(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、CDプレーヤを備えた1台のゲーム装置単体に係る技術であり、楽曲が記録されたCDを用いるのが前提であった。しかしながら、近年においては、楽曲は、CD等の物理媒体(物理メディア)で販売されるよりも、デジタルデータとしてインターネット等を通じてダウンロード販売される方が主流となっている。デジタルデータとして販売される楽曲データは、1曲単位であったり、安価であったり、任意のデジタル音楽プレーヤで再生可能であったりするため、人気が高いのである。
【0005】
デジタルデータとしての楽曲データには、当然、CDに記録されるTOCのような情報は存在しない。このため、特許文献1の技術を、デジタルデータとしての楽曲データにそのまま適用することは困難である。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、楽曲データを利用したゲームの興趣性向上の技術として、デジタルデータとして販売・流通・利用される楽曲データのその販売・流通・利用の形態に適合した技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の形態は、
プレーヤが操作入力するプレーヤ端末(例えば、
図1のゲーム端末2000)と通信を行ってゲームを進行制御するサーバシステム(例えば、
図1のゲームサーバ1000)であって、
再生可能な楽曲データを記憶する楽曲DB(例えば、
図4の楽曲DB330)から前記プレーヤ端末が楽曲をダウンロードして再生する権利である前記プレーヤの再生権の情報を管理する再生権管理DB(例えば、
図4の楽曲再生権データ350)にアクセスして、前記プレーヤが再生権を有している楽曲の識別情報を取得する楽曲識別情報取得手段(例えば、
図4の楽曲再生効果発動制御部224)と、
前記取得された楽曲の識別情報を用いて、前記ゲームの進行制御を変更するか否かを判定する判定手段(例えば、
図4の楽曲再生効果発動制御部224)と、
前記判定手段により肯定判定された場合に前記ゲームの進行制御を変更する進行制御変更手段(例えば、
図4の楽曲再生効果発動制御部224)と、
を備えたサーバシステムである。
【0008】
この第1の形態によれば、サーバシステムは、再生可能な楽曲データを記憶する楽曲DBからプレーヤ端末が楽曲をダウンロードして再生する権利であるプレーヤの再生権を管理する再生権管理DBにアクセスして、プレーヤが再生権を有している楽曲の識別情報を取得する。そして、取得した楽曲の識別情報を用いて、ゲームの進行制御を変更するか否かを判定し、肯定判定した場合にゲームの進行制御を変更する。
【0009】
いわゆるネット社会と言われる近年において、デジタルデータとしての楽曲データをユーザが購入することは、その楽曲の再生権を購入することに等しい。具体的には、(1)再生権と楽曲データとを一体として扱う形態と、(2)再生権と楽曲データとを別個に扱う形態とが考えられる。(1)の形態は、例えば、楽曲DBから楽曲データの複製を正規の楽曲データとしてダウンロードして取得(購入)する形態である。プレーヤは、手元に楽曲データを保有することができる。この場合、楽曲データの更なる複製(不正な複製)を防止するためコピーガード等が必須となる。(2)の形態は、例えば、楽曲DBにアクセスすることで、購入した楽曲データをいつでも再生可能にダウンロードするストリーミングの形態である。端末側には楽曲データが保存されない。この場合、コピーガード等は不要である。
【0010】
(1)及び(2)の何れの形態であっても、再生権管理DBは存在する。(1)の形態であれば、正規の楽曲データとして複製・ダウンロードした先の記憶部が再生権管理DBに相当する。そこで、第1の形態のサーバシステムは、再生権管理DBにアクセスして、プレーヤが再生権を有している楽曲の識別情報を取得し、この識別情報を利用して、ゲームの進行制御を変更する。この結果、デジタルデータとして販売・流通・利用される楽曲データのその販売・流通・利用の形態に適合した、楽曲データを利用したゲームの興趣性向上の技術を実現することが可能となる。
【0011】
また、第2の形態として、第1の形態のサーバシステムにおいて、
前記再生権管理DBを更に備えたサーバシステムを構成しても良い。
