特許第6395727号(P6395727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6395727吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395727
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 6/00 20060101AFI20180913BHJP
   A61F 13/15 20060101ALN20180913BHJP
【FI】
   C08F6/00
   !A61F13/15
【請求項の数】11
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-555635(P2015-555635)
(86)(22)【出願日】2014年1月20日
(65)【公表番号】特表2016-506982(P2016-506982A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2014050988
(87)【国際公開番号】WO2014118025
(87)【国際公開日】20140807
【審査請求日】2017年1月17日
(31)【優先権主張番号】13153279.8
(32)【優先日】2013年1月30日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン バウアー
(72)【発明者】
【氏名】ノアベアト ヘアファート
(72)【発明者】
【氏名】リュディア ケーニヒ
(72)【発明者】
【氏名】イヴォンヌ ハーゲン
(72)【発明者】
【氏名】クシアナ ロマニ フェルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】マークス シェプラー
【審査官】 三原 健治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第91/003497(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0237767(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法であって、この吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中で熱的に後処理され、この吸水性ポリマー粒子が熱的な後処理中に少なくとも60℃の温度および少なくとも8質量%の含水量を有し、この熱的な後処理前または熱的な後処理中に水または水溶液が添加され、および/またはこの熱的な後処理中に水蒸気を含むガス流が添加される方法において、
前記の熱的な後処理を少なくとも1つの界面活性剤の存在下に実施し、少なくとも1つの界面活性剤が、ラウリルグリコシド、ココグリコシド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド及び/又はヘキサデシル−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムジハイドロジェンホスフェートであり、
前記吸水性ポリマー粒子は、
a)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1つの、酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、
b)少なくとも1つの架橋剤、
c)少なくとも1つの開始剤、および
f)水
を含有するモノマー溶液を液滴化し、形成された液滴を加熱されたキャリヤーガス流中で重合させることによって得られる、ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記界面活性剤は、吸水性ポリマー粒子に対して、0.0005〜0.01質量%が使用されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記吸水性ポリマー粒子は、熱的な後処理中に80〜110℃の温度を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記の熱的な後処理前または熱的な後処理中に、水または水溶液は、吸水性ポリマー粒子に対して、0.05〜20質量%添加されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記の熱的な後処理中に添加されるガス流は、乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.05〜1.0kg含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記混合機中での平均滞留時間は、10〜120分であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記の熱的な後処理に使用されるガス容量は、非連続的混合機において、吸水性ポリマー粒子1kg当たり、0.01〜5Nm3/hであるか、または連続的混合機において、通過する吸水性ポリマー粒子1kg/h当たり、0.01〜5Nm3/hであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記の熱的な後処理は、水平型ミキサー中で実施されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記モノマーa)は、少なくとも25モル%が中和されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記モノマーa)は、少なくとも50モル%がアクリル酸であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記モノマー溶液は、中和されていないモノマーa)に対して、架橋剤b)を少なくとも0.1質量%含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法に関し、この場合吸水性ポリマー粒子は、回転型混合工具を備えた混合機中で少なくとも60℃の温度で水および界面活性剤の存在下に熱的に後処理される。
【0002】
吸水性ポリマー粒子の製造は、専攻論文“Modern Superabsorbent Polymer Technology”,F.L.BuchholzおよびA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,第71〜103頁に記載されている。
【0003】
吸水性ポリマーは、おむつ、タンポン、生理帯および別の衛生用品を製造するための、水溶液を吸収する製品として使用されているが、しかし、農業園芸における保水剤としても使用されている。吸水性ポリマーは、「超吸収性ポリマー」または「超吸収剤」とも呼称される。
【0004】
WO 2008/095901A1には、流動化状態における水蒸気での熱的な後処理により、残留モノマーを除去する方法が記載されている。
【0005】
WO 2011/117215A1には、吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法が記載されており、この場合吸水性ポリマー粒子は、回転型混合工具を備えた混合機中で少なくとも60℃の温度で水蒸気の存在下に熱的に後処理される。
【0006】
本発明の課題は、吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去するための改善された温和な方法を提供することであった。殊に、比較的高い含水量の場合、凝集塊の発生は、阻止されるべきであるかまたは少なくとも抑制されるべきである。
【0007】
少なくとも2個の互いに結合された一次粒子からなりかつ熱的な後処理工程中に形成されかつ850μmを上回る粒度を有する粒子は、凝集塊と呼称される。
【0008】
前記課題は、吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法であって、この吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中で熱的に後処理され、この吸水性ポリマー粒子が熱的な後処理中に少なくとも60℃の温度および少なくとも8質量%の含水量を有し、この熱的な後処理前または熱的な後処理中に水または水溶液が添加され、および/またはこの熱的な後処理中に水蒸気を含むガス流が添加される方法において、前記の熱的な後処理を少なくとも1つの界面活性剤の存在下に実施し、少なくとも1つの界面活性剤が極性基および非極性基を有し、この界面活性剤の極性基と非極性基がカルボン酸エステル基を介して結合されておらず、この極性基が少なくとも1個のヒドロキシル基、陽イオン性基または陰イオン性基を有し、かつ前記非極性基がC4〜C20アルキル鎖を有することを特徴とする、前記方法によって解決された。
【0009】
吸水性ポリマー粒子の温度は、熱的な後処理中に、特に60〜140℃、特に有利に70〜125℃、殊に有利に80〜110℃である。
【0010】
吸水性ポリマー粒子の含水量は、熱的な後処理中に、特に8〜50質量%、特に有利に12〜30質量%、殊に有利に15〜25質量%である。
【0011】
極性基として、陽イオン性基が好ましい。さらに、界面活性剤混合物が好ましい。この界面活性剤混合物中には、有利に、非極性基としての異なる直鎖状アルキル鎖および/または分枝鎖状アルキル鎖を有する界面活性剤が含有されている。そのアルキル鎖がヤシ油に由来する界面活性剤混合物、すなわちC6アルキル鎖、C8アルキル鎖、C10アルキル鎖、C12アルキル鎖、C14アルキル鎖、C16アルキル鎖およびC18アルキル鎖を有する界面活性剤混合物が特に好ましい。
【0012】
本発明は、デアグロメレーション助剤としての一定の界面活性剤の添加によって凝集塊の発生が低下されうるという認識に基づくものである。その際に、界面活性剤の極性基と非極性基とが熱的な後処理の条件下でも結合されたままであることは、本質的なことであると思われる。前記箇所に加水分解に敏感なカルボン酸エステル基を有する界面活性剤は、不適当である。
【0013】
適当な界面活性剤または界面活性剤混合物は、次のとおりである:
