(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マイクロプロセッサは、前記内部抵抗値及び前記温度値に基づいて、前記電池セルの充電状態に対応する前記充電状態値を決定するようにさらにプログラムされており、
前記マイクロプロセッサは、前記格納装置内に前記充電状態値を格納するようにさらにプログラムされている
ことを特徴とする、請求項3に記載の電池セルアセンブリ。
前記マイクロプロセッサは、前記電池セルの前記充電状態値が前記充電状態臨界値と同一または小さい場合、前記発熱素子トレースに電流の供給を中断するように前記熱発生回路を誘導するための制御電圧の発生を中断するようにさらにプログラムされている
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池セルアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る電池セルアセンブリ20を含んでいる電池システム10、及び電池制御モジュール(battery control module)30が提供される。
【0007】
図1、
図3、
図5、及び
図7を参照すると、電池セルアセンブリ20は、電池セル40及び薄膜プロファイルセンサ50を含んでいる。電池セルアセンブリ20の利点は、薄膜プロファイルセンサ50が、電池セル40の外面に直接連結され、電池セル40の内部抵抗値及び充電状態値を決定し、前記充電状態値に基づいて電池セル40の充電状態を制御するということである。
【0008】
理解を目的として、ここで、“トレース(trace)”の用語は、薄膜導電部材(thin electrically conductive member)を意味する。
【0009】
図1及び
図2を参照すると、電池セル40は、ハウジング60、及び該ハウジングから延びた電極端子62,64を含んでいる。ハウジング60は、電極端子62,64の間で電圧を発生させる活性要素(active element)を囲むように構成されている。一実施形態において、電池セル40はリチウム−イオンパウチ型電池セル(lithium−ion pouch−type battery cell)である。また、前記実施形態において、ハウジング60は、実質的に四角形(rectangular−shaped)であり、外面66(
図9参照)を含んでいる。更に別の実施形態において、電池セル40は、例えば、ニッケル−金属−ハイドライド電池セル(nickel−metal−hydride battery cell)またはニッケル−カドミウム電池セル(nickel−cadmium battery cell)のような他の類型の電池セルであってもよい。また、更に別の実施形態において、電池セル40のハウジングは、例えば、円筒形(cylindrical shape)のような他の形状を有することができる。また、更に別の実施形態において、電池セル40は、他の類型のエネルギー貯蔵セル(energy storage cell)に代替されてもよい。例えば、電池セル40は、延びた第1及び第2電極端子を含んでいるウルトラキャパシタ(ultracapacitor)で代替されたり、延びた第1及び第2電極端子を含んでいるスーパーキャパシタ(supercapacitor)で代替されたりしてもよい。
【0010】
図3〜
図7を参照すると、薄膜プロファイルセンサ50は、電池セル40の充電状態値を決定し、前記充電状態値に基づいて電池セル40の充電状態を制御するように構成されている。例えば、一実施形態において、薄膜プロファイルセンサ50は、電池セル40の充電状態値を決定するために感知回路100を使用し、前記充電状態値に基づいて電池セル40の充電レベルを調節するために熱発生回路108を制御する。
【0011】
図3、
図5、及び
図7を参照すると、薄膜プロファイルセンサ50は、可撓プラスチックシート80、マイクロプロセッサ90、感知回路100、基準電圧回路102、データ受信回路104、データ伝送回路106、熱発生回路108、及びリード(leads)110,112を含んでいる。マイクロプロセッサ90は、感知回路100、データ受信回路104、データ伝送回路106、及び熱発生回路108に動作可能なように電気的に接続されている。マイクロプロセッサ90、感知回路100、データ受信回路104、データ伝送回路106、及び熱発生回路108は、可撓プラスチックシート80の第1面130に連結されている。
【0012】
図1、
図3、及び
