特許第6407056号(P6407056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407056
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】分割装置と分割方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20181004BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20181004BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   H01L21/78 V
   B28D5/00 A
   H01L21/68 N
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-31540(P2015-31540)
(22)【出願日】2015年2月20日
(65)【公開番号】特開2016-154173(P2016-154173A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2017年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087099
【弁理士】
【氏名又は名称】川村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100063174
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功
(74)【代理人】
【識別番号】100124338
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 健
(72)【発明者】
【氏名】桐原 直俊
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−024591(JP,A)
【文献】 特開2007−281355(JP,A)
【文献】 特開2013−254850(JP,A)
【文献】 特開2006−135309(JP,A)
【文献】 特開平03−209744(JP,A)
【文献】 特開2007−220703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
B28D 5/00
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割予定ラインにより区画された領域にデバイスを形成し該分割予定ラインに沿って分割起点を形成したウエーハを載置する載置テーブルと、該載置テーブルに載置したウエーハを該分割起点を起点として分割する分割手段と、を備えた分割装置であって、
該載置テーブルは、複数の球状体と、密接させた該複数の球状体の各面の頂点を繋いでなる載置面と、該複数の球状体を密接させて配設させる基台と、を備え、
該分割手段は、該載置面に載置されたウエーハを該載置面に向かって押圧する押圧部と、該押圧部を昇降させる昇降手段と、該押圧部と該載置テーブルとを相対的に該載置面に平行に移動させる平行移動手段と、を備え、
該載置面と該押圧部とでウエーハを押圧して分割する分割装置。
【請求項2】
請求項1記載の分割装置を用いて、前記分割予定ラインに沿って前記分割起点が形成されたウエーハを、前記分割起点を起点に分割する分割方法であって、
ウエーハの裏面に粘着テープを貼着する粘着テープ貼着工程と、
該粘着テープが貼着されたウエーハを前記載置テーブルの載置面に載置する載置工程と、
前記載置テーブルに載置したウエーハを該粘着テープを介して押圧部で前記載置面に向かって押圧し前記分割起点を起点に分割する分割工程と、からなるウエーハの分割方法。
【請求項3】
前記載置工程において、
前記載置面と前記載置面に載置するウエーハの下面との間にシートを配設する請求項2記載のウエーハの分割方法。
【請求項4】
前記分割工程において、前記載置面に載置したウエーハを前記押圧部で押圧しつつ前記載置面に平行にウエーハを移動させるウエーハ移動工程を含む請求項2または3のいずれかに記載のウエーハの分割方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエーハを分割する分割装置及びウエーハの分割方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハをデバイスごとのチップに分割する方法として、分割予定ラインに沿って分割起点を形成し、分割起点にブレードを押し当てることにより分割予定ラインを分断する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−135484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ウエーハを、外形が4角形ではなく、6角形、8角形または12角形であるチップに分割する場合には、チップの外形に応じて分割予定ラインが一方向の直線とならないため、単にブレードを押し当てるだけでウエーハを分割することは不可能となる。さらに、ウエーハを外形が12角形であるチップに分割する場合には、12角形のチップ3つにより囲まれた不要な3角形状の端材が形成されることから、分割を困難にする要因が増える。