【0012】
また、第3の形態として、第2の形態のサーバシステムにおいて、
前記ゲームの進行状況が、所与の楽曲の再生権を付与する状況となったことを判定するための再生権付与状況条件を満たしたことを検出する再生権付与状況検出手段(例えば、
図4の再生権付与管理部221)と、
前記再生権付与状況検出手段の検出に応じて、前記プレーヤに前記所与の楽曲の再生権を前記再生権管理DBに追加させる再生権付与手段(例えば、
図4の再生権付与管理部221)と、
を更に備えたサーバシステムを構成しても良い。
【0013】
この第3の形態によれば、ゲームの進行状況が、所与の楽曲の再生権を付与する状況となったことを判定するための再生権付与条件を満たした場合に、プレーヤにこの所与の楽曲の再生権が付与される。これにより、外部から取得した楽曲の情報を利用するのみならず、ゲームの進行状況に応じてプレーヤに楽曲を提供することが可能なサーバシステムを実現できるため、ゲームの興趣性を一層向上させることが可能となる。
【0014】
また、第4の形態として、第1の形態のサーバシステムであって、
前記プレーヤ端末が前記再生権管理DBを備えており、
前記楽曲識別情報取得手段は、前記プレーヤ端末から前記プレーヤが再生権を有している楽曲の識別情報を取得する、
サーバシステムを構成しても良い。
【0015】
また、第5の形態として、第1〜第3の何れかの形態のサーバシステムであって、
前記楽曲DBを更に備えたサーバシステムを構成しても良い。
【0016】
この第5の形態によれば、サーバシステムが楽曲DBを備えるため、ゲームの提供と合わせて楽曲データの販売等を行うことが可能となる。
【0017】
また、第6の形態として、第1〜第5の何れかの形態のサーバシステムであって、
前記再生権に基づいて前記プレーヤ端末が前記楽曲DBからダウンロードして再生中の楽曲の識別情報を取得する再生中楽曲情報取得手段(例えば、
図4の楽曲再生効果発動制御部224)を更に備え、
前記判定手段は、前記再生中楽曲情報取得手段により再生中の楽曲の識別情報が取得された場合に、当該識別情報を用いて前記判定を行う、
サーバシステムを構成しても良い。
【0018】
この第6の形態によれば、プレーヤ端末が楽曲BDからダウンロードして再生中の楽曲の識別情報を取得し、この取得した識別情報を用いて、ゲームの進行制御を変更するか否かを判定する。これにより、プレーヤがゲームプレイ中に再生している楽曲に応じて、プレイしているゲームの進行制御が変更されることになるため、ゲームの興趣性を一層向上させることができる。
【0019】
また、第7の形態として、第1〜第6の何れかの形態のサーバシステムであって、
前記ゲームは、所与のパラメータが設定されたプレーヤキャラクタをプレーヤの入力に基づいて制御するゲームであり、
前記進行制御変更手段は、前記判定手段により肯定判定された場合に前記パラメータを変更する(例えば、
図4の楽曲再生効果発動制御部224、
図8の楽曲再生効果テーブル360)、
サーバシステムを構成しても良い。
【0020】
この第7の形態によれば、ゲームの進行制御の変更として、プレーヤキャラクタに設定された所与のパラメータが変更される。
【0021】
また、第8の形態として、第1〜第7の何れかの形態のサーバシステムであって、
前記判定手段により肯定判定された場合に、その旨を前記プレーヤ端末に通知する通知手段を更に備えたサーバシステムを構成しても良い。
【0022】
この第8の形態によれば、ゲームの進行制御が変更された旨が、プレーヤ端末に通知される。
【0023】
また、第9の形態として、第1〜第8の何れかの形態のサーバシステムであって、
前記進行制御変更手段は、前記判定手段により肯定判定された楽曲の種別に対応付けられた変更方法に従って、前記ゲームの進行制御を変更する、
サーバシステムを構成しても良い。
【0024】
この第9の形態によれば、ゲームの進行制御を変更すると判定された際に、その判定に用いられた楽曲の種別に対応付けられた変更方法に従って、ゲームの進行制御が変更される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0027】
