(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項16記載のクロマティックレンジセンサシステム用の分離状態の検出方法であって、前記交換可能光学エレメントが前記光学ペンに取り付けられている時に、前記センサシステムの出力信号が前記分離信号波長域でピークを示さないよう、前記分離信号エレメントからの反射光による信号成分を補正する工程を備えることを特徴とする前記センサシステム用の分離状態の検出方法。
請求項17記載のクロマティックレンジセンサシステム用の分離状態の検出方法であって、前記交換可能光学エレメントが取り外された時に、前記センサシステムからの補正された出力信号は、前記分離信号波長域で負のピークを示すことを特徴とする前記センサシステム用の分離状態の検出方法。
請求項16記載のクロマティックレンジセンサシステム用の分離状態の検出方法であって、前記交換可能光学エレメントが取り付けられている時に、前記センサシステムの出力信号において、前記分離信号エレメントからの反射光による信号成分が、前記分離信号波長域でピークを示すことを特徴とする前記センサシステム用の分離状態の検出方法。
請求項19記載のクロマティックレンジセンサシステム用の分離状態の検出方法であって、前記交換可能光学エレメントが取り外された時に、前記センサシステムの出力信号は、前記分離信号波長域でピークを示さないことを特徴とする前記センサシステム用の分離状態の検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、三次元座標測定機(CMM)用として望ましい動作原理を備えた代表的なクロマティックレンジセンサ(CRS)システム100の基本構成を示すブロック図である。このCRSシステム100は、特許文献3及び特許文献4に記載のセンサとの間にある共通点を有する。
図1に示すCRSシステム100は、電装部160及び光学ペン220を含み、1回で1点を測定するクロマティックポイントセンサのシステムである。しかしながら、様々な実施形態では、クロマティックレンジセンサなどの代替型クロマティックレンジシステムは、ここに開示されたシステム及び方法に従って動作するように設定されることが好ましい。光学ペン220は、特許文献5及び特許文献6により詳細に記載されている。
【0018】
図1に示される実施形態において、電装部160は、波長検出器162、ブロードバンド光源164、信号演算器166、分離感知部167、及び、記憶部168を含む。様々な実施形態において、波長検出器162は、分光器で構成された検出器アレイ163を含む。検出器アレイ163は、波長検出器162の測定軸に沿って分布する複数のピクセルを含み、前記複数のピクセルは、各波長光を受け取り、出力スペクトルプロファイルデータを提供する。様々な実施形態において、記憶部168は、補正データ169を含む。
【0019】
下記にさらに詳述されるが、光学ペン220の交換可能光学エレメント280に関する分離状態を検出する為、ここに記載される方法に従って、分離感知部167を利用する。様々な実施例において、分離感知部167は、信号演算器166と統合された構成要素又は機能を有してもよいし、及び/又は、検出器アレイ163の領域で別の検出器を有してもよい。分離感知部167は、測定動作中に前記光学エレメント280の分離状態を検出したら、分離警告信号を発する。例えば、交換可能光学エレメント280の突然の分離は、ワークとの衝突を意味する。光学ペン220と、これが取り付けられたCRSプローブとの損傷を最小限にするため、光学エレメントの分離状態を検出したら、プローブを動かしている三次元座標測定機を直ちに停止する指令を出す。この分離状態の検出を、動作中の測定の停止にも利用するし、及び、更なる測定実行の前に交換可能光学エレメント280の取付けのやり直しが必要であることをユーザに通知することにも利用する。
【0020】
後で
図2と
図3を使って詳述するが、前記特許文献5、特許文献6に記載の通り、電装部160の一部の構成が、自動ジョイントコネクタを介してCMMに取り付けられたCRSプローブアッセンブリに含まれることが望ましい。例えば、本発明の一態様として、光源・波長検出器の構成部分160A(例えば、波長検出器162と光源164)のグループをCRSプローブアッセンブリの中に含めるとよい。例えば、プローブの軽量化とサイズのコンパクト化を維持する為、測定信号処理制御回路160B中のある構成部分のグループ(例えば、信号演算器166と記憶部168)を、必要であればCRSプローブアッセンブリの外部に離設するとよい。上記のように、分離感知部167の様々な構成又は機能は、特定の実施例の構成及び設定に応じて、光源・波長検出器の構成部分160A、又は、測定信号処理制御回路160Bのどちらかに含まれてもよい。
【0021】
図1に示すように、ホストシステム180に前記電装部160を接続して、ホストシステム180が電装部160との間で制御信号及びデータを受け取ったり、及び/又は、交換したりしてもよい。様々な実施形態で、電装部160又はホストシステム180のいずれかが、ここに開示するシステムや方法を実行することができる。一実施形態では、例えばマシンビジョン検査システム等のように、上記のホストシステム180に自動動作制御を構築し、CRSシステム100を非接触測定プローブとして作動させることができる検査用パートプログラムを定義・実行させてもよい。
【0022】
電装部160は、光ファイバーケーブル112を含む光路を介して光学ペン220と結合している。
図1の実施形態は、光路を任意に形成できること又は光路を必要に応じて代替できることを示している。ここでは、光ファイバーの第1セグメント112Aと、第2セグメント112Bと、これらを接続するコネクタCONNECT−Dと、第2セグメント112Bを電装部160に接合するカプラCOUPLER−Oとを含む光ファイバーケーブル112が示されている。光源164は、光ファイバーケーブル112に接続され、入力スペクトルプロファイルを有する波長光を入射する。
【0023】
光学ペン220は、ベース部材282と交換可能光学エレメント280とを含み、これらは代表的な繰り返し迅速に交換可能な交換マウント285によって結合されている。ベース部材282は、光ファイバー112Aを保持するための光ファイバーコネクタ209を含む。光ファイバー112Aはその端部から、共焦点アパーチャー295を通じて出力光を出力するとともに、共焦点アパーチャー295を通って反射測定信号光を受け取るように、光ファイバーコネクタ209に保持される。様々な実施例において、共焦点アパーチャー295は、ベース部材282、又は、交換可能光学エレメント280の中に配置されてもよい。交換可能光学エレメント280は、分離信号エレメント299、転送レンズアッセンブリ251と、色分散光学系250を含む。後でさらに詳述するが、分離信号エレメント299は、分離信号波長域の光(以降、分離信号波長光、あるいはさらに簡略化して分離信号光とも呼ぶ。)の少なくとも一部を反射し、光ファイバー112Aに通して戻す。分離信号エレメント299は、クロマティックレンジセンサシステムの測定範囲に対応する測定波長域の光(以降、測定波長光、あるいはさらに簡略化して、測定光とも呼ぶ。)の大半を透過する。様々な実施形態での光学ペン220に追加された構成部品に関する具体的な詳細を、後で
図5に基づいて詳述するが、特許文献5と特許文献6にも記載されている。
【0024】
図1に示す実施形態にて、測定動作のために、測定波長域の光を含む光が光ファイバー112Aの端部から共焦点アパーチャー295を通して放射され、その後、転送レンズアッセンブリ251を通って色分散光学系250によって焦点を結び、反射素子294によって測定表面290へ向けられる。色分散光学系250は軸方向(縦方向)の色分散を提供する。この軸上色分散によって、光の焦点は、その波長に応じて光軸上の異なる距離に位置するようになり、このことはCRSシステムの原理として知られている。測定表面290からの反射光は、色分散光学系250によって、転送レンズアッセンブリ251を通して共焦点アパーチャー295で再び焦点を結ぶ。色分散光学系250によって提供される軸上色分散により、ある波長の焦点距離のみが、光学ペン220に固定された基準位置から測定表面290までの距離である測定距離“Z”と一致する。CRSシステム100は、測定表面290で最も良く焦点を結ぶ光の波長と共焦点アパーチャー295で最も良く焦点を結ぶ光の波長とが一致するように設定されている。共焦点アパーチャー295が反射光を空間的にフィルタリングするので、最も良く焦点を結んだ波長光が、共焦点アパーチャー295を通って光ファイバーケーブル112の芯部へ入るようになる。以下に詳述するように、光ファイバーケーブル112Aは測定波長信号光を波長検出器162に伝搬する。この波長検出器162は、測定表面290までの測定距離Zに応じた最も光強度の強い測定光の波長を決定する為に用いられる。
