(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1電極;前記第1電極と対向して備えられる第2電極;及び前記第1電極と前記第2電極との間に備えられ、光活性層を含む1層以上の有機物層を含み、前記有機物層のうち1層以上は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の重合体を含むものである有機太陽電池。
前記電子受容体は、フラーレン、フラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ誘導体、バソクプロイン、半導体性元素、半導体性化合物及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものである請求項7に記載の有機太陽電池。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本明細書について詳細に説明する。
【0017】
本明細書において、「単位」とは、重合体の単量体に含まれる繰り返し構造であって、単量体が重合によって重合体内に結合された構造を意味する。
【0018】
本明細書において、「単位を含む」の意味は、重合体内の主鎖に含まれるという意味である。
【0019】
本明細書の一実施態様に係る重合体は、2個の少なくともNを2個含む複素環基の間にAが備えられ、相対的にAと遠い位置にR1及びR2が置換される位置規則性を有する。この場合、結晶性に優れる。
【0020】
本明細書において、位置規則性とは、選択的に重合体内の構造で一定の方向に置換基が備えられることを意味する。
【0021】
本明細書の一実施態様において、上記A及びBの構造を調節して、重合体のバンドギャップ及び/又はHOMO(highest occupied molecular orbital)、LUMO(lowest unoccupied molecular orbital)のエネルギーレベルの調節が容易である。
【0022】
本明細書の一実施態様において、上記R1及びR2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、ハロゲン基である。
【0023】
R1及びR2がハロゲン基の場合、R1及びR2で置換された化学式1で表される単位を含む重合体において反応の選択性を高めて化合物の製造を容易にすることができ、製造された重合体は結晶性に優れ、有機太陽電池をはじめ有機発光素子、有機トランジスタなどの有機電子素子内で電荷移動度が増加することができる。
【0024】
また、R1及びR2の導入により、重合体のHOMO(highest occupied molecular orbital)エネルギー準位の絶対値が増加して、開放電圧の増大が期待されることができる。
【0025】
本明細書の一実施態様において、上記A及びBは、重合体内で電子供与体として作用する。
【0026】
A及びBが電子供与体として作用する場合、相対的に電子受容体として作用するX1及びX2を含む複素環基とともにプッシュプル(push-pull)効果が期待される。この場合、低いバンドギャップ(low-bandgap)が形成され、R1及びR2の置換基の位置がA又はBを基準に一定の方向性を有するため、優れた結晶性及び/又は向上した電荷移動度を有する。
【0027】
本明細書の一実施態様において、上記A及びBは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、下記構造のうち1又は2以上が選択される。
【0029】
上記構造において、
b及びcは、それぞれ1ないし3の整数であり、
dは、1ないし6の整数であり、
eは、1ないし4の整数であり、
X10ないしX13は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CR3R4、NR3、O、SiR3R4、PR3、S、GeR3R4、Se又はTeであり、
Y10及びY11は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CR5、N、SiR5、P、又はGeR5であり、
R3、R4、R5及びR100ないしR103は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;イミド基;アミド基;ヒドロキシ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアルキルアミン基;置換もしくは非置換のアラルキルアミン基;置換もしくは非置換のアリールアミン基;置換もしくは非置換のヘテロアリールアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換の複素環基である。
【0030】
本明細書の一実施態様において、AとBは、互いに同一である。
【0031】
また一つの実施態様において、上記AとBは、互いに異なっている。
【0032】
本明細書の一実施態様において、上記Aは、
【化3】
である。
【0033】
本明細書の一実施態様において、上記化学式1で表される単位は、下記化学式1−Aで表される。
【0035】
化学式1−Aにおいて、
X1、X2、R1、R2及びBは、化学式1で定義した通りであり、
X10ないしX13は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CR3R4、NR3、O、SiR3R4、PR3、S、GeR3R4、Se又はTeであり、
R3、R4、R100及びR101は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;イミド基;アミド基;ヒドロキシ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアルキルアミン基;置換もしくは非置換のアラルキルアミン基;置換もしくは非置換のアリールアミン基;置換もしくは非置換のヘテロアリールアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換の複素環基である。
【0036】
本明細書の一実施態様において、上記Bは、
【化5】
である。
【0037】
また他の実施態様において、上記Bは、
【化6】
である。
【0038】
また他の実施態様において、上記Bは、
【化7】
である。
【0039】
本明細書の一実施態様において、上記化学式1で表される単位は、下記化学式2ないし化学式4のうちいずれか一つで表される。
【0041】
化学式2ないし4において、
X1、X2、R1及びR2は、上記化学式1で定義した通りであり、
