(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近時、半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する際に半導体ウエハを固定するためのダイシングテープと、切断された半導体チップをリードフレームやパッケージ基板等に接着するため、又は、スタックドパッケージにおいては、半導体チップ同士を積層、接着するためのダイボンディングフィルム(ダイアタッチフィルムともいう)との2つの機能を併せ持つダイシング・ダイボンディングテープが開発されている。
【0003】
このようなダイシング・ダイボンディングテープとしては、ウエハへの貼り付けや、ダイシングの際のリングフレームへの取り付け等の作業性を考慮して、プリカット加工が施されたものがある。
【0004】
プリカット加工されたダイシング・ダイボンディングフィルムの例を、
図4及び
図5に示す。
図4、
図5(a)、
図5(b)は、それぞれダイシング・ダイボンディングフィルム35を備えたウエハ加工用テープ30の概要図、平面図、断面図である。ウエハ加工用テープ30は、離型フィルム31と、接着剤層32と、粘着フィルム33とからなる。接着剤層32は、ウエハの形状に対応する円形に加工されたものであり、円形ラベル形状を有する。粘着フィルム33は、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形部分の周辺領域が除去されたものであり、図示するように、円形ラベル部33aと、その外側を囲むような周辺部33bとを有する。接着剤層32と粘着フィルム33の円形ラベル部33aとは、その中心を揃えて積層され、また、粘着フィルム33の円形ラベル部33aは、接着剤層32を覆い、且つ、その周囲で離型フィルム31に接触している。そして、接着剤層32と粘着フィルム33の円形ラベル部33aとからなる積層構造により、ダイシング・ダイボンディングフィルム35が構成される。
【0005】
ウエハをダイシングする際には、積層状態の接着剤層32及び粘着フィルム33から離型フィルム31を剥離し、
図6に示すように、接着剤層32上に半導体ウエハWの裏面を貼り付け、粘着フィルム33の円形ラベル部33aの外周部にダイシング用リングフレームRを粘着固定する。この状態で半導体ウエハWをダイシングし、その後、半導体チップをピックアップする。このとき、半導体チップは裏面に接着剤層32が付着した状態でピックアップされる。半導体チップの裏面に付着した接着剤層32は、その後、半導体チップをリードフレームやパッケージ基板、あるいは他の半導体チップに接着する際に、ダイボンディングフィルムとして機能する。
【0006】
ところで、上記のようなウエハ加工用テープ30は、
図4及び
図5に示すように、接着剤層32と粘着フィルム33の円形ラベル部33aとが積層された部分が、他の部分よりも厚い。また、一般的に接着剤層32の表面と、接着剤層32の表面から離型フィルム31に延びる接着剤層側縁部32aとの間の角度が直角に形成される。このため、製品としてロール状に巻かれた際に、接着剤層32と粘着フィルム33の円形ラベル部33aの積層部分と、粘着フィルム33の周辺部33aとの段差が重なりあい、柔軟な接着剤層32表面に段差が転写される現象、すなわち
図7に示すような転写痕(ラベル痕、シワ、又は、巻き跡ともいう)が発生する。転写痕が発生すると、接着剤層と半導体ウエハとの接着不良により、ウエハの加工時に不具合が生じるおそれがある。
【0007】
一方、半導体デバイスの実装方法として、半導体素子をフェイスダウンボンディング方式で回路基板に搭載するフリップチップ実装が行われているが、近年、このフリップチップ実装にウエハ加工用テープを用いることが提案されている。この場合、接着剤層は、半導体素子の突起電極や回路基板表面の配線段差に埋め込こまれるため、ある程度の厚さを必要とされる。接着剤層が厚くなることにより、上記の段差の重なりに由来する転写痕が顕著になる。
【0008】
上記転写痕の発生を抑制するためには、フィルムの巻き取り圧を弱くすることが考えられるが、この方法では、製品の巻きズレが生じ、例えばテープマウンターへのセットが困難となる等、フィルムの実使用時に支障を来すおそれがある。
【0009】
そこで、上記のようなラベル痕の発生を抑制するために、剥離基材上の接着剤層及び粘着フィルムの外方に、接着剤層及び粘着フィルムの合計の膜厚と同等又はそれ以上の膜厚を有する支持層を設けた接着シートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の接着シートは、支持層を備えることで、接着シートにかかっていた巻き取りの圧力を分散するか或いは支持層に集め、転写痕の発生を抑制している。
【0010】
さらに、上記のようなラベル痕の発生を抑制するために、ラベル状の粘着フィルムの側縁部、あるいは周辺の粘着フィルム側縁部と、離型フィルムとの角度を鋭角とした粘着フィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1の接着シートでは、剥離基材上の接着剤層及び粘着フィルムの外方に、半導体装置を製造する場合等に必要とされる接着剤層及び粘着フィルム以外の部分に、支持層が形成されることから、支持層の幅に制限があり、接着剤層及び粘着フィルムの外径に対して支持層の幅が狭く、ラベル痕の抑制効果が十分ではないという問題が生じていた。また、支持層は一般的に粘着性を有さず、剥離基材(PETフィルム)と十分に貼り付いていないことから、支持層の最も狭い部分において剥離基材から浮き、ウエハにダイシング・ダイボンディングフィルムを貼り合わせる際に、上述した浮いた部分が装置に引っかかり、ウエハが損傷してしまうという問題が生じていた。
