(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とから実質的になり、
変倍の際に、前記第1レンズ群は像面に対し固定され、
広角端から望遠端への変倍の際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔は常に広がり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔は常に狭まり、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔は望遠端において広角端よりも狭くなり、
前記第2レンズ群は、物体側から順に、第1レンズ成分と、第2レンズ成分と、第3レンズ成分と、第4レンズ成分とから実質的になり、
前記第1レンズ成分は、像側に曲率半径の絶対値が物体側の面よりも小さい凹面を向けた第2a負レンズであり、
前記第2レンズ成分は、第2bn両凹レンズおよび第2bp正メニスカスレンズが物体側からこの順に接合され、全体として負の屈折力を有する接合レンズであり、
前記第3レンズ成分は、第2cn両凹レンズおよび第2cp正レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズであり、
前記第4レンズ成分は、物体側に曲率半径の絶対値が像側の面よりも小さい凹面を向けた第2d負レンズである
ことを特徴とするズームレンズ。
前記第1レンズ群は、物体側から順に、合焦の際に像面に対し固定されている負の屈折力を有する第1aレンズ群と、合焦の際に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第1bレンズ群と、合焦の際に像面に対し固定されている正の屈折力を有する第1cレンズ群とから実質的になり、
該第1cレンズ群は、物体側から順に、正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズおよび正レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの4枚のレンズを最も像側に有する
請求項1から7のいずれか1項記載のズームレンズ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のレンズは、望遠端でのF値が十分に小さいとは言えず、高倍率でかつ望遠端でのF値が小さいズームレンズが望まれている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、高倍率でかつ望遠端でのF値が小さく、諸収差が良好に補正された高性能なズームレンズおよびこのズームレンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とから実質的になり、変倍の際に、第1レンズ群は像面に対し固定され、広角端から望遠端への変倍の際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔は常に広がり、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔は常に狭まり、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔は望遠端において広角端よりも狭くなり、第2レンズ群は、物体側から順に、第1レンズ成分と、第2レンズ成分と、第3レンズ成分と、第4レンズ成分とから実質的になり、第1レンズ成分は、像側に曲率半径の絶対値が物体側の面よりも小さい凹面を向けた第2a負レンズであり、第2レンズ成分は、第2bn両凹レンズおよび第2bp正メニスカスレンズが物体側からこの順に接合され、全体として負の屈折力を有する接合レンズであり、第3レンズ成分は、第2cn両凹レンズおよび第2cp正レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズであり、第4レンズ成分は、物体側に曲率半径の絶対値が像側の面よりも小さい凹面を向けた第2d負レンズであることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のズームレンズにおいては、変倍の際に、第5レンズ群は像面に対し固定され、広角端から望遠端への変倍の際に、第3レンズ群および第4レンズ群を合成してなる第34合成レンズ群と第2レンズ群とはそれぞれの結像倍率が−1倍の点を同時に通ることが好ましい。
【0008】
また、広角端から望遠端への変倍の際に、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔は狭まった後に一度広がりその後また狭まることが好ましい。
【0009】
また、第2a負レンズはメニスカスレンズであることが好ましい。
【0010】
また、下記条件式(1)を満足することが好ましく、下記条件式(1−1)を満足することがより好ましい。
−1<(L2bpr+L2cnf)/(L2bpr−L2cnf)<1 …(1)
−0.6<(L2bpr+L2cnf)/(L2bpr−L2cnf)<0.6 …(1−1)
ただし、
L2bpr:第2bp正メニスカスレンズの像側の面の曲率半径
L2cnf:第2cn両凹レンズの物体側の面の曲率半径
とする。
【0011】
また、下記条件式(2)および(3)を満足することが好ましく、下記条件式(2−1)および/または(3−1)を満足することがより好ましい。
0.2<f2/f2a<0.6 …(2)
0.25<f2/f2a<0.55 …(2−1)
0.1<f2/f2b<0.6 …(3)