X10ないしX17は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CR3R4、NR3、O、SiR3R4、PR3、S、GeR3R4、Se又はTeであり、
Y10及びY11は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CR5、N、SiR5、P、又はGeR5であり、
R3ないしR5及びR100ないしR105は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;イミド基;アミド基;ヒドロキシ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアルキルアミン基;置換もしくは非置換のアラルキルアミン基;置換もしくは非置換のアリールアミン基;置換もしくは非置換のヘテロアリールアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換の複素環基である。
【0042】
上記置換基の例示は、以下で説明するが、これに限定されるものではない。
【0043】
上記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合された水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置、すなわち置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一であるか異なっていてもよい。
【0044】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;アルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;エステル基;カルボニル基;カルボキシル基;ヒドロキシ基;シクロアルキル基;シリル基;アリールアルケニル基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;ホウ素基;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;アリールアミン基;複素環基;アリールアミン基;アリール基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;及び複素環基からなる群より選択された1つ以上の置換基で置換されたか、又はいずれの置換基も持たないことを意味する。
【0045】
上記置換基は、追加の置換基で置換もしくは非置換されることができる。
【0046】
本明細書において、ハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であってもよい。
【0047】
本明細書において、イミド基の炭素数は、特に限定されないが、炭素数1ないし25であることが好ましい。具体的に、下記のような構造の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0049】
本明細書において、アミド基は、アミド基の窒素が水素、炭素数1ないし25の直鎖、分枝鎖又は環状のアルキル基又は炭素数6ないし25のアリール基で1又は2置換されることができる。具体的に、下記構造式の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0051】
本明細書において、上記アルキル基は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1ないし50であることが好ましい。具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書において、シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3ないし60であることが好ましく、具体的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これに限定されない。
【0053】
本明細書において、上記アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖又は 環状 であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1ないし20であることが好ましい。具体的に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、p−メチルベンジルオキシなどであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
本明細書において、上記アルケニル基は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2ないし40であることが好ましい。具体的な例としては、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2-ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書において、シリル基は、具体的にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これに限定されない。
【0056】
本明細書において、アリール基は、単環式アリール基又は多環式アリール基であってもよく、炭素数1ないし25のアルキル基又は炭素数1ないし25のアルコキシ基が置換される場合を含む。また、本明細書内におけるアリール基は、芳香族環を意味することができる。
【0057】
上記アリール基が単環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6ないし25であることが好ましい。具体的に、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0058】
上記アリール基が多環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないか、炭素数10ないし24であることが好ましい。具体的に、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0059】
本明細書において、上記フルオレニル基は、置換されることができ、隣接する置換基が互いに結合して、環を形成することができる。
【0060】
上記フルオレニル基が置換される場合、
【化11】
などであってもよい。但し、これに限定されるものではない。
【0061】