【0013】
なお、支持層の幅を広くすることも考えられるが、ウエハ加工用テープ全体の幅も広くなるため、既存設備の使用が困難となる。また、支持層は、最終的に廃棄される部分であることから、支持層の幅を広げることは材料コストの上昇に繋がる。
【0014】
また、上記特許文献2の粘着フィルムは、ラベル側縁部分に由来するラベル痕は抑制できるが、接着剤層が厚いことによる段差に由来する段差痕に対しては抑制することができなかった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、離型フィルム上に、接着剤層及び粘着フィルムを有するダイシング・ダイボンディングフィルムを有するウエハ加工用テープをロール状に巻き取った場合に、接着剤層への転写痕の発生を十分に抑制することができるダイシング・ダイボンディングフィルムを有するウエハ加工用テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上の課題を解決するため、本発明に係るウエハ加工用テープは、離型フィルムと、前記離型フィルムの表面上に設けられた所定の平面形状を有する接着剤層と、前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた所定の平面形状を有するラベル部、及び、前記ラベル部の外側を囲むように設けられた周辺部を有する粘着フィルムとを含むウエハ加工用テープであって、前記接着剤層は、接着剤層表面と、前記接着剤層表面から前記離型フィルムに延びる接着剤層側縁部とを有し、前記接着剤層側縁部は、前記接着剤層表面と前記接着剤層側縁部との間の角度が鈍角であり、前記離型フィルムに対して傾斜するように形成され、且つ、前記離型フィルムに対する角度が4.0度以上84度以下に形成されることを特徴とする。
【0017】
上記半導体加工用テープは、前記接着剤層側縁部は、前記離型フィルムに対する角度が45度以上80度以下に形成されることが好ましい。
【0018】
また、以上の課題を解決するため、本発明に係るウエハ加工用テープは、離型フィルムと、前記離型フィルムの表面上に設けられた所定の平面形状を有する接着剤層と、前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた所定の平面形状を有するラベル部、及び、前記ラベル部の外側を囲むように設けられた周辺部を有する粘着フィルムとを含むウエハ加工用テープであって、前記接着剤層は、接着剤層表面と、前記接着剤層表面から前記離型フィルムに延びる接着剤層側縁部とを有し、 前記接着剤層は、接着剤層表面と、前記接着剤層表面から前記離型フィルムになめらかに湾曲して延びる接着剤層側縁部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のウエハ加工用テープによれば、離型フィルム上に、接着剤層及び粘着フィルムを有するウエハ加工用テープをロール状に巻き取った場合に、接着剤層での転写痕の発生を十分に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は第1本実施形態に係るウエハ加工用テープを説明する図であって、
図1(A)は第1実施形態に係るウエハ加工用テープの平面図であり、
図1(B)は
図1(A)のA−A線断面図である。
図2は接着剤層側縁部を説明するための図であって、
図1のL部拡大図である。
図3は第2実施形態に係るウエハ加工用テープの接着剤層側縁部を説明するための図であって、
図3(A)はL部拡大図であり、(B)はその変形例である。
【0022】
<第1実施形態>
第1実施形態に係るウエハ加工用テープ10は、
図1及び
図2に示すように、離型フィルム11と、接着剤層12と、粘着フィルム13とからなる。接着剤層12は、ウエハの形状に対応する円形に加工されたものであり、円形ラベル形状を有する。粘着フィルム13は、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形部分の周辺領域が除去されたものであり、図示するように、円形ラベル部13aと、その外側を囲むような周辺部13bとを有する。接着剤層12と粘着フィルム13の円形ラベル部13aとは、その中心を揃えて積層され、また、粘着フィルム13の円形ラベル部13aは、接着剤層12を覆い、且つ、その周囲で離型フィルム11に接触している。そして、接着剤層12と粘着フィルム13の円形ラベル部13aとからなる積層構造により、ダイシング・ダイボンディングフィルム15が構成されている。
【0023】
(接着剤層側縁部)
そして、ウエハ加工用テープの断面図(
図1(B))のL部が示すように、接着剤層12に、離型フィルム11に対して傾斜した形状となる縁部が形成されている。具体的には、
図2が示すように、接着剤層12は、接着剤層表面12aと、接着剤層表面12aから離型フィルム11に延びる接着剤層側縁部12bとを有する。ここで、接着剤層側縁部12bと接着剤層表面12aとの間の角度が鈍角となるように形成されており、接着剤層側縁部12bは離型フィルム11に対して傾斜するように形成されている。
