特許第6403577号(P6403577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6403577クリーニング方法、半導体装置の製造方法、基板処理装置及びプログラム並びにクリーニング終了判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403577
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】クリーニング方法、半導体装置の製造方法、基板処理装置及びプログラム並びにクリーニング終了判定方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20181001BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20181001BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20181001BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20181001BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20181001BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H01L21/205
   H01L21/31 B
   H01L21/316 X
   H01L21/318 B
   H01L21/302 101H
   C23C16/44 J
【請求項の数】20
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2014-560725(P2014-560725)
(86)(22)【出願日】2014年1月28日
(86)【国際出願番号】JP2014051750
(87)【国際公開番号】WO2014123028
(87)【国際公開日】20140814
【審査請求日】2016年12月7日
(31)【優先権主張番号】特願2013-20670(P2013-20670)
(32)【優先日】2013年2月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(72)【発明者】
【氏名】守田 修
(72)【発明者】
【氏名】森 真一朗
(72)【発明者】
【氏名】亀田 賢治
【審査官】 鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−049684(JP,A)
【文献】 特開2010−050483(JP,A)
【文献】 特表2007−531996(JP,A)
【文献】 特開2000−235955(JP,A)
【文献】 特開2002−057149(JP,A)
【文献】 特開2004−281673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H01L 21/205
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/316
H01L 21/318
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するシピが実行されるクリーニング工程を有するクリーニング方法であって、前記クリーニング工程では、前記レシピが繰返し実行されることにより、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御されるクリーニング方法。
【請求項2】
処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するレシピが実行されるクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記レシピが繰返し実行されることにより、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御される半導体装置の製造方法。
【請求項3】
処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着された付着物を除去するレシピを実行するクリーニングステップを含むクリーニングレシピを実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記レシピを繰返し実行することにより、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御する基板処理装置。
【請求項4】
更に、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、を備え、
前記制御部は、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、前記所定のガスを排出すると共に、前記所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値に到達したかを判定した後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるかを判定するよう構成される請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
更に、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部と、前記基板を処理する処理室に接続された排出路と、該排出路に介設されたポンプとを備え、
前記測定部は、前記ポンプより上流側の前記排出路に介設されるよう構成される請求項4に記載の基板処理装置
【請求項6】
前記測定部は、前記処理室から排出されるガスの少なくとも一部を採取する採取部と、前記採取部で採取したガスの少なくとも一部に含まれる前記所定のガスを抽出する抽出部と、を有する請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、前記レシピの実行後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記測定部は、前記排出路に複数設けられる請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、クリーニング処理を実行するクリーニングステップを含む前記レシピを、前記所定のガスの濃度を示す信号が所定の上限値に到達するまで、少なくとも繰返し実行する請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、クリーニング処理を実行するクリーニングステップを含む前記レシピを、前記所定のガスの濃度を示す信号が所定の上下限値の範囲内に所定期間収まったと判定するまで繰返し実行する請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記制御部により前記所定のガスの濃度を示す信号が最初に所定の上限値に到達したと判定されたときに前記レシピを実行した回数である第1所定回数は、現在の累積膜厚値から前記レシピを1回実行したときに除去できる膜厚値を割った数値で示される請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、クリーニング処理を実行するクリーニングステップを含む前記レシピの実行回数が、第2所定回数を超えた後、前記所定のガスの濃度を示す信号が所定の上下限値の範囲内に所定期間収まっていないと判定すると、終点検知不可のアラームを通知する請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号が所定の上下限値の範囲内に所定期間収まったと判定したときに、前記レシピを実行した回数が、前記第2所定回数以下であれば、前記レシピを正常終了する請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、クリーニング処理を実行するクリーニングステップを含む前記レシピの実行中に取得した前記所定のガスの濃度を示す信号の最大値及び最小値が、前記所定の上下限値の範囲内に収束するかを確認するよう構成されている請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記レシピの実行中に取得した前記所定のガスの濃度を示す信号の最大値及び最小値を監視した結果、前記所定の上下限値の範囲内に収束すると判定された前記レシピの実行回数が、所定回数までに、連続して安定サイクル回数に達したら、クリーニング終了を正常と判定する請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記クリーニングガスは、フッ素ガス、フッ化水素ガス、三フッ化塩素ガス、三フッ化窒素ガスよりなる群から選択される少なくとも一つのハロゲン含有ガスである請求項3記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記構成部品に付着した付着物は、窒化ケイ素膜、二酸化ケイ素膜、窒化チタン膜、タングステン膜、シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜よりなる群から選択される少なくとも一つの膜である請求項3記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記所定のガスは、四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、三フッ化窒素、四塩化チタン、四フッ化チタン、四フッ化タングステン、六フッ化タングステン、四フッ化アルミニウム、四塩化ハフニウム、四フッ化ハフニウム、及びこれらの副生成物よりなる群から選択される少なくとも一つのガスである請求項3記載の基板処理装置。
【請求項19】
クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品をクリーニングするレシピを実行するクリーニングの終了判定方法であって、前記レシピが繰返し実行されることにより、前記構成部品に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する終了判定方法。
【請求項20】
装置を構成する構成部品をクリーニングするステップを含むクリーニングレシピを実行する制御部を備えた基板処理装置で実行されるクリーニング終了判定プログラムであって
前記クリーニングするステップでは、
クリーニングガスを給排して、前記構成部品に付着した付着物を除去するレシピを実行する手順と、前記レシピ実行中に前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を測定する手順と、前記レシピを繰返し実行して、前記所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値に到達した後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する手順と、を前記制御部に実行させるクリーニング終了判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置におけるレシピ制御に係り、特に、メンテナンス用レシピを実行してメンテナンスする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置には、基板を多段に保持する基板保持具を反応炉内に装入した状態で、反応炉内に処理ガスを供給して、基板保持具が保持する基板に対する処理を行うように構成されたバッチ式のものがある。例えば、特許文献1によれば、操作画面上に保守情報画面を表示することが記載されている。これにより、基板処理装置を構成する部品のメンテナンス時期を各構成部品の使用回数や処理時間で判断することができる。
【0003】
従来、基板処理装置では、保守時期に達した各構成部品は新品と交換していたため、装置を停止させていた。しかしながら、近年、装置稼働率の向上及び工場内のオートメーション化などの背景から、極力装置を停止させないような装置運用が求められてきている。縦型のバッチ式基板処理装置においても、このような背景から、メンテナンス用レシピを実行することにより、所定のクリーニングガスを供給して反応炉内を構成する部材(反応管や基板保持具等)に付着している副生成物を除去している。例えば、特許文献2によれば、反応管内にクリーニングガスを供給して、前記反応管内壁等に付着した付着物を除去することが開示されている。また、特許文献3によれば、枚葉式の基板処理装置において、処理室内に堆積している堆積膜が閾値に達したらメンテナンス用レシピを実行して累積した堆積膜を除去している。
【0004】
ところで、クリーニングガスを供給するステップ時間は、予めクリーニングが終了する時間を計算により算出し、その算出した時間で設定されている。よって、クリーニングが終了しているか否かの判定はできていない。一方、成膜処理が繰り返し行われると、副生成物が発生し、この副生成物が放置されると装置を構成する各構成部品に付着したままとなり、成膜に悪影響を及ぼすため、一定周期でガスクリーニングが行われている。
【0005】
従来、クリーニングの終了判定は、クリーニング時に反応熱により温度上昇が生じる現象を利用している。即ち、クリーニング前の所定の温度を閾値として設け、この閾値と所定の実測値(温度)とを比較し、クリーニング前の状態に落ち着いたかを判断することによりクリーニングの終了を判定する方法が行われていた。しかしながら、この方法では、誤差が大きくクリーニングの終了判定が適切にできていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3300816号公報
【特許文献2】特許第4541739号公報
【特許文献3】特許第3854157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み、クリーニングガスにより生成される所定のガスの濃度を示す信号を所定の範囲内収まるように制御することが可能な技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有するクリーニング方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御されるクリーニング方法が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御される半導体装置の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の更に他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、装置を構成する構成部品に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、 前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御する基板処理装置が提供される。
【0011】
本発明の更に他の態様によれば、装置を構成する構成部品をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを給排して、前記構成部品に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0012】
本発明の更に他の態様によれば、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品をクリーニングするクリーニングの終了判定方法であって、前記構成部品に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する終了判定方法が提供される。
【0013】
本発明の更に他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する半導体装置の製造方法が提供される。
【0014】