図6を参照すると、可撓プラスチックシート80は、薄膜プロファイルセンサ50の上部の残りの構成要素を固定するように形成されている。可撓プラスチックシート80は、第1面130及び第2面132を含んでいる。可撓プラスチックシート80は、実質的に電池セル40のハウジング60の第1面上の外面66全体を覆う大きさ及び形状である。一実施形態において、可撓プラスチックシート80は実質的に四角形である。更に別の実施形態において、可撓プラスチックシート80は、電池セルの外面を覆うように構成されている他の形状であってもよい。
【0013】
図1、
図3、
図4、及び
図5を参照すると、以下でより詳細に説明されているように、マイクロプロセッサ90は、電池セル40の充電状態値を決定し、前記充電状態値に基づいて電池セル40の充電状態を制御するようにプログラムされている。マイクロプロセッサ90は、格納装置140、入出力(I/O)ポート150,152,154,156,158,160,162を含んでいるアナログ−デジタルコンバータ(analog−to−digital converter)142、及びオシレータ(oscillator)170を含んでいる。マイクロプロセッサ90は、リード110,112を介して電池セル40の電極端子62,64に電気的に接続されている。電極端子62,64は、マイクロプロセッサ90に動作電圧を供給するように構成されている。一実施形態において、マイクロプロセッサ90は、接着または他の付着手段を使用して、可撓プラスチックシート80の第1面130に直接連結されている。更に別の実施形態において、マイクロプロセッサ90は回路ボード119(
図10参照)に直接連結されており、回路ボード(circuit board)119は、接着または他の付着手段を使用して、可撓プラスチックシート80の第1面に直接連結されている。更に別の実施形態において、マイクロプロセッサ90は、可撓プラスチックシート80の第2面132上に位置している。マイクロプロセッサ90は、前記マイクロプロセッサ90に対して、ここに述べられた課題の少なくとも一部を行うために、ソフトウェアインストラクション(software instructions)及び/又は格納装置140内に格納されたデータを使用する。
【0014】
感知回路100は、電池セル40の温度値を示す信号を発生するように構成されている。前記温度値は電池セル40の温度レベルを示す。一つの図示された実施形態において、感知回路100は、可撓プラスチックシート80に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、感知回路100の少なくとも一部の構成要素は、可撓プラスチックシート80にさらに連結された回路ボード119(
図10参照)上に位置することができる。また、前記図示された実施形態において、感知回路100は、可撓プラスチックシート80の第1面130に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、感知回路100は、可撓プラスチックシート80の第2面132に直接連結されてもよい。感知回路100は、トランジスタ(transistor)190、抵抗器(resistors)194,198,202,206、抵抗トレース(resistive trace)210、及びノード(nodes)218,222,226を含んでいる。抵抗トレース210は、電池セル40の温度レベルに基づいて変化する抵抗レベルを有する。
【0015】
図5を参照すると、抵抗器190は、ベース(base)B1、エミッタ(emitter)E1、及びコレクタ(collector)C1を含んでいる。エミッタE1は、電池セル40の正極端子上の動作電圧に電気的にさらに接続されているノード218に電気的に接続されている。ノード218は、マイクロプロセッサ90のI/Oポート150に電気的にさらに接続されている。ベースB1は、ノード222に電気的にさらに接続されている。抵抗器194は、ノード222とノード218との間に電気的に接続されている。また、抵抗器198は、ノード222とI/Oポート152との間に電気的に接続されている。抵抗器202は、コレクタC1とノード226との間に電気的に接続されている。また、抵抗トレース210は、ノード226と電池セル40の負極端子との間に電気的に接続されている。したがって、抵抗器202は、抵抗トレース210と電気的に直列接続されており、電気ノード(electrical node)226は、これらの間に電気的に接続されている。抵抗器202は、トランジスタ190がオンされるとき、動作電圧に電気的にさらに接続される。抵抗器206は、ノード226とI/Oポート154との間に電気的に接続されている。
【0016】
図3及び