a)アルキルグリコシドおよびポリグリコシド、例えばラウリルグリコシド、ココグリコシドおよびこれらの化合物を含有する界面活性剤混合物。この種の界面活性剤は、Plantacare(登録商標)(BASF SE社)およびEuperlan(登録商標)(BASF SE)およびLutensol(登録商標)GD(BASF SE社)の商品名で入手可能である。例示的に、ココグリコシド(Plantacare(登録商標)818UP、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9/68515−73−1)、ラウリルグリコシド(Plantacare(登録商標)1200UP、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9)、ラウリルグリコシドとココミドプロピルベタインとの混合物(Plantacare(登録商標)K55、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9/61789−40−0)、ナトリウムラウレトスルフェートとラウリルグリコシドとの混合物(Plantacare(登録商標)PS10、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9/68891−38−3)、ラウリルグリコシドおよびステアリルシトレートを有するパール光沢様ワックス分散液(Euperlan(登録商標)Green、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9/1137−33−4)、ココグリコシドを有するスチレン/アクリレート分散液(Euperlan(登録商標)PCO、BASF SE社)を挙げることができる。
b)一般的な構造式H2n+1nO(C24O)nHのエトキシル化アルキルアルコール、殊に脂肪アルコール、オキソアルコール、グエルベトアルコール。この種の界面活性剤は、例えばLutensol(登録商標)AT、AO、TO、XP、XL、XA、ON(BASF SE社)の商品名で入手可能である。
c)エトキシル化アルキルフェノール、例えばLutensol(登録商標)AP(BASF SE社)。
d)エトキシル化ヒマシ油、例えばEmulan(登録商標)(BASF SE社)。
e)エトキシル化アルキルアミド、例えばオレイルアミド、ココアミド、オレイン酸アミド。この種の界面活性剤は、Lutensol(登録商標)FAおよびFSA(BASF SE社)の商品名で入手可能である。
f)陽イオン性界面活性剤、例えば塩化ベンザルコニウム、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ミリスタルコニウムクロリド、セタルコニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジテトラデシルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシル−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムジハイドロジェンホスフェート、特に好ましくは、Luviquat(登録商標)Mono CP(BASF SE社)の商品名で入手可能なヘキサデシル−(2−ヒドロキシルエチル)ジメチルアンモニウムジハイドロジェンホスフェートである。
【0014】
殊に好ましくは、ラウリルグリコシド、ココグリコシド、ジタロージメチルアンモニウムクロリドおよびヘキサデシル−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムジハイドロジェンホスフェートである。
【0015】
前記界面活性剤は、そのつど吸水性ポリマー粒子に対して、特に0.0001〜0.1質量%、特に有利に0.0002〜0.05質量%、殊に有利に0.0005〜0.01質量%の量で使用される。
【0016】
前記界面活性剤は、水性抽出物の表面張力を低下させ、こうして、おむつの漏出速度を高めうる。したがって、前記界面活性剤は、好ましくは、水性抽出物の表面張力が最大で10mN/mだけ低下する程度に計量供給される。前記水性抽出物の表面張力を測定するために、ビーカー中の吸水性ポリマー粒子2gは、膨潤の完結後に、生じたヒドロゲルの上方に約1cmの厚さの水相が存在する程度に大量の水で膨潤される。引続き、水の表面直力は、張力計で測定される。
【0017】
熱的な後処理前または熱的な後処理中に、水または水溶液は、そのつど吸水性ポリマー粒子に対して、特に0.01〜25質量%、特に有利に0.05〜20質量%、殊に有利に0.1〜15質量%添加されうる。水または水溶液の温度は、特に1〜99℃、特に有利に20〜80℃、殊に有利に40〜70℃である。その際に、水または水溶液の噴霧前の吸水性ポリマー粒子の温度は、特に1〜160℃、有利に20〜120℃、特に有利に30〜100℃、殊に有利に60〜90℃の範囲内にある。好ましくは、水または水溶液は、適当な混合機中の複数のノズルを用いて施される。
【0018】
熱的な後処理中に、水蒸気を含有するガス流が添加されうる。前記ガス流は、特に乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.01〜2.0kg、特に有利に乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.05〜1.0kg、殊に有利に乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.1〜0.5kg含有する。
【0019】
熱的な後処理中の混合機中での平均滞留時間は、特に10〜120分、有利に12〜100分、特に有利に15〜90分、殊に有利に20〜40分である。
【0020】
熱的な後処理に使用されるガス容量は、非連続的混合機において、そのつど吸水性ポリマー粒子1kg当たり、0.01〜5Nm3/h、特に有利に0.05〜2Nm3/h、殊に有利に0.1〜0.5Nm3/hであり、かつ連続的混合機において、そのつど通過する吸水性ポリマー粒子1kg/h当たり、特に0.01〜5Nm3/h、特に有利に0.05〜2Nm3/h、殊に有利に0.1〜0.5Nm3/hである。この場合、ガス容量は、標準条件(0℃;1013.25hPa)で修正されたガス容量である。
【0021】
ガスの残りの成分は、特に窒素、二酸化炭素、アルゴン、キセノン、クリプトン、ネオン、ヘリウム、空気または空気/窒素混合物であり、特に有利には、窒素であるかまたは酸素10体積%を有する空気/窒素混合物である。
【0022】
酸素の存在は、吸水性ポリマー粒子の変色をもたらしする。それに比べて、空気は、特に安価である。
【0023】
本発明による方法において、回転型混合工具を備えた、当業者に公知の全ての非連続的混合機および連続的混合機、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー、ヘリカルスパイラルミキサーおよびパドルミキサーが使用されてよい。適当な混合機は、例えばベッカーショベルミキサー(Becker Shovel Mixer)(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH社;Paderborn在;DE)、ナラパドルドルミキサー(Nara Paddle Mixer)(NARA Machinery Europe社;Frenchen在;DE)、Pflugschar(登録商標)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH社;Paderborn在;DE)、ヴリエコーナウタ(Vrieco−Nauta)連続式ミキサー(Hosokawa Micron BV社;Doetinchem在;NL)、プロセッサル・ミックスミル(Processall Mixmill)ミキサー(Processall Incorporated社;Cincinnati在;US)およびルベルク(Ruberg)連続型ミキサー(Ruberg GmbH & Co KG社;Nieheim在;DE)である。本発明による方法において、特にベッカーショベルミキサー、Pflugschar(登録商標)ミキサーおよびルベルク(Ruberg)連続型ミキサーは、熱的な後処理のために使用される。
【0024】
回転型混合工具を備えた混合機は、回転軸の状態に応じて垂直型ミキサーと水平型ミキサーとに区分される。好ましくは、本発明による方法には、水平型ミキサーが使用される。
【0025】
本発明の範囲内の水平型ミキサーは、回転型混合工具を備えた混合機であり、生成物流の方向に対する、該混合機の回転軸の状態は、水平面から20°未満、特に15°未満、特に有利に10°未満、殊に有利に5°未満だけずれている。
【0026】
水平に支承された混合工具を備えた混合機には、フルード数は、次のように定義されている:
【数1】
上記式中、
r:混合工具の半径、
ω:角周波数、
g:重力加速度。
【0027】
フルード数は、特に0.1〜6、特に有利に0.15〜3、殊に有利に0.2〜1である。
【0028】
混合機の内壁は、特に70°未満、特に有利に60°未満、殊に有利に50°未満の水との接触角度を有する。この接触角度は、湿潤挙動に関する1つの基準であり、かつDIN 53900に従って測定される。
【0029】
好ましくは、本発明による方法において、生成物と接触した内壁がステンレス鋼からなる混合機が使用される。ステンレス鋼は、通常、クロム10.5〜13質量%のクロム含量を有する。高いクロム含分は、鋼表面上に二酸化からなる保護性不動態化を生じる。さらなる合金成分は、耐食性を向上させ、かつ機械的性質を改善する。
【0030】
特に好適な鋼は、例えば炭素を少なくとも0.08質量%有するオーステナイト鋼である。好ましくは、オーステナイト鋼は、鉄、炭素、クロム、ニッケルおよび任意のモリブデンと共に、なおさらなる合金成分、特にニオブまたはチタンを含有する。
【0031】
好ましいステンレス鋼は、DIN EN 10020に記載の材料番号1.43xxまたは1.45xxを有する鋼であり、この場合xxは、0〜99の自然数であることができる。特に好ましい材料は、材料番号1.4301、1.4541および1.4571を有する鋼、殊に材料番号1.4301を有する鋼である。
【0032】
