(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
縦方向と、前記縦方向と交差する横方向と、前記縦方向及び前記横方向と交差する前後方向と、を有し、前記横方向に沿った前胴回り部と、前記横方向に沿った後胴回り部と、液体を吸収する吸収体を有し、前記前胴回り部と前記後胴回り部との間に設けられた吸収性本体と、を備えた吸収性物品であって、前記横方向における前記後胴回り部の一方側の端部と、前記横方向における前記前胴回り部の一方側の端部とは、第1接合部によって接合されており、前記横方向における前記後胴回り部の他方側には、着用時に前記前胴回り部に係止可能な係止部が設けられており、前記前胴回り部において、前記吸収性本体の前記横方向における中央位置よりも前記一方側の第1領域のうち少なくとも一部には、前記横方向に伸縮する弾性領域が設けられており、前記吸収性本体の前記横方向における中央位置よりも前記他方側の第2領域のうち前記吸収性本体の前記他方側の端よりも前記他方側には、前記弾性領域が設けられていない、ことを特徴とする吸収性物品。
【0012】
このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用させる動作において前胴回り部が横方向に引っ張られる際に、第2領域で吸収性本体よりも横方向の他方側の領域が伸縮しないため、前胴回り部を引っ張る力によって吸収性本体を横方向に移動させやすくなる。また、第1領域が伸縮するため、吸収性本体を逆方向に引っ張る力が働き、吸収性本体が横方向に拡幅される。これにより、吸収体の位置を着用者の身体の中央位置に合わせやすくすると共に左右のバランスが取りやすくなり、着用者に良好なフィット性を与えることができる。
【0013】
かかる吸収性物品であって、前記後胴回り部において、前記吸収性本体の前記横方向の中央位置よりも前記一方側の第3領域のうち少なくとも一部には、前記弾性領域が設けられている、ことが望ましい。
【0014】
このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用させる動作において後胴回り部が横方向に引っ張られる際に、第3領域に設けられた弾性領域によって横方向の伸縮力が生じ、吸収性本体が逆方向に引っ張られる。これにより、吸収性本体が横方向に拡幅され皺等が生じにくくなり、吸収性物品の着用時におけるフィット性を向上させることができる。
【0015】
かかる吸収性物品であって、前記後胴回り部において、前記吸収性本体の前記横方向の中央位置よりも前記他方側の第4領域のうち少なくとも一部には、前記弾性領域が設けられている、ことが望ましい。
【0016】
このような吸収性物品によれば、後胴回り部20の広範囲に亘って横方向の伸縮力が生じ、吸収性本体を横方向に拡幅しつつ、後胴回り部20の全体を着用者の身体にフィットさせやすくなる。特に、面積の広い着用者の臀部においても、吸収性物品の位置がずれにくくなる。
【0017】
かかる吸収性物品であって、前記第4領域に設けられた前記弾性領域よりも前記他方側には、前記弾性領域が設けられていない、ことが望ましい。
【0018】
このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用させる動作において、後胴回り部を横方向に引っ張る際に掴まれる部分(係止部材)が伸縮しないため、操作性が良好になる。また、そのような非伸縮の領域に係止部が設けられることにより、係止部に皺が生じることが抑制され、平面形状に保たれやすくなるため、前記前胴回り部(ターゲット領域)に係止部をしっかりと係止させることができる。
【0019】
かかる吸収性物品であって、前記第3領域に設けられた前記弾性領域と前記第4領域に設けられた前記弾性領域とが、前記横方向において連続している、ことが望ましい。
【0020】
このような吸収性物品によれば、第3領域に設けられた弾性領域による伸縮力と、第4領域に設けられた弾性領域による伸縮力とが連動して、後胴回り部の全体に亘って伸縮性が確保され、伸縮力を均等に作用させやすくなる。これにより、後胴回り部の伸長の割合が局所的に変化したり、歪が生じたりしにくくなり、吸収性物品の着用時においてフィット性が向上する。また、吸収性物品の後胴回り部が着用者の背中の位置に合いやすくなる。
【0021】
かかる吸収性物品であって、前記第1領域に設けられた前記弾性領域と前記第3領域に設けられた前記弾性領域とが、前記横方向において実質的に連続している、ことが望ましい。
【0022】
このような吸収性物品によれば、第3領域に設けられた弾性領域による伸縮力と、第1領域に設けられた弾性領域による伸縮力とが連動して、胴回り開口部のほぼ全周に亘って伸縮性が確保され、また、伸縮力を均等に作用させやすくなる。これにより、胴回り開口部の伸長の割合が局所的に変化したり、歪が生じたりしにくくなり、吸収性物品の着用時においてフィット性がより向上する。
