特許第6403014号(P6403014)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403014
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】真偽判別可能な印刷物
(51)【国際特許分類】
   B41M 3/14 20060101AFI20181001BHJP
【FI】
   B41M3/14
【請求項の数】1
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-132593(P2015-132593)
(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公開番号】特開2017-13368(P2017-13368A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】303017679
【氏名又は名称】独立行政法人 国立印刷局
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信朝
(72)【発明者】
【氏名】浅井 義則
【審査官】 村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−268228(JP,A)
【文献】 特開2003−136828(JP,A)
【文献】 特開2012−224017(JP,A)
【文献】 特開2001−205917(JP,A)
【文献】 特開2014−051073(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0279235(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 3/00−3/18
B42D 15/00−15/08
B42D 25/00−25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に少なくとも第1の領域と第2の領域から成る階調画像を有し、
前記階調画像は、画線ユニットが隙間なくマトリックス状に配置され、
各前記画線ユニットは、少なくとも第1の要素と第2の要素を有し、
前記第1の要素と前記第2の要素は、重複することなく相互に異なる面積を有し、
前記第1の領域は、前記第1の要素に機能性を有するインキと、前記第2の要素に前記機能性を有するインキと可視反射光下で等色の機能性を有しないインキから成る第1の画線ユニットと、前記第1の要素に前記機能性を有しないインキと、前記第2の要素に前記機能性を有するインキから成る第2の画線ユニットで形成され、
前記第2の領域は、前記第1の要素に前記機能性を有しないインキと、前記第2の要素に前記機能性を有しないインキから成る第3の画線ユニットで形成され、
前記機能性を有しないインキ及び前記機能性を有するインキは、下記のi)ないしiv)のいずれかで形成され、
i)は、前記機能性を有しないインキは、有色インキから成り、前記機能性を有するインキは、可視透過光下で観察した場合に前記機能性を有しないインキと色彩が異なって視認される有色浸透インキから成り、
ii)は、前記機能性を有しないインキは、有色インキから成り、前記機能性を有するインキは、紫外線を照射した場合に発光して視認される蛍光発光インキから成り、
iii)は、前記機能性を有しないインキは、有色インキから成り、前記機能性を有するインキは、可視光下の所定の波長をカットするフィルタを透して観察した場合に前記機能性を有しないインキと色彩が異なって視認されるメタメリックインキから成り、
iv)は、前記機能性を有しないインキは、赤外線透過インキから成り、前記機能性を有するインキは、赤外線吸収インキから成り、
前記第1の領域と前記第2の領域は、階調性を有する画線を有することで前記階調画像が形成され、
可視反射光下で観察した場合に、前記階調画像が視認され、
前記可視反射光下以外の所定の条件で観察した場合に、前記第1の領域の前記第1の画線ユニット内及び前記第2の画線ユニット内に形成された前記機能性を有するインキによって潜像画像が視認されることを特徴とする真偽判別可能な印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の貴重印刷物の分野において、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像が埋め込まれた真偽判別可能な印刷物に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
近年のスキャナ、プリンタ、カラーコピー機等のデジタル機器の進展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そのため、前述したような複製や偽造を防止するため、プリンタやコピー機では再現不可能な様々な偽造防止技術が必要とされている。
【0003】