0.2<f2/f2b<0.5 …(3−1)
ただし、
f2:第2レンズ群のd線における焦点距離
f2a:第1レンズ成分のd線における焦点距離
f2b:第2レンズ成分のd線における焦点距離
とする。
【0012】
また、下記条件式(4)を満足することが好ましく、下記条件式(4−1)を満足することがより好ましい。
−0.3<f2×(f2cp_nd−f2cn_nd)×(1/L2cnp)<−0.1 …(4)
−0.2<f2×(f2cp_nd−f2cn_nd)×(1/L2cnp)<−0.12 …(4−1)
ただし、
f2:第2レンズ群のd線における焦点距離
f2cp_nd:第2cp正レンズのd線における屈折率
f2cn_nd:第2cn両凹レンズのd線における屈折率
L2cnp:第2cn両凹レンズおよび第2cp正レンズの接合面の曲率半径
とする。
【0013】
また、第1レンズ群は、物体側から順に、合焦の際に像面に対し固定されている負の屈折力を有する第1aレンズ群と、合焦の際に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第1bレンズ群と、合焦の際に像面に対し固定されている正の屈折力を有する第1cレンズ群とから実質的になり、第1cレンズ群は、物体側から順に、正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズおよび正レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの4枚のレンズを最も像側に有することが好ましい。
【0014】
第1レンズ群について、第1aレンズ群と、第1bレンズ群と、第1cレンズ群とから構成した場合、下記条件式(5)および(6)を満足することが好ましく、下記条件式(5−1)および/または(6−1)を満足することがより好ましい。
75<f1c_νd_ave<96 …(5)
80<f1c_νd_ave<96 …(5−1)
0.5<f1c_θgF_ave<0.6 …(6)
0.52<f1c_θgF_ave<0.56 …(6−1)
ただし、
f1c_νd_ave:第1cレンズ群に含まれる正レンズのd線に対するアッベ数の平均値
f1c_θgF_ave:第1cレンズ群に含まれる正レンズの部分分散比の平均値
とする。
【0015】
また、第1レンズ群について、第1aレンズ群と、第1bレンズ群と、第1cレンズ群とから構成した場合、下記条件式(7)を満足することが好ましく、下記条件式(7−1)を満足することがより好ましい。
0.8<f1/f1c<1.2 …(7)
0.9<f1/f1c<1.1 …(7−1)
ただし、
f1:第1レンズ群のd線における焦点距離
f1c:第1cレンズ群のd線における焦点距離
とする。
【0016】
また、第1レンズ群について、第1aレンズ群と、第1bレンズ群と、第1cレンズ群とから構成した場合、第1bレンズ群および第1cレンズ群に含まれる正レンズの枚数は計5枚であることが好ましい。
【0017】
第1bレンズ群および第1cレンズ群に含まれる正レンズの枚数を計5枚とした場合、第1bレンズ群は、物体側から順に、負メニスカスレンズおよび両凸レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、両凸レンズとから実質的になり、第1cレンズ群は、物体側から順に、両凸レンズと、負メニスカスレンズおよび正メニスカスレンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、正メニスカスレンズとから実質的になるものとしてもよい。
【0018】
また、第1bレンズ群および第1cレンズ群に含まれる正レンズの枚数を計5枚とした場合、第1bレンズ群は、負メニスカスレンズおよび両凸レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズから実質的になり、第1cレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正レンズと、正メニスカスレンズと、負メニスカスレンズおよび正メニスカスレンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、正メニスカスレンズとから実質的になるものとしてもよい。
【0019】
また、第1レンズ群について、第1aレンズ群と、第1bレンズ群と、第1cレンズ群とから構成した場合、第1aレンズ群は、物体側から順に、負メニスカスレンズと、両凹レンズと、正レンズとから実質的になることが好ましい。
【0020】
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明のズームレンズを備えたものである。
【0021】
なお、上記「〜から実質的になる」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやマスクやカバーガラスやフィルタ等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手ぶれ補正機構等の機構部分、等を含んでもよいことを意図するものである。
【0022】