【0025】
通常の測定動作中、信号演算器166にて制御されるブロードバンド光源164は、光源側ファイバーセグメント165I、2×1カプラのCOUPLER−E、CONNECT−E、及び、光ファイバー112Aを含む一連の光ファイバー経路を介して、CRS光学ペン220と結合する。上述の通り、測定範囲に対応する波長光の大半は、分離信号エレメント299を透過し、光学ペン220を通って測定表面290まで進む。最も効率的に透過して、光学ペン220および共焦点アパーチャー295を通って光ファイバー112Aに戻った反射測定光の波長は、測定表面290で焦点を結んだ光の波長である。反射測定光の約50%が信号側ファイバーセグメント165Sを通って波長検出器162に向かうように、反射測定光は光ファイバー経路を通って電装部160およびカプラCOUPLER−Eに戻されていく。波長検出器162は、反射測定光(光強度)を受けて、反射測定光を出力スペクトル強度プロファイル(簡潔には、出力スペクトルプロファイルとも言う。)に変換する。このプロファイルは、検出器アレイ163の測定範囲内で、測定軸方向に並べられたピクセル・アレイ上に分布したものである。さらに、波長検出器162は、検出アレイ163からのピクセルデータ出力に基づいて、これに対応した出力スペクトルプロファイルデータを提供する。
【0026】
分離信号光の波長(すなわち、分離信号波長域)に関しては後で
図8〜10を使って詳述するが、一実施例では、検出器アレイ163での特定範囲のピクセルが分離信号光の波長検出に用いられる。この分離信号光は、光ファイバー112Aを通って戻ってくる反射光であり、波長検出器162内でその波長光が分光されるまでは、前述の反射測定光と同様の経路をたどる。あるいは、例えば、別の検出器アレイや他の光センサのように、別個の検出器を分離信号光の波長検出用として設けてもよい。そのために、分離信号光が、既知の方法により、さらにフィルタリングされるか、あるいは、測定光波長から分光され、及び/又は別個の分離信号光の波長検出器に向かうようにしてもよい。
【0027】
測定光の波長(すなわち、測定波長域。簡潔には、測定波長とも言う。)に関して言うと、一実施例として、波長検出器からの波長プロファイルのデータ出力のピークに対応するサブピクセル分解能の距離指示座標(DIC:distance indicating coordinate)が信号演算器166によって算出されるようにしてもよい。また、このDICに基づいて、記憶部168に保存した距離校正ルックアップテーブル等を介して測定表面290までの測定距離Zを決定してもよい。後で
図9を使って詳述する。例えば、プロファイルデータのピーク領域に含まれるプロファイルデータの重心を決定することなど、様々な方法によって距離指示座標を決定することができる。分離信号光に関する一実施例として、信号演算器166、及び/又は、分離感知部167を使って、分離信号光の出力変化を監視して、これによって分離状態を検出してもよい。以下に詳述する。
【0028】
図1は、基準座標系として直交XYZ座標軸を含む。Z方向を、光学ペン220の光軸または距離測定軸に対して平行に規定する。CRSシステム100の代表的な特性及び動作を以下に詳述する。
【0029】
図2は、三次元座標測定システム200と、自動接続可能または自動交換可能なCRSプローブ装置215とを示す。すなわち、このCRSプローブ装置215が、他の型式の三次元座標測定機(CMM)プローブに自動交換される。CRSプローブシステムは、本願においてCRSプローブと称される。明細書中に別途言及がない場合、複数の図面において同様の接尾文字を持つ符号(例えば、符号1XXと同じ接尾文字XXを持っている符号2XX)は、基本的に類似の構成を示すものとする。そして類似する構成1XXの記載に基づいて構成2XXへ変更することは、一般に、周知技術から容易に推測される。そのような類推が可能であるため、本発明の構成が周知技術の1つに限定して解釈されるべきではない。異なる実施形態においては様々な構成の異なった態様が当然存在するのは明らかであるからである。
【0030】
三次元座標測定システム200は、三次元座標測定機のコントローラ202、コンピュータ及びユーザインターフェース206、プローブ信号処理制御回路207、及び、三次元座標測定機210を備えている。コントローラ202は、プローブヘッド制御装置203、位置ラッチ204、及び、モーション制御装置205を含んでいる。CRSプローブ装置215は、自動交換ジョイント要素236を含み、プローブ自動ジョイント接続手段230(自動交換ジョイント接続手段とも言う)の係合ジョイント要素を介して、三次元座標測定機210に接続される。
【0031】
当業者は、コンピュータ及びユーザインターフェース206がどのようなコンピューティングシステム又は装置からでも一般的に構成され得ることを評価するだろう。適切なコンピューティングシステム又は装置は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、メインフレームコンピュータ、これらのいずれかを含む分散コンピューティング環境(DCE)などから構成される。そのようなコンピューティングシステム又は装置は、ここで開示する機能を実行するためのソフトウェアを実施するプロセッサを1つ以上含んでいる。前記プロセッサは、汎用又は専用のプログラム可能なマイクロプロセッサ、プログラム可能なコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能なロジック装置(PLD)、又は、同様のもの、若しくは、これらの装置の組合せを含む。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、又は、同様のもの、若しくは、これらの構成の組合せのようなメモリに保存されているとよい。また、ソフトウェアは、磁気式又は光学式ディスク、フラッシュメモリ装置、又は、その他如何なるタイプのデータ保存用不揮発性記憶媒体のような1以上の記憶装置にも保存されているとよい。ソフトウェアは、1つ以上のプログラムモジュールを含んでいるとよい。そのプログラムモジュールには、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等が含まれ、これらは、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データタイプを実行する。分散コンピューティング環境においては、複数のコンピューティングシステム又は装置にわたってプログラムモジュールの機能が結合・分散され、有線又は無線によるサービスコールによってアクセスされるようになっていてもよい。
【0032】
三次元座標測定機210は、データ転送回線201(例えばバス)を通して、他の構成部分のすべてと信号授受を行う。データ転送回線201は、コネクタ208(例えば「micro−D」型コネクタ)によって、CRSプローブ装置215への入力信号及び出力信号を流すプローブヘッドケーブル211につながっている。三次元座標測定機210は、三次元座標測定機用コントローラ202によって制御される。一方、CRSプローブ装置215は、プローブ信号処理制御回路207との間でデータ交換を行い、このプローブ信号処理制御回路207によって制御される。プローブ信号処理制御回路207の一実施形態として、
図1で測定信号処理制御回路160Bとして説明したような測定信号処理制御要素260Bを含んだプローブ信号処理制御回路が挙げられる。ユーザは、コンピュータ及びユーザインターフェース206を通して、全ての構成部分を制御できる。
【0033】
後で
図3を使って詳述するが、CRSプローブ装置215はプローブ電装部275と光学ペン220とを含む。プローブ電装部275は、光源及び波長検出部260Aを含んでいる。一実施形態として、
図1で光源・波長検出器の構成部分160Aとして説明したような光源及び波長検出器が挙げられる。光学ペン220は、測定表面290に測定光296を照射する。ここでは特別に雌ネジの内面を測定表面290にした例を挙げている。
【0034】
上述した様々な実施例において、
図1の分離感知部167を、信号演算器166に連動させるとよい。又は、分離感知部167は、信号演算器166と結合した様々な構成部分を有するとよい。例えば
図2の実施形態では、分離感知部167又はそれに相当する構成部分は、測定信号処理制御要素260Bに含まれている。分離感知部167がいくつかの構成部分に分かれていて、その構成部分が波長検出器162又は検出器アレイ163に含まれているとか、若しくは、その構成部分が波長検出器162又は検出器アレイ163の一部として含まれているとか、といった実施例においては、該分離感知部167の構成部分が
図2に示す光源及び波長検出部260Aに含まれていてもよい。
