(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アノード、カソード、前記アノードと前記カソードとの間の発光層、および前記発光層と前記アノードとの間の正孔輸送層を含む有機発光デバイスであって、ここで前記正孔輸送層が、請求項1から7のいずれか一項に記載のコポリマーを含む、有機発光デバイス。
前記アノードにわたって前記正孔輸送層を形成する工程;前記正孔輸送層にわたって前記発光層を形成する工程;および前記発光層にわたって前記カソードを形成する工程を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の有機発光デバイスを形成する方法。
前記正孔輸送層が、前記アノードにわたって請求項8に記載の配合物を堆積させ、前記少なくとも1つの溶媒を蒸発させることによって形成される、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態に従うOLED100を例示する。
【0020】
OLED100は、アノード101、カソード107、アノードとカソードとの間の発光層105、アノード101と発光層105との間の正孔輸送層103を含む。デバイスは、基材109、例えばガラスまたはプラスチック上に支持される。
【0021】
1つ以上のさらなる層、例えば電子輸送層、正孔ブロッキング層、および電子ブロッキング層が、アノード101とカソード107との間に提供されてもよい。デバイスは、複数の発光層を含有してもよい。好ましくは、正孔注入層および正孔輸送層の両方が存在する。
【0022】
例示的なデバイス構造は以下を含む:
アノード/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/カソード
アノード/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/カソード。
【0023】
好ましくは、発光層105は、正孔輸送層103と接触している。カソード107は、発光層105と接触した状態であってもよく、それらから間隔があけられてもよく、例えば電子輸送層によって間隔があけられてもよい。
【0024】
フェナントレンジアミン繰り返し単位
本発明のポリマーは、式(I)の繰り返し単位を含む
【化4】
【0025】
式中、Ar
1およびAr
2、R、nおよびmは上記で記載される通りである。
【0026】
置換基Rはポリマーの溶解度を向上させるために;例えば電子の引抜きまたは供与によって、ポリマーの電子特性を変更するために、またはポリマーのガラス転移温度を変更するために提供されてもよい。置換基Rは、コポリマーを含有する層を不溶化するためにコポリマーを含有する層の形成時に架橋され得る架橋性基であってもよい。
【0027】
nは少なくとも1であってもよく、および/または少なくとも1つのmは1であってもよい。1つの任意の配置において、n=2であり、各m=0である。
【0028】
例示的な置換基Rは:−C
1−20アルキル(ここで1つ以上の非隣接C原子は、O、S、NR
11、C=OおよびCOOで置き換えられてもよく、ここでR11は置換基である);
−非置換または1つ以上の置換基で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリール;
−分岐状または線状鎖のアリールまたはヘテロアリール基(ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、独立に非置換または1つ以上の置換基で置換される);および
−架橋性基、例えば二重結合を含む基、例えばビニルまたはアクリレート基、またはベンゾシクロブテン基から選択されてもよい。
【0029】
アリールまたはヘテロアリール置換基Rは、フェニルであってもよい。例示的な線状鎖のフェニル基は、ビフェニルおよびターフェニルである。例示的な分岐状鎖のフェニル基は、3,5−ジフェニルベンゼンである。
【0030】
Rが1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基を含有する場合、アリールまたはヘテロアリール基の任意の置換基は、C
1−20アルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上の非隣接C原子は、O、S、NR
11、C=O、およびCOOで置き換えられてもよく、ここでR
11は置換基である。例示的な置換基R
11としては、C
1−20アルキルが挙げられる。
【0031】
各Rは、独立に、C
1−40ヒドロカルビル基、例えばC
1−20アルキル、非置換または1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよいフェニル;および非置換または1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよい分岐状または線状鎖のフェニル基であってもよい。
【0032】
Ar
1およびAr
2はそれぞれフェニルであってもよい。式(I)の繰り返し単位は式(II)を有していてもよい:
【化5】
【0033】
式中、R
1は、各出現時において、置換基であり;各yは、独立に、0、1、2、3または4であり;各zは独立に0、1、2、3、4または5である。
【0035】
各zは、独立に0、1、2または3であってもよい。
【0036】
Ar
2基の一方または両方は、多環式芳香族またはヘテロ芳香族基であってもよい。こうした多環式基によって提供される拡張された共役は、単環式基Ar
2を有する繰り返し単位と比較した場合に繰り返し単位の安定性を増大させ得る。1つまたは両方の基Ar
2はフルオレンであってもよい。この場合、式(I)の繰り返し単位は、式(XIII)を有していてもよい:
【化6】
【0037】
式中、Ar
1、R、mおよびnは、上記で記載される通りであり;R
3は、各出現時において、同一または異なって、置換基であり;R
8は、各出現時において同一または異なって、置換基であり;eは0、1、2または3であり;fは0、1、2、3または4である。
【0038】
式(XIII)のAr
1は、非置換であってもよく、または1つ以上の置換基R
1で置換されてもよいフェニルであってもよい。
【0039】
例示的な置換基R
3およびR
8は、式(VII)を参照して記載されるような置換基から選択されてもよい。
【0040】
式(XIII)の繰り返し単位のフルオレン基Ar
2は、それぞれ独立に、いずれかの位置を通してNと連結されてもよい。好ましい実施形態において、1つまたは両方のフルオレン基Ar
2は、これらの2−位を通して連結される。
【0041】
本明細書に記載されるいずれかの繰り返し単位の例示的な置換基R
1は:
−C
1−20アルキル(ここで1つ以上の非隣接C原子は、O、S、NR
11、C=OおよびCOOで置き換えられてもよく、ここでR
11は置換基である);
−非置換または1つ以上の置換基で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリール;および
−分岐状または線状鎖のアリールまたはヘテロアリール基(ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、独立に非置換または1つ以上の置換基で置換される)から選択されてもよい。
【0042】
各R
1は、存在する場合、独立に、C
1−40ヒドロカルビル基であってもよく、C
1−20アルキル基であってもよい。
【0043】
式(I)の繰り返し単位は、部分的に共役する繰り返し単位であってもよく、この場合、1つ以上のさらなる繰り返し単位は1つ以上の部分的に共役する繰り返し単位を含んでいてもよく、または含んでいなくてもよい。
