(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
電解めっきは、ウェハ等の基板とアノードとの間に電圧を印加して基板の表面に金属膜を形成する技術である。電解めっきを行う電解めっき装置について
図17を参照して説明する。
図17に示すように、めっき装置は、めっき液を内部に保持するめっき槽101と、めっき槽101内に配置されたアノード102と、アノード102を保持するアノードホルダ103と、基板Wを保持する基板ホルダ104とを備えている。アノード102および基板Wは、めっき液中で互いに対向するように配置される。
【0003】
めっき装置は、基板W上の電位分布を調整する調整板(レギュレーションプレート)106をさらに備えている。調整板106は、基板Wとアノード102との間に配置されており、アノード102から基板Wへ流れる電流の通過を許容する開口106aを有している。
【0004】
アノード102はアノードホルダ103を介して電源107の正極に接続され、基板Wは基板ホルダ104を介して電源107の負極に接続される。アノード102と基板Wとの間に電圧を印加すると、電流はアノード102から調整板106の開口106aを通って基板Wに流れ、基板Wの表面に金属膜が形成される。
【0005】
金属膜の膜厚を均一にするためには、アノード102、基板W、および調整板106を互いに平行に、かつアノード102、基板W、および調整板106の開口106aのそれぞれの中心が一直線上に並ぶようにアノードホルダ103、基板ホルダ104、および調整板106を設置することが重要である。そこで、めっき槽101の上方には、アノードホルダ103、基板ホルダ104、および調整板106の上部を保持する位置決め保持部材108が設けられている。
【0006】
しかしながら、位置決め保持部材108はアノードホルダ103、基板ホルダ104、および調整板106の重量により変形することがある。その結果、アノード102、基板W、および調整板106が傾き、さらにはアノード102、基板W、および調整板106の開口106aの中心が一直線上に整列しないことがある。近年では基板W上に形成される金属膜の膜厚の均一性の向上が求められており、アノード102、基板W、および調整板106のより正確な位置決めが求められている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、めっき装置の一実施形態を示す側断面図である。めっき装置は、アノード1と、アノード1を保持するアノードホルダ2と、ウェハなどの基板Wを保持する基板ホルダ3と、基板W上の電位分布を調整する調整板4と、アノードホルダ2、基板ホルダ3、および調整板4を支持するフレーム6と、めっき液を内部に保持するめっき槽50と、基板Wおよびアノード1との間に電圧を印加する電源51とを備えている。アノード1と基板Wとはめっき槽50内で互いに対向するように配置されている。
【0015】
調整板4は、アノードホルダ2と基板ホルダ3との間に配置される。調整板4は筒状部5を有しており、筒状部5にはアノード1から基板Wへ流れる電流の通過を許容する円形または鉛直方向に長い楕円形状の開口4aが形成されている。調整板4は、筒状部5の先端が基板Wを向くようにアノード1と基板Wとの間に配置されている。
【0016】
フレーム6は、アノードホルダ2、調整板4、および基板ホルダ3を支持してこれらの位置および角度を固定するためのベース構造体(支持構造体)である。より具体的には、アノード1を保持したアノードホルダ2、基板Wを保持した基板ホルダ3、および調整板4がフレーム6上に設置されたときに、アノード1、基板W、および調整板4が互いに平行に配置され、かつアノード1、基板W、および調整板4の開口4aのそれぞれの中心が一直線上に並ぶ。
【0017】
フレーム6はめっき槽50内に配置されている。アノードホルダ2および調整板4は、めっき液がめっき槽50内に供給される前にフレーム6にセットされる。基板Wを保持した基板ホルダ3は、めっき液がめっき槽50内に供給された後に、すなわち基板Wをめっきする直前にフレーム6にセットされる。
【0018】
基板Wのめっきは次のようにして行われる。アノード1、基板W、および調整板4がめっき液に浸漬された状態で、電源51によりアノード1と基板Wとの間に電圧が印加される。電流はアノード1から調整板4の開口4aを通って基板Wに流れ、基板Wの表面に金属が堆積される。アノード1と基板Wとの間に形成される電場は、調整板4によって制限される。