好ましくは、混合機の生成物と接触した内壁は研磨されているかまたは電解研磨されている。研磨されたステンレス鋼表面は、艶消しされたかまたは粗面化された鋼表面よりも低い荒さおよび水との低い接触角度を有する。
【0033】
前記方法の実施態様において、前記混合機は、粘着防止被覆、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、分散共析されたポリテトラフルオロエチレン粒子を有するニッケル燐合金(Ni−PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)または別の適当なポリマー、例えば疎水性ポリマー、例えばシリコーン、または化学蒸着(CVD)コーティングを装備している。後者の化学蒸着(CVD)コーティングは、S.Montgomery,D.Kennedy,N.O.Dowd,“PVD and CVD Coating for the Metal Forming Industry”,Matrib 1020,Kroatienの会議論文中に記載されている。
【0034】
次に、吸水性ポリマー粒子の製造が記載される:
吸水性ポリマー粒子は、例えば
a)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1つの、酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、
b)少なくとも1つの架橋剤、
c)少なくとも1つの開始剤、
d)任意に、a)に記載されたモノマーと共重合しうる、1つ以上のエチレン性不飽和モノマー、
e)任意に、1つ以上の水溶性ポリマーまたは水溶性コポリマー
を含有するモノマー溶液を重合させることによって製造され、かつ通常、水不溶性である。
【0035】
モノマーa)は、特に水溶性であり、すなわち23℃で水中での溶解度は、典型的には少なくとも1g/水100g、有利に少なくとも5g/水100g、特に有利に少なくとも25g/水100g、殊に有利に少なくとも35g/水100gである。
【0036】
適当なモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸である。特に有利なモノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸である。殊に有利なのは、アクリル酸である。
【0037】
さらなる適当なモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS))である。
【0038】
不純物は、重合に対して重大な影響を及ぼしうる。従って、使用される原料は、できるだけ高純度を有するべきである。従って、モノマーa)を特に精製することは、しばしば好ましい。適当な精製法は、例えばWO 2002/055469A1、WO 2003/078378A1およびWO 2004/035514A1中に記載されている。適当なモノマーa)は、例えばWO 2004/035514A1の記載により精製された、アクリル酸99.8460質量%、酢酸0.0950質量%、水0.0332質量%、プロピオン酸0.0203質量%、フルフラール0.0001質量%、無水マレイン酸0.0001質量%、ジアクリル酸0.0003質量%およびヒドロキノンモノメチルエーテル0.0050質量%を有するアクリル酸である。
【0039】
モノマーa)の全量に対するアクリル酸および/またはその塩の割合は、有利に少なくとも50モル%、特に有利に少なくとも90モル%、殊に有利に少なくとも95モル%である。
【0040】
モノマーa)の酸基は、通常、部分的に、有利に少なくとも25mol%、有利に50〜80mol%、特に有利に60〜75mol%、殊に有利に65〜72mol%が中和されており、その際、通常の中和剤、有利にアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩ならびにこれらの混合物が使用されてよい。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩が使用されてもよい。ナトリウムおよびカリウムは、アルカリ金属として特に有利であるが、しかしながら水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムならびにこれらの混合物がさらに特に有利である。通常、中和は、中和剤を水溶液として、溶融物としてかまたは好ましくは固体として混入することによって達成される。例えば、50質量%を明らかに下廻る含水率を有する水酸化ナトリウムが、23℃を上廻る融点を有するろう状の塊として存在していてよい。この場合には、高めた温度で塊状材料または溶融物として計量供給することが可能である。
【0041】
任意に、モノマー溶液またはその出発物質には、1つ以上のキレート形成剤が安定化の目的で金属イオン、例えば鉄イオンのマスキングのために添加されてよい。適当なキレート形成剤は、例えばアルカリ金属クエン酸塩、クエン酸、アルカリ金属酒石酸塩、ペンタナトリウムトリ燐酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、ニトリロトリ酢酸、ならびにTrilon(登録商標)の名称で公知の全てのキレート形成剤、例えばTrilon(登録商標)C(ペンタナトリウムジエチレントリアミンペンタアセテート)、Trilon(登録商標)D(トリナトリウム−(ヒドロキシエチル)−エチレン−ジアミントリアセテート)、ならびにTrilon(登録商標)M(メチルグリシン二酢酸)である。
【0042】
モノマーa)は、通常、重合防止剤、特にヒドロキノン半エーテルを貯蔵安定剤として含有する。
【0043】
モノマー溶液は、そのつど中和されていないモノマーa)に対して、特に250質量ppmまで、有利に最大130質量ppm、特に有利に最大70質量ppm、有利に少なくとも10質量ppm、特に有利に少なくとも30質量ppm、殊に50質量ppmのヒドロキノン半エーテルを含有する。例えば、このモノマー溶液の製造のために、ヒドロキノン半エーテルを相応する量で含有する、酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを使用することができる。
【0044】
好ましいヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)および/またはα−トコフェロール(ビタミンE)である。
【0045】
適当な架橋剤b)は、架橋に適した少なくとも2個の基を有する化合物である。この種の基は、例えば、重合体鎖中にラジカル的に重合導入することができるエチレン性不飽和基、およびモノマーa)の酸基との共有結合を形成することができる官能基である。更に、また、モノマーa)の少なくとも2個の酸基との配位結合を形成することができる多価金属塩は、架橋剤b)として適している。
【0046】
架橋剤b)は、とりわけ、ポリマー網状組織中にラジカル的に重合導入することができる、少なくとも2個の重合可能な基を有する化合物である。適当な架橋剤b)は、例えば欧州特許出願公開第0530438号明細書A1中に記載されている、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン、例えば欧州特許出願公開第0547847号明細書A1、欧州特許出願公開第0559476号明細書A1、欧州特許出願公開第0632068号明細書A1、WO 93/21237A1、WO 2003/104299A1、WO 2003/104300A1、WO 2003/104301A1およびドイツ連邦共和国特許出願公開第10331450号明細書A1中に記載されている、ジアクリレートおよびトリアクリレート、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第10331456号明細書A1およびドイツ連邦共和国特許出願公開第10355401号明細書A1中に記載されている、アクリレート基と共にさらなるエチレン性不飽和基を含む混合アクリレート、または例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19543368号明細書A1、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19646484号明細書A1、WO 90/15830A1およびWO 2002/032962A2中に記載されている架橋剤混合物である。
【0047】
好ましい架橋剤b)は、ペンタエリトリットトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、メチレンビスメタクリルアミド、15箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリアリルアミンである。
【0048】
殊に有利な架橋剤b)は、例えばWO 2003/104301A1中に記載されている、アクリル酸またはメタクリル酸でジアクリレートまたはトリアクリレートにエステル化された、複数箇所エトキシル化されたおよび/または複数箇所プロポキシル化されたグリセリンである。3〜20箇所エトキシル化されたグリセリンのジアクリレートおよび/またはトリアクリレートが特に有利である。1〜5箇所エトキシル化されたおよび/または1〜5箇所プロポキシル化されたグリセリンのジアクリレートまたはトリアクリレートが殊に有利である。3〜5箇所エトキシル化されたおよび/または3〜5箇所プロポキシル化されたグリセリンのトリアクリレート、殊に3箇所エトキシル化されたグリセリンのトリアクリレートが最も有利である。
【0049】
架橋剤b)の量は、そのつどモノマーa)に対して、特に0.05〜1.5質量%、特に有利に0.1〜1質量%、殊に有利に0.3〜0.6質量%である。架橋剤の含有量が上昇すると、遠心分離保持能(CRC)は低下し、21.0g/cm2(AUL0.3psi)の圧力下での吸収は、最大を突破する。
【0050】