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物において、偽造、変造防止策は重要である。したがって、印刷物の印刷面は偽造、変造防止策を施す余地のある、極めて細密な画線によって図柄を構成している。この細密な画線で偽造、変造防止策を施す技術としては、細線を用いた方法、微小文字や特殊形状の網点(以下、特殊形状網点と称する。)等の微細構成素子を用いた方法等がある。また、特殊な機能を有するインキを用いた偽造、変造防止策を施す技術としては、ペアインキを用いた条件等色の印刷物等がある。
【0004】
細線を用いた方法の代表的な技術として、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等があり、基本的に一定の画線幅による曲画線の集合によって模様を構成しているものである。これらの模様は印刷物のデザイン等の意匠性を加味し、偽造、変造防止策を施すことができ、模様を複雑にすることによって偽造物における同一の模様を作製しようとするのを困難とし、写真製版装置による抽出又は複写機では再現されにくい色彩を用いたり、複雑な曲画線にして複写機及びスキャナの走査入出力に対するモアレを発生させたりすることで偽造防止策としての役割を高めている。
【0005】
また、模様類は証券印刷物等のデザインにおいて世界的に広く用いられていると同時に、銀行券、株券、債券等の金銭的価値を有する印刷物の模様として古くから用いられていたことにより、現在でも一般的に高級感を印象づけるデザインとして重要な模様となっている。したがって、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物において、細線により構成された図形はデザイン上欠かすことのできない模様となっている。
【0006】
微細構成素子を用いた方法の代表的な技術として、微細構成素子を微小文字とした方法がある。微小文字における偽造、変造防止策は、模様を細密且つ、複雑にすることによって偽造物における同一の模様を作製しようとするのを困難とし、写真製版装置による抽出又は複写機では再現されにくい色彩を用いたりすることで偽造防止策として役割を高めている。さらに、印刷面上を数多くの微小文字で構成することによって、偽造、変造防止に有効な地紋模様を形成することができると同時に、印刷物製品に必須とする文章情報を大量に施すことができる。また、一般の人が市場流通過程において拡大鏡等による観察によって、微小文字の文言及び形状が真正なものであるか否かを簡単に識別できる方法であるため、微小文字は証券印刷物等のデザインにおいて世界的に広く用いられていると同時に、銀行券、株券、債券等の金銭的価値を有する印刷物の模様として古くから用いられ、現在でも一般的に高級感を印象づけるデザインとして重要な模様となっており、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物において、微小文字はデザイン上欠かすことのできない模様となっている。
【0007】
また、特殊形状網点の微細構成素子を用いた方法としては、商標、家紋、シンボルマーク、文字等の意匠性を有するスクリーン形状が、関数で得られた図形によって生成することができるところの特殊形状網点が開示されている(特許文献1参照)。特殊形状網点の集合は、連続階調画像として、銀行券や有価証券等に適用して偽造防止及び改ざん防止となり、又は意匠性が要望される印刷分野においても、著しくその応用分野を拡大利用することができるものである。また、特殊形状網点は、複写機等で再現不可能であるため、偽造、変造防止に有効な手段である。
【0008】
ペアインキを用いた条件等色の印刷物としては、機能性を有するインキと、機能性を有するインキと所定の条件で等色の機能性を有しないインキを使用して、基材上に印刷した印刷物を可視反射光下で観察した場合、機能性を有するインキと機能性を有しないインキの色彩が等色に視認され、可視反射光下以外の所定の条件で観察した場合、機能性を有するインキと機能性を有しないインキの色彩等が異なり潜像画像が視認される技術が開示されている(特許文献2参照)。
【0009】
また、印刷物を可視反射光下で観察した画像と、可視透過光下で観察した場合とで、異なる画像が潜像画像として視認されることで真偽判別が可能な技術が開示されている(特許文献3参照)。この印刷物は、特殊な光源、フィルタ等、特別な道具を用いる必要のなく、市販されている浸透型インキを単に印刷するだけでは形成不能であり、これを形成するにあたっては、浸透成分と色材を適正な配合割合で混ぜ合わせ、可視反射光下では視認可能な色彩を有して観察されるが、可視透過光下では不可視となるか、もしくは視認し難い極めて淡い色彩へと変化する光学特性を有する第2のインキを作製する必要があり、そのためにはインキ製造のための技能と設備が必要であり、容易に偽造することは不可能な印刷物となり得る。
【0010】