【0035】
図3は、三次元座標測定機210とCRSプローブ装置215’の構造図であり、
図2のCRSプローブ装置215の構成を具体的に示したものである。
図3に示されるように、三次元座標測定機210はプローブヘッド213を含んでいて、このプローブヘッド213は、プローブヘッドケーブル211を通してプローブ信号を送受信する。プローブヘッド213は三次元座標測定機の主軸217に固定されている。プローブ自動ジョイント接続エレメント230を利用して、CRSプローブ装置215’がプローブヘッド213に接続される。これは、特許文献5及び特許文献6にも詳述されている。
【0036】
プローブヘッド213は、一実施形態においては、水平面上を360度回転するとともに、U字型ジョイントを含んでいる。プローブ自動ジョイント接続エレメント230は、プローブヘッド213にCRSプローブ装置215’を機械的に強固に締め付けて固定する電気駆動型の接続エレメントになっており、プローブを外して他のプローブを取り付けることができるように構成されている。一実施形態では、プローブ自動ジョイント接続エレメント230は、第1及び第2自動交換ジョイント要素234、236を有して構成され、この第1自動交換ジョイント要素234がプローブヘッド213に取り付けられ、第2自動交換ジョイント要素236がCRSプローブ装置215’に取り付けられている。一実施形態では、プローブ自動ジョイント接続エレメント230には、電気的接触又は電気的接続部235が形成されており、プローブを取り付ければ、自動的な電気的接触が保証されて電気的接続がなされるように構成されている。複数の実施形態では、この接続方法のために、CRSシステムに比較的多くの信号ノイズが発生してしまう。しかし、以下に詳述するように、比較的ノイズの多い環境でも有効に機能する本発明の構成及び方法を利用することが非常に有利と言える。
【0037】
CRSプローブ装置215’は、プローブ自動ジョイント接続エレメント230を通じて自己の電源と制御信号を受けとる。プローブ自動ジョイント接続エレメント230を通じてCRSプローブ装置215’に送られる信号は、電気的接続部235を通過することになる。
図3に示すように、CRSプローブ装置215’は、プローブアッセンブリ216と、このプローブアッセンブリ216に取り付けられた自動交換ジョイント要素236とを含む。自動交換ジョイント要素236によって、プローブ自動ジョイント接続エレメント230を利用したCMMへの自動接続が可能になる。また、プローブ215’に保護カバー又はプローブ筐体269(図には模式的に示した。)も含めた方がよい。プローブアッセンブリ216は、光学ペン220と、電動の光源264及び波長検出器262を有するプローブ電装部275とを含む。これらは全て様々な構造部材によって支持されている。
図3に示す実施形態では、この構造部材が自動交換ジョイント要素236に固定されたベース218から延設されている。
【0038】
前述の
図1にも示したように、光学ペン220は、光ファイバーコネクタ209と、分離信号エレメント299と、共焦点アパーチャー295及び色分散光学系250を有する共焦点光学系と、を含んで構成され、測定光296を出力する。複数の実施形態では、光学ペン220は、色分散光学系250の交換も、衝突の際の分離も可能にする交換マウント285を有しているとよい。
【0039】
電動の光源264は、例えば、市販のクロマティック測距システムに使用されているような周知回路と連動するようにしてもよい。この周知回路は、自動交換ジョイント要素から電力供給を受けるプローブ電装部275内のプローブ電源・信号制御回路部276に含まれているとよい。
【0040】
複数の実施形態では、プローブ電装部275はシリアル変換器277Sを含んでいる。このシリアル変換器277Sは、様々なデータ信号をシリアル化(直列化)して、プローブ自動ジョイント接続エレメント230における比較的少ない本数のワイヤを通じて、パラレル変換器に伝達している。なお、パラレル変換器は、例えば、プローブ信号処理制御回路207に含められている。
図3に示す実施形態では、シリアル変換器277Sは、プローブ電源・信号制御回路部276に含まれている。しかし、他の実施形態では、シリアル変換器277SをCRS波長検出器262に含めた方がよい。何故なら、送信すべきシリアル化データの多くが、CRS波長検出器262で生成される測定スペクトルプロファイルデータであるからだ。他の形態として、シリアル変換器277Sの位置は、プローブ電装部275の中でより望ましい位置、すなわち、十分に低いノイズレベルとクロストーク特性を提供可能な位置である。上述の通り、分離感知部167の構成部分が
図2のプローブ電装部275の光源及び波長検出部260Aに含まれている実施形態において、それらの構成部分は
図3のプローブ電装部275にも同様に含まれる。
【0041】
光源264は、CRSプローブアッセンブリに必要な光を発生させる。その光は、光ファイバー212を通して光学ペン220に送られる波長域の入力スペクトルプロファイルを持っている。CRS波長検出器262には、分光器アレンジメント262’及び検出器アレイ263に連動する周知回路(例えば、市販のクロマティック測距システムに使用される回路など)を含めてもよい。なお、分光器アレンジメント262’及び検出器アレイ263は、CRS波長検出器262の検出軸に沿って分布された複数のピクセルから構成される。上述の通り、複数のピクセルは、被測定面で反射して共焦点光学系に戻った測定波長域の光と、分離信号エレメントで反射した分離信号波長域の光とを受け取り、出力スペクトルプロファイルデータを提供してもよい。
【0042】
以上のように、CRSプローブアッセンブリ自体が測定光を発生させ、かつ、ワークからの反射光を処理するという本発明の構成によって、所望の機能がCRSプローブアッセンブリだけで完結できる。つまり、CRSプローブアッセンブリ内に必要な要素が全て含まれているので、他の自動交換可能なCMM用プローブと同様に、本発明のCRSプローブも自動交換動作が可能になった。そのようなCRSプローブ装置は、CRSプローブアッセンブリから自動ジョイントコネクタを通る外部素子までの光ファイバー接続も、自動ジョイントコネクタに並行して設けられるようないかなる他の仮設経路に沿った光ファイバー接続をも必要とせず、又は、含んでいない。言い換えると、そのようなCRSプローブアッセンブリは、このCRSプローブアッセンブリの外側に延設されるような光ファイバーに接続されていないし、又は、そのような光ファイバーを含んでいない。
【0043】
同様に、そのようなCRSプローブ装置は、自動ジョイントコネクタを通るCRSプローブアッセンブリから外部素子までの分離感知回路用の接続も、自動ジョイントコネクタに並行して設けられるようないかなる他の仮設経路に沿った分離感知回路用の接続をも必要とせず、又は、含んでいない。つまり、分離状態の検出に、既存の、又は、改良されたCRSシステム内部を利用すれば、外部回路又は接続を追加する必要はない。
【0044】
図4は、三次元座標測定機210及び第2実施形態に係るCRSプローブ装置215’’の構造図である。このCRSプローブ装置215’’は、分離信号エレメント299付き交換可能光学エレメントを有する光学ペン220を含んでいる点で、
図2のCRSプローブ装置215に共通する。
図4のCRSプローブ装置215’’と
図3のCRSプローブ装置215’との主な相違点は、プローブ電装部275を取り除いて遠隔位置へ移動させたことである。
図4のCRSプローブ装置215’’はプローブ電装部275を含んでいないので、光ファイバー接続が必要となる。一実施例によると、その光ファイバー接続は、プローブ自動ジョイント接続エレメント230に向けられた、第1配線経路RT1を通って行われる。代替の実施形態においては、外部に配線された光ファイバー212を含む外部配線経路RT2を使用してもよい。複数の実施形態において、配線経路RT1又はRT2のどちらを使用するかの設計思想は、プローブ取付動作、機械設計などの固有の設計要因に依存する。
図4の実施例では、プローブ電装部275が含まれていないため、通常は、
図2のCRSプローブ信号処理制御回路207の一部であるプローブ信号処理制御要素260Bの中に分離感知部167を含める。
【0045】
図5は、
図1〜4の光学ペン220と共通する光学ペン220Aの代表的実施形態の構造図であり、分離信号エレメント299A、299B又は299Cを配置可能な3つの位置を示す。
図5に示すように、光学ペン220Aは、代表的な交換マウント285によって結合されたベース部材282と交換可能光学エレメント280を含んでいる。この実施形態において、交換可能光学エレメント280は、前板286、中空管231、色分散光学系250、転送レンズ251及び分離信号エレメント299A、299B又は299Cを含む。