本発明の更に他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、装置を構成する構成部品に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、 前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する基板処理装置が提供される。
【0015】
本発明の更に他の態様によれば、装置を構成する構成部品をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを給排して、前記構成部品に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を測定する手順と、前記濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、クリーニングガスにより生成される所定のガスの濃度を示す信号を所定の範囲内収まるように制御が行えるので、次に生産される基板の処理結果が安定することにより、基板の品質が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の基板処理装置を示す斜視図である。
図2】本発明の基板処理装置を示す側断面図である。
図3】本発明の基板処理装置における装置コントローラの構成を示す図である。
図4】本発明の基板処理装置における主コントローラの構成を示すブロック図である。
図5】本発明の基板処理装置におけるプロセス系コントローラの構成を示す図である。
図6】(a)本発明の一実施形態における保守情報一覧画面の図示例である。(b)本発明の一実施形態におけるメンテナンス項目設定画面の図示例である。
図7】本発明の一実施形態におけるプロセスレシピのステップを設定するステップ設定画面の図示例である。
図8】本発明の一実施形態におけるメンテナンス用レシピを設定するレシピ設定画面の図示例である。
図9】本発明の一実施形態におけるクリーニング処理を実行するサブレシピのコマンド設定画面の図示例である。
図10】本発明の一実施形態におけるサブレシピ設定画面の図示例である。
図11】本発明の一実施形態におけるクリーニング終了判定の詳細設定を説明するための図である。
図12】(a)本願発明におけるクリーニングレシピの概要とそのフローを説明する図である。(b)クリーニングレシピが呼び出すサブレシピのフローチャートを示す図である。
図13】本発明の一実施形態におけるクリーニング終了判定信号の挙動を説明するための図示例である。
図14】本発明の基板処理装置における一実施形態の詳細(実施例1)を示す図である。
図15】本発明の基板処理装置における他の実施形態の詳細(実施例2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0019】
先ず、図1図2に於いて、本発明が実施される基板処理装置について説明する。
【0020】
図1図2は基板処理装置の一例として縦型の基板処理装置を示している。尚、該基板処理装置に於いて処理される基板は、一例としてシリコン等から成る半導体ウェーハが示されている。
【0021】
基板処理装置1は筐体2を備え、該筐体2の正面壁3の下部にはメンテナンス可能な様に設けられた開口部としての正面メンテナンス口4が開設され、該正面メンテナンス口4は正面メンテナンス扉5によって開閉される。
【0022】
前記筐体2の前記正面壁3にはポッド搬入搬出口6が前記筐体2の内外を連通する様に開設されており、前記ポッド搬入搬出口6はフロントシャッタ(搬入搬出口開閉機構)7によって開閉され、前記ポッド搬入搬出口6の正面前方側にはロードポート(基板搬送容器受渡し台)8が設置されており、該ロードポート8は載置されたポッド9を位置合せする様に構成されている。
【0023】
該ポッド9は密閉式の基板搬送容器であり、図示しない工程内搬送装置によって前記ロードポート8上に搬入され、又、該ロードポート8上から搬出される様になっている。
【0024】
前記筐体2内の前後方向の略中央部に於ける上部には、回転式ポッド棚(基板搬送容器格納棚)11が設置されており、該回転式ポッド棚11は複数個のポッド9を格納する様に構成されている。
【0025】
前記回転式ポッド棚11は垂直に立設されて間欠回転される支柱12と、該支柱12に上中下段の各位置に於いて放射状に支持された複数段の棚板(基板搬送容器載置棚)13とを備えており、該棚板13は前記ポッド9を複数個宛載置した状態で格納する様に構成されている。
【0026】
前記回転式ポッド棚11の下方には、ポッドオープナ(基板搬送容器蓋体開閉機構)14が設けられ、該ポッドオープナ14は前記ポッド9を載置し、又該ポッド9の蓋を開閉可能な構成を有している。
【0027】
前記ロードポート8と前記回転式ポッド棚11、前記ポッドオープナ14との間には、ポッド搬送機構(容器搬送機構)15が設置されており、該ポッド搬送機構15は、前記ポッド9を保持して昇降可能、水平方向に進退可能となっており、前記ロードポート8、前記回転式ポッド棚11、前記ポッドオープナ14との間で前記ポッド9を搬送する様に構成されている。
【0028】
前記筐体2内の前後方向の略中央部に於ける下部には、サブ筐体16が後端に亘って設けられている。該サブ筐体16の正面壁17にはウェーハ(基板)18を前記サブ筐体16内に対して搬入搬出する為のウェーハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)19が一対、垂直方向に上下2段に並べられて開設されており、上下段のウェーハ搬入搬出口19,19に対して前記ポッドオープナ14がそれぞれ設けられている。
【0029】
該ポッドオープナ14は前記ポッド9を載置する載置台21と、前記ポッド9の蓋を開閉する開閉機構22とを備えている。前記ポッドオープナ14は前記載置台21に載置された前記ポッド9の蓋を前記開閉機構22によって開閉することにより、前記ポッド9のウェーハ出入口を開閉する様に構成されている。
【0030】
前記サブ筐体16は前記ポッド搬送機構15や前記回転式ポッド棚11が配設されている空間(ポッド搬送空間)から気密となっている移載室23を構成している。該移載室23の前側領域にはウェーハ移載機構(基板移載機構)24が設置されており、該ウェーハ移載機構24は、ウェーハ18を載置する所要枚数(図示では5枚)のウェーハ載置プレート25を具備し、該ウェーハ載置プレート25は水平方向に直動可能、水平方向に回転可能、又昇降可能となっている。前記ウェーハ移載機構24はボート(基板保持体)26に対してウェーハ18を装填及び払出しする様に構成されている。
【0031】
前記移載室23の後側領域には、前記ボート26を収容して待機させる待機部27が構成され、該待機部27の上方には縦型の処理炉28が設けられている。該処理炉28は内部に処理室29を形成し、該処理室29の下端部は炉口部となっており、該炉口部は炉口シャッタ(炉口開閉機構)31により開閉される様になっている。
【0032】
前記筐体2の右側端部と前記サブ筐体16の前記待機部27の右側端部との間には前記ボート26を昇降させる為のボートエレベータ(基板保持具昇降機構)32が設置されている。該ボートエレベータ32の昇降台に連結されたアーム33には蓋体としてのシールキャップ34が水平に取付けられており、該シールキャップ34は前記ボート26を垂直に支持し、該ボート26を前記処理室29に装入した状態で前記炉口部を気密に閉塞可能となっている。
【0033】
前記ボート26は、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウェーハ18をその中心に揃えて水平姿勢で多段に保持する様に構成されている。
【0034】
前記ボートエレベータ32側と対向した位置にはクリーンユニット35が配設され、該クリーンユニット35は、清浄化した雰囲気若しくは不活性ガスであるクリーンエア36を供給する様供給ファン及び防塵フィルタで構成されている。前記ウェーハ移載機構24と前記クリーンユニット35との間には、ウェーハ18の円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合せ装置(図示せず)が設置されている。
【0035】
前記クリーンユニット35から吹出された前記クリーンエア36は、ノッチ合せ装置(図示せず)及び前記ウェーハ移載機構24、前記ボート26に流通された後に、図示しないダクトにより吸込まれて、前記筐体2の外部に排気がなされるか、若しくは前記クリーンユニット35によって前記移載室23内に吹出されるように構成されている。
【0036】
次に、前記基板処理装置1の作動について説明する。
【0037】
前記ポッド9が前記ロードポート8に供給されると、前記ポッド搬入搬出口6が前記フロントシャッタ7によって開放される。前記ロードポート8上の前記ポッド9は前記ポッド搬送装置15によって前記筐体2の内部へ前記ポッド搬入搬出口6を通して搬入され、前記回転式ポッド棚11の指定された前記棚板13へ載置される。前記ポッド9は前記回転式ポッド棚11で一時的に保管された後、前記ポッド搬送装置15により前記棚板13からいずれか一方のポッドオープナ14に搬送されて前記載置台21に移載されるか、若しくは前記ロードポート8から直接前記載置台21に移載される。
【0038】
この際、前記ウェーハ搬入搬出口19は前記開閉機構22によって閉じられており、前記移載室23には前記クリーンエア36が流通され、充満している。例えば、前記移載室23には前記クリーンエア36として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、前記筐体2の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遙かに低く設定されている。
【0039】
前記載置台21に載置された前記ポッド9はその開口側端面が前記サブ筐体16の前記正面壁17に於ける前記ウェーハ搬入搬出口19の開口縁辺部に押付けられると共に、蓋が前記開閉機構22によって取外され、ウェーハ出入口が開放される。
【0040】
前記ポッド9が前記ポッドオープナ14によって開放されると、ウェーハ18は前記ポッド9から前記ウェーハ移載機構24によって取出され、ノッチ合せ装置(図示せず)に移送され、該ノッチ合せ装置にてウェーハ18を整合した後、前記ウェーハ移載機構24はウェーハ18を前記移載室23の後方にある前記待機部27へ搬入し、前記ボート26に装填(チャージング)する。
【0041】
該ボート26にウェーハ18を受渡した前記ウェーハ移載機構24は前記ポッド9に戻り、次のウェーハ18を前記ボート26に装填する。
【0042】
一方(上端又は下段)のポッドオープナ14に於ける前記ウェーハ移載機構24によりウェーハ18の前記ボート26への装填作業中に、他方(下段又は上段)のポッドオープナ14には前記回転式ポッド棚11から別のポッド9が前記ポッド搬送装置15によって搬送されて移載され、前記他方のポッドオープナ14によるポッド9の開放作業が同時進行される。
【0043】
予め指定された枚数のウェーハ18が前記ボート26に装填されると前記炉口シャッタ31によって閉じられていた前記処理炉28の炉口部が前記炉口シャッタ31によって開放される。続いて、前記ボート26は前記ボートエレベータ32によって上昇され、前記処理室29に搬入(ローディング)される。
【0044】
ローディング後は、前記シールキャップ34によって炉口部が気密に閉塞される。尚、本実施の形態において、このタイミングで(ローディング後)、前記処理室29が不活性ガスに置換されるパージ工程(プリパージ工程)を有する。
【0045】
前記処理室29が所望の圧力(真空度)となる様にガス排気機構(図示せず)によって真空排気される。又、前記処理室29が所望の温度分布となる様にヒータ駆動部(図示せず)によって所定温度迄加熱される。
【0046】
又、ガス供給機構(図示せず)により、所定の流量に制御された処理ガスが供給され、処理ガスが前記処理室29を流通する過程で、ウェーハ18の表面と接触し、ウェーハ18の表面上に所定の処理が実施される。更に、反応後の処理ガスは、前記ガス排気機構により前記処理室29から排気される。
【0047】
予め設定された処理時間が経過すると、前記ガス供給機構により不活性ガス供給源(図示せず)から不活性ガスが供給され、前記処理室29が不活性ガスに置換されると共に、前記処理室29の圧力が常圧に復帰される(アフターパージ工程)。そして、前記ボートエレベータ32により前記シールキャップ34を介して前記ボート26が降下される。
【0048】
処理後のウェーハ18の搬出については、上記説明と逆の手順で、ウェーハ18及びポッド9は前記筐体2の外部へ払出される。未処理のウェーハ18が、更に前記ボート26に装填され、ウェーハ18のバッチ処理が繰返される。
【0049】
前記処理炉28、少なくとも基板を搬送する機構であるポッド搬送機構15、ウェーハ移載機構24、ボートエレベータ32を含む搬送機構、前記処理炉28に処理ガス等を供給するガス供給機構、前記処理炉28内を排気するガス排気機構、前記処理炉28を所定温度に加熱するヒータ駆動部、及び前記処理炉28、前記搬送機構、前記ガス供給機構、前記ガス排気機構、前記ヒータ駆動部をそれぞれ制御する制御装置240について、図3図4を参照して説明する。
【0050】
次に、図3を参照して、主制御部としての主コントローラ201を中心とした制御装置240の構成について説明する。図3に示すように、制御装置としての装置コントローラ240は、主コントローラ201と、主コントローラ201に接続されるスイッチングハブ215と、主コントローラ201に接続される表示制御部216と、スイッチングハブ215を介して主コントローラ201に接続される副表示部としての副表示制御部217と、搬送制御部としての搬送系コントローラ211と、処理制御部としてのプロセス系コントローラ212と、を備えている。主コントローラ201には、スイッチングハブ215を介して例えば100BASE−T等のLAN(Local Area Network)により搬送系コントローラ211及びプロセス系コントローラ212が電気的に接続されている。
【0051】
主コントローラ201には、外部記憶装置としての記録媒体であるUSBメモリ等が挿脱される装着部としてのポート213が設けられている。主コントローラ201には、ポート213に対応するOSがインストールされている。また、主コントローラ201は、図示しない外部の上位コンピュータと、例えば通信ネットワークを介して接続される。このため、基板処理装置1がクリーンルーム内に設置されている場合であっても上位コンピュータがクリーンルーム外の事務所等に配置されることが可能である。
【0052】
表示制御部216は、例えばビデオケーブルにより表示部としての表示装置218に接続されている。表示装置218は、例えば液晶表示パネルである。表示装置218には基板処理装置1を操作するための各操作画面が表示されるように構成されている。表示装置218は、基板搬送系211Aや基板処理系の状態を確認するための画面を有し、また、操作画面には、基板搬送系211Aや基板処理系(加熱機構212A、ガス排気機構212B及びガス供給系212C)への動作指示を入力したりする入力部としての各操作ボタン(システムコマンドボタン、又はPMコマンドボタンともいう)を設けることも可能である。表示制御部216は、操作画面を介して基板処理装置100内で生成される情報を表示装置218に表示させる。また、表示装置218に表示された情報を主コントローラ201に挿入されたUSBメモリなどのデバイスに出力させる。表示制御部216は、表示装置218に表示される操作画面からの作業者の入力データ(入力指示)を受け付け、入力データを主コントローラ201に送信する。また、表示制御部216は、後述のメモリ(RAM)等に展開されたレシピ若しくは後述する記憶部に格納された複数のレシピのうち任意の基板処理レシピ(プロセスレシピともいう)を実行させる指示(制御指示)を受け付け、主コントローラ201に送信するようになっている。なお、表示制御部216及び入力部と表示装置218はタッチパネルにより構成されていてもよい。又、副表示制御部217及び副表示装置219も上記表示制御部216及び表示装置218と同様な構成である。ここで、表示制御部16と副表示制御部17は主コントローラ201と別体で記載されているが、主コントローラ201に含む構成でもよい。以後、主コントローラ201と、表示制御部216と、表示装置218を少なくとも含む構成を操作部、主コントローラ201と、副表示制御部217と、副表示装置219を少なくとも含む構成を副操作部と記載する場合がある。