【0023】
かかる吸収性物品であって、前記第2領域の全域に、前記弾性領域が設けられていない、ことが望ましい。
【0024】
このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用させる動作において前胴回り部が横方向に引っ張られる際に、第2領域の全体が伸縮しないため、前胴回り部を引っ張る力が直接吸収体に作用しやすく、吸収体を横方向に移動させやすくなる。これにより、吸収体の位置を着用者の身体の中央位置に正確に合わせやすくなる。
【0025】
かかる吸収性物品であって、前記前胴回り部の非肌側において、前記第2領域中の所定の領域には、前記係止部を係止させる領域であるターゲット領域が設けられている、ことが望ましい。
【0026】
このような吸収性物品によれば、第2領域の全体が伸縮しにくいため、ターゲット領域が平面形状に保たれやすく、皺が生じにくい。したがって、ターゲット領域の表面に、係止部を係止させやすく、係止させた後は両者が外れにくくなる。これにより、着用者が身体を動かした場合であっても吸収性物品がずれにくく、良好なフィット性を維持しやすくなる。
【0027】
かかる吸収性物品であって、前記股下部の前記横方向の両端部には前記縦方向に伸縮可能なレッグギャザー弾性部材が設けられており、前記縦方向において、前記レッグギャザー弾性部材の弾性力が作用する範囲と、前記後胴回り部において、前記吸収性本体の前記横方向の中央位置よりも前記他方側の領域の少なくとも一部とが重複している、ことが望ましい。
【0028】
このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用させる動作において後胴回り部が横方向に引っ張られる際に、該後胴回り部に連動してレッグギャザー弾性部材が引っ張られ、レッグギャザーが斜め上方側に引き上げられる。また、レッグギャザーが伸ばされることによって皺が生じにくくなるため、背側(臀部側)脚回り部におけるフィット性を向上させることができる。
【0029】
かかる吸収性物品であって、前記後胴回り部の前記縦方向の長さは、前記前胴回り部の前記縦方向の長さよりも長い、ことが望ましい。
【0030】
このような吸収性物品によれば、吸収性物品の着用時において、面積の広い臀部領域を、後胴回り部によってしっかりと覆うことができるようになる。
【0031】
===実施形態===
<使い捨ておむつ1の基本構成>
本実施形態に係る吸収性物品の一例として、片開き型の使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1とも呼ぶ)の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るおむつ1の斜視イメージ図である。
図2は、展開状態のおむつ1の平面図である。展開状態とは、
図1のおむつ1の係止部41をターゲット領域34から取り外して第1接合部1bを分離し、開いておむつ1全体を平面的に展開した状態である。
図3は、弾性領域X、Yについて説明する図である。
【0032】
本実施形態に係るおむつ1は、主に新生児や乳幼児等を着用対象とした使い捨ておむつである。おむつ1は、
図1に示すように「縦方向」と、縦方向と交差する「横方向」と、縦方向及び横方向と交差する「前後方向」とを有する。また、以下では横方向の左側を「一方側」とし、右側を「他方側」として説明を行う(
図1,2等参照)。
【0033】
おむつ1は、着用者の股下に配置して排泄物を吸収する吸収性本体10(「股下部」ともいう。)と、着用者の背側を覆う後胴回り部20と、着用者の腹側を覆う前胴回り部30と係止部材40とを有する。
図2に示した展開状態のおむつ1が縦方向の略中央位置を折り畳み位置として二つ折りされ、横方向の一方側の端部において後胴回り部20と前胴回り部30とが第1接合部1bにて接合されることで、一方側の脚回り開口部1HLが形成される。横方向の他方側の端部においては、後胴回り部20と前胴回り部30とが接合されておらず、係止部材40が前胴回り部30に係止されることによって、他方側の脚回り開口部1HL及び胴回り開口部1HBが形成される。つまり、本実施形態のおむつ1は横方向の一方側では後胴回り部20と前胴回り部30とが接合されて閉じており、他方側では両者が接合されずに開いている、所謂「片開き型のおむつ」である。
【0034】
後胴回り部20及び前胴回り部30は、その平面形状は略矩形であり、
図2の展開状態では、後胴回り部20と前胴回り部30とが互いに縦方向に間隔をあけて平行に配置され、これらの間に吸収性本体10が架け渡されている。そして、吸収性本体10の一端部10aに後胴回り部20が、他端部10bに前胴回り部30が固定されている。
【0035】
(吸収性本体10)
