特許第6405840号(P6405840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405840
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】水性懸濁状除草剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/04 20060101AFI20181004BHJP
   A01N 47/36 20060101ALI20181004BHJP
   A01N 47/38 20060101ALI20181004BHJP
   A01N 37/18 20060101ALI20181004BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20181004BHJP
   A01N 25/08 20060101ALI20181004BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   A01N25/04 102
   A01N47/36 101E
   A01N47/38 A
   A01N37/18 A
   A01P13/00
   A01N25/08
   A01N25/30
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-197938(P2014-197938)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-69304(P2016-69304A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】三田村 佳代
(72)【発明者】
【氏名】加茂 大作
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−091693(JP,A)
【文献】 特開2012−184209(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/133181(WO,A1)
【文献】 特開平10−330202(JP,A)
【文献】 特開平05−105601(JP,A)
【文献】 特開平04−217601(JP,A)
【文献】 特開2001−151852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00−65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃で固体のスルホニルウレア系除草活性化合物、ショ糖脂肪酸エステル、アニオン性界面活性剤、自己乳化型シリコーン系消泡剤、ベントナイト、水溶性高分子分散剤及び水を含有することを特徴とする水性懸濁状除草剤組成物。
【請求項2】
水性懸濁状除草剤組成物の全量に対して、25℃で固体のスルホニルウレア系除草活性化合物を0.5〜50重量%、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜5重量%、アニオン性界面活性剤を0.1〜5重量%、自己乳化型シリコーン系消泡剤を0.01〜2重量%、ベントナイトを0.1〜3重量%、水溶性高分子分散剤を0.1〜5重量%及び水を40〜95重量%含有することを特徴とする水性懸濁状除草剤組成物。
【請求項3】
25℃で固体のスルホニルウレア系除草活性化合物が、イマゾスルフロン及びプロピリスルフロンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の水性懸濁状除草剤組成物。
【請求項4】
アニオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩及びポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸エステル塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の水性懸濁状除草剤組成物。
【請求項5】
水溶性高分子分散剤が、アルギン酸塩、アラビアガム、グアガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース塩及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の水性懸濁状除草剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の水性懸濁状除草剤組成物を水田に直接散布する工程を有することを特徴とする水田に発生する雑草の防除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性懸濁状除草剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
農業就労者の高年齢化、就労者数の減少に伴い、簡便な方法により散布可能な農薬製剤が求められてきた。かかる状況下、湛水された水田に、畦畔から原液のまま直接散布可能な水性懸濁状農薬製剤が提案されており、例えば、スルホニルウレア系除草活性化合物及びアセチレングリコール系界面活性剤を含有する水性懸濁状農薬組成物が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−79740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、拡散性に優れた新しい水性懸濁状除草剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、自己乳化型シリコーン系消泡剤を配合した水性懸濁状除草剤組成物が拡散性に優れることを見出した。