また、上記のレンズ群の屈折力の符号、レンズの屈折力の符号、およびレンズの面形状は、非球面が含まれているものは近軸領域で考えることとする。また、上記条件式は全て断りがない限りd線(波長587.6nm)を基準とし、かつ無限遠合焦時の値とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とから実質的になり、変倍の際に、第1レンズ群は像面に対し固定され、広角端から望遠端への変倍の際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔は常に広がり、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔は常に狭まり、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔は望遠端において広角端よりも狭くなり、第2レンズ群は、物体側から順に、第1レンズ成分と、第2レンズ成分と、第3レンズ成分と、第4レンズ成分とから実質的になり、第1レンズ成分は、像側に曲率半径の絶対値が物体側の面よりも小さい凹面を向けた第2a負レンズであり、第2レンズ成分は、第2bn両凹レンズおよび第2bp正メニスカスレンズが物体側からこの順に接合され、全体として負の屈折力を有する接合レンズであり、第3レンズ成分は、第2cn両凹レンズおよび第2cp正レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズであり、第4レンズ成分は、物体側に曲率半径の絶対値が像側の面よりも小さい凹面を向けた第2d負レンズであるものとしたので、高倍率でかつ望遠端でのF値が小さく、諸収差が良好に補正された高性能なズームレンズとすることができる。
【0024】
また、本発明の撮像装置は、本発明のズームレンズを備えているため、高倍率でかつ高画質の画像を取得することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるズームレンズのレンズ構成を示す断面図である。
図1に示す構成例は、後述の実施例1のズームレンズの構成と共通である。
図1においては、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。また、
図1では、広角端から望遠端への変倍の際の各レンズ群の移動軌跡を示す矢印、結像倍率が−1倍の点(図中においてβ=−1と示す水平の点線)、軸上光束waおよび最大画角の光束wbを合わせて示している。
【0027】
本実施形態のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから実質的になり、変倍の際に、第1レンズ群G1は像面Simに対し固定され、広角端から望遠端への変倍の際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔は常に広がり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔は常に狭まり、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は望遠端において広角端よりも狭くなるように構成されている。
【0028】
このズームレンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、光学系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、および/または赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置することが好ましいため、
図1では、これらを想定した平行平面板状の光学部材PP1およびPP2をレンズ系と像面Simとの間に配置した例を示している。
【0029】
このような構成とし、変倍に作用する第2レンズ群G2に対し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とで変倍に伴う像面の位置の変動を補正しており、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とは相対的に移動しているため、変倍時の像面湾曲の補正とともに、変倍時の球面収差の変動を良好に補正することが可能となる。
【0030】
また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が望遠側において広角側よりも狭くなるように移動するような構成とすることで、望遠側での第2レンズ群G2の移動範囲を広く取ることができ、第2レンズ群G2の屈折力を抑えられるため、変倍に伴う収差変動を抑えることが可能となる。
【0031】
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、第1レンズ成分と、第2レンズ成分と、第3レンズ成分と、第4レンズ成分とから実質的になり、第1レンズ成分は、像側に曲率半径の絶対値が物体側の面よりも小さい凹面を向けた第2a負レンズL2aであり、第2レンズ成分は、第2bn両凹レンズL2bnおよび第2bp正メニスカスレンズL2bpが物体側からこの順に接合され、全体として負の屈折力を有する接合レンズであり、第3レンズ成分は、第2cn両凹レンズL2cnおよび第2cp正レンズL2cpが物体側からこの順に接合された接合レンズであり、第4レンズ成分は、物体側に曲率半径の絶対値が像側の面よりも小さい凹面を向けた第2d負レンズL2dである。
【0032】
第2レンズ群G2については、レンズ成分を4つよりも多くすると第2レンズ群G2の移動範囲がとりにくくなり、4つよりも少なくすると諸収差の抑制が難しくなるため、4つのレンズ成分から構成することで、第2レンズ群G2の移動範囲の確保と諸収差の抑制を両立させることができる。
【0033】
また、高倍率を達成するためには第2レンズ群G2の主点位置をより物体側にする必要があるため、第2レンズ群G2に負レンズを増やす必要がある。
