(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407668
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】麺線切り出し装置
(51)【国際特許分類】
A21C 11/24 20060101AFI20181004BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20181004BHJP
【FI】
A21C11/24 A
A23L7/109 B
A23L7/109 J
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-230602(P2014-230602)
(22)【出願日】2014年11月13日
(65)【公開番号】特開2016-93116(P2016-93116A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田修司
【審査官】
西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−110334(JP,A)
【文献】
特開昭51−076448(JP,A)
【文献】
特開2012−120524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 11/24
A23L 7/109
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に対向し、噛み合うように並設されている複数の環状溝部を有する一対の麺線切出し用の切刃ロールと、
前記切刃ロールによって麺帯から麺線が切り出される際に前記環状溝部に押し込まれた前記麺線を取り出すための麺線取り出し用スクレーパと、
からなる麺線切出し装置であって、
前記麺線と接触する前記麺線取り出し用スクレーパの先端部上に前記麺線に筋や溝を付けるためのスクレーパ凸部を有することを特徴とする麺線切り出し装置。
【請求項2】
前記スクレーパ凸部が、複数のスクレーパを重ねることにより形成されることを特徴とする請求項1記載の麺線切り出し装置。
【請求項3】
前記スクレーパ凸部の麺線進行方向に対する横断面の形状が尖状であることを特徴とする請求項1または2記載の麺線切り出し装置。
【請求項4】
前記切刃ロールのロール状切刃部にロール凸部を有することを特徴とする請求項1〜3記載何れか一項記載の麺線切り出し装置。
【請求項5】
前記ロール凸部の麺線進行方向に対する横断面の形状が尖状であることを特徴とする請求項4記載の麺線切り出し装置。
【請求項6】
請求項1〜5何れか一項記載の麺線切り出し装置を用いて筋や溝が付与された麺線を切り出すことを特徴とする切出し麺線の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の製造方法を用いて切り出された筋や溝が付与された麺線を用いることを特徴とする生麺、半乾麺、乾麺、蒸麺、茹で麺、冷凍麺または即席麺の製造方法。
【請求項8】
相互に対向し、噛み合うように並設されている複数の環状溝部を有する一対の麺線切出し用の切刃ロールによって麺帯から麺線が切り出される際に前記環状溝部に押し込まれた麺線を取り出すための麺線取り出し用スクレーパであって、
前記麺線取り出し用スクレーパの先端部上に前記麺線に筋や溝を付けるためのスクレーパ凸部を有することを特徴とする麺線取り出し用スクレーパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中華麺、うどん等の麺類の麺帯を麺線に切り出す製麺用の麺線切出し装置に関するものであり、麺線に筋や溝などの形状を付与することのできる麺線切り出し装置に関するものである。製麺に用いる分野としては、特にこだわらず、生麺、半乾麺、乾麺、蒸麺、茹で麺、冷凍麺および即席麺等の製麺に用いることが出来る。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る麺線切出し装置は、機械製麺における麺線を切り出すための装置である。機械製麺においては、小麦粉等の原料粉と、食塩やかん水等を含む練水とをミキサーで混練し、できたドウをロールによってシート状の麺帯にし、これをさらに圧延ロールによって所定の厚みに伸ばした後、切刃ロールと呼ばれる相互に対向し、噛み合うように並設されている複数の環状溝部を有する一対のロールに麺帯を通すことにより、麺線を押し切ることで麺線を作製しているのが一般的である。このとき、押し切られた麺線は、環状溝部に押し込まれるため、これを溝部から取り出す必要があり、カスリと呼ばれるスクレーパによって麺線を溝部より取り出している。切刃ロールは、精密な加工技術が要求されるため、高価であるが、カスリと呼ばれるスクレーパは、切刃ロールと比べて安価であり、使用により消耗した場合、交換することが可能である。