【0046】
ベース部材282は、交換マウント285の第1の片面部材になる面を含んだベース筐体282Aを備えている。また、この面に対応して、前板286は、交換マウント285の第2の片面部材になる面を含んでいる。一実施形態として、第1及び第2の片面部材の一方又は両方に取り付けた永久磁石が形成する保持力アレンジメントによって、第2の片面部材が第1の片面部材に対して強制的に取り付けられる。通常、保持力アレンジメントには、バネで付勢された機械的ツメ部などの公知機構を用いる。一実施形態において、交換可能光学エレメント280にプログラム制御で誘導されるカラー232などを設けるとよい。これにより、CMMの移動可能範囲内のプローブ・ラック上に設けられた係合フォークの腕にカラー232が挿入され、その結果、交換可能光学エレメント280がベース部材282から自動的に分離されるようになる。このような保持力アレンジメントの1つの利点は、ワークとの衝突時に、CRSプローブ装置及び/又は三次元座標測定機の損傷が最小限になるように、交換可能光学エレメント280を取り外すことができる点である。下記に詳述するが、分離信号エレメント299A、299B又は299Cを用いれば、そのような分離状態を検出することができて、更なる動作の緊急停止信号を制御中の三次元座標測定機に送ることができる。
【0047】
ベース部材282は、外部の測定用の基準座標系に対して光学ペン220Aを安定して保持できるように設計されている。いくつかの実施形態において、ベース筐体282Aには、外部エレメントにベース部材を取り付けるための外部取付面が形成されている。ここで、ベース筐体282Aは、例えば、締結具又は他の取付具を用いて外部エレメントに締結され、又は、取付けられる。外部エレメントとは、外部の基準座標系を定義するものである。例えば、外部エレメントが、固定された基準座標系(例えば、光学ペン用の取付スタンド)を定義する固定エレメントで構成されてもよい。または、外部エレメントが、ここで開示したように、CMMに取り付けられたCRSプローブアッセンブリで構成されてもよい。CRSプローブアッセンブリは、機械座標システムからなる外部の基準座標系を定義するCMMに取り付けられている。様々な実施形態では、ベース部材が交換可能光学エレメントの唯一の支えになっており、非常に安定した方法で交換可能光学エレメントを支える。例えば、交換可能光学エレメントには想定された測定環境内でのわずかな振動しか生じない。ここに説明された外部取付構造は、代表的なものに過ぎず、これに限定されるものではない。しかしながら、ベース部材と交換マウントは、光ファイバーを周知の光学ペンに接続する従来型の光ファイバー接続とは区別される。例えば、そのような従来型の光ファイバー接続は、測定用の外部基準座標系と安定した関係を保ちつつ、光学ペンを反復的に取り付けて保持することには適さない。そのような従来の光ファイバー接続は、ここに開示される交換可能光学エレメント280といった光学ペンの光学エレメント用の保持部材を唯一支えるものとしての十分な強度及び/又は剛性を備えていない。
【0048】
一実施形態では、ベース部材282は、光ファイバー212の端部を含み、その端部は、通常、共焦点アパーチャー295に近接した位置に配置されている。この共焦点アパーチャー295は、これを囲んだ状態で配置された交換マウント285の第1の片面部材に相当する位置に固定されている。いくつかの実施形態では、光ファイバーの端部によって共焦点アパーチャー295が形成される。いくつかの実施形態では、共焦点アパーチャー295として、光ファイバーの端部に近接した位置又は隣接した位置で接着された薄いアパーチャー部材が採用される。または、以下に詳述するように、共焦点アパーチャー295として、光ファイバー端部位置決め部材283Bに形成された(又は、接着された)孔を採用してもよい。
【0049】
様々な実施形態では、光学ペンは、光ファイバー212の端部を共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置に配置するように構成された光ファイバー端部位置決め機構を備えているとよい。様々な実施形態では、光学ペンのレンズによって光学ペンを通過する測定光が焦点を結ぶ平均的な位置と、共焦点アパーチャー295の動作位置297とが一致する。特に、
図5の実施形態では、ベース部材282内に光ファイバー端部位置決め機構283全体が配置されていて、光ファイバー端部位置決め機構283は光ファイバー保持部材283Aおよび光ファイバー端部位置決め部材283Bを有し、これらの部材283A,283Bは、ベース部材282に固定(例えば、接着)されている。本実施形態では、光ファイバー保持部材283Aは、光ファイバーの保持または位置決めに応じた適合性を持っている。そして、光ファイバー端部位置決め部材283Bは、光ファイバー212の端部を共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置に安定させるように設けられている。
【0050】
例えば、一実施形態では、光ファイバー212及びその端部が、周知タイプの光ファイバーコネクタ中に採用されているバネ付勢型のフェルール283A’に固定されてもよい。そのような光ファイバーコネクタは、光ファイバー保持部材283Aおよび光ファイバー端部位置決め部材283Bを提供する。光ファイバー端部位置決め部材283Bには、光伝達用の孔を含んだ凹面283B’(例えば、孔、テーパ孔、面取りされた肩部など)が、フェルール用のガイドに囲まれた状態になっているとよい。ガイドは、バネ力で付勢されたフェルールを凹面283B’に向けて案内する。そして、フェルールは凹面283B’に隣接されて、凹面283B’で定まる望ましい位置(例えば、共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置)で安定する。
【0051】
いくつかの実施形態では、光ファイバー212の端部が共焦点アパーチャー295を構成してもよい。あるいは、共焦点アパーチャー295は、光ファイバー(及び/又は、フェルール283A’)の端部に相対する位置に固定されたアパーチャー部材(例えば、箔状または薄膜アパーチャー)のアパーチャーであってもよい。そのような場合、光ファイバー端部位置決め部材283Bが光ファイバー212の端部を安定させることで、共焦点アパーチャー295がその動作位置297に近接した位置で安定するようになっている。他の実施形態では、共焦点アパーチャーは、その動作位置(例えば、凹面283B’)において光学ペンベース部材282および光ファイバー端部位置決め部材283Bのうちの少なくとも一方に固定されたアパーチャー部材のアパーチャーを有する。この場合、光ファイバー端部位置決め部材283Bは、光ファイバー212の端部を共焦点アパーチャー295に近接した位置に安定させるために設けられている。
【0052】
いくつかの実施形態では、光ファイバー保持部材283Aが光ファイバーを受け取って、これをベース部材に対して十分強固に保持する。これは、光ファイバー212の端部を共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置に強固に配置することを担保し、この結果、光ファイバー端部位置決め部材283Bを取り除くことができる。
【0053】
交換可能光学エレメント280は、共焦点アパーチャー295から測定波長光を受けて、その測定波長光を共焦点アパーチャー295に返すように設けられている。また、交換可能光学エレメント280は、第2の片面部材に対して固定された光学アッセンブリを含んでおり、この光学アッセンブリは、測定軸に沿った当該交換可能光学エレメント280の測定範囲にわたって測定波長光に軸上色分散を与える色分散光学系250を含んでいる。また、一実施形態では、光学アッセンブリが、測定波長光の向きを光学ペン220Aの軸に直角に(例えば、中空管231の軸に直角に)向ける反射素子294を含むとよい。
図5に示された実施形態では、色分散光学系250は個々のレンズ252、253および254などを含んでいる。一実施形態では、レンズ252、253および254は同一であり、それぞれが軸上色収差に寄与している。
図5に示された一実施形態に係る配置構成は、共焦点アパーチャー295とミラー素子294間におよそ50mmの光路長を持っている。しかし、この配置は代表例に過ぎず、これに限定されるものではない。他の有用な色分散レンズアッセンブリが特許文献7に記載されているので、以下に詳述する。
【0054】
図5の実施形態では、さらに、共焦点アパーチャー295と色分散光学系250の間に転送レンズ(またはレンズアッセンブリ)251が配置されており、この転送レンズ251は、共焦点アパーチャー295の動作位置297からの測定波長光を受け取るとともに、戻ってきた測定波長光の焦点をその動作位置297に近接した位置で結ばせる役目をする。