[システム構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成の一例を示す図である。ゲームシステムは、通信回線Nに接続可能なゲームサーバ1000と、プレーヤ毎に用意されるゲーム端末(プレーヤ端末)2000とを備えて構成される。
【0028】
通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0029】
ゲームサーバ1000は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムであって、本実施形態のネットワークゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なクライアントプログラムやデータ等を配信することができる。
【0030】
ゲーム端末2000は、コンピュータであって、例えばスマートフォンや携帯型ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ等により実現される電子機器である。そして、ゲーム端末2000は、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、ゲームサーバ1000とデータ通信を行うことができる。
【0031】
図2は、ゲーム端末2000の一例であるスマートフォンの構成を示す図である。ゲーム端末2000は、方向入力キー2002と、ホームキー2004と、タッチパネル2006が一体形成されたディスプレイ2008と、スピーカ2010と、マイク2012と、GPSアンテナ2014と、制御基板2018と、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード2032に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置2030とを備える。その他、図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0032】
制御基板2018は、CPUやGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、ASIC、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリを搭載する。また、制御基板2018には、携帯電話基地局と無線通信するための無線通信モジュール2022と、GPSモジュール2020とが搭載されている。更に、制御基板2018には、方向入力キー2002及びホームキー2004からの信号を受信する回路、タッチパネル2006のドライバ回路、マイク2012で集音した音声の信号を生成する入力音声生成回路、メモリカード読取装置2030への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)等が搭載されている。これら制御基板2018に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0033】
[概要]
本実施形態のゲームでは、BGMとして、ゲーム提供者が定めた規定楽曲のみではなく、プレーヤが自身で選択・設定した楽曲を再生することができる。
【0034】
具体的には、
図3に示すように、進行中のゲームを一時中断し、表示される楽曲再生リスト作成画面W1において再生リストの作成を行う。再生リストの作成は、楽曲一覧10のうちから、再生リスト12に入れたい楽曲を順次選択し、再生順序と対応付けることで行うことができる。
【0035】
再生リストの作成を行い、一時中断していたゲームに戻ると、この再生リストに従った楽曲の再生が開始される。そして、再生リストによる楽曲の再生中は、現在のゲーム状況、及び、再生中の楽曲の組み合わせである「発動条件」が満たされている間、所与の効果がプレーヤに付与される。プレーヤに付与される効果は、例えば、プレーヤキャラクタのパラメータの向上や、プレーヤキャラクタの表示形態の変化(例えば後光が差しているような表示演出)等がある。ゲーム画面W2では、プレーヤキャラクタ20の能力パラメータの1つである「攻撃力」が増加している。更に、効果が発動した旨の通知(同図では、「攻撃力+3!」というメッセージの表示)がなされている。
【0036】