ここで、特許文献1の特殊形状網点印刷物の技術と、特許文献2又は特許文献3等のペアインキを用いた印刷物の技術を組み合せ、より偽造が困難な真偽判別可能な印刷物を考えてみる。図1(a)に示すように、基材1´上に特殊形状網点の集合が印刷され、階調画像2´が形成される。図1(b)に示すように、階調画像2´は、少なくとも第1の領域3´と、図1(c)に示すように、第2の領域4´を有する構成と成っている。第1の領域3´内の特殊形状網点は、機能性を有するインキで印刷し、第2の領域4´内の特殊形状網点は、機能性を有するインキと等色の機能性を有しないインキで印刷される。
【0011】
図1に示した真偽判別可能な印刷物は、基材1´上に階調画像2´を設け、階調画像2´は、少なくとも第1の領域3´と第2の領域4´を有する構成と成っている。階調画像2´は「富士山」の図柄であり、第1の領域3´は「富士山」の図柄から「鷹」の図柄の形状で切り抜いた領域から成り、第2の領域4´は「富士山」の図柄から「鷹」の図柄の形状を切り抜ぬかれた領域から成る。すなわち、第2の領域4´の切り抜かれた「鷹」は、第1の領域3´の切り抜いた「鷹」を示し、第1の領域3´と第2の領域4´を刷り合わせると階調画像2´の「富士山」と成る。よって、第1の領域3´を潜像画像とした場合に「鷹」の図柄は、「富士山」の階調画像2´をそのまま切り取っているため、「富士山」の階調をそのまま有していることになる。
【0012】
図2は、図1に示した従来の真偽判別可能な印刷物の観察条件の一例を示す図である。図2(a)は、可視光下で拡散光での観察状態であり、階調画像2´に対する光源11と観察者の視点12が図2(a)に示すような位置関係、所謂、可視反射光下での観察において、観察者には、階調画像2´が視認される。これは、可視反射光下での観察において、機能性を有するインキを使用した第1の領域3´は、はっきりと視認される色彩を有した画像を形成し、機能性を有しないインキを使用した第2の領域4´は、機能性を有するインキと等色に視認される色濃度を有する画像を形成させるため、図1(a)に示す階調画像2´が視認される。
【0013】
また、図2(b)に示すように、階調画像2´に対して、可視反射光11´以外の所定の条件と視認用機器等13を通した観察者の視点12が図2(b)に示すような位置関係、所謂、可視反射光下での観察において、観察者には、図1(b)に示す第1の領域3´のみが視認され、潜像画像となる。これは、可視反射光下での観察において、機能性を有するインキを使用した第1の領域3´は、視認用機器等では、はっきりと視認される画像を形成し、機能性を有しないインキを使用した第2の領域4´は、視認用機器等では、透過し不可視か、ほとんど視認し難い程度で視認されるためである。
【0014】
図3は、図1に示した従来の真偽判別可能な印刷物の概念図である。基材1´上に階調画像2´を設け、階調画像2´は、少なくとも第1の領域3´と第2の領域4´を有する構成と成っている。第1の領域3´に機能性を有するインキと、第2の領域4´に機能性を有しないインキを使用して、基材1´上に階調画像2´を印刷したペアインキの真偽判別可能な印刷物である。第1の領域3´と第2の領域4´は、階調画像2´から切り抜いた領域と切り抜かれた領域を示す。切り抜いた領域を第1の領域3´を示し、階調画像2´の一部の階調を有する。切り抜かれた領域を第2の領域4´を示し、階調画像2´の一部の階調を有する。第1の領域3´と第2の領域4´を刷り合わせると階調画像2´と成る。図4は、図3で示した従来の真偽判別可能な印刷物の画線ユニット内に形成される特殊形状網点の概念図である。画線ユニット5´内は、特殊形状網点6´が形成される。特殊形状網点6´は階調画像の濃度に伴ってシャドウ部からハイライト部にかけて画線面積率が異なって形成されている。なお、特殊形状網点6´の形状は、一般的なドット形状以外であれば特に限定されるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特許第3855013号公報
【特許文献2】特公昭61−37636号公報
【特許文献3】特開2014−30952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記記載のとおり、図1に示した真偽判別可能な印刷物は、第1の領域3´である「鷹」の図柄は、「富士山」の階調をそのまま有していることになるため、真偽判別を行うに際し、「鷹」の図柄内に「富士山」の階調が視認され、デザイン性に劣り、真偽判別が困難となる問題があった。また、仮に偽造者がペアインキの成分を把握し、偽造を試みた場合に、階調画像2´から第1の領域3´と第2の領域4´を容易に二つに区分けすることが可能であることから、偽造される可能性が高い問題があった。
【0017】