開始剤c)として、重合条件下でラジカル的に製造された全ての化合物、例えば熱開始剤、酸化還元開始剤、光開始剤が使用されてよい。適当な酸化還元開始剤は、ナトリウムペルオキソジスルフェート/アスコルビン酸、過酸化水素/アスコルビン酸、ナトリウムペルオキソジスルフェート/亜硫酸水素ナトリウムおよび過酸化水素/亜硫酸水素ナトリウムである。特に、熱開始剤と酸化還元開始剤との混合物、例えばナトリウムペルオキシジスルフェート/過酸化水素/アスコルビン酸が使用される。しかし、還元性成分として、特に2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩と2ーヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と亜硫酸水素ナトリウムとからなる混合物が使用される。この種の混合物は、Brueggolite(登録商標)FF6およびBrueggolite(登録商標)FF7(Brueggemann Chemicals社;Heilbronn在;DE)として入手可能である。
【0051】
酸基を有する、エチレン性不飽和モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、マレイン酸、フマル酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートである。
【0052】
水溶性ポリマーまたは水溶性コポリマーe)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、疎水性の直鎖状ポリウレタン、澱粉、澱粉誘導体、変性セルロース、例えばメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリエチレングリコールまたはポリアクリル酸、特に澱粉、澱粉誘導体および変性セルロースを使用することができる。
【0053】
通常、モノマー水溶液が使用される。モノマー溶液の含水量は、特に40〜75質量%、特に有利に45〜70質量%、殊に有利に50〜65質量%である。また、モノマー懸濁液、すなわち過剰のモノマーa)を有するモノマー溶液、例えばナトリウムアクリレートを使用することが可能である。含水量が上昇すると、エネルギー費用は、引続く乾燥の際に上昇し、含水量が減少すると、重合熱は、なお不十分にのみ導出されうる。
【0054】
好ましい重合防止剤は、最適な作用のために溶解した酸素を必要とする。従って、前記モノマー溶液からは重合前に、不活性化、すなわち不活性ガス、特に窒素または二酸化炭素を用いた貫流により、溶解された酸素が取り除かれてよい。とりわけ、前記モノマー溶液の酸素含量は、重合前に、1質量ppmより少なく、特に有利に0.5質量ppmより少なく、殊に有利に0.1質量ppmより少なく低下される。
【0055】
適した反応器は、ニーダー反応器またはベルト式反応器(Bandreaktor)である(ゲル重合)。ニーダー中で、モノマー水溶液の重合の際に生じるポリマーゲルは、例えばWO 2001/038402A1に記載されている、例えば対向撹拌軸により連続的に微粉砕される。ベルト上でのこの重合は、例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3825366号明細書A1および米国特許第6241928号明細書中に記載されている。重合の際にベルト式反応器中でポリマーゲルが生じ、これは、さらなる方法の工程、例えば押出機またはニーダー中で微粉砕されなくてはならない。
【0056】
乾燥特性を改善するために、ニーダーを用いて得られた、微粉砕されたポリマーゲルは、さらに押出されうる。
【0057】
ニーダー反応器またはベルト式反応器を使用する場合には、重合後の中和を重合の際に生じるポリマーゲルの段階で実施することが可能である。さらに、中和剤の一部をモノマー溶液に既に添加することにより、重合前に酸基を40mol%まで、特に10〜30mol%、特に好ましくは15〜25mol%中和することが可能であり、所望の最終中和度は、重合の後に初めてポリマーゲルの段階で調節される。前記ポリマーゲルを少なくとも部分的に重合後に中和する場合、前記ポリマーゲルは、とりわけ機械的に、例えば押出機を用いて微粉砕され、この場合、中和剤は、噴霧されるか、散布されるか、または注入され、次に入念に混合されることができる。そのために、得られたゲル材料は、なお数回均質化のために押出されうる。
【0058】
得られたポリマーゲルは、特にベルト乾燥機を用いて、残留湿分が特に0.5〜15質量%、特に有利に1〜10質量%、殊に有利に2〜8質量%になるまで乾燥され、この場合には、残留湿分は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験法No.WSP230.2−05“湿分含量 Moisture Content”により測定される。残留湿分が高すぎる場合には、乾燥されたポリマーゲルは、低すぎるガラス転移温度Tgを有し、後加工が困難になる。残留湿分が低すぎる場合には、乾燥されたポリマーゲルは、脆すぎ、引き続く粉砕工程において、低すぎる粒度(“微細”)を有する望ましくない大量のポリマー粒子を生じる。前記ゲルの固体含量は、乾燥前に特に25〜90質量%、特に有利に35〜70質量%、殊に有利に40〜60質量%である。しかしながら、選択的に、この乾燥のために、流動層乾燥機またはパドル式乾燥機が使用されてもよい。
【0059】
乾燥したポリマーゲルは、この後で微粉砕されかつ分級され、この場合、微粉砕のために、通常、1段階または多段階のロールミル、有利に2段階または3段階のロールミル、ピン付きミル、ハンマーミルまたはスイングミルが使用されてよい。
【0060】
製品画分として分離されるポリマー粒子の平均粒度は、特に少なくとも200μm、特に有利に250〜600μm、殊に有利に300〜500μmである。製品画分の平均粒度は、EDANAによって推奨された試験法No.WSP220.2−05“粒径分布 Partikel Size Distribution”により算出されることができ、この場合篩画分の質量分は、累積されてプロットされ、平均粒度は、グラフにより規定される。この場合、平均粒度は、目開きの値であり、この値は、累積された50質量%をもたらす。
【0061】
少なくとも150μmの粒度を有する粒子の割合は、特に少なくとも90質量%、特に有利に少なくとも95質量%、殊に有利に少なくとも98質量%である。
【0062】
低すぎる粒度を有するポリマー粒子は、浸透率(SFC)を低下させる。従って、小さすぎるポリマー粒子(“微細”)の割合は、僅かであるべきであった。
【0063】
従って、小さすぎるポリマー粒子は、通常、分離され、かつ方法に返送される。これは、特に重合前、重合中または重合直後に、すなわちポリマーゲルの乾燥前に行なわれる。小さすぎるポリマー粒子は、返送前または返送中に水および/または水性界面活性剤で湿潤されうる。
【0064】
その後の方法の工程において、例えば表面後架橋または別の被覆工程の後に、小さすぎるポリマー粒子を分離することも可能である。この場合、返送された小さすぎるポリマー粒子は、表面後架橋されているかまたは別の方法で、例えば熱分解法珪酸で被覆されていてよい。
【0065】
重合のためにニーダー反応器を使用する場合には、小さすぎるポリマー粒子は、特に重合の最後の三分の一の間に添加される。
【0066】
小さすぎるポリマー粒子が極めて早期に、例えば既にモノマー溶液に添加された場合には、それによって、得られた水吸収性ポリマー粒子の遠心分離保持能(CRC)は、低下される。しかし、これは、例えば使用量を架橋剤b)に適合させることによって補償されうる。
【0067】
小さすぎるポリマー粒子が極めて後期に、例えば重合反応器に後接続された装置中、例えば押出機中で初めて添加された場合には、小さすぎるポリマー粒子は、得られたポリマーゲル中に混入させることが困難である。しかし、不十分に混入された、小さすぎるポリマー粒子は、微粉砕中に再び乾燥されたポリマーゲルによって溶解し、したがって、分級の際に改めて分離され、返送すべき、小さすぎるポリマー粒子の量は、上昇する。
【0068】
最大850μmの粒度を有する粒子の割合は、特に少なくとも90質量%、特に有利に少なくとも95質量%、殊に有利に少なくとも98質量%である。
【0069】
大きすぎる粒度を有するポリマー粒子は、膨潤速度を低下させる。従って、大きすぎるポリマー粒子の割合は、同様に僅かであるべきである。
【0070】
従って、大きすぎるポリマー粒子は、通常分離され、乾燥されたポリマーゲルの微粉砕に返送される。
【0071】
しかし、モノマー水溶液を滴下し、形成された液滴を加熱されたキャリヤーガス流中で重合させることも可能である。この場合、方法の工程は、WO 2008/052971 A1およびWO 2011/026876 A1の記載と同様に重合および乾燥を併用することができる。
【0072】
このために、モノマー溶液は、少なくとも1つの孔により、液滴の形成下に反応室内に計量供給される。孔は、例えば滴下板中に存在することができる。
【0073】
滴下板は、少なくとも1つの孔を有する板であり、この場合液体は、上方から孔を通過する。滴下板または液体は、振動状態に変えることができ、それによって孔ごとに滴下板の下側で理想的な単分散系の液滴チェーン(Tropfenkette)が形成される。1つの好ましい実施態様において、滴下板は、励起されない。
【0074】
孔の数および寸法は、望ましい容量および液滴寸法により選択される。この場合、液滴の直径は、通常、孔の直径の1.9倍である。この場合、滴下すべき液体が、急速すぎずに孔を通過するかまたは穿孔に亘っての圧力損失が大きすぎないことは、重要である。さもなければ、液体は、滴下せず、液体噴流は、高い動的エネルギーのために分裂される(噴霧される)。孔ごとの通過量および孔直径に対するレイノルズ数は、特に2000未満、有利に1600未満、特に有利に1400未満、殊に有利に1200未満である。
【0075】
滴下板の下側は、特に少なくとも60°、特に有利に少なくとも75°、殊に有利に少なくとも90°の水との接触角度(Randwinkel)を有する。
【0076】
接触角度は、表面に対する水の湿潤挙動に関する1つの基準であり、および例えばASTM D 5725に記載の通常の方法で測定されうる。低い接触角度は、良好な湿潤を意味し、高い接触角度は、劣悪な湿潤を意味する。
【0077】
しかし、滴下板が水との低い接触角度を有する材料、例えば材料番号1.4571を有する鋼からなり、かつ水との大きな接触角度を有する材料で被覆されることも可能である。
【0078】
適当な被覆は、例えばフッ素含有ポリマー、例えばペルフルオロアルコキシエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーおよびフッ素化ポリエチレンである。