【0044】
式(I)の例示的な部分的に共役する繰り返し単位は、式(XIV)を有する:
【化7】
【0045】
式中、R、R
1、Ar
2、nおよびmは、上記で記載される通りであり;y1およびy2はそれぞれ独立に、0または1であるが、ただしy1およびy2の少なくとも1つは1であり;各y3は独立に0、1または2である。
【0046】
式(I)の繰り返し単位は、好適には、隣接共繰り返し単位の芳香族またはヘテロ芳香族基に直接結合される。式(XIV)の繰り返し単位の連結位置に隣接する置換基R1の存在が、基R1が結合したフェニル基とフェニル基が結合した隣接共繰り返し単位のアリールまたはヘテロアリール基との間にツイストを創出し、結果として、2つの繰り返し単位の間のツイストが2つの繰り返し単位間の共役の程度を制限する。
【0047】
式(I)の繰り返し単位は、本発明のコポリマーの繰り返し単位の0.5〜75mol%(1〜50mol%であってもよく、1〜40mol%であってもよい)を形成してもよい。
【0048】
図1のデバイスにおいて、本発明のポリマーは、OLEDの正孔輸送層に提供される。他の配置において、本発明のポリマーは、発光層の発光材料として、または別個の発光材料と組み合わせて発光層に提供される正孔輸送材料として提供されてもよい。
【0049】
本明細書に記載されるポリマーのゲル透過クロマトグラフィによって測定されるポリスチレン等価数平均分子量(Mn)は、約1×10
3〜1×10
8、好ましくは1×10
4〜5×10
6の範囲であってもよい。本明細書に記載されるポリマーのポリスチレン等価重量平均分子量(Mw)は、1×10
3〜1×10
8、好ましくは1×10
4〜1×10
7であってもよい。
【0050】
本明細書に記載されるポリマーは、好適には非晶質ポリマーである。
【0051】
共繰り返し単位
本発明のポリマーは、式(I)の繰り返し単位および少なくとも1つの共繰り返し単位を含有する。共繰り返し単位は、部分的に共役する共繰り返し単位および完全に共役する共繰り返し単位から選択されてもよい。共繰り返し単位は、本発明の繰り返し単位のAr
1に、または他の共繰り返し単位の芳香族もしくはヘテロ芳香族基に直接連結する芳香族またはヘテロ芳香族基を含有してもよい。
【0052】
本発明のコポリマーの部分的に共役する共繰り返し単位は、隣接繰り返し単位に対して共役した繰り返し単位であってもよいが、ここで繰り返し単位の共役程度は制限される。
【0053】
部分的に共役する繰り返し単位は、部分的に共役した繰り返し単位が隣接繰り返し単位の平面外にツイストされるように、または部分的に共役する繰り返し単位が内部ツイストを含有するように、1つ以上の置換基を有する繰り返し単位であってもよい。
【0054】
ポリマー骨格に沿ったツイストを提供することによって、骨格に沿った芳香族またはヘテロ芳香族基間のp軌道オーバーラップの程度が、制限される。
【0055】
部分的に共役する繰り返し単位は、1,3−連結、または1,2−連結フェニレン繰り返し単位であってもよい。1,3−または1,2−連結フェニレン繰り返し単位の両側の隣接芳香族またはヘテロ芳香族繰り返し単位間の共役の程度は、1,4−連結フェニレン繰り返し単位によって提供される共役程度未満であることが理解される。
【0056】
部分的に共役する繰り返し単位は、式(IIIa)、(IIIb)または(IIIc)の繰り返し単位であってもよい:
【化8】
【0057】
式中、pは1、2または3であり;qは各出現時において、独立に、1、2、3、または4であり;wは0、1、2、3、または4であり;R3は、独立に、各出現時において、置換基である。
【0058】
存在する場合、各R
3は、独立に:
−アルキル(C
1−20アルキルであってもよい)(ここで1つ以上の非隣接C原子は、置換されてもよいアリールまたはヘテロアリール、O、S、置換N、C=OまたはCOOで置き換えられてもよく、1つ以上のH原子がFで置き換えられてもよい);
−アリールおよびヘテロアリール基(非置換または1つ以上の置換基で置換されてもよい)、好ましくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニル;
−線状または分岐鎖のアリールまたはヘテロアリール基(これらの基のそれぞれは、独立に置換されてもよい)、例えば式−(Ar
3)
rの基(式中、各Ar3は、独立にアリールまたはヘテロアリール基であり、rは少なくとも2であり、好ましくは分岐状または線状鎖のフェニル基(それぞれ非置換または1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよい);および
−架橋性基、例えば二重結合を含む基、例えばビニルまたはアクリレート基、またはベンゾシクロブテン基からなる群から選択されてもよい。
【0059】
R
3がアリールまたはヘテロアリール基、線状または分岐状鎖のアリールまたはヘテロアリール基を含む場合、アリールまたはヘテロアリール基またはそれぞれは:アルキル、例えばC
1−20アルキル(ここで1つ以上の非隣接C原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられてもよく、アルキル基の1つ以上のH原子は、Fで置き換えられてもよい);フッ素;ニトロおよびシアノからなる群から選択される1つ以上の置換基R7で置換されてもよい。
【0060】
置換Nは、存在する場合、−NR
9−であってもよく、式中、各R9は、独立に、アルキル、好ましくはC
1−20アルキル;およびアリールまたはヘテロアリール、好ましくはフェニル(1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよい)からなる群から選択される。
【0061】
架橋性基は、繰り返し単位に直接結合してもよく、またはスペーサー基、例えばC
1−20アルキル基によってそこから間隔をあけてもよく、ここでC
1−20アルキル基の1つ以上の非隣接C原子は、O、S、C=OまたはCOOで置き換えられてもよい。
【0062】
好ましくは、各R
3は、存在する場合、独立に、C
1−40ヒドロカルビルから選択され、より好ましくはC
1−20アルキル;非置換フェニル;1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニル;線状または分岐状鎖のフェニル基(ここで各フェニルは、非置換または1つ以上の置換基で置換されてもよい);および架橋性基から選択される。
【0063】
式(IIIa)の特に好ましい繰り返し単位は、以下の式を有する:
【化9】
【0064】
上記式の置換基R
3は、繰り返し単位の連結位置に隣接し、これは繰り返し単位と隣接繰り返し単位との間の立体障害を生じることがあり、結果として1つまたは両方の隣接繰り返し単位に対して平面から出てツイストした繰り返し単位を生じる。
【0065】
例示的な繰り返し単位(ここでpは2または3である)としては、以下が挙げられる:
【化10】
【0066】
例示的な繰り返し単位は以下の式を有する:
【化11】
【0067】
上記式の2つのR
3基は、それらが結合したフェニル環の間に立体障害を生じる場合があり、結果として、繰り返し単位内に内部ツイストを生じるように互いに対して2つのフェニル環がツイストする。
【0068】
いかなる理論にも束縛されないが、部分的に共役する繰り返し単位の存在により、発光層から発光される光の消光またはレッドシフトを生じ得る程度の高い共役を不可能にして、ポリマー骨格に沿った伝導性を可能にすると考えられる。
【0069】
共繰り返し単位のさらなるクラスは、置換されてもよいフルオレン繰り返し単位、例えば式(VII)の繰り返し単位である:
【化12】
【0070】
式中、R