図5を参照すると、抵抗トレース210は、電池セル40の温度レベルに基づいて変化し、電池セル40の温度レベルを決定するために、マイクロプロセッサ90によって使用される抵抗レベルを有する。一実施形態において、抵抗トレース210は、可撓プラスチックシート80の第1面130上に直接位置している。更に別の実施形態において、抵抗トレース210は、可撓プラスチックシート80の第2面132上に直接位置している。抵抗トレース210は、互いに電気的に直列接続されている抵抗トレース部(resistive trace portions)340,342,344,346,348,350,352,354,356,358,360,362,364,366を含んでいる。図示のように、抵抗トレース342,346,350,354,358,362は、互いに離隔しており、可撓プラスチックシート80の第1面130に沿って長手方向に実質的に互いに平行である。一実施形態において、抵抗トレース210は、0.33〜1.0mmの厚さを有している。もちろん、更に別の実施形態において、抵抗トレース210は、1.0mmよりも厚い厚さを有することができる。一実施形態において、抵抗トレース210は、可撓プラスチックシート80上に印刷されており、黒鉛(graphite)、ニッケル、錫(tin)、銀、銅、またはこれら素材のうちの少なくとも2つ以上の合金からなる群から選択される少なくともいずれか1つからなっている。
【0017】
更に別の実施形態において、抵抗トレース210は、可撓プラスチックシート80上に異なる構成を有してもよい。例えば、抵抗トレース210は、電池セル40の所望の温度感知範囲(temperature sensing coverage)を提供するために、互いに平行に延びている複数の第1トレース部(first plurality of trace portions)であって、端部領域(end regions)において、実質的に垂直に位置している1つ以上のトレース部と共に連結されている、複数の第1トレース部で構成され得る。また、例えば、抵抗トレース210は、電池セル40の所望の温度感知範囲を提供するために、1つまたはそれ以上の直列トレース部に連結された平行に延びたトレース部の他の組み合わせで構成されてもよい。
【0018】
抵抗トレース210は、電池セル40の温度に基づいて変化する抵抗を有するので、トランジスタ190がオンされたとき、ノード226での電圧は電池セル40の温度レベルを示す。また、I/Oポート154に供給された電圧は、電池セル40の温度レベルをさらに示す。
【0019】
電池セル40の温度レベルを決定するために、マイクロプロセッサ90は、I/Oポート152上にトランジスタ190をオンさせるための低い論理レベル電圧(logic level voltage)を出力するようにプログラムされている。トランジスタ190がオンされたとき、マイクロプロセッサ90は、I/Oポート154の抵抗器206上の電圧(温度_感知)を測定するようにプログラムされている。マイクロプロセッサ90は、電圧(温度_感知)に基づいて電池セル40の温度レベルを示す温度値を決定するようにさらにプログラムされている。一実施形態において、マイクロプロセッサ90は、(I/Oポート154で電圧レベルに対応する)複数の電圧値及び電池セル40の複数の関連温度レベルを含んでいる、格納装置140内に格納された検索テーブル(lookup table)を使用する。マイクロプロセッサ90は、検索テーブル内の関連温度値にアクセスするための索引(index)として、電池セル40の温度レベルに対応する測定電圧レベルを使用する。
【0020】
マイクロプロセッサ90は、電池セル40のV
openまたはV
load電圧のいずれかを決定するために、I/Oポート150上の電圧を測定するようにさらにプログラムされている。具体的には、マイクロプロセッサ90は、トランジスタ300がオフされたとき、電池セル40のV
open電圧レベルに対応するI/Oポート150上の電圧を測定する。反対に、マイクロプロセッサは、トランジスタ300がオンされたとき、電池セル40のV
load電圧レベルに対応するI/Oポート150上の電圧を測定する。
【0021】
基準電圧回路102は、マイクロプロセッサ90のI/Oポート156に基準電圧を入力するように形成されている。図示された実施形態において、基準電圧回路102は、可撓プラスチックシート80に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、基準電圧回路102の少なくとも一部の構成要素は、可撓プラスチックシート80にさらに連結されている回路ボード119(
