【課題を解決するための手段】
【0015】
このような目的を達成するための本発明に係る電池セルは、
【0016】
樹脂層と金属層を含むラミネートシートの電池ケースに電極組立体が装着されており、前記電池ケースには、電極組立体が装着される収納部の外周面に電池ケースの密封のための熱融着シーリング部(外周面シーリング部)が形成されている電池セルであって、電極端子は、上端シーリング部、または下端シーリング部、または上端及び下端シーリング部に位置しており、前記上端又は下端シーリング部に隣接する両側面シーリング部のうちの少なくとも1つには、互いに平行に離隔している2つ以上のシーリングラインが形成されており、前記シーリングラインは、電池ケースの長手方向に上端シーリング部の外周端部から下端シーリング部の外周端部まで連続的に形成され、前記シーリングラインが形成されている外周面シーリング部は、シーリングラインの間で30°〜180°の範囲で折り曲げられる。
【0017】
すなわち、本発明に係る電池セルは、パウチ型電池ケースの側面シーリング部に2つ以上のシーリングラインを間隔を置いて平行に備え、前記シーリングラインの間で、すなわち、未融着部又は低融着部で折り曲げが行われるようにすることによって、電池ケースの縁部のシーリング部を円滑に折り曲げることができ、これによって、折曲部の位置を正確に設定及び加工可能であり、結果的に、工程誤差を大幅に低減することができる。また、シーリングラインがある部分は、折り曲げられることなく電池ケースの収納部の外面に位置するようになるので、電池の体積減少効果を達成することができる。
【0018】
したがって、従来にラミネートシートからなるパウチ型二次電池を密封する場合に、シーリング部の全ての面積を均一に熱融着することによってシーラント層のポリマーが必要以上に溶融されることにより、シーリング後に硬化したポリマーによりシーリング部の折り曲げが困難であった問題点を解決できるようになった。
【0019】
本発明に係る電池セルは、電極組立体が装着される収納部の外周面に電池ケースの密封のための熱融着シーリング部が形成されている電池セルであって、収納部の外周面と平行にシーリングラインが形成されているので、長方形の板状型構造からなっている。
【0020】
このとき、前記電池ケースは、水分浸透防止、電解液などの漏液防止、密封時の気密性提供などを目的として、樹脂層と金属層を含むシート状構造からなっている。一具体例において、電池ケースは、金属層と樹脂層を含むラミネートシートで構成されてもよく、電極組立体が収納される収納部が形成されている第1ケース、及び前記収納部を覆う構造であって、外周面が第1ケースの外周面と熱融着されて密封される第2ケースで構成されてもよい。また、前記第1ケース及び第2ケースは、それぞれ独立した部材であるか、または一側端部が結合されている1単位の部材であってもよい。このようなラミネートシートの代表的な例としては、両外面に樹脂層が形成されているアルミニウムラミネートシートを挙げることができる。
【0021】
本発明に係る電池セルは、電池ケースの外周面の側面シーリング部にシーリングラインが形成されている。前記シーリングラインの間でシーリング部の折り曲げが容易に行われるためには、シーリングラインの間に一定の幅が形成されなければならず、このとき、シーリングラインの形状は、特に限定されないが、好ましくは、収納部の外周面と平行な直線形状からなることができる。
【0022】
また、前記シーリングラインの幅は互いに等しく形成することができ、このようにシーリングラインの幅が互いに同一である場合には、折曲部の位置を正確に設定及び加工可能であるので、工程誤差を大幅に低減することができ、セルを作製した後の品質検査過程で、シーリングラインの個数の検査を通じてシーリング部の面積の均一性も容易に評価できるので、工程の正確度及び迅速度を向上させることができる。
【0023】
一方、シーリング部は、折り曲げ後、収納部の側面と対面する部位に位置するようになるので、シーリングラインの幅は、収納部の高さよりも狭いことが好ましく、一具体例において、シーリングラインの幅は、相対的に内側シーリングラインの幅が外側シーリングラインの幅よりも広く形成されてもよく、逆に、相対的に外側シーリングラインの幅が内側シーリングラインの幅よりも広く形成されてもよい。
【0024】
より具体的に、前記シーリングラインのそれぞれの幅は、折り曲げ回数、折り曲げ方向及びラミネートシートの厚さなどを考慮して多様に構成することができ、シーリングラインが形成されている外周面シーリング部の幅を基準として10%〜45%の大きさ内で適宜選択することができる。しかし、シーリングラインの幅がシーリング部の幅を基準として10%未満であると、シール強度が低下してしまい、安全性が問題となり得、45%よりも広い場合、シーリング部の容易な折り曲げで電池の体積減少効果を達成することが難しいため、好ましくない。
【0025】
本発明に係る電池セルにおいて、前記シーリングラインの離隔距離は、シーリングラインの幅に比べて狭いことが好ましく、具体的に、シーリングラインの平均幅の大きさに対して10%〜100%の大きさであってもよく、シーリングラインの平均幅の大きさに対して10%未満であると、ラミネートシートの厚さによって容易に折り曲げを行うことができず、100%よりも大きいと、折曲部の位置を正確に設定及び加工するのに困難があるため、好ましくない。
【0026】
また、前記シーリングライン部分は熱融着が起こった部分であり、シーリングラインの間の部分ではシーリング部の折り曲げが行われるところ、前記シーリングラインの間の部分は、熱融着が起こらない未融着部を形成することができる。このように、シーリングラインと未融着部が繰り返して交互に形成されるところ、シーリングラインは、熱融着による圧力によって、未融着部に比べて垂直端部の厚さがさらに薄く形成される。
【0027】
他の具体例において、本発明の電池セルを製造するための熱融着過程において、高い温度と圧力によって電池ケースの内部シーラント層が溶融されてシーリングが行われるところ、前記溶融された内部シーラント層がシーリングラインの間に流れ、弱い強度の融着が起こり得る。したがって、前記シーリングラインの間は、シーリングラインと比較して熱融着度の低い低融着部が形成され得る。