3は、各出現時において、同一または異なり、式(III)を参照して記載されるような置換基であり、ここで2つの基R
3は、連結して非置換または置換環を形成してもよい;R
8は置換基であり;dは0、1、2または3である。
【0071】
フルオレン繰り返し単位の芳香族炭素原子は非置換であってもよく、または1つ以上の置換基R8で置換されてもよい。例示的な置換基R
8は、アルキル、例えばC
1−20アルキル(ここで1つ以上の非隣接C原子は、O、S、NHまたは置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられてもよい)、置換されてもよいアリール、置換されてもよいヘテロアリール、アルコキシ、アルキルチオ、フッ素、シアノおよびアリールアルキルである。特に好ましい置換基としては、C
1−20アルキルおよび置換または非置換アリール、例えばフェニルが挙げられる。アリールのための任意の置換基としては、1つ以上のC
1−20アルキル基が挙げられる。
【0072】
置換Nは、存在する場合、−NR
5−であってもよく、式中、R
5は、C
1−20アルキル;非置換フェニル;または1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニルである。
【0073】
式(VII)の繰り返し単位は、コポリマーに存在する完全に共役する繰り返し単位であってもよく、またはコポリマーの1つ以上の部分的に共役する繰り返し単位を形成してもよい。
【0074】
式(VII)の繰り返し単位にわたる共役の程度は、(a)繰り返し単位にわたって共役の程度を制限するように3−および/または6−位を通して繰り返し単位を連結させることによって、および/または(b)(1または複数の)隣接繰り返し単位、例えば置換基R
8、例えばC
1−20アルキル置換基を3−位および6−位の1つまたは両方で保持する2,7−連結フルオレンについてツイストを創出するために、連結位置に隣接する1つ以上の位置にて1つ以上の置換基R
8で繰り返し単位を置換することによって、部分的に共役した繰り返し単位を形成するように制限されてもよい。
【0075】
式(VII)の繰り返し単位は、式(VIIa)の完全に共役した2,7−連結繰り返し単位であってもよい:
【化13】
【0076】
式(VII)の繰り返し単位は、式(VIIb)の部分的に共役する3,6−連結繰り返し単位であってもよい:
【化14】
【0077】
式(VII)の繰り返し単位は、式(VIIc)の部分的に共役する3,6−連結繰り返し単位であってもよい:
【化15】
【0078】
1つまたは両方のR
3基は、フルオレン単位に直接結合する、または上記で記載されるようにスペーサー基によって間隔をあけられた架橋性基であってもよい。
【0079】
式(III)の繰り返し単位の好ましいクラスは、WO2012/104579に開示され、この内容は参考として本明細書に組み込まれる。
【0080】
別の例示的な共繰り返し単位は、式(VIII)を有する:
【化16】
【0081】
式中、R
3、R
8およびdは、上記式(III)および(VII)を参照して記載される通りである。R
3基のいずれかは、R
3基のいずれか他の基に連結し、環を形成してもよい。こうして形成された環は、非置換であってもよく、または1つ以上の置換基(1つ以上のC
1−20アルキル基であってもよい)で置換されてもよい。
【0082】
式(VIII)の繰り返し単位は、式(VIIIa)または(VIIIb)を有していてもよい:
【化17】
【0083】
式(VIII)の例示的な繰り返し単位は、以下の構造を有し、ここで芳香族炭素原子はそれぞれ独立に、非置換であってもよく、または置換基R
8で置換されてもよく、ここでシクロペンチル基はそれぞれ独立に、非置換であってもよく、または1つ以上の置換基、例えば1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよい:
【化18】
【0084】
式(VIII)の繰り返し単位の共役は、完全にまたは部分的に共役する繰り返し単位を提供するために、式(VII)を参照して記載されたように制御されてもよい。
【0085】
ポリマーは、式(IV)の共繰り返し単位を含んでいてもよい:
【化19】
【0086】
式中、Ar
4、Ar
5およびAr
6はそれぞれ独立に、アリールまたはヘテロアリール基であり、それぞれ独立に非置換であってもよく、または上記で記載されるような1つ以上の置換基R
3(C
1−20アルキルであってもよい)で置換されてもよい;tは、各出現時において、独立に少なくとも1(1、2または3であってもよい);XはNまたはCR
2であり、式中、R
2はHまたは置換基、好ましくはHまたはC
1−10アルキルである。
【0087】
好ましくは、式(IV)のAr
4、Ar
5およびAr
6は、それぞれフェニルであり、各フェニルは、独立に、1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよい。
【0088】
好ましくは、少なくとも1つのXはNである。1つの好ましい実施形態において、3つすべてのX基はNである。
【0089】
3つすべての基Xは、CR
2である場合、少なくとも1つのAr
1、Ar
2およびAr
3は、好ましくはNを含むヘテロ芳香族基である。
【0090】
式(IV)のAr
6は、好ましくはフェニルであり、1つ以上のC
1−20アルキル基または架橋性基で置換されてもよい。
【0091】
式(IV)の好ましい繰り返し単位は、2,4−6−トリフェニル−1,3,5−トリアジンであり、ここでフェニル基は、非置換であり、または1つ以上のC1−20アルキル基で置換される。
【0092】
ポリマーは、1〜50mol%の部分的に共役する繰り返し単位を含有してもよい。
【0093】
ポリマーは、式(I)の繰り返し単位および部分的に共役する繰り返し単位以外の繰り返し単位を1〜50mol%(1〜30mol%であってもよい)含有してもよい。
【0094】
発光層
発光層105は、1つ以上の好適な発光材料を含有してもよく、小分子、デンドリマー性およびポリマー性発光材料を含む。発光材料は、蛍光またはりん光であってもよい。発光層105は、1つ以上の発光材料から本質的になってもよく、または1つ以上のさらなる材料を含有してもよい。さらなる材料は、ホスト材料、ならびに蛍光発光層の場合には、三重項励起子の消光のためのまたは三重項−三重項消滅および遅延蛍光を促進するための(1または複数の)蛍光発光材料からの三重項励起子を受容するための三重項受容材料から選択されてもよい。例示的な添加剤材料は、その内容が参考として本明細書に組み込まれるWO2012/086671に記載されるポリマーである。
【0095】
(1または複数の)発光層の発光材料としては、赤色、緑色および青色発光材料が挙げられ、そのそれぞれが蛍光またはりん光であってもよい。
【0096】
青色発光材料は、400〜490nm(420〜490nmであってもよい)の範囲のピークを有するフォトルミネッセンススペクトルを有していてもよい。
【0097】
緑色発光材料は、490nmを超えて580nmまで(490nmを超えて540nmまでであってもよい)の範囲のピークを有するフォトルミネッセンススペクトルを有していてもよい。
【0098】
赤色発光材料は、580nmを超えて630nmまで(585〜625nmであってもよい)のフォトルミネッセンススペクトルにおいてピークを有していてもよい。
【0099】
正孔輸送層を形成するために使用される場合、本発明のポリマーの最低一重項および/または三重項励起状態のエネルギー準位は、発光層の(1または複数の)発光材料からの発光の消光を回避するように選択されてもよい。最低一重項および三重項励起状態のエネルギー準位は、それぞれ、発光層の蛍光発光体の最低一重項励起状態エネルギー準位または発光層のりん光発光体の最低三重項励起状態エネルギー準位よりも低い0.1eV以下であってもよい(同じまたはより高くてもよい)。部分的に共役する繰り返し単位の量は、ポリマーの所望のエネルギー準位に従って選択されてもよい。