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、階調画像の階調が潜像画像の階調にそのまま再現されることなく、特殊形状網点をペアインキで形成することで容易に偽造されることがない真偽判別可能な印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明における真偽判別可能な印刷物は、基材上に少なくとも第1の領域と第2の領域から成る階調画像を有し、階調画像は、画線ユニットが隙間なくマトリックス状に配置され、各画線ユニットは、少なくとも第1の要素と第2の要素を有し、第1の要素と第2の要素は、重複することなく相互に異なる面積を有し、第1の領域は、第1の要素に機能性を有するインキと、第2の要素に機能性を有するインキと可視反射光下で等色の機能性を有しないインキから成る第1の画線ユニットと、第1の要素に機能性を有しないインキと、第2の要素に機能性を有するインキから成る第2の画線ユニットで形成され、第2の領域は、第1の要素に機能性を有しないインキと、第2の要素に機能性を有しないインキから成る第3の画線ユニットで形成され、第1の領域と第2の領域は、階調性を有する画線を有することで階調画像が形成され、可視反射光下で観察した場合に、階調画像が視認され、可視反射光下以外の所定の条件で観察した場合に、第1の領域の第1の画線ユニット内及び第2の画線ユニット内に形成された機能性を有するインキによって潜像画像が視認されることを特徴とする。
【0019】
本発明における真偽判別可能な印刷物の機能性を有しないインキ及び機能性を有するインキは、下記のi)乃至iv)のいずれかで形成され、i)は、機能性を有しないインキは、有色インキから成り、機能性を有するインキは、可視透過光下で観察した場合に機能性を有しないインキと色彩が異なって視認される有色浸透インキから成り、ii)は、機能性を有しないインキは、有色インキから成り、機能性を有するインキは、紫外線を照射した場合に発光して視認される蛍光発光インキから成り、iii)は、機能性を有しないインキは、有色インキから成り、機能性を有するインキは、可視光下の所定の波長をカットするフィルタを透して観察した場合に機能性を有しないインキと色彩が異なって視認されるメタメリックインキから成り、iv)は、機能性を有しないインキは、赤外線透過インキから成り、機能性を有するインキは、赤外線吸収インキから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の真偽判別可能な印刷物は、階調画像の階調が潜像画像の階調にそのまま再現されることなく、潜像画像のデザインに合わせて階調を付与することが可能となる。また、階調画像は複雑な特殊形状網点で形成されているため、複製が困難であるとともに、特殊形状網点内をペアインキで形成することで、容易にペアインキの領域を特定されることないため、仮に偽造者にペアインキの成分が把握されたとして、複製することが不可能となる。
【0021】
本発明の真偽判別可能な印刷物においては、第1の領域と第2の領域の画線形状に階調を伴ったことにより、写真等の階調を伴う画像が形成されるようになり、デザインの自由度が高い。
【0022】
本発明の真偽判別可能な印刷物においては、第1の領域と第2の領域に使用するペアインキの機能性により、可視反射光下で観察される画像と、可視反射光下以外の所定の条件で観察される潜像画像とを、全く相関のない画像とすることが可能であるため、容易に真偽判別することができる。
【0023】
本発明の真偽判別可能な印刷物においては、生産性の高い印刷方式であるオフセット印刷で製造可能であることからコストパフォーマンスに優れ、また、最新のデジタル機器を用いたとしても潜像画像の再現は不可能であることから、偽造防止効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来の真偽判別可能な印刷物の一例を示す図である。
図2】従来の真偽判別可能な印刷物の観察条件の一例を示す図である。
図3図1に示した従来の真偽判別可能な印刷物の概念図である。
図4図3で示した従来の真偽判別可能な印刷物の画線ユニット内に形成される特殊形状網点の概念図である。
図5】本発明の真偽判別可能な印刷物A1とその一部拡大図である。
図6図5で示した真偽判別可能な印刷物A1の画線ユニット内に形成される特殊形状網点の概念図である。
図7】第1の画線ユニット5a、第2の画線ユニット5b及び第3の画線ユニット5cを示す図である。
図8】本発明の真偽判別可能な印刷物A1との作用を示す図である。
図9】第1の要素6aと第2の要素6bの面積率の差を示す図である。
図10】本発明の真偽判別可能な印刷物A1の版面データを示す図である。
図11】本発明の真偽判別可能な印刷物A2とその一部拡大図である。
図12図11で示した真偽判別可能な印刷物A2の画線ユニット内に形成される特殊形状網点の概念図である。
図13】第1の画線ユニット5a、第2の画線ユニット5b、第3の画線ユニット5c及び第4の画線ユニット5dを示す図である。
図14】本発明の真偽判別可能な印刷物A2との作用を示す図である。
図15】第1の要素6a、と第2の要素6b及び第3の要素6cの面積率の差を示す図である。
図16】本発明の真偽判別可能な印刷物A2の版面データを示す図である。
図17】特殊形状網点の形状の一例を示す図である。