【0053】
搬送系コントローラ211は、主に回転式ポッド棚11,ボートエレベータ32、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)15、ウェーハ移載機構(基板移載機構)24、ボート26及び回転機構(図示せず)により構成される基板搬送系211Aに接続されている。搬送系コントローラ211は、回転式ポッド棚11,ボートエレベータ32、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)15、ウェーハ移載機構(基板移載機構)24、ボート26及び回転機構(図示せず)の搬送動作をそれぞれ制御するように構成されている。
【0054】
プロセス系コントローラ212は、温度コントローラ212a、圧力コントローラ212b及びガス供給流量コントローラ212c、シーケンサ212d、濃度検出器252を備えている。温度コントローラ212a、圧力コントローラ212b及びガス供給流量コントローラ212c、シーケンサ212d、濃度検出器252はサブコントローラを構成し、プロセス系コントローラ212と電気的に接続されているため、各データの送受信や各ファイルのダウンロード及びアップロード等が可能となっている。尚、プロセス系コントローラ212とサブコントローラは、別体で図示されているが、一体構成でも構わない。
【0055】
温度コントローラ212aには、主にヒータ及び温度センサにより構成される加熱機構212Aが接続されている。温度コントローラ212aは、処理炉28のヒータの温度を制御することで処理炉28内の温度を調節するように構成されている。なお、温度コントローラ212aは、サイリスタのスイッチング制御を行い、ヒータ素線に供給する電力を制御するように構成されている。
【0056】
圧力コントローラ212bには、圧力センサと、圧力バルブとしてのAPC (Auto
Pressure Controll) バルブ及び真空ポンプにより構成されるガス排気機構212Bが接続されている。圧力コントローラ212bは、圧力センサにより検知された圧力値に基づいて、処理室29内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、APCバルブの開度及び真空ポンプのスイッチング(オンオフ)を制御するように構成されている。
【0057】
ガス流量コントローラ212cは、MFC(Mass Flow Controller)により構成される。シーケンサ212dは、処理ガス供給管,パージガス供給管からのガスの供給や停止を、バルブ212Dを開閉させることにより制御するように構成されている。また、プロセス系コントローラ212は、処理室29内に供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるように、ガス流量コントローラ212c(MFC)、及びシーケンサ212d(バルブ212D)を制御するように構成されている。
【0058】
濃度検出器252は、ガスクリーニング時に生成される反応ガスの濃度を検知するように構成されている。そして、プロセス系コントローラ212は、この濃度検出器252が検知する信号を取得し、取得した信号から得られるガス濃度の挙動によりクリーニングの終了判定を行うように構成されている。ここで、濃度検出器252は、例えば、非分散型赤外線分析計(NDIR(Non-Dispensive InfraRed))または、フーリエ変換赤外分光法(FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy))を利用して、排ガス中から所定のガスを検出することが可能な濃度検出器である。尚、所定のガスは、本発明の実施の形態においては、四フッ化ケイ素(SiF)である。
【0059】
尚、本発明の実施の形態にかかる主コントローラ201、搬送系コントローラ211、プロセス系コントローラ212は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、USBなど)から当該プログラムをインストールすることにより、所定の処理を実行する各コントローラを構成することができる。
【0060】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、所定の処理を実行することができる。
【0061】
次に、主コントローラ14のブロック構成を、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置100の制御装置としての装置コントローラ240が備える主コントローラ201のブロック構成図である。
【0062】
主制御部としての主コントローラ201は、処理部としてのCPU(中央処理装置)224、一時記憶部としてのメモリ(RAM、ROM等)226、記憶部としてのハードディスク(HDD)222、通信部としての送受信モジュール228、時計機能を有する時刻部(図示せず)を備えたコンピュータとして構成されている。
【0063】
ハードディスク222には、処理条件及び処理手順が定義されたレシピ等の各レシピファイル、これら各レシピファイルを実行させるための制御プログラムファイル、処理条件及び処理手順を設定するためのパラメータファイル、また、エラー処理のプログラムファイル及びエラー処理のパラメータファイルの他、各種画面ファイル、各種アイコンファイル等(いずれも図示せず)が格納されている。なお、主コントローラ201の送受信モジュール228には、表示制御部216及びスイッチングハブ215等が接続され、主コントローラ201は、ネットワークを介して外部のコンピュータ等とデータの送信及び受信を行うように構成されている。
【0064】
また、図4に示すように、主コントローラ201は、CPU224及びメモリ226などを少なくとも含む制御部220と、ネットワークを介して外部のコンピュータなどとデータの送信及び受信を行う通信部228と、ハードディスクドライブなどの記憶部222の他、液晶ディスプレイなどの表示装置並びにキーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含むユーザインタフェース(UI)装置218を含む構成でも構わない。また、制御部220は、更に通信部228を含む構成としても良い。
【0065】
また、主コントローラ201は、図示しないネットワークを介して外部のホスト装置等に対して基板処理装置本体111の状態などを送信する。基板処理装置本体111は、例えば基板に酸化並びに拡散処理及びCVD処理などを行なう縦型の装置である。尚、基板処理装置本体111は、例えば記憶部222記憶されている運転レシピ、制御パラメータ等に基づいて、装置コントローラ240により制御される。
【0066】
図5には、プロセス系コントローラ212の詳細が記載されている。また、図示しないが搬送系コントローラ211も同様な構成である。
【0067】
図5に示されるように、プロセス系コントローラ212は、処理部としてのCPU236を有するとともに、ROM(read-only memory)250、及びRAM(random-access memory)251を少なくとも含む一時記憶部と、温度制御部212a、MFC212c、圧力制御部212b、シーケンサ212d及び濃度検出器252等とのI/O通信を行なうI/O通信部255を少なくとも有する。CPU236は、例えば、表示装置218の操作画面等で作成又は編集され、RAM251等に記憶されているレシピに基づいて、基板を処理するための制御データ(制御指示)を温度制御部212a等に対して出力する。
【0068】
ROM250又はRAM251には、シーケンスプログラム、複数のレシピや操作部としての表示装置218等から入力される入力データ(入力指示)、レシピのコマンド及びレシピ実行時の履歴データ等が格納される。このように、ROM250又はRAM251は基板を処理する手順が記載されているレシピを記憶する記憶部としても用いられる。入力指示は、表示装置218に表示される操作画面から、副表示装置219に表示される副操作画面から、又は外部の表示装置に表示される操作画面からなされる。また、入力指示は、レシピを実行させる指示のほか、各ユーザの操作権限を設定する指示などがその一例として挙げられるが、これに限定されない。尚、プロセス系コントローラ212には、ハードディスクドライブ(HDD)等により実現される記憶部(不図示)が含まれてもよく、この場合、該記憶部には、RAM251に格納されるデータと同様のデータが格納されるようにしても良い。
【0069】
温度制御部212aは、上述した処理炉28の外周部に設けられたヒータにより処理炉28内の温度を制御する。ガス制御部としてのMFC(マスフローコントローラ)212cは、処理炉28のガス配管に設けられ、処理炉28内に供給する反応ガス等の供給量を制御する。シーケンサ212dは、処理ガス供給管,パージガス供給管に設けられたバルブ212Dを開閉させることにより、所定のガスの供給や停止を制御する。また、プロセス系コントローラ212は、処理室29内に供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるように、ガス流量コントローラ212c(MFC)、シーケンサ212d(バルブ212D)を制御するように構成されている。一方、圧力制御部212bは、処理炉28の排気配管に設けられた圧力センサ246の出力値に基づいてAPCバルブ242の開度を制御することにより処理炉28内の圧力を制御する。
【0070】
本実施の形態において、濃度検出器252は、反応炉28内のクリーニングを実行したときの所定の反応ガスを検知する赤外センサとしてのNDIR252aと、このNDIR252aからの信号を検出する制御ユニット252bにより少なくとも構成される。
【0071】
濃度検出器252は、メンテナンス用レシピのうちクリーニングレシピが実行して処理炉28内をクリーニングしたときに発生する所定のガス濃度を赤外線センサとしてのNDIR252aにより測定し、測定されたガス濃度から信号を制御ユニット252bにより検出する。制御ユニット252bは、この検出された信号をクリーニング処理終了判定信号としてプロセス系コントローラ212へ送信する。プロセス系コントローラ212は、この判定信号の挙動からクリーニング終了判定を行うように構成されている。尚、NDIR252aと制御ユニット252bは一体構造でも良いのは言うまでもない。以後、本実施の形態において、濃度検出器252を単にNDIR252と記載する場合がある。
【0072】
本実施形態における基板処理装置1においては、ファイルの種類毎に、ユーザ(作業者)の操作権限が設定される。例えば、種々のレシピファイルのうちプロセスレシピについていえば、プロセスレシピに対する操作権限が編集可能に設定された場合、登録されたユーザは、プロセスレシピ(ファイル)の参照、編集を行なうことができる。また、サブレシピ及びメンテナンス用レシピについても同様にユーザ(作業者)の各レシピファイルに対する操作権限が設定される。ここで、権限が編集可で登録されたユーザは、サブレシピ及びメンテナンス用レシピに関するデータについて、操作画面上で参照及び編集を行うことができる。
【0073】
例えば、プロセスレシピは、表示部としての表示装置218の操作画面上でユーザの操作により作成または編集して保存されると、スイッチングハブ215を介してプロセス系コントローラ212の送受信処理部(図示せず)に送信され、ROM250に格納される。若しくは、記憶部222に格納される。この場合、プロセスレシピを含む各ファイルが、記憶部222に格納しても良い。また、ROM250及びRAM251に格納されるデータと同様のデータが格納しても良いのは言うまでもない。
【0074】
そして、表示装置218の操作画面を介して入力部により、レシピを設定する為のデータや該レシピに対するユーザ(作業者)の操作権限等のデータ(入力データ)が入力されると、該入力データ(入力指示)は、一時記憶部としてのメモリ226に格納されると共に表示制御部216を介して操作画面に表示される。さらにスイッチングハブ215を介してプロセス系コントローラ212の送受信処理部に送信される。
【0075】
CPU236は、該入力データをRAM251に格納し、例えばROM250に格納されたレシピや該レシピに対するユーザ(作業者)の操作権限等の設定入力を確定させる。また、CPU236は、制御プログラムを起動し、該制御プログラムに従って、例えばRAM251に格納されたレシピのコマンドを呼び込み実行することで、ステップが逐次実行され、I/O通信部255を介して温度制御部212a、流量制御部212c、圧力制御部212bに対して基板を処理するための制御指示を送信する。
【0076】
このように、温度制御部212a等のサブコントローラは、プロセス系コントローラ212からの制御指示に基づいて基板処理装置1の各構成部品(ヒータ、温度センサ263、圧力バルブ242、圧力センサ246及びバルブ212D等)の制御を行なう。これにより、上述したウェーハ18の処理が行われる。
【0077】
本実施形態に係る基板処理装置1においては、メンテナンス用レシピのうちクリーニングレシピがプロセスレシピと同様に、上記制御プログラムに従って実行されるように構成される。また、クリーニングレシピの実行中に、サブレシピが所定のコマンドにより呼び込まれ実行されるように構成される。これらクリーニングレシピ及びサブレシピの操作画面上での設定に関しては後述する。
【0078】
(基板処理方法)先ず、本実施形態に係る基板処理装置1を用いて実施する基板処理方法について説明する。ここでは、半導体デバイスの製造工程の一工程である基板処理工程を実施する場合を例に挙げる。
【0079】
基板処理工程の実施にあたって、先ず、実施すべき基板処理に対応する基板処理レシピ(プロセスレシピ)が、例えば、一時記憶部としてのROM250から読み出され、主コントローラ201内のRAM251等のメモリに展開される。そして、必要に応じて、主コントローラ201からプロセス系コントローラ212や搬送系コントローラ211へ動作指示が与えられる。このようにして実施される基板処理工程は、大別すると、移載工程と、搬入工程と、成膜工程と、ボート移送工程と、搬出工程とを有する。
【0080】
(移載工程) 主コントローラ41からは、搬送系コントローラ110に対して、ウェーハ移載機構24の駆動指示が発せられる。そして、搬送系コントローラ110からの指示に従いつつ、ウェーハ移載機構24は載置台としての授受ステージ21上のポッド9からボート26へのウェーハ18の移載処理を開始する。この移載処理は、予定された全てのウェーハ18のボート26への装填(ウエハチャージ)が完了するまで行われる。
【0081】
(搬入工程) 指定枚数のウェーハ18がボート26に装填されると、ボート26は、搬送系コントローラ110からの指示に従って動作するボートエレベータ32によって上昇されて、処理炉28のインナーチューブ内に形成される処理室29に装入(ボートロード)される。ボート26が完全に装入されると、ボートエレベータ32のシールキャップ34は、処理炉28のマニホールドの下端を気密に閉塞する。
【0082】
(成膜工程) その後は、処理室29内は、圧力制御部212bからの指示に従いつつ、所定の成膜圧力(真空度)となるように真空排気装置によって真空排気される。この際、処理室29内の圧力は圧力センサ246で測定され、この測定された圧力情報に基づき圧力調整装置がフィードバック制御される。また、処理室29内は、温度制御部212aからの指示に従いつつ、所定の温度となるようにヒータによって加熱される。この際、処理室29内の温度が所定の温度(成膜温度)となるように、温度検出器としての温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータへの通電具合がフィードバック制御される。続いて、搬送系コントローラ211からの指示に従いつつ、回転機構によるボート26及びウェーハ18の回転を開始する。