【0034】
第1レンズ成分を上記のような構成とすることで、広角側の歪曲収差および非点収差の発生を抑制することが可能となる。
【0035】
第2レンズ成分の像側に負レンズを配置することで主点位置を物体側によせることが可能だが、広角側で倍率色収差が発生しやすいため、第2レンズ成分を上記のように第2bn両凹レンズL2bnおよび第2bp正メニスカスレンズL2bpの接合レンズとし、接合レンズ全体として負の屈折力を有するものとすることで、主点位置を物体側によせながら、倍率色収差の補正が可能となる。また、第2bp正メニスカスレンズL2bpの像側を凹面とすることで、広角化に有利となる。
【0036】
第2レンズ成分の像側が凹面であるため、第3レンズ成分については、最も物体側に物体側が凹面のレンズを配置することで、望遠側での球面収差の発生を抑制することが可能となる。また、第2cn両凹レンズL2cnおよび第2cp正レンズL2cpの接合レンズとすることで、望遠側の軸上色収差の補正が可能となる。
【0037】
第4レンズ成分については、物体側が凹面のため、望遠側の球面収差の発生を抑制しつつ、広角側において第1レンズ群G1によって発生した非点収差の補正に寄与する。また、負レンズであるため、第2レンズ群G2全体の負の屈折力を強くすることに寄与する。
【0038】
本実施形態のズームレンズにおいては、変倍の際に、第5レンズ群G5は像面Simに対し固定され、広角端から望遠端への変倍の際に、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4を合成してなる第34合成レンズ群と第2レンズ群G2とはそれぞれの結像倍率が−1倍の点を同時に通ることが好ましい。このような構成とすることで、広角端から望遠端への変倍の際に第3レンズ群G3が像側に戻ることなく、変倍比を大きくとることが可能となる。
【0039】
また、広角端から望遠端への変倍の際に、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は狭まった後に一度広がりその後また狭まることが好ましい。このような構成とすることで、中間焦点距離での像面湾曲の変動を抑えることが可能となる。
【0040】
また、第2a負レンズはメニスカスレンズであることが好ましい。このように第2a負レンズについて物体側が凸面で像側が凹面のレンズとすることで、広角側の歪曲収差および非点収差の抑制に有利になり、また望遠側の球面収差の抑制に有利となる。
【0041】
また、下記条件式(1)を満足することが好ましい。条件式(1)の上限以上とならないようにすることで、広角側の歪曲収差および非点収差を抑制することが可能となる。条件式(1)の下限以下とならないようにすることで、望遠側の球面収差を抑制することが可能となる。なお、下記条件式(1−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
−1<(L2bpr+L2cnf)/(L2bpr−L2cnf)<1 …(1)
−0.6<(L2bpr+L2cnf)/(L2bpr−L2cnf)<0.6 …(1−1)
ただし、
L2bpr:第2bp正メニスカスレンズの像側の面の曲率半径
L2cnf:第2cn両凹レンズの物体側の面の曲率半径
とする。
【0042】
また、下記条件式(2)および(3)を満足することが好ましい。条件式(2)および(3)ともに上限以上とならないようにすることで、広角側の歪曲収差および非点収差を抑制することが可能となる。条件式(2)および(3)ともに下限以下とならないようにすることで、負の屈折力が大きくなり主点位置をより物体側にすることが可能となる。なお、下記条件式(2−1)および/または(3−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.2<f2/f2a<0.6 …(2)
0.25<f2/f2a<0.55 …(2−1)
0.1<f2/f2b<0.6 …(3)
0.2<f2/f2b<0.5 …(3−1)
ただし、
f2:第2レンズ群のd線における焦点距離
f2a:第1レンズ成分のd線における焦点距離
f2b:第2レンズ成分のd線における焦点距離
とする。
【0043】
また、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)を満足することで、第2cn両凹レンズL2cnおよび第2cp正レンズL2cpの接合面において、望遠側の球面収差を適正に補正することが可能となる。なお、下記条件式(4−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.3<f2×(f2cp_nd−f2cn_nd)×(1/L2cnp)<−0.1 …(4)
−0.2<f2×(f2cp_nd−f2cn_nd)×(1/L2cnp)<−0.12 …(4−1)
ただし、
f2:第2レンズ群のd線における焦点距離
f2cp_nd:第2cp正レンズのd線における屈折率
f2cn_nd:第2cn両凹レンズのd線における屈折率
L2cnp:第2cn両凹レンズおよび第2cp正レンズの接合面の曲率半径
とする。
【0044】
また、第1レンズ群G1は、物体側から順に、合焦の際に像面Simに対し固定されている負の屈折力を有する第1aレンズ群G1aと、合焦の際に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第1bレンズ群G1bと、合焦の際に像面Simに対し固定されている正の屈折力を有する第1cレンズ群G1cとから実質的になり、第1cレンズ群G1cは、物体側から順に、正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズおよび正レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの4枚のレンズを最も像側に有することが好ましい。