【0003】
ところで、太い麺を短時間に復元したい場合、麺線に筋や溝などの凹状の構造を麺線に施すことによって太い麺線を戻す技術が知られている(例えば文献1〜4)。特許文献1〜3には、切刃ロールの溝部またはロール状切刃部に円環刃を設ける技術が記載されている。しかしながら、これらの方法により、筋や溝などの構造を施され、切り出される麺線の形状は、一定となるが、麺線への筋入れ具合や形状等を調製することができず、その都度切刃ロールごとを設計、購入する必要があり費用がかかるなどの課題があった。また、特許文献4には、溝切ロールによって麺帯に溝を入れた後に、切刃ロールで麺線を切断する技術が記載されている。しかしながら、この方法では、筋入れ具合等のコントロールは可能であるが、ロールを通過する麺帯が生産中に左右にぶれた場合に溝の位置が変化し、常に一定の形状に筋が入った麺線を得るのは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−256669号公報
【特許文献2】特開平9−9856号公報
【特許文献3】特開平8−317766号公報
【特許文献4】特許第358600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単、安価な方法で麺線に一定の形状の筋や溝などの凹状の形状を付与することのできる麺線切り出し装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者は鋭意研究した結果、麺線がスクレーパによって切刃ロールの溝部から取り出される際にスクレーパの先端部分に麺線に筋を入れる目的で凸部を設けたところ、切り出された麺線に一定の形状の筋が入ることを見出した。また、凸部は、すくなくとも麺線がスクレーパに接触する部分にあればよく、凸部の形状を変えることにより、新たに切刃ロールを設計、購入することなく、スクレーパを交換するだけで、筋の深さや溝の形状を変えることができることを見出し本発明に至った。
【0007】
すなわち、相互に対向し、噛み合うように並設されている複数の環状溝部を有する一対の麺線切出し用の切刃ロールと、前記切刃ロールによって麺帯から麺線に切り出す際に前記環状溝部に押し込まれた麺線を取り出すための麺線取り出し用スクレーパと、からなる麺線切出し装置であって、前記麺線と接触する前記麺線取り出し用スクレーパ先端部上にスクレーパ凸部を有することを特徴とする麺線切り出し用装置である。
【0008】
また、前記スクレーパ凸部は、複数のスクレーパを重ねることにより形成されてもよい。
【0009】
また、復元後の麺線形状を大きく変えずに復元性を改善するために麺線に筋や溝を付与する場合には、スクレーパ凸部の麺線進行方向に対する横断面の形状が尖状であることが好ましい。
【0010】
また、切刃ロールのロール状切刃部に麺線に凹状の形状を形成させるためのロール凸部を設けてもよい。
【0011】
この場合もまた、復元後の麺線形状を大きく変えずに復元性を改善するために麺線に筋や溝を付与する場合には、ロール凸部の麺線進行方向に対する横断面の形状が尖状であることが好ましい。尖状にすることでより深い切れ込みを入れることが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、安価で簡単に麺線に一定の形状の筋や溝などの形状を付与することのできる麺線切り出し装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例である麺線切出し装置の麺帯が入る方向から見た写真である。
【
図2】本発明の実施例である麺線切出し装置の切り出された麺線が出ていく方向から見た写真である。
【
図3】本発明の実施例である麺線切出し装置の第一切刃ロールと第二切刃ロールの拡大写真である。
【
図4】本発明の実施例であるスクレーパの拡大写真である。
【
図5】本発明の実施例である麺線切出し装置を
図1のA−A’間で切断したときの断面図である。
【
図6】本発明の実施例である麺線切出し装置を用いて麺帯を切り出した際の
図1のA−A’間の切断面で見た場合の図である。
【
図7】本発明の実施例である麺線切出し装置のスクレーパの斜視図である。
【
図8】本発明のスクレーパの変形例である複数のスクレーパを重ねて用いて一体化した場合の麺線切出し装置のスクレーパの斜視図である。
【
図9】本発明の実施例であるスクレーパを
図7のB−B’間で切断した場合の第一スクレーパ凸部33の横断面の形状並びにスクレーパ凸部の変形例の横断面を示した図である。
【
図10】本発明の切刃ロールの変形例であるロール凸部を設けた場合の第一切刃ロ ールならびに第二切刃ロールの一部を示した拡大図である。
【
図11】本発明の変形例である麺線切出し装置の麺線が出ていく方向から見た写真 である。
【