【0019】
次に、フレーム6について
図2乃至
図16を参照して説明する。
図2はフレーム6の側面図であり、
図3はフレーム6の側断面図である。
図4はフレーム6の平面図である。
図5は
図2の矢印Aで示す方向から見た図、
図6は
図2の矢印Bで示す方向から見た図である。フレーム6は、アノードホルダ2、基板ホルダ3、および調整板4の上部が置かれる2つの支持台10,10を備えている。これら支持台10,10は互いに平行にかつ水平に延びている。支持台10,10の両端部はブリッジ11A,11Bによって互いに連結されている。
【0020】
支持台10,10およびブリッジ11A,11Bはチタン(Ti)などの金属から構成されており、支持台10,10およびブリッジ11A,11Bは堅固な構成を有している。したがって、アノード1を保持したアノードホルダ2、基板Wを保持した基板ホルダ3、および調整板4が支持台10,10上に置かれたときに、支持台10,10は実質的に撓まない。
【0021】
フレーム6は、アノードホルダ2および調整板4を囲む形状の箱体7を有している。この箱体7は、電場の漏れを防止するための囲い壁であり、電場を遮ることができる材料から構成されている。箱体7の上端は支持台10,10に固定されている。箱体7は、アノードホルダ2の背面側に位置する端壁7aと、アノードホルダ2および調整板4の側方に位置する側壁7b,7bと、アノードホルダ2および調整板4の下方に位置する底壁7cと、端壁7aと平行に配置された遮蔽壁8とを備えている。
【0022】
側壁7b,7bは支持台10,10の長手方向に延びており、側壁7b,7bの上端は支持台10,10にそれぞれ固定されている。端壁7a、側壁7b,7b、および遮蔽壁8は、支持台10,10から下方に、すなわち鉛直方向に延びている。底壁7cは、支持台10,10と平行に、すなわち水平方向に延びている。端壁7aおよび遮蔽壁8は、互いに対向して配置されている。端壁7aの両側部および遮蔽壁8の両側部は、側壁7b,7bに接続されている。端壁7a、側壁7b,7b、および遮蔽壁8の下端は底壁7cに接続されている。底壁7cは遮蔽壁8からさらに外側に延びている。遮蔽壁8は、調整板4の筒状部5の外径よりもやや大きい直径の円形または鉛直方向に長い楕円形状の開口8aを有している。
【0023】
箱体7はポリ塩化ビニル(PVC)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの硬質の樹脂から構成されている。このように構成された箱体7は機械的強度が高く、変形しにくい構造体である。箱体7は支持台10,10に固定されているので、箱体7は支持台10,10を補強する役割を果たしている。
【0024】
支持台10,10の上面には、アノードホルダ2の水平方向の位置を固定するためのアノードホルダ位置決め突起12,12(以下、単に位置決め突起12,12という)がそれぞれ設けられている。同様に、調整板4の水平方向の位置を固定するための第1の位置決めブロック22および第2の位置決めブロック23が支持台10,10の上面にそれぞれ設けられており、さらに基板ホルダ3の水平方向の位置を固定するための基板ホルダ位置決め突起13,13(以下、単に位置決め突起13,13という)が支持台10,10の上面にそれぞれ設けられている。位置決め突起12,12および位置決め突起13,13としては、先端が細くなった位置決めピンを使用することができる。
【0025】
箱体7の底壁7cには、アノードホルダ2の水平面に対する角度を固定するためのアノードホルダストッパ42,42が設けられている。同様に、調整板4の水平面に対する角度を固定するための調整板ストッパ44が底壁7cに設けられており、基板ホルダ3の水平面に対する角度を固定するための基板ホルダストッパ43,43が底壁7cに設けられている。
【0026】
図7は、アノードホルダ2、調整板4、および基板ホルダ3が、フレーム6の所定位置に設置された状態を示す側断面図であり、
図8は、アノードホルダ2、調整板4、および基板ホルダ3が、フレーム6の所定位置に設置された状態を示す平面図である。
図9は
図8のC−C線断面図であり、
図10は
図8のD−D線断面図であり、
図11は
図8のE−E線断面図であり、
図12は
図8のF−F線断面図である。
【0027】