図18】特殊形状網点における網点マトリクス18とピクセルの関係についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0026】
(実施の形態1)
図5は本発明の真偽判別可能な印刷物A1とその一部拡大図である。図5に示すように、本発明の真偽判別可能な印刷物A1は基材1上に階調画像2を設け、階調画像2は、第1の領域3と第2の領域4から成る。下記説明では、第1の領域3と第2の領域4の二つの領域を区分けして説明しているが、本発明はこれに限定されることなく少なくとも二つの領域を有していればよい。階調画像2は、特殊形状網点6の集合によって形成される。特殊形状網点6の集合は、画線ユニット5が隙間なくマトリックス状に配置され、その画線ユニット5内に形成される。画線ユニット5は、特殊形状網点6が形成される単位ユニットであり、実際に印刷されるものではない。
【0027】
図6は、図5で示した真偽判別可能な印刷物A1の画線ユニット内に形成される特殊形状網点の概念図である。画線ユニット5内は、特殊形状網点6が形成される。特殊形状網点6は階調画像の濃度に伴ってシャドウ部からハイライト部にかけて画線面積率が異なって形成されている。なお、特殊形状網点6の形状の詳細については後述するが、一般的なドット形状以外であれば特に限定されるものではない。特殊形状網点6は、第1の要素6aと第2の要素6bを有する。第1の要素6aと第2の要素6bは、重複することなく、相互に異なる面積を有する。
【0028】
特殊形状網点6を形成する第1の要素6aと第2の要素6bは、機能性を有するインキ又は可視反射光下で等色の機能性を有しないインキ「以下、機能性を有しないインキという」の何れかの選択で印刷される。第1の要素6aと第2の要素6bのインキの種類の選択によって、潜像画像が形成される。図7に第1の画線ユニット5a、第2の画線ユニット5b及び第3の画線ユニット5cを示す。図7に示すように図5で示した真偽判別可能な印刷物A1の第1の領域3は、第1の要素6a1に機能性を有するインキと、第2の要素6b2に機能性を有しないインキから成る第1の画線ユニット5aと、第1の要素6a2に機能性を有しないインキと、第2の要素6b1に機能性を有するインキから成る第2の画線ユニット5bで形成される。第2の領域4は、第1の要素6a1に機能性を有しないインキと、第2の要素6b1に機能性を有しないインキから成る第3の画線ユニット5cで形成される。
【0029】
図8に本発明の真偽判別可能な印刷物A1との作用を示す。図2は、図5に示した真偽判別可能な印刷物A1の観察条件の一例を示す図である。図2(a)は、可視光下で拡散光での観察状態であり、階調画像2に対する光源11と観察者の視点12が図2(a)に示すような位置関係、所謂、可視反射光下での観察において、図8(a)に示すように観察者には、階調画像2が視認される。これは、可視反射光下での観察において、第1の領域3内は、機能性を有するインキと、機能性を有しないインキで印刷され、第2の領域4内は、機能性を有しないインキで印刷されているため、図7に示すように第1の領域3内の第1の要素6a1、第2の要素6b1及び第2の領域4内の第1の要素6a1、第2の要素6b1は等色で視認される。よって、第1の領域3内の第1の要素6a1、第2の要素6b1と、第2の領域4内の第1の要素6a1、第2の要素6b1を区分けして視認することができない。
【0030】
また、図2(b)に示すように、階調画像2に対して、可視反射光11´以外の所定の条件、例えば、視認用機器等13を通した観察者の視点12が図2(b)に示すような位置関係、所謂、可視反射光下での観察において、図8(b)に示すように観察者には、第1の領域3から成る潜像画像が視認される。これは、図7に示すように第1の画線ユニット5a内の第1の要素6a1、第2の画線ユニット5b内の第2の要素6b1は、機能性を有するインキで形成されているため、第1の画線ユニット5a内の第1の要素6a1、第2の画線ユニット5b内の第2の要素6b1のみが視認される。第1の画線ユニット5a内の第2の要素6b2、第2の画線ユニット5b内の第1の要素6a2、第3の画線ユニット5c内の第1の要素6a1、第2の要素6b1は、機能性を有しないインキで印刷されるため、可視反射光11´以外の所定の条件で透過し不可視か、ほとんど視認し難い程度で視認されることがない。よって、可視反射光下以外の所定の条件、例えば、視認用機器等で観察した場合に、第1の領域3の第1の画線ユニット5a内及び第2の画線ユニット5b内に形成された機能性を有するインキによって潜像画像が視認される。潜像画像は、第1の画線ユニット5a内の第1の要素6a1、第2の画線ユニット5b内の第2の要素6b1によって形成され、第1の要素6a1と第2の要素6b1では、相互に異なる面積を有するため、異なる濃度階調を得ることができる。よって、可視光下で拡散光での観察される階調画像2の階調をそのまま再現されることない、階調を有する潜像画像が視認することができる。
【0031】