【0100】
例示的なりん光発光材料としては、式(IX)の置換または非置換錯体を含む金属錯体が挙げられる:
ML
1qL
2rL
3s(IX)
式中、Mは金属であり;L
1、L
2およびL
3のそれぞれは配位基であり;qは整数であり;rおよびsはそれぞれ独立に、0または整数であり;(a.q)+(b.r)+(c.s)の合計は、Mにて利用可能な配位部位の数に等しく、ここでaは、L1の配位部位の数であり、bはL2の配位部位の数であり、cはL3の配位部位の数である。好ましくはa、bおよびcのそれぞれは1、2または3であり、好ましくは1または2である。好ましい実施形態において、a、bおよびcのそれぞれが2である。L
1、L
2およびL
3は、同じであってもよく、またはL
1、L
2およびL
3の少なくとも1つは、L
1、L
2およびL
3の他方とは異なる。
【0101】
重金属Mは、強いスピン軌道カップリングを誘導し、迅速な項間交差および三重項またはより高度な状態からの発光を可能にする。好適な重金属Mは、dブロック金属、特に2列および3列、すなわち39〜48および72〜80の元素、特にルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金および金が挙げられる。イリジウムが特に好ましい。
【0102】
例示的なリガンドL
1、L
2およびL
3としては、炭素または窒素ドナー、例えばポルフィリンまたは式(X)の二座リガンドが挙げられる:
【化20】
【0103】
式中Ar
10およびAr
11は同一または異なってもよく、独立に置換または非置換アリールまたはヘテロアリールから選択され;X
1およびY
1は、同一または異なってもよく、独立に、炭素または窒素から選択され;Ar
10およびAr
11は共に縮合してもよい。X
1が炭素であり、Y
1が窒素であるリガンドが好ましく、特にAr
10が単環またはNおよびC原子のみの縮合ヘテロ芳香族、例えばピリジルまたはイソキノリンであり、Ar
11は、単環または縮合芳香族、例えばフェニルまたはナフチルであるリガンドが好ましい。
【0104】
赤色発光を達成するために、Ar
10は、フェニル、フルオレンおよびナフチルから選択されてもよく、Ar
11は、キノリン、イソキノリン、チオフェン、およびベンゾチオフェンから選択される。
【0105】
緑色発光を達成するために、Ar
10は、フェニルまたはフルオレンから選択されてもよい。Ar
11は、ピリジンであってもよい。
【0106】
青色発光を達成するために、Ar
10はフェニルであってもよく、Ar
11はイミダゾール、トリアゾールまたはテトラゾールであってもよい。
【0107】
二座リガンドの例を以下に例示する:
【化21】
【0108】
式中、R
13は、各出現時において、HまたはC
1−20アルキルである。
【0109】
Ar
10およびAr
11のそれぞれは、1つ以上の置換基を保持してもよい。2つ以上のこれらの置換基は、環、例えば芳香族環を形成するために連結されてもよい。
【0110】
dブロック元素と共に使用するのに好適な他のリガンドとしては、ジケトネート、特にアセチルアセトネート(acac);トリアリールホスフィンおよびピリジンが挙げられ、これらのそれぞれは置換されてもよい。
【0111】
例示的な置換基としては、式(III)を参照して上記で記載されるような基R
3が挙げられる。特に好ましい置換基としては、フッ素またはトリフルオロメチル(これらは、例えばWO02/45466、WO02/44189、US2002−117662およびUS2002−182441に開示されるように錯体の発光を青色シフトするために使用できる);アルキルまたはアルコキシ基、例えばC1−20アルキルまたはアルコキシ(これらは、JP2002−324679に開示される通りであってもよい);カルバゾール(これは、例えばWO02/81448に開示されるように、発光材料として使用される場合に、錯体への正孔輸送を補助するために使用されてもよい);およびデンドロン(これは、例えばWO02/66552に開示されるように、金属錯体の溶液加工処理性を得るまたは向上させるために使用されてもよい)が挙げられる。
【0112】
発光デンドリマーは、1つ以上のデンドロンに結合した発光コアを含んでいてもよく、ここで各デンドロンは、分岐点を含み、2つ以上のデンドリマー性分岐を含む。好ましくは、デンドロンは、少なくとも部分的に共役し、分岐点およびデンドリマー性分岐の少なくとも1つは、アリールまたはヘテロアリール基、例えばフェニル基を含む。1つの配置において、分岐点基および分岐基はすべてフェニルであり、各フェニルは、独立に、1つ以上の置換基、例えばアルキルまたはアルコキシで置換されてもよい。
【0113】
デンドロンは、置換されてもよい式(XI)を有していてもよい
【化22】
【0114】
式中、BPは、コアと結合するための分岐点を表し、G
1は、第1世代分岐基を表す。
【0115】
デンドロンは、第1、第2、第3またはそれ以上の世代のデンドロンであってもよい。G
1は、置換されてもよい式(XIa)にあるように、2つ以上の第2世代分岐基G
2などで置換されてもよい:
【化23】
【0116】
式中、uは0または1であり;vは、uが0である場合に0であり、またはuが1である場合に0または1であってもよく;BPは、コアに結合するための分岐点を表し、G
1、G
2およびG
3は、第1、第2および第3世代デンドロン分岐基を表す。1つの好ましい実施形態において、BPおよびG
1、G
2...G
nのそれぞれはフェニルであり、各フェニルBP、G
1、G
2...G
n−1は3,5−連結フェニルである。
【0117】
好ましいデンドロンは、式(XIb)の置換または非置換デンドロンである:
【化24】
【0118】
式中、*は、デンドロンのコアに対する結合点を表す。
【0119】
BPおよび/またはいずれかの基Gは、1つ以上の置換基、例えば1つ以上のC
1−20アルキルまたはアルコキシ基で置換されてもよい。
【0120】
りん光発光材料は、ホスト材料を有する発光層に提供されてもよい。ホスト材料は、共に使用される材料の最低三重項励起状態エネルギー準位よりも低く0.1eV以下、好ましくは少なくとも同じまたはより高い最低三重項励起状態エネルギー準位を有する。
【0121】
りん光発光材料は、ホストポリマーと物理的に混合されてもよく、またはそこに共有結合されてもよい。りん光発光材料は、ホストポリマーの側鎖、主鎖または末端基に提供されてもよい。りん光材料は、ポリマー側鎖に提供される場合、りん光材料は、ポリマーの骨格に直接結合してもよく、スペーサー基、例えばC1−20アルキルスペーサー基により間隔をあけてもよく、スペーサー基においては1つ以上の非隣接C原子がOまたはSによって置き換えられてもよい。
【0122】
発光材料は、有機蛍光材料のいずれかの形態であってもよく、これらとしては小分子、デンドリマー性、ポリマー性蛍光材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
発光ポリマーは、発光繰り返し単位を含む発光ホモポリマーであってもよく、または発光ポリマーは、例えばWO00/55927に開示されるような発光繰り返し単位およびさらなる繰り返し単位、例えば正孔輸送および/または電子輸送繰り返し単位を含むコポリマーであってもよい。各繰り返し単位は、ポリマーの主鎖または側鎖に提供されてもよい。
【0124】
発光ポリマーは、共に共役したポリマー骨格の繰り返し単位を含有してもよい。
【0125】