吸収性本体10(股下部)は、平面視略長方形をなし、その長手方向をおむつ1の縦方向に沿わせつつ横方向の中央に配置されている。
図2において、中心線ACは吸収性本体10の横方向における中心である。吸収性本体10は、液体を吸収して保持する吸収体11と、吸収体11を着用者の肌側から覆いつつ尿等の排泄物を透過させる液透過性の表面シート12と、吸収体11を非肌側から覆いつつ非肌側からの液体の漏れを防ぐ液不透過性の裏面シート13を有する。吸収体11は、パルプ繊維等の液体吸収性繊維を
図2に示されるような平面視略砂時計形状等の所定形状に成形したものであり、その内部には高吸収性ポリマーが混入されている。
【0036】
また、吸収性本体10の横方向における両側部に位置する部位には、縦方向に沿って伸縮するレッグギャザーLG(脚回り伸縮部)がそれぞれ設けられている。レッグギャザーLGは、例えば、不織布等により形成されており、縦方向に沿って伸縮するレッグギャザー弾性部材16を備えている。レッグギャザー弾性部材16は、例えば、糸ゴム等によって形成され、縦方向に伸長された状態でレッグギャザーLGに接合されることでレッグギャザーLGに縦方向に沿った伸縮性を付与する。また、吸収性本体10の横方向において、レッグギャザーLGよりも内側に、一対のレッグサイドギャザーLSG(立体ギャザー)がさらに設けられていても良い。(
図2では不図示)。
【0037】
(後胴回り部20)
後胴回り部20は、着用者の肌側に位置する肌側部材21と、非肌側に位置する非肌側部材22と、肌側部材21と非肌側部材22の間に位置する複数の糸ゴム23を有する。肌側部材21と非肌側部材22は、それぞれ不織布等の柔軟なシート部材である。糸ゴム23は、後胴回り部20に対して横方向の伸縮性を付与する弾性部材である。本実施形態では、縦方向に所定の間隔で並ぶ複数の糸ゴム23が、横方向に伸長された状態で接着剤等により肌側部材21と非肌側部材22との間接合されている。
【0038】
図2で、中心線RCは、後胴回り部20の横方向の中心を示している。後胴回り部20の一方側の端部には接合領域20jが設けられ、熱溶着等の所定の接合手段を用いて前胴回り部30の接合領域30j(後述)と接合されることにより、おむつ1の第1接合部1bが形成される。また、後胴回り部20の他方側の端部には、固着領域40jが設けられている。固着領域40jには、係止部材40が固着されている。
【0039】
糸ゴム23は、弾性領域Xを形成しておむつ1のフィット性を向上させている。後胴回り部20の上端部において、糸ゴム23は、横方向の一端側から他端側に連続して設けられており、縦方向に所定の間隔で並んで配置されている。後胴回り部20のうち吸収体11と重なる領域、つまり、後胴回り部20の縦方向中央部及び下端部においては、吸収体11が配置された領域に対応する後胴回り部20の幅方向の中央部には、糸ゴム23が配置されず、吸収体11より左側の領域と吸収体より右側の領域に略平行に複数の糸ゴム23が設けられている。
【0040】
図3に示すように、後胴回り部20の横方向の一方側に設けられた接合領域20jの横方向内側(他方側)端から、横方向の他方側に設けられた固着領域40jの横方向内側(一方側)端までの領域で糸ゴム23が配置されている領域を弾性領域Xという。
図3において、弾性領域Xは斜線部で示されている。なお、
図3では便宜上、接合領域20j、30j、固着領域40jのハッチングは省略している。
図2、
図3に示すように、糸ゴム23は、後胴回り部20の横方向の両側の端20er,20elまで配置されているが、それぞれ横方向の端部に接合領域20j及び固着領域40jが設けられることで、接合領域20j、及び接合領域20jより横方向外側、並びに固着領域40j、及び固着領域40jより横方向外側の部分の伸縮力は実質的に発現できなくなる。この弾性領域Xの一方側の端Xe1は、接合領域20jの横方向内側の横端と同位置であり、弾性領域Xの他方側の端Xe2は、固着領域40jの横方向内側の横端と同じ位置である。なお、
図3の斜線部で示される弾性領域X以外の領域(非弾性領域)にも糸ゴム23が配置されており、当該非弾性領域において糸ゴム23が切断されることによって、その領域では伸縮性を発現しないようにするのであっても良い。
【0041】
中心線BCは、片脚を入れた状態の着用者の身体の略中心となる位置を示しており、本実施形態において、中心線BCは、後胴回り部20の横方向の中心を示す中心線RCと同位置である。この中心線RC、中心線BCは、吸収性本体10の中心を示す中心線ACと異なる位置で、中心線ACより右側(他方側)に位置している。この理由については、後で説明する。
【0042】