図5には、いくつかの代表的なコンフォーカル光線(または、光線セグメント)が示されている。特に、光線R1,R2は、転送レンズ251とアパーチャー295の間に示され、光線R3,R4は、転送レンズ251と色分散光学系250の間に示されている。複数の実施形態では、転送レンズ251として、コリメートレンズ又はコリメートレンズに類似するレンズが採用される。そして、光線R3,R4が、ほぼ平行光か、または、ほぼコリメートされた光となることで、ある実施形態では以下に詳述するような有利点がある。光線R5,R6は、色分散光学系250の中に示されており、測定光296として光線R7,R8が生じる。ここで、共焦点アパーチャーの動作位置297を、光学ペン220Aのレンズ群の最良の焦点位置に近接した位置またはその焦点位置に合わせるのがよい。特に、この実施形態では、転送レンズ251の焦点位置に近接した位置またはその焦点位置に合わせるのがよい。
【0055】
図5は、分離信号エレメント299A、299B又は299Cの配置可能な3つの位置を示している。
図5に示されるように、分離信号エレメント299Aは、光ファイバー212の端部に近接し、且つ、共焦点アパーチャー295と転送レンズ251の間である第1の位置にある。分離信号エレメント299Aの設計に関し、この位置において光源光は放射状に広がっており、また、共焦点アパーチャー295及び/又は光ファイバー212の端部から、分離信号エレメント299Aまでの間隔に依存しているため、分離信号エレメント299Aによって反射されて光ファイバー212に戻される分離信号光の強度は、比較的弱くなる。従って、この位置において強い分離信号を提供する為には、分離信号エレメント299Aが高反射特性を有し(例えば、高い反射性)、反射光の波長選択性が高いことが有利である。これらの特性を有した一つの分離信号エレメントについて、
図11を用いて以下に詳述する。
【0056】
これに代えて、分離信号エレメント299Bは、転送レンズアッセンブリ251と色分散光学系250の間である、第2の位置にある。この位置では、平行光R3,R4のように幅広でほぼ平行光にされた分離信号光の光路上に、分離信号エレメント299Bを配置してもよい。
【0057】
分離信号エレメント299Bの設計に関し、この位置において、光源光はほぼ平行化されており、分離信号エレメント299Bによって反射される分離信号光は、光ファイバー212へ強い強度で戻る。従って、この位置において、分離信号エレメント299Bが、反射光の波長選択性が高いことが有利となるが、反射特性に関しては適度又は低くても十分である。いくつかの実施形態において、このことにより、
図11にて詳述するものより経済的なエレメントの使用が可能となる。
【0058】
代わりに、分離信号エレメント299Cは、光源光に軸上色収差を提供する、色分散光学系250の中の第3の位置に配置されている。前述した通り、いくつかの実施形態において、レンズ252、253及び254のそれぞれは、軸方向の色収差に寄与する。従って、
図5に示されるように、様々な波長の光が、その色分散光学系250の内部において、中間レベルの軸方向の色収差の効果を伴った状態で焦点を結ぶようにしてもよい。分離信号エレメント299Cの設計に関し、特に、光線R5’とR6’に例示されるような分離信号に使用される検出波長光(又は、狭い波長域)が優先的に焦点を結ぶ位置、すなわち、検出波長光の焦点位置DWFに、分離信号エレメント299Cの反射面が配置される。なお、この検出波長光は分離信号波長域の光である。一方、クロマティックレンジセンサシステムの特定の測定範囲に対応する測定波長域の光は、この検出波長光の焦点位置DWFで焦点を結ばない。結果的に、このような設計において、分離信号エレメント299Cは、焦点の合った分離信号波長光を反射して、光路に沿って戻す。共焦点アパーチャー295でその分離信号波長光の焦点を合わせ、光ファイバー212に通す。この効率的な焦点の合わせ方により、この位置における分離信号エレメント299Cの反射特性は低くても十分である(例えば、透明ガラスのエレメントの表面でもよい。)。さらに、分離信号エレメント299Cの反射特性が低いのであれば、クロマティックレンジセンサシステムの測定範囲に対応する測定波長域の光を含んだ光源光の大半を透過するものでもよく、波長選択性を特に必要としない。そのような実施形態において、とても経済的なエレメントの使用を可能にする(例えば、透明ガラスのエレメントの表面でよく、波長フィルタの特性を有さなくてもよい)。
【0059】
図6は、前述の光学ペン220に共通する光学ペン220Cの代表的な実施形態を示す構成図である。また、分離信号エレメント299A、299B、299C、299A’又は299C’を配置可能な5つの位置を示している。さらに、光学ペン共焦点アパーチャーの動作位置297Cが交換可能光学エレメント280C中に配置されている。
図6に示す実施形態では、交換可能光学エレメント280Cの光学アッセンブリは、
図5にて説明したものと共通した光ファイバー端部位置決め部材283Bを含んでいる。言い換えれば、本実施形態にて、光学ペン220Cは、交換可能光学エレメント280C中の共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置に光ファイバー212の端部を配置するように構成された光ファイバー端部位置決め機構283を含んでいる。
【0060】
特に
図6の実施形態では、光ファイバー端部位置決め機構283は、その光ファイバー保持部材283Aが部分的にベース部材282中に配置されており、また、その光ファイバー端部位置決め部材283Bが部分的に交換可能光学エレメント280C中に配置されている。この光ファイバー端部位置決め部材283Bは、交換可能光学エレメント280C中に固定(例えば、接着)されている。この実施形態では、光ファイバー保持部材283Aは、光ファイバーの保持または位置決めに応じた適合性を持っている。そして、光ファイバー端部位置決め部材283Bは、光ファイバー212の端部を共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置に安定させるように設けられている。例えば、一実施形態では、光学ファイバー212とその端部が、あるタイプの光ファイバーコネクタ中に採用されているバネ付勢型のフェルール283A’に固定されているとよい。そのような光ファイバーコネクタは、光ファイバー保持部材283Aを提供するもので、交換マウント285の表面から交換可能光学エレメント280Cの内部に延びている。光ファイバー端部位置決め部材283Bは、交換可能光学エレメント280C内への取り付けに適している。光ファイバー端部位置決め部材283Bには、光伝達用の孔を含んだ凹面283B’(例えば、孔、テーパ孔、面取りされた肩部など)が形成されており、フェルール用のガイドに囲まれている。ガイドは、バネ付勢型のフェルールを凹面283B’に向けて案内する。そして、フェルールは凹面283B’に隣接し、凹面283B’で定まる望ましい位置(例えば、共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置)に安定して配置される。
【0061】
複数の実施形態では、共焦点アパーチャー295は光ファイバー212の端部によって構成されてもよい。あるいは、共焦点アパーチャー295は、光ファイバー(及び/又は、フェルール283A’)の端部に対して固定されたアパーチャー部材(例えば、箔状または薄膜アパーチャー)のアパーチャーであってもよい。そのような場合、光ファイバー端部位置決め部材283Bが光ファイバー212の端部を安定させるように設けられ、その結果、共焦点アパーチャー295が動作位置297に近接した位置に安定するようになっている。他の実施形態では、共焦点アパーチャーが、その動作位置(例えば、凹面283B’)おいて、交換可能光学エレメント280Cおよび光ファイバー端部位置決め部材283Bのうちの少なくとも一方に固定されたアパーチャー部材のアパーチャーにて構成されてもよい。そのような場合、光ファイバー端部位置決め部材283Bは、共焦点アパーチャー295に近接した位置に光ファイバー212の端部を安定して配置するように設計される。光ファイバー端部位置決め部材283Bを交換可能光学エレメント280Cに配置する利点は、交換可能光学機構280Cを分離して再度ベース部材280に取り付ける際に、他の光学エレメントとの位置関係において共焦点アパーチャー295をより精度よく繰り返し位置決めすることができることである。それは、交換マウント285が上記位置関係に影響を与えないからである。
【0062】