即ち、本発明は以下の[1]〜[6]の通りである。
[1] 25℃で固体のスルホニルウレア系除草活性化合物、ショ糖脂肪酸エステル、アニオン性界面活性剤、自己乳化型シリコーン系消泡剤、ベントナイト、水溶性高分子分散剤及び水を含有することを特徴とする水性懸濁状除草剤組成物。
[2] 水性懸濁状除草剤組成物の全量に対して、25℃で固体のスルホニルウレア系除草活性化合物を0.5〜50重量%、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜5重量%、アニオン性界面活性剤を0.1〜5重量%、自己乳化型シリコーン系消泡剤を0.01〜2重量%、ベントナイトを0.1〜3重量%、水溶性高分子分散剤を0.1〜5重量%及び水を40〜95重量%含有することを特徴とする水性懸濁状除草剤組成物。
[3] 25℃で固体のスルホニルウレア系除草活性化合物が、イマゾスルフロン及びプロピリスルフロンからなる群より選ばれる1種以上である[1]又は[2]に記載の水性懸濁状除草剤組成物。
[4] アニオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩及びポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸エステル塩からなる群より選ばれる1種以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の水性懸濁状除草剤組成物。
[5] 水溶性高分子分散剤が、アルギン酸塩、アラビアガム、グアガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース塩及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる1種以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の水性懸濁状除草剤組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の水性懸濁状除草剤組成物を水田に直接散布する工程を有することを特徴とする水田に発生する雑草の防除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、拡散性に優れた新しい水性懸濁状除草剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の水性懸濁状除草剤組成物(以下、本発明組成物と記す)は、25℃で固体のスルホニルウレア系除草活性化合物(以下、本除草活性化合物と記す)を含有する。本除草活性化合物は、25℃好ましくは50℃において固体であり、かかる本除草活性化合物としては、例えば、ベンスルフロンメチル、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、メタゾスルフロン、スルホスルフロン、イマゾスルフロン及びプロピリスルフロンが挙げられる。これらの中でも、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、メタゾスルフロン、スルホスルフロン、イマゾスルフロン及びプロピリスルフロンからなる群より選ばれる1種以上の使用が好ましく、スルホスルフロン、イマゾスルフロン及びプロピリスルフロンからなる群より選ばれる1種以上の使用がさらに好ましい。
本発明組成物における本除草活性化合物の含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.5〜50重量%、好ましくは1〜40重量%である。
【0008】
本発明組成物は、本除草活性化合物以外の農薬活性化合物、例えば、殺虫活性化合物、殺菌活性化合物及び除草活性化合物(スルホニルウレア系除草活性化合物を除く)を含有していてもよい。
【0009】
殺虫活性化合物としては、例えば、ジメチルビンフォス、サリチオン、ベンダイオカルブ、ピリミカルブ、メソミル、オキサミル、チオジカルブ、ベンスルタップ、チオシクラム、ジフルベンズフロン、テフルベンズフロン、クロルフロアズン、ブプロフェジン、ヘキシチアゾクス、ニテンピラム、クロチアニジン、クロフェンテジン及びピリダベンが挙げられる。
殺菌活性化合物としては、例えば、チラウム、キャプタン、TPN、フサライド、ベノミル、イプロジオン、メプロニル、フルトラニル、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ヘキサコナゾール、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA、ミルディオマイシン、PCNB、ヒドロキシイソキザール、ダゾメット、ジメチリモール、ジクロメジン、トリアジン、フェリムゾン、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキオン、ジクロシメット、フラメトピル、カルプロパミド、フェンピラザミン、プロシミドン及びジエトフェンカルブが挙げられる。
