(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による固体撮像素子、及び撮像装置について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による撮像装置1を示す概略ブロック図である。
図1において、撮像装置1は、レンズ10、絞り機構11、撮像部12、TG(タイミングジェネレータ)13、アナログフロントエンド部(以下、「AFE」という)14、画像処理部15、RAM(Random Access Memory)16、記録I/F(記録インターフェース)17、表示部18、操作部19、ROM(Read Only Memory)21、バス22、及び制御部30を備えている。なお、画像処理部15、RAM16、記録I/F17、表示部18、ROM21及び制御部30は、バス22を介して互いに接続されている。また、操作部19は、制御部30に接続されている。
【0011】
また、本実施形態では、撮像部12、TG13、及びAFE14が固体撮像素子100に対応する。また、制御部30及び画像処理部15が、撮像制御部40に対応する。
【0012】
レンズ10は、フォーカスレンズやズームレンズを含む複数のレンズ群で構成されている。なお、
図1では、レンズ10を1枚のレンズとして図示する。このレンズ10は、不図示のレンズ駆動装置によって制御される。
【0013】
絞り機構11は、撮像部12に入射する光量を調整する。この調整は、制御部30の指示に応じて絞り駆動部(不図示)により行われる。
【0014】
撮像部12は、行と列とに配列された複数の画素120(
図2)を有し、その撮像面に形成された被写体像を光電変換することにより、画像のアナログ画素信号を生成する。すなわち、撮像部12は、被写体像を撮像し、撮像する画像の画素データを生成する。本実施形態では、撮像部12に、例えば、XYアドレス方式のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)を用いている。この撮像部12の受光面には、マトリックス状に配列された画素120を構成する複数の受光素子が配備されている。撮像部12は、制御部30の指示に基づくTG13による制御により、これらの受光素子が受光して生成したアナログ画素信号を画素データとして、AFE14に出力する。撮像部12は、TG13によって行(ライン)ごとに異なる露光時間により光電変換するように制御される。撮像部12におけるラインごとの露光時間の制御、及び読み出し制御の詳細については後述する。
【0015】
AFE14は、撮像部12が生成するアナログ画素信号に対して信号処理を施すアナログフロントエンド回路である。このAFE14は、アナログ画素信号のゲイン調整や、アナログ画素信号のA/D(アナログ/デジタル)変換などを行う。AFE14は、変換したデジタル画素信号を画素データとして、画像処理部15に出力する。
【0016】
TG(タイミングジェネレータ)13(制御部)は、制御部30からの指示に従い撮像部12及びAFE14の各々へ向けて駆動信号を供給し、供給する駆動信号により両者の駆動タイミングを制御する。TG13は、撮像部12の全ラインの画素データを画像データとして読み出す全画素読み出しモードと、撮像部12の全ラインのうちの所定のラインの画素を間引いた画素データを画像データとして読み出す間引き読み出しモードとを有している。本実施形態では、間引き読み出しモードである場合に、TG13は、上述した撮像部12のラインごとの露光時間に基づく画素値を、撮像制御に用いられる情報として撮像部12から読み出す。ここで、撮像制御とは、例えば、オートフォーカスの制御(以下、AF制御と称す)、自動露出の制御(以下、AE制御と称す)、及びオートホワイトバランスの制御(以下、AWB制御と称す)などである。なお、撮像制御には、被写体の確認のために表示部18にライブビュー画像やスルー画像などを表示させる制御を含めてもよい。
【0017】
例えば、TG13は、撮像部12から読み出したラインごとの露光時間に基づく画素値を、オートフォーカスの制御(AF制御)における評価値を算出する情報として撮像部12から読み出す制御を行う。また、例えば、TG13は、撮像部12から読み出したラインごとの露光時間に基づく画素値を、自動露出の制御(AE制御)における評価値を算出する情報として撮像部12から読み出す制御を行う。また、例えば、TG13は、撮像部12から読み出したラインごとの露光時間に基づく画素値を、オートホワイトバランスの制御(AWB制御)における評価値を算出する情報として撮像部12から読み出す制御を行う。また、例えば、TG13は、ラインごとの露光時間のうちの所定の露光時間に基づく画素値を、表示画像として読み出す。TG13は、撮像部12から読み出した画素値を、AFE14を介して画素データとして、画像処理部15に出力させる。
【0018】