図10参照)上に位置してもよい。図示された実施形態において、基準電圧回路102は、可撓プラスチックシート80の第1面130に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、基準電圧回路102は、可撓プラスチックシート80の第2面132に直接連結されてもよい。基準電圧回路102は、抵抗器230、ダイオード232、及びノード234を含んでいる。抵抗器230は、動作電圧とノード234との間に電気的に接続されている。ダイオード232は、ノード234と電池セル40の負極端子との間に電気的に接続されている。ノード234は、I/Oポート156に電気的にさらに接続されている。
【0022】
図1及び
図5を参照すると、データ受信回路104は、薄膜プロファイルセンサ50が電池制御モジュール30からデータを受信するように形成されている。図示された実施形態において、データ受信回路104は、可撓プラスチックシート80に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、データ受信回路104の少なくとも一部の構成要素は、可撓プラスチックシート80にさらに連結されている回路ボード119(
図10参照)上に位置してもよい。また、図示された実施形態において、データ受信回路104は、可撓プラスチックシート80の第1面130に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、データ受信回路104は、可撓プラスチックシート80の第2面132に直接連結されてもよい。データ受信回路104は、赤外線受信トランジスタ(infrared receiving transistor)242、抵抗器244、電圧バッファ(voltage buffer)248、及びノード252を含んでいる。トランジスタ242は、ベースB2、コレクタC2、及びエミッタE2を含んでいる。コレクタC2は、電池セル40の正極端子に電気的に接続されている。エミッタE2は、抵抗器244にさらに接続されたノード252に電気的に接続されている。抵抗器244は、ノード252と電池セル40の負極端子との間に電気的に接続されている。電圧バッファ248は、ノード252とマイクロプロセッサ90のI/Oポート158との間に電気的に接続されている。ベースB2が臨界照明レベル(threshold light level)を有する赤外線を受信するとき、トランジスタ242がオンされ、電圧バッファ248を介してI/Oポート158に電圧を供給する。したがって、赤外線が内部にバイナリメッセージ(binary message)を含んでいるとき、トランジスタ242は、電圧バッファ248を介してI/Oポート158にバイナリ電圧メッセージ(binary voltage message)を供給するために、繰り返してオン、オフされる。
【0023】
データ受信回路104は、電池セル40と関連する臨界動作パラメータ値(threshold operational parameter value)に対応して内部にバイナリメッセージを含む信号を受信するように構成されている。例えば、一実施形態において、前記信号は赤外線信号に対応する。また、一実施形態において、臨界動作パラメータ値は、電池セル40の充電状態臨界値(state−of−charge threshold value)に対応する。もちろん、更に別の実施形態において、データ受信回路104は、I/Oポート158に動作可能なように接続された無線周波数受信機(radio frequency(RF) receiver)を含むことができ、バイナリメッセージを含んでいる受信信号は、RF信号に対応し得る。また、更に別の実施形態において、臨界動作パラメータ値は、電池セル40と関連する他の臨界パラメータ値に対応し得る。
【0024】
内部のバイナリメッセージと共に信号を受信した後に、データ受信回路104は、前記受信された信号に対応して、バイナリメッセージを含む電圧信号を出力するようにさらに構成されている。前記バイナリメッセージは、電池セル40の臨界動作パラメータ値を示し、マイクロプロセッサ90によって受信される。一実施形態において、バイナリメッセージは、電池セル40の充電状態臨界値に対応する臨界動作パラメータ値を含んでいる。
【0025】