発動条件となるゲーム状況としては、例えば、所定ステージの探索、所定キャラクタとの戦闘、プレーヤキャラクタのレベル、所定アイテムの装備等がある。また、発動する効果としては、プレーヤキャラクタの能力パラメータ(最大体力値や攻撃力、防御力等)の増加等がある。
【0037】
また、楽曲は、ゲーム進行に伴う所定の「付与条件」を満たした場合に、再生可能となる(再生権の付与)。付与条件としては、例えば、プレーヤキャラクタのレベル、所定ステージのクリア、所定キャラクタとの戦闘の勝利、所定アイテムの獲得等がある。
【0038】
[機能構成]
図4は、ゲームサーバ1000の機能構成を示すブロック図である。
図4によれば、ゲームサーバ1000は、機能的には、操作入力部110と、画像表示部120と、通信部130と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
【0039】
操作入力部110は、ゲームサーバ1000の管理のための各種操作入力を受け付け、なされた操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。この機能は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置によって実現される。
【0040】
画像表示部120は、処理部200から入力される画像信号に基づいて各種表示画面を表示する。この機能は、例えばフラットパネルディスプレイやCRT、プロジェクタ等の画像表示装置によって実現される。
【0041】
通信部130は、通信回線Nに接続して外部装置(主に、ゲーム端末2000)とのデータ通信を行う。この機能は、例えば無線通信装置やモデム、TA、有線用のケーブルのジャックやその制御回路等によって実現される。
【0042】
処理部200は、記憶部300から読み出したプログラムやデータ、通信部130を介した外部装置(主に、ゲーム端末2000)からの受信データ等に基づいて、ゲームサーバ1000の動作を統括的に制御する。この機能は、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC等の演算装置やその制御プログラムによって実現される。本実施形態では、処理部200は、プレーヤ登録管理部210と、ゲーム進行制御部220とを有している。
【0043】
プレーヤ登録管理部210は、本実施形態のゲームプレイを可能とするためのプレーヤ登録・管理に関する処理を行う。具体的には、ゲーム端末2000から、プレーヤ名やパスワード等を受信し新たなプレーヤとして登録する処理、これらの登録プレーヤの情報であるプレーヤ管理データ320を管理する処理、ゲーム端末2000からの要求に応じたプレーヤの認証処理等を行う。
【0044】
図5は、プレーヤ管理データ320のデータ構成の一例を示す図である。
図5によれば、プレーヤ管理データ320は、登録プレーヤ毎に生成され、アカウント情報321と、プレイデータ322とを格納している。
【0045】
アカウント情報321は、登録された正規のプレーヤであることを認証するための情報であり、プレーヤ名やパスワード等を含む。プレイデータ322は、ゲームプレイに関する情報であり、プレーヤキャラ情報323と、楽曲再生リスト324とを格納している。プレーヤキャラ情報323は、プレーヤキャラクタのレベルや体力値(HP)、攻撃力、防御力、経験値といった各種パラメータを含んでいる。楽曲再生リスト324は、当該プレーヤがゲーム中に作成・登録した再生リストである。
【0046】
ゲーム進行制御部220は、再生権付与管理部221と、楽曲再生リスト作成部222と、楽曲再生管理部223と、楽曲再生効果発動制御部224とを有し、各ゲーム端末2000におけるゲームを進行制御するための各種処理を行う。
【0047】
再生権付与管理部221は、ゲーム端末2000におけるゲーム状況が所定の楽曲再生権付与条件を満たした場合に、当該ゲーム端末2000のプレーヤに対して、満たした付与条件に応じた楽曲の再生権を付与する。
【0048】
ここで、付与条件と再生権を付与する楽曲との対応関係は、楽曲再生権付与条件テーブル340にて定められている。
図6は、楽曲再生権付与条件テーブル340のデータ構成の一例を示す図である。
図6によれば、楽曲再生権付与条件テーブル340は、楽曲再生権付与条件341と、再生権を付与する楽曲ID342とを対応付けて格納している。