また、TG13は、例えば、画素に蓄電された画素値を撮像部12のラインごとにリセットすることにより、ラインごとの露光時間を変更する。また、TG13は、被写体の輝度(明るさ)に応じて、撮像部12から画素値を読み出すラインを変更する。TG13は、例えば、被写体の輝度が所定の値より低い(暗い)場合に、被写体の輝度が所定の値以上の場合(明るい場合)よりも露光時間が長いラインの画素値を選択して読み出す。なお、被写体の輝度情報は、例えば、制御部30から供給される。
また、TG13は、被写体の動きに応じて、撮像部12からラインごとの露光時間に基づく画素値を読み出すラインを変更する。TG13は、例えば、被写体の移動速度が所定の値より速い場合に、被写体の移動速度が所定の値以下の場合(明るい場合)よりも露光時間が短いラインの画素値を選択して読み出す。なお、被写体の移動速度の情報は、例えば、制御部30から供給される。
【0019】
表示部18は、例えば、液晶ディスプレイであって、制御部30の指示に応じて各種画像を表示する。表示部18は、例えば、撮像部12によって撮像された画像データや、操作画面等を表示する。
操作部19は、例えば、レリーズボタン、十字キー、コマンドダイヤル、タッチパネル、その他の操作キーなどであり、ユーザによる操作内容に応じて操作入力信号を制御部30に供給する。操作部19は、例えば、ユーザがレリーズボタンを全押しすることにより撮像の指示を制御部30に与える。
【0020】
ROM21は、撮像装置1を制御する制御プログラムを記憶している。ROM21には、例えば、後述する撮像動作のシーケンスプログラムや後述する補正処理のシーケンスプログラムが予め記憶されている。
RAM16は、撮像部12によって撮像された画像データや、撮像処理における各種設定情報などを記憶する。
【0021】
記録I/F17は、カードメモリ等の取り外しが可能な記録媒体23と接続され、この記録媒体23への画像データの書込み、読み出し、又は消去を行う。
記録媒体23は、撮像装置1に対して着脱可能に接続される記憶部であり、例えば、画像処理部15によって画像処理された画像データなどを記憶(記録)する。
【0022】
バス22は、画像処理部15と、RAM16と、記録I/F17と、表示部18と、ROM21と、制御部30とに接続され、各部から出力された画像データや制御信号等を転送する。
【0023】
画像処理部15は、AFE14が出力する画像データ(画素データ)をRAM16に記憶させる。また、画像処理部15は、後述する補正処理、評価値の算出処理、及びホワイトバランスなど各種の画像処理を実行する。画像処理部15は、例えば、上述した間引き読み出しモードにおいて、TG13によって読み出された、異なる露光時間に対応するラインごとの画素値に基づいてAF評価値、AE評価値、及びAWB評価値を算出する。画像処理部15は、算出したAWB評価値に基づいて、オートホワイトバランスの処理を実行する。また、画像処理部15は、算出したAF評価値、及びAE評価値を、バス22を介して制御部30に出力する。なお、画像処理部15の詳細な構成については後述する。
【0024】
制御部30は、例えば、CPU(Central processing unit)などのプロセッサを含み、撮像装置1の統括的な制御を行う。制御部30は、ROM21に予め記憶されている制御プログラムを実行することにより撮像装置1の各部を制御する。制御部30は、例えば、操作部19を介して撮像指示を受け付けた際に、撮像部12とAFE14とを介して得られる画像データを、撮像された画像として、記録媒体23に記憶させる。また、制御部30は、間引き読み出しモードにおいて、画像処理部15による上述の評価値の算出に用いる画素値に対応するラインごとの露光時間を選択するための情報(例えば、輝度情報、被写体の移動速度の情報)を画像処理部15から取得した画像データに基づいて生成する。制御部30は、生成した露光時間を選択するための情報をTG3に出力する。
【0025】
また、制御部30は、例えば、画像処理部15が算出したAF評価値に基づいて、AF制御を行う。具体的に、制御部30は、AF評価値に基づいて被写体の測距処理を行い、この測距処理の結果に基づいて、レンズ10のフォーカスレンズを制御する。
また、制御部30は、例えば、画像処理部15が算出したAE評価値に基づいて、AE制御を行う。具体的に、制御部30は、AE評価値に基づいて固体撮像素子100の感度及び露光時間の変更や絞り機構11の制御を行う。
【0026】
また、制御部30は、AF制御部31、及びAE制御部32を備えている。
AF制御部31は、画像処理部15が算出したAF評価値に基づいて、上述したAF制御を行う。
AE制御部32は、画像処理部15が算出したAE評価値に基づいて、上述したAE制御を行う。
【0027】
このように、本実施形態において制御部30及び画像処理部15に対応する撮像制御部40は、固体撮像素子100から出力される画素値に基づいて上述の撮像制御を行う。
【0028】
次に、本実施形態における12の画素(受光素子)の構成について説明する。