本明細書において、複素環基は、異種元素としてO、N及びSのうち1つ 以上を含む複素環基であって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2ないし60であることが好ましい。複素環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基及びジベンゾフラニル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0062】
上記複素環基は、単環又は多環であってもよく、芳香族、脂肪族又は芳香族と脂肪族との縮合環であってもよい。
【0063】
本明細書において、アリールアミン基の例としては、置換もしくは非置換のモノアリールアミン基、置換もしくは非置換のジアリールアミン基、又は置換もしくは非置換のトリアリールアミン基がある。上記アリールアミン基中のアリール基は、単環式アリール基であってもよく、多環式アリール基であってもよい。上記アリール基を2以上含むアリールアミン基は、単環式アリール基、多環式アリール基、又は単環式アリール基と多環式アリール基とを同時に含むことができる。
【0064】
アリールアミン基の具体的な例としては、フェニルアミン、ナフチルアミン、ビフェニルアミン、アントラセニルアミン、3−メチル−フェニルアミン、4−メチル−ナフチルアミン、2−メチル−ビフェニルアミン、9−メチル−アントラセニルアミン、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、カルバゾール及びトリフェニルアミン基などがあるが、これに限定されるものではない。
【0065】
本明細書において、ヘテロアリールアミン基中のヘテロアリール基は、上述した複素環基の例示から選択されることができる。
【0066】
本明細書において、アリールオキシ基、アリールチオキシ基、アリールスルホキシ基及びアラルキルアミン基中のアリール基は、上述したアリール基の例示の通りである。具体的に、アリールオキシ基としては、フェノキシ、p−トリルオキシ、m−トリルオキシ、3,5−ジメチル−フェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、p−tert−ブチルフェノキシ、3−ビフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、4−メチル−1−ナフチルオキシ、5−メチル−2−ナフチルオキシ、1−アントリルオキシ、2−アントリルオキシ、9−アントリルオキシ、1−フェナントリルオキシ、3−フェナントリルオキシ、9−フェナントリルオキシなどがあり、アリールチオキシ基としては、フェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、4−tert−ブチルフェニルチオキシ基などがあり、アリールスルホキシ基としては、ベンゼンスルホキシ基、p−トルエンスルホキシ基などがあるが、これに限定されない。
【0067】
本明細書において、アルキルチオキシ基、アルキルスルホキシ基中のアルキル基は、上述したアルキル基の例示の通りである。具体的に、アルキルチオキシ基としては、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基、ヘキシルチオキシ基、オクチルチオキシ基などがあり、アルキルスルホキシ基としては、メチル、エチルスルホキシ基、プロピルスルホキシ基、ブチルスルホキシ基などがあるが、これに限定されない。
【0068】
本明細書の一実施態様において、上記X1は、Sである。
【0069】
また一つの実施態様において、上記X2は、Sである。
【0070】
本明細書の一実施態様において、上記X10は、Sである。
【0071】
また一つの実施態様において、上記X11は、CR3R4である。
【0072】
本明細書の他の実施態様において、上記X11は、Sである。
【0073】
本明細書の一実施態様において、X12は、Oである。
【0074】
本明細書の一実施態様において、X13は、Sである。
【0075】
また一つの実施態様において、上記X14は、Sである。
【0076】
また一つの実施態様において、上記X15は、CR3R4である。
【0077】
本明細書の一実施態様において、上記X16は、Oである。
【0078】
また一つの実施態様において、上記X16は、CR3R4である。
【0079】
本明細書の一実施態様において、X17は、Sである。
【0080】
本明細書の一実施態様において、上記Y10は、CR5である。
【0081】
また一つの実施態様において、上記Y11は、CR5である。
【0082】
本明細書の一実施態様において、R100は、水素である。
【0083】
また一つの実施態様において、上記R101は、水素である。
【0084】
一つの実施態様において、R102は、水素である。
【0085】
本明細書の一実施態様において、R103は、水素である。
【0086】
本明細書の一実施態様において、R104は、水素である。
【0087】
また一つの実施態様において、R105は、水素である。
【0088】
本明細書の一実施態様において、上記R3は、置換もしくは非置換の分枝鎖のアルキル基である。
【0089】
本明細書の一実施態様において、R3は、置換もしくは非置換の3,7−ジメチルオクチル基である。
【0090】
本明細書の一実施態様において、R3は、3,7−ジメチルオクチル基である。
【0091】
本明細書の一実施態様において、R3は、置換もしくは非置換のアリール基である。
【0092】
本明細書の一実施態様において、R3は、置換もしくは非置換のフェニル基である。
【0093】
本明細書の一実施態様において、R3は、置換もしくは非置換のアルキル基で置換されたフェニル基である。
【0094】
本明細書の一実施態様において、R3は、アルキル基で置換されたフェニル基である。
【0095】
本明細書の一実施態様において、R3は、ヘキシル基で置換されたフェニル基である。
【0096】
本明細書の一実施態様において、上記R4は、置換もしくは非置換の分枝鎖のアルキル基である。
【0097】
本明細書の一実施態様において、R4は、置換もしくは非置換の3,7−ジメチルオクチル基である。
【0098】
本明細書の一実施態様において、R4は、3,7−ジメチルオクチル基である。
【0099】
本明細書の一実施態様において、R4は、置換もしくは非置換のアリール基である。
【0100】
本明細書の一実施態様において、R4は、置換もしくは非置換のフェニル基である。
【0101】
本明細書の一実施態様において、R4は、置換もしくは非置換のアルキル基で置換されたフェニル基である。
【0102】
本明細書の一実施態様において、R4は、アルキル基で置換されたフェニル基である。
【0103】
本明細書の一実施態様において、R4は、ヘキシル基で置換されたフェニル基である。