【0049】
楽曲再生リスト作成部222は、ゲーム端末2000に対するプレーヤの指示操作に従って楽曲再生リストの作成を行う。具体的には、楽曲DB330として用意されている楽曲のうち、当該プレーヤが再生権を有する楽曲を、楽曲再生リスト作成画面W1(
図3参照)における選択候補の楽曲一覧10として提示する。そして、これらの楽曲一覧10のうちから、プレーヤによって選択された楽曲やその再生順序を決定し、楽曲再生リストとする。作成した楽曲再生リストは、該当するプレーヤ管理データ320における楽曲再生リスト324として記憶される。
【0050】
ここで、プレーヤが有する楽曲の再生権に関しては、再生権管理DBである楽曲再生権データ350として記憶されている。
図7は、楽曲再生権データ350のデータ構成の一例を示す図である。
図7によれば、楽曲再生権データ350は、登録プレーヤ毎に生成され、楽曲DB330に用意されている楽曲ID352それぞれについて、再生権の有無353を対応付けて格納している。
【0051】
楽曲再生管理部223は、ゲーム端末2000からダウンロード(DL)要求された楽曲が、当該プレーヤに再生権が付与されている楽曲である場合に、楽曲DB330に格納されている該当する楽曲データの複製を、当該ゲーム端末2000に送信する。ここで、楽曲の送信・再生は、ストリーミング配信の形態で実現される。
【0052】
楽曲再生効果発動制御部224は、ゲーム端末2000におけるゲーム状況、及び、再生されている楽曲の組み合わせが、所定の楽曲再生効果発動条件を満たした場合に、当該ゲーム端末2000にて実行されているゲームにおいて、満たした発動条件に対応する効果を発動する。
【0053】
ここで、発動条件と発動する効果との対応関係は、楽曲再生効果テーブル360にて定められている。
図8は、楽曲再生効果テーブル360のデータ構成の一例を示す図である。
図8によれば、楽曲再生効果テーブル360は、発動条件361と、発動する効果362とを対応付けて格納している。発動条件361は、ゲーム状況及び楽曲IDそれぞれの条件の組み合わせである。
【0054】
記憶部300は、処理部200がゲームサーバ1000を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、通信部130による受信データ等を一時的に格納する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、MO、ROM、RAM等の記憶装置によって実現される。本実施形態では、記憶部300には、システムプログラム310と、ゲーム制御プログラム312と、プレーヤ管理データ320と、楽曲DB330と、楽曲再生権付与条件テーブル340と、楽曲再生権データ350と、楽曲再生効果テーブル360とが記憶される。
【0055】
[処理の流れ]
図9は、本実施形態におけるゲーム処理の流れを説明するフローチャートである。
図9では、左側にゲーム端末2000における処理を示し、右側にゲームサーバ1000における処理を示している。なお、この処理は、一のゲーム端末2000を対象として実行される処理であり、ゲームサーバ1000は、全てのゲーム端末2000に対して同様の処理を並列的に実行している。
【0056】
先ず、ゲーム端末2000は、ゲームサーバ1000にアクセスしてログイン要求を行う(ステップA1)。すると、ゲームサーバ1000では、プレーヤ登録管理部210が、ゲーム端末2000からのログイン要求に応答して、プレーヤ名やパスワード等の照合を行って、プレーヤ登録されているかを確認するプレーヤ認証を行う(ステップB1)。プレーヤ認証がなされると、ゲーム進行制御部220が、当該ゲーム端末2000におけるゲーム制御を開始する(ステップA3,B3)。
【0057】
ゲーム端末2000では、ゲーム中、プレーヤによって楽曲再生リストの作成が指示されたならば(ステップA5:YES)、ゲームサーバ1000に対して楽曲再生リストの作成要求を行う(ステップA7)。すると、ゲームサーバ1000では、楽曲再生リスト作成部222が、ゲーム端末2000からの作成要求に応答して、プレーヤの指示に従った楽曲再生リストの作成を行う(ステップB5)。
【0058】