【0083】
例えば、処理室29内が所定の成膜温度、所定の成膜圧力に維持された状態で、シリコン含有ガスの処理室29内への供給が開始される。このとき、処理室29内へ供給されるNガスは、成膜ガス(例えば、SiHClガス)を希釈する希釈ガスとして、或いは処理室101内への拡散を促すキャリアガスとして機能する。Nガスの供給流量を制御することで、成膜ガス(SiHClガス)の濃度や拡散速度を制御することができる。
【0084】
処理室29内に供給された成膜ガス(SiHClガス)は、処理室29内を通過する際にウェーハ18の表面と接触する。この際、ウェーハ18表面上に薄膜、すなわちシリコン膜(以下、単にSi膜とも呼ぶ)が堆積(デポジション)される。予め設定された処理時間が経過し、所定の膜厚のシリコン膜が成膜されたら、バルブが閉じられ、処理室29内への成膜ガス(SiHClガス)の供給が停止される。
【0085】
そして、処理室29内へのNガスの供給を継続しつつ、処理室29内を排気することで、処理室29内をパージする。処理室29内の雰囲気がNガスに置換されたら、圧力調整部としての圧力バルブ242の開度を調整して処理室29内の圧力を常圧に復帰させる。また、ヒータへの通電を停止し、処理室29内の温度を所定の温度(ウエハ搬出温度)に降温させる。尚、圧力バルブ242はAPCバルブであっても良い。
【0086】
(搬出工程) ボート26に対する成膜工程が完了すると、搬送系コントローラ211からの指示に従いつつ、その後、回転機構によるボート26及びウェーハ18の回転を停止させ、ボートエレベータ32によりシールキャップ34を下降させてマニホールドの下端を開口させるとともに、処理済のウェーハ18を保持したボート26を処理炉28の外部に搬出(ボートアンロード)する。
【0087】
そして、処理済のウェーハ18を保持したボート26は、クリーンユニット35から吹出されるクリーンエア36によって極めて効果的に冷却される。そして、例えば150℃以下に冷却されると、ボート26から処理済のウェーハ18を脱装(ウエハディスチャージ)してポッド9に移載した後に、新たな未処理ウェーハ18のボート26への移載が行われる。
【0088】
以上のような各工程を繰り返すことで、本実施形態に係る基板処理装置1は、ウェーハ18上へのシリコン膜の形成を、高スループットで行うことができる。
【0089】
また例えば、シリコン含有ガスとしてジクロルシラン(SiHCl)ガスを例示したが、本発明は係る形態に限らず、例えば、モノクロロシラン(SiHCl、略称:MCS)、ヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)、テトラクロロシラン(SiCl、略称:STC)、トリクロロシラン(SiHCl、略称:TCS)等の他のクロロシラン系や、トリシラン(Si、略称:TS)、ジシラン(Si、略称:DS)、モノシラン(SiH、略称:MS)等の無機原料や、アミノシラン系のテトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH、略称:4DMAS)、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH、略称:3DMAS)、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C、略称:2DEAS)、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH[NH(C)]、略称:BTBAS)などの有機原料を用いることができる。
【0090】
(基板処理装置の保守方法) 上述した成膜工程は、ウェーハ18上への膜形成を目的とするが、実際には、ウェーハ18以外、例えば処理室29を構成する反応管やボート26等に対しても膜が形成されてしまう。形成された膜が厚く堆積すると、加わる応力が増大して割れが生じ、処理室29内に異物(パーティクル)を発生させることがある。そこで、本実施形態に係る基板処理装置1は、上述の成膜工程を繰り返すことで処理室29内等に堆積した膜の厚さが所定の厚さに到達したら、処理室29内等を保守(メンテナンス)するための保守工程として、以下に述べるようなクリーニング工程を実施する。
【0091】
(クリーニング工程) クリーニング工程は、処理室29内等に付着した堆積物(累積した薄膜)の厚さが、堆積物に剥離・落下が生じる前の所定の厚さに達した時点で、その実施が開始される。累積膜厚が所定厚さに達したか否かは、例えば、反応管としてのプロセスチューブによって形成される処理室29内に累積された累積膜厚値、例えば処理室29を成膜工程に使用した使用回数や使用時間等から類推される膜厚推定値に基づいて判断することが考えられる。
【0092】
つまり、プロセスチューブ等の累積膜厚値、使用回数、使用時間から選択される少なくとも一つの設定パラメータを用いて、その設定パラメータを所定閾値と比較することにより、メンテナンス時期であるか否かが主コントローラ201によって判定される。メンテナンス時期と判定されると、実行中のプロセスレシピはそのまま正常終了させるように構成されるが、次にバッチ処理するためのプロセスレシピは実行されないように構成される。
【0093】
クリーニング工程の実施にあたって、主コントローラ201では、プロセスレシピではなく実施すべきクリーニングのためのメンテナンス用レシピが、例えば、一時記憶部206から読み出され、主コントローラ201内のRAM等のメモリに展開される。そして、必要に応じて、主コントローラ201からプロセス系コントローラ212や搬送系コントローラ211へ動作指示が与えられる。これにより、クリーニング工程が実施されることになる。
【0094】
クリーニング工程を実施する場合は、例えば炉口シャッタ31により、マニホールドの下端開口を気密に閉塞しておく。そして、処理室29内が所定のクリーニング圧力(真空度)となるように真空排気装置によって真空排気するとともに、処理室29内が所定のクリーニング温度となるようにヒータによって加熱する。その後は、処理室29内が所定のクリーニング温度、所定のクリーニング圧力に維持された状態で、クリーニングガスを処理室29内へ供給する。
【0095】
処理室29内に供給されたFガスは、処理室29内を上昇し、インナーチューブの上端開口から筒状空間内に流出し、筒状空間内を流下した後、排気管から排気される。Fガスは、処理室29内を通過する際に、処理室29内に累積したシリコン膜等と接触し、熱化学反応によりシリコン膜等を除去する。すなわち、加熱されて活性化したFガスはエッチング種となり、処理室29内に累積したシリコン膜等をエッチングして除去する。シリコン膜等の除去が完了したら、処理室29内へのFガスの供給を停止する。ここで、シリコン膜の除去の完了の判定、つまり、クリーニング終了の判定(クリーニング終了判定工程)に関しては後述する。
【0096】
例えば、クリーニングガスとしてフッ素(F)ガスを例示したが、これに限らず、例えば、フッ化水素(HF)ガス、三フッ化塩素(ClF)ガス、三フッ化窒素(NF)ガス等のフッ素(F)や塩素(Cl)等のハロゲンを含むハロゲン含有ガスを用いても良く、またこれらを組み合わせて用いても良い。
【0097】
このとき、クリーニングガス(例えば、Fガス)を希釈する希釈ガスとして、或いは処理室29内への拡散を促すキャリアガスとして、Nガスを供給しても良い。これにより、Nガスの供給流量を制御することで、Fガスの濃度や拡散速度を制御することができる。
【0098】
また、クリーニングガス(例えば、Fガス)に添加する添加ガスとして、一酸化窒素(NO)ガスを供給しても良い。このような、添加ガスは、クリーニングガスによるエッチング速度を向上させるために用いられる。その他、酸素(O)ガス、水素(H)ガス等が添加ガスとして用いられる。
【0099】
(メンテナンス用レシピ実行制御)次に、図6図8により、本実施の形態におけるクリーニングレシピの設定から実行までを説明する。まず、図6(a)は、本実施形態における基板処理装置の保守情報表示画面の図示例である。図6(a)の保守情報表示画面には、項目番号、メンテナンス名称、メンテナンス項目、現在値、第一設定値、第二設定値、単位、メンテナンス処理がそれぞれ項目(アイテム)として表示されている。
【0100】
項目番号は、ボタン(アイコン)となっていて、押下されると、後述する図6(b)のメンテナンス設定画面へ移行するように構成されている。メンテナンス名称は適宜付けられるように構成されている。メンテナンス項目は、膜厚値の他、非稼動時間なども設定できるように構成されている。第一設定値はクリーニング周期を指定する閾値である。現在値がこの第一設定値に到達すると、所定のメンテナンス処理が行われるように構成されている。第二設定値はメンテナンス限界値である。現在値がこのメンテナンス限界値に到達したとき、メンテナンスでの復旧処理(基板処理を行える状態への回復)が不可能な状態にあると判定され、即座に装置停止されるよう構成されている。
【0101】
メンテナンス処理は、現在値が第一設定値に到達したときのメンテナンス処理が設定される。そして、項目番号(ボタン)の所定の番号が選択され、押下されると、図6(a)の保守情報表示画面上に図6(b)のメンテナンス項目設定画面がポップアップ表示されるよう構成される。尚、図6(a)の保守情報表示画面から図6(b)のメンテナンス項目設定画面に切替表示するように構成しても良い。また、項目番号毎に図6(b)のメンテナンス項目設定画面が表示されるように構成されている。
【0102】
図6(b)のメンテナンス項目設定画面は、図6(a)の保守情報表示画面上で項目番号(ボタン)の18番(No.18)が押下された場合の画面を示す。先ず、図6(b)のメンテナンス項目設定画面は、図6(a)の項目番号に相当するテーブル番号に数字で18と表示される。図6(b)のメンテナンス項目設定画面では、メンテナンス項目情報、現在値情報、スケジューリング開始値情報、メンテナンスリミット値情報の4項目が画面上で設定可能なように表示され、図6(b)のメンテナンス項目設定画面は、図6(a)で表示される項目のそれぞれに対応して表示されている。
【0103】
具体的には、メンテナンス項目情報は、メンテナンス名称を任意に変更可能に構成されている。また、現在のメンテナンス項目としてレシピ膜厚値(ステップ指定)が設定されている。次に、現在値情報は、現在値(モニタ値)を変更可能に構成されている。
【0104】
第一設定値としてのスケジューリング開始値情報では、第一設定値の変更、現在値(モニタ値)が第一設定値に到達したときのメンテナンス処理の変更、及び現在値(モニタ値)が第一設定値に到達したにアラームを発生するか否かの設定が可能に構成されている。尚、現在の第一設定値は、20000nm(20μm)であり、膜種や用途などによって適宜修正される。ここで、第一設定値を超えた場合、所定のメンテナンス用レシピが実行される。
【0105】
第二設定値としてのメンテナンスリミット値情報では、第二設定値の変更のみが可能に構成されている。また、第二設定値に到達したときの処理(メンテナンス処理)が設定されている。この図6(b)では、ジョブ実行禁止が設定されており、例えば、現在のレシピを終了したときに、次のレシピを実行することができないように構成されている。
【0106】
ここで、現在の第二設定値は、25000nm(25μm)であり、第一設定値と同様に膜種や用途などによって適宜修正される。尚、この第二設定値を超えた場合、メンテナンス用レシピを含む全てのレシピ実行が禁止され、ボート26交換等の保守作業が行われ、処理炉28内が大気開放される。
【0107】
図6(b)に示すメンテナンス項目設定画面上の操作について説明する。例えば、メンテナンス項目情報のメンテナンス名称のセル(図にはLV1-Checkの表示)が選択されると、選択されたセルが有効となり、手入力で入力可能に構成される。若しくは、このメンテナンス名称セルが選択されると、所定の入力画面または所定の選択画面が表示されるように構成される。
【0108】
そして、セルに直接所定のメンテナンス名称を手入力するか、所定の入力画面または所定の選択画面上でセルに表示されるメンテナンス名称が選択されることにより、メンテナンス名称の編集を行う。同様に、スケジューリング開始値情報のメンテナンス処理セル(図にはメンテナンスジョブ自動スタートの表示)及びアラーム発生有無セル(図にはアラーム無しの表示)の編集が行われる。
【0109】
次に、現在値情報は、現在値変更(ボタン)が押下されると、所定の数値入力画面が表示され、その数値入力画面上で所定の数値を入力することにより、セルの編集が可能である。また、スケジューリング開始値情報の第一設定値としてのスケジューリング開始値セル(図には200の表示)、または、メンテナンスリミット値情報の第二設定値としてのメンテナンスリミット値セル(図には250の表示)の編集についても、それぞれ同様に、各セルが選択されると、所定の数値入力画面が表示され、その数値入力画面上で所定の数値を入力することにより、セルの編集が可能である。
【0110】
そして、メンテナンス項目情報、現在値情報、スケジューリング開始値情報、メンテナンスリミット値情報のそれぞれの情報について編集が終了すると、OKボタンを押下して更新を確立すると共に、図6(a)の保守情報表示画面に戻る。また、キャンセルボタンが押下されると、図6(b)に示すメンテナンス項目設定画面上での編集作業が破棄されて、図6(a)の保守情報表示画面に戻る。
【0111】
図7は、プロセスレシピのステップを設定するステップ設定画面の図示例である。このステップ設定画面で指定されたステップのステップ時間を利用して現在値が計算されるように構成されている。図7では、ステップ2でのエッチングが計算されるように構成されている。
【0112】
図8は、メンテナンス用レシピを設定するレシピ設定画面の図示例である。このレシピ設定画面では、少なくとも現在値が第一設定値としてのスケジューリング開始値に到達した際、実行されるメンテナンス用レシピであるクリーニングレシピが設定されるように構成されている。
【0113】
そして、図6から図8までの設定画面における各設定が終了すると、所定の現在値(累積膜厚値)が所定の閾値(第一設定値)に到達したら自動的にクリーニングレシピが実行されるように構成される。更に、図9以降で説明する設定を行うことで、本発明におけるクリーニング終了判定が実現されるように構成されている。
【0114】
(サブレシピ実行設定) 図9は、クリーニング処理を実行するサブレシピを設定するコマンド設定画面の図示例である。このコマンド設定画面は、クリーニング終了判定を検知するための検出信号に関する設定(図には終点検知アイテムの表示)と、クリーニング周期に利用しているメンテナンス項目の指定及び自動終点判定のための計算定数の設定(図にはコマンド仕様の表示)と、自動終点判定不可時のエラー処理の設定(図にはエラー処理の表示)と、がそれぞれ画面上で設定可能なように構成されている。
【0115】
クリーニング終了判定用の検出信号を取得するための項目(アイテム)は、温度、ガス、圧力を含む制御パラメータ、及びAUX(Auxiliary)等の予備パラメータを含むパラメータ種別(図には終点検知ポート種別の表示)及び検出信号を示す番号(図には終点検知ポートの表示)により設定される。この検出信号は、赤外センサ252aを用いた所定ガスの濃度を検出する濃度検出器252からの検出信号が指定される。
【0116】
次に、上述のコマンド仕様は、メンテナンス項目(図には膜厚メンテナンス項目No.(番号)の表示)と、最大サイクル数算出係数を含む。ここで、メンテナンス項目には、前述した図6(a)の保守情報表示画面の項目番号及びメンテナンス項目が設定されており、この項目番号及びメンテナンス項目に相当する累積膜厚値(図6(a)の保守情報表示画面の現在値)が計算定数として利用される。
【0117】
この係数は、最小サイクル回数の算出に用いられる。また、他の計算定数として最大サイクル数算出係数が設定される。この係数は、最大サイクル回数の算出に用いられる。次に、終点判定不可時のエラー処理は、最大サイクル回数に到達した時(図には最大サイクル回数到達時の表示)の動作が設定される。図9には、次の基板処理が禁止(次JOB停止)されるように指定されている。尚、最小サイクル回数及び最大サイクル回数については後述する。