【0005】
したがって、ブレードを押し当ててウエーハを分割予定ラインに沿って分割して多角形のチップを形成する場合においては、確実に分割できるようにするという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、分割予定ラインにより区画された領域にデバイスを形成し該分割予定ラインに沿って分割起点を形成したウエーハを載置する載置テーブルと、該載置テーブルに載置したウエーハを該分割起点を起点として分割する分割手段と、を備えた分割装置であって、該載置テーブルは、複数の球状体と、密接させた該複数の球状体の各面の頂点を繋いでなる載置面と、該複数の球状体を密接させて配設させる基台と、を備え、該分割手段は、該載置面に載置されたウエーハを該載置面に向かって押圧する押圧部と、該押圧部を昇降させる昇降手段と、該押圧部と該載置テーブルとを相対的に該載置面に平行に移動させる平行移動手段と、を備え、該載置面と該押圧部とでウエーハを押圧して分割する分割装置である。
【0007】
また、上記課題を解決するための本発明は、前記分割装置を用いて、前記分割予定ラインに沿って前記分割起点が形成されたウエーハを、前記分割起点を起点に分割する分割方法であって、ウエーハの裏面に粘着テープを貼着する粘着テープ貼着工程と、該粘着テープが貼着されたウエーハを前記載置テーブルの載置面に載置する載置工程と、前記載置テーブルに載置したウエーハを該粘着テープを介して押圧部で前記載置面に向かって押圧し前記分割起点を起点に分割する分割工程と、からなるウエーハの分割方法である。
【0008】
上記ウエーハの分割方法では、前記載置工程において、前記載置面と前記載置面に載置するウエーハの下面との間にシートを配設することが好ましい。
【0009】
また、上記ウエーハの分割方法では、前記分割工程において、前記載置面に載置したウエーハを前記押圧部で押圧しつつ前記載置面に平行にウエーハを移動させるウエーハ移動工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る分割装置は、基台に複数の球状体を密接させて配設し、密接させた複数の球状体の各面の頂点を繋いで載置面とする載置テーブルと、分割手段として、載置面に載置されたウエーハを載置面に向かって押圧する押圧部と、押圧部を昇降させる昇降手段と、押圧部と載置テーブルとを相対的に載置面に平行に移動させる平行移動手段とを備えるものとしたことで、ウエーハを、載置面を構成する複数の球状体の頂点で支えるため、ウエーハの表面と載置面との接触面積が小さくなることで、ウエーハ内部に形成された分割起点に対して載置面からの抗力が分散されずに伝わるので、分割起点からウエーハの厚み方向に対して亀裂が生じウエーハを多角形のチップに分割することを可能とする。
【0011】
また、本発明に係る分割方法は、前記分割装置を用いて、分割予定ラインに沿って分割起点が形成されたウエーハの裏面に粘着テープを貼着する粘着テープ貼着工程と、粘着テープが貼着されたウエーハを載置テーブルの載置面に載置する載置工程と、載置テーブルに載置したウエーハを粘着テープを介して押圧部で載置面に向かって押圧し分割起点を起点に分割する分割工程とからなることで、ウエーハを分割予定ラインに沿って正確に分割して多角形のチップにすることが可能となる。
【0012】
さらに、本発明に係る分割方法における載置工程において、載置面と載置面に載置するウエーハの下面との間にシートを配設することで、押圧した場合に球状体がウエーハの表面を損傷させることを防ぐことが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る分割方法における分割工程において、載置面に載置したウエーハを押圧部で押圧しつつ載置面に平行にウエーハを移動させるウエーハ移動工程を含むものとしたことで、例えば、一度押圧部でウエーハの裏面の全面を押圧し、次いで、ウエーハを平行に移動させウエーハの表面と載置面との接触位置(複数の球状体の各面の頂点との接触位置)を変えた後に再度押圧部で押圧することで、一度目の押圧において圧力が十分にかからなかった分割起点にも力がかかり、より確実な分割を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】分割装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2】基台及び基台に配設する球状体の斜視図である。
図3】載置テーブルの斜視図である。
図4】載置テーブルの断面図である。
図5】ウエーハの表面の一部を拡大した平面図である。
図6】載置工程において、粘着テープが貼着されたウエーハを載置テーブルの載置面に載置する状態を示す断面図である。
図7】載置工程において、粘着テープが貼着されたウエーハが載置テーブルの載置面に載置された状態を示す断面図である。
図8】分割工程において、ウエーハを押圧部で載置面に向かって押圧する状態を示す断面図である。