後胴回り部20の下端20bは、一方側には、一方側の端部に向かって傾斜している傾斜部20blを有している。他方側には、前胴回り部30の下端と略平行に形成された直線部20bsと、直線部20bsより横方向内側に、傾斜部20blと中心線ACについて対称な傾斜部20brを有している。このように、左右の傾斜部を対称に設けることにより、当該傾斜部が左右ともに着用者の臀部の丸みに沿いやすくなる。そして、直線部20bsを前胴回り部30の下端と略平行にすることで、係止部41をターゲット領域34に係止しておむつ1を着用状態にしたときに、前胴回り部30の下端と後胴回り部20の直線部20bsを揃えることができるため、着用状態の見栄えが良くなる。また、
図2に示されるように後胴回り部20の縦方向の上端20aから下端20bまでの距離(縦方向の長さ)をH20とする。
【0043】
(係止部40)
係止部材40は、固着領域40jで後胴回り部20に熱融着等の所定の固着手段で固定されたものであり、略台形形状のテープ基材である。係止部材40は肌側面に複数の係止用突起(フック)を備えた面ファスナーの係止部41を有している。係止部41の係止用突起を、前胴回り部30に設けられたターゲット領域34に引っ掛けることにより、係止部材40が前胴回り部30に係止される。これにより、胴回り開口部1HBと他方側の脚回り開口部1HLが形成される(
図1参照)。なお、おむつ1の着用時においては、弾性領域Xの収縮に応じて係止部41が横方向に引っ張られることにより、係止用突起(フック)がターゲット領域34に引っかかりやすくなるため、係止部41をより強く係止させることができる
【0044】
なお、
図2に示される例では、後胴回り部20と係止部材40とはそれぞれ異なる部材として形成されており、固着領域40jにて互いに接合されているが、後胴回り部20と係止部材40とが一の部材として形成されていても良い。つまり、
図2における前胴回り部30と係止部材40とを合わせて、「後胴回り部20」としても良い。この場合、係止部41は後胴回り部20の横方向他方側の端部に直接接合される。このとき、弾性領域Xの他方側の端Xe2が、係止部41の横方向一方側端部よりも横方向の一方側(内側)に位置するように、弾性領域Xが設けられる。
【0045】
(前胴回り部30)
前胴回り部30は、着用者の肌側に位置する肌側部材31と、非肌側に位置する非肌側部材32と、肌側部材31と非肌側部材32の間に位置する複数の糸ゴム33(弾性部材)と、前胴回り部30の非肌側面にターゲット領域34を有する。肌側部材31と非肌側部材32は、それぞれ不織布等の柔軟なシート部材である。糸ゴム33は、前胴回り部30に対して横方向の伸縮性を付与する弾性部材である。本実施形態では、縦方向に所定の間隔で並ぶ複数の糸ゴム33が、横方向に伸長された状態で接着剤等により肌側部材31と非肌側部材32との間接合されている。ターゲット領域34は、係止部41と係合可能な領域であり、例えば、不織布の表面の繊維をループ状に加工して、係止部41の係止用突起(フック)を係合させやすくした部材等によって形成される。なお、ターゲット領域34と前胴回り部30とを異なる部材とするのではなく、前胴回り部30の非肌側部材32の一部の領域を加工することによってターゲット領域34が形成されるのであっても良い。
【0046】
糸ゴム33は、弾性領域Yを形成しておむつ1のフィット性を向上させている。糸ゴム33は、前胴回り部30のうち、横方向の一方側(左側)の端30elから中心線ACよりも横方向一方側の所定の位置までの間に設けられている。本実施形態では、横端30elから吸収性本体10よりも横方向の一方側の範囲に糸ゴム33(弾性領域Y)が設けられている。これに対して、横方向の他方側(右側)の端30erから中心線ACまでの間には糸ゴム33が設けられていない。そして、
図3の斜線部で示されるように、接合領域30jの横方向の内側の横端から、吸収性本体10の左端10elと、の間で糸ゴム33が配置されている領域を弾性領域Yという。なお、
図3の斜線部で示される弾性領域Y以外の領域(非弾性領域)にも糸ゴム33が配置されており、当該非弾性領域において糸ゴム33が切断されることによって、その領域では伸縮性を発現しないようにするのであっても良い。
【0047】
図2に示すように、前胴回り部30の左側の端部には、接合領域30jを有し、後胴回り部20の接合領域20jと接合されることで第1接合部1bが形成される。また、前胴回り部30の横方向の長さは、後胴回り部20の横方向の長さより短い。つまり、横方向において、前胴回り部30の一方側(左側)の端30elは、後胴回り部20の一方側(左側)の端20elとほぼ同位置に設けられている。これに対して、横方向において、前胴回り部30の他方側(右側)の端30erは、後胴回り部20の他方側(右側)の端20erよりも内側に設けられている。
【0048】
また、
図2に示されるように前胴回り部30の縦方向の上端30aから下端30bまでの距離(縦方向の長さ)をH30とする。
【0049】
<おむつ1の着用方法について>