【0118】
図10は、図9で設定したコマンドにより実行されるサブレシピのパラメータを設定するサブレシピ設定画面である。この設定画面では、少なくとも1回のクリーニング処理(サブレシピ)実行で除去できる推定膜厚量が設定されるように構成されている。
【0119】
具体的には、マイナスの値を入力することで除去することが示される。ここで設定された膜厚値(マイナスの値)は、最小サイクル回数の算出に用いられる。尚、最小サイクル回数については後述する。また、図示しないが図10において、所定のクリーニングガス流量、温度、圧力等の制御パラメータがプロセスレシピの各ステップでの設定と同様に設定される。本実施の形態においては、サブレシピは、少なくともガスクリーニング(エッチング処理)及びガス排気(排気工程)を実行するよう各ステップが設定可能に構成されている。
【0120】
一例を示すと、ガスクリーニング処理条件は、クリーニングガスとしてフッ素(F)ガス2slm、添加ガス8slm、希釈ガス(N) ガス1slm、圧力6000Pa、温度300℃であり、この後、スロー排気(S.P)が666(Pa/S)で50(秒)及びメイン排気(M.P)がバルブフルオープンの状態で10(秒)行われる。尚、図10に示されるように画面構成もプロセスレシピの各ステップの構成と同様である。
【0121】
図11は、クリーニング終了判定信号の指定を説明するための図である。クリーニングの終了判定はサブレシピの実行制御により実施されるので、このサブレシピを実行するために、レシピ上のコマンド指定欄で設定されるように構成される。尚、コマンド指定欄を選択されると、コマンド選択画面が表示される。表示形式は、切替表示でもポップアップ画面表示でも構わない。そして、コマンド選択画面にて、終了判定で使用するコマンドを選択(サブレシピボタンを押下)し、詳細ボタンを押下すると、選択したコマンドの詳細を設定するための設定画面が表示される。
【0122】
この設定画面では、終点検知を行う項目(アイテム)と安定上限値、安定下限値、安定サイクル回数が表示される。ここで、安定上限値、安定下限値、安定サイクル回数がそれぞれ設定可能に構成されている。安定上限値及び安定下限値はそれぞれ所定の数値が設定され、安定下限値は、基本的には0が指定される。また、安定サイクル回数は、最大サイクル回数を算出するのに使用される数値である。
【0123】
上述のように、図9から図11までのそれぞれの設定画面での詳細設定が終了されると、クリーニングの終了判定を適切に行うことが可能な本実施の形態におけるクリーニング処理が実現可能となる。尚、クリーニングレシピもプロセスレシピと同様に、主コントローラ201からプロセス系コントローラ212や搬送系コントローラ211に動作指示が与えられ、実施される。
【0124】
(サブレシピ実行制御)次に、図12を用いて、図6から図11までのそれぞれの画面で設定された内容に応じて実行される本実施の形態におけるクリーニングレシピを実行するためのフローチャートについて説明する。図12(a)は、本実施の形態におけるクリーニングレシピの概要とそのフローを説明する図である。また、図12(b)は、クリーニングレシピが呼び出すサブレシピのフローチャートを示す図である。
【0125】
尚、本実施の形態において、実質的にサブレシピがクリーニング処理を実行するように構成され、クリーニングが終了されるまでサブレシピを繰り返し実行することにより累積膜厚を除去する処理が繰り返し行われるようになっている。また、クリーニングレシピが、ボートロードステップ及びボートダウンステップを有するが、この形態に限定されず、少なくともクリーニング処理ステップがあればよい。更に、本実施の形態のように、後述するサブレシピを実行中に、濃度検出器252から送信される終点検知判定用の信号を取得できるので、NDIRゼロ点調整ステップがあるのが好ましい。但し、NDIRゼロ点調整ステップは、例えば、後述する所定回数としての最小ループ回数(最小サイクル回数)サブレシピを実行した後、濃度検出器252から送信される終点検知判定用の信号を取得すればよいため、省略しても構わない。
【0126】
図12(a)に示すように、クリーニングレシピは、ボートロードステップと、圧力調整ステップと、NDIRゼロ点調整ステップと、クリーニングステップと、ボートダウンステップと、を少なくとも含む構成となっている。そしてクリーニングステップでは、サブレシピを複数回(N回)繰り返し実行させるように構成されている。また、サブレシピは、ガスクリーニング(エッチング処理)工程と、排気工程とを少なくとも含む構成であればよい。
【0127】
図12(b)は、サブレシピの実行制御フローを示す。先ず、プロセス系コントローラ212は、クリーニングレシピを実行中に、コマンド設定されている所定のステップにて、最小ループ回数(最小サイクル回数)に到達するまで繰り返しサブレシピを呼び出し、実行させる。尚、濃度検出器252から送信される終点検知判定用の信号値の取得が、サブレシピ実行と共に開始される。
【0128】
サブレシピの実行回数が、最小ループ回数(最小サイクル回数)に到達すると、濃度検出器252から送信される終点検知判定用の信号値が、サブレシピの終了後、予め設定された安定下限値と安定上限値の範囲内を確認する。尚、この終了検知判定用の信号値が、所定の閾値(安定上限値)以下に到達していない場合は、再度サブレシピが実行されて、この信号値の監視を継続する。但し、所定の閾値(安定上限値)以下に到達していない場合、エラーとしてサブレシピからクリーニングレシピに戻り、クリーニングレシピを終了させるようにしてもよい。
【0129】
そして、この終了検知判定用の信号値が、所定の閾値(安定上限値)以下に到達しているのを確認後、サブレシピを実行している間(サブレシピの開始から終了までの間)、前記信号値の最大値及び最小値が前記安定下限値と前記安定上限値の範囲内であれば、連続安定サイクル数及び実行回数(総ループ回数)を算出する。
【0130】
そして、連続安定数が安定サイクル数以下で、サブレシピの実行回数(総ループ回数)が最大ループ回数(最大サイクル回数)以下であれば、サブレシピを再実行する。一方、サブレシピの実行回数(総ループ回数)が最大ループ回数(最大サイクル回数)を超えていれば、終点検知不可のアラームを発生して、サブレシピを終了して、クリーニングレシピに戻る。
【0131】
また、連続安定数が安定サイクル数以上で、サブレシピの実行回数(総ループ回数)が最大ループ回数(最大サイクル回数)以下であれば、サブレシピを終了してクリーニングレシピに戻る。一方、サブレシピの実行回数(総ループ回数)が最大ループ回数(最大サイクル回数)を超えていれば、終点検知不可のアラームを発生して、サブレシピを終了して、クリーニングレシピに戻る。
【0132】
次に、クリーニングレシピに戻ると、プロセス系コントローラ212は、クリーニングレシピの次のステップに移行して実行する。そして、プロセス系コントローラ212は、ステップを実行し、クリーニングレシピを終了させる。
【0133】
ここで、サブレシピにおける終点判定不可アラームが発生していた場合、クリーニングレシピは異常終了となり、次レシピの実行が不可となる。但し、図12(b)に示すように次レシピの実行に関して任意に指定させるように構成しても良い。
【0134】
このように、本実施の形態では、クリーニングレシピを実行する際、サブレシピを実行制御することにより、装置を構成する構成部品をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムとしての機能を実現できる。また、このサブレシピを実行制御することにより、クリーニングガスを給排して、前記構成部品に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号(本実施の形態における終了検知判定用の信号)が、所定の閾値(本実施の形態における安定上限値)に到達後、所定の上下限値の範囲(本実施の形態における安定上限値と下限安定値の範囲)内に所定期間収まるように制御することができる。
【0135】
図13を用いて、本願発明におけるクリーニング終了判定について説明する。尚、図13は、表示装置218の操作画面上に表示するように構成しても良い。
【0136】
図13は、クリーニング終了を検出するために予め設定された濃度検出器252が検出した検出信号の時系列グラフである。波形の上にある数値は、クリーニング処理実行回数を示し、実質的に、サブレシピの実行回数である。つまり、本実施形態においては、サブレシピが9回実行されたことを示している。波形の一つの山がサブレシピの開始から終了までを表している。
【0137】
ここで、図13では理解を高めるためにクリーニング処理実行回数を表示しているが、実際の表示装置210では、表示していなくても良い。尚、最大サイクル回数(10回)前に終点検知が終了しているので、正常にクリーニング終了判定が行われたことを示している。
【0138】
最小サイクル回数は、累積膜厚(図6(a)で示されるメンテナンス項目のうち、現在値で示される数値)からサブレシピを1回実行したときに除去できる膜厚(図10のサブレシピ設定画面上で示される膜厚値に設定した数値)を割った数値である。最大サイクル回数は、最小サイクル回数に計算定数(図9で予め設定された最大サイクル数算出係数の値)をかけて、予め図11で設定した安定サイクル回数の値を加えた数値である。これら、最小サイクル回数及び最大サイクル回数は、本サブレシピが実行開始時に自動的に計算されるように構成されている。
【0139】
最小サイクル回数分、サブレシピが繰返し実行された後、濃度検出器252から送信される検出信号(終了検知判定用の信号)が所定の値(本実施の形態によれば安定上限値)以下に安定しているかの確認が行われる。つまり、本実施の形態によれば、検出信号の値が安定上限値と安定下限値の範囲内に収まったら、次の回数から終点判定される。図13では、サブレシピが5回終了した時点から実行されているのが分かるので、最小サイクル回数が5であるのが分かる。
【0140】
また、図13より、6回目ではまだ安定上限値を超えているので、安定サイクル回数に加算されない。安定サイクル回数に加算される条件は、サブレシピを実行中の検出信号の最大値と最小値がそれぞれ安定上限値と安定下限値の範囲内に収まっていることである。
【0141】
図13では、7回目から9回目までサブレシピ実行中の検出信号の値が安定上限値と安定下限値の範囲内に収まっているので、安定サイクル回数は3ということが分かる。安定サイクル回数に到達する前に最大サイクル回数に到達した場合、終点検知が不可能と判定(異常判定)して、予め設定されたエラー処理が行われる。
【0142】
このように、本実施の形態において、クリーニング用のメンテナンスレシピを実行するにあたり、最小のクリーニング処理実行回数は、対象メンテナンス項目の現在値(累積膜厚値)からクリーニングレシピ内累積値を割ることにより算出が可能である。更に、クリーニングの終了判定において、検出信号のチャタリング(振動)現象を考慮した最大クリーニング処理実行回数は、連続して安定上下限値内に収まると安定状態(クリーニング前の状態)と判断する終了判断実行回数に最小クリーニング実行回数に所定の定数を掛け算した値を加えることにより、算出することができる。
【0143】
従って、最低限のクリーニング処理実行回数を確実に実行し、無限に終了条件を待つこと無く、有限処理実行回数で終了できる機能を実現することができる。また、クリーニング終了判定が正常判定か異常判定かにより、次に実行する基板処理の停止を指定することができるので、クリーニングが異常終了したまま、次の基板処理を実行することがなく、成膜変動の影響を抑制することができる。
【0144】
尚、本実施形態によれば、終了検知判定用の信号が安定状態になっているかどうか判定は、所定回数、サブレシピを実行した後でもよい。この場合、サブレシピの実行回数が所定回数到達後、終了検知判定用の信号が、所定の上下限値の範囲(本実施の形態における安定上限値と下限安定値の範囲)内に所定期間収まるように制御される。この場合、所定期間は、サブレシピの1回当たりの実行時間に回数を掛け合わせた時間である。
【0145】
<本実施形態における効果> 本実施形態によれば、次の(1)乃至(5)のうち一つ以上の効果を奏する。
【0146】
(1)従来のクリーニングレシピの場合、計算された時間を実行するのみなので、本当にクリーニングできているのかどうかの判定ができない。よって、長い時間を指定すれば、生産性が悪化し、短い時間を指定すれば、クリーニング自体が正常に実行されたか不明で、次の生産に悪影響を与える可能性があったが、本実施の形態におけるクリーニング処理の終了を自動判定できる仕組みによれば、次生産の成膜が安定する。
【0147】
(2)従来のクリーニングでは、クリーニング完了を意味する所定の信号で終了判定した場合、この所定の信号のふらつきに対して対処できず、条件成立したら終了判定と判断されるため、クリーニング不十分の状態で次の生産を実行してしまうことがあったが、本実施の形態におけるクリーニング処理の終了を自動判定できる仕組みによれば、クリーニング判定条件に冗長性のある設定を設けることができるので、クリーニング処理時間の最適化が可能となり、結果として、生産性の向上が図れる。
【0148】
(3)従来は、クリーニング周期の変更するたびにクリーニング用メンテナンスレシピの再調整が必要となり、クリーニングレシピも連動して修正する必要がある。このため、修正ミスや修正忘れがあると正しくクリーニングされないという問題があったが、本実施の形態におけるクリーニング処理の終了を自動判定できる仕組みによれば、クリーニング周期の変更に対して影響範囲を極力小さくすることができ、クリーニング周期変更時の修正項目の削減による修正ミスでのロットアウトを回避することができる。
【0149】
(4)クリーニング処理に限らず、サイクルパージ処理、後述する失活処理などの他の処理での終了条件に応用できる。
【0150】
(5)本実施の形態における濃度検出器252から取得される信号値を利用したクリーニングの終点判定方法は、後述する失活処理に採用された場合に有効である。ここで、処理炉28から排気系からポンプ内に付着したSi系化合物は、大気に暴露されると爆発の懸念があるため、クリーニングガス等を流し組成を変えてから、メンテナンス等を行っているが、その組成を変えることを失活という。よって、定期的な失活運用のために、場合に応じたクリーニングガスの流し方、運用をできる仕様が必要である。このような場合であっても、Si系化合物の組成を変更させるためにクリーニングガスを流す際に、本実施の形態における所定のガス濃度の挙動により適切な終了時期を判定する技術は有用である。
【0151】
<本発明の変形例> 例えば、上述した基板処理装置1がバッチ式の縦型装置の場合、少なくとも1本のノズル(成膜用ガスを供給するノズル)を炉内に設けられている場合がある。このような形態におけるクリーニングレシピは、炉内の累積膜厚とノズル内の累積膜厚では、除去する条件が異なるため、炉内をクリーニングステップとノズル内をクリーニングするステップとがある。この場合、炉内クリーニングステップとノズル内クリーニングステップの両方に、本実施の形態におけるサブレシピによるクリーニング処理を実行するように構成できる。
【0152】
また、ノズル内クリーニングは所定の時間クリーニングガスを供給する程度で除去することができるので、ノズル内クリーニングは従来通りのクリーニング方法を実行し、炉内クリーニングステップに本実施の形態におけるサブレシピによるクリーニング処理を実行するように構成できる。
【0153】
<実施例1> 次に、本発明の具体的な一実施形態について図14を用いて説明する。
【0154】
図14 に示すように、基板処理装置1 は、長手方向が垂直方向に向けられた略円筒状の反応管302を備えている。反応管302は、耐熱及び耐腐食性に優れた材料、例えば、石英により形成されている。
【0155】
反応管302の上端には、上端側に向かって縮径するように略円錐状に形成された頂部が設けられている。排気系は、排気配管と後述するバイパス管320とで構成されている。排気配管には、メインバルブとしての圧力バルブ242、バルブ309、ポンプ310などの圧力調整機構が配設された排気配管が接続されており、この圧力調整機構により反応管302内が所望の圧力(真空度)に制御される。