図9は、第1の要素6aと第2の要素6bの面積率の差を示す図である。図9(a)に示す画線ユニット5は、隙間なくマトリックス状に配置され、第1の要素6aと第2の要素6bを有する階調画像の構成から成っている。グレースケール16は、階調を有する。特殊形状網点は、グレースケール16の階調に伴い網点形状が変化されている。特殊形状網点が形成される上での条件は、図9(b)に示すように、第1の要素6aと第2の要素6bの配置においては、互いに重ならないよう要素が配置されている。第1の要素6aと第2の要素6bの形状においては、同一形状もしくは互いに異なった形状の要素を有する。第1の要素6aと第2の要素6bの網点面積率においては、第1の要素6aの合計面積率(A)<第2の要素6bの合計面積率(B)が充たされた網点面積率の要素となっている。図9(b)と同じように図9(c)、図9(d)においては、特殊形状網点が形成される上での条件は、以下のi)〜iii)で示される。i)要素の配置が互いに重ならないよう要素を配置、ii)要素の形状が同一形状もしくは互いに異なった形状の要素を有する、iii)要素の網点面積率がA<Bが充たされた網点面積率の要素と成っている、この三つの条件で特殊形状網点が形成される。図9(b)、図9(c)、図9(d)は、階調に伴う第1の要素6aと第2の要素6bの網点形状を示す。図9(b)は、グレースケール16における網点面積率90%相当の網点形状を示す。図9(c)は、グレースケール16における網点面積率50%相当の網点形状を示す。図9(d)は、グレースケール16における網点面積率10%相当の網点形状を示す。
【0032】
図10は、本発明の真偽判別可能な印刷物A1の版面データを示す図である。図10(a)に示すように第1の版面14は、第1の画線ユニット5a内の第1の要素6a1、第2の画線ユニット5b内の第2の要素6b1が形成され、機能性を有するインキが使用される。図10(b)に示すように第2の版面15は、第1の画線ユニット5a内の第2の要素6b2、第2の画線ユニット5b内の第1の要素6a2、第3の画線ユニット5c内の第1の要素6a1、第2の要素6b1が形成され、機能性を有しないインキが使用される。第1の版面14及び第2の版面15が重ね刷りされ、図5で示した真偽判別可能な印刷物A1が形成される。
【0033】
(実施の形態2)
図11は本発明の真偽判別可能な印刷物A2とその一部拡大図である。図11に示すように、本発明の真偽判別可能な印刷物A2は基材1上に「富士山」の図柄である階調画像2を設け、階調画像2は、「鷹」の図柄の第1の領域3と、鷹の図柄の周辺にあたる第2の領域4から成る。階調画像2は、特殊形状網点6の集合によって形成される。特殊形状網点6の集合は、画線ユニット5が隙間なくマトリックス状に配置され、その画線ユニット5内に形成される。画線ユニット5は、特殊形状網点6が形成される単位ユニットであり、実際に印刷されるものではない。
【0034】
図12は、図11で示した真偽判別可能な印刷物A2の画線ユニット内に形成される特殊形状網点の概念図である。画線ユニット5内は、特殊形状網点6が形成される。特殊形状網点6は階調画像の濃度に伴ってシャドウ部からハイライト部にかけて画線面積率が異なって形成されている。なお、特殊形状網点6の形状の詳細については後述するが、一般的なドット形状以外であれば特に限定されるものではない。次に、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。実施の形態1の真偽判別可能な印刷物A1の特殊形状網点6は、第1の要素6aと第2の要素6bによって形成されているが、実施の形態2の真偽判別可能な印刷物A2の特殊形状網点6は、第1の要素6a、第2の要素6b及び第3の要素6cから形成される。第1の要素6a、第2の要素6b及び第3の要素6cは、重複することなく、相互に異なる面積を有する。
【0035】
特殊形状網点6を形成する第1の要素6a、第2の要素6b及び第3の要素6cは、機能性を有するインキ又は可視反射光下で等色の機能性を有しないインキの何れかの選択で印刷される。第1の要素6a、第2の要素6b及び第3の要素6cのインキの種類の選択によって、潜像画像が形成される。図13に第1の画線ユニット5a、第2の画線ユニット5b、第3の画線ユニット5c及び第4の画線ユニット5dを示す。図13に示すように図11で示した真偽判別可能な印刷物A2の第1の領域3は、第1の要素6a2に機能性を有しないインキと、第2の要素6b1に機能性を有するインキと、第3の要素6c1に機能性を有するインキから成る第1の画線ユニット5aと、第1の要素6a1に機能性を有するインキと、第2の要素6b2に機能性を有しないインキと、第3の要素6c1に機能性を有するインキから成る第2の画線ユニット5bと、第1の要素6a2に機能性を有しないインキと、第2の要素6b2に機能性を有しないインキと、第3の要素6c1に機能性を有するインキから成る第3の画線ユニット5cで形成される。第2の領域4は、第1の要素6a1に機能性を有しないインキと、第2の要素6b1に機能性を有しないインキと、第3の要素6c1に機能性を有しないインキから成る第4の画線ユニット5dで形成される。