【0045】
第1レンズ群G1について、上記のような第1aレンズ群G1aと、第1bレンズ群G1bと、第1cレンズ群G1cとから構成することで、小型化および/またはフォーカシングによる球面収差、軸上色収差、および画角の変動の低減に寄与する。
【0046】
また、第1cレンズ群G1cについて上記のような構成とし、望遠側のマージナル光束の球面収差を適正に補正することで、高倍率でありながらF値を小さくすることが可能となる。具体的には、望遠側のマージナル光束が上記4枚のレンズのうち最も物体側の正レンズによって収束光となり、その隣の負メニスカスレンズに入射するため、球面収差の補正が過剰にならず、また、正メニスカスレンズに対しても収束光が入射するため、球面収差の補正が過剰にならないため、球面収差を適正に補正することができる。
【0047】
第1レンズ群G1について、第1aレンズ群G1aと、第1bレンズ群G1bと、第1cレンズ群G1cとから構成した場合、下記条件式(5)および(6)を満足することが好ましい。第1cレンズ群G1cに含まれる正レンズのアッベ数および部分分散比について、条件式(5)および(6)を満足することで、望遠側の軸上色収差および2次スペクトルを同時に良好に補正可能となる。なお、下記条件式(5−1)および/または(6−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
75<f1c_νd_ave<96 …(5)
80<f1c_νd_ave<96 …(5−1)
0.5<f1c_θgF_ave<0.6 …(6)
0.52<f1c_θgF_ave<0.56 …(6−1)
ただし、
f1c_νd_ave:第1cレンズ群に含まれる正レンズのd線に対するアッベ数の平均値
f1c_θgF_ave:第1cレンズ群に含まれる正レンズの部分分散比の平均値
とする。
【0048】
また、第1レンズ群G1について、第1aレンズ群G1aと、第1bレンズ群G1bと、第1cレンズ群G1cとから構成した場合、下記条件式(7)を満足することが好ましい。条件式(7)の上限以上とならないようにすることで、球面収差を良好に補正可能となる。条件式(7)の下限以下とならないようにすることで、第1レンズ群G1のバックフォーカスを長くすることが可能となり、高倍率のレンズにおいても第2レンズ群G2のパワーを抑えることが可能となるため、第2レンズ群G2による諸収差の発生を抑えることが可能となる。なお、下記条件式(7−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.8<f1/f1c<1.2 …(7)
0.9<f1/f1c<1.1 …(7−1)
ただし、
f1:第1レンズ群のd線における焦点距離
f1c:第1cレンズ群のd線における焦点距離
とする。
【0049】
また、第1レンズ群G1について、第1aレンズ群G1aと、第1bレンズ群G1bと、第1cレンズ群G1cとから構成した場合、第1bレンズ群G1bおよび第1cレンズ群G1cに含まれる正レンズの枚数が多いほど球面収差の補正が容易となるが、フォーカス時のストロークの確保が難しくなるため、第1bレンズ群G1bおよび第1cレンズ群G1cに含まれる正レンズの枚数は計5枚であることが好ましい。このような構成とすることで、球面収差の補正とフォーカス時のストロークの確保を両立させることができる。
【0050】
第1bレンズ群G1bおよび第1cレンズ群G1cに含まれる正レンズの枚数を計5枚とした場合、第1bレンズ群G1bは、物体側から順に、負メニスカスレンズおよび両凸レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、両凸レンズとから実質的になり、第1cレンズ群G1cは、物体側から順に、両凸レンズと、負メニスカスレンズおよび正メニスカスレンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、正メニスカスレンズとから実質的になるものとしてもよい。
【0051】
このような構成とすることで、第1bレンズ群G1bのパワーを大きくすることが可能となり、第1cレンズ群G1cに入射するマージナル光線の高さを下げることが可能となるため、F値を小さくした場合においても小型化に有利となる。
【0052】
また、第1bレンズ群G1bおよび第1cレンズ群G1cに含まれる正レンズの枚数を計5枚とした場合、第1bレンズ群G1bは、負メニスカスレンズおよび両凸レンズが物体側からこの順に接合された接合レンズから実質的になり、第1cレンズ群G1cは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正レンズと、正メニスカスレンズと、負メニスカスレンズおよび正メニスカスレンズが物体側からこの順に接合された接合レンズと、正メニスカスレンズとから実質的になるものとしてもよい。
【0053】
このような構成とすることで、第1cレンズ群G1cのパワーを大きくすることが可能となり、第1bレンズ群G1bのパワーを小さくすることが可能となるため、フォーカス変動時の諸収差、特に球面収差の変動を抑制することが可能となる。
【0054】