一実施形態では、交換可能光学機構280は、(例えば前板286に取り付けられた)ID素子233を含むとよい。対応する読取素子233Rは光学ペンベース部材282に配置されるとよい。ID素子233は、交換可能光学エレメント280用の特定の識別情報でコード化されているとよい。一実施形態では、ID素子233が、無線周波数認識装置(RFID素子)により構成されるとよく、そのRFID素子は受動型であると更によい。読取素子233R(例えば、RFID読取素子)は、ID素子233からデータを読むことができるように十分に近接して配置されている。いくつかの実施形態では、もし読取素子233RがID素子233に隣接して配置されていなければ、ベース部材282に孔を形成した方がよい。これにより、ベース部材の材質によってID素子233と読取素子233R間の信号(例えば、電波信号、光信号、光学画像など)変換が妨げられないですむ。いくつかの実施形態では、ID素子233は、識別マーク(例えば、簡単なバーコード)又は識別色を含み、そして、読取素子233Rは、識別マーク又は識別色に対応する信号を出力する光検出器を含んでいるとよい。いくつかの実施形態では、ID素子233は、ある識別周波数を持った受動型共振回路を備え、そして、読取素子233Rは、識別周波数への対応信号を出力する励振器/検出器を備えているとよい。
【0063】
上記実施形態は代表例に過ぎず、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、共焦点アパーチャー295の動作位置297を交換可能光学エレメント280Cまで伸ばすことが望まれる場合がある。交換マウント285を用いて光ファイバー保持部材283Aの位置を維持し、交換可能光学エレメント280C内で光ファイバー212の端部を共焦点アパーチャー295の動作位置297に近接した位置に確実に配置することによって、その光ファイバー保持部材283Aが光ファイバーを受け取って、ベース部材280と交換可能光学エレメント280Cとに対して該光ファイバーを十分に強固に保持することができる。その結果、分離された光ファイバー端部位置決め部材283Bを取り除くことができる。
【0064】
図6はさらに、分離信号エレメント299A、299B、299C、299A’又は299C’の配置可能な5つの位置を示している。分離信号エレメント299Aの設計は、
図5を用いて詳述された上記の分離信号エレメント299Aと共通している。様々な代替の実施例において、分離信号エレメント299Aの位置は、共焦点アパーチャー295と転送レンズ251の間に示されるが、光ファイバー212の端部と共焦点アパーチャー295の間に位置してもよい。上述の通り、例えば、共焦点アパーチャー295は、交換可能光学エレメント280C、及び、交換可能光学エレメント280Cの中で固定(例えば、結合)された光ファイバー端部位置決め部材283Bのうち少なくとも1つに固定されたアパーチャーによって構成されてもよい。そのような場合、分離信号エレメント299A(例えば、薄い被膜)は、光ファイバー212の端部と共焦点アパーチャー295の間に配置されてもよい(例えば、分離信号エレメントの薄い被膜はアパーチャー部材の内側の表面に配置されてもよい)。
【0065】
分離信号エレメント299Bと299Cの設計は、
図5を参照にそれぞれ上記に詳述された分離信号エレメント299Bと299Cと共通しており、類推によって理解される。
【0066】
分離信号エレメント299A’の設計は、光ファイバー212を通って戻される測定波長光と同じ光路に沿って分離信号波長光を反射させる為、交換可能光学エレメント280Cの先端部付近であればどこに配置されてもよい(例えば、光源光の収束部)。分離信号エレメント299Aと同様の理由で、この位置において、分離信号エレメント299A’によって反射されて光ファイバー212に戻される波長光の強度は、比較的弱い。従って、この位置において大きな分離信号を提供する為には、分離信号エレメント299A’が高反射特性であり、反射光の波長選択性が高いことが有利となる。これらの特性を持った分離信号エレメントの1つを、
図11を参照に後で詳述する。一実施形態において、分離信号エレメント299A’は、光学ペン220Cを封止する保護窓材として用いられる。
【0067】
分離信号エレメント299C’の設計に関し、
図5を参照に上記に詳述された分離信号エレメント299Cと共通しており、類推によって理解される。特に、分離信号エレメント299C’の反射面は、交換可能光学エレメント280Cの先端部付近の、分離信号に使用される検出波長光(又は、狭い波長域)が優先的に焦点を結ぶ位置、すなわち、検出波長光の焦点位置DWF’に配置される(例えば、光学ペン220Cの測定範囲に隣接した位置)。一方、クロマティックレンジセンサシステムの特定の測定範囲に対応する測定波長域の光は、検出波長光の焦点位置DWF’で、焦点を結ばない。
図5に示される分離信号エレメント299Cに関して前述した動作と結果的に同様の動作になり、共通のエレメントが使用されてもよい(例えば、透過ガラスのエレメントの表面でよく、波長フィルタを含める必要はない)。分離信号エレメント299C’は周知の機械的技術を使用して適正な位置で支えられ、光学ペン220Cを封止する保護窓材として用いられる。
【0068】
図7は、分離信号エレメント299を有する交換可能光学エレメント280Hを回転させるための回転エレメント710を含んだ光学ペン220Hの代表的実施形態を示す構成図である。
図7に示されるように、ベース部材282Hは回転エレメント710の部分を含んで構成される。転送レンズ251は、ベース部材282Hの拡張部282HXの中に配置されている。転送レンズ251は、筒部282HX’、又は機械加工された取付器具などによって、共焦点アパーチャー295から適切な距離を置いて配置される。光線R1とR2は、転送レンズ251から拡張部282HXを通って、共焦点アパーチャー295が配置されている操作位置297に近い焦点位置へ進む。転送レンズ251からのほぼ平行な光線R3とR4は、交換マウント285を通る。そして、中空管231Hを通って、色分散光学系250へ進む。
【0069】
図7に示されるように、この実施形態では特に、回転エレメント710が、交換マウント285の第1の片側部材になる面を持った回転部712を含んでいる。第1の片側部材は、前板286に配置された交換マウント285の第2の片側部材と連結できるようになっている。また、回転エレメント710は回転駆動用のモーター716及び歯車718とともに、ベアリング714を含んでいて、回転部712を回転させることができる。代替の構成として、モーター及び回転アクチュエータ(例えば、モータースリーブ機構など)を利用してもよい。一般的に、転送レンズ251がベース部材282Hに配置されている時、回転による光伝達の誤差/影響は少なくなる。これは、回転ジョイントを通る平行光R3とR4で示す幅広の平行光の伝達が、アライメントの変動に対してそれほど敏感に反応しないからである。この設計では、分離信号エレメント299が転送レンズ251と色分散光学系250の間に配置される為、分離信号エレメント299は平行光R3とR4によって示される幅広な平行化された光線の光路上に配置される。このような場合、分離信号エレメント299による反射波長光についても、反射波長光を運ぶ幅広い平行化光線の性質によって、光伝達の誤差/影響は少なくなる。しかしながら、この配置は代表的なものに過ぎず、これに限定するものではない。
図5及び
図6の構成のいずれも、この開示に基づいて明らかなわずかな適合により、交換可能光学エレメントを回転させる類似の構成に変更され得る。複数の実施形態では、回転位置にかかわらず最も良い校正及び精度を得るために、光学ペンが交換可能光学エレメントの複数の回転位置にそれぞれ対応した特有の各校正データからなる校正データによって特徴づけられるとよい。そのような校正は、回転位置に相関する様々なミスアラインメントを補正できる。
【0070】
図8は、クロマティックポイントセンサからのプロファイルデータの線
図800である。線
図800は、検出器アレイ163内のピクセルに関する電圧オフセットの信号レベルVoffset
pと、分離信号エレメント299に対応する無補正の分離感知信号DSSについて説明している(例えば、
図1)。プロファイルデータは、測定表面がない時(例えば、
図1と
図2の測定表面290がない時)の電圧オフセットの信号レベルVoffset
pを示す。電圧オフセットの信号レベルVoffset
pは、1,024個のピクセルのそれぞれの正規化電圧がプロットされたものである。「正規化電圧」では、1.0の値が検出器アレイ163の飽和電圧に割り当てられている。
【0071】
電圧オフセットの信号レベルVoffset
pは、アレイ全体に渡って一定であるように示されているバイアスの信号レベルVbiasと、アレイ全体に渡ってピクセル座標pに依存しているように示されている雑音信号成分Vback
pとを含む。変動する雑音信号成分Vback