【0028】
より具体的に、前記低融着部の熱融着度は、シーリングラインの熱融着度に対して5%〜90%の大きさの範囲内で適宜選択されてもよい。
【0029】
このとき、低融着部の熱融着度がシーリングラインの熱融着度に対して90%よりも大きい場合は、シーリングラインの間の低融着部で外周面シーリング部が容易に折り曲げられるようにするための本発明の目的を達成することが難しいため、好ましくない。
【0030】
他の具体例において、シーリングラインは、低融着部の形成により密封性が低下することを防止するために、さらに高い融着強度が要求されるところ、前記シーリングラインの熱融着温度は、低融着部の熱融着温度よりも高く形成することができる。
【0031】
本発明の電池セルにおいて、シーリングラインの個数は、電池セルの使用目的及び使用対象に応じて2つ以上形成されてもよく、電解液漏液などからの安全性を考慮して密封性を低下させないために、少なくとも収納部の外周面部位及びシーリング部の外周面の最外郭に形成されることが好ましい。
【0032】
一具体例において、前記シーリングラインは、収納部に隣接する順に第1シーリングライン、第2シーリングライン及び第3シーリングラインを含んでおり、前記第1シーリングラインと第2シーリングラインとの間の第1折曲部、及び前記第2シーリングラインと第3シーリングラインとの間の第2折曲部を含むことができる。
【0033】
このとき、前記第2折曲部は、第3シーリングラインが第2シーリングラインと対面するように折り曲げられていてもよく、第2折曲部で第3シーリングラインが収納部の方向に180°折り曲げられ、隣接する第2シーリングラインと対面するようになる。
【0034】
また、電池セルの体積を減少させるために、シーリング部を2回以上折り曲げることもでき、前記第2折曲部が折り曲げられた状態で、第1折曲部は、第2シーリングラインに対する第3シーリングラインの対向面が収納部の側面に対面するように折り曲げられていてもよい。
【0035】
したがって、よりコンパクトな構造の電池セルを得ることができるだけでなく、折曲部の位置を正確に設定及び加工可能であり、工程誤差を大幅に低減することができる。
【0036】
本発明はまた、電池セルの外周面をシールする装置であって、
【0037】
電池ケースの外周面シーリング予定部の上面を下向きに加圧しながら高温を印加する上部シーリングツール(sealing tool)と、
電池ケースの外周面シーリング予定部の下面を支持する下部シーリングツール(sealing tool)とを含んでおり、
【0038】
前記上部シーリングツール及び下部シーリングツールのうちの少なくとも1つには、外周面シーリング部にシーリングラインを形成する2つ以上の線状突起が形成されている構造で構成されている。
【0039】
前記のような構造のシーリング装置は、上部シーリングツールだけでなく下部シーリングツールも熱を印加する役割を果たすことができ、電池ケースの熱融着時に、シーリングツールに形成された線状突起の形状通りに電池セルの外周面シーリング部にシーリングラインが形成されるようにして、シーリングラインの間でシーリング部の折り曲げが容易な電池セルを提供することができる。
【0040】
このとき、前記線状突起は、垂直断面視で外周面シーリング予定部に接する端部が平面又は曲面であってもよく、シーリング部の密封性を考慮すれば、平面端部が適切であり、内部シーラント層の溶融及び流れによる低融着部の形成の防止を考慮すれば、曲面端部が適切である。
【0041】
本発明はまた、電池セルの外周面をシールする装置であって、
【0042】
電池ケースの外周面シーリング予定部の上面を下向きに加圧しながら高温を印加する上部シーリングツール(sealing tool)と、
【0043】
電池ケースの外周面シーリング予定部の下面を支持する下部シーリングツール(sealing tool)とを含んでおり、
【0044】
前記上部シーリングツール及び下部シーリングツールのうちの少なくとも1つには、外周面シーリング部にシーリングラインを形成する2つ以上の線状熱線が内蔵されている構造で構成されている。
【0045】
前記のような構造のシーリング装置は、上部シーリングツールだけでなく下部シーリングツールも熱を印加する役割を果たすことができ、前記シーリングツールに線状突起が形成されているシーリング装置と同じ目的を有し、同じ効果を発揮することができるが、線状突起が形成される位置に線状熱線を内蔵することによって、シーリングラインにのみ高温で熱融着が可能であり、熱融着温度の設定及び調節がより容易である。また、別途の線状突起を形成しなくても、シーリングツールに熱線を追加することによって、より容易に本発明の効果を達成することができる。
【0046】
本発明はまた、前記電池セルを単位電池として含む電池モジュールを提供し、前記電池モジュールを含む電池パックを提供する。
【0047】
本発明はまた、前記電池パックを電源として含んでいるデバイスを提供する。
【0048】
具体的に、前記電池パックは、高温安全性、長いサイクル特性及び高いレート特性などが要求されるデバイスの電源として使用することができ、このようなデバイスの詳細な例としては、スマートフォン、携帯電話、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、または電池ベースのモータによって動力を受けて動くパワーツール(power tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(Plug−in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)などを含む電気車;電気自転車(E−bike)、電気スクーター(E−scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(electric golf cart);電力貯蔵用システムなどから選択されるものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0049】
これらデバイスの構造及びその作製方法は当業界に公知となっているので、本明細書では、それについての詳細な説明を省略する。