図2は、本実施形態における撮像部12の画素120の配列構成の一例を示す図である。
図2において、撮像部12は、複数の画素120を有し、受光素子である画素120は、行(ライン)と列の2次元配列により形成されている。ここで、複数の画素120は、複数のライン(行)を有している。各ラインは、間引き読み出しモードにおいて、露光時間が異なる5つのグループ(ROWA、ROWB、ROWC、ROWD、及びROWE)に分類されている。
【0029】
ここで、ラインA
1〜A
4は、ROWAに対応し、例えば、フレームレートが120fps(Frames Per Second)に対応する露光時間により各画素120が蓄電されて読み出されるように、TG13によって制御される。また、ラインB
1〜B
4は、ROWBに対応し、例えば、フレームレートが60fpsに対応する露光時間により各画素120が蓄電されて読み出されるように、TG13によって制御される。また、ラインC
1〜C
4は、ROWCに対応し、例えば、フレームレートが40fpsに対応する露光時間により各画素120が蓄電されて読み出されるように、TG13によって制御される。また、ラインD
1〜D
4は、ROWDに対応し、例えば、フレームレートが30fpsに対応する露光時間により各画素120が蓄電されて読み出されるように、TG13によって制御される。また、ラインE
1〜E
4は、ROWEに対応し、例えば、フレームレートが24fpsに対応する露光時間により各画素120が蓄電されて読み出されるように、TG13によって制御される。
【0030】
また、複数の画素120は、ラインごとに蓄電された画素値をリセット(放電)するリセット機能(例えば、リセットトランジスタによるリセット機能)と、ラインごとに蓄電するか否かを制御するシャッタ機能とを有している。また、撮像部12は、ラインごとに画素値を読み出す機能を有している。TG13は、これらの機能を利用して、ラインごとにリセット、露光(シャッタ)、及び画素値の読み出しを制御する。
【0031】
次に、画像処理部15の構成について説明する。
図3は、本実施形態における画像処理部15の構成を示すブロック図である。
図3において、画像処理部15は、黒レベル補正部151、画素欠陥補正部152、評価値算出部153、及びAWB処理部154を備えている。なお、画像処理部15は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)である。
【0032】
黒レベル補正部151は、例えば、撮像部12が備えるオプティカルブラック素子(不図示)により検出された暗電流情報に基づいて、撮像部12からAFE14を介して読み出された画素データを補正する。黒レベル補正部151は、この黒レベル補正を行った画素データを画素欠陥補正部152に出力する。
【0033】
画素欠陥補正部152は、撮像部12が有している画素欠陥情報に基づいて、黒レベル補正部151から出力された画素データを画素欠陥補正する。画素欠陥補正部152は、画素欠陥補正を行った画素データを評価値算出部153、及びAWB処理部154に出力する。
【0034】
評価値算出部153は、画素欠陥補正部152から出力された画素データ(例えば、間引き読み出しモードにより得られた画素値)に基づいて、AF評価値、AE評価値、及びAWB評価値を算出する。評価値算出部153は、算出したAF評価値、及びAE評価値をバス22を介して制御部30に出力する。また、評価値算出部153は、算出したAWB評価値をAWB処理部154に出力する。
【0035】
AWB処理部154は、画素欠陥補正部152から出力された画素データと、評価値算出部153が算出したAWB評価値とに基づいて、オートホワイトバランスの処理を実行する。
【0036】
次に、本実施形態における固体撮像素子100、及び撮像装置1の動作について説明する。
図4は、固体撮像素子100のTG13による画素値の読み出し動作を示すタイムチャートである。
図4において、まず、TG13は、時刻T1における水平同期信号の立ち下がりに同期して、上述したROWAのライン(例えば、
図2のラインA
1)のうちの1画素(120)の画素値を読み出す。
【0037】
時刻T2において、撮像部12におけるROWAの画素値の読み出しが完了し、TG13は、次に、ROW*のラインのうちの1画素(120)の画素値を読み出す。ここで、「*」は、B〜Eのうちのいずれかを示す。すなわち、TG13は、上述したROWB〜ROWEのうちの1ライン(例えば、
図2のラインB
1)を選択し、選択したラインのうちの1画素(120)の画素値を読み出す。
ここで、期間R1は、ROWAの画素値の読み出し期間であり、期間R2は、ROWB〜ROWEのうちの1ラインにおける画素値の読み出し期間である。この期間R2は、従来技術において、水平ブランキング(BLK)期間に対応する。本実施形態では、TG13は、従来技術において読み出しを行わない水平ブランキング期間を利用して、ROWAとは異なる露光時間により蓄電されたラインの画素値を読み出す。