除草活性化合物としては、例えば、シメトリン、ダイムロン、プロパニル、メフェナセット、フェントラザミド、エトベンザニド、スエップ、オキサジクロメフォン、オキサジアゾロン、ピラゾレート、プロジアミン、カフェンストロール、ペントキサゾン、クロメプロップ、ピリフタリド、ベンゾビシクロン、ブロモブチド、イプフェンカルバゾン、ピラクロニル、グリフォセート、グリフォシネート、アクロレイン、アミトロール、トリクロロ酢酸、ジフェンゾコート、ジクワット、エンドタール、フラムプロップ、フルアジホップ、フルオログリコフェン、フルプロパネート、ホサミン、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、メチルアルソン酸、ベンタゾン、ビアラフォス、クロピラリド、2,4−D、ダイカンバ、MCPA、MCPB、メコプロップ及びピクロラムが挙げられる。
【0010】
本発明組成物が本除草活性化合物以外の農薬活性化合物を含有する場合、その含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.5〜50重量%、好ましくは1〜40重量%である。
【0011】
ショ糖脂肪酸エステルとは、ショ糖部分を親水性部分とし、脂肪酸部分を疎水性部分とするノニオン性界面活性剤である。ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖(モノ、ジ、トリ又はポリ)ステアリン酸エステル、ショ糖(モノ、ジ、トリ又はポリ)パルミチン酸エステル、ショ糖(モノ、ジ、トリ又はポリ)ミリスチン酸エステル、ショ糖(モノ、ジ、トリ又はポリ)オレイン酸エステル、ショ糖(モノ、ジ、トリ又はポリ)ラウリン酸エステル、ショ糖(モノ、ジ、トリ又はポリ)ベヘニン酸エステル及びショ糖(モノ、ジ、トリ又はポリ)エルカ酸エステルが挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、ニューカルゲンFS−100(ショ糖ラウリン酸エステル、竹本油脂製)、DKエステルF−160(ショ糖ステアリン酸エステル、第一工業製薬製)、リョートーシュガーエステルS−1570(ショ糖ステアリン酸エステル、三菱化学フーズ製)が挙げられる。
本発明組成物におけるショ糖脂肪酸エステルの含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0012】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩系界面活性剤、スルホン酸塩系界面活性剤、硫酸エステル塩系界面活性剤及びリン酸エステル塩系界面活性剤が挙げられる。
【0013】
カルボン酸塩系界面活性剤としては、例えば、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩が挙げられる。カルボン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩並びにアンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0014】
スルホン酸塩系界面活性剤としては、例えば、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、イゲポンT型スルホン酸塩及びリグニンスルホン酸塩が挙げられる。スルホン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩並びにアンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0015】
硫酸エステル塩系界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩及びポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸エステル塩が挙げられる。硫酸エステルの塩としては、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩並びにアンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0016】
リン酸エステル塩系界面活性剤としては、例えば、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩及びポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩が挙げられる。リン酸エステルの塩としては、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩並びにアンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0017】
本発明においては、アニオン性界面活性剤として市販されている商品をそのまま使用するか、公知の方法により製造したものを使用することができる。これらのアニオン性界面活性剤の中でも、リン酸エステル塩及び硫酸エステル塩からなる群より選ばれる1種以上の使用が好ましく、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩及びポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸エステル塩からなる群より選ばれる1種以上の使用がさらに好ましい。市販されているポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩としては、例えば、Soprophor FL(Rhodia製)、Soprophor FLK(Rhodia製)、STEPFAC TSP PE−K(STEPAN製)及びニューカルゲンFS−3PG(竹本油脂製)が挙げられる。市販されているポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、Soprophor4D384(Rhodia製)、TERSPERSE 2218(HUNTSMAN製)、ニューカルゲンFS−7(竹本油脂製)、ハイテノールNF−08(第一工業製薬製)、ハイテノールNF−0825(第一工業製薬製)、ハイテノールNF−13(第一工業製薬製)及びハイテノールNF−17(第一工業製薬製)が挙げられる。