【0024】
従って、第1実施形態に係るウエハ加工用テープ10によれば、接着剤層側縁部12bが、接着剤層表面12aと接着剤層側縁部12bとの間の角度が鈍角となるように、離型フィルム11に対して傾斜するように形成されることから、ウエハ加工用テープ10をロール状に巻き取った場合に、接着剤層12が存在することにより生じるラベル部13a内の段差による、接着剤層12にかかる圧力を分散させることができる。従って、ウエハ加工用テープ10をロール状に巻き取った場合に、接着剤層12への転写痕の発生を十分に抑制することができる。
【0025】
(接着剤層側縁部と離型フィルムとの間の角度)
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xに関して、Xが4.0度以上84度以下となるように、接着剤層側縁部12bを離型フィルム11に対して形成することが好ましい。
【0026】
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xが小さいほど、ウエハ加工用テープ10をロール状に巻き取った場合に、接着剤層12への転写痕の発生を抑制する効果を奏することができる。しかしながら、角度Xが小さすぎると、ウエハに貼合される領域の接着剤層12の厚みが薄くなる。そのため、ウエハを接着剤層12に貼り付けてダイシングする際、切り込み深さが位置により変化するため、均一な深さでのダイシングが困難となる。
【0027】
図2に示す接着剤層12の厚みdを0.01mm〜0.200mmとするウエハ加工テープに対して、角度Xが4.0度未満の場合、均一なダイシングが困難となるが、角度Xが4.0度以上の場合、ウエハに貼り付けられる接着剤層12の厚みはほぼ一定となり、均一なダイシングを行うことができる。
【0028】
接着剤層側縁部12bを形成する方法としては、接着剤層12を所定の大きさの円形状に打ち抜く際、打ち抜きに用いられる刃として所定の角度を有する刃を用い、この刃を接着剤層表面12aに対して垂直方向から押しつけることにより、接着剤層側縁部12bを形成する方法が好適に挙げられる。ここで、刃の先端部の角度が垂直方向(押しつけ方向)に対して45度を超える場合、接着剤層に刃を入れることが困難となるため、刃の先端部の角度は垂直方向(押しつけ方向)に対して45度未満とする必要がある。先端部の角度が45度未満とする刃を用いて打ち抜かれた接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xは45度以上となるため、接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xは45度以上とすることが好ましい。
【0029】
なお、角度Xが45度未満の接着剤層側縁部12bは、先端部の角度が45度未満の刃を用いて打ち抜き、角度Xが45度以上の接着剤層側縁部12bを形成した後、接着剤層12の側縁部を研磨加工や、加熱変形により作製することができる。
【0030】
一方、角度Xが84度を超える場合、従来のウエハ加工用テープ30の接着剤層側縁部32aと離型フィルム31との間の角度(=90度)と近似し、ウエハ加工用テープをロール状に巻き取ることにより生じる接着剤層への転写痕の発生を抑制することができないため、角度Xが84度以下であることが好ましく、さらには角度Xが80度以下であることが好ましい。
【0031】
以下、本実施形態に係るウエハ加工用テープの各構成要素について詳細に説明する。
【0032】
(離型フィルム)
ウエハ加工用テープ10に用いられる離型フィルム11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエチレン系、その他、離型処理がされたフィルム等周知のものを使用することができる。離型フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、25〜50μmが好ましい。
【0033】
(接着剤層)
接着剤層12は、半導体ウエハ等が貼り合わされてダイシングされた後、チップをピックアップする際に、粘着フィルム13から剥離してチップに付着し、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。従って、接着剤層12は、チップをピックアップする際に、個片化された半導体に付着したままの状態で、粘着フィルム13から剥離することができる剥離性を有し、さらに、ダイボンディングする際において、チップを基板やリードフレームに接着固定するために、十分な接着信頼性を有するものでなければならない。
【0034】
接着剤層12は、接着剤を予めフィルム化したものであり、例えば、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物を使用することができる。また、チップやリードフレームに対する接着力を強化するために、シランカップリング剤もしくはチタンカップリング剤を添加剤として前記材料やその混合物に加えることが望ましい。
【0035】
接着剤層12の厚さは特に制限されるものではないが、通常5〜200μm程度が好ましい。また、接着剤層12は粘着フィルムの全面に積層してもよいが、予め貼り合わされるウエハに応じた形状に切断された(プリカットされた)接着フィルムを積層するのが一般的である。ウエハに応じた接着フィルムを積層した場合、