発光ポリマーは、アリールアミン繰り返し単位、例えば式(XII)の繰り返し単位を含有してもよい:
【化25】
【0126】
式中、Ar
8およびAr
9は、各出現時において、独立に、置換または非置換アリールまたはヘテロアリールから選択され、gは1以上であり、好ましくは1または2であり、R
13はHまたは置換基であり、好ましくは置換基であり、cおよびdは、それぞれ独立に1、2または3である。
【0127】
R
13は、同一または異なっていてもよく、各出現時において、g>1である場合、好ましくはアルキル、例えばC
1−20アルキル、Ar
12、Ar
12基の分岐状または線状鎖、または式(XII)のN原子に直接結合したまたはスペーサー基によって間隔をあけられた架橋性単位からなる群から選択され、ここでAr
12は、各出現時において、独立に置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールである。例示的なスペーサー基は、C
1−20アルキル、フェニルおよびフェニル−C
1−20アルキルである。
【0128】
式(XII)の繰り返し単位におけるAr
8、Ar
9および存在する場合はAr12のいずれかは、Ar
8、Ar
9およびAr
12の別の基に、直接結合によってまたは二価連結原子または基によって連結されてもよい。好ましい二価連結原子および基としては、O、S;置換N;および置換Cが挙げられる。
【0129】
Ar
8、Ar
9のいずれか、および存在する場合にAr
12は、1つ以上の置換基であってもよい。例示的な置換基は、置換基R
12であり、ここで各R
12は、独立に、以下からなる群から選択されてもよい:
−置換または非置換アルキル(C
1−20アルキルであってもよい)、ここで1つ以上の非隣接C原子は、置換されてもよいアリールまたはヘテロアリール、O、S、置換N、C=Oまたは−COO−で置き換えられてもよく、および1つ以上のH原子がFで置き換えられてもよい;および
−フルオレン単位に直接結合したまたはスペーサー基、例えば二重結合を含む基、例えばビニルまたはアクリレート基、またはベンゾシクロブテン基によって間隔をあけた架橋性基
式(XII)の好ましい繰り返し単位は、式1−3を有する:
【化26】
【0130】
発光ポリマーは、1つ、2つまたはそれ以上の異なる式(XII)の繰り返し単位を含有してもよい。
【0131】
1つの任意配置において、例えば式1にあるように、2つのN原子に連結した中央Ar
9基は、非置換であってもよく、または1つ以上の置換基R
12で置換されてもよいフェニレンである。
【0132】
別の任意配置において、式1の中央Ar
9基は、非置換であってもよく、または1つ以上の置換基R
10で置換されてもよい多環式芳香族である。例示的な多環式芳香族基は、ナフタレン、ペリーレン、アントラセンおよびフルオレンである。これらの多環式芳香族基のそれぞれは、1つ以上の置換基R
12で置換されてもよい。2つの置換基R
12は、置換または非置換環を形成するように連結されてもよい。
【0133】
Ar
8は、非置換であってもよく、または1つ以上の置換基R
12で置換されてもよいフェニルであってもよい。
【0134】
式(XII)の繰り返し単位の1つだけのN原子に連結したAr
9基は、非置換であってもよく、または1つ以上の置換基R
12で置換されてもよいフェニルであってもよい。
【0135】
式(XII)のR
13は、好ましくはヒドロカルビル、好ましくはC
1−20アルキル、非置換または1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニル、または分岐状または線状鎖のフェニル基であり、ここで各フェニル基は、非置換または1つ以上のC
1−20アルキル基で置換される。
【0136】
R
13は、Ar
12、例えばフェニルまたは−(Ar
12)
rであってもよく、式中rは少なくとも2であり、基−(Ar
12)
rは、線状または分岐鎖の芳香族またはヘテロ芳香族基、例えば3,5−ジフェニルベンゼンを形成し、ここで各フェニルは、1つ以上の置換基R
10、例えば1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよい。このタイプの繰り返し単位は、WO2010/001982に記載されており、この文献の内容は参考として本明細書に組み込まれる。
【0137】
c、d、およびgのそれぞれは1であってもよく、Ar
8およびAr
9は、酸素原子によって連結されてフェノキサジン環を形成するフェニルであってもよい。
【0138】
アミン繰り返し単位は、正孔輸送および/または発光機能性を提供してもよい。例示的な発光アミン繰り返し単位としては、式(XIIa)の青色蛍光発光繰り返し単位および緑色発光繰り返し単位式(XIIb)が挙げられる:
【化27】
【0139】
式(XIIa)および(XIIb)の繰り返し単位は、非置換であってもよく、または式(XIIb)の繰り返し単位の環の1つ以上が、1つ以上の置換基R
15、好ましくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてもよい。
【0140】
アミン繰り返し単位は、1つ以上の共繰り返し単位を有するコポリマーに提供されてもよく、発光コポリマーの繰り返し単位の0.5mol%〜約50mol%(約1〜25mol%、約1〜10mol%であってもよい)を形成してもよい。
【0141】
例示的な共繰り返し単位としては、フルオレン、フェニレン、インデノフルオレン、フェナントレンおよびジヒドロフェナントレン繰り返し単位が挙げられるが、これらに限定されない。発光ポリマーの共繰り返し単位としては、上記で記載される共繰り返し単位(III)、(VII)および(VIII);フェナントレン繰り返し単位;ナフタレン繰り返し単位;アントラセン繰り返し単位;およびペリーレン繰り返し単位の1つ以上を挙げることができる。これらの繰り返し単位のそれぞれは、これらの単位の芳香族炭素原子のいずれか2つを通して隣接繰り返し単位に連結されてもよい。具体的な例示連結としては、9,10−アントラセン;2,6−アントラセン;1,4−ナフタレン;2,6−ナフタレン;2,7−フェナントレン;および2,5−ペリーレンが挙げられる。これらの繰り返し単位のそれぞれは、置換または非置換であってもよく、例えば1つ以上のC1−40ヒドロカルビル基で置換されてもよい。
【0142】
ポリマー合成
正孔輸送および発光共役ポリマーを含む本明細書に記載されるような共役ポリマーの調製のための好ましい方法は、「金属挿入」を含み、ここで金属錯体触媒の金属原子は、アリールまたはヘテロアリール基とモノマーの脱離基との間に挿入される。例示的な金属挿入方法は、例えばWO00/53656に記載されるようなSuzuki重合および例えばT.Yamamoto,「Electrically Conducting And Thermally Stable π−Conjugated Poly(arylene)s Prepared by Organometallic Processes」,Progress in Polymer Science 1993,17,1153−1205に記載されるYamamoto重合である。Yamamoto重合の場合、ニッケル錯体触媒が使用される;Suzuki重合の場合に、パラジウム錯体触媒が使用される。
【0143】
例えば、Yamamoto重合による線状ポリマーの合成において、2つの反応性ハロゲン基を有するモノマーが使用される。同様に、Suzuki重合の方法に従って、少なくとも1つの反応性基がホウ素誘導基、例えばボロン酸またはボロン酸エステルおよび他の反応性基がハロゲンである。好ましいハロゲンは、塩素、臭素およびヨウ素であり、最も好ましくは臭素である。
【0144】