本発明組成物におけるアニオン性界面活性剤の含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0018】
本発明組成物は、自己乳化型シリコーン系消泡剤(以下、本自己乳化型消泡剤と記すことがある)を含有する。
市販されているシリコーン系消泡剤は、一般に、その製品形態によって、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルジョン型及び自己乳化型等に分類される。通常、オイル型は、溶剤や添加剤を含まない100%シリコーンオイルであり、オイルコンパウンド型は、シリコーンオイルにシリカ微粉末を配合したものであり、溶液型はシリコーンオイルを溶媒で希釈したものである。エマルジョン型は、シリコーンオイルとシリカ微粉末とを含有するオイルコンパウンドと称される組成物を、乳化剤を用いて予め水に乳化したもので、従来の水系農薬製剤(水性懸濁製剤等)の消泡剤として用いられている。
そして、自己乳化型シリコーン系消泡剤とは、水に加えて攪拌するだけで容易に乳化状態となるシリコーン系消泡剤であり、前記オイルコンパウンドと変性シリコーンオイルとからなる消泡剤である。
本自己乳化型消泡剤としては、例えば、特公平1−30528号公報に記載される消泡剤(分子中にオキシアルキレン基とアミノ基含有有機基とを含有するオルガノポリシロキサンを主剤とする高温、強酸性あるいは強アルカリ性の水系における発泡を有効に抑制する自己乳化型消泡剤)、特許第3009083号公報に記載される消泡剤(オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ポリオキシアルキレン重合体、ポリオキシアルキレン変性シリコ−ンオイル、ジメチルポリシロキサン及び微粉末シリカの配合物を付加反応させて得た液状〜ペースト状組成物と、ポリオキシアルキレン変性シリコ−ンオイル及び/又はポリオキシアルキレン重合体とからなる希釈安定性及び高温高剪断力下における機械的安定性に優れた泡抑制剤組成物)、特許第3151378号公報に記載される消泡剤(プロピレンオキシ基高含有のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルと特定の構造を有するシリコーンオイルとをベースとするオイルコンパウンド及びポリオキシアルキレン重合体を混合することにより得られる水分散性、希釈安定性、速効性及び消泡持続性等に優れた泡抑制剤組成物)、特許第3194681号公報に記載される消泡剤(疎水性オルガノポリシロキサン及び微粉末シリカからなるオイルコンパウンド組成物と、高曇点のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル及びポリオキシアルキレン重合体とを混合することにより得られる高温下での希釈液安定性、消泡性持続力、破泡性及び高剪断力下における機械的安定性に優れた自己乳化型泡抑制剤組成物)、特許第3222049号公報に記載される消泡剤(プロピレンオキシ基高含有のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、疎水性シリカ微粉末及び非イオン性界面活性剤を混合することにより得られる水分散性、消泡性及び耐ハジキ性に優れた消泡剤組成物)、特許第4232031号公報に記載される消泡剤(疎水性オルガノポリシロキサンと、オルガノポリシロキサンで表面処理した微粉末シリカとをアルカリ性触媒の存在下で混合処理することにより耐アルカリ性を高めた自己乳化型消泡剤組成物)、特許5163909号公報に記載される消泡剤(特定の物性を有する疎水性のオルガノポリシロキサン及び微粉末シリカの混合物をアルカリ性触媒の存在下で混合処理した後に、コハク酸によって中和反応を行うことにより得たオイルコンパウンドと、ポリオキシアルキレン基で変性したオルガノポリシロキサンとを併用したアルカリ性の発泡液中でも破泡性、消泡持続性及び内添安定性に優れる自己乳化型消泡剤組成物)が挙げられ、市販されているものを用いるか、上記文献に記載の方法により製造したものを用いてもよい。市販されている本自己乳化型消泡剤としては、例えば、KS−508(信越化学工業製)、KS−530(信越化学工業製)、KS−531(信越化学工業製)、KS−537(信越化学工業製)、KS−538(信越化学工業製)及びKS−540(信越化学工業製)が挙げられる。
本発明組成物における本自己乳化型消泡剤の含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.01〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
【0019】
本発明組成物は、ベントナイトを含有する。本発明においては、ナトリウム(Na)モンモリロナイト及び/又はカルシウム(Ca)モンモリロナイトを50重量%以上含有し、目開き40μmの篩を75重量%以上通過する粉状のベントナイトの使用が好ましい。本発明に用いられるベントナイトの膨潤度は、通常5〜70mL/2gであり、好ましくは30〜70mL/2gである。
本発明において、ベントナイトの膨潤度とは、ACC法により測定される膨潤度を意味する。ACC法について、以下に説明する。25℃のイオン交換水100mLを入れた100mLの共栓付きメスシリンダーに、試料2gをメスシリンダーの内壁に殆ど付着しないように入れる。このとき、先に加えた試料が殆ど沈着した後に次の試料を加えるようにして、約10回に分けて入れる。全試料を入れた後、メスシリンダーに栓をして24時間静置し、容器内に堆積した試料の見掛け容積を読み取り、この容量を膨潤度(mL/2g)とする。