データ伝送回路106は、薄膜プロファイルセンサ50が電池制御モジュール30にデータを伝送するように形成されている。具体的には、マイクロプロセッサ90は、データ伝送回路106が、電池セル40の測定または決定された動作パラメータ値を示す第1バイナリメッセージを内部に含む信号を伝送するように誘導するための制御信号を発生するようにプログラムされている。図示された実施形態において、データ伝送回路106は、可撓プラスチックシート80に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、データ伝送回路106の少なくとも一部の構成要素は、可撓プラスチックシート80にさらに連結されている回路ボード119(
図10参照)上に位置してもよい。また、図示された実施形態において、データ伝送回路106は、可撓プラスチックシート80の第1面130に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、データ伝送回路106は、可撓プラスチックシート80の第2面132に直接連結されてもよい。データ伝送回路106は、赤外線伝送ダイオード(infrared transmitting diode)258、トランジスタ260、抵抗器264,268,272、ダイオード276,280、及びノード284を含んでいる。
【0026】
トランジスタ260は、ベースB3、コレクタC3、及びエミッタE3を含んでいる。赤外線伝送ダイオード258は、コレクタC3と電池セル40の正極端子との間に電気的に接続されている。抵抗器264は、エミッタE3と電池セル40の負極端子との間に電気的に接続されている。抵抗器268は、ベースB3と電池セル40の負極端子との間に電気的に接続されている。ベースB3は、ノード284に電気的にさらに接続されている。ダイオード276,280は、ノード284と電池セル40の負極端子との間に電気的に直列に接続されている。抵抗器272は、ノード284とマイクロプロセッサのI/Oポート160との間に電気的に接続されている。
【0027】
マイクロプロセッサ90が、I/Oポート160に高い論理レベル電圧を出力するように指示するとき、トランジスタ260がオンされ、赤外線伝送ダイオード258は赤外線を放出する。したがって、マイクロプロセッサ90が、内部に電池セル40の測定された動作パラメータ値に対応するバイナリメッセージを含む信号を出力しようとするとき、マイクロプロセッサ90は、内部にバイナリメッセージを含む赤外線を発生させるように、I/Oポート160によって電圧出力を制御する。一実施形態において、前記バイナリメッセージは、電池セル40の測定または決定された動作パラメータ値として、(i)温度値、(ii)第1電圧値(例えば、開回路電圧V
openに対応する値)、(iii)第2電圧値(例えば、V
loadに対応する値)、(iv)電流値(例えば、I
loadに対応する値)、(v)内部抵抗値、及び(vi)充電状態値を含む動作パラメータ値を含んでいる。
【0028】
図3及び
図5を参照すると、熱発生回路108は、電池セル40の充電状態値が充電状態臨界値よりも大きくなるとき、熱を発生するように形成されている。図示された実施形態において、熱発生回路108は、可撓プラスチックシート80に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、熱発生回路108の少なくとも一部の構成要素は、可撓プラスチックシート80にさらに連結されている回路ボード119(
図10参照)上に位置してもよい。また、図示された実施形態において、熱発生回路108は、可撓プラスチックシート80の第1面130に直接連結されている。もちろん、更に別の実施形態において、熱発生回路108は、可撓プラスチックシートの第2面132に直接連結されてもよい。熱発生回路108は、トランジスタ300、発熱素子トレース(heating element trace)302、抵抗器304,308,312、ダイオード316,320、ノード324,328、及び感知線(sense line)329を含んでいる。
【0029】
トランジスタ300は、ベースB4、コレクタC4、及びエミッタE4を含んでいる。発熱素子トレース302は、コレクタC4と電池セル40の正極端子との間に電気的に接続されている。抵抗器304は、エミッタE4と電池セル40の負極端子との間に接続されている。感知線329は、エミッタE4とマイクロプロセッサ90のI/Oポート164との間に電気的に接続されている。ベースB4は、ノード328に電気的に接続されている。ダイオード316,320は、ノード328と電池セル40の負極端子との間に電気的に直列に接続されている。抵抗器312は、ノード328とマイクロプロセッサ90のI/Oポート162との間に電気的に接続されている。
【0030】