このため、この出願全体を通して例示される繰り返し単位は、好適な脱離基を保持するモノマーから誘導されてもよいことが理解される。同様に、末端基または側鎖基は、好適な脱離基の反応によってポリマーに結合してもよい。
【0145】
Suzuki重合は、位置規則性、ブロックおよびランダムコポリマーを調製するために使用されてもよい。特に、ホモポリマーまたはランダムコポリマーは、1つの反応性基がハロゲンである場合に調製されてもよく、他の反応性基がボロン誘導体基である。別の方法として、ブロックまたは位置規則性、特にABコポリマーは、第1のモノマーの反応性基両方がボロンであり、第2のモノマーの反応性基両方がハロゲンである場合に、調製されてもよい。
【0146】
ハライドの代替として、金属挿入に関与できる他の脱離基としては、トシレート、メシレートおよびトリフレートを含む基が挙げられる。
【0147】
正孔注入層
伝導性有機または無機材料から形成され得る伝導性正孔注入層は、
図1に示されるようなOLEDのアノード101と正孔輸送層103との間に提供されて、アノードから半導体性ポリマーの(1または複数の)層への正孔注入を補助してもよい。ドープされた有機正孔注入材料の例としては、置換されてもよいドープされたポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)、特にEP0901176およびEP0947123に開示されるような、電荷平衡ポリ酸、例えばポリスチレンスルホネート(PSS)でドープされたPEDT、ポリアクリル酸またはフッ素化スルホン酸、例えばNafion(登録商標);US5723873およびUS5798170に開示されるようなポリアニリン;および置換されてもよいポリチオフェンまたはポリ(チエノチオフェン)が挙げられる。伝導性無機材料の例としては、遷移金属酸化物、例えばJournal of Physics D:Applied Physics(1996),29(11),2750−2753に開示されるような、VOx、MoOxおよびRuOxが挙げられる。
【0148】
カソード
カソード107は、OLEDの発光層に電子注入を可能にする仕事関数を有する材料から選択される。他の要因は、カソードと発光材料との間の不利な相互作用の可能性のようにカソードの選択に影響する。カソードは、アルミニウムの層のような単一材料からなってもよい。あるいは、それは、複数の伝導性材料を含んでいてもよく、例えばWO98/10621に開示されるように、例えばカルシウムおよびアルミニウムのような低仕事関数材料および高仕事関数材料の二層を含んでいてもよい。カソードは、例えばWO98/57381、Appl.Phys.Lett.2002,81(4),634およびWO02/84759に開示されるように、元素状バリウムを含んでいてもよい。カソードは、金属化合物、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物またはフッ化物の薄い(例えば1〜5nm)層を、デバイスの有機層と、1つ以上の伝導性カソード層との間に含んで電子注入を補助してもよく、例えばWO00/48258に開示されるようにフッ化リチウム;Appl.Phys.Lett.2001,79(5),2001に開示されるようなフッ化バリウム;および酸化バリウムである。電子の効率の良いデバイスへの注入を提供するために、カソードは、好ましくは3.5eV未満、より好ましくは3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。金属の仕事関数は、例えばMichaelson,J.Appl.Phys.48(11),4729,1977に見出され得る。
【0149】
カソードは、不透明または透明であってもよい。透明カソードは、こうしたデバイスにおいて透明アノードを通る発光が、発光ピクセルの底に位置する駆動回路によって少なくとも部分的にブロックされるので、アクティブマトリックスデバイスにとって特に有利である。透明カソードは、透明であるのに十分薄い電子注入材料の層を含む。通常、この層の横方向の伝導度は、その薄さの結果として低い。この場合、電子注入材料の層は、インジウムスズオキシドのような透明伝導材料のより厚い層と組み合わせて使用される。
【0150】
透明カソードデバイスは、透明アノードを必要とせず(もちろん、完全に透明なデバイスが所望されない限り)、こうして底部発光デバイスのために使用される透明アノードは、反射性材料の層、例えばアルミニウムの層と置き換えられてもよく、または補充され得ることが理解される。透明のカソードデバイスの例は、例えばGB2348316に開示される。
【0151】
封入
有機オプトエレクトロニクスデバイスは、湿分および酸素に対して感受性である傾向がある。従って、基材は、好ましくはデバイスへの湿分および酸素の進入を防止するための良好なバリア特性を有する。基材は、一般にガラスであるが、代替基材が、特にデバイスの可撓性が所望される場合に、使用されてもよい。例えば、基材は、1つ以上のプラスチック層、例えば代替プラスチックおよび誘電体バリア層または薄いガラスおよびプラスチックのラミネートを含んでいてもよい。
【0152】
デバイスは、湿分および酸素の浸入を防止するための封入剤(図示せず)で封入されてもよい。好適な封入剤としては、ガラスシート、好適なバリア特性を有するフィルム、例えば二酸化ケイ素、一酸化ケイ素、窒化ケイ素またはポリマーの代替スタックおよび誘導体または気密容器が挙げられる。透明カソードデバイスの場合、透明封入層、例えば一窒化ケイ素または二酸化ケイ素はミクロンレベルの厚さに堆積されてもよいが、1つの好ましい実施形態において、こうした層の厚さは20〜300nmの範囲である。基材または封入剤を通って浸透し得るいずれかの雰囲気湿分および/または酸素の吸収のためのゲッター材料が、基材と封入剤との間に配設されてもよい。
【0153】
配合加工処理
本発明のポリマーの層を形成するために好適な配合物は、ポリマーおよび1つ以上の好適な溶媒から形成されてもよい。
【0154】
本発明の組成物、特にアルキル置換基を含むポリマーを含有する組成物を溶解するために好適な溶媒としては、1つ以上のC1−10アルキルまたはC1−10アルコキシ基で置換されたベンゼン、例えばトルエン、キシレンおよびメチルアニソールが挙げられる。
【0155】
印刷およびコーティング技術、例えばスピンコーティングおよびインクジェット印刷を含む特に好ましい溶液堆積技術。
【0156】
スピンコーティングは、例えば照明用途または単純なモノクロセグメント化ディスプレイのために発光層のパターニングが不必要である場合のデバイスに特に好適である。
【0157】
インクジェット印刷は、高情報量ディスプレイ、特にフルカラーディスプレイに特に好適である。デバイスは、第1の電極にわたってパターニングされた層を提供し、1つの色(モノクロデバイスの場合)またはマルチカラー(マルチカラーの場合、特に完全なカラーデバイスの場合)の印刷のためのウェルを規定することによって印刷されたインクジェットであってもよい。パターニングされた層は、通常、例えばEP0880303に記載されるようなウェルを規定するようにパターニングされたフォトレジストの層である。
【0158】
ウェルの代替として、インクは、パターニングされた層内に規定されるチャンネルに印刷されてもよい。特に、フォトレジストは、ウェルとは異なり、複数のピクセルにわたって延び、チャンネル末端部において閉じていてもよくまたは開いていてもよいチャンネルを形成するためにパターニングされてもよい。
【0159】
他の溶液堆積技術としては、浸漬コーティング、ロール印刷およびスクリーン印刷が挙げられる。
【0160】