【0079】
被覆は、分散液として施されてもよく、この場合分散剤は、引き続く加熱の際に蒸発する。この種の方法は、例えば米国特許第3243321号明細書中に記載されている。
【0080】
さらなる被覆法は、“Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry”の電子版における見出し語“Thin Films”の下で見出せる。
【0081】
しかし、被覆は、無電解ニッケルめっきによって製造されたニッケル層であってもよい。
【0082】
滴下板の劣悪な湿潤可能性のために、狭い液滴寸法分布を有する単分散液滴が得られる。
【0083】
滴下板は、特に少なくとも5個、特に有利に少なくとも25個、殊に有利に少なくとも50個、および特に750個まで、特に有利に500個まで、殊に有利に250個までの孔を有する。孔の直径は、望ましい液滴寸法に相応して選択される。
【0084】
孔の直径は、特に50〜500μm、特に有利に100〜300μm、殊に有利に150〜250μmである。
【0085】
孔を通過する際のモノマー溶液の温度は、特に5〜80℃、特に有利に10〜70℃、殊に有利に30〜60℃である。
【0086】
孔の間隔は、特に10〜50mm、特に有利に12〜40mm、殊に有利に15〜30mmである。間隔が短すぎると、凝集塊の形成をまねく。
【0087】
重合反応器は、キャリヤーガスによって貫流される。この場合、このキャリヤーガスは、自由に落下する前記モノマー溶液の液滴に対して並流または向流で反応室に導通されてよく、好ましくは並流、すなわち下方から上方への並流で反応室に導通されてよい。有利には、前記キャリヤーガスは、通過後に少なくとも部分的に、有利には少なくとも50%、特に有利には少なくとも75%が循環ガスとして前記反応室中に返送される。通常、キャリヤーガスの部分量は、そのつどの通過後に、特に10%まで、特に有利に3%まで、殊に有利に1%まで排出される。
【0088】
キャリヤーガスの酸素含量は、特に0.5〜15体積%、特に有利に1〜10体積%、殊に有利に2〜7体積%である。
【0089】
キャリヤーガスは、酸素と共に特に窒素を含有する。キャリヤーガスの窒素含量は、特に少なくとも80体積%、特に有利に少なくとも90体積%、殊に有利に少なくとも95体積%である。さらなる適当なキャリヤーガスは、二酸化炭素、アルゴン、キセノン、クリプトン、ネオンおよびヘリウムである。ガス混合物が使用されてもよい。キャリヤーガスは、水蒸気および/またはアクリル酸蒸気で負荷されてもよい。
【0090】
ガス速度は、特に、重合反応器中の流れが方向を定め、例えば規定された対流渦流と反対の一般的な流れ方向が全く存在せず、および通常、0.1〜2.5m/秒、特に0.3〜1.5m/秒、有利に0.5〜1.2m/秒、特に有利に0.6〜1.0m/秒、殊に有利に0.7〜0.9m/秒であるように調節される。
【0091】
前記反応器を通過するキャリヤーガスは、有利に反応器の前方で反応温度に予熱される。
【0092】
好ましくは、ガス流入温度は、ガス流出温度、すなわちキャリヤーガスが反応室を離れる温度が通常90〜150℃、特に100〜140℃、有利に105〜135℃、特に有利に110〜130℃、殊に有利に115〜125℃であるように調整される。
【0093】
この反応は、過圧または減圧で実施されてよく、環境圧力に対して100mbarまでの減圧は、有利である。
【0094】
この反応排出ガス、すなわち反応室を離れるガスは、例えば熱交換器中で冷却されてよい。その際に、水および未反応モノマーa)は凝縮する。その後に、反応排出ガスは、少なくとも部分的に再度加熱され、かつ循環ガスとして反応器中に返送されてよい。反応排出ガスの一部は、排出されてよく、新鮮なキャリヤーガスにより置換されてよく、その際に反応排出ガス中に含有されている水と未反応モノマーa)は、分離されてよく、かつ返送されてよい。
【0095】
特に好ましいのは、熱結合(Waermeverbund)であり、すなわち、排出ガスの冷却の際の排熱の一部は、循環ガスの再加熱のために使用される。
【0096】
反応器は、随伴加熱(begleitenbeheizen)されてよい。この場合、この随伴加熱は、この壁温度が反応器内部温度の少なくとも5℃上方にあり、かつこの反応壁での凝縮が確実に減少されるように調節される。
【0097】
引続き、反応生成物は、熱的に後処理され、かつ任意に望ましい含水量になるまで乾燥される。
【0098】
吸水性ポリマー粒子は、前記性質をさらに改善するために表面後架橋されてよい。適当な表面後架橋剤は、ポリマー粒子の少なくとも2個のカルボキシラート基と共有結合を形成することができる基を含む化合物である。適当な化合物は、例えば欧州特許出願公開第0083022号明細書A2、欧州特許出願公開第0543303号明細書A1および欧州特許出願公開第0937736号明細書A2中に記載されている、多価アミン、多価アミドアミン、多価エポキシド、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3314019号明細書A1、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3523617号明細書A1および欧州特許出願公開第0450922号明細書A2中に記載されている、二価アルコールまたは多価アルコール、またはドイツ連邦共和国特許出願公開第10204938号明細書A1および米国特許第6239230号明細書中に記載されているβ−ヒドロキシアルキルアミドである。
【0099】
さらに、ドイツ連邦共和国特許第4020780号明細書C1中には、環式カーボネートが適当な表面後架橋剤として記載され、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19807502号明細書A1中には、2−オキサゾリジノンおよびその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリジノンが適当な表面後架橋剤として記載され、ドイツ連邦共和国特許第19807992号明細書C1中には、ビス−2−オキサゾリジノンおよびポリ−2−オキサゾリジノンが適当な表面後架橋剤として記載され、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19854573号明細書A1中には、2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジンおよびその誘導体が適当な表面後架橋剤として記載され、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19854574号明細書A1中には、N−アシル−2−オキサゾリジノンが適当な表面後架橋剤として記載され、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10204937号明細書A1中には、環式尿素が適当な表面後架橋剤として記載され、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10334584号明細書A1中には、二環式アミドアセタールが適当な表面後架橋剤として記載され、欧州特許出願公開第1199327号明細書A2中には、オキセタンおよび環式尿素が適当な表面後架橋剤として記載され、およびWO 2003/031482A1中には、モルホリン−2,3−ジオンおよびその誘導体が適当な表面後架橋剤として記載されている。
【0100】
好ましい表面後架橋剤は、エチレンカーボネート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドとエピクロロヒドリンとの反応生成物およびプロピレングリコールと1,4−ブタンジオールとからなる混合物である。
【0101】
殊に好ましい表面後架橋剤は、エチレンカーボネート、2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリジノン、2−オキサゾリジノンおよび1,3−プロパンジオールである。
【0102】
さらに、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3713601号明細書A1中に記載されている、付加重合可能なエチレン性不飽和基を含む表面後架橋剤が使用されてもよい。
【0103】
表面後架橋剤の量は、そのつどポリマー粒子に対して、特に0.001〜5質量%、特に有利に0.02〜2.5質量%、殊に有利に0.03〜1質量%、とりわけ有利に0.05〜0.2質量%である。
【0104】
本発明の好ましい実施態様において、表面後架橋前、表面後架橋中または表面後架橋後に表面後架橋剤に加えて、陽イオン、特に多価陽イオンは、粒子表面上に施される。
【0105】
本発明による方法に使用可能な陽イオンまたは多価陽イオンは、例えばアンモニウム、二価陽イオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄およびストロンチウムの陽イオン、三価陽イオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類およびマンガンの陽イオン、四価陽イオン、例えばチタンおよびジルコニウムの陽イオンである。対イオンとして、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、燐酸水素イオン、燐酸二水素イオンおよびカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、ラクトアミドイオン、グリシンイオン、グリコール酸イオン、3−ヒドロキシプロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、メタンスルホンアミドイオンならびに特許出願WO 2012/045705 A1中に記載された対イオン、およびこれらの混合物が可能である。
【0106】
硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウムおよび酢酸ジルコニウムが好ましい。金属塩以外に、ポリアミンも多価陽イオンとして使用されうる。
【0107】