また、第1レンズ群G1について、第1aレンズ群G1aと、第1bレンズ群G1bと、第1cレンズ群G1cとから構成した場合、第1aレンズ群G1aは、物体側から順に、負メニスカスレンズと、両凹レンズと、正レンズとから実質的になることが好ましい。このような構成とすることで、広角側における歪曲収差および望遠側における球面収差を良好に補正することが可能となる。
【0055】
また、第1レンズ群G1について、第1aレンズ群G1aと、第1bレンズ群G1bと、第1cレンズ群G1cとから構成した場合、第1aレンズ群G1aは、物体側から順に、第1負レンズと、第2負レンズと、正レンズとから実質的になり、下記条件式(8)を満足することが好ましい。第1aレンズ群G1aを上記のような構成とすることで、第1bレンズ群G1bに入射する周辺画角の主光線の角度を低減でき、第1bレンズ群G1b以降の非点収差の発生を低減することが可能となる。また、条件式(8)を満足することで、変倍の際の像面湾曲の変動を低減可能となり、さらに、望遠側の球面収差を適切な範囲に収めることが可能となる。なお、下記条件式(8−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.8<(L1ar+L1bf)/(L1ar−L1bf)<−0.04 …(8)
−0.5<(L1ar+L1bf)/(L1ar−L1bf)<−0.04 …(8−1)
ただし、
L1ar:第1負レンズの像側の面の曲率半径
L1bf:第2負レンズの物体側の面の曲率半径
とする。
【0056】
第1aレンズ群G1aについて、物体側から順に、第1負レンズと、第2負レンズと、正レンズとから実質的になるものとした場合、下記条件式(9)を満足することが好ましい。条件式(9)の上限以上とならないようにすることで、望遠側の球面収差を低減可能となる。条件式(9)の下限以下とならないようにすることで、第1負レンズと第2負レンズとの間に形成される空気レンズに十分な負のパワーを与えることが可能となるため、望遠側の球面収差を低減可能となる。なお、下記条件式(9−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.04<d2/tt1<0.15 …(9)
0.06<d2/tt1<0.12 …(9−1)
ただし、
d2:第1負レンズと第2負レンズとの間隔
tt1:第1レンズ群の光軸上の長さ
とする。
【0057】
図1に示す例では、レンズ系と像面Simとの間に光学部材PP1,PP2を配置した例を示したが、ローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等をレンズ系と像面Simとの間に配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよく、あるいは、いずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
【0058】
次に、本発明のズームレンズの数値実施例について説明する。
まず、実施例1のズームレンズについて説明する。実施例1のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図1に示す。なお、
図1および後述の実施例2〜10に対応した
図2〜10においては、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。また、
図1では、広角端から望遠端への変倍の際の各レンズ群の移動軌跡を示す矢印、結像倍率が−1倍の点(図中においてβ=−1と示す水平の点線)、軸上光束waおよび最大画角の光束wbを合わせて示している。
【0059】
実施例1のズームレンズは、物体側から順に、レンズL1a〜レンズL1jの10枚のレンズからなり全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1、レンズL2a〜レンズL2dの6枚のレンズからなり全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2、レンズL3a〜レンズL3cの3枚のレンズからなり全体として正の屈折力を有する第3レンズ群G3、レンズL4a〜レンズL4cの3枚のレンズからなり全体として正の屈折力を有する第4レンズ群G4、およびレンズL5a〜レンズL5oの15枚のレンズからなり全体として正の屈折力を有する第5レンズ群G5から構成されている。
【0060】
第1レンズ群G1は、レンズL1a〜レンズL1cの3枚のレンズからなる第1aレンズ群G1a、レンズL1d〜レンズL1fの3枚のレンズからなる第1bレンズ群G1b、およびレンズL1g〜レンズL1jの4枚のレンズからなる第1cレンズ群G1cから構成されている。
【0061】
実施例1のズームレンズの基本レンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、変倍の際に間隔が変化する面間隔に関するデータを表3に、非球面係数に関するデータを表4に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜10についても基本的に同様である。
【0062】
表1のレンズデータにおいて、面番号の欄には最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加する面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその次の面との光軸Z上の間隔を示す。また、ndの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)における屈折率を示し、νdの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)におけるアッベ数を示し、θgFの欄には各光学要素の部分分散比を示す。