【0104】
本明細書の一実施態様において、上記R5は、置換もしくは非置換の複素環基である。
【0105】
また一つの実施態様において、上記R5は、S原子を1以上含む置換もしくは非置換の複素環基である。
【0106】
また一つの実施態様において、上記R5は、置換もしくは非置換のチオフェン基である。
【0107】
本明細書の一実施態様において、上記R5は、アルキル基で置換もしくは非置換のチオフェン基である。
【0108】
本明細書の一実施態様において、上記R5は、炭素数1ないし30のアルキル基で置換されたチオフェン基である。
【0109】
本明細書のまた一つの実施態様において、上記R5は、2−エチルヘキシル基で置換されたチオフェン基である。
【0110】
本明細書の一実施態様において、上記重合体は、下記化学式1−1ないし化学式1−3のうちいずれか一つで表される単位を含む。
【0112】
化学式1−1ないし1−3において、
nは、1ないし100,000の整数であり、
R1及びR2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、ハロゲン基であり、
R10ないしR15は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換もしくは非置換の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換の複素環基である。
【0113】
本明細書の一実施態様において、R10ないしR15は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキル基又は置換もしくは非置換のアリール基である。
【0114】
本明細書の一実施態様において、上記R10は、置換もしくは非置換の分枝鎖のアルキル基である。
【0115】
本明細書の一実施態様において、R10は、置換もしくは非置換の3,7−ジメチルオクチル基である。
【0116】
本明細書の一実施態様において、R10は、3,7−ジメチルオクチル基である。
【0117】
本明細書の一実施態様において、上記R11は、置換もしくは非置換の分枝鎖のアルキル基である。
【0118】
本明細書の一実施態様において、R11は、置換もしくは非置換の3,7−ジメチルオクチル基である。
【0119】
本明細書の一実施態様において、R11は、3,7−ジメチルオクチル基である。
【0120】
本明細書の一実施態様において、上記R12は、置換もしくは非置換の分枝鎖のアルキル基である。
【0121】
本明細書の一実施態様において、R12は、置換もしくは非置換の3,7−ジメチルオクチル基である。
【0122】
本明細書の一実施態様において、R12は、3,7−ジメチルオクチル基である。
【0123】
本明細書の一実施態様において、R12は、置換もしくは非置換のアリール基である。
【0124】
本明細書の一実施態様において、R12は、置換もしくは非置換のフェニル基である。
【0125】
本明細書の一実施態様において、R12は、置換もしくは非置換のアルキル基で置換されたフェニル基である。
【0126】
本明細書の一実施態様において、R12は、アルキル基で置換されたフェニル基である。
【0127】
本明細書の一実施態様において、R12は、ヘキシル基で置換されたフェニル基である。
【0128】
本明細書の一実施態様において、上記R12は、置換もしくは非置換の複素環基である。
【0129】
また一つの実施態様において、上記R12は、S原子を1以上含む置換もしくは非置換の複素環基である。
【0130】
また一つの実施態様において、上記R12は、置換もしくは非置換のチオフェン基である。
【0131】
本明細書の一実施態様において、上記R12は、アルキル基で置換もしくは非置換のチオフェン基である。
【0132】
本明細書の一実施態様において、上記R12は、炭素数1ないし30のアルキル基で置換されたチオフェン基である。
【0133】
本明細書のまた一つの実施態様において、上記R12は、2−エチルヘキシル基で置換されたチオフェン基である。
【0134】
本明細書の一実施態様において、上記R13は、置換もしくは非置換の分枝鎖のアルキル基である。
【0135】
本明細書の一実施態様において、R13は、置換もしくは非置換の3,7−ジメチルオクチル基である。
【0136】
本明細書の一実施態様において、R13は、3,7−ジメチルオクチル基である。
【0137】
本明細書の一実施態様において、R13は、置換もしくは非置換のアリール基である。
【0138】
本明細書の一実施態様において、R13は、置換もしくは非置換のフェニル基である。
【0139】
本明細書の一実施態様において、R13は、置換もしくは非置換のアルキル基で置換されたフェニル基である。
【0140】
本明細書の一実施態様において、R13は、アルキル基で置換されたフェニル基である。
【0141】
本明細書の一実施態様において、R13は、ヘキシル基で置換されたフェニル基である。
【0142】
本明細書の一実施態様において、上記R13は、置換もしくは非置換の複素環基である。
【0143】
また一つの実施態様において、上記R13は、S原子を1以上含む置換もしくは非置換の複素環基である。
【0144】
また一つの実施態様において、上記R13は、置換もしくは非置換のチオフェン基である。
【0145】
本明細書の一実施態様において、上記R13は、アルキル基で置換もしくは非置換のチオフェン基である。
【0146】
本明細書の一実施態様において、上記R13は、炭素数1ないし30のアルキル基で置換されたチオフェン基である。
【0147】
本明細書のまた一つの実施態様において、上記R13は、2−エチルヘキシル基で置換されたチオフェン基である。
【0148】
本明細書の一実施態様において、R14は、置換もしくは非置換のアリール基である。
【0149】
本明細書の一実施態様において、R14は、置換もしくは非置換のフェニル基である。
【0150】
本明細書の一実施態様において、R14は、置換もしくは非置換のアルキル基で置換されたフェニル基である。
【0151】
本明細書の一実施態様において、R14は、アルキル基で置換されたフェニル基である。
【0152】
本明細書の一実施態様において、R14は、ヘキシル基で置換されたフェニル基である。
【0153】
本明細書の一実施態様において、R15は、置換もしくは非置換のアリール基である。
【0154】
本明細書の一実施態様において、R15は、置換もしくは非置換のフェニル基である。
【0155】
本明細書の一実施態様において、R15は、置換もしくは非置換のアルキル基で置換されたフェニル基である。
【0156】
本明細書の一実施態様において、R15は、アルキル基で置換されたフェニル基である。