楽曲再生リストの作成を行うと、ゲーム端末2000では、作成した楽曲再生リストに従った楽曲の再生を行う。すなわち、楽曲再生リストで定められる、次に再生する楽曲データをゲームサーバ1000にDL要求する(ステップA9)。すると、ゲームサーバ1000では、楽曲再生管理部223が、要求された楽曲の再生権が当該プレーヤに付与されていることを楽曲再生権データ350を参照して確認した後、当該楽曲データをゲーム端末2000に送信する(ステップB7)。
【0059】
そして、ゲーム端末2000は、楽曲データを受信(DL)するととともに、この楽曲データの再生を開始する(ステップA11)。このとき、ゲーム端末2000は、再生を開始した楽曲の識別情報とともに、再生開始通知をゲームサーバ1000に送信する(ステップA13)。ゲームサーバ1000では、この再生開始通知を受信すると、楽曲再生効果発動制御部224が、ゲーム端末2000で実行中のゲームにおいて楽曲再生効果発動条件を満たしたか否かを判断し、満たしたことを検出すると(ステップB9:YES)、実行中のゲームにおいて、満たした発動条件に対応付けられている効果を発動させる(ステップB11)。
【0060】
また、ゲーム端末2000は、楽曲の再生が終了すると(ステップA15)、当該楽曲の識別情報とともに、再生終了通知をゲームサーバ1000に送信する(ステップA17)。ゲームサーバ1000では、この再生終了通知を受信すると、楽曲再生効果発動制御部224が、当該再生を終了した楽曲によって満たされた発動条件に対応する効果が発動しているか否かを判断し、発動しているならば、その発動している効果を終了する(ステップB13)。
【0061】
また、ゲームサーバ1000では、再生権付与管理部221が、ゲーム端末2000で実行中のゲームにおいて再生権付与条件を満たしたか否かを判断し、満たしたことを検出すると(ステップB15:YES)、当該プレーヤに、満たした付与条件に対応付けられている楽曲の再生権を付与する(ステップB17)。
【0062】
続いて、ゲームサーバ1000では、ゲーム進行制御部220が、ゲーム終了条件を満たすか否かを判断し、終了条件を満たさないならば(ステップB19:NO)、ステップB3に戻り、同様の処理を繰り返す。終了条件を満たすならば(ステップB19:YES)、ゲーム端末2000におけるゲーム制御を終了した後、所定のログアウト処理を行って(ステップA21,B21)、本ゲーム処理を終了する。
【0063】
[作用効果]
本実施形態では、各プレーヤが保有している楽曲は、楽曲データではなく、楽曲の再生権で管理される。従って、プレーヤは、ゲーム端末2000として、スマートフォンを利用したり、パソコンを利用したりしても、当該プレーヤが保有している楽曲を、ゲームとともに楽しむことができる。また、プレーヤが保有している楽曲に応じてゲームの進行が変更制御されるため、楽曲がデジタルデータとして販売・流通・利用される形態に適合したゲームの新たな楽しみ方を実現できる。
【0064】
また、本実施形態によれば、ゲーム端末2000において実行されるゲームでは、ゲーム進行に伴う所定の付与条件を満たした場合に、満たした条件に応じた楽曲の再生権が付与される。そして、再生権が付与された楽曲をゲーム中に再生すると、現在のゲーム状況、及び、再生中の楽曲の組み合わせである発動条件が満たされている間、プレーヤにゲーム進行上有利となる効果が発動する。
【0065】
これにより、プレーヤは、ゲームプレイ中に聴きたい楽曲を任意に選択して再生することができるとともに、再生中の楽曲に応じて、プレーヤキャラクタの能力パラメータの変更(例えば、攻撃力の増加)といったゲームの進行制御の変更が起こるため、ゲームの興趣性を向上させることが可能となる。
【0066】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0067】
(A)ゲームシステムの構成
例えば、ゲームシステムを次のように構成しても良い。
【0068】
(A−1)
図10に示すように、ゲームサーバ1000とは別に、楽曲DB330を管理する楽曲管理サーバ1200を備えるように構成しても良い。この場合、ゲームサーバ1000が、楽曲再生権データ350を参照して、ゲーム端末2000に再生権が付与されている楽曲について、楽曲管理サーバ1200からゲーム端末2000への楽曲データのダウンロードを許可する。そして、ゲーム端末2000における楽曲の再生は、楽曲管理サーバ1200から楽曲データをダウンロードすることで実現する。