pは、クロマティックポイントレンジセンサシステムの光ファイバー内の波長依存性の疑似反射等からの背景光といった信号はもちろん、様々なピクセルpの暗電流による信号を表している。様々な実施形態では、検出器アレイ163のピクセル配置を校正又は補正する為に、継続して、その信号成分Vback
p(又は、これと同様の変動を示す信号、例えば電圧オフセット信号Voffset
p)を記憶し、また、これらのデータを用いて各ピクセルpから後続する全てのプロファイルデータ信号を(例えば、減算によって)補正することが有利にある。いくつかの実施形態において、時間が経っても比較的安定している雑音信号成分Vback
pとは対照的に、周囲温度の変化及び動作中に電装部160の発熱に伴って生じる電圧ドリフトの結果として、座標非依存性のバイアス信号レベルVbiasは変動し得る。バイアス信号レベルVbiasの補正方法の代表的な方法の1つが、特許文献8に詳述されている。
【0072】
無補正の分離感知信号DSSは、交換可能光学エレメント280の反射性分離信号エレメント299によって生じる追加信号(例えば波長光のピーク)を表す。上述の通り、分離信号エレメント299は、分離信号波長域の光を少なくとも部分的に反射する。
図8に示されるように、分離感知ピクセル範囲DSPRのピクセルが分離信号波長光を検出すると、無補正の分離感知信号DSSが得られる。検出器アレイの分離感知ピクセル範囲DSPRの位置が示すように、この特定の実施形態において、分離信号波長光は、比較的短い波長光からなる。特定の実施例において、分離信号波長光に短い波長光を利用することは、より長波長側の範囲にある測定波長光と干渉しにくいため、有利である。
【0073】
いくつかの実施形態において、分離感知信号DSSは、上述の通り、検出器アレイ163のピクセル配置を電圧オフセットの信号レベルVoffset
pに沿って校正又は補正する為に、信号成分Vback
pと共に記憶される。また、各ピクセルpから後続する全てのプロファイルデータ信号中の分離感知信号DSSに対応する信号は、記憶したデータによって(例えば、減算によって)、継続的に補正され、または「取り消される」。そのようにして分離感知信号DSSが補正された場合、交換可能光学エレメントの適正な取付状態は、対応するピクセルの補正した信号が、“ゼロ付近信号”又はヌル信号(null signal)を示す。さらに、そのような場合、交換可能光学エレメントの分離状態又はこれがない状態は、対応するピクセルからの信号を補正した結果は、大きな負の信号レベルを示す。
【0074】
逆に、いくつかの実施形態では、分離感知信号DSSを補正しない。分離感知信号DSSが無補正の場合、交換可能光学エレメントの適正な取付状態は、描かれているピーク信号(DSS)のように、対応するピクセルで波長光ピークを示す。さらに、この場合、交換可能光学エレメントの分離状態又はこれがない状態は、対応するピクセルでゼロ付近信号又はヌル信号を示す。これらのことは、
図10を参照に以下に詳述する。
【0075】
図9は、クロマティックポイントセンサからのプロファイルデータ910の線
図900である。線
図900は、測定距離指示座標に対応したピーク領域信号、及び、無補正の分離感知信号DSSを示す。CPS検出器(例えば、波長検出器162)からのプロファイルデータ910(例えば、測定プロファイル信号データ)は、CPS測定動作中に取得される。CPS測定動作中とは、特定の光学ペン又は全体のシステムについての校正動作中でも、通常の測定動作中でもよい。プロファイルデータ910は、プロファイル信号MSpとも称される。但し、MSpは、検出器アレイ(例えば、検出器アレイ163)の各ピクセルpでの信号レベル(正規化電圧で示される)である。
図9の線
図900は、光学ペン220の光軸OA上のある距離に目標表面を位置決めした状態で作成されたもので、距離に対応した主波長のピーク領域を有する測定プロファイルデータ910が生成されることが分かる。
【0076】
様々な実施形態において、無補正の分離感知信号DSSの波長光は、測定光に対するものと同じ構成(検出手段)によって検出され処理される。例えば、この検出手段には、クロマティックレンジセンサの波長検出器の検出器ピクセルのサブセットである分離信号ピクセルのセットが利用される。または、無補正の分離感知信号DSSの波長光の処理には、その他の検出手段を利用してもいい。例えば、検出部に設けられた偏向手段によって、分離信号エレメント専用のセンサに向かう別の光路を辿るように、分離感知信号DSSの波長光を偏向させてもよい。
【0077】
上述の通り、様々な実施形態において、分離感知信号DSSは無補正でもよいし、補正されてもよい。この場合、分離感知信号DSSおよびその他の信号を一緒に補正してもよいし、又は、その他の信号は補正しないで分離感知信号DSSだけを補正してもよい。ここで言うその他の信号とは、例えば、
図8で上述した信号Vback
p等を示す。
【0078】
もし、分離感知信号DSSが無補正の場合で交換可能光学エレメントが取付状態の時、上記の検出手段は、測定波長光に基づく
図9に示される測定波長光ピーク領域を生成すると同時に、分離感知信号DSSに基づいてピクセル信号中に破線で示された波長光ピークを生成する。逆に、もし、分離感知信号DSSが補正されている場合で交換可能光学エレメントが取付状態の時、上記の検出手段は、測定波長光に基づく
図9に示される測定波長光ピーク領域を生成すると同時に、補正されて平坦信号又はヌル信号になったピクセル信号(例えば、MVbiasのレベル)を提供する。
【0079】
分離感知信号DSSがどのように処理されようとも、クロマティックレンジセンサシステムの測定範囲(すなわち、分離感知ピクセル範囲とは反対側の範囲)に応じた信号又は波長光に基づいて、測定波長光に対する距離指示座標(DIC)が決定される。具体的には、そのような決定に関するデータとして、
図9には、測定バイアスの信号レベルMVbias(正規化電圧で示す)、ピークのピクセル座標ppc、ピーク位置のインデックス座標ppic、及び、データ閾値MVthresholdが示されている。データ閾値MVthresholdは、ピーク領域内のデータの距離指示サブセットの下限を定義する。全ての「MV」値は正規化電圧である。
図9は、校正スペクトルのピーク領域内のデータの距離指示サブセットに基づいて決定される距離指示座標(DIC)も示す。データ閾値MVthresholdは、インデックス特性の閾値MVthreshold(ppic)としてもよい。
【0080】
簡潔に言えば、一実施形態において、距離指示座標(例えば、プロファイルデータ910に関して説明した距離指示座標DIC)を決定する測定動作は、以下の工程からなる。
・目標表面を光軸OAに沿って位置決めし、結果として生成されるプロファイルデータ910を取り込む。
・ピークのピクセル座標ppc(すなわち、最大信号を有するピクセル)を決定する。
・ピーク位置のインデックス座標ppicを決定する。このインデックス座標ppicは、特定の校正データ(例えば、インデックス特性の閾値校正データ)を記憶し、及びその校正データを検索するためのインデックスである。いくつかの実施形態では、これはピークのピクセル座標ppcと同じにしてもよい。
・測定バイアスの信号レベルMVbiasを決定する。
・データ閾値MVthresholdを決定する。(例えば、ピーク高さの存在する割合として決定する。又は、現在のピーク位置のインデックス座標ppicに対応するインデックス特性の閾値校正データに基づいて決定する。)
・測定ピーク領域において、データ閾値MVthresholdよりも大きな値のデータである距離指示サブセットに基づいて、サブピクセル分解能での距離指示座標(DIC)を決定する。
・距離校正の測定の場合、(例えば、干渉計によって)所望の精度で、目標表面までの対応する距離を独立して決定する。そして、距離校正のテーブル内または曲線上での距離校正データの位置を決定する。
・ワーク距離の通常測定の場合、記憶された距離校正データ内での対応する距離に、測定DICを相関付けることによって、測定距離を決定する。
【0081】
上記動作では、データ閾値MVthresholdよりも上のデータである距離指示サブセットに基づいて、距離指示座標DICをサブピクセル分解能で決定することができる。いくつかの異なる方法のうちの1つによって、測定DICを決定することができる。一実施形態では、測定DICは、データの距離指示サブセットの重心XCをサブピクセル分解能で表わした座標として、決定される。例えば、1024個のピクセルを有する検出器の場合、重心XCは、次の式(1)に従って決定することができる。
【数1】
【0082】
ここで、式(1)中のS
M(p)は、次の式(2)で与えられる。
【数2】
【0083】
特定の一例では、式(1)において、n=2である。式(2)は、重心の計算に使用されるデータを、距離指示サブセットのデータ内に制限することが好ましい。校正動作中に、距離指示座標DICが決定される場合は、距離指示座標DICを校正距離指示座標と呼ぶ。同様に、測定動作中に決定される場合は、距離指示座標DICを測定距離指示座標と呼ぶ。
