の情報を含む三次元データを予め位置特定部22に登録しておけば良い。この採寸点の位置の特定は、位置特定部22により行われる。
次いで、採寸点間におけるワイヤーハーネスWの長さを測長する。この測長は、測長部23により行われる。
【0053】
具体的には、
図12に示すように組立図板40上の(1)〜(7)に示す位置に光源部11から線状光を照射したときに得られる、三次元データとしては、例えば
図13に示すような三次元データが得られる。
図13において、三次元データは、組立図板40の横方向位置(1)〜(7)における、組立図板40の縦方向位置と高さの関係のデータとして表されている。
図13において、横軸は組立図板40の縦方向位置、縦軸は組立図板40の面からの高さを示している。
【0054】
ここで、予め採寸点が登録された三次元データと、
図13に示す取得された三次元データとを比較し、採寸点の位置を特定する。採寸点の位置を特定した後に、これらの採寸点間におけるワイヤーハーネスWの長さを測長する。
なお、
図13において、矢印Aで示される点は基準寸法体32、矢印Bで示される点は採寸点(電線保持具42)、矢印Cで示される点はワイヤーハーネスWを示している。採寸点間におけるワイヤーハーネスWがたわんでいるため、採寸点間において
図13に示されるように、ワイヤーハーネスの高さ位置が連続的に変化している。
【0055】
次に、測長されたワイヤーハーネスWの長さが所定の寸法の範囲内か否かを判定する。例えば、測長されたワイヤーハーネスWの経路長及び公差と、予め登録された経路長及び公差とを比較して合否の判定を行う。この判定は、合否判定部24(判定部)により行われる。
次に、前述の合否判定の結果を表示する。この合否判定の結果は、合否表示部25(表示部)により表示される。
以上のようにして、本実施形態に係る寸法検査装置1及び寸法検査システム100を用いた寸法検査方法が完了する。
【0056】
以上のような構成とされた本実施形態に係る寸法検査装置1、及び寸法検査方法によれば、三次元計測手段10を用いて三次元データ(走査位置及び縦方向に対する高さのデータ(輝線の像))を取得し、ワイヤーハーネスWの所定の位置の長さを自動で測長するので、短時間かつ一定の精度でワイヤーハーネスWの長さを測長することができる。これにより、ワイヤーハーネスWを所定の寸法に製造できているかどうかを確認し、短時間で正確な合否判定をすることができる。
【0057】
また、ワイヤーハーネスWの製造ライン上に寸法検査装置1を設けることで寸法検査を行えるので、製造ラインを大きく変えることなく、簡素かつ安価に寸法検査装置1を導入することができる。
【0058】
また、本実施形態においては、寸法検査システム100は、走査位置検出体31を備えており、エンコーダなどの外部からの測定により、光源から出力される光の走査位置を特定する必要がないため、光の走査位置の測定精度を高めることができる。したがって、組立図板40がコンベア50上を搬送台41などに載置されて搬送される場合であっても、精度良く光の走査位置を特定できる。また、エンコーダなどを使用しないため、寸法検査装置1を低コストにできる。
【0059】
また、組立図板40はコンベア50上を移動するため走行系にガタやズレが生じたり、組立図板40にはゆがみなどが加わったりことがある。これにより算出される三次元データには、誤差が生じることがあるが、本実施形態においては、寸法検査システム100が基準寸法体32を備え、三次元データを校正する構成とされているので、精度の高い三次元データを取得することができ、ワイヤーハーネスWの長さを精度良く測長することが可能である。
【0060】
また、本実施形態においては、位置特定部22が、設定した採寸点の情報を含む予め登録された三次元データと、算出された三次元データとを比較し、取得した三次元データにおける採寸点の位置を特定する構成とされているので、精度良く採寸点の位置を特定することができる。
【0061】
なお、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0062】
上記実施の形態では、寸法検査装置1は、位置特定部22、合否判定部24、合否表示部25を備える場合について説明したが、これらを備えていなくても良い。
また、上記実施の形態では、寸法検査システム100は、基準寸法体32と走査位置検出体31とを備える場合について説明したが、基準寸法体32及び走査位置検出体31のうちどちらか一方を備えていなくても良い。