【0157】
本明細書の一実施態様において、R15は、ヘキシル基で置換されたフェニル基である。
【0158】
本明細書の一実施態様において、R1は、ハロゲン基である。
【0159】
また一つの実施態様において、上記R1は、フッ素である。
【0160】
本明細書の一実施態様において、R2は、ハロゲン基である。
【0161】
また一つの実施態様において、R2は、フッ素である。
【0162】
本明細書の一実施態様において、上記重合体は、下記化学式1−1−1ないし1−3−1で表される。
【0164】
本明細書の一実施態様において、上記重合体の末端基としては、複素環基又はアリール基である。
【0165】
本明細書の一実施態様において、上記重合体の末端基は、4−(トリフルオロメチル)フェニル基(4-(trifluoromethyl)phenyl)である。
【0166】
本明細書の一実施態様において、上記重合体の末端基は、ブロモチオフェン基(bromo-thiophene)である。
【0167】
また一つの実施態様において、上記重合体の末端基は、ブロモ−ベンゼン基(bromo-benzene)である。
【0168】
また一つの一実施態様において、上記重合体の末端基は、トリアルキル(チオフェン−2−イル)スタンニル基(trialkyl(thiophene-2-yl)stannyl)である。
【0169】
本明細書において、上記トリアルキルは、トリメチル又はトリブチルであってもよい。
【0170】
本明細書の一実施態様によれば、上記重合体の数平均分子量は、500g/molないし1,000,000g/molが好ましい。好ましくは、上記重合体の数平均分子量は、10,000ないし100,000が好ましい。本明細書の一実施態様において、上記重合体の数平均分子量は、30,000ないし100,000である。
【0171】
本明細書の一実施態様によれば、上記重合体は、1ないし100の分子量分布を有することができる。好ましくは、上記重合体は、1ないし3の分子量分布を有する。
【0172】
分子量分布は低いほど、数平均分子量が大きくなるほど、電気的特性と機械的特性がより良くなる。
【0173】
また、一定以上の溶解度を有して溶液塗布法への適用を有利にするために、数平均分子量は、100,000以下であることが好ましい。
【0174】
上記重合体は、後述する製造例に基づいて製造されることができる。
【0175】
R1が置換された複素環基−A−R2が置換された複素環基の単量体とBの単量体を1当量ずつ入れ、0.02当量のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3) 、0.08当量のトリフェニルホスフィンを反応させ、精製して、上記化学式1−1−1及び化学式1−2−1で表される重合体以外にも、化学式1で表される単位を含む重合体を製造することができる。
【0176】
本明細書に係る重合体は、多段階の化学反応で製造することができる。アルキル化反応、グリニャール(Grignard)反応、鈴木(Suzuki)カップリング反応及びスティル(Stille)カップリング反応などを通じてモノマーを製造した後、スティルカップリング反応などの炭素−炭素カップリング反応を通じて、最終重合体を製造することができる。導入しようとする置換基がボロン酸(boronic acid)又はボロン酸エステル(boronic ester)化合物の場合には、鈴木カップリング反応を通じて製造することができ、導入しようとする置換基がトリブチルスズ(tributyltin)又はトリメチルスズ(trimethyltin)化合物の場合には、スティルカップリング反応を通じて製造することができるが、これに限定されるものではない。
【0177】
本明細書の一実施態様において、第1電極;上記第1電極と対向して備えられる第2電極;及び上記第1電極と第2電極との間に備えられ、光活性層を含む1層以上の有機物層を含み、上記有機物層のうち1層以上は、上記重合体を含むものである有機太陽電池を提供する。
【0178】
本明細書の一実施例に係る有機太陽電池は、第1電極、光活性層及び第2電極を含む。上記有機太陽電池は、基板、正孔輸送層及び/又は電子輸送層がさらに含まれることができる。
【0179】
本明細書の一実施態様において、上記有機太陽電池が外部光源から光子を受けると、電子供与体と電子受容体の間で電子と正孔が発生する。発生された正孔は、電子ドナー層を通じて陽極に輸送される。
【0180】
本明細書の一実施態様において、上記有機物層は、正孔輸送層、正孔注入層又は正孔輸送と正孔注入とを同時にする層を含み、上記正孔輸送層、正孔注入層又は正孔輸送と正孔注入とを同時にする層は、上記重合体を含む。
【0181】
また一つの一実施態様において、上記有機物層は、電子注入層、電子輸送層又は電子注入と電子輸送とを同時にする層を含み、上記電子注入層、電子輸送層又は電子注入と電子輸送とを同時にする層は、上記重合体を含む。
【0182】
図1は、本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池を示す図である。
【0183】
本明細書の一実施態様において、上記有機太陽電池が外部光源から光子を受けると、電子供与体と電子受容体の間で電子と正孔が発生する。発生された正孔は、電子ドナー層を通じて陽極に輸送される。
【0184】
本明細書の一実施態様において、上記有機太陽電池は、付加的な有機物層をさらに含むことができる。上記有機太陽電池は、多くの機能を同時に有する有機物を使用して、有機物層の数を減少させることができる。
【0185】
本明細書の一実施態様において、上記第1電極はアノードであり、上記第2電極はカソードである。また一つの実施態様において、上記第1電極はカソードであり、上記第2電極はアノードである。
【0186】
本明細書の一実施態様において、有機太陽電池は、カソード、光活性層及びアノードの順に配列されることもでき、アノード、光活性層及びカソードの順に配列されることもできるが、これに限定されない。
【0187】
また一つの実施態様において、上記有機太陽電池は、アノード、正孔輸送層、光活性層、電子輸送層及びカソードの順に配列されることもでき、カソード、電子輸送層、光活性層、正孔輸送層及びアノードの順に配列されることもできるが、これに限定されない。
【0188】
本明細書の一実施態様において、上記有機太陽電池は、ノーマル(Normal)構造である。
【0189】
本明細書の一実施態様において、上記有機太陽電池は、逆(Inverted)構造である。
【0190】
本明細書の一実施態様において、上記有機太陽電池は、タンデム(tandem)構造である。
【0191】