図9】分割工程において、ウエーハを押圧部で載置面に向かって押圧したことで、ウエーハが分割起点を起点に分割されている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示す分割装置1は、載置テーブル3に載置されたウエーハWを、分割手段4によって複数のチップへと分割する装置である。
【0016】
図1に示すように、分割装置1上には、載置テーブル3が配設されている。載置テーブル3は、複数の球状体30と、複数の球状体30を密接して配設させる基台32とを備える。
【0017】
図2に示す基台32は、例えば、外形が円板状の底板32aと、底板32aの外周部から+Z方向に垂直に立ち上がる側板32bとからなり、底板32aと側板32bとで囲まれた空間に球状体30を配設できる。なお、底板32aの外形は円板状に限定されるものではなく、四角形状等でもよい。
【0018】
図3に示すように、基台32の底板32aと側板32bとで囲まれた空間には、例えば材質がプラスチックであり表面が滑面加工された擬似真球である複数の球状体30が密接するように回転可能に配設されている。すなわち、本実施形態においては、底板32a上に1つの球状体30の回りに6つの球状体30が接するように配置され、この配置で底板32aと側板32bとで囲まれた空間が球状体30で埋まるように基台32に配設されている。なお、基台32に対する球状体30の配設数及び配置は、球状体30の種類、ウエーハの種類、分割予定ラインによって区画される部分の形状、分割後のチップの大きさまたは基台の大きさによって適宜変更可能である。なお、球状体30は底板32aに固定されて基台32に配置されてもよい。
【0019】
図1〜4、図6〜9及び本実施形態においては、複数の球状体30は擬似真球であるが、擬似真球以外にも、真球、扁球、擬似扁球、長球、擬似長球または半球でもよく、材質はプラスチック以外にも、アルミニウム等の金属でもよい。球状体30の大きさは均一でかつ、例えば、直径3〜6mm程度であり、ウエーハを分割して作られる各チップの大きさよりも大きく、球状体30の種類、ウエーハの種類、分割予定ラインによって区画される部分の形状、分割後のチップの大きさによって適宜変更可能となる。また、球状体30の大きさは、図4に示すように球状体30を載置テーブル3に配設した場合に、鉛直方向(Z軸方向)における側板32bの側板上面32cの位置よりも、球状体30の最も高い点である頂点30aがより上方(+Z方向)に位置することになる大きさが好ましい。なお、頂点30aとは、球状体30を載置テーブル3に配設した場合に、球状体30の表面上で最も+Z方向にある点である。
【0020】
図4に示す載置面31は、基台32に密接させた複数の球状体30の各面の頂点30aを繋いでなる仮想的な面である。載置面31は、複数の球状体30の大きさが均一であり、複数の球状体30の各面の頂点30aのZ軸方向における位置が同一となるため、水平な面となる。
【0021】
図1に示す分割手段4は、図4に示した載置面31に載置されたウエーハを載置面31に向かって押圧する押圧部6と、押圧部6を昇降させる昇降手段5と、押圧部6と載置テーブル3とを相対的に載置面31に平行に移動させる平行移動手段7とを備える。
【0022】
図1に示すように、分割装置1上の−X方向の後方には壁部10が立設されており、壁部10には平行移動手段7が配設されている。平行移動手段7は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ70と、ボールネジ70と平行に配設された一対のガイドレール71と、ボールネジ70を回動させるモータ72と、内部のナットがボールネジ70に螺合し側部がガイドレール71に摺接する可動板73とから構成され、モータ72がボールネジ70を回動させると、これに伴い可動板73がガイドレール71にガイドされてY軸方向に往復移動することで、押圧部6と載置テーブル3とを相対的に載置面31に平行に移動させる。そして、可動板73には、昇降手段5が配設されている。
【0023】
昇降手段5は、Z軸方向の軸心を有するボールネジ50と、ボールネジ50と平行に配設された一対のガイドレール51と、ボールネジ50を回動させるモータ52と、内部のナットがボールネジ50に螺合し側部がガイドレールに摺接する昇降部53とから構成され、モータ52がボールネジ50を回動させると、これに伴い昇降部53がガイドレール51にガイドされてZ軸方向に往復移動することで、押圧部6でウエーハを押圧する。そして、昇降部53には、押圧部6が配設されている。
【0024】
押圧部6は、例えば、外形が円柱形状で軸心がX軸方向のローラ60と、ローラ60を回転可能に支持し昇降部53と接続された支持部61とを備える。ローラ60のウエーハに接触するローラ表面60aは、例えばウレタンゴムで形成されている。そして、ウレタンゴムの柔軟性により、ウエーハに対してローラ60を押し付けることでウエーハが割れて生じるチップの辺や角が、ローラ表面60aに対し突き刺さるように跳ね上がって形成されたとしても、そのチップの辺や角を吸収することでウエーハの裏面Wbに対して均等に圧力を掛けることができる。また、ウレタンゴムの有する耐摩耗性及び復元性により、複数回の使用が可能となる。ローラ60の大きさは、例えば、押圧部6のY軸方向の一往復の移動で、載置面31の全面が押圧される程度の大きさが好ましい。なお、ローラ表面60aはウレタンゴムで形成されることに限定されず、シリコンゴム等で形成されていてもよい。さらに、球状体30の種類、ウエーハの種類、分割予定ラインによって区画される部分の形状、分割後のチップの大きさまたは基台の大きさによっては、ローラ60の代わりにウレタンゴム板を用いてもよい。