【0038】
また、時刻T3において、再び水平同期信号の立ち下がりに同期して、TG13は、同様に、ROWAのライン(例えば、
図2のラインA
1)のうちの次に1画素(120)の画素値、及び、ROWB〜ROWEのうちの1ライン(例えば、
図2のラインB
1)のうちの次の1画素(120)の画素値を読み出す。
この動作の繰り返しにより、例えば、ラインA
1及びラインB
1の画素値の読み出しが完了した場合、TG13は、同様に、次のライン(例えば、ラインA
2及びラインB
2)の画素値を読み出し、最終的に、ROWA及びROWBに対応する1画面分(1フレーム分)の画素値を読み出す。
【0039】
図5は、本実施形態における1画面分(1フレーム分)の画素値の読み出し動作の一例を示すタイムチャートである。
図5において、斜めの実線は、上述した水平同期信号に同期した各ラインの読み出しタイミングを示していり。また、斜めの波線は、各ラインのシャッタータイミング(及びリセットタイミング)を示している。なお、ここで、シャッタ機能は、例えば、ローリングシャッタである。
【0040】
TG13は、
図5に示すように、垂直同期信号に同期して、ROWA〜ROWEの露光時間及び画素値の読み出しを制御する。
例えば、TG13は、撮像部12のうちのROWA(フレームA)に対応するラインを120fpsに対応する露光時間により蓄電させて画素値を読み出す制御を行う。また、TG13は、撮像部12のうちのROWB(フレームB)に対応するラインを60fpsに対応する露光時間により蓄電させて画素値を読み出す制御を行う。ここで、ROWB(フレームB)に対応するラインは、ROWA(フレームA)に対応するラインの2倍の露光時間(蓄積時間)となる。
【0041】
また、同様に、TG13は、撮像部12のうちのROWC(フレームC)に対応するラインを40fpsに対応する露光時間により蓄電させて画素値を読み出す制御を行う。また、TG13は、撮像部12のうちのROWD(フレームD)に対応するラインを30fpsに対応する露光時間により蓄電させて画素値を読み出す制御を行う。また、TG13は、撮像部12のうちのROWE(フレームE)に対応するラインを24fpsに対応する露光時間により蓄電させて画素値を読み出す制御を行う。
【0042】
なお、例えば、ROWAの画素値とROWBの画素値との2種類の露光時間に対応する画素値を読み出す場合には、上述した
図4に示したように、TG13は、水平同期信号に同期して、ROWAの画素値とROWBの画素値とを交互に読み出す。
また、
図5において、例えば、1つのフレーム期間に、3種類の露光時間に対応する画素値を読み出すタイミングが重なっている場合には、TG13は、ROWAの画素値と、ROWAを除く残り2つのうちのいずれか1つの露光時間に対応する画素値とを水平同期信号に同期して交互に読み出してもよい。なお、この場合、TG13は、画素値を読み出さないROW*をリセットして画素値を放電してもよい。また、水平ブランキング期間が長い場合には、TG13は、水平同期信号に同期して、3種類の露光時間に対応する画素値を交互に読み出してもよいし、水平ブランキング期間が短い場合には、1画面(1フレーム)の中央部を読み出すなど、窓読み出し(クロップ)をしてもよい。
【0043】
このように、TG13が
図5に示すように撮像部12を制御することにより、撮像部12は、間引き読み出しモードにおいて、複数の露光時間に対応した画像データ(画素データ)を生成する。TG13は、この複数の露光時間に対応した画像データを選択して読み出す制御を行い、読み出した画像データを、AFE14を介して画像処理部15に供給する。
【0044】
例えば、制御部30は、画像処理部15を介して撮像部12から取得した画像データ(画素データ)に基づいて画像の輝度情報を生成し、生成した輝度情報をTG13に出力する。TG13は、制御部30から出力された輝度情報に応じて、AF制御、AE制御、及びAWB制御に使用する評価値を算出するための画素データを、ROWA〜ROWEのうちから選択する。TG13は、例えば、輝度値が低い(画像が暗い)ほど、露光時間が長いグループ(フレーム)を選択し、輝度値が高い(画像が明るい)ほど、露光時間が短いグループ(フレーム)を選択する。すなわち、TG13は、輝度値に応じて、評価値の算出に適切な画素値を得るのに十分な露光時間のグループを、ROWA〜ROWEのうちから選択する。TG13は、選択した露光時間に対応する画素データを読み出して、画像処理部15に供給する。
【0045】
画像処理部15の評価値算出部153は、供給された画素データに基づいて、AF制御、AE制御、及びAWB制御などの評価値を算出する。例えば、WB処理部154は、評価値算出部153が算出したAWB評価値に基づいて、オートホワイトバランスの処理を実行する。また、例えば、制御部30のAF制御部31は、評価値算出部153が算出したAF評価値に基づいてAF制御を行い、AE制御部32は、評価値算出部153が算出したAE評価値に基づいてAE制御を行う。