さらなる実施態様において、陽イオンと対イオンとからなる有機塩は、さまざまな方法の工程において、例えば表面後架橋前、表面後架橋中または表面後架橋後に、別々の添加によって製造されうる。前記添加は、任意の順序で行なうことができる。特に好ましくは、陽イオンは、アンモニウムならびにアルミニウム陽イオンおよびジルコニウム陽イオンである。有機対イオンとしては、特に、遊離酸および塩の形の、カルボン酸対イオン、例えば酢酸対イオン、乳酸対イオン、グリコール酸対イオン、クエン酸対イオン、ならびにカルボキサミド対イオン、例えばラクトアミド対イオン、グリシン対イオンがこれらに該当する。
【0108】
多価カチオンの使用量は、例えば、そのつどポリマー粒子に対して、0.001〜1.5質量%、特に0.005〜1質量%、特に有利に0.02〜0.8質量%である。
【0109】
表面後架橋は、通常、表面後架橋剤の溶液が乾燥したポリマー粒子上に噴霧されることによって実施される。この噴霧に引き続き、表面後架橋剤で被覆されたポリマー粒子は、加熱乾燥され、この場合表面後架橋反応は、乾燥前でも乾燥中でも行なわれうる。
【0110】
表面後架橋剤の溶液の噴霧は、有利に可動式混合工具を備えたミキサー中で、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサーおよびパドルミキサー中で実施される。特に好ましいのは、水平型ミキサー、例えばパドルミキサーであり、殊に好ましいのは、縦型ミキサーである。水平型ミキサーと縦型ミキサーとは、混合軸の軸受けにより区別され、すなわち水平型ミキサーは、水平に支承された混合軸を有し、かつ縦型ミキサーは、鉛直に支承された混合軸を有する。適当なミキサーは、例えば水平型Pflugschar(登録商標)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH社,Paderborn在;DE)、Vrieco−Nauta Continuous Mixer(Hosokawa Micron BV社;Doetinchem在;NL)、Processall Mixmill Mixer(Processall Incorporated社;Cincinnati在;US)およびSchugi Flexomix(登録商標)(Hosokawa Micron BV社;Doetinchem在;NL)である。しかし、表面後架橋剤溶液を流動層中で噴霧することも可能である。
【0111】
表面後架橋剤は、典型的には水溶液として使用される。ポリマー粒子中への表面後架橋剤の侵入深さは、非水溶性溶剤の含量または全溶剤量により調節されうる。
【0112】
水だけを溶剤として使用する場合には、有利に界面活性剤が添加される。それによって、湿潤挙動は、改善され、かつ団塊化傾向は、減少される。しかし、特に溶剤混合物、例えばイソプロパノール/水、1,3−プロパンジオール/水、プロピレングリコール/水およびエチレンカーボネート/水が使用され、この場合混合物の質量比は、特に20:80〜40:60である。
【0113】
この場合、界面活性剤として、特に本発明による界面活性剤および本発明による界面活性剤混合物が使用される。
【0114】
加熱乾燥は、特に接触乾燥機、特に好ましくはパドル型乾燥機、殊に好ましくはディスク型乾燥機中で実施される。適当な乾燥機は、例えばHosokawa Bepex(登録商標)水平のパドル型乾燥機(Hosokawa Micron GmbH社;Leingarten在;DE)、Hosokawa Bepex(登録商標)ディスク型乾燥機(Hosokawa Micron GmbH社;Leingarten在;DE)およびNara Paddle Dryer(NARA Machinery Europe社;Frechen在;DE)である。さらに、流動層乾燥機を使用することもできる。
【0115】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱または熱風の吹き込みによって行なうことができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉かまたは加熱可能なスクリューは、同様に好適である。特に有利には、流動層乾燥機中で混合され、かつ乾燥される。
【0116】
好ましい乾燥温度は、100〜250℃、有利に120〜220℃、特に有利に130〜210℃、殊に有利に150〜200℃の範囲内にある。反応ミキサーまたは乾燥機中での前記温度での好ましい滞留時間は、特に少なくとも10分、特に有利に少なくとも20分、殊に有利に少なくとも30分、および通常最大60分である。
【0117】
引続き、表面後架橋されたポリマー粒子は、再び分級され、その際に小さすぎるポリマー粒子および/または大きすぎるポリマー粒子は、分離され、かつ方法に返送される。
【0118】
表面後架橋されたポリマー粒子は、前記性質をさらに改善するために被覆されることができるか、または後湿潤されることができる。
【0119】
後湿潤は、特に30〜80℃、特に有利に35〜70℃、殊に有利に40〜60℃で実施される。低すぎる温度の場合には、吸水性ポリマー粒子は、団塊化の傾向を有し、比較的高い温度の場合には、既に著しく水が蒸発する。後湿潤に使用される水量は、特に1〜10質量%、特に有利に2〜8質量%、殊に有利に3〜5質量%である。ポリマー粒子の機械的安定性は、後湿潤によって高められ、このポリマー粒子の静電帯電の傾向は、減少される。
【0120】
膨潤速度ならびに浸透率(SFC)を改善するのに適した被覆は、例えば無機の不活性物質、例えば水不溶性金属塩、有機ポリマー、陽イオン性ポリマーならびに二価金属陽イオンまたは多価金属陽イオンである。ダスト結合に適した被覆は、例えばポリオールである。ポリマー粒子の望ましくない焼き付き傾向に抗して適した被覆は、例えば熱分解法珪酸、例えばAerosil(登録商標)200、界面活性剤、例えばSpan(登録商標)20、および本発明による界面活性剤および本発明による界面活性剤混合物である。
【0121】
本発明による方法は、残留モノマーの極めて低い含量を有する吸水性ポリマー粒子の製造を可能にする。
【0122】
本発明によるさらなる対象は、本発明による方法により得られた吸水性ポリマー粒子である。
【0123】
本発明による方法により得られた吸水性ポリマー粒子は、典型的には少なくとも15g/g、特に少なくとも20g/g、有利に少なくとも25g/g、特に有利に少なくとも30g/g、殊に有利に少なくとも35g/gの遠心分離保持能(CRC)を有する。吸水性ポリマー粒子の遠心分離保持能(CRC)は、通常、100g/g未満である。
【0124】
本発明による方法により得られた吸水性ポリマー粒子は、典型的には0.5質量%未満、特に0.3質量%未満、特に有利に0.2質量%未満、殊に有利に0.15質量%未満の残留モノマー含量を有する。
【0125】
本発明による方法により得られた吸水性ポリマー粒子は、特に少なくとも5質量%、特に有利に少なくとも10質量%、殊に有利に少なくとも14質量%の含水量を有する。
【0126】
本発明による方法により得られた吸水性ポリマー粒子の平均直径は、特に少なくとも200μm、特に有利に250〜600μm、殊に有利に300〜500μmであり、この場合この粒子直径は、光散乱によって測定されることができ、かつ体積の平均化による平均直径を意味する。ポリマー粒子の90%は、特に100〜800μm、特に有利に150〜700μm、殊に有利に200〜600μmの直径を有する。
【0127】
本発明のさらなる対象は、本発明による吸水性ポリマー粒子を含有する衛生製品である。この衛生製品の製造は、専攻論文“Modern Superabsorbent Polymer Technology”,F.L.BuchholzおよびA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,第252〜258頁中に記載されている。
【0128】
前記衛生製品は、通常、水不透過性の裏面、水透過性の上面、およびこれらの間に介在する、本発明による吸水性ポリマー粒子と繊維、特にセルロースとからなる吸収性コアを含む。吸収性コア中の本発明による吸水性ポリマー粒子の割合は、特に20〜100質量%、有利に50〜100質量%である。
【0129】
吸水性ポリマー粒子は、次に記載された試験方法により試験される。
【0130】
方法:
測定は、別記しない限り、23±2℃の環境温度および50±10%の相対空気湿度で実施される。吸水性ポリマーを測定前に十分に混合する。
【0131】
残留モノマー
吸水性ポリマー粒子の残留モノマー含量を、EDANAによって推奨された試験方法WSP No.210.2−05“Residual Monomers:残留モノマー”により測定する。
【0132】
含水量
吸水性ポリマー粒子の含水量を、EDANAによって推奨された試験法No.WSP 230.2−05“Mass Loss Upon Heating:加熱下での質量損失”により測定する。
【0133】
遠心分離保持能(Centrifuge Retention Capacity)
遠心分離保持能(CRC)を、EDANAによって推奨された試験法No.WSP241.2−05“Fluid Retention Capacity in Saline,After Centrifugation:遠心分離後の生理食塩水中での流体保持能”により測定する。
【0134】
21.0g/cm2の圧力下での吸収量
吸水性ポリマー粒子の21.0g/cm2(AUL0.3psi)の圧力下での吸収量を、EDANAによって推奨された試験法No.WSP 242.2−05“Absorption under Pressure,Gravimetric Determination:圧力下での吸収量、重量測定法”により測定する。
【0135】
0.0g/cm2の圧力下での吸収量
0.0g/cm2(AUL0.0psi)の圧力下での吸収量を、EDANAによって推奨された試験法No.WSP 242.2−05“Absorption under Pressure,Gravimetric Determination:圧力下での吸収量、重量測定法”と同様に測定し、この場合21.0g/cm2(AUL0.3psi)の圧力の代わりに0.0g/cm2(AUL0.0psi)の圧力に調節する。
【0136】
49.2g/cm2の圧力下での吸収量