発熱素子トレース302は、電圧が発熱素子トレース302を経て供給されるとき、熱を発生させるように構成されている。図示された実施形態において、発熱素子トレース302は、可撓プラスチックシート80上に直接位置している、実質的に蛇行状(serpentine−shaped)である発熱素子トレースである。また、発熱素子トレース302は、互いに直列に連結されている発熱素子トレース部400,402,404,406,408,410,412,414,416,418,420,422,424を含んでいる。また、一実施形態において、発熱素子トレース302は、可撓プラスチックシート80上に印刷されており、黒鉛、ニッケル、錫、銀、銅、またはこれら素材のうちの少なくとも2つ以上の合金からなる群から選択される少なくともいずれか1つからなっている。更に別の実施形態において、発熱素子トレース302は、可撓プラスチックシート80上に異なる構成を有してもよい。例えば、発熱素子トレース302は、電池セル40の所望の発熱範囲を提供するために、互いに平行に延びている複数の第1発熱素子トレース部(first plurality of heating element trace portions)であって、端部領域において、実質的に垂直に位置している1つまたはそれ以上の発熱素子トレース部に共に連結されている複数の第1発熱素子トレース部で構成され得る。また、例えば、発熱素子トレース302は、電池セル40の所望の発熱範囲を提供するために、平行に延びて1つまたはそれ以上の直列発熱トレース部に連結された発熱素子トレース部の他の組み合わせで構成されてもよい。
【0031】
動作過程において、マイクロプロセッサ90は、電池セル40の充電状態値が充電状態臨界値よりも大きくなる場合、熱を発生させるために発熱素子トレース302に電流を供給するように熱発生回路108のトランジスタ300を誘導するための制御電圧(control voltage)を発生するようにプログラムされている。また、マイクロプロセッサ90は、電池セル40の充電状態値が充電状態臨界値と同一または小さくなる場合、発熱を止めるように発熱素子トレース302を誘導するために発熱素子トレース302に電流の供給を中断するように熱発生回路108のトランジスタ300を誘導するための制御電圧の発生を中断するようにプログラムされている。
【0032】
マイクロプロセッサ90は、トランジスタ300がオンされたとき、ノード324での電圧を測定することによって、電池セル40のI
load電流値を決定するようにさらにプログラムされている。マイクロプロセッサ90は、下記式を用いてI
load電流値を計算する。
【0033】
I
load=ノード324での電圧/抵抗器304の公知抵抗値(known resistance value)
【0034】
マイクロプロセッサ90は、下記式に基づいて、電池セル40の内部抵抗レベルに対応する内部抵抗値を決定するようにさらにプログラムされている。
【0035】
(V
load−V
open)/(I
load−I
open)
【0037】
マイクロプロセッサ90は、電池セル40と関連する温度値及び内部抵抗値に基づいて、電池セル40の充電状態に対応する充電状態値を決定するようにさらにプログラムされている。
図14を参照すると、複数の温度値(例えば、TEMP1、TEMP2、TEMP3)、複数の内部抵抗値(例えば、IR1、IR2、IR3、IR4、IR5、IR6、IR7、IR8、IR9)、及び複数の充電状態値(例えば、SOC1、SOC2、SOC3)を含んでいる表570が示されている。一実施形態において、動作過程中、マイクロプロセッサ90は、電池セル40の充電状態のレベルを決定するために、表570を用いる。具体的には、マイクロプロセッサ90は、表570から電池セル40の充電状態値に対応する充電状態値を選択するための索引として、温度値及び内部抵抗値を用いる。例えば、マイクロプロセッサ90が、温度値がTEMP1であり、内部抵抗値がIR1であると決定する場合、その後、マイクロプロセッサ90は、表570から電池セルの温度値に対応するSOC1を検索するための索引として、表570でTEMP1及びIR1を用いる。
【0038】
図3、
図4、及び