正孔輸送層103は、ポリマーの非架橋層を形成するために本発明のポリマーの配合物を用い、続いてポリマーの架橋性置換基の架橋により、デバイスの上層を形成するために使用される溶媒に対して正孔輸送層103を不溶性にして形成されてもよい。架橋性基は、式(I)の繰り返し単位の置換基および/または共繰り返し単位の置換基として提供されてもよい。
【0161】
[実施例]
モノマー実施例1
モノマー実施例1は、以下の反応スキームに従って調製された:
【化28】
【0162】
(2)の合成−トルエン(1.5L)中、アニリン(0.62mol)、1−ブロモ−4−ブチル−2,6−ジメチルベンゼン(0.25mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.005mol)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.02mol)およびナトリウム−tert−ブトキシド(0.6mol)の混合物を20時間還流加熱した。水性処理およびカラムクロマトグラフィによる精製後に、(2)を89%収率で得た。
【0163】
(4)の合成−トルエン(600ml)中、2,7−ジブロモ−9,10−ジオクチルフェナントレン(0.045mol)、(2)0.11mol、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.9mmol)およびトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(3.6mmol)およびナトリウム−tert−ペントキシド(0.10mol)を20時間還流加熱した。水性処理およびクロマトグラフィによる精製後、(4)を66%収率で得た。
【0164】
(5)の合成−化合物(4)(29mmol)を、クロロホルム(260ml)およびジメチルホルムアミド(115ml)中のNBS(2.28当量)の作用によって臭素化した。反応を水およびメタノールでクエンチした。(4)の精製は、カラムクロマトグラフィによって行い、所望の純度を達成するまで再結晶させた。70%収率を得た。
【0166】
(2)の合成
1800mlのトルエン(無水)中の1(180g、0.3211mol)および4−ブチル−2,6−ジメチルアニリン(125.3g、0.7066mol)の溶液中に、固体としてビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(1.47g、0.0016mol)およびトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.90g 0.0024mol)を添加した。次いで混合物を、窒素ガスでスパージし、続いてナトリウムtert−ブトキシド(92.6g、0.9635mol)を固体として滴下した。最終混合物を、さらに10分間スパージし、徐々に還流加熱し、出発材料がTLCによって見られなくなるまで加熱した。水性処理およびカラムクロマトグラフィによる精製後、(2)を(235g、98%収率)で得た。
【0167】
(3)の合成
800mlのトルエン(無水)中の(2)(50g、66.4mmol)および5−ブロモ−m−キシレン(27ml、199mmol)の溶液に、固体としてビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(1.82g、2mmol)およびトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(1.73g、6mmol)を添加した。次いで混合物を窒素ガスでスパージし、続いてナトリウムtert−ブトキシド(25.5gg、266mmol)を固体として滴下した。最終混合物を、さらに10分間スパージし、徐々に還流加熱し、出発材料がTLCによって見られなくなるまで加熱した。水性処理およびカラムクロマトグラフィによる精製後、(3)を赤色油として得た。
【0168】
(4)の合成
220mlのクロロホルム(無水)中の(3)(28.91g、30.07mmol)の溶液を、−40℃の冷却前に20分間水素でスパージした。200mlのN,N−ジメチルホルムアミド(無水)中のN−ブロモスクシンイミド(10.44g、58.63mmol)の溶液は、反応混合物に滴下した。反応混合物を室温まで加温させ、転化をHPLCによって確認した。さらに少量のNBSを、トリブロミドの形成なしにジブロミドに最適に転化するために必要に応じて添加した。水性処理後、再結晶化を繰り返すことによって白色固体を精製し、モノマー実施例2(28g、HPLCにより99.46%(83%収率))を得た。
【0170】
(3)の合成
THF(1400mL)中の(2)(70g、198.83mmol)の溶液を−60℃未満まで冷却し、n−BuLi溶液(ヘキサン中の2.5M溶液の91mL、228.65mmol)を滴下した。添加完了後、混合物をさらに1時間撹拌し、−40〜−50℃に加温した。次いでヨウ化ブチル(45.5mL、398mmol)を滴下し、反応を室温まで加温し、一晩撹拌した。水性処理後、トルエン/アセトニトリルで溶出してシリカを通過させ、完全に乾燥させた後、(3)を褐色油として得た(98%収率)。
【0171】
(4)の合成
3(20g、45.56mmol)、Pd
2(dba)
3およびシクロヘキシルJohnPhosの混合物に、窒素下、THF(80mL)を添加し、溶液を窒素で10分間スパージした。溶液に、THF中のLiN(SiMe
3)
2(68.3mLの1M溶液、68.33mmol)を滴下した。添加終了後、反応混合物を3時間還流加熱し、次いで10℃に冷却し、2MのHCl(125mL)を滴下し、続いて10%のNaOH(102mL)溶液を添加した。混合物をトルエン(200mL)およびアセトニトリル(100mL)で希釈した。水性処理およびシリカゲルでのクロマトグラフィによる精製後、4を褐色固体として得た(11.8g、89%収率)。
【0172】
6の合成
シクロペンチルメチルエーテル(CPME)(1950mL)中の1,4−ジブロモ−2,5−ジエチルベンゼン(130g、445.19mmol)の溶液を窒素雰囲気下で、<−65℃の内部温度に冷却し、n−ブチルリチウム(207mL、516.4mmol)を30分間にわたって滴下した。次いで反応混合物を−25℃の内部温度に徐々に加温させ、トリメチルシリルクロリド(68mL、534mmol)を30分間にわたって滴下した。反応を水(390mL)でクエンチし、水性処理に供した後、トルエン/アセトニトリルで溶出し、シリカゲルを通過させることによって精製した。溶媒の蒸発により、6を無色の油として得た(127g、99%収率)。
【0173】
7の合成
4(20.6g、77.6mmol)、tBu
3PHBF
4(0.471g、1.622mmol)、Pd
2(dba)
3(0.707g、0.772mmol)およびトルエン(164mL)の溶液を調製し、混合物を窒素で10分間スパージし、続いてtBuONa(11.13g、115.87mmol)を固体として添加した。これに、窒素下、トルエン(207mL)中の6(21.10g、74mmol)の溶液を滴下した。添加完了後、反応混合物を60℃に4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、ヘキサン(410mL)を添加した。水性処理後、有機相はシリカを通過させ、トルエン/アセトニトリルで溶出し、揮発性分が除去した。材料は、トルエン/ヘキサン(2:1)に再溶解され、シリカのプラグを通過させ、トルエン/ヘキサン(2:1)で溶出した。揮発性分の除去により、赤色油として7を得た(34.3g、98.7%収率)。
【0174】
9の合成
8(15.563g、27.77mmol)、tBu
3PHBF
4およびPd
2(dba)