【0084】
図10は、クロマティックポイントセンサからのプロファイルデータの線
図1000である。線
図1000は、
図8及び
図9の分離感知信号DSSについて代替可能な様々な信号処理を示す。
図10に示すように、第1実施形態の信号1010aは、分離信号エレメント299を含んだ交換可能光学エレメント280が取り付けられている場合の(例えば、検出器193のピクセルからの)生の無補正信号を表す。信号1010aについては、検出器アレイから得られた生の無補正ピクセル信号1010a’の前後に含まれている。(例えば、前述した雑音信号電圧オフセット信号Voffset
pが無補正であるようなところに含まれている。)もしそのような生の信号が、交換可能光学エレメントの取付/分離の検出に用いられる場合、示されているトリガー電圧レベル1020aは、生の無補正信号1010aの分離トリガー閾値を示すものとして用いられる。具体的には、一実施形態において、周知の方法による信号処理が提供されてもよい。もし生の無補正信号1010aが、分離感知ピクセル範囲DSPRの閾値電圧1020aより低いと、分離状態が検出される。逆に、分離感知ピクセル範囲DSPRの閾値電圧1020aよりも高いと、取付状態が検出される。
【0085】
代替の実施形態において、分離信号エレメント299を含んだ交換可能光学エレメント280からの分離感知信号DSSは、上述の通り、電圧オフセット信号Voffset
pに沿って補正される。各ピクセルpから後続する全てのプロファイルデータ信号中の分離感知信号DSSに対応する信号は、(例えば、減算によって)継続的に補正され、または「取り消される」。そのような実施形態にて、補正された交換可能光学エレメントが適切に取り付けられた状態では、波長検出器からの補正された出力信号は、
図10に示される信号1010のようになる。そのような実施形態にて、信号1010bは交換可能光学エレメントの分離状態を示す。
【0086】
具体的には、補正された交換可能光学エレメントが分離した状態又はこれがない状態では、分離信号エレメント299が分離信号波長光を反射して返さないため、補正された分離感知信号DSSによって、図示のような「負のピーク」の信号レベル1010bに補正されたピクセル信号が生じる。言い換えると、もし、
図8の分離感知信号DSSを含めて補正がなされて、検出器の出力信号を補正する為に分離感知信号DSSが減算され、そして、分離信号エレメント299を含む交換可能光学エレメント280が分離されたならば、減算後の信号は負のピーク信号1010bを含むようになる。
この実施形態において、トリガー電圧レベル1020bは、補正された信号1010bの分離トリガー閾値を示す。言い換えると、もし、分離感知ピクセル範囲DSPRにおいて補正された信号1010bが電圧レベル1020bよりも負になった場合に、分離状態が検出される。逆に、もし、分離感知ピクセル範囲DSPRにおいて補正された信号1010bが電圧レベル1020bよりも負にならない(このレベルよりも正側になった)場合に、補正された信号1010bは、例えば、信号1010のレベルでのゼロ付近信号又はヌル信号になり、取付状態を示すことになる。上述の通り、このような実施形態で、交換可能光学エレメントが適切に取り付けられていて、測定範囲内に測定表面がない場合には、波長検出器からの補正出力信号は信号1010のようになる。
【0087】
実施形態にて期待される唯一の有意な信号が、測定されるワーク表面290からのものである、ということが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、必要に応じて、測定範囲内の波長の光を分離信号に用いてもよい。例えば、分離信号エレメント299としては、分離信号波長光の一部分しか反射せず、それらの波長光を測定波長光としても用いることができるように十分に透過するものでもよい。このような場合は、測定表面からのピークは正になって、分離されたプローブからの信号は負になってもよい。適切な分離信号の処理が、周知技術によって実行され、混合がないようになる。
【0088】
更なる実施形態では、電圧オフセット信号Voffset
pについては上述の通りに補正を実行し、分離信号エレメント299を含む交換可能光学エレメント280からの分離感知信号DSSについては補正を実行しないようにしてもよい。このような実施形態において、補正された交換可能光学エレメントが適切に取り付けられている場合、波長検出器からの補正出力信号は、
図10に示される信号1010のようになる。ただし、分離感知ピクセル範囲DSPRは除かれ、このDSPRの範囲では破線の分離信号ピーク1010cが生じる。
【0089】
この実施例では、トリガー電圧レベル1020cが有用な分離トリガー閾値を表す。言い換えると、もし、分離感知ピクセル範囲DSPR内の電圧信号1010cが電圧レベル1020cよりも負になる場合は、分離状態が検出される。逆に、分離感知ピクセル範囲DSPRにおいて電圧レベル1020cよりも信号レベルが高い場合は、取付状態を示す。
【0090】
図11の線
図1100は、特定の実施例の分離信号エレメント299についての一特性を表す応答曲線1110である。上述の通り、様々な実施形態において、分離信号エレメント299は分離信号エレメントがターゲットにする分離信号波長域の光の大半を反射するように設計されている。分離信号エレメントは、ローパス反射性フィルタ、ハイパス反射性エッジフィルタ、バンドパス反射性フィルタ等の部材を備えるようにしてもよい。
【0091】
図11の特定の実施例では、その応答曲線が示された分離信号エレメントが、ローパスリフレクターとして用いられる高感度エッジフィルタを形成する薄いフィルム状の被膜によって構成されている。その応答曲線1110は、例えば450nm以上のように波長の長い測定波長域において高い透過率を維持しながら、440nm以下の波長範囲でほぼ100%の反射特性を示す。このような高感度エッジフィルタは、ニューヨーク州、ロチェスター所在のセムロック社(Semrock Inc.、www.semrock.com)等から市販されている。このタイプの応答曲線は、特定のタイプのシステムの利用に申し分なく適している。一実施例として、測定光を提供する蛍光体(りん光体)を励起させるためのLEDを含んだ光源164を利用してもよい。LEDの励起波長が440nmで、測定波長光として利用可能な安定した発光波長光が500nmから700nmの範囲内であるような実施例では、
図11に示される応答曲線が比較的理想的なものとなる。
【0092】
様々な実施例において、分離信号エレメント299は様々な物理的特性を有してもよい。例えば、薄膜や窓材として利用する場合、分離信号エレメントは、1mm未満の基板によって構成してもよく、より具体的には、50μmから250μmの範囲内であってもよい。様々な実施形態では、レンズ、ビームスプリッタ、及び封止窓など、光学ペンにおいて他の目的に用いるための光学素子に薄膜の反射性フィルタを適用してもよい。
図11を用いて上述した分離信号エレメントを、ここに開示したいずれかの分離信号エレメントの配置位置に用いてもよい。しかしながら、様々な実施形態において、それぞれの光学特性に応じて適切な位置に設定された一層経済的なエレメントを使用してもよい。例えば、分離信号エレメント299B、299B’、299C及び299C’について詳述した通りである。
【0093】
図12は、分離状態を検出する分離信号エレメントを利用するためのルーチン1200の代表的実施形態を示すフロー図である。ブロック1210では、色分散光学系および分離信号エレメントを有する交換可能光学エレメントを含んだ光学ペンが提供される。前記分離信号エレメントは、クロマティックレンジセンサシステムの測定範囲に対応する測定波長域の光の大半を透過し、分離信号波長域の光の少なくとも一部を反射するように設計されている。ブロック1220では、分離信号波長域の光がもはや部分的にも反射されなくなった時に、光学ペンから交換可能光学エレメントが分離した印として捉えられ、分離状態が検出される。ブロック1230では、分離状態の検出に応答して、分離表示信号が提供される。上述の通り、分離表示信号は、様々な目的に利用されるとよい。例えば、衝突が起きた際、更なる破損を防ぐために、三次元座標測定機を直ちに停止させること等である。
【0094】
以上説明した様々な実施形態の他にも、ここに開示された発明の構成及び動作手順に基づく、多くの変形例がある。例えば、当業者は、記載されたフローチャートを様々な態様に変形できる。より具体的には、工程の順序を変えても、複数の工程を併行に実施してもよい。工程を省略しても、他の工程が含まれてもよい。このように、請求項に記載された特許請求の範囲の中で、様々の変形例が可能となる。