【0156】
反応管302の下方には、マニホールド303が配置されている。また、図示しないボートエレベータによりシールキャップ34が上昇されて、反応管302の下方側(炉口部分)に配置されたマニホールド309がシールキャップ34により閉鎖されている。
【0157】
ボート26は、シールキャップ34上に載置されている。ボート26は、例えば、石英により形成されている。図示しない回転機構によりボート26が回転する。反応管302の周囲には、反応管302を取り囲むように、例えば、抵抗発熱体からなるヒータが設けられている。このヒータにより反応管302の内部が所定の温度に加熱される。
【0158】
反応管302の下端近傍の側面には、反応管302内に成膜ガスを導入する図示しない処理ガス導入管が挿通されている。処理ガス導入管は、図示しないマスフローコントローラ(MFC)を介して、図示しない処理ガス供給源に接続されている。成膜用ガスとしては、例えば、ウェーハ18上に窒化珪素膜を形成する場合には、ジクロロシラン(SiHCl)とアンモニア(NH)との混合ガスがある。クリーニング用ガスは、基板処理装置1の内部に付着した付着物を除去可能なものであればよく、例えば、本実施の形態では、フッ素(F)と窒素(N)との混合ガスを供給する。
【0159】
尚、図14では処理ガス導入管を図示していないが、反応管302内に導入するガスの種類に応じ、複数本の処理ガス導入管が挿通されている。具体的には、反応管302内に成膜用ガスを導入する成膜用ガス導入管と、反応管302内にクリーニング用ガスを導入するクリーニング用ガス導入管とが、反応管302の下端のマニホールド303に挿通されている。また、反応管302の下端のマニホールド303には、パージガス供給管が挿通されている。パージガス供給管には、図示しないMFCを介して図示しないパージガス供給源に接続されており、所望量のパージガスが反応管302内に供給される。尚、成膜用ガスとクリーニング用ガスを導入する供給管を共用しても良い。
【0160】
マニホールド303と排気配管が気密に接続されている。排気配管には、その上流側から、メインバルブとしての圧力バルブ242と、バルブ309と、ポンプ310と、が介設されている。
【0161】
メインバルブ242の開度を調整して、反応管302内及び排気配管内の圧力を所定の圧力に制御される。ポンプ310は、排気配管を介して反応管302内のガスを排気するとともに、メインバルブ242との協働により反応管302内、排気管305及び排気配管内の圧力を調整する。
【0162】
また、排気配管には、バイパス管320が設けられている。バイパス管320は、メインバルブ242を跨ぐように、一端がメインバルブ242の上流側の排気配管に接続され、他端がメインバルブ242の下流側の排気配管に接続されている。このバイパス管320の径は、その排気流量(排気流量面積)が排気配管よりも小さくなるように設定されている。バイパス管320には、その上流側から、バルブ305と、圧力センサ306と、赤外センサを含む濃度検出器252と、ニードルバルブ307と、バルブ308と、が介設されている。
【0163】
バルブ305を開放することにより、排気配管を流れるガスの一部がバイパス管320に流れる。ニードルバルブ307は、ニードルバルブ307の両端の圧力差が予め定められた値となるように、その開度が予め調整されている。
【0164】
次に、基板処理装置1の洗浄方法について説明する。本実施の形態では、ウェーハ18上に窒化珪素膜を形成することにより基板処理装置1の内部に付着した窒化珪素を除去する場合を例に、基板処理装置1の洗浄方法について説明する。なお、本実施の形態では、基板処理装置1の内部に窒化珪素が付着する成膜処理についても説明する。また、以下の説明において、基板処理装置1を構成する各部の動作は、装置コントローラ240により制御されている。
【0165】
処理室29を構成する反応管302内が所定の圧力及び温度で安定すると、パージガス供給管からの窒素の供給を停止する。そして、図示しない処理ガス導入管17から処理ガスとしてのジクロロシラン(SiHCl)またはヘキサクロロジシラン(SiCl)等のシリコン(Si)含有ガスを所定量、例えば、0.1 リットル/ min、そして、シリコン(Si)含有ガスと反応させて窒素化合物を基板に堆積させるための反応ガスとして、例えば、アンモニア(NH)等の窒素含有ガスを所定量、例えば、1リットル/minを反応管302内に導入する。
【0166】
反応管302 内に導入されたジクロロシラン及びアンモニアは、反応管302内の熱により熱分解反応が起こり、ウェーハ18の表面に窒化珪素膜(Si)が堆積される。尚、これら成膜用ガスは、サイクリックに供給して成膜しても良い。これにより、ウェーハ18の表面に窒化珪素膜(Si膜)が形成される(成膜工程)。
【0167】
ウェーハ18の表面に所定厚の窒化珪素膜が形成されると、図示しない処理ガス導入管からのジクロロシラン(SiHCl)及びアンモニア(NH)の供給を停止する。そして、パージガス供給管から反応管302内に窒素を所定量供給するとともに、メインバルブ242の開度を制御しつつ、ポンプ310を駆動させて反応管302内のガスを排出する(パージ工程)。なお、反応管302内のガスを確実に排出するために、窒素の供給及び反応管302内のガスの排出を複数回繰り返すサイクルパージを行うことが好ましい。
【0168】
そして、図示しないヒータにより、反応管302内を、所定の温度、例えば、300℃にするとともに、パージガス供給管から反応管302内に窒素を所定量供給して、反応管302内の圧力を常圧に戻す。最後に、図示しないボートエレベータによりシールキャップ34を下降させることにより、アンロードする(アンロード工程)。
【0169】
尚、基板に堆積させるための膜は、本実施例においては、窒化珪素膜としたが、ケイ素膜であっても良いのはいうまでも無い。
【0170】
以上のような成膜処理を複数回行うと、成膜処理によって生成される窒化珪素が、ウェーハ18の表面だけでなく、装置内部、例えば、反応管302の内壁、ボート26、マニホールド303、排気配管等にも堆積(付着)する。このため、成膜処理を所定回数行った後、本発明の基板処理装置1のクリーニング方法(エッチング処理)を実行する。エッチング条件としては、 温度:400℃未満、好ましくは200℃〜350℃、 圧力:1330Pa(10Torr)〜101300Pa(大気圧)、好ましくは13300Pa(100Torr)以上53320Pa(400Torr)、 Fガス供給流量:0.5〜5slm、 NOガス供給流量:0.5〜5slm、 Nガス供給流量:1〜20slm、 NOガス/Fガス流量比:0.5〜2、が例示され、それぞれのエッチング条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することで、薄膜を含む堆積物のエッチングがなされる。本実施の形態の基板処理装置1の洗浄方法において、処理条件の一例として、ガスクリーニング工程(薄膜のエッチング工程)での反応管302内の温度を300℃、Fガスの流量を2.0slm、NOガスの流量を1.0slm、反応管302内の圧力を6000Paとしている。クリーニング用ガスとしてのフッ素(F)ガスと添加ガスとして一酸化窒素(NO)ガスを混合させて、反応管302内に導入して、反応管302等に付着した窒化珪素(Si)の除去(クリーニング)を行う。また、このクリーニングにおいては、反応管302内から排出されたガスに含まれる四フッ化珪素(SiF)の濃度を濃度検出器252により測定し、このSiFの濃度に基づいてクリーニングの終点(エンドポイント)を決定する。
【0171】
まず、ヒータにより反応管302内を所定のロード温度、例えば、300℃に維持する。また、パージガス供給管から反応管302内に窒素を所定量供給した後、ウェーハ18が収容されていないボート26をシールキャップ34上に載置し、図示しないボートエレベータによりシールキャップ34を上昇させ、ボート26を反応管302内にロードする(ロード工程)。
【0172】
反応管302内が所定の圧力及び温度で安定すると、パージガス供給管からの窒素の供給を停止する。そして、図示しない処理ガス導入管からクリーニング用ガスを反応管302内に導入する。本実施の形態では、フッ素(F)を所定量、例えば、2リットル/minと、一酸化窒素(NO)を所定量、例えば、1リットル/minと、希釈ガスとしての窒素を所定量、8リットル/minと、からなるクリーニング用ガスを反応管302内に導入する。
【0173】
導入されたクリーニング用ガスは反応管302内で加熱され、クリーニング用ガス中のフッ素が活性化、すなわち、反応性を有するフリーな原子を多数有した状態になる。この活性化されたフッ素が反応管302の内壁等に付着した窒化珪素(Si)に接触することにより、反応管302等に付着した窒化珪素(Si)がクリーニング用ガス(F)と反応する。
【0174】
この反応による生成物(SiF)が反応管302内から排気配管等を介して装置外部に排出される。この結果、基板処理装置1の内部に付着した窒化珪素が除去される(クリーニング工程)。
【0175】
ここで、濃度検出器252は、反応管302から排出されるガスの少なくとも一部を採取する採取部としてのバイパス管320と、前記採取部で採取したガスの少なくとも一部に含まれる所定のガスを抽出する抽出部を有するように構成してもよい。クリーニング工程においては、反応管302内から排出されたガスに含まれる所定のガス、本実施の形態では四フッ化珪素(SiF)の濃度を濃度検出器252により測定し、この測定結果を利用して、反応管302内から排出されたガス中に四フッ化珪素が含まれなくなると判断されると、反応管302等に付着した窒化珪素が除去されたものとして、クリーニング工程の終点(エンドポイント)を決定する。尚、終点判定の詳細については既に述べた通りであるため省略する。
【0176】
このように、クリーニング工程では、クリーニング用ガスを反応管302内に導入し、反応管302等に付着した窒化珪素のクリーニングを開始するとともに、バルブ305を開放して反応管302内から排出されたガスの一部を排気配管からバイパス管320(濃度検出器252)に導入する。これにより、反応管302内から排出されたガス(特に、SiFガス)が赤外センサのセル内に供給され、四フッ化珪素(SiF)の濃度が濃度検出器252により測定される。そして、濃度検出器252から検出される検出信号により、クリーニング工程の終点(エンドポイント)を決定することにより、基板処理装置1を適切なクリーニングをすることができる。また、適切なクリーニング時間で装置内部の部材に付着した付着物を除去することができる。また、反応管302等の装置内部の部材が受けるダメージを低減することができ、パーティクルの発生を抑制することができる。また、クリーニングガスの使用量を抑えることができる。
【0177】
クリーニング工程においては、赤外センサ用ヒータにより赤外センサのセル窓を少なくとも150℃に加熱することが好ましい。セル窓を少なくとも150℃に加熱することにより、反応管302内から排出された副生成物のパウダーがセル窓に付着することを防止できる。この結果、副生成物のパウダーの付着によるセル窓の透過率の低下を防止することができ、濃度検出器252の性能の低下を防止することができる。
【0178】
基板処理装置1の内部に付着した窒化珪素が除去されると、処理ガス導入管からのクリーニング用ガスの導入を停止する。そして、パージガス供給管から反応管302内に窒素を所定量供給するとともに、メインバルブ242の開度を制御しつつ、ポンプ322を駆動させて反応管302内のガスを排出する(パージ工程)。
【0179】
そして、パージガス供給管から反応管302内に窒素を所定量供給するとともに、メインバルブ242の開度を制御しつつ、ポンプ322を駆動させて、反応管302内の圧力を常圧に戻す。最後に、図示しないボートエレベータによりシールキャップ34を下降させることにより、アンロードする(アンロード工程)。
【0180】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、濃度検出器252により検出した検出信号を利用して、クリーニング工程の終点(エンドポイント)を決定しているので、基板処理装置1 を適切にクリーニングすることができる。また、適切な洗浄時間でクリーニングすることができるので、反応管302等の装置内部の部材(構成部品)が受けるダメージを低減することができ、パーティクルの発生を抑制することができる。更に、クリーニングガスの使用量を抑えることができる。
【0181】
本発明の一実施形態によれば、反応管302内から排出されたガスに含まれる四フッ化珪素により吸収される赤外線の波長帯域の赤外光のみを濃度検出器252に入射するので、濃度検出器252は、四フッ化珪素の濃度のみを測定すればよく、その構成を簡単にすることができる。
【0182】
また、上記実施形態では、排気配管にバイパス管320を設け、このバイパス管320に赤外センサを有する濃度検出器252が介設されている場合を例に本発明を説明したが、反応管302内から排出された排ガスに含まれる所定のガスの濃度を測定できればよく、例えば、バイパス管320を設けずに、排気配管に赤外センサを有する濃度検出器252を介設してもよい。また、ガスの濃度を測定する測定部は赤外センサの他、各種のセンサであってもよい。
【0183】
<実施例2> 次に、本発明の具体的な他の実施形態について図15を用いて説明する。
【0184】
反応管302から排気系及びポンプ310内に付着したSi系化合物は、大気に急激に暴露されると爆発の懸念があるため、所定のクリーニングガス等を流し組成を変えてから、メンテナンス等を行う必要がある。図15において、クリーニングガスとしてFガスを供給することにより、上記Si系化合物と反応させて、SiFを発生させている。
【0185】
尚、処理炉28内のSi系化合物がクリーニングガスにより全てSiFへ組成変更された後(要するに、クリーニング終了)でも、排気系には、Si系化合物が付着している可能性がある。もし、排気系へ直接クリーニングガスを流すことができなければ、処理炉28を介してクリーニングガスを供給するしかないため、処理炉28内の石英部材がオーバエッチングとなり、パーティクルの原因となる。一方、クリーニングガスによる組成変更処理(失活処理)が不十分であれば、Si系化合物の爆発の恐れがある。よって、メンテナンス時に排気系の配管を大気に晒す場合があるので非常に危険である。
【0186】
よって、本実施の形態において、図15に示すように、メンテナンス用レシピが実行されると、ガス供給管から反応炉(Reactor)28を介さずに圧力バルブ(MainValve)242の排気側に直接クリーニングガスを供給するようになっている。
【0187】
図15では、メインポンプ(Main Pump)310の排気側の排気配管に濃度検出器252が配置されている。濃度検出器252は、濃度を測定するためのセンサユニット252aと、この赤外センサが測定した結果から濃度を算出して出力する制御ユニット252bとを構成する。ここで、濃度検出器252は、非分散型赤外線分析計(NDIR(Non-Dispensive InfraRed))であり、排ガス(排気側の排気配管中に流れるガス)中から所定のガスの濃度を検出する濃度検出器である。本実施の形態における濃度検出器252は、四フッ化珪素(SiF)の濃度を測定する。そして、濃度出力として4-20mAがI/O通信部255へ出力される。
【0188】
このように、図15では、濃度検出器により、失活処理により発生された四フッ化珪素(SiF)を検出することにより、Si系化合物の組成変更処理が終了したかどうかの判定に利用することができる。
【0189】
本実施の形態では、クリーニング工程において、処理炉28内から排出されたガスに含まれる所定のガスだけでなく、処理炉28から排気系及びポンプ310内に付着したSi系化合物とクリーニングガス(F)との反応により生成された四フッ化珪素(SiF)の濃度を濃度検出器252により測定し、この測定結果を利用して、排気系のガス中に四フッ化珪素が含まれなくなると判断されると、Si系化合物の失活処理が終了したものとして、クリーニング工程の終了を決定することができる。