本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池は、光活性層が1層又は2層以上であってもよい。
【0192】
また一つの実施態様において、バッファー層が、光活性層と正孔輸送層との間又は光活性層と電子輸送層との間に備えられることができる。このとき、正孔注入層がアノードと正孔輸送層との間にさらに備えられることができる。また、電子注入層が、カソードと電子輸送層との間にさらに備えられることができる。
【0193】
本明細書の一実施態様において、上記光活性層は、電子供与体及び受容体からなる群より選択される1又は2以上を含み、上記電子供与体物質は、上記重合体を含む。
【0194】
本明細書の一実施態様において、上記電子受容体物質は、フラーレン、フラーレン誘導体、バソクプロイン、半導体性元素、半導体性化合物及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることができる。具体的に、フラーレン(fullerene)、フラーレン誘導体(PCBM((6,6)-phenyl-C61-butyric acid-methylester)又はPCBCR((6,6)-phenyl-C61-butyric acid-cholesteryl ester)、ペリレン(perylene)、PBI(polybenzimidazole)、及びPTCBI(3,4,9,10-perylene-tetracarboxylic bis-benzimidazole)からなる群より選択される1又は2以上の化合物である。
【0195】
本明細書の一実施態様において、上記電子供与体及び電子受容体は、バルクヘテロ接合(BHJ)を構成する。
【0196】
バルクヘテロ接合とは、光活性層において電子供与体物質と電子受容体物質とが互いに混じっていることを意味する。
【0197】
本明細書の一実施態様において、上記光活性層は、n型有機物層及びp型有機物層を含む二層薄膜(bilayer)構造であり、上記p型有機物層は、上記重合体を含む。
【0198】
本明細書において、上記基板は、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性に優れたガラス基板又は透明プラスチック基板であってもよいが、これに限定されず、有機太陽電池に通常使用される基板であれば、制限されない。具体的に、ガラス又はPET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、PP(polypropylene)、PI(polyimide)、TAC(triacetyl cellulose)などがあるが、これに限定されるものではない。
【0199】
上記アノード電極は、透明で導電性に優れた物質であってもよいが、これに限定されない。バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSNO
2:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、 ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロール及びポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0200】
上記アノード電極の形成方法は、特に限定されないが、例えば、スパッタリング、電子ビーム、熱蒸着、スピンコート、スクリーンプリント、インクジェットプリント、ドクターブレード又はグラビア印刷法を使用して、基板の一面に塗布されるかフィルム状にコーティングされることで、形成されることができる。
【0201】
上記アノード電極を基板上に形成する場合、これは洗浄、水分除去及び親水性改質過程を経ることができる。
【0202】
例えば、パターニングされたITO基板を洗浄剤、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次洗浄した後、水分除去のために加熱板で100〜150℃で1〜30分間、好ましくは120℃で10分間乾燥し、基板が完全に洗浄されると、基板表面を親水性に改質する。
【0203】
上記のような表面改質を通じて、接合表面電位を光活性層の表面電位に適する水準に維持することができる。また、改質時にアノード電極の上に高分子薄膜の形成が容易になり、薄膜の品質が向上することもできる。
【0204】
アノード電極のための前処理技術としては、a)平行平板型放電を用いた表面酸化法、b)真空状態でUV紫外線を用いて生成されたオゾンを通じて表面を酸化する方法、及びc)プラズマによって生成された酸素ラジカルを用いて酸化する方法などがある。
【0205】
アノード電極又は基板の状態によって、上記方法のうち一つを選択することができる。但し、いずれの方法であれ、共通してアノード電極又は基板表面の酸素離脱を防止し、水分及び有機物の残留を最大限抑制することが好ましい。このとき、前処理の実質的な効果を極大化することができる。
【0206】
具体的な例として、UVを用いて生成されたオゾンを通じて表面を酸化する方法を使用することができる。このとき、超音波洗浄後にパターニングされたITO基板を加熱板(hot plate)で焼き付けて(baking)よく乾燥させた後、チャンバに投入し、UVランプを作用させて酸素ガスがUV光と反応して発生するオゾンによって、パターニングされたITO基板を洗浄することができる。
【0207】
ところが、本明細書におけるパターニングされたITO基板の表面改質方法は、特に限定させる必要はなく、基板を酸化させる方法であれば、いずれの方法でも構わない。
【0208】
上記カソード電極は、仕事関数の小さい金属であってもよいが、これに限定されない。具体的に、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ及び鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/Al、LiO
2/Al、LiF/Fe、Al:Li、Al:BaF
2、Al:BaF
2:Baのような多層構造の物質であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0209】
上記カソード電極は、5×10
−7torr以下の真空度を示す熱蒸着装置の内部で蒸着されて形成されることができるが、この方法にのみ限定されるものではない。
【0210】
上記正孔輸送層及び/又は電子輸送層物質は、光活性層で分離された電子と正孔を電極に効率的に伝達させる役割を果たし、物質は特に制限しない。
【0211】
上記正孔輸送層物質は、PEDOT:PSS(Poly(3,4-ethylenediocythiophene) doped with poly(styrenesulfonic acid))、モリブデン酸化物(MoO