図4は、おむつ1の着用方法について説明する図である。上述のように、おむつ1の横方向の一方側端部は、前胴回り部30と後胴回り部20とが第1接合部1bによって接合され、脚回り開口部1HLが形成されている。これに対して、横方向の他方側端部は、前胴回り部30と後胴回り部20とが接合されておらず開いた状態となっている。すなわち、おむつ1は、横方向の片側が開いた状態となっている。このようなおむつ1を着用者(乳幼児等)に着用させる際には、まず、おむつ1の横方向の一方側に形成された脚回り開口部1HLに着用者の片脚(右脚)を入れて、該片脚を着用状態と同じ位置、つまり、一方側の脚回り開口部1HLを着用者の右脚の付け根に配置する。その後、着用させようとする人が、片方の手で前胴回り部30の他方側端部を横方向の他方側へ引っ張った状態で押さえる。そして、もう一方の手で係止部材40(後胴回り部20の他方側端部)を横方向の他方側へ引っ張りながら前胴回り部30の前方側に回し込み、係止部41を前胴回り部30のターゲット領域34に係止させる。これにより、他方側の脚回り開口部を形成し、おむつ1を着用状態とする。
【0050】
このような着用方法であれば、一方側の脚回り開口部1HLに着用者の片脚を通した状態で、ターゲット領域34に係止部41を係止させることで、他方側の脚回り開口部1HL及び胴回り開口部1HBを同時に形成することができる。したがって、着用者たる新生児や乳幼児が脚をバタつかせているような場合であっても、おむつ1を容易に着用させることができる。
【0051】
また、このようなおむつ1の着用動作において、前胴回り部30(後胴回り部20)が横方向の他方側に引っ張られる際に、前胴回り部30が横方向に伸長するのに応じて前胴回り部30に接合された吸収性本体10も横方向に移動する。そのため、おむつ1では、横方向一方側の脚回り開口部1HLに片脚を入れた状態における後胴回り部20の横方向の中心線RCが、吸収性本体10の横方向の中心線ACよりも他方側になるようにしている。
【0052】
脚回り開口部1HLに片脚を入れた状態では、吸収性本体10の中心線ACは、着用者の身体の中心を表す中心線BCより一方側(右脚側)に位置している。この状態から、係止部材40を他方側に引っ張り、係止部41を前胴回り部30に係止して着用状態のおむつ1に変形させると、後胴回り部20が横方向に伸長し、吸収性本体10が他方側(左脚側)へ移動する。これにより、中心線ACと中心線BCが近づき、吸収性本体10を着用者の身体の中心により近づけることができる。
【0053】
<弾性領域の配置について>
上述したおむつ1の着用動作において、吸収性本体10の位置を着用者の身体の中心に正確に合わせることができないと、吸収体11が着用者の身体にフィットせず、排泄物が漏れたり、着用者に不快感を与えたりするおそれがある。本実施形態では、おむつ1の弾性領域X,Yの配置を調整することにより、おむつ1の着用動作に際して吸収性本体10を正確に着用者の身体の中心に移動できるようにしている。以下、おむつ1の弾性領域X,Yの配置の詳細について説明する。
【0054】
まず、前胴回り部30側について説明する。
図5は、おむつ1の着用時において、胴回り部30に作用する力について説明する図である。同
図5では、おむつ1を着用する際に、前胴回り部30が横方向の他方側に引っ張られた時の状態について表している。また、前胴回り部30のうち、吸収性本体10の横方向における中央位置(中心線AC)よりも一方側の領域を第1領域と定義する。同様に、前胴回り部30のうち、吸収性本体10の横方向における中央位置(中心線AC)よりも他方側の領域を第2領域と定義する。
【0055】
前胴回り部30の第1領域には横方向に伸縮可能な複数の糸ゴム33によって弾性領域Yが形成されている。
図3でも説明したように、本実施形態において、弾性領域Yは接合領域30jの横方向の他方側(内側)端と、吸収性本体10の左端10elと、の間の領域に設けられる。また、前胴回り部30の第2領域には弾性領域が形成されてない。すなわち、第2領域は全体に亘って、非弾性(非伸縮)領域となっている。
【0056】
おむつ1の着用時には、前胴回り部30の横方向の一方側の端30elが着用者の身体に固定された状態で、前胴回り部30の横方向の他方側の端30erが他方側に引っ張られる。このとき、第2領域は伸縮しないため、端30erを他方側に引っ張る力F1は、前胴回り部30の第2領域(非弾性領域)を介してほぼそのまま吸収性本体10に伝達され、吸収性本体10の他方側の端10erが横方向の他方側に力F1で引っ張られる。これにより、吸収性本体10が横方向の他方側に移動して、中心吸収性本体10の中心線ACが着用者の身体の中心線BCの位置に近付く。
【0057】