【0036】
図14に本発明の真偽判別可能な印刷物A2との作用を示す。図2は、図11に示した真偽判別可能な印刷物A2の観察条件の一例を示す図である。図2(a)は、可視光下で拡散光での観察状態であり、階調画像2に対する光源11と観察者の視点12が図2(a)に示すような位置関係、所謂、可視反射光下での観察において、図14(a)に示すように観察者には、「富士山」の図柄の階調画像2が視認される。これは、可視反射光下での観察において、第1の領域3内は、機能性を有するインキと、機能性を有しないインキで印刷され、第2の領域4内は、機能性を有しないインキで印刷されているため、図13に示すように第1の領域3内の第1の要素6a1、第2の要素6b1、第3の要素6c1及び第2の領域4内の第1の要素6a1、第2の要素6b1、第3の要素6c1は等色で視認される。よって、第1の領域3内の第1の要素6a1、第2の要素6b1、第3の要素6c1と、第2の領域4内の第1の要素6a1、第2の要素6b1、第3の要素6c1を区分けして視認することができない。
【0037】
また、図2(b)に示すように、階調画像2に対して、可視反射光11´以外の所定の条件、例えば、視認用機器等13を通した観察者の視点12が図2(b)に示すような位置関係、所謂、可視反射光下での観察において、図14(b)に示すように観察者には、第1の領域3の機能性を有するインキで形成した要素によって潜像画像が視認される。これは、図13に示すように第1の画線ユニット5a内の第2の要素6b1、第3の要素6c1、第2の画線ユニット5b内の第1の要素6a1、第3の要素6c1、第3の画線ユニット5c内の第3の要素6c1は、機能性を有するインキで形成されているため、第1の画線ユニット5a内の第2の要素6b1、第3の要素6c1、第2の画線ユニット5b内の第1の要素6a1、第3の要素6c1、第3の画線ユニット5c内の第3の要素6c1のみが視認される。第1の画線ユニット5a内の第1の要素6a2、第2の画線ユニット5b内の第2の要素6b2、第3の画線ユニット5c内の第1の要素6a2、第2の要素6b2、第4の画線ユニット5d内の第1の要素6a1、第2の要素6b1、第3の要素6c1は、機能性を有しないインキで印刷されるため、可視反射光11´以外の所定の条件で透過し不可視か、ほとんど視認し難い程度で視認されることがない。よって、可視反射光下以外の所定の条件、例えば、視認用機器等で観察した場合に、第1の領域3の第1の画線ユニット5a内、第2の画線ユニット5b内及び第3の画線ユニット5c内に形成された機能性を有するインキによって、「鷲」の図柄の潜像画像が視認される。「鷲」の図柄の潜像画像は、第1の画線ユニット5a内の第2の要素6b1、第3の要素6c1、第2の画線ユニット5b内の第1の要素6a1、第3の要素6c1、第3の画線ユニット5c内の第3の要素6c1によって形成され、第1の要素6a1と第2の要素6b1と第3の要素6c1では、相互に異なる面積を有するため、異なる濃度階調を得ることができる。よって、可視光下で拡散光での観察される階調画像2の階調をそのまま再現されることない、階調を有する「鷲」の図柄の潜像画像が視認することができる。
【0038】
図15は、第1の要素6a、第2の要素6b及び第3の要素6cの面積率の差を示す図である。図15(a)に示す画線ユニット5は、隙間なくマトリックス状に配置され、第1の要素6a、第2の要素6b及び第3の要素6cを有する階調画像の構成から成っている。グレースケール16は、階調を有する。特殊形状網点は、グレースケール16の階調に伴い網点形状が変化されている。特殊形状網点が形成される上での条件は、図15(b)に示すように、第1の要素6a、第2の要素6b及び第2の要素6cの配置においては、互いに重ならないよう要素が配置されている。第1の要素6a、第2の要素6b及び第2の要素6cの形状においては、同一形状もしくは互いに異なった形状の要素を有する。第1の要素6a、第2の要素6b及び第2の要素6cの網点面積率においては、第1の要素6aの合計面積率(A)<第2の要素6bの合計面積率(B)<第3の要素6cの合計面積率(C)が充たされた網点面積率の要素となっている。図15(b)と同じように図15(c)、図15(d)においては、特殊形状網点が形成される上での条件は、以下のi)〜iii)で示される。i)要素の配置が互いに重ならないよう要素を配置、ii)要素の形状が同一形状もしくは互いに異なった形状の要素を有する、iii)要素の網点面積率がA<B<Cが充たされた網点面積率の要素と成っている、この三つの条件で特殊形状網点が形成される。図15(b)、図15(c)、図15(d)は、階調に伴う第1の要素6a、第2の要素6b及び第2の要素6cの網点形状を示す。図15(b)は、グレースケール16における網点面積率90%相当の網点形状を示す。図15(c)は、グレースケール16における網点面積率50%相当の網点形状を示す。図15(d)は、グレースケール16における網点面積率10%相当の網点形状を示す。