x);バナジウム酸化物(V
2O
5);ニッケル酸化物(NiO);及びタングステン酸化物(WO
x)などであってもよいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0212】
上記電子輸送層物質は、電子取り出し金属酸化物(electron-extracting metal oxides)であってもよく、具体的に、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体;Alq
3を含む錯体;Liqを含む金属錯体;LiF;Ca;チタン酸化物(TiO
x);亜鉛酸化物(ZnO);及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)などであってもよいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0213】
光活性層は、電子供与体及び/又は電子受容体のような光活性物質を有機溶媒に溶解させた後、溶液をスピンコート、ディップコート、スクリーンプリント、スプレーコート、ドクターブレード、刷毛塗りなどの方法で形成することができるが、これらの方法にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0214】
上記重合体の製造方法及びこれを含む有機太陽電池の製造は、以下の製造例及び実施例で具体的に説明する。ところが、下記実施例は、本明細書を例示するためのものであり、本明細書の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0215】
実施例1.モノマーAの合成
【化14】
【0216】
フラスコ(Flask)に4,7−ジブロモ−5−フルオロベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール(FBTBr
2) 3.1195g(10mmol)とスタニル(Sn)が導入されたモノマー(monomer)4.2116g(4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3) 触媒0.733g(0.08mmol)、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)0.084g(0.32mmol)を入れて脱気(degassing)した後、トルエン100mlを入れて80℃で48時間反応した。反応後、ジクロロメタン(dichloromethane)で抽出(extraction)した後、溶媒を減圧下に除去し、粗生成物(crude product)をhexane:dichloromethane=4:1の比率でシリカ(silica)カラム精製を通じて、最終化合物を得た(dark solid、収率:35%)。
【0217】
図2は、実施例1で製造された化合物の高性能液体クロマトグラフィー(HPLC:high performance liquid chromatography)を示す図である。
【0218】
図3は、実施例1で製造された化合物のNMRスペクトルを示す図である。
【0219】
実施例2.化学式1−1−1の合成
【0220】
【化15】
【0221】
実施例1の単量体1mmolとSnが導入された電子供与体単量体1mmol、0.02mmolのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3)、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)0.08mmolをマイクロ波(Microwave)専用容器に入れて、脱気(degassing)を5分ずつ3回進行した。
【0222】
その後、乾燥したトルエン(Toluene)20mLと乾燥したジメチルホルムアミド(DMF)1mLを入れて120℃で10分、140℃で10分、150℃で1時間反応後、常温に冷却(cooling)させた後、末端キャッパー(endcapper)を入れて150℃で1時間反応した。
【0223】
反応後、反応溶液をメタノールと1M塩酸(HCl)1:1の溶液に沈殿してから濾過し、濾過された高分子をクロロベンゼンに溶かし、溶かした溶液をエチレンジアミン四酢酸(EDTA)+水(H
2O)と混合して、100℃で2時間反応させた。反応後、有機層を分離して水で洗浄(washing)してから、さらに3wt%酢酸(acetic acid)で2回洗浄した後、さらに5%フッ化カリウム (potassium fluoride)で洗浄して、得られた高分子溶液をシリカ(silica)カラムをした。
【0224】
カラムした後、メタノールに沈殿して得られた高分子粉末をソックスレーシンブル(Soxhlet thimble)に入れてメタノール、アセトン、ヘキサン、クロロホルムの順に精製した後、クロロホルムに溶けた部分はメタノールに沈殿後に濾過して、最終高分子を得た。
【0225】
実施例3.化学式1−2−1の合成
【0226】
【化16】
【0227】
実施例1の単量体1mmolとSnが導入された電子供与体単量体1mmol、0.02mmolのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3)、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)0.08 mmolをマイクロ波(Microwave)専用容器に入れて脱気(degassing)を5分ずつ3回進行した。
【0228】
その後、乾燥したトルエン(Toluene)20mLと乾燥したジメチルホルムアミド(DMF)1mLを入れて120℃で10分、140℃で10分、150℃で1時間反応後、常温に冷却(cooling)させた後、末端キャッパー(endcapper) を入れて150℃で1時間反応した。
【0229】
反応後、反応溶液をメタノールと1M塩酸(HCl)1:1の溶液に沈殿後に濾過し、濾過された高分子をクロロベンゼンに溶かし、溶かした溶液をエチレンジアミン四酢酸(EDTA)+水(H
2O)と混合して、100℃で2時間反応させた。反応後、有機層を分離して水で洗浄(washing)してから、さらに3wt%酢酸(acetic acid)で二回洗浄した後、さらに5%フッ化カリウム(potassium fluoride)で洗浄して、得られた高分子溶液をシリカ(silica)カラムをした。
【0230】
カラムした後、メタノールに沈殿して得られた高分子粉末をソックスレーシンブル(Soxhlet thimble)に入れて、メタノール、アセトン、ヘキサン、クロロホルムの順に精製した後、クロロホルムに溶けた部分はメタノールに沈殿後に濾過して、最終高分子を得た。