【0190】
上記実施例1及び実施例2では、希釈ガスとしての窒素ガスを含む場合を例に本発明を説明したが、希釈ガスを含まなくてもよい。希釈ガスとしては、不活性ガスであることが好ましく、窒素ガスの他に、例えば、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)が適用できる。
【0191】
上記実施例1及び実施例2では、クリーニング工程において、排ガスに含まれる四フッ化珪素の濃度を連続的に測定した場合を例に本発明を説明したが、例えば、数分毎のように、断続的に測定してもよい。この場合、クリーニングが進むにつれて測定間隔が短くなるようにすることが好ましい。また、排気配管に濃度検出器252を複数設けてもよい。このように構成すれば、膜種が、二酸化ケイ素の場合であっても、1個の赤外センサで、四フッ化珪素(SiF)の濃度を測定し、他の1個でHFの濃度を測定することで、クリーニング工程の終了判定を適切に検出できる。
【0192】
上記実施例1及び実施例2では、装置内部の部材が少なくとも一つは石英により形成されている場合を例に本発明を説明したが、例えば、炭化珪素(SiC)により形成されていてもよい。
【0193】
<本発明の他の実施形態>前記装置内部に付着した付着物としては、窒化珪素、二酸化珪素、窒化チタン、タングステン、ポリシリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムシリケート、または、窒化ハフニウムシリケートがある。この場合、前記所定のガスとしては、例えば、四フッ化珪素、四塩化珪素、三フッ化窒素、四塩化チタン、四フッ化チタン、四フッ化タングステン、六フッ化タングステン、四フッ化アルミニウム、四塩化ハフニウム、または、四フッ化ハフニウムがある。及びこれらの副生成物等となる。
【0194】
例えば、熱処理装置1の内部に付着した付着物が二酸化珪素(SiO)の場合には、クリーニングガスとして、フッ化水素を含むガス、フッ素とフッ化水素とを含むガス、フッ化水素とアンモニアを含むガスなどを用いることができる。この場合、測定するガスは、四フッ化珪素(SiF)とすることが好ましい。
【0195】
また、クリーニングガスとして、三フッ化塩素(ClF)を用いる場合、測定するガスは、被処理体に形成する膜の種類に応じて、次のようなガスとすることが好ましい。被処理体に窒化珪素(Si)膜や酸化珪素(SiO)膜を形成する場合、測定するガスは、四フッ化珪素(SiF)、四塩化珪素(SiCl)、または、三フッ化窒素(NF)とすることが好ましい。被処理体に窒化チタン(TiN)膜を形成する場合、測定するガスは、四塩化チタン(TiCl)、四フッ化チタン(TiF)、または、三フッ化窒素(NF)とすることが好ましい。被処理体にタングステン(W)膜を形成する場合、測定するガスは、四フッ化タングステン(WF)とすることが好ましい。被処理体にタングステンシリコン酸化(WSiO)膜を形成する場合、測定するガスは、四フッ化珪素(SiF)、または、六フッ化タングステン(WF)とすることが好ましい。
【0196】
TEOS(Si(CO))を用いて、ウェーハ18の表面に二酸化珪素(SiO)を形成する場合、熱処理装置1の内部には、二酸化珪素や、炭素,水素, 酸素等からなる副生成物が付着する。クリーニングガスとして、例えば、フッ化水素(HF)とアンモニア(NH)とを含むガスを用い、測定するガスとして、例えば、エタノール(COH)とすることにより、赤外センサを有する濃度検出器327,427による検出信号を用いたクリーニングの終点(エンドポイント)を判定することができる。
【0197】
また、基板処理装置1の内部に付着した付着物が酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、ハフニウムシリケート、または、窒化ハフニウムシリケートの場合、測定するガスとしては、例えば、四フッ化アルミニウム(AlF)、四塩化ハフニウム(HfCl)、または、四フッ化ハフニウム(HfF)がある。
【0198】
また、例えば上述したように、本発明に係る処理炉28の構成では、ウェーハ18を多数処理するバッチ式装置として構成されているが、これに限らず、ウェーハ18を1枚毎に処理する枚様式装置に本発明を適用してもよい。
【0199】
例えば、上述した実施形態では、処理対象となる基板が半導体ウェーハ基板である場合を例にあげたが、本発明はこれに限定されることなく、LCD(Liquid Crystal Display)装置等のガラス基板を処理する基板処理装置にも好適に適用できる。
【0200】
また例えば、上述した実施形態では、本発明がこれに限定されることはない。すなわち、その他成膜処理としては、酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理であってもよい。また、基板処理の具体的内容は不問であり、さらに、本発明は、他の基板処理装置、例えば酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、プラズマを利用したCVD装置等の他の基板処理装置にも好適に適用できる。
【0201】
次に、本発明の好ましい態様を付記する。
【0202】
[付記1]本発明の一態様によれば、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有するクリーニング方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御されるクリーニング方法が提供される。
【0203】
[付記2]好ましくは、前記クリーニングガスは、フッ素(F)ガス、フッ化水素(HF)ガス、三フッ化塩素(ClF)ガス、三フッ化窒素(NF)ガス等のフッ素(F)や塩素(Cl)等のハロゲンを含むハロゲン含有ガスを用いても良く、またこれらを組み合わせである付記1のクリーニング方法が提供される。
【0204】
[付記3]好ましくは、前記構成部品に付着した付着物は、窒化珪素(Si)、二酸化珪素(SiO)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、ポリシリコン(Poly-Si)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、ハフニウムシリケート、または、窒化ハフニウムシリケートから少なくとも一つが選択される付記1のクリーニング方法が提供される。
【0205】
[付記4]好ましくは、前記所定のガスとしては、例えば、四フッ化珪素(SiF)、四塩化珪素(SiCl)、三フッ化窒素(NF)、四塩化チタン(TiCl)、四フッ化チタン(TiF)、四フッ化タングステン(WF)、六フッ化タングステン(WF)、四フッ化アルミニウム(AlF)、四塩化ハフニウム(HfCl)、四フッ化ハフニウム(HfF)、及びこれらの副生成物等から少なくとも一つが選択される付記1のクリーニング方法が提供される。
【0206】
[付記5]本発明の他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御される半導体装置の製造方法が提供される。
【0207】
[付記6]更に好ましくは、前記クリーニングガスは、フッ素(F)ガス、フッ化水素(HF)ガス、三フッ化塩素(ClF)ガス、三フッ化窒素(NF)ガス等のフッ素(F)や塩素(Cl)等のハロゲンを含むハロゲン含有ガス、または、これらの組み合わせである付記5の半導体装置の製造方法が提供される。
【0208】
[付記7]更に、好ましくは、前記構成部品に付着した付着物は、窒化珪素(Si)、二酸化珪素(SiO)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、ポリシリコン(Poly-Si)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、ハフニウムシリケート、または、窒化ハフニウムシリケートから少なくとも一つが選択される付記5の半導体装置の製造方法が提供される。
【0209】
[付記8]更に、好ましくは、前記所定のガスとしては、例えば、四フッ化珪素(SiF)、四塩化珪素(SiCl)、三フッ化窒素(NF)、四塩化チタン(TiCl)、四フッ化チタン(TiF)、四フッ化タングステン(WF)、六フッ化タングステン(WF)、四フッ化アルミニウム(AlF)、四塩化ハフニウム(HfCl)、四フッ化ハフニウム(HfF)、及びこれらの副生成物等から少なくとも一つが選択される付記5の半導体装置の製造方法が提供される。
【0210】
[付記9]本発明の更に他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、装置を構成する構成部品に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、 前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御する基板処理装置が提供される。
【0211】
[付記10]好ましくは、更に、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記排出部は、前記基板を処理する処理室に接続された排出路と、当該排出路に介設されたポンプとを備え、前記測定部は、前記ポンプより上流側の前記排出路に介設されている付記9の基板処理装置が提供される。
【0212】
[付記11]好ましくは、更に、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記排出部は、前記基板を処理する処理室に接続された排出路と、当該排出路に介設されたポンプとを備え、前記測定部は、前記ポンプより下流側の前記排出路に介設されている付記9の基板処理装置が提供される。
【0213】
[付記12]好ましくは、前記所定のガスとしては、例えば、四フッ化珪素(SiF)、四塩化珪素(SiCl)、三フッ化窒素(NF)、四塩化チタン(TiCl)、四フッ化チタン(TiF)、四フッ化タングステン(WF)、六フッ化タングステン(WF)、四フッ化アルミニウム(AlF)、四塩化ハフニウム(HfCl)、四フッ化ハフニウム(HfF)、及びこれらの副生成物等から少なくとも一つが選択される付記9乃至付記11にいずれか一つに記載の基板処理装置が提供される。
【0214】
[付記13] 好ましくは、前記測定部は、前記処理室から排出されるガスの少なくとも一部を採取する採取部と、前記採取部で採取したガスの少なくとも一部に含まれる前記所定のガスを抽出する抽出部を有する付記10または付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0215】
[付記14] 好ましくは、前記測定部は、前記排出路に複数設けられる付記10または付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0216】
[付記15] 好ましくは、更に、装置を構成する構成部品に付着された付着物を除去するためのレシピ(クリーニングレシピ)を少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部に格納された前記レシピを実行する実行部と、を有し、前記クリーニングレシピにおいて、クリーニング処理を実行するクリーニングステップでは、ガスクリーニング工程を有するサブレシピが、所定のガスの濃度を示す信号が所定の上限値以下に到達するまで、少なくとも繰り返し実行される付記9の基板処理装置が提供される。
【0217】
[付記16]好ましくは、前記サブレシピの実行回数は、第1所定回数(最小サイクル回数)と第2所定回数(最大サイクル回数)の間の回数である付記15の基板処理装置が提供される。
【0218】
[付記17]好ましくは、前記第1所定回数は、現在の累積膜厚値から前記サブレシピを1回実行したときに除去できる膜厚値を割った数値である付記15の基板処理装置が提供される。
【0219】
[付記18]好ましくは、前記サブレシピの実行後、前記実行回数が前記第2所定回数(最大サイクル回数)を超えた場合、終点検知不可のアラームを通知する付記16の基板処理装置が提供される。
【0220】
[付記19]好ましくは、前記構成部品は、処理炉28(若しくは処理室29)を構成する部品である付記9または付記15に記載の基板処理装置が提供される。
【0221】
[付記20]好ましくは、前記構成部品は、反応管302である付記19の基板処理装置が提供される。
【0222】
[付記21]本発明の更に他の態様によれば、装置を構成する構成部品をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを給排して、前記構成部品に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるように制御する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0223】
[付記22]本発明の更に他の態様によれば、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品をクリーニングするクリーニングの終了判定方法であって、前記構成部品に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する終了判定方法が提供される。
【0224】
[付記23]好ましくは、前記クリーニングガスは、フッ素(F)ガス、フッ化水素(HF)ガス、三フッ化塩素(ClF)ガス、三フッ化窒素(NF)ガス等のフッ素(F)や塩素(Cl)等のハロゲンを含むハロゲン含有ガスを用いても良く、またこれらを組み合わせである付記22のクリーニングの終了判定方法が提供される。
【0225】
[付記24]好ましくは、前記構成部品に付着した付着物は、窒化珪素(Si)、二酸化珪素(SiO)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、ポリシリコン(Poly-Si)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、ハフニウムシリケート、または、窒化ハフニウムシリケートから少なくとも一つが選択される付記22のクリーニングの終了判定方法が提供される。
【0226】
[付記25]好ましくは、前記所定のガスとしては、例えば、四フッ化珪素(SiF)、四塩化珪素(SiCl)、三フッ化窒素(NF)、四塩化チタン(TiCl)、四フッ化チタン(TiF)、四フッ化タングステン(WF)、六フッ化タングステン(WF)、四フッ化アルミニウム(AlF)、四塩化ハフニウム(HfCl)、四フッ化ハフニウム(HfF)、及びこれらの副生成物等から少なくとも一つが選択される付記22のクリーニングの終了判定方法が提供される。
【0227】
[付記26]本発明の更に他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、装置を構成する構成部品に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する半導体装置の製造方法が提供される。
【0228】
[付記27]好ましくは、前記クリーニングガスは、フッ素(F)ガス、フッ化水素(HF)ガス、三フッ化塩素(ClF)ガス、三フッ化窒素(NF)ガス等のフッ素(F)や塩素(Cl)等のハロゲンを含むハロゲン含有ガスを用いても良く、またこれらを組み合わせである付記26の半導体装置の製造方法が提供される。
【0229】
[付記28]好ましくは、前記構成部品に付着した付着物は、窒化珪素(Si)、二酸化珪素(SiO)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、ポリシリコン(Poly-Si)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、ハフニウムシリケート、または、窒化ハフニウムシリケートから少なくとも一つが選択される付記26の半導体装置の製造方法が提供される。
【0230】