ベントナイトとしては、一般に精製ベントナイトあるいは高純度モンモリロナイトとして市販されているものを使用することができる。精製ベントナイトの市販品としては、例えば、ベンゲル(ホージュン製)及びベンゲルHVP(ホージュン製)が挙げられ、高純度モンモリロナイトの市販品としては、例えば、クニピアF(クニミネ工業製)及びクニピアK(クニミネ工業製)が挙げられる。
本発明組成物におけるベントナイトの含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜2重量%である。
【0020】
水溶性高分子分散剤としては、例えば、水溶性天然高分子分散剤、水溶性半合成高分子分散剤及び水溶性合成高分子分散剤が挙げられる。水溶性天然高分子分散剤としては、例えば、アルギン酸塩(アルギン酸ナトリウム塩)、アラビアガム、グアガム及びキサンタンガムが挙げられ、水溶性半合成高分子分散剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース塩(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)等のセルロース系分散剤が挙げられ、水溶性合成高分子分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンが挙げられる。
かかる水溶性高分子分散剤としては、市販されているものを使用することができ、ポリビニルアルコールとしては、例えば、ゴーセノールGL−03(日本合成化学工業製)、ゴーセノールKL−05(日本合成化学工業製)及びクラレポバールPVA−224(クラレ製)が挙げられ、カルボキシメチルセルロース塩としては、例えば、セロゲン6A(第一工業製薬製)、セロゲン7A(第一工業製薬製)、CMCダイセル1110(ダイセル化学工業製)及びCMCダイセル1210(ダイセル化学工業製)が挙げられ、キサンタンガムとしては、例えば、ケルザン(三洋化成工業製)及びロードポール23(Rhodia製)が挙げられる。
本発明組成物における水溶性高分子分散剤の含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0021】
本発明組成物は水を含有し、該水としては、水道水、井水及びイオン交換水等の通常の農薬製剤に用いられる水を使用することができる。本発明組成物における水の含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常40〜95重量%、好ましくは40〜90重量%である。
【0022】
本発明組成物は、上記の成分以外に、通常の水性懸濁状除草剤組成物において用いられる農薬補助剤を必要に応じて含有していてもよい。農薬補助剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル以外のノニオン性界面活性剤、凍結防止剤、pH調整剤及び防腐剤が挙げられる。これらの農薬補助剤は、本除草活性化合物及びその含有量に応じて、適宜選択することができる。本発明組成物が農薬補助剤を含有する場合、その合計含有量は、通常0.01〜22重量%、好ましくは0.01〜18.5重量%である。
【0023】
ショ糖脂肪酸エステル以外のノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル縮合物及びポリオキシエチレンアセチレニック・グリコールエーテルが挙げられる。ショ糖脂肪酸エステル以外のノニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、ニューポールPE68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、第一工業製薬製)、ニューカルゲンD−3020(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、竹本油脂製)、ニューカルゲンD−410(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、竹本油脂製)ニューカルゲンE−200(ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル縮合物、竹本油脂製)及びオルフィンE−1004(ポリオキシエチレンアセチレニック・グリコールエーテル、日信化学工業製)が挙げられる。
本発明組成物がショ糖脂肪酸エステル以外のノニオン性界面活性剤を含有する場合、その含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
凍結防止剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン及びプロピレングリコールが挙げられる。
本発明組成物が凍結防止剤を含有する場合、その含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常1〜20重量%、好ましくは3〜12重量%である。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸−水和物、ソルビン酸及びソルビン酸カリウムが挙げられる。
本発明組成物がpH調整剤を含有する場合、その含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。