また、端30elが他方側に引っ張られるのに応じて、第1領域に設けられた弾性領域Yが横方向に伸長され、第1領域を横方向に収縮させる力F1′を発現する。この収縮力によって、吸収性本体10の一方側の端10elは横方向の他方側に引っ張られる。つまり、おむつ1の着用時において、吸収性本体10に対して横方向の両側に引っ張る力が作用する。これにより、吸収性本体10が横方向に拡幅されて吸収体11に皺等が形成されにくくなるため、吸収体11を着用者の身体にフィットさせやすくなり、排泄物の漏れ等を抑制しやすくなる。また、左右の形状が非対称なおむつ1であっても、着用時の左右のバランスが取りやすくなり、フィット性が良好になる。
【0058】
このように、前胴回り部30の端30erを引っ張るだけで吸収性本体10の位置を着用者の身体の中央に合わせる作業を容易に行うことができる。その際、端30erを引っ張る力F1を加減することにより、吸収性本体10の移動量を微調整できるため、おむつ1の着用時における吸収性本体10のフィット性をより良好なものとしやすい。また、端30erを含む前胴回り部30の横方向他方側の端部が非弾性領域となっていることから、当該非弾性領域を掴んで引っ張る動作を行いやすく操作性が良好となり、おむつ1の着用動作を快適に行うことができる。
【0059】
上述の通り、本実施形態では、第2領域において吸収性本体10の他方側の端10erと前胴回り部30の他方側の端30erとの間に弾性領域を設けないことによって、吸収性本体10を横方向に正確に移動させることを可能としている。但し、第2領域の全体が非弾性である必要は無く、少なくとも、吸収性本体10の他方側の端10erよりも他方側の領域において、弾性領域が設けられていなければ良い。当該領域が非伸縮であれば、前胴回り部30を引っ張る力F1をダイレクトに吸収性本体10に伝達して吸収性本体10を移動させることができるからである。
【0060】
なお、着用者の身体に対する吸収体11の位置を調整するという観点では、第2領域において、吸収体11の他方側の端11erよりも他方側に弾性領域が設けられないようにしても良い。同様に、第1領域において、吸収体11の一方側の端11elよりも一方側の領域に弾性領域Yが設けられるようにしても良い。このような構成であっても、吸収体11を拡幅しながら、正確に位置を調整することが可能である。
【0061】
また、本実施形態では、前胴回り部30の第2領域にターゲット領域34が設けられているが、第2領域の全域が非弾性領域で伸縮しにくいため、ターゲット領域34が平面形状に保たれやすく、皺が生じにくい。したがって、ターゲット領域34の表面に、係止部41の係止用突起を係止させやすく、係止させた後は両者が剥がれにくくなる。これにより、着用者(乳幼児等)が身体を動かした場合であってもおむつ1がずれにくく、良好なフィット性を維持しやすくなる。
【0062】
ここで、比較例として、前胴回り部30のうち適切な部分に非弾性領域が設けられていない場合について説明する。
図6は、比較例のおむつを着用する際に胴回り部30に作用する力について説明する図である。比較例では、前胴回り部30の上方において、横方向の一方側の端30elから他方側の端30erの全領域に亘って弾性領域が設けられており、非弾性領域は設けられていない。このようなおむつを着用させる際に、前胴回り部30が横方向の一方側に引っ張られると、第2領域のうち、吸収性本体10の他方側の端10erと前胴回り部30の他方側の端30erとの間の領域が伸縮する。そのため、胴回り部30を横方向に引っ張る力F1は、胴回り部30を伸長させるために使われ、吸収性本体10の他方側の端10erを引っ張る力F1″は、F1よりも弱くなる(F1>F1″)。つまり、胴回り部30を横方向に引っ張る力F1が吸収性本体10に対して十分に伝達せず、吸収性本体10の中心線ACを着用者の身体の中心線BCに移動させ難くなり、良好なフィット性を実現しにくくなる。したがって、本実施形態のように、第1領域の所定の領域には弾性領域が設けられ、第2領域の所定の領域には弾性領域が設けられないようにすることが望ましい。
【0063】
続いて、後胴回り部20側について説明する。
図7は、おむつ1の着用時において、後胴回り部20に作用する力について説明する図である。同
図6では、おむつ1を着用する際に、後胴回り部20が横方向の他方側に引っ張られた時の状態について表している。また、後胴回り部20のうち、吸収性本体10の横方向における中央位置(中心線AC)よりも一方側の領域を第3領域と定義し、後胴回り部20のうち、吸収性本体10の横方向における中央位置(中心線AC)よりも他方側の領域を第4領域と定義する。
【0064】
後胴回り部20の第3領域には横方向に伸縮可能な複数の糸ゴム23によって弾性領域X3が形成されている。
図7では、弾性領域X3が接合領域20jの横方向の他方側(内側)端から中心線ACに亘って設けられている。同様に、第4領域には横方向に伸縮可能な複数の糸ゴム23によって弾性領域X4が形成されている。
図7では、弾性領域X4が中心線ACから固着領域40jの横方向一方側(内側)端に亘って設けられている。この弾性領域X3及び弾性領域X4によって後胴回り部20の横方向の全領域に亘って弾性領域Xが形成されている(