【0063】
なお、部分分散比θgFは下記式で表される。
θgF=(ng−nF)/(nF−nC)
ただし、
ng:g線における屈折率
nF:F線における屈折率
nC:C線における屈折率
とする。
【0064】
ここで、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。基本レンズデータには、開口絞りSt、光学部材PP1,PP2も含めて示している。開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号とともに(絞り)という語句を記載している。また、表1のレンズデータにおいて、変倍の際に間隔が変化する面間隔の欄にはそれぞれDD[面番号]と記載している。このDD[面番号]に対応する数値は表3に示している。
【0065】
表2の諸元に関するデータに、ズーム倍率、焦点距離f´、F値FNo.、および全画角2ωの値を示す。
【0066】
基本レンズデータ、諸元に関するデータ、および変化する面間隔に関するデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。
【0067】
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表4の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10
±n」を意味する。非球面係数は、下記式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3…16)の値である。
Zd=C・h
2/{1+(1−KA・C
2・h
2)
1/2}+ΣAm・h
m
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数(m=3…16)
とする。
【0072】
実施例1のズームレンズの各収差図を
図11に示す。なお、
図11中の上段左側から順に広角端での球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示し、
図11中の中段左側から順に中間位置での球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示し、
図11中の下段左側から順に望遠端での球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示す。これらの収差図は、物体距離を無限遠としたときの状態を示す。球面収差、非点収差、および歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、およびg線(波長435.8nm)についての収差をそれぞれ実線、長破線、短破線、および灰色の実線で示す。非点収差図にはサジタル方向およびタンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線および短破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm) 、およびg線(波長435.8nm)についての収差をそれぞれ長破線、短破線、および灰色の実線で示す。なお、球面収差図のFNo.はF値、その他の収差図のωは半画角を意味する。
【0073】
次に、実施例2のズームレンズについて説明する。実施例2のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図2に示す。実施例2のズームレンズは、実施例1のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例2のズームレンズの基本レンズデータを表5に、諸元に関するデータを表6に、変化する面間隔に関するデータを表7に、非球面係数に関するデータを表8に、各収差図を
図12に示す。
【0078】
次に、実施例3のズームレンズについて説明する。実施例3のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図3に示す。実施例3のズームレンズは、実施例1のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例3のズームレンズの基本レンズデータを表9に、諸元に関するデータを表10に、変化する面間隔に関するデータを表11に、非球面係数に関するデータを表12に、各収差図を
図13に示す。
【0083】
次に、実施例4のズームレンズについて説明する。実施例4のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図4に示す。
【0084】
実施例4のズームレンズは、実施例1のズームレンズと比較して第1レンズ群G1のレンズ枚数構成のみが異なる。第1レンズ群G1は、レンズL1a〜レンズL1cの3枚のレンズからなる第1aレンズ群G1a、レンズL1dおよびレンズL1eの2枚のレンズからなる第1bレンズ群G1b、およびレンズL1f〜レンズL1jの5枚のレンズからなる第1cレンズ群G1cから構成されている。
【0085】
また、実施例4のズームレンズの基本レンズデータを表13に、諸元に関するデータを表14に、変化する面間隔に関するデータを表15に、非球面係数に関するデータを表16に、各収差図を
図14に示す。
【0090】