【0039】
図16は、本発明の真偽判別可能な印刷物A2の版面データを示す図である。図16(a)に示すように第1の版面14は、第1の画線ユニット5a内の第2の要素6b1及び第3の要素6c1、第2の画線ユニット5b内の第1の要素6a1及び第3の要素6c1、第3の画線ユニット5c内の第3の要素6c1が形成され、機能性を有するインキが使用される。図16(b)に示すように第2の版面15は、第1の画線ユニット5a内の第1の要素6a2、第2の画線ユニット5b内の第2の要素6b2、第3の画線ユニット5c内の第1の要素6a2、第2の要素6b2、第4の画線ユニット5d内の第1の要素6a1、第2の要素6b1、第3の要素6c1が形成され、機能性を有しないインキが使用される。第1の版面14及び第2の版面15が重ね刷りされ、図11で示した真偽判別可能な印刷物A2が形成される。
【0040】
画線ユニットのサイズは、特に限定されることはないが、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物の地紋模様に採用した場合、特殊形状網点の一つの大きさは、500〜1000μmの範囲が好ましいが、それに限定されるものでもない。特殊形状網点の形状については、一般的なドット形状以外であれば特に限定されるものではない。例えば、図17に示すような形状(a)〜(f)が挙げられる。
【0041】
上記記載の特殊形状網点は、図18に示すように作成される。図18(a)に示すように、特殊形状網点のピクセル17のマトリクスから成る網点マトリクス18内のピクセル17の存在の有無により表現される。図18(a)は、一例として、16×16のマトリクスから成る網点マトリクス18である。また、階調は、網点マトリクス18内のピクセルの存在量により表現される。なお、本明細書における「ピクセル」とは、網点マトリクス18の微小に区分けした最小部分を白黒2値で表した「画像要素」のことをいう。
【0042】
図18を用いて特殊形状網点における網点マトリクス18とピクセルの関係について説明する。図18(b)は、上記記載の真偽判別可能な印刷物A1に用いた特殊形状網点である。図9(b)〜(d)に示す特殊形状網点を第1の形状とした第1の網点Aの濃色(シャドウ)から淡色(ハイライト)まで階調の変化を示すものである。図18(b)に示すように、階調が濃色(シャドウ)の場合は、網点マトリクス18における特殊形状網点の全体にピクセル17が存在するために、濃色(シャドウ)であるA1として表現される。階調が淡色(ハイライト)の場合は、網点マトリクス18における特殊形状網点の周囲にのみピクセル17が存在するために、淡色(ハイライト)であるA1として表現される。
【0043】
本発明の真偽判別印刷物に用いる機能性を有するインキは、下記のインキが挙げられる。機能性を有するインキは、可視反射光下では機能性を有しない通常の有色インキと等色であり、可視透過光下で観察した場合に機能性を有しないインキと色彩が異なって視認される有色浸透インキである。また、可視反射光下では機能性を有しない通常の有色インキと等色であり、紫外線を照射した場合に発光して視認される蛍光発光インキである。また、可視反射光下では機能性を有しない通常の有色インキと等色であり、可視光下の所定の波長をカットするフィルタを透して観察した場合に機能性を有しないインキと色彩が異なって視認されるメタメリックインキである。また、可視反射光下では機能性を有しない赤外領域で透過する赤外線透過インキと等色であり、赤外領域で吸収する赤外線吸収インキである。
【0044】
本発明の真偽判別可能な印刷物の基材1は、上質紙、コート紙、アート紙等の紙葉類を用いることができる。また、フィルム、プラスチック及びそれらの複合素材等を用いることもできる。
【0045】
本発明の真偽判別可能な印刷物の印刷方法としては、オフセット印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等、特に限定されるものではないが、微細な特殊形状網点を印刷する場合、オフセット印刷、デジタル印刷、インクジェットプリンタ、レーザプリンタが好ましい。
【符号の説明】
【0046】
1、1´ 基材
A1、A2 真偽判別可能な印刷物
2、2´ 階調画像
3、3´ 第1の領域
4、4´ 第2の領域
5、5´ 画線ユニット
6、6´ 特殊形状網点
6a 第1の要素
6b 第2の要素
6c 第3の要素
6d 第4の要素
6a1 第1の要素
6b1 第2の要素
6c1 第3の要素
6a2 第1の要素
6b2 第2の要素
6c2 第3の要素
5a 第1の画線ユニット
5b 第2の画線ユニット
5c 第3の画線ユニット
5d 第4の画線ユニット
11、11´ 可視反射光
12 視点
13 視認用機器等
14 第1の版面
15 第2の版面
16 グレースケール
17 ピクセル
18 網点マトリクス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18