図12】本発明の変形例である麺線切出し装置を
図11のC−C’間で切断し、麺 帯が入ってくる方を上側にした場合の断面図である。
【
図13】本発明の変形例である
図10で示したロール凸部を設けた一対の切刃ロー ルと
図4ならびに
図7で示した本件発明の実施例である麺線切出し装置の スクレーパを用いた麺線切出し装置で麺線を切り出した際の麺線の切断写 真である。
【符号の説明】
【0014】
1 第一切刃ロール
2 第二切刃ロール
3 第一(内)スクレーパ
4 第二(内)スクレーパ
5 第一外スクレーパ
6 第二外スクレーパ
7 第一ボルト
8 第二ボルト
9 第三ボルト
10 第四ボルト
11 第一ロール状切刃部
12 第一切刃溝部
13 第一ロール凸部
21 第二ロール状切刃部
22 第二切刃溝部
23 第一ロール凸部
31 第一スクレーパ本体部
32 第一スクレーパ先端部
33 第一スクレーパ凸部
41 第二スクレーパ本体部
42 第二スクレーパ先端部
43 第二スクレーパ凸部
100 筐体
M 麺帯
S1 第一切刃ロールで切断した麺線
S2 第二切刃ロールで切断した麺線
3a 第一下スクレーパ
3b 第一上スクレーパ
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明について、具体例を示しながら発明を実施するための形態について詳細に説明するが本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0016】
―実施例の構成―
図1は、本発明の実施例である麺線切出し装置を麺帯が入る方向から見た写真である。尚、
図1は角刃の切刃ロールの装置の一例である。
図2は、
図1の方向とは逆で麺線が切出されて出てくる方向から見た写真であり、
図3は、
図1の第一切刃ロール1と第二切刃ロール2の拡大写真である。また、
図4は、第一スクレーパ3の拡大写真である。
図5は、
図1のA−A’間で切断したときの断面図を示したものである。
【0017】
図1〜5で示すように麺線切出し装置は、筐体100と、相互に対向し、噛み合うように並設されている第一切刃ロール1及び第二切刃ロール2からなる一対の麺線切出し用の切刃ロールと切り出した麺線を取り出すための第一スクレーパ3と第二スクレーパ4を備える。
【0018】
図1、3で示すように一対の麺線切出し用の切刃ロールである第一切刃ロール1及び第二切刃ロール2は、それぞれ複数の環状の第一ロール状切刃部11及び第二ロール状切刃部21と第一切刃溝部12及び第二切刃溝部22を有しており、筐体100に回転可能に装着されている。また、
図3で示すように第一切刃溝部12及び第二切刃溝部22が互い違いになるように第一ロール状切刃部11及び第二ロール状切刃部21が噛み合いながら配置され、回転する。
【0019】
図2、
図5で示すように第一スクレーパ3と第二スクレーパ4は、麺帯が入ってくる側と反対側、つまり、切断された麺線が出てくる側で2つの切刃ロールを囲む筐体100の切刃ロールと並行部分に第一ボルト7及び第二ボルト8によって固定されて設置されている。このとき、第一スクレーパ先端部32ならびに第二スクレーパ先端部42は、それぞれ、第一切刃溝部12ならびに第二切刃溝部22に挿入されるように設置されている。
【0020】
図4、
図5で示すように、第一スクレーパ3ならびに第二スクレーパ4には、その第一スクレーパ先端部32ならび第二スクレーパ先端部42上のほぼ全体に麺線に筋状の構造を付けるための第一スクレーパ凸部33ならびに第二スクレーパ凸部43を有する。また、
図5で示すように第一スクレーパ凸部33ならびに第二スクレーパ凸部43は、第一切刃溝部12内ならびに第二切刃溝部22内にあり、第一切刃ロール1ならびに第二切刃ロール2によって切り出された麺線が接触する位置に設けられている。
【0021】
―実施例の麺線切出し装置による麺帯の切出し時の筋入れについて―
図6で示すように麺帯Mが第一切刃ロール1及び第二切刃ロール2間を通過する際に麺帯Mが切断され、麺線S1ならびに麺線S2となり、それぞれ第一切刃溝部12ならびに第二切刃溝部22に押し込まれる。押し込まれた麺線S1ならびに麺線S2は、第一切刃ロール1及び第二切刃ロール2の回転と共に移動し、第一スクレーパ先端部32及び第二スクレーパ先端部42上の第一スクレーパ凸部33ならびに第二スクレーパ凸部43に麺線S1ならびに麺線S2が接触し、第一スクレーパ先端部32及び第二スクレーパ先端部42に沿って移動しつつ、第一切刃溝部12及び第二切刃溝部22より取り出される。このとき、第一スクレーパ凸部33ならびに第二スクレーパ凸部43によって麺線S1ならびに麺線S2に筋が入る。このように麺線切出し装置を用いることで容易に筋を入れることが出来る。
【0022】
―スクレーパについて―
スクレーパの素材については、特に限定はしないが、加工の容易さから考えると真鍮が好ましく、耐久性、使用中の面から考えるとステンレスが好ましい。