次に、実施例5のズームレンズについて説明する。実施例5のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図5に示す。実施例5のズームレンズは、実施例4のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例5のズームレンズの基本レンズデータを表17に、諸元に関するデータを表18に、変化する面間隔に関するデータを表19に、非球面係数に関するデータを表20に、各収差図を
図15に示す。
【0095】
次に、実施例6のズームレンズについて説明する。実施例6のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図6に示す。実施例6のズームレンズは、実施例4のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例6のズームレンズの基本レンズデータを表21に、諸元に関するデータを表22に、変化する面間隔に関するデータを表23に、非球面係数に関するデータを表24に、各収差図を
図16に示す。
【0100】
次に、実施例7のズームレンズについて説明する。実施例7のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図7に示す。実施例7のズームレンズは、実施例4のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例7のズームレンズの基本レンズデータを表25に、諸元に関するデータを表26に、変化する面間隔に関するデータを表27に、非球面係数に関するデータを表28に、各収差図を
図17に示す。
【0105】
次に、実施例8のズームレンズについて説明する。実施例8のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図8に示す。実施例8のズームレンズは、実施例4のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例8のズームレンズの基本レンズデータを表29に、諸元に関するデータを表30に、変化する面間隔に関するデータを表31に、非球面係数に関するデータを表32に、各収差図を
図18に示す。
【0110】
次に、実施例9のズームレンズについて説明する。実施例9のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図9に示す。実施例9のズームレンズは、実施例4のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例9のズームレンズの基本レンズデータを表33に、諸元に関するデータを表34に、変化する面間隔に関するデータを表35に、非球面係数に関するデータを表36に、各収差図を
図19に示す。
【0115】
次に、実施例10のズームレンズについて説明する。実施例10のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を
図10に示す。実施例10のズームレンズは、実施例4のズームレンズと同じレンズ枚数構成である。また、実施例10のズームレンズの基本レンズデータを表37に、諸元に関するデータを表38に、変化する面間隔に関するデータを表39に、非球面係数に関するデータを表40に、各収差図を
図20に示す。
【0120】
実施例1〜10のズームレンズの条件式(1)〜(9)に対応する値を表41に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表41に示す値はこの基準波長におけるものである。
【0122】
以上のデータから、実施例1〜10のズームレンズは全て、条件式(1)〜(9)を満たしており、15倍以上の高倍率でかつ望遠端でのF値が5以下と小さく、諸収差が良好に補正された高性能なズームレンズであることが分かる。
【0123】
次に、本発明の実施形態にかかる撮像装置について説明する。
図21に、本発明の実施形態の撮像装置の一例として、本発明の実施形態のズームレンズを用いた撮像装置の概略構成図を示す。なお、
図21では各レンズ群を概略的に示している。この撮像装置としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を備えたビデオカメラや電子スチルカメラ等を挙げることができる。
【0124】
図21に示す撮像装置10は、ズームレンズ1と、ズームレンズ1の像側に配置されたローパスフィルタ等の機能を有するフィルタ6と、フィルタ6の像側に配置された撮像素子7と、信号処理回路8とを備えている。撮像素子7はズームレンズ1により形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えば、撮像素子7としては、CCDやCMOS等を用いることができる。撮像素子7は、その撮像面がズームレンズ1の像面に一致するように配置される。
【0125】
ズームレンズ1により撮像された像は撮像素子7の撮像面上に結像し、その像に関する撮像素子7からの出力信号が信号処理回路8にて演算処理され、表示装置9に像が表示される。
【0126】
本実施形態の撮像装置10は、本発明のズームレンズ1を備えたものであるから、高倍率でかつ高画質の画像を取得することができる。
【0127】
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、および/またはアッベ数等の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。