49.2g/cm2(AUL0.7psi)の圧力下での吸収量を、EDANAによって推奨された試験法No.WSP 242.2−05“Absorption under Pressure,Gravimetric Determination:圧力下での吸収量、重量測定法”と同様に測定し、この場合21.0g/cm2(AUL0.3psi)の圧力の代わりに49.2g/cm2(AUL0.7psi)の圧力に調節する。
【0137】
嵩密度
嵩密度をEDANAによって推奨された試験法No.WSP 260.2−05“Density,Gravimetric Determination:密度、重量測定法”により測定する。
【0138】
抽出性
吸水性ポリマー粒子の抽出性成分の含量を、EDANAによって推奨される試験方法No.WSP 270.2−05“Extractable:抽出性”と同様に測定する。抽出時間は、16時間である。
【0139】
膨潤速度
この膨潤速度(FSR、Free Swell Rate:自由膨潤速度)を測定するために、吸水性ポリマー粒子1.00g(=W1)を25mlのビーカー中に計量供給し、かつ当該ビーカーの底面上に均一に分配する。次に、0.9質量%の食塩溶液20mlを、ディスペンサーを用いて第2のビーカー中に計量供給し、このビーカーの内容物を第1のビーカーに迅速に添加し、ストップウォッチを始動させる。食塩溶液の最後の液滴が吸収されて液体表面上での鏡映が失われることが確認されたら直ちに、ストップウォッチを停止させる。第2のビーカーから注ぎ出されかつ第1のビーカー中で前記ポリマーにより吸収された、正確な液体量を、第2のビーカーの再計量によって正確に測定する(=W2)。ストップウォッチで測定された、前記吸収に必要とされる時間をtとして示す。前記表面上で最後の液滴が消滅することを時間tとして測定する。
【0140】
そのことから、膨潤速度(FSR)は、以下のように計算される:
FSR[g/g s]=W2/(W1×t)
しかし、前記吸水性ポリマー粒子の含水量が3質量%を上回る場合には、この含水量を考慮して、質量W1を補正すべきである。
【0141】
CIE色価(L,a,b)
色彩測定をCIELAB法(Hunterlab、第8巻、1996年版、第7号、第1〜4頁)に相応して、比色計、型式“LabScan XE S/N LX17309”(HunterLab社,Reston在,US)を用いて実施する。その際に、色彩は、三次元座標系L、aおよびbにより記載される。その際に、Lは明度を示し、この場合、L=0は、黒であり、かつL=100は、白である。aおよびbの値は、色軸赤/緑上または黄/青上の色の位置を規定し、その際に、+aは、赤を表わし、−aは、緑を表わし、+bは、黄を表わし、および−bは、青を表わす。式HC60=L−3bに従って、HC60値は計算される。
【0142】
色彩測定は、DIN 5033−6による三領域法(Dreibereichsverfahren)に相当する。
【0143】
EDANA試験法は、例えば、EDANA,Avenue Eugene Plasky 157,B−1030 Bruessel在,ベルギー国、から入手可能である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
図1】前記方法が実施される噴霧乾燥プラントを示す、WO 2011/026876 A1の図1の記載と同様の略図。
図2】3つの個々の測定部を示す略図。
図3】前記噴霧乾燥機の出発温度が測定される、前記円筒形部分の下端部の3箇所を示す、WO 2011/026876 A1の図3の記載と同様の略図。
図4】前記モノマー溶液を噴霧乾燥機の末口に計量供給するために、3個の滴下ユニットを使用した、WO 2011/026876 A1の図4の記載と同様の略図。
図5】外側の管(51)および滴下カセット(53)から構成されていた滴下ユニットを示す、WO 2011/026876 A1の図5の記載と同様の略図。
【実施例】
【0145】

基本ポリマーの製造:
実施例1
前記方法を、WO 2011/026876 A1の図1に示された、組み込まれた流動層(27)および外部流動層(29)を備えた噴霧乾燥プラント中で実施した。噴霧乾燥機(5)の円筒形部分は、22mの高さおよび3.4mの直径を有していた。内部流動層(IFB)は、3mの直径および0.25mの堰高さを有していた。外部流動層(EFB)は、3.0mの長さ、0.65mの幅および0.5mの堰高さを有していた。
【0146】
乾燥ガスをガス分配器(3)により噴霧乾燥機の上端で供給した。乾燥ガスを部分的に織布ろ過器(9)および洗浄塔(12)を介して返送した(循環ガス)。乾燥ガスとして、1〜4体積%の酸素含量を有する窒素を使用した。重合の開始前に、前記プラントを酸素含量が4体積%未満になるまで窒素で洗浄した。噴霧乾燥機(5)の円筒形部分内の乾燥ガスの速度は、0.8m/秒であった。前記噴霧乾燥機の内側の圧力は、環境圧力よりも4ミリバール低かった。
【0147】
前記噴霧乾燥機の出発温度を、WO 2011/026876 A1の図3に示したように、前記円筒形部分の下端部の3箇所で測定した。3つの個々の測定部(47)を、平均的な出発温度を計算するために使用した。循環ガスを再加熱し、モノマー溶液の計量供給を開始させた。この時点から、平均的な出発温度を、熱交換器(20)によりガス入口温度を117℃に適合させることによって調整した。
【0148】
生成物を、内側の流動層(27)において、堰の高さになるまで捕集した。管路(25)を介して、内側の流動層(27)に122℃の温度および4%の相対湿度を有する乾燥ガスを供給した。内側の流動層(27)におけるガス速度は、0.65m/秒であった。内側の流動層(27)における生成物の滞留時間は、120分であった。
【0149】
前記噴霧乾燥機の排ガスを、織布ろ過器(9)を介して洗浄塔(12)に供給した。洗浄塔(12)内の液体レベルを、過剰の液体をポンプ吐出することによって一定に維持した。洗浄塔(12)内の液体を、熱交換器(13)を用いて冷却し、かつノズル(11)により向流で搬送し、その結果、洗浄塔(12)内の温度を45℃に調整した。前記排ガスからアクリル酸を洗浄除去するために、洗浄塔(12)内の液体を苛性ソーダ液の添加によってアルカリ性になるように調節した。
【0150】
前記洗浄塔の排ガスを管路(1)および(25)上に分配した。前記温度を、熱交換器(20)および(22)を用いて調整した。加熱された乾燥ガスを、ガス分配器(3)を介して前記噴霧乾燥機に供給した。このガス分配器は、一連の板から構成されておりかつガス量に応じて、2〜4ミリバールのガス損失を有していた。
【0151】
前記生成物を、内側の流動層(27)からロータリーフィーダー(28)を用いて外側の流動層(29)中に移した。管路(40)を介して、外側の流動層(29)に、60℃の温度を有する乾燥ガスを供給した。乾燥ガスは、空気であった。外側の流動層(29)におけるガス速度、0.8m/秒であった。外側の流動層(29)における生成物の滞留時間は、1分であった。
【0152】
前記生成物を外側の流動層(29)からロータリーフィーダー(32)を用いて篩(33)上に搬送した。篩(33)を用いて、800μmを上回る粒度を有する粒子(凝集塊)を分離した。
【0153】
前記モノマー溶液を製造するために、最初に、新たに蒸留されたアクリル酸に、3回エトキシル化されたグリセリントリアクリレート(架橋剤)を添加し、引き続き37.3質量%のアクリル酸ナトリウム水溶液を添加した。熱交換器を介してポンプ循環させることによって、前記モノマー溶液の温度を10℃に維持した。ポンプ循環路内には、ポンプの後方に250μmの目開きを有するフィルターが存在した。前記開始剤を、導管(43)および(44)を介して静的混合装置(41)および(42)の前方でモノマー溶液に添加した。ペルオキソ二硫酸ナトリウムを20℃の温度で導管(43)を介して供給し、および2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩とBrueggolit(登録商標)FF7(Brueggemann Chemicals社、Heilbronn在、ドイツ国)との混合物を5℃の温度で導管(44)を介して供給した。全ての開始剤を循環路内にポンプ輸送し、かつ調節弁により全ての滴下ユニット中に計量供給した。静的混合装置(42)の後方には、140μmの目開きを有するフィルターが存在した。前記モノマー溶液を噴霧乾燥機の末口に計量供給するために、WO 2011/026876 A1の図4の記載と同様に、3個の滴下ユニットを使用した。
【0154】
滴下ユニットは、WO 2011/026876 A1の図5の記載と同様に、外側の管(51)および滴下カセット(53)から構成されていた。滴下カセット(53)は、内側の管(52)と接続されていた。内側の管(52)は、端部にPTFEシール(54)を有し、かつ運転中にメンテナンスの目的のために引き抜くことができた。
【0155】
滴下カセット(61)の温度を、WO 2011/026876 A1の図6に示されているように、冷却水を用いて通路(59)内で8℃に調整した。この滴下カセット(61)は、170μmの直径および15mmの孔間隔を有する、256個の孔を有していた。滴下カセット(61)は、予め混合されたモノマー溶液および開始剤溶液を2枚の滴下板(57)上に均一に分配するために、死空間を含まない流動通路(60)を有していた。2枚の滴下板(57)は、3°の角度を有する、角度をつけた配置を有していた。それぞれの滴下板(57)は、特殊鋼(材料No.1.4571)から形成されかつ500mmの長さ、25mmの幅および1mmの厚さを有していた。
【0156】
前記噴霧乾燥機への供給量は、アクリル酸10.45質量%、アクリル酸ナトリウム33.40質量%、3回エトキシル化されたグリセリントリアクリレート0.018質量%(約85質量%の)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩0.036質量%、Brueggolit(登録商標)FF7 0.0029質量%(Brueggemann Chemicals社、Heilbronn在、ドイツ国)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.054質量%および水を含有していた。Brueggolit(登録商標)FF7を5質量%の水溶液として使用し、およびペルオキソ二硫酸ナトリウムを15質量%の水溶液として使用した。中和度は、71%であった。1個の孔当たりの供給量は、1.6kg/hであった。