図9を参照すると、接着部(adhesive portion)302は、可撓プラスチックシート80を電池セル40のハウジング60の外面に付着するように構成されている。接着部302は、可撓プラスチックシート80の周辺部(peripheral region)で第1面130上に位置している。具体的には、接着部302は、薄膜プロファイルセンサ50の残りの構成要素を取り囲みながら、可撓プラスチックシート80の周辺部上に位置している。薄膜プロファイルセンサ50の第1面130がハウジング60の外面66上に位置するとき、接着部302は、可撓プラスチックシート80をハウジング60の外面に連結し、可撓プラスチックシート80とハウジング60の外面66との間に重なって位置しているマイクロプロセッサ90、感知回路100、基準電圧回路102、データ伝送回路106、データ受信回路104、及び熱発生回路108に塵埃(dust)、汚物(dirt)、及びその他の好ましくない物質が接触することを防止する。
【0039】
図1、
図3、
図5、及び
図11〜
図13を参照すると、電池セル40と関連した動作パラメータ値を決定し、動作パラメータ値に基づいて電池セル40の充電状態値を制御する方法のフローチャートが示されている。
【0040】
ステップ500において、操作者は、ハウジング60と前記ハウジング60から延びた第1及び第2電極端子62,64を含んでいる電池セル40を形成する。ステップ500の後に、方法はステップ502に進む。
【0041】
ステップ502において、操作者は、可撓プラスチックシート80、マイクロプロセッサ90、感知回路100、熱発生回路108、データ伝送回路106、及びデータ受信回路104を含んでいる薄膜プロファイルセンサ50を形成する。マイクロプロセッサ90は、感知回路100、熱発生回路108、データ伝送回路106、及びデータ受信回路104に動作可能なように電気的に接続されている。マイクロプロセッサ90、感知回路100、熱発生回路108、データ伝送回路106、及びデータ受信回路104は、可撓プラスチックシート80に連結されている。可撓プラスチックシート80は、電池セル40のハウジング60の外面66に連結されている。感知回路100は抵抗トレース210を含んでいる。抵抗トレース210は、電池セル40の温度レベルに基づいて変化する抵抗レベルを有する。ステップ402の後に、方法はステップ504に進む。
【0042】
ステップ504において、外部電池制御モジュール(external battery control module)30は、第1バイナリメッセージと共に、(i)電池セル識別子値(battery cell identifier value)、(ii)充電状態臨界値を含んでいる信号を伝送する。一実施形態において、前記信号は無線信号である。ステップ504の後に、方法はステップ506に進む。
【0043】
ステップ506において、データ受信回路104は、第1バイナリメッセージを含んでいる信号を外部電池制御モジュール30から受信し、マイクロプロセッサ90によって受信された電池セル識別子値及び充填状態臨界値を含んでいる信号を発生させる。ステップ506の後に、方法はステップ508に進む。
【0044】
ステップ508において、マイクロプロセッサ90は、電池セル識別子値が、電池セル40と関連して格納された電池セル識別子値と同一であるか否かを決定する。もし、ステップ508の値が“はい”である場合、方法はステップ510に進む。そうでなければ、方法はステップ512に進む。
【0045】
ステップ510において、マイクロプロセッサ90は、充電状態臨界値を格納装置140内に格納する。ステップ510の後に、方法はステップ524に進む。
【0046】
再びステップ508を参照すると、もし、ステップ508の値が“いいえ”である場合、方法はステップ512に進む。ステップ512において、マイクロプロセッサ90は、以前に格納装置140内に格納されていた充電状態臨界値を検索する。ステップ512の後に、方法はステップ520に進む。
【0047】
ステップ524において、感知回路100は、電池セル40の温度値を示す第1電圧を発生させる。温度値は電池セル40の温度レベルを示す。ステップ524の後に、方法はステップ526に進む。
【0048】
ステップ526において、マイクロプロセッサ90は、感知回路100からの第1電圧に基づいて温度値を決定する。ステップ526の後に、方法はステップ528に進む。
【0049】
ステップ528において、マイクロプロセッサ90は、第1電極端子62と第2電極端子64との間で、電池セル40の開回路電圧に対応する第1電圧値を決定する。ステップ528の後に、方法はステップ530に進む。
【0050】
ステップ530において、マイクロプロセッサ90は、電池セル40が熱発生回路108を介して電流を供給するとき、第1電極端子62と第2電極端子64との間で、電池セル40の第1電圧に対応する第2電圧値を決定する。ステップ530の後に、方法はステップ532に進む。
【0051】