【0025】
以下に、図1〜9を用いて、図1に示したウエーハWを分割装置1により分割する場合の分割装置1の動作及び分割方法について説明する。なお、図8〜9においては、分割手段4の各構成は簡略化して示している。また、載置テーブル3に備える球状体30は、直径が6mmの擬似真球である。
【0026】
図1に示すウエーハWは、例えば、外形が円形状の半導体ウエーハであり、ウエーハの裏面Wbには粘着テープTが貼着される。また、図6に示すようにウエーハWの内部には、分割予定ラインに沿って分割起点Wcが形成されている。そして、図5に示すように、ウエーハの表面Wa上には、例えば、分割予定ラインSによって区画された複数の12角形状の各領域内に、図示しないデバイスが形成されている。そして、ウエーハWを分割することで、12角形状のチップCを多数製造でき、同時に3角形状の端材Mも生じる。なお、ウエーハWの外形は円形状に限定されるものではなく、ウエーハWの種類も半導体ウエーハに限定されるものではない。また、ウエーハの表面Wa上に分割予定ラインSによって区画される多角形状の領域は、12角形状に限定されるものではなく、6角形状や8角形状等でもよい。分割起点Wcは、例えば、レーザー光線を照射してウエーハWの分割予定ラインSに集光することにより、分割予定ラインSに沿ってウエーハWの内部に形成される改質層であり、改質層以外にも、ウエーハ表面に形成したアブレーション溝、切削によりウエーハの表面に形成されたハーフカット溝またはスクライブ溝でもよい。
【0027】
(1)粘着テープ貼着工程
最初に、図6に示すウエーハWのウエーハの裏面Waに粘着テープTを貼着する粘着テープ貼着工程を行う。粘着テープ貼着工程においては、初めにウエーハの裏面Wbに対して粘着テープTの貼着面を対向させて位置合わせを行う。位置合わせの際には、粘着テープTの外周全てがウエーハWからはみ出るようにすると好ましい。
【0028】
位置合わせを行った後、ウエーハの裏面Wbの全面を粘着テープTに貼着することで粘着テープ貼着工程が完了し、図6に示すようにウエーハの裏面Waに粘着テープTが貼着された状態となる。なお、ウエーハの裏面Wbを粘着テープTに貼着した後、例えば、粘着テープTの外周部を環状フレームに貼着することで、ウエーハWを粘着テープTを介して環状フレームに支持させてもよい。
【0029】
(2)載置工程
粘着テープ貼着工程が完了した後、図6に示すように、粘着テープTが貼着されたウエーハWを載置テーブル3の載置面31に載置する載置工程を行う。
【0030】
載置工程においては、初めに載置テーブル3の載置面31に対して、例えば、樹脂からなるシートFを対向させて、シートFの外周全てがウエーハWからはみ出るように位置合わせを行う。なお、シートFは、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の材料からなるものである。また、シートFの代わりに、例えば、シリコンコーティングがされた離型フィルムや、離型紙等を用いてもよい。さらに、シートFは、粘着面を備えることで、ウエーハWが張り付くタイプのものでもよい。
【0031】
シートFと載置面31との位置合わせがなされた後、シートFを載置面31に載置する。次いで、シートFが載置された載置面31に対して、粘着テープTが貼着されたウエーハWのウエーハの表面Waを対向させて位置合わせを行い、その後ウエーハWを載置面31に載置することで、図7に示すように載置面31とウエーハWの下面(ウエーハの表面Wa)との間にシートFが配設された状態で、ウエーハWが載置面31に載置される。すなわち、ウエーハWが、密接させた複数の球状体30の各面の頂点30aによって支持されている状態となる。
【0032】
(3)分割工程
載置工程が完了した後、図8〜9に示すように、載置テーブル3に載置したウエーハWを、粘着テープTを介して押圧部6で載置面31に向かって押圧して分割起点Wcを起点にウエーハWを分割する分割工程を行う。
【0033】
分割工程においては、図8に示すように、初めに昇降手段5が、押圧部6に備えるローラ60がウエーハの裏面Wbに貼着されたテープTに接して押圧する所定の高さまで、押圧部6を−Z方向へと降下させる。押圧部6が所定の高さまで降下した後、平行移動手段7が昇降手段5を−Y方向に平行に移動させることで、押圧部6がウエーハWを載置面31に向かって押圧していく。
【0034】
図9に示すように、ウエーハWを粘着テープTを介して押圧部6で載置面31に向かって押圧していくと、ウエーハWの内部に形成された分割起点Wcに対して、密接させた複数の球状体30の各面の頂点30aから押圧部6による圧力に対する抗力が伝わる。その結果、分割起点Wcを起点にウエーハWの厚み方向(Z軸方向)へ亀裂が生じ、ウエーハWが分割されていく。