また、TG13は、ラインごとの露光時間のうちの所定の露光時間(例えば、30fpsに対応する露光時間)に基づく画素値(画素データ)を、表示画像(例えば、ライブビュー画像)として読み出す。この場合、画像処理部15は、撮像部12から取得した画素データをRAM16に記憶させる。そして、表示部18は、RAM16から撮像部12が取得した画素データ読み出して表示画像として表示する。なお、ここで、表示画像は、間引きされた画素データに基づく画像である。
【0046】
以上、説明したように、本実施形態における固体撮像素子100は、撮像部12が、行と列とに配列された複数の画素120を有する。TG13は、行(ライン)ごとの露光時間に基づく画素値を、撮像制御(例、AF制御、AE制御、AWB制御など)に用いられる情報として撮像部12から読み出す。
これにより、TG13は、撮像制御に適切な露光時間に対応する画素値を選択して読み出すことができる。そのため、本実施形態における固体撮像素子100は、適切な画素値に基づいて撮像制御が行われるので、撮像制御の精度を向上させることができる。
【0047】
例えば、被写体の輝度が低い場合(画像が暗い場合)に、TG13は、露光時間の長いライン(例えば、ROWE)を選択して画素値を読み出す。これにより、本実施形態における固体撮像素子100は、撮像制御を行うために十分な画素値が得られるので、SN比を向上させることができる。そのため、本実施形態における固体撮像素子100は、ノイズによる誤差を低減した画素値に基づいて、撮像装置1に撮像制御をさせることができる。よって、本実施形態における固体撮像素子100は、撮像制御の精度を向上させることができる。
【0048】
また、例えば、被写体の輝度が高い場合(画像が高い場合)に、TG13は、露光時間の短いライン(例えば、ROWA)を選択して画素値を読み出す。これにより、本実施形態における固体撮像素子100は、画素値が飽和することを低減し、ダイナミックレンジの適切な範囲内に画素値を入れることができる。そのため、本実施形態における固体撮像素子100は、ダイナミックレンジの適切な範囲内の画素値に基づいて、撮像装置1に撮像制御をさせることができる。よって、本実施形態における固体撮像素子100は、撮像制御の精度を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、TG13は、行(ライン)ごとに画素120に蓄電された画素値をリセットすることにより、行(ライン)ごとの露光時間を変更する。
これにより、本実施形態における固体撮像素子100は、簡易な手段により適切に、ラインごとの露光時間を変更することができる。
【0050】
また、本実施形態では、TG13は、被写体の輝度に応じて、撮像部12から行(ライン)ごとの露光時間に基づく画素値を読み出す行(ライン)を変更する。
これにより、被写体の輝度に応じて画素値のレベルを適切に変更することができるので、本実施形態における固体撮像素子100は、撮像制御の精度を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、TG13は、被写体の動きに応じて、撮像部12から行(ライン)ごとの露光時間に基づく画素値を読み出す行(ライン)を変更する。
例えば、TG13は、被写体の動きが速い(移動速度が速い)場合に、露光時間の短いライン(例えば、ROWA)から画素値を読み出す。これにより、被写体ぶれを低減することができるので、本実施形態における固体撮像素子100は、撮像制御の精度を向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態では、撮像制御には、例えば、オートフォーカスの制御(AF制御)が含まれる。TG13は、撮像部12から読み出した行(ライン)ごとの露光時間に基づく画素値を、オートフォーカスの制御における評価値(AF評価値)を算出する情報として撮像部12から読み出す。
これにより、本実施形態における固体撮像素子100は、例えば、AF制御の精度を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、撮像制御には、例えば、自動露出の制御(AE制御)が含まれる。TG13は、撮像部12から読み出した行(ライン)ごとの露光時間に基づく画素値を、自動露出の制御における評価値(AE評価値)を算出する情報として撮像部12から読み出す。
これにより、本実施形態における固体撮像素子100は、例えば、AE制御の精度を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、撮像制御には、例えば、オートホワイトバランスの制御(AWB制御)が含まれる。TG13は、撮像部12から読み出した行(ライン)ごとの露光時間に基づく画素値を、オートホワイトバランスの制御における評価値(AWB評価値)を算出する情報として撮像部12から読み出す。