図3参照)。
【0065】
おむつ1の着用時には、後胴回り部20の横方向の一方側の端20elが着用者の身体に固定された状態で、後胴回り部20の横方向の他方側に設けられた係止部材40が他方側に引っ張られる。この係止部材40を引っ張る力F2によって、弾性領域X3及び弾性領域X4が横方向に伸長され、第3領域及び第4領域に伸縮力が発現する。これにより、吸収性本体10の横方向両端に横方向外側に向かう力F2′が作用して、吸収体11が横方向に拡幅されつつ、胴回り開口部1HBに伸縮性が付与され、吸収体11を着用者の身体にフィットさせやすくなる。
【0066】
なお、吸収性本体10を拡幅させるためには、前胴回り部30で説明したのと同様に、後胴回り部20において少なくとも中心線ACから横方向一方側の第3領域に弾性領域X3が設けられていれば良い。但し、後胴回り部20は、おむつ1の着用時において着用者の胴回りのうち、臀部側の広い面積を覆う部位であることから、おむつ1の位置ずれを生じ難くするためには、胴回り開口部1HBには十分な伸縮性を付与する必要がある。そのため、おむつ1では中心線ACから横方向他方側の第4領域に弾性領域X4を設け、後胴回り部20の広い範囲で伸縮性が発現できるようにしている。なお、本実施形態では、前胴回り部30の第2領域(非弾性領域)を引っ張ることで吸収性本体10の横方向の位置調整が可能となるため、後胴回り部40の第4領域(弾性領域X4)が伸縮性を有していても、吸収性本体10の位置を着用者の身体の中央に合わせる機能は損なわれない。
【0067】
また、おむつ1では、弾性領域X3と弾性領域X4とが連続している。すなわち、横方向において弾性領域X3による伸縮力と弾性領域X4による伸縮力とが連動して、後胴回り部20の全体に亘って伸縮性が確保され、また、伸縮力を均等に作用させやすくなる。これにより、弾性領域X3及び弾性領域X4が伸長する際に局所的に伸長の割合が変化したり、歪が生じたりしにくくなり、おむつ1の着用時において着用者の後胴回りに局所的な締め付けが生じること等が抑制される。また、後胴回り部20が着用者の背中の位置に合いやすくなり、おむつ1着用時のフィット性が向上する。
【0068】
さらに、おむつ1では、弾性領域X3と弾性領域Yとが実質的に連続している。すなわち、後胴回り部20の弾性領域X3による伸縮力と、前胴回り部20の弾性領域Yによる伸縮力とが連動して、おむつ1の胴回り開口部1HBのほぼ全周に亘って伸縮性が確保され、また、伸縮力を均等に作用させやすくなっている。これにより、弾性領域X3,X4及び弾性領域Yが伸長する際に、局所的に伸長の割合が変化したり、歪が生じたりしにくくなり、おむつ1の着用時において着用者の胴回りに局所的な締め付けが生じること等が抑制され、フィット性がより向上する。
【0069】
なお、弾性領域X3と弾性領域Yとが実質的に連続している状態とは、弾性領域X3が伸縮性を発現している範囲と、弾性領域Yが伸縮性を発現している範囲とが連続していることを意味する。
図8は、弾性領域X3と弾性領域Yとの連続性について説明する概略断面図である。
図8は、おむつ1の横方向一方側の端部領域について、接合領域30j,40j付近を上方側から見た状態を示している。同
図8で、前胴回り部30と後胴回り部20とは、第1接合部1b(30j,40j)にて接合されている。このとき、弾性領域Yに設けられている糸ゴム33と、弾性領域X3に設けられている糸ゴム23とが一体的に構成されているわけではない。しかし、第1接合部1bを介して両者が圧着されていることから、弾性領域X3による伸縮力と弾性領域Yによる伸縮力とが連動して作用するようになる。したがって、着用者の胴回り全体に亘って伸縮力を作用させることが可能となる。
【0070】
また、後胴回り部20の他方側端部に接合されている係止部材40(係止部材41)には弾性領域が設けられていない。すなわち、第4領域に設けられた弾性領域X4よりも横方向の他方側は非弾性領域となっている。係止部材40は、おむつ1の着用時に後胴回り部20を横方向他方側に引っ張る際に掴まれる部分であるため、当該部分が非伸縮である方が、操作性が向上する。また、係止部材40が非伸縮であることにより、係止部材40を横方向に引っ張る力がダイレクトに弾性領域X4に伝達されやすく、着用動作をスムーズに行うことができる。さらに、係止部材40が非伸縮であれば、係止部材40に設けられる係止部41が平面形状に保たれやすくなるため、ターゲット領域34に対して係止部41をしっかりと係止させることができる。
【0071】
また、おむつ1では、レッグギャザー弾性部材16と後胴回り部20の第4領域とが重複する部分を有する(