防腐剤としては、例えば、ブチルパラベン(n−ブチルパラヒドロキシベンゾエート)、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン及び5ークロロー2ーメチルー4ーイソチアゾリンー3ーオンが挙げられる。
本発明組成物が防腐剤を含有する場合、その含有量は、本発明組成物100重量%に対して、通常0.01〜3重量%、好ましくは0.01〜1.5重量%である。
【0024】
本発明組成物は、例えば、以下に示す方法により製造することができる。
本除草活性化合物、ショ糖脂肪酸エステル、アニオン性界面活性剤、本自己乳化型消泡剤、ベントナイト、水溶性高分子分散剤、並びに、必要に応じ、本除草活性化合物以外の農薬活性化合物及び/又は農薬補助剤を水に添加し、例えば、高速攪拌機を用いて十分に撹拌、混合した後に、DYNO−MILL(WAB製)及びマイクロフルイダイザー(パウレック製)等の湿式粉砕機を用いて微粉砕及び分散する方法(製法1)か、本除草活性化合物をジェットミル等の乾式粉砕機を用いて微粉砕して得られる本除草活性化合物の微粉末、ショ糖脂肪酸エステル、アニオン性界面活性剤、本自己乳化型消泡剤、ベントナイト、水溶性高分子分散剤、並びに、必要に応じ、本除草活性化合物以外の農薬活性化合物及び/又は農薬補助剤を水に添加し、高速攪拌機を用いて約30〜90分程度攪拌、混合して、分散する方法(製法2)が挙げられる。
本発明組成物において、本除草剤活性化合物は、水中に微粒子の形で分散しており、該微粒子の粒径は通常10μm以下、好ましくは0.2〜5μmである。
【0025】
本発明において、粒径とは体積中位径を意味する。体積中位径は、体積基準の頻度分布において累積頻度で50%となる粒径を指し、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて湿式測定により求めることができる。より具体的には、本発明組成物を水で希釈して当該装置を用いて測定する。本発明における粒径とは、レーザ回折式粒度分布装置としてマスターサイザー2000(マルバーン製)を用いて測定される体積中位径を指す。
【0026】
本発明組成物の使用方法としては、湛水されている水田等へ畦畔より原液を直接散布する方法が好適であるが、所望により水で希釈して散布することもできる。本発明組成物の原液を水田等へ散布する方法としては、本発明組成物が入った容器を使用前に軽く振り混ぜた後、畦畔に沿って少量ずつ手振り散布する方法、及び加圧式散布機を用いて本発明組成物を噴射又は噴霧する方法が挙げられる。本発明組成物を水で希釈して散布する場合は、水田、畑地、果樹園、芝地及び非農耕地等の場所に、公知の散布器を用いて土壌表面散布又は茎葉散布することができる。
【実施例】
【0027】
本発明を以下の実施例によって更に詳細に説明する。
【0028】
製造例1
イマゾスルフロン 1.74重量部、ブロモブチド 16.7重量部、イプフェンカルバゾン 4.72重量部、プロピレングリコール 7.00重量部、ソルビン酸 0.10重量部、KS−538(自己乳化型シリコーン系消泡剤、信越化学工業製) 0.20重量部、ニューカルゲンFS-100(ショ糖脂肪酸エステル、竹本油脂製) 2.00重量部、ニューカルゲンFS−3PG(ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸エステルアミン塩、竹本油脂製) 2.00重量部、ニューカルゲンRX−B(リグニンスルホン酸ナトリウム塩、竹本油脂製) 0.10重量部、クニピアF(ナトリウムモンモリロナイト、膨潤度60mL/2g、クニミネ工業製) 1.00重量部及びセロゲン7A(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、第一工業製薬製) 0.50重量部にイオン交換水を加えて全量を100重量部として、混合・分散させた後、DYNO−MILL KDL(WAB製)を用いて湿式粉砕し、本発明の水性懸濁状除草剤組成物(1)(以下、本水性懸濁状除草剤(1)と記す)を得た。
【0029】
製造例2〜87
製造例1と同様にして、下記の表1に示す組成を有する本発明の水性懸濁状除草剤組成物(2)〜(87)をそれぞれ得る。
【0030】
【表1】
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
[表1のつづき]
表1において、aは本除草活性化合物、bはショ糖脂肪酸エステル、cはアニオン性界面活性剤、dは自己乳化型シリコーン系消泡剤、eはベントナイト、fは水溶性高分子分散剤である。なお、表中の数字は重量部を表す。
表1に記載の成分を具体的に以下に示す。
a1:イマゾスルフロン
a2:プロピリスルフロン
a3:イプフェンカルバゾン
a4:ブロモブチド
b:ニューカルゲンFS−100(ショ糖脂肪酸エステル、竹本油脂製)
c1:ニューカルゲンFS−3PG(ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸エステルアミン塩、竹本油脂製)
c2:ニューカルゲン FS−7PG(ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、竹本油脂製)
c3:ニューカルゲンSX−C(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、竹本油脂製)
c4:ニューカルゲンTX−C(フェノールスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、竹本油脂製)
c5:ニューカルゲンRX−B(リグニンスルホン酸ナトリウム塩、竹本油脂製)