【0023】
本発明のスクレーパは、少なくとも切刃ロールに押し込まれた麺線がスクレーパ先端部に接触する部分に麺線に筋や溝などを付けるためのスクレーパ凸部があれよい。スクレーパ凸部は、
図4、
図7で示した第一スクレーパ3のように第一スクレーパ先端部32に直接設けてもよいが、
図8で示すように通常の切出しで使用される凸部のない平坦なスクレーパである第一下スクレーパ3aの上に第一スクレーパ凸部33を形成するための第一上スクレーパ3bを重ねることにより、第一スクレーパ凸部33を形成してもよい。この場合、凸部を形成するための第一上スクレーパ3bのみを交換することによって簡単に筋の深さや溝の形状等を変えることが出来る。
【0024】
図9は、
図7で示した本発明の実施例である第一スクレーパ3のB−B’間で切断した場合の1つの第一スクレ―パ先端部32ならびに第一スクレーパ凸部33の断面図と、スクレーパ凸部の変形例の断面図を示した図である。第一スクレーパ凸部33の形状は、先端が尖った二等辺三角形状であるが、
図9の変形例1ならびに変形例2でも示すようにまた、復元後の麺線形状を大きく変えずに復元性を改善するために麺線に筋や溝を付与する場合には、スクレーパ凸部の麺線進行方向に対する横断面の形状が尖状であることが好ましい。尖状にすることでより深い切れ込みを入れることが可能となる。
図9の変形例3で示すように復元性改善に関係なく、麺線の形状を凹状に変形させたい場合には、スクレーパ凸部は、必ずしも尖状である必要はない。また、スクレーパ凸部は必ずしも1つである必要はなく、スクレーパ先端部に複数設けられてもよい。さらに、筋入れや麺線の形状を変化させるためだけでなく、麺線の溝部からを取り出す際に取り出しやすくするためなどにも設けることもできる。
【0025】
本発明の最大の利点としては、従来通り、溝切ロールやロール状切刃に円周刃を設けて筋や溝を形成させる方法では、筋や溝の形状を変えるためには、その都度、切刃ロールを設計し、購入する必要があり費用が掛かるが、本発明では、スクレーパを適当な形状になるように設計して交換するだけでよく、安価で且つ容易に筋や溝の形状をつけることが可能となる。
【0026】
―切刃ロールについて―
本発明においては、実施例である麺線切出し装置のように第一ロール状切刃部11ならびに第二ロール状切刃部12が平滑面でもよいが、
図10の切刃ロールの変形例で示すように第一ロール状切刃部11ならびに第二ロール状切刃部21に麺線に凹状の形状を形成させるための円周刃状の第一ロール凸部13ならびに第二ロール凸部23を設けてもよい。このようにロール状切刃部にロール凸部を設けることで麺線の上下面両方に凹状の形状を形成させることができる。
【0027】
また、このとき、復元後の麺線形状を大きく変えずに復元性を改善するために麺線に筋や溝を付与する場合には、スクレーパ凸部と同様にロール凸部の麺線進行方向に対する横断面の形状が尖状であることが好ましい。尖状にすることでより深い切れ込みを入れることが可能となる。復元性改善に関係なく、麺線の形状を変化させたい場合には、ロール凸部は、必ずしも尖状である必要はない。また、ロール凸部は必ずしも1つである必要はなく、ロール状切刃部に複数設けられてもよい。
【0028】
―その他麺線切出し装置構造について―
図11の写真で示した麺線切出し装置は、特許第4951012号公報に記載された切出し装置の写真であり、
図12は、
図11のC−C’間で切断したときの麺帯が投入される側を上にした状態の断面図であるが、
図11、12の写真で示すようにスクレーパは、同一切刃ロール上に複数異なる位置に設けられてもよく、このようなスクレーパが複数存在する切出し装置においても使用することが出来る。
【0029】
―切出し麺の写真―
図13は、本発明の変形例である
図10で示したロール凸部を設けた一対の切刃ロール
と
図4ならびに
図7で示した本件発明の実施例である麺線切出し装置のスクレーパを用い
た麺線切出し装置で麺線を切り出した際の麺線の切断写真であるが、スクレーパ凸部によ
って麺線下側に溝が形成されることがわかる。また、ロール凸部を設けることにより、麺
線上側にも溝が形成され、上下に溝が形成された麺が得られることがわかる。
【0030】
以上のように、相互に対向し、噛み合うように並設されている複数の環状溝部を有する一対の麺線切出し用の切刃ロールと、前記切刃ロールによって麺帯から麺線に切り出す際に前記環状溝部に押し込まれた麺線を取り出すための麺線取り出し用スクレーパと、からなる麺線切出し装置において、切り出され、切刃溝部に押し込まれた麺線と接触するスクレーパ先端部上にスクレーパ凸部を設けることで、安価で且つ容易に筋や溝などの形状をつけることが可能となる。
【0031】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。