【0069】
(A−2)
或いは、
図11に示すように、ゲームサーバ1000とは別に、楽曲販売サーバ1300を備えるように構成しても良い。この場合、ゲーム端末2000は、楽曲販売サーバ1300から、楽曲データを楽曲の再生権と一体として、或いは楽曲の再生権のみを購入等により取得し、自装置における楽曲の再生権を管理する。すなわち、ゲーム端末2000が再生権管理DBである楽曲再生権データ350を有するよう構成する。ゲーム端末2000が、楽曲データを楽曲の再生権と一体として取得・管理する場合には、楽曲の再生はゲーム端末2000単体で実行可能である。楽曲の再生権のみを取得・管理する場合には、楽曲の再生時に、楽曲販売サーバ1300(この場合は楽曲管理サーバ1200とも言える)から当該楽曲のデータを受信して再生する。そして、ゲームサーバ1000は、ゲーム中、ゲーム端末2000において再生中の楽曲の識別情報をゲーム端末2000から取得し、取得した識別情報に基づいて、楽曲再生効果発動条件を満たしたか否かを判定する。
【0070】
また、この場合、ゲーム進行状況が所定の付与条件を満たした場合以外にも、プレーヤが楽曲(より詳細には楽曲の再生権)を取得できることとなるが、問題はない。すなわち、この
図11の形態のように、ゲーム進行状況が所定の付与条件を満たした場合以外にも、プレーヤが任意の方法で楽曲(より詳細には楽曲の再生権)を取得可能としてもよい。
【0071】
(B)楽曲の再生
また、上述の実施形態では、ゲーム端末2000における楽曲の再生をゲームサーバ1000からのストリーミング配信で実現するとして説明したが、楽曲データ(楽曲ファイル)そのものをダウンロードすることにしても良い。
図10や
図11の形態でも同様である。
【0072】
(C)楽曲再生効果発動条件
また、上述の実施形態では、楽曲再生効果発動条件を、現在のゲーム状況、及び、再生中の楽曲それぞれに係る条件の組み合わせとしたが、どちらか一方の条件のみとしてもよい。また、楽曲に係る条件は、再生中の楽曲である必要は無く、その楽曲の再生権を保有しているか否かを条件としてもよい。この場合、再生していなくとも、その楽曲を実質的に保有していることが条件となる。
【0073】
また、楽曲再生効果発動条件の構成要素の一つである再生中の楽曲を、例えばポップスや歌謡曲、ロック等といった再生中の楽曲の種別(ジャンル)としても良い。この場合、楽曲DB330において、各楽曲に一又は複数の種別(ジャンル)を対応付けて設定しておく必要がある。そして、
図8の楽曲再生効果テーブル360の発動条件361として、楽曲IDの代わりに、楽曲の種別(ジャンル)を設定する。こうすることで、ゲーム状況と楽曲の種別(ジャンル)との組合せの条件で、発動条件361が設定される。なお、発動条件361として、ゲーム状況の条件を省略し、楽曲の種別(ジャンル)としてもよいことは勿論である。
【0074】
(D)フレンド
また、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で提供されて複数のプレーヤが参加するオンラインゲームであるソーシャルゲームには、気の合う他のプレーヤを「フレンド」として登録する機能が知られている。この機能を本実施形態にも適用することとしてもよい。例えば、フレンドが有する楽曲の再生権に応じて、ゲームの進行制御を変更することにしても良い。具体的には、プレーヤ管理データ320において、当該プレーヤがフレンドとして登録した他のプレーヤの一覧であるフレンドリストを管理する。そして、ゲーム状況と、フレンドが有する楽曲の再生権に関するフレンド条件との組み合わせである「特別発動条件」が満たされている間、プレーヤに所与の効果を付与(発動)する。
図12に、この特別発動条件と、発動する効果とを定めた特別効果テーブルのデータ構成の一例を示す。更に、フレンドの全員が特定の楽曲の再生権を有している場合や、特定の楽曲の再生権を有するフレンドの人数が所定数に達した場合に、特別発動条件が満たされたと判定して、プレーヤに所与の効果を付与(発動)しても良い。更に、特定の楽曲の再生権を有するフレンドの人数によって、プレーヤに付与(発動)される効果を変更しても良い。