ステップ532において、マイクロプロセッサ90は、電池セル40が熱発生回路108を介して電流を供給するとき、電池セル40を介して流れる電流レベルに対応する電流値を決定する。ステップ532の後に、方法はステップ534に進む。
【0052】
ステップ534において、マイクロプロセッサ90は、第1電圧値、第2電圧値、及び電流値に基づいて、電池セル40の内部抵抗レベルに対応する内部抵抗値を決定する。具体的には、マイクロプロセッサは、下記式を用いて内部抵抗値を決定する。
【0053】
(V
load−V
open)/(I
load−I
open)
【0055】
ステップ534の後に、方法はステップ536に進む。
【0056】
ステップ536において、マイクロプロセッサ90は、内部抵抗値及び温度値に基づいて、電池セル40の充電状態に対応する充電状態値を決定する。ステップ536の後に、方法はステップ538に進む。
【0057】
ステップ538において、マイクロプロセッサ90は、(i)温度値、(ii)第1電圧値、(iii)第2電圧値、(iv)電流値、(v)内部抵抗値、及び(vi)充電状態値を格納装置140内に格納する。ステップ538の後に、方法はステップ544に進む。
【0058】
ステップ544において、マイクロプロセッサ90は、第2バイナリメッセージと共に、(i)電池セル識別子値、(ii)温度値、(iii)第1電圧値、(iv)第2電圧値、(v)電流値、(vi)内部抵抗値、及び(vii)充電状態値を含む信号を伝送するようにデータ伝送回路106を誘導するための制御信号を発生させる。ステップ544の後に、方法はステップ546に進む。
【0059】
ステップ546において、外部電池制御モジュール30は、データ伝送回路106から、第2バイナリメッセージを含んでいる信号を受信する。ステップ546の後に、方法はステップ548に進む。
【0060】
ステップ548において、マイクロプロセッサ90は、充電状態値が充電状態臨界値よりも大きいか否かを決定する。もし、ステップ548の値が“はい”である場合、方法はステップ550に進む。そうでなければ、方法はステップ552に進む。
【0061】
ステップ550において、マイクロプロセッサ90は、電池セル40の充電状態のレベルを減少させるために発熱素子トレース302に電流を供給するように熱発生回路108を誘導するための制御電圧を発生させる。ステップ550の後に、方法はステップ524に戻る。
【0062】
再びステップ548を参照すると、もし、ステップ548の値が“いいえ”である場合、方法はステップ552に進む。ステップ552において、マイクロプロセッサ90は、発熱素子トレース302に電流の供給を中断するように熱発生回路108を誘導するための制御電圧の発生を止める。ステップ552の後に、方法はステップ524に戻る。
【0063】
上述した方法は、上記方法を実行するためのコンピュータ−実行命令を含んでいる1つまたはそれ以上のコンピュータ−可読媒体(computer readable media)内に少なくとも部分的に含まれてもよい。前記コンピュータ−可読媒体は、下記のハードドライブ(hard drives)、RAM、ROM、フラッシュメモリ(flash memory)、及びその他の当業界に公知となったコンピュータ可読媒体のうちの1つまたはそれ以上で構成されてもよく、前記コンピュータ−実行命令はロードされ、1つまたはそれ以上のマイクロプロセッサによって実行され、1つまたはそれ以上のマイクロプロセッサは、方法を実行するための装置(apparatus)となる。
【0064】
前記電池セルアセンブリは、他のアセンブリに比べて実質的な利点を提供する。具体的には、電池セルアセンブリは、電池セルと関連する内部抵抗値及び充電状態値を決定し、前記充電状態値に基づいて電池セルの充電状態を制御するために、電池セルの外面に連結された薄膜プロファイルセンサを使用する技術的効果を提供する。具体的には、薄膜プロファイルセンサは、感知回路を使用して電池セルと関連する内部抵抗値及び充電状態値を決定し、前記充電状態値に基づいて電池セルの充電状態を調節するために熱発生回路を制御する。
【0065】
本発明は、単に制限された数の例示にのみ関連して具体的に記述されたが、本発明が、上記に表現された例示にのみ限定されるものではない点を認識しなければならない。より正確には、本発明は、変形、変更、置換、またはここに表現されたものだけでなく、本発明の意図と範疇に適するように、相応する組み合わせにいくらでも修正することができる。さらに、本発明の様々な例示が表現されたが、本発明の様態は、単に表現された例示の一部のみを含むことができるという点を認識しなければならない。したがって、本発明は、上記の表現によって限定されるものではない。