図2参照)。すなわち、縦方向において、レッグギャザー弾性部材16による伸縮性が作用する範囲が、第4領域の少なくとも一部の領域と重複している。このような構成により、おむつ1の着用時において後胴回り部20が横方向の他方側に引っ張られると、後胴回り部20に連動してレッグギャザー弾性部材16が引っ張られ、レッグギャザーLGが縦方向の上側かつ、横方向の他方側に引き上げられるようになる。これにより、着用者の臀部側(第4領域)において脚回り開口部1HLが臀部に沿ってフィットしやすくなる。また、上述したように、おむつ1の着用時には吸収性本体10(中心線AC)が横方向の他方側に移動するため、該吸収性本体10に押されてレッグギャザーLGに皺が生じやすい。しかし、上述の引き上げ効果によってレッグギャザーLGが伸ばされることにより、レッグギャザーLGに発生した皺も伸ばされ、臀部におけるフィット性を向上させることができる。
【0072】
さらに、おむつ1では、第4領域の下方に設けられた糸ゴム23bとレッグギャザー弾性部材16とが交差するように配置されているため、レッグギャザー弾性部材16に対して糸ゴム23bによる横方向の伸縮力も連動して作用するため、レッグギャザーLGの引き上げ効果がより大きくなる。
【0073】
また、おむつ1では、後胴回り部20の縦方向の長さH20の方が、前胴回り部30の縦方向の長さH30よりも長い。これにより、おむつ1の着用時において、着用者の身体が前胴回り部30によって覆われる部分の面積よりも、後胴回り部20によって覆われる部分の面積の方が大きくなる。すなわち、面積の広い臀部領域をしっかりと覆うことができるようになる。なお、後胴回り部20の横方向の全体に亘って設けられた弾性領域Xの弾性力によって、広い面積を有する後胴回り部20が全体的に伸ばされるため、後胴回り部20の面積が大きくても皺等は発生しにくく、着用者に良好なフィット感を与えることができる。
【0074】
なお、上記実施形態において、
図2に示した長さH20、H30等の比較は、後胴回り部20、前胴回り部30(及び吸収性本体10)を伸長させた状態での比較である。「伸長させた状態」とは、吸収性本体10を縦方向に、後胴回り部20及び前胴回り部30を横方向に、皺なく伸長させた状態をいう。より具体的には、吸収性本体10の縦方向の寸法が、表面シート12の縦方向の寸法と同じ又はそれに近い長さになるまで縦方向に伸長させた状態、後胴回り部20の横方向の寸法が、肌側部材21の横方向の寸法及び非肌側部材22の横方向の寸法と同じ又はこれらの寸法に近い長さになるまで横方向に伸長させた状態、ならびに、前胴回り部30の横方向の寸法が、肌側部材31の横方向の寸法及び非肌側部材32の横方向の寸法と同じ又はこれらの寸法に近い長さになるまで横方向に伸長させた状態をいう。
【0075】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱すること無く、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでも無い。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0076】
上述の実施形態においては、吸収性物品の一例としていわゆる3ピースタイプの使い捨ておむつ1を例示したが、何等これに限られない。例えば、後胴回り部と前胴回り部とを股下を介して一体化した外装シートを第1部品、外装シートの肌側面に固定される吸収性本体を第2部品として有する2ピースタイプの使い捨ておむつであっても良い。
【0077】
上述の実施形態では、ターゲット領域34がループを有し、係止部41がフックを有し、ループにフックが引っ掛かることによってターゲット領域34に係止部41を係止させる例について説明されていたが、ターゲット領域34及び係止部41の構成は、それぞれ上述の例には限られない。例えば、ターゲット領域34及び係止部41の少なくとも一方の表面に粘着性を有する部材が設けられており、当該粘着性の部材を他方の表面に貼付することによって、両者が係止されるのであっても良い。
【0078】
上述の実施形態においては、着用時において、係止部材40が後胴回り部20から横方向に突出した状態を説明したが、使い捨ておむつ1が製造された状態で係止部材40が折り畳まれていても良く、係止部材40が前胴回り部30とミシン目等で仮連結されていても良い。
【0079】
上述の実施形態においては、弾性部材として糸ゴム23、33を用いることとしたが、これに限られない。伸縮性を有する不織布等を用いても良い。
【0080】
上述の実施形態においては、後胴回り部20及び前胴回り部30について、吸収体11と重なる領域は、糸ゴム23、33を設けないこととしたが、これに限られない。吸収体11と重なる領域に糸ゴム23、33を設けても良い。吸収体11と重なる領域に糸ゴム23、33を設けないことにより、吸収体11が糸ゴム23、33の伸縮により変形されるおそれを軽減することができる。一方、吸収体11と重なる領域に糸ゴム23、33を設けることで、伸縮力により、吸収性本体10をよりフィットさせることができる。