[付記29]好ましくは、前記所定のガスとしては、例えば、四フッ化珪素(SiF)、四塩化珪素(SiCl)、三フッ化窒素(NF)、四塩化チタン(TiCl)、四フッ化チタン(TiF)、四フッ化タングステン(WF)、六フッ化タングステン(WF)、四フッ化アルミニウム(AlF)、四塩化ハフニウム(HfCl)、四フッ化ハフニウム(HfF)、及びこれらの副生成物等から少なくとも一つが選択される付記26の半導体装置の製造方法が提供される。
【0231】
[付記30]処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、装置を構成する構成部品に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する基板処理装置が提供される。
【0232】
[付記31]好ましくは、前記排出部は、前記基板を処理する処理室に接続された排出路と、当該排出路に介設されたポンプとを備え、前記測定部は、前記ポンプより上流側の前記排出路に介設されている付記30の基板処理装置が提供される。
【0233】
[付記32]好ましくは、前記排出部は、前記基板を処理する処理室に接続された排出路と、当該排出路に介設されたポンプとを備え、前記測定部は、前記ポンプより下流側の前記排出路に介設されている付記30の基板処理装置が提供される。
【0234】
[付記33]好ましくは、前記所定のガスとしては、例えば、四フッ化珪素(SiF)、四塩化珪素(SiCl)、三フッ化窒素(NF)、四塩化チタン(TiCl)、四フッ化チタン(TiF)、四フッ化タングステン(WF)、六フッ化タングステン(WF)、四フッ化アルミニウム(AlF)、四塩化ハフニウム(HfCl)、四フッ化ハフニウム(HfF)、及びこれらの副生成物等から少なくとも一つが選択される付記30乃至付記32にいずれか一つに記載の基板処理装置が提供される。
【0235】
[付記34] 好ましくは、前記測定部は、前記処理室から排出されるガスの少なくとも一部を採取する採取部と、前記採取部で採取したガスの少なくとも一部に含まれる前記所定のガスを抽出する抽出部を有する付記31または付記32に記載の基板処理装置が提供される。
【0236】
[付記35] 好ましくは、前記測定部は、前記排出路に複数設けられる付記31または付記32に記載の基板処理装置が提供される。
【0237】
[付記36] 好ましくは、更に、装置を構成する構成部品に付着された付着物を除去するためのレシピ(クリーニングレシピ)を少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部に格納された前記レシピを実行する実行部と、を有し、前記クリーニングレシピにおいて、クリーニング処理を実行するクリーニングステップでは、ガスクリーニング工程を少なくとも有するサブレシピが、少なくとも所定回数実行される付記30の基板処理装置が提供される。
【0238】
[付記37]好ましくは、前記サブレシピは、更に排気工程を有し、前記サブレシピが実行されることにより、クリーニング工程と排気工程を時系列に繰り返すサイクリッククリーニングを実現する付記36の基板処理装置が提供される。
【0239】
[付記38]好ましくは、前記所定回数は、現在の累積膜厚値から前記サブレシピを1回実行したときに除去できる膜厚値を割った数値(回数)である付記30の基板処理装置が提供される。
【0240】
[付記39]好ましくは、前記所定回数は、第1所定回数(最小サイクル回数)であって、前記サブレシピは、前記第1所定回数(最小サイクル回数)と第2所定回数(最大サイクル回数)の間の回数実行される付記38の基板処理装置が提供される。
【0241】
[付記40]好ましくは、前記所定回数後、前記サブレシピを実行中に取得した信号の最大値及び最小値が、前記所定の上下限値の範囲内に収まるかを確認する付記38の基板処理装置が提供される。
【0242】
[付記41]好ましくは、前記所定回数後、前記サブレシピを実行中に取得した信号の最大値及び最小値を監視し、前記所定の上下限値の範囲内に収まった回数が、前記第1所定回数(最小サイクル回数)と前記第2所定回数(最大サイクル回数)の間に連続して第3所定回数(安定サイクル回数)に達したら、クリーニング終了判定を正常判定とする付記38の基板処理装置が提供される。
【0243】
[付記42]好ましくは、前記サブレシピの実行回数が前記第2所定回数(最大サイクル回数)を超えた場合、クリーニング終了判定が異常判定として終点検知不可のアラームを通知する付記39または付記41の基板処理装置が提供される。
【0244】
[付記43]好ましくは、前記クリーニング終了判定後、前記クリーニングレシピの次のステップを実行し、前記クリーニングレシピを終了させる付記41または付記42に記載の基板処理装置が提供される。
【0245】
[付記44]好ましくは、前記構成部品は、前記処理室を構成する部品である付記30または付記36に記載の基板処理装置が提供される。
【0246】
[付記45]好ましくは、前記構成部品は、反応管302である付記19の基板処理装置が提供される。
【0247】
[付記46] 本発明の更に他の態様によれば、装置を構成する構成部品をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを給排して、前記構成部品に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を測定する手順と、前記濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0248】
[付記47]クリーニングガスを給排して、基板を処理する処理室内をクリーニングするクリーニングの終了判定方法であって、前記処理室の内壁に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する終了判定方法が提供される。
【0249】
[付記48]本発明の更に他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、基板を処理する処理室の内壁に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する半導体装置の製造方法が提供される。
【0250】
[付記49]処理ガスを供給して基板を処理する処理室を少なくとも備えた基板処理装置であって、前記処理室内にクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記処理室内から排出される前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、前記処理室の内壁に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する基板処理装置が提供される。
【0251】
[付記50]基板を処理する処理室内をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを給排して、前記処理室の内壁に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を測定する手順と、前記濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0252】
[付記51]クリーニングガスを給排して、反応管をクリーニングするクリーニングの終了判定方法であって、前記反応管に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する終了判定方法が提供される。
【0253】
[付記52]本発明の更に他の態様によれば、反応管内に処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、前記反応管に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する半導体装置の製造方法が提供される。
【0254】
[付記53]反応管内に処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、前記反応管内にクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記反応管内から排出された前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、前記反応管に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する基板処理装置が提供される。
【0255】
[付記54]反応管をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを給排して、前記反応管に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を測定する手順と、前記濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0256】
[付記55]クリーニングガスを給排して、所定の温度に加熱された反応炉内をクリーニングするクリーニングの終了判定方法であって、前記反応管に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する終了判定方法が提供される。
【0257】
[付記56]本発明の更に他の態様によれば、所定の温度に加熱された反応炉に処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを給排して、前記反応炉を構成する構成部品に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する半導体装置の製造方法が提供される。
【0258】
[付記57]反応炉内に処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、前記反応炉内を所定の温度に加熱する加熱部と、前記反応炉内にクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記反応炉内から排出された前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、反応炉を構成する構成部品に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する基板処理装置が提供される。
【0259】
[付記58]所定の温度に加熱された反応炉内をクリーニングするクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを給排して、前記反応炉を構成する構成部品に付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を測定する手順と、前記濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0260】
[付記59]クリーニングガスを排気配管に供給して、失活処理するクリーニングの終了判定方法であって、前記排気配管に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する終了判定方法が提供される。
【0261】
[付記60]本発明の更に他の態様によれば、処理ガスを供給して基板を処理する工程と、クリーニングガスを排気配管に供給して、失活処理するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記クリーニング工程では、前記排気配管に付着した付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する半導体装置の製造方法が提供される。
【0262】
[付記61]反応管内に処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、前記反応管内又は排気配管にクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記排気配管を設けた排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、前記排気配管に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する基板処理装置が提供される。
【0263】
[付記54]排気配管内を失活処理するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、クリーニングガスを前記排気配管に供給して、前記排気配管に付着した付着した付着物を除去する手順と、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスの濃度を測定する手順と、前記濃度を示す信号が、所定の上限値以下に到達後、所定の上下限値の範囲内に所定期間収まるか否かを判定する手順と、を有するクリーニング終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0264】
[付記55]本発明の更に他の態様によれば、反応管に付着した付着物を除去するクリーニングの終了判定方法であって、前記反応管内にクリーニングガスを供給して、前記反応管をクリーニングする際、前記反応管から排出されるガスに含まれる所定のガスの濃度を示す信号を測定し、前記濃度を示す信号が、所定の閾値に到達後、所定の上下限値の範囲内に収束しているか否かを判定するクリーニングの終了判定方法が提供される。
【0265】
[付記56]本発明の他の態様によれば、反応管内に処理ガスを供給して基板に膜を形成する工程と、前記反応管に付着した付着物を除去するクリーニング工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記反応管内にクリーニングガスを供給して、前記反応管をクリーニングするクリーニング工程では、前記反応管から排出されたガスに含まれる所定のガスの濃度を示す信号が、所定の閾値に到達後、所定の上下限値の範囲内に収束しているか否かを判定する半導体装置の製造方法が提供される。
【0266】
[付記57]本発明の更に他の態様によれば、反応管内に処理ガスを供給して基板を処理する基板処理装置であって、前記反応管内にクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記反応管内から排出された前記処理ガス又は前記クリーニングガスを排出する排出部と、前記クリーニングガス供給部及び前記排出部を制御して、前記反応管に付着された付着物を除去するように、前記付着物と前記クリーニングガスとの反応により生成される所定のガスを排出するクリーニング制御部と、を備え、前記排出部は、前記所定のガスの濃度を測定する測定部を有し、前記クリーニング制御部は、前記所定のガスの濃度を示す信号を前記測定部により取得し、該取得した信号が、所定の閾値に到達後、所定の上下限値の範囲内に収束しているか否かを判定する基板処理装置が提供される。
【0267】
[付記58]本発明の更に他の態様によれば、反応管に付着した付着物を除去するクリーニングの終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、前記反応管内にクリーニングガスを供給して、反応管をクリーニングする手順と、前記反応管内から排出されたガスに含まれる所定のガスの濃度を測定する手順と、前記濃度を示す信号が、所定の閾値に到達後、所定の上下限値の範囲内に収束しているか否かを判定する手順と、を有する終了判定プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0268】
尚、この出願は、2013年2月5日に出願された日本出願特願2013−020670を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0269】
本発明は、メンテナンス(保守)に関する技術を提供する基板処理装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0270】
1 基板処理装置 18 ウェーハ
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