図6に示すように、ウエハWが貼り合わされる部分には接着剤層12があり、ダイシング用のリングフレームRが貼り合わされる部分には接着剤層12がなく粘着フィルム13の円形ラベル部13aのみが存在する。一般に、接着剤層12は被着体と剥離しにくいため、プリカットされた接着剤層12を使用することで、リングフレームRは粘着フィルム13に貼り合わすことができ、使用後のフィルム剥離時にリングフレームRへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
【0036】
(粘着フィルム)
粘着フィルム13は、ウエハをダイシングする際にはウエハが剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後にチップをピックアップする際には容易に接着剤層12から剥離できるよう低い粘着力を有するものである。例えば、基材フィルムに粘着剤層を設けたものを好適に使用できる。
【0037】
粘着フィルム13の基材フィルムとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述の粘着剤層として放射線硬化性の材料を使用する場合には、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。
【0038】
例えば、その材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルムはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
【0039】
粘着フィルム13の粘着剤層に使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0040】
粘着剤層の樹脂には、アクリル系粘着剤、放射線重合性化合物、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。粘着剤層の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
【0041】
放射線重合性化合物を粘着剤層に配合して放射線硬化により接着剤層から剥離しやすくすることができる。その放射線重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が用いられる。
【0042】
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が適用可能である。
【0043】
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。なお、粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
【0044】
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
【0045】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るウエハ加工用テープは、接着剤層12が離型フィルム11に対して傾斜した形状となる縁部を有する第1実施形態に係るウエハ加工用テープを変形したもので、
図3(A)に示すように、接着剤層22が離型フィルム21に対して、接着剤層表面24から離型フィルム21になめらかに湾曲して延びる接着剤層側縁部25を有する。なお、接着剤層側縁部25と離型フィルム21との間の角度は90度になるように形成されている。
【0046】
図3(B)は、第2実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例である。第2実施形態に係るウエハ加工用テープと同様、接着剤層表面24’から離型フィルム21に円弧状に延びる接着剤層側縁部25’を有する。なお、変形例では、接着剤層側縁部25’と離型フィルム21との間の90度未満で非常に小さくなるように形成されている。
【0047】
なお、接着剤層側縁部25,25’の円弧形状は、従来の接着剤層32のように断面視長方形状にプリカット加工された接着剤層の側縁部に研磨加工や、加熱変形を施すことにより作製することができる。
【0048】
従って、第2実施形態に係るウエハ加工用テープ20及びその変形例20’によれば、接着剤層側縁部25,25’が接着剤層表面24,24’から離型フィルム21になめらかに湾曲して延びることから、ウエハ加工用テープ20,20’をロール状に巻き取った場合に、接着剤層22が存在することにより生じるラベル部23a内の段差による、接着剤層22にかかる圧力を分散させることができる。従って、ウエハ加工用テープ20,20’をロール状に巻き取った場合に、接着剤層22への転写痕の発生を十分に抑制することができる。
【実施例】
【0049】
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0050】
ウエハ加工用テープを以下のようにして作成した。まず、支持基材(基材フィルム)及び粘着剤組成物1を調製した後、支持基材上に乾燥後の厚さが20μmになるように前記粘着剤組成物を塗工し、110℃で3分間乾燥させて粘着フィルムを作成した。次いで、接着剤組成物を調製し、離型処理したポリエチレン−テレフタレートフィルムよりなる離型フィルムに、乾燥後の厚さが20μmになるように前記接着剤組成物を塗工し、110℃で3分間乾燥させて離型フィルム上に接着フィルムを作成した。