3の混合物に、窒素雰囲気下、トルエン(271mL)中の7(28.7g、61.1mmol)の溶液を添加し、得られた溶液を窒素で10分間スパージした。溶液に、ナトリウムtert−ペントキシド(9.175g、83.31mmol)を固体として添加し、混合物を50℃に4時間加熱した。この後、室温まで冷却させた。ヘキサン(280mL)は、反応混合物に添加し、水性処理を行った。揮発性分を除去することにより、褐色油を得たが、これをトルエン/ヘキサンに再溶解させ、シリカのプラグを通過させ、さらにトルエン/ヘキサンで溶出した。揮発性分を除去し、油をヘキサン中に再溶解させた。エタノールを滴下して、黄色の粘着性固体の沈澱を得た。これはメタノールで洗浄し、母液を用いて洗浄し、結果として黄色固体のさらなる小さいクロップを得た。黄色固体の2つのクロップを合わせて、ヘキサンに再溶解させ、得られた褐色溶液を活性炭で処理し、セライトを通して濾過して、黄色褐色溶液を得た。このプロセスを繰り返し、揮発性分を除去し、黄色油として9を得て、これを放置して固化し、黄色固体を得た。黄色固体をさらに、ヘキサン/エタノール/メタノールから3回再結晶化させることによって精製し、75%収率で黄色固体として9を得た。
【0175】
モノマー実施例3の合成
−10℃〜−20℃に維持されたジクロロメタン(280mL)中の9(28g、20.92mmol)の溶液に、ピリジン(5mL、62.8mmol)を添加し、続いてベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(16.319g、41.85mmol)を4回で添加し、それぞれの間は2時間撹拌した。最終の撹拌期間の後、反応混合物をメタノール(1400mL)に注ぎ、混合物を濾過した。濾液をメタノールで洗浄し、淡黄色固体をシリカを通過させることによって精製し、トルエン/ヘキサン(1:4)で溶出し、続いてヘキサン/エタノール/メタノール(1:2:0.7)からの再結晶化を繰り返し、モノマー実施例3を93%収率で得た。
【0176】
ポリマー
ポリマーは、表1および2に提供される量において、以下に示されるモノマーのWO00/53656に記載されるようにSuzuki重合によって調製した:
【化31】
【0178】
ここで「Oct」はn−オクチルである。
【0180】
ポリマー実施例2および5において、モノマー6(モノマー実施例2)およびモノマー11(モノマー実施例3)それぞれの重合によって形成された式(I)の繰り返し単位は、部分的に共役する繰り返し単位を提供する。
【0181】
ポリマー実施例1、3および4において、モノマー1(ツイストしたフェニレン繰り返し単位)またはモノマー8(ツイストしたフェニレン繰り返し単位)の重合によって形成される繰り返し単位は、部分的に共役する繰り返し単位を提供する。
【0182】
青色蛍光デバイス実施例
以下の構造を有する青色有機発光デバイスを調製した:ITO/HIL/HTL/LE/カソード、ここでITOはインジウムスズオキシドアノード;HILは正孔注入層であり;HTLは正孔輸送層であり;LEは発光層であり;カソードは、発光層と接触した金属フッ化物の層および銀層およびアルミニウム層を含む。
【0183】
デバイスを形成するために、ITO保持基材をUV/オゾンを用いて洗浄した。正孔注入層は、Plextronics,Inc.から入手可能な正孔注入材料の水性配合物をスピンコーティングすることによって形成された。正孔輸送層は、表1のポリマー実施例をスピンコーティングし、加熱によってポリマーを架橋することによって形成した。発光層は、WO00/53656に記載されるようなSuzuki重合によって形成され、式(VIIa)のフルオレン繰り返し単位、式(VIIIa)の繰り返し単位および式(XII)のアミン繰り返し単位および添加剤ポリマーを含む青色蛍光発光ポリマーをスピンコーティングすることによって形成された。カソードは、約2nmの厚さまで金属フッ化物の第1の層、約100nmの厚さまでアルミニウムの第2の層、および約100nmの厚さまで銀の第3の層を蒸発させることによって形成した。
【0184】
緑色りん光デバイス実施例
緑色デバイスは、青色蛍光発光層が、ホストポリマー(60重量%)および緑色りん光発光体1(40重量%)の組成物の緑色りん光発光層によって置き換えられる以外、デバイス実施例1に記載されるように調製した。
【0185】
ホストポリマーは、式(IIIa)のアルキル−置換フェニレン繰り返し単位および式(IV)のトリフェニルトリアジン繰り返し単位のWO00/53656に記載されるようにSuzuki重合によって調製された:
緑色りん光発光体1は、以下の構造を有する:
【化32】
【0186】
青色蛍光デバイスについての結果を表2に与え、ここでT95およびT80は、デバイスの明るさが1000cd/m2の最初の明るさについてそれぞれ95%および80%に低下するのにかかる時間を表す。
【0187】
例示的なポリマーを含有するデバイスについてのT95およびT80値は、比較ポリマーを含有するデバイスよりも高い。CIE(X,y)色座標および外部量子効率(EQE)は同様である。
【0188】
表2−蛍光青色デバイス結果
【表2】
【0189】
緑色りん光デバイスについての結果は表3に与えられ、ここでT90およびT50は、デバイスの明るさが、24,000cd/m2の最初の明るさについて、それぞれ90%および50%へ低下するのにかかる時間を表す。
【0190】
例示ポリマーを含有するデバイスについてT90およびT50値は、比較ポリマーを含有するデバイスよりも高い。
【0191】
式(I)の繰り返し単位がツイストされるポリマー実施例2および5についてのT50値は、ポリマー実施例3および4についてT50値よりも高く、ここで共繰り返し単位は、ポリマー骨格に沿ってツイストを提供する。
【0192】
表3−りん光緑色デバイス結果(1)
【表3】
【0193】
緑色りん光デバイス結果(2)
表3に示す結果は、ポリマー実施例4および比較ポリマー4Aを含有するデバイスについてより長い寿命および匹敵する効率および色を示す。
【0194】
ポリマー実施例4および比較ポリマー4Aの両方は、モノマー8から誘導される部分的に共役するフルオレン繰り返し単位を含有するが、ポリマー実施例4は式(I)の繰り返し単位も含有する。
【0195】
緑色りん光デバイスは、上記で記載されるように調製された。ポリマー実施例4が使用されて、正孔輸送層を形成するデバイス実施例1が調製され、比較ポリマー4Bが使用されて、正孔輸送層を形成する比較デバイスが調製された。
【0196】
結果を表4に概要する。比較ポリマー4Bは、式(I)の繰り返し単位を含有するが、部分的に共役する繰り返し単位を含有していない。
【0197】
ポリマー実施例4、比較例4Aおよび比較例4Bの結果は、改善された性能が、単一の繰り返し単位の存在下または不存在下ではなく、式(I)の繰り返し単位および部分的に共役する繰り返し単位の組み合わせによって達成されることを実証している。
【0199】
緑色りん光デバイス結果(3)
緑色りん光デバイスは、上記で記載されるように調製された。ポリマー実施例1が使用されて正孔輸送層を形成するデバイス実施例2を調製し、比較ポリマー1が使用されて正孔輸送層を形成する比較デバイス2を調製した。
【0200】
図2を参照して、デバイス実施例2の外部量子効率は、約2.5Vを超える電圧において、比較デバイス2の場合より高い。
【0201】
図3を参照して、デバイス実施例2の半減期(デバイスの明るさが、一定電流において最初の輝度の50%に低下するのにかかる時間)は、比較デバイス2の場合よりも高い。本発明が特定の例示実施形態に関して記載されたが、本明細書に開示される特徴の種々の変更、代替および/または組み合わせが以下の特許請求の範囲に示されるような本発明の範囲から逸脱することなく当業者に明らかであることが理解される。