c6:Sorpol T−10SPG(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、東邦化学工業製)
c7:Sorpol T−15SPG(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、東邦化学工業製)
c8:Sorpol T−20SPG(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、東邦化学工業製)
c9:Sorpol 7290P(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、東邦化学工業製)
c10:Sorpol 7948(ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、東邦化学工業製)
c11:Sorpol 7556(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、東邦化学工業製)
c12:ハイテノールNF−08(ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、第一工業製薬製)
c13:ハイテノールNF−0825(ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、第一工業製薬製)
c14:ハイテノールNF−13(ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、第一工業製薬製)
c15:ハイテノールNF−17(ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、第一工業製薬製)
c16:Soprophor 4D384(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、Rhodia製)
c17:Soprophor FL(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルアミン塩、Rhodia製)
c18:Soprophor FLK(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩、Rhodia製)
c19:STEPFAC TSP PE−K(ポリオキシエチレントリスチリルフェノールリン酸エステルカリウム塩、STEPAN製)
c20:スープラジルMNS/90(メチルナフタレンスルホン酸ナトリウム ホルマリン縮合物、Rhodia製)
c21:ルノックス1000C(ナフタレンスルホン酸ナトリウム ホルマリン縮合物、東邦化学工業製)
c22:ネオゲンS−20F(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、第一工業製薬製)
c23:NSソープ(C14−C18,C16−18不飽和脂肪酸ナトリウム塩、花王製)
d1:KS−538(自己乳化型シリコーン系消泡剤、信越化学工業製)
d2:KS−530(自己乳化型シリコーン系消泡剤、信越化学工業製)
e1:クニピアF(ナトリウムモンモリロナイト、クニミネ工業製)
e2:ベンゲル(ベントナイト精製品、ホージュン製)
f1:セロゲン7A(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、第一工業製薬製)
f2:Kelzan S(キサンタンガム、CP Kelco製)
g:プロピレングリコール
h:ソルビン酸
i:プロキセルGXL(1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン、Lonza製)
【0031】
比較製造例1
イマゾスルフロン 1.74重量部、ブロモブチド 16.7重量部、イプフェンカルバゾン 4.72重量部、プロピレングリコール 7.00重量部、ソルビン酸 0.10重量部、アンチフォームE-20(エマルジョン型シリコーン系消泡剤、花王製) 0.30重量部、ニューカルゲンFS-100(ショ糖脂肪酸エステル、竹本油脂製) 2.00重量部、ニューカルゲンFS−3PG(ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸エステルアミン塩、竹本油脂製) 2.00重量部、ニューカルゲンRX−B(リグニンスルホン酸ナトリウム塩、竹本油脂製) 0.10重量部、オルフィンE−1004(ポリオキシエチレンアセチレニック・グリコールエーテル、日信化学製) 0.10重量部、クニピアF(ナトリウムモンモリロナイト、膨潤度60mL/2g、クニミネ工業製) 1.00重量部及びセロゲン7A(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、第一工業製薬製) 0.50重量部にイオン交換水を加えて全量を100重量部として、混合・分散させた後、DYNO−MILL KDL(WAB製)を用いて湿式粉砕し、比較水性懸濁状除草剤組成物(1)(以下、比較水性懸濁状除草剤(1)と記す)を得た。
【0032】
試験例1
水田に長さ15m、幅2mの試験区(30m2)を設け、自然発生したコナギが、2.0〜4.0対に達したときに、水深が5cmになるように湛水した後、供試除草剤組成物を10アール当たり500mLとなるように試験区の一端(以下、処理地点と記す)にすじ状に散布した。
散布42日後に、処理地点から10m及び15m離れたそれぞれの地点におけるコナギに対する除草効果を0(無作用)〜100(完全枯死)として目視観察により評価した。結果を表2に示す。
【0033】
【表2】