【0157】
生じるポリマー粒子は、次の性質を有していた:
32.6g/gのCRC
37.5g/gのAUL0.0psi
24.2g/gのAUL0.3psi
12.0g/gのAUL0.7psi
4.0質量%の抽出性
残留モノマー15.100ppm
6.1質量%の含水量
0.28g/gsのFSR
91.1のHC60
色価:L=95.0/a=2.2/b=1.3。
【0158】
生じるポリマー粒子は、0.74g/mlの嵩密度および381μmの平均粒子直径を有していた。
【0159】
実施例2
製造は、例1と同様に行なわれた。前記噴霧乾燥機への供給量は、アクリル酸10.45質量%、アクリル酸ナトリウム33.40質量%、3回エトキシル化されたグリセリントリアクリレート0.018質量%(約85質量%の)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩0.072質量%、Brueggolit(登録商標)FF7 0.0029質量%(Brueggemann Chemicals社、Heilbronn在、ドイツ国)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.054質量%および水を含有していた。Brueggolit(登録商標)FF7を5質量%の水溶液として使用し、およびペルオキソ二硫酸ナトリウムを15質量%の水溶液として使用した。中和度は、71%であった。1個の孔当たりの供給量は、1.6kg/hであった。
【0160】
生じるポリマー粒子は、次の性質を有していた:
47.0g/gのCRC
55.1g/gのAUL0.0psi
25.1g/gのAUL0.3psi
7.6g/gのAUL0.7psi
3.8質量%の抽出性
残留モノマー11.700ppm
6.1質量%の含水量
0.14g/gsのFSR
92.5のHC60
色価:L=96.1/a=1.7/b=1.2。
【0161】
生じるポリマー粒子は、0.75g/mlの嵩密度および385μmの平均粒子直径を有していた。
【0162】
熱的な後処理
比較例VB1およびVB2ならびに実施例3〜12
実施例1からの吸水性ポリマー粒子1.5kgを、型式M5RのPflugschar(登録商標)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH社;Paderborn在;ドイツ国)中で熱的に後処理した。
【0163】
このために、前記Pflugschar(登録商標)ミキサーを1時間100℃の壁面温度に加熱した。加熱後に、実施例1からの吸水性ポリマー粒子を前記Pflugschar(登録商標)ミキサー中に供給した。引続き、モーターを始動させ、回転数を60rpmに調節した。20分の加熱時間後に、第1表に記載された、噴霧物質の約80℃に加熱された第1の半分を、Buechi社の二物質流ノズルを用いて1バールの窒素で6.5分間内に上方から生成物上に噴霧した。引続き、5分間さらに攪拌し、次に前記噴霧物質の第2の半分を同様の条件下で噴霧した。生成物を80℃の温度で30分間、後攪拌した。その際に、60 l/hの窒素流を前記Pflugschar(登録商標)ミキサーに導通させた。冷却された生成物を型式AS400の平板型ろ過機(Retsch GmbH社;Haan在;ドイツ国)上で850μm未満で篩別した。
【0164】
比較例VB3および実施例13〜15
実施例2からの吸水性ポリマー粒子45kgを、型式FM130のPflugschar(登録商標)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH社;Paderborn在;ドイツ国)中で熱的に後処理した。全試験中、前記Pflugschar(登録商標)ミキサーの回転数は、60rpmであり、出力の評価は、6.4〜6.5Wであった。混合室に窒素約10Nm3/h、絶対初期圧約3バールおよび180℃のガス温度で貫流させた。フルード数は、0.93であった。
【0165】
前記混合室の充填前に、前記Pflugschar(登録商標)ミキサーを150℃のジャケット温度に予熱した。引続き、実施例2からの吸水性ポリマー粒子を前記Pflugschar(登録商標)ミキサー中に供給し、かつ撹拌下に20分間、加熱した。生成物温度は、70℃に上昇した。
【0166】
すぐ次の工程において、窒素を約6.5kg/時間の蒸気量と衝突させた。その際に、蒸気量を相対的ガス湿分が30%に調節されるように調整した。前記ガス湿分を型式HygroFlexの温湿度変換器(Feuchtemesser)(Rotronic Messgeraete GmbH社;Nuernberg在;ドイツ国)を用いて測定した。ガス温度は、180℃であった。この時間の間、第2表に応じて、一定の4回分で25℃の温度を有する水を、型式970S4 1.2mmの二物質流ノズル、Duesen−Schlick GmbH社;Untersiemau在;ドイツ国、を用いて8分間ずつ噴霧した。この二物質流ノズルを、窒素(3バール)を用いて動かした。
【0167】
噴霧過程の終結時に、生成物は、約85℃の温度を有していた。蒸気の負荷および窒素の加熱を停止させた。さらに、生成物を撹拌下に全部で15分間、後乾燥させた。空にする直前に、生成物は、約76℃の温度を有していた。
【0168】
試験の終結後に、冷却された生成物を分け、かつ型式AS400の平板型ろ過機(Retsch GmbH社;Haan在;ドイツ国)上で850μm未満で篩別した。
【0169】
【表1】
【0170】
【表2】
【0171】
界面活性剤として、次の化合物が使用された。
Span(登録商標)20(ソルビタンモノオクトエート、Croda International Plc社、CAS−No.CAS 1338−39−2)
Plantacare(登録商標)818UP(ココグリコシドの約52質量%の水溶液、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9/68515−73−1)
Plantacare(登録商標)1200UP(ラウリルグリコシドの約50質量%の水溶液、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9)
Plantacare(登録商標)K55(ラウリルグリコシドとココミドプロピルベタインとの混合物の約47質量%の水溶液、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9/61789−40−0)
Plantacare(登録商標)PS10(ナトリウムラウレトスルフェートとラウリルグリコシドとの混合物の約60質量%の水溶液、BASF SE社、CAS−No.110615−47−9/68891−38−3)
Euperlan(登録商標)PCO(スチレン/アクリレートコポリマーとココグリコシドとの混合物の約43質量%の分散液、BASF SE社)
Lutensol(登録商標)AO7(エトキシル化オキソアルコール、BASF SE社):Lutensol(登録商標)AO7は、C13オキソアルコール約67%とC15オキソアルコール約33%とからなりかつ主に分枝鎖状である、飽和C13/C15オキソアルコールをベースとする、液状の非イオン性界面活性剤である。Lutensol(登録商標)AO7の組成は、次の一般構造式によって記載される:RO(CH2CH2O)7H、但し、R=C13/C15オキソアルコール。Lutensol(登録商標)AO7は、約100mPasの粘度、約12のHLB値および100%の活性含量を有する。
Lutensol(登録商標)XL70(エトキシル化グエルベトアルコール、BASF SE社):Lutensol(登録商標)XL70は、C10グエルベトアルコールをベースとする、液状の非イオン性界面活性剤である。Lutensol(登録商標)XL70の組成は、次の一般構造式によって記載される:RO(CH2CH2O)7H、但し、R=C10グエルベトアルコール。Lutensol(登録商標)XL70は、約70mPasの粘度、約13のHLB値および100%の活性含量を有する。
Lutensol(登録商標)FA12K(エトキシル化ココスアルキルアミン、BASF SE社):Lutensol(登録商標)FA12Kは、ココス脂肪アミンをベースとする、液状の非イオン性界面活性剤である。Lutensol(登録商標)FA12Kの組成は、次の一般構造式によって記載される:R−N[(CH2CH2O)6H]2、但し、R−NH2=ココス脂肪アミン。Lutensol(登録商標)FA12Kは、約190mPasの粘度および100%の活性含量を有する。
Arquad(登録商標)2HT−75(ジタロージメチルアンモニウムクロリド、AkzoNobel GmbH、Cas−No.61789−80−8)
Emulan(登録商標)EL40(エトキシル化ヒマシ油、BASF SE社);Emulan(登録商標)EL40は、ヒマシ油をベースとする、液状の非イオン性界面活性剤である。Emulan(登録商標)EL40の組成は、次の一般構造式によって記載される:ROCH2CH(OR)CH2OR、但し、R=H3C(CH25CH[O(CH2CH2O)40/3H]CH2CH=CH(CH27COO−。Emulan(登録商標)EL40は、約3000mPasの粘度、約12のHLB値および100%の活性含量を有する。
Luviquat(登録商標)Mono CP(ヘキサデシル−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムジハイドロジェンホスフェート約30質量%の水溶液、BASF SE社、Cas−No.85563−48−0)
【符号の説明】
【0172】
(1)、(25)、(40) 管路、 (3) ガス分配器、 (5) 噴霧乾燥機、 (9) 織布ろ過器、 (11) ノズル、 (12) 洗浄塔、 (13) 熱交換器、 (20)、(22) 熱交換器、 (27) 内側の流動層、 (28)、(32) ロータリーフィーダー、 (29) 外側の流動層、 (33) 篩、 (41)、(42) 静的混合装置、 (43)、(44) 導管、 (47) 3つの個々の測定部、 (51) 外側の管、 (52) 内側の管、 (53)、(61) 滴下カセット、 (57) 2枚の滴下板、 (59) 通路、 (60) 死空間を含まない流動通路
図1
図2
図3
図4
図5