そして、接着剤層側縁部と離型フィルムとの間の角度Xを、一定の範囲で変化させ、円形ラベル形状に接着フィルムを裁断して接着剤層を形成した。さらに、前記粘着フィルムを、
図4に示す形状に裁断した後、前記粘着フィルムの粘着剤層側に前記接着剤層を貼り合わせて、各実施例、比較例に係るウエハ加工用テープを作成した。作成したウエハ加工用テープの形状は、テープ幅が290mm、接着剤層の直径が220mm、ラベル部の直径が270mm、さらに、ウエハ加工用テープの中心線上に、接着剤層及びラベル部の中心が重なるように形成した。以下に、支持基材、粘着剤組成物及び接着剤組成物の調製方法を示す。
【0051】
(支持基材の調製)
市販の低密度ポリエチレンよりなる樹脂ビーズ(日本ポリエチレン(株)製 ノバテックLL)を140℃で溶融し、押し出し機を用いて厚さ100μmの長尺フィルム状に成形した。
【0052】
(粘着剤組成物の調製)
まず、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(0)として、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびメチルメタクリレートからなり、質量平均分子量70万、ガラス転移温度−64℃、放射線硬化性炭素−炭素二重結合量0.9meq/gを有する共重合体化合物を作製した。この化合物(0)100質量部に対して、硬化剤としてポリイソシアネート化合物コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製、商品名)3質量部を加え、さらに光重合開始剤としてイルガキュア184(日本チバガイギー株式会社製、商品名)5質量部を加えることにより、放射線硬化性の粘着剤組成物を得た。
【0053】
(接着剤組成物の調製)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50重量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分間混錬した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度:−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤組成物を得た。
【0054】
(実施例1)
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xが45度のウエハ加工用テープである。
【0055】
(実施例2)
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xが80度のウエハ加工用テープである。
【0056】
(実施例3)
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xが84度のウエハ加工用テープである。
【0057】
(実施例4)
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xが90度のウエハ加工用テープであり、接着剤層22が離型フィルム21に対して、接着剤層表面24から離型フィルム21になめらかに湾曲して延びる接着剤層側縁部25を有するウエハ加工用テープである。
【0058】
(比較例1)
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xが90度のウエハ加工用テープである。
【0059】
(比較例2)
接着剤層側縁部12bと離型フィルム11との間の角度Xが85度のウエハ加工用テープである。
【0060】
以下に示す評価方法により、転写痕の抑制性を評価した。
(転写痕の抑制性の評価方法)
外径76.2mmの巻き芯を用いて、290mm幅のウエハ加工用テープを、15Nの一定張力で300枚を巻き取り、ロール体を作成した。そして、ロール体を、30日間、5℃の環境下で冷蔵保管した。その後、接着剤層を目視観察し、シワ(転写痕)の有無を判定した。
【0061】
表1に評価結果を示す。表中、○はシワの発生は無かったことを、×はシワの発生があったことを、△はシワがうっすらあっても、ウエハ接合時にエアを巻き込むほどのシワではなかったことを示す。
【0062】
【表1】
【0063】
接着剤層側縁部と離型フィルムとの間の角度Xが45度以上80度以下のウエハ加工用テープである実施例1及び実施例2では、シワの発生が確認されなかった。また、接着剤層側縁部と離型フィルムとの間の角度Xが84度のウエハ加工用テープである実施例3では、うっすらではあったがシワが確認されたが、ウエハ接合時にエアを巻き込むほどのシワではなかった。一方、接着剤層側縁部と離型フィルムとの間の角度Xが85度以上のウエハ加工用テープである比較例1及び比較例2では、シワが発生した。
【0064】
以上より、本発明に係るウエハ加工用テープによれば、接着フィルム側縁部が、接着剤層表面と接着剤層側縁部との間の角度が鈍角となるように、離型フィルムに対して傾斜するように形成されることから、ウエハ加工用テープをロール状に巻き取った場合に、接着剤層への転写痕の発生を十分に抑制することができた。