【0035】
平行移動手段7が、押圧部6がウエーハの裏面Wb上を通過し終える−Y方向の所定の位置まで押圧部6を平行に移動させた後、ウエーハWに分割されていない部分が残っている場合には、次いで、+Y方向に押圧部6を平行に移動させて押圧部6でウエーハWを載置面31に向かって押圧していき、ウエーハWを個々のチップへと完全に分割する。なお、平行移動手段7が、押圧部6がウエーハの裏面Wbの全面を押圧する−Y方向の所定の位置まで押圧部6を平行に移動させた後、昇降手段5が押圧部6を+Z方向へ移動させ押圧部6をウエーハWから離間させ、次いで、平行移動手段7が押圧部6を+Y方向へ平行に移動させ元の位置まで戻した後、再度同様の分割を行ってもよい。
【0036】
(4)ウエーハ移動工程
また、分割工程において、載置面31に載置したウエーハWを押圧部6で押圧しつつ載置面31に平行にウエーハWを移動させるウエーハ移動工程を行う。ウエーハ移動工程においては、例えば、押圧部6がウエーハWを載置面31に向かって押圧している状態で、オペレータ等がウエーハWを載置面31に平行に移動させ、ウエーハの表面Waと載置面31との接触位置を変更する。なお、ウエーハ移動工程においては、一度押圧部6でウエーハの裏面Wbの全面を押圧し、次いで、ウエーハWを平行に移動させウエーハの表面Waと載置面31との接触位置を変えた後に再度押圧部6で押圧してもよい。
または、ウエーハWを回転させてウエーハWの表面Waと載置面31との接触位置を変えてもよい。例えば、分割するチップの形状が六角形の場合には、ウエーハWの中心を中心として60度回転させ押圧部6を下降させて押圧させたのち押圧部6をY方向に走行させ、再びウエーハWを60度回転させて押圧部6を−Y方向に走行させても良い。つまり、偶数角からなる多角形の場合は、(角の数/2)−1=回転回数となる。なお、ウエーハWを載置面31に平行に移動させる移動方向は、チップの辺に対して直交する方向が良い。
【0037】
分割装置1を用いた本分割方法では、ウエーハWを載置面31を構成する複数の球状体30の頂点30aで支えるため、ウエーハの表面Waと載置面31との接触面積が小さくなることで、ウエーハの表面Waの図5に示す分割予定ラインSに沿ってウエーハWの内部に形成された分割起点Wcに対して、載置面31からの抗力が分散されずに伝わる。よって、押圧部6でウエーハWを載置面31に向かって押圧すると、分割起点WcからウエーハWの厚み方向に対して亀裂が生じ、ウエーハWを図5に示す12角形状のチップCと3角形状の端材Mとなる部分とに正確に分割することが可能となる。
【0038】
また、本分割方法における載置工程において、載置面31と載置面31に載置するウエーハWの下面(ウエーハの表面Wa)との間にシートFを配設したことで、分割後のチップCには、球状体30による損傷が生じない。
【0039】
さらに、本分割方法における分割工程において、載置面31に載置したウエーハWを押圧部6で押圧しつつ載置面31に平行にウエーハWを移動させるウエーハ移動工程を行ったことで、ウエーハの表面Waと複数の球状体30の頂点30aとの接触位置が変わることで、圧力が十分にかからなかった分割起点Wcにも力がかかることになり、より確実にウエーハWをチップCと端材Mへと分割できる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ウエーハWを6角形状のチップに分割する場合であってかつ載置テーブル3の備える球状体30が扁球や長球である場合にも、ウエーハWを正確に6角形状のチップへと分割できる。また、例えば、分割工程において、載置テーブル3に備える複数の球状体30が直径6mmの擬似真球である載置テーブル3でウエーハWを一度粗く分割した後、次いで、載置テーブル3を載置テーブル3の備える複数の球状体30が直径6mmの擬似真球であるものから、直径2.5mmの擬似真球であるものへと変更してから、ウエーハWに対して仕上げの分割を行ってもよい。この場合には、ウエーハWの12角形状のチップCと、ウエーハWの3角形状の端材Mとなる部分とがより容易に分割できる。
【0041】
さらに、チップが三角形、五角形のように奇数角から構成される場合においても効果的に分割することが可能になる。例えば、五角形の場合には、ウエーハWを回転させる時の角度を72度として少なくとも4回の回転をさせ押圧部6で押圧させることで容易に分割できる。つまり、奇数角からなる多角形の場合は、(角の数−1)=回転回数となる。
【符号の説明】
【0042】
1:分割装置 10:壁部
3:載置テーブル 30:球状体 頂点:30a 31:載置面
32:基台 32a:底板 32b:側板 32c:側板上面
4:分割手段
5:昇降手段 50:ボールネジ 51:ガイドレール 52:モータ 53:昇降部
6:押圧部 60:ローラ 60a:ローラ表面 61:支持部
7:平行移動手段 70:ボールネジ 71:ガイドレール 72:モータ
73:可動板
W:ウエーハ Wa:ウエーハの表面 Wb:ウエーハの裏面 Wc:分割起点
T:粘着テープ S:分割予定ライン F:シート C:チップ M:端材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9