【0231】
図6は、実施例3で製造された高分子のUVスペクトルを示す図である。
【0232】
図7は、実施例3で製造された高分子の電気化学測定(cyclic voltametry)の結果を示す図である。
【0233】
実施例4.化学式1−3−1の合成
【0234】
【化17】
【0235】
実施例1の単量体とSnが導入された電子供与体単量体をマイクロ波(Microwave)専用容器に入れた。アルゴン環境内でトリ−o−トリルホスフィン(tri-o-tolyphosphine)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3)を添加して、真空状態に作った後、トルエン10 mlとジメチルホルムアミド(DMF)1mlを添加した。
【0236】
その後、130℃で5分、140℃で5分、150℃で30分、160℃で1時間30分間反応後、ブロム化されたベンゾトリフルオリド(Br-benzotrifluoride)を入れて30℃で5分、140℃で5分、150℃で30分、160℃で1時間30分間反応させた。
【0237】
反応後、反応溶液をメタノールと2M塩酸(HCl)溶液に沈殿して、有機層を水で洗浄(washing)した後、高い温度のクロロベンゼンでカラムをした。
【0238】
カラムした後、メタノールに沈殿して得られた高分子粉末をメタノール、アセトン、ヘキサン及びクロロホルムでソックスレー抽出して、化学式1−3−1の高分子化合物447.7mgを得た。
【0239】
数平均分子量(Mn):25,600g/mol
分子量分布(PDI):1.22
【0240】
図8は、実施例4で製造された高分子のUVスペクトルを示す図である。
【0241】
図9は、実施例4で製造された高分子の電気化学測定(cyclic voltametry)の結果を示す図である。
【0242】
比較例1.化学式1−1−2の合成
【0243】
【化18】
【0244】
4,7−ジブロモ−5−フルオロベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール(FBTBr
2)単量体1mmolとSnが導入された単量体1mmol、0.02mmolのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3)、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)0.08mmolをマイクロ波(Microwave)専用容器に入れて、脱気(degassing)を5分ずつ3回進行した。
【0245】
その後、乾燥したトルエン(Toluene)20mLと乾燥したジメチルホルムアミド(DMF)1mLを入れて120℃で10分、140℃で10分、150℃で1時間反応後、常温に冷却(cooling)させた後、末端キャッパー(endcapper) を入れて150℃で1時間反応した。
【0246】
反応後、反応溶液をメタノールと1M塩酸(HCl)1:1の溶液に沈殿後に濾過し、濾過された高分子をクロロベンゼンに溶かし、溶かした溶液をエチレンジアミン四酢酸(EDTA)+水(H
2O)と混合して、100℃で2時間反応させた。反応後、有機層を分離して水で洗浄(washing)してから、さらに3wt%酢酸(acetic acid)で2回洗浄した後、さらに5%フッ化カリウム (potassium fluride)で洗浄して、得られた高分子溶液をシリカ(silica)カラムをした。
【0247】
カラムした後、メタノールに沈殿して得られた高分子粉末をソックスレーシンブル(Soxhlet thimble)に入れて、メタノール、アセトン、ヘキサン、クロロホルムの順に精製した後、クロロホルムに溶けた部分はメタノールに沈殿後に濾過して、最終高分子を得た。
【0248】
図4は、上記化学式1−1−2で表される重合体のUVスペクトルを示す図 である。
【0249】
図5は、比較例1で製造された高分子の電気化学測定(cyclic voltametry)の結果を示す図である。
【0250】
実験例1ないし6及び比較例1ないし9
上記製造された高分子を電子供与体として使用し、PC
70BMを電子受容体として使用し、その配合比を下記表1([表1−1]および[1−2])(w/w ratio)のようにし、ジクロロベンゼン(DCB:dichlorobenzene)に溶かして、複合溶液(composit solution)を製造した。このとき、濃度は2.0wt%に調節し、有機太陽電池はITO/PEDOT:PSS/光活性層/Alの構造にした。ITOがコーティングされたガラス基板は、蒸留水、アセトン、2−プロパノールを用いて超音波洗浄し、ITOの表面を10分間オゾン処理した後、45nmの厚さでPEDOT:PSS(AI4083)を4000rpm40秒間スピンコートして、235℃で5分間熱処理した。光活性層のコーティングのためには、化合物−PCBM複合溶液を0.45μmのPPシリンジフィルター(syringefilter)で濾過した後にスピンコートして、3×10
−8torrの真空下で熱蒸発器(thermalevaporator)を用いて100nmの厚さでAlを蒸着して、有機太陽電池を製造した。
【0251】
上記実験例及び比較例で製造された有機太陽電池の光電変換特性を100 mW/cm
2の条件で測定して、下記表1([表1−1]および[1−2])にその結果を示す。
【0252】
【表1-1】
【表1-2】
【0253】
表1([表1−1]および[1−2])において、V
ocは開放電圧、J
scは短絡電流、FFは充填率(Fill factor)、PCEはエネルギー変換効率を意味する。開放電圧と短絡電流は、それぞれ電圧−電流密度曲線の第4象限でX軸とY軸切片であり、この二つの値が高いほど太陽電池の効率は好ましく高くなる。また、充填率(Fill factor)は、曲線内部に描くことができる矩形の面積を短絡電流と開放電圧との積で割った値である。この3つの値を照射された光の強さで割ると、エネルギー変換効率を求めることができ、高い値であるほど好ましい。
【0254】
上記表1([表1−1]および[1−2])の結果から、本明細書の一実施態様に係る重合体は有機太陽電池の材料として使用できることを確認し、位置規則性(regio-regular)を有するため、位置規則性を有しない場合よりも優れていることを確認することができる。
【0255】
図10は、比較例1の高分子を含む有機太陽電池の電圧による電流密度を示す図である。
【0256】
図11は、実施例2の高分子を含む有機太陽電池の電圧による電流密度を示す図である。
【0257】
図12は、実施例3の高分子を含む有機太陽電池の電圧による電流密度を示す図である。