これにより、本実施形態における固体撮像素子100は、例えば、AWB制御の精度を向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、TG13は、行(ライン)ごとの露光時間のうちの所定の露光時間に基づく画素値を、表示画像として読み出す。
これにより、本実施形態における固体撮像素子100は、撮像制御(例、AF制御、AE制御、AWB制御など)に用いられる情報とともに、例えば、ライブビュー画像などの表示画像を生成することができる。
【0056】
なお、本実施形態における撮像装置1は、上述した固体撮像素子100と、固体撮像素子100から出力される行(ライン)ごとの露光時間に基づく画素値に基づいて、撮像制御(例、AF制御、AE制御、AWB制御など)を行う撮像制御部40とを備えている。
これにより、本実施形態における撮像装置1は、固体撮像素子100と同様の効果を奏し、撮像制御の精度を向上させることができる。
【0057】
次に、第2の実施形態について説明する。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、撮像部12が複数の読み出し回路を備え、並列して複数の画素値を読み出すことができる場合の一例を説明する。なお、その他の構成、及び動作は、第1の実施形態と同様である。
【0058】
図6は、撮像部12の画素120の配列構成の別の一例を示す図である。
この図において、撮像部12は、グループG1〜G10に示すように、4画素ごとにグループ化されて画素共有している。グループG1〜G10は、それぞれ4画素のうちの1画素の画素値を読み出すことが可能である。また、撮像部12は、グループG1〜G10のうちの2つのグループの画素値を並列に読み出すことが可能な構成になっている。
この場合、TG13は、例えば、上述したROWAの画素値とROWCの画素値とを並列に読み出すことが可能である。これにより、本実施形態による固体撮像素子100は、撮像部12から画素値を読み出す期間を短縮することができる。例えば、上述した水平ブランキング期間R2が画素値の読み出し期間より短い場合であっても、本実施形態による固体撮像素子100は、1フレーム期間内に、上述したROWAの画素値とROWCの画素値との両方の画素値を出力することができる。
【0059】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記の各実施形態において、一例として、
図5に示すように、ROWB、ROWC、ROWD、及びROWEは、ROWAに対して、2倍、3倍、4倍、及び5倍のフレームレートに対応する露光時間である場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ROWB、ROWC、ROWD、及びROWEは、ROWAに対して、2倍、4倍、8倍、及び16倍のフレームレートに対応する露光時間である形態であってもよい。
【0060】
また、上記の各実施形態において、AF評価値を生成するための画素値は、露光時間の異なる画素値に基づいて生成されてもよい。撮像装置1は、例えば、短い露光時間により取得した画素値によりAF評価値を生成して、粗いAF制御を行った後に、短い露光時間より長い露光時間により取得した画素値によりAF評価値を生成して、正確にAF制御を行う形態でもよい。この場合、撮像装置1は、合焦するまでの時間(期間)を短縮することができる。
【0061】
また、上記の各実施形態において、撮像装置1は、ROWA、ROWB、ROWC、ROWD、及びROWEのいずれか1つに対応する画素値を撮像制御に用いる形態を説明したが、複数を組み合わせて用いる形態でもよい、例えば、ROWA、ROWB、ROWC、ROWD、及びROWEのうちの複数に対応する画素値の和算値や平均値を用いる形態でもよい。
また、撮像装置1は、前フレームの評価値と次フレームの評価値とを加算して用いてもよい。この場合、ダイナミックレンジを広くすることが可能であり、撮像装置1は、例えば、高輝度被写体などでのAE制御の精度を向上させることができる。
【0062】
また、上記の各実施形態において、撮像装置1が画像処理部15を備える形態を説明したが、固体撮像素子100が、画像処理部15又は画像処理部15の一部を備える形態でもよい。
また、上記の各実施形態におけるTG13及び撮像制御部40は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびCPU(中央演算装置)により実現させるものであってもよい。
【0063】
上述の撮像装置1又は固体撮像素子100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した撮像装置1又は固体撮像素子100の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。