アノードホルダ2は、外側にかつ水平に延びるハンガ部2a,2aをその上部に有しており、このハンガ部2a,2aが支持台10,10にそれぞれ置かれる。ハンガ部2a,2aには、位置決め突起12,12にそれぞれ対応する位置に位置決め孔17,18が形成されている。アノードホルダ2のハンガ部2a,2aは、位置決め突起12,12が位置決め孔17,18にそれぞれ挿入されるように支持台10,10に置かれる。
【0028】
位置決め孔17は、位置決め突起12が隙間なく嵌め込まれる形状を有している。これに対し、位置決め孔18は長孔であり、位置決め突起12,12を結んだ直線(想像線)の方向に伸長した形状を有している。位置決め突起12,12が位置決め孔17,18に挿入されると、アノードホルダ2の上部と支持台10,10との相対位置が固定される。位置決め孔18が長孔である理由は、位置決め突起12,12に保持されたときのアノードホルダ2の内部に応力が発生することを防止して、アノードホルダ2の変形を防止するためである。
【0029】
位置決め突起12,12が位置決め孔17,18に挿入されると同時に、アノードホルダ2の下部(より具体的には下端)はアノードホルダストッパ42,42に保持される。アノードホルダストッパ42,42は互いに平行に配置された突起部であり、箱体7の底壁7cに設けられている。
【0030】
アノードホルダストッパ42,42間の距離はアノードホルダ2の下部(下端)の厚さと実質的に同じである。したがって、アノードホルダ2の下部がアノードホルダストッパ42,42間の隙間に挿入されると、アノードホルダ2の下部と箱体7との相対位置が固定される。このようにアノードホルダ2の上部の位置が固定された状態で、アノードホルダ2の下部の位置が固定されるので、アノードホルダ2の水平面に対する角度が固定される。すなわち、アノードホルダ2は鉛直姿勢に保持される。
【0031】
基板ホルダ3は、外側にかつ水平に延びるハンガ部3a,3aをその上部に有しており、このハンガ部3a,3aが支持台10,10にそれぞれ置かれる。ハンガ部3a,3aには、位置決め突起13,13にそれぞれ対応する位置に位置決め孔15,16が形成されている。基板ホルダ3のハンガ部3a,3aは、位置決め突起13,13が位置決め孔15,16にそれぞれ挿入されるように支持台10,10に置かれる。
【0032】
位置決め孔15は、位置決め突起13が隙間なく嵌め込まれる形状を有している。これに対し、位置決め孔16は長孔であり、位置決め突起13,13を結んだ直線(想像線)の方向に伸長した形状を有している。位置決め突起13,13が位置決め孔15,16に挿入されると、基板ホルダ3の上部と支持台10,10との相対位置が固定される。位置決め孔16が長孔である理由は、位置決め突起13,13に保持されたときの基板ホルダ3の内部に応力が発生することを防止して、基板ホルダ3の変形を防止するためである。
【0033】
位置決め突起13,13が位置決め孔15,16に挿入されると同時に、基板ホルダ3の下部(より具体的には下端)は基板ホルダストッパ43,43に保持される。基板ホルダストッパ43,43は互いに平行に配置された突起部であり、箱体7の底壁7cに設けられている。
【0034】
基板ホルダストッパ43,43間の距離は基板ホルダ3の下部(下端)の厚さと実質的に同じである。したがって、基板ホルダ3の下部が基板ホルダストッパ43,43間の隙間に挿入されると、基板ホルダ3の下部と箱体7との相対位置が固定される。このように基板ホルダ3の上部の位置が固定された状態で、基板ホルダ3の下部の位置が固定されるので、基板ホルダ3の水平面に対する角度が固定される。すなわち、基板ホルダ3は鉛直姿勢に保持される。
【0035】
調整板4は、外側にかつ水平に延びるハンガ部4b,4bをその上部に有しており、このハンガ部4b,4bが支持台10,10にそれぞれ置かれる。より具体的には、ハンガ部4b,4bが第1の位置決めブロック22および第2の位置決めブロック23にそれぞれ接触するように、調整板4のハンガ部4b,4bが支持台10,10に置かれる。
【0036】
第1の位置決めブロック22は、その上方から見たときにL字型形状を有している。より具体的には、第1の位置決めブロック22は、調整板4のハンガ部4bの正面に沿って延びる第1ストッパブロック22aと、調整板4のハンガ部4bの端面に沿って延びる第2ストッパブロック22bとを有したL字ブロックである。第1ストッパブロック22aと第2ストッパブロック22bは垂直に接続されている。
【0037】
図13(a)は、
図8に示す第1の位置決めブロック22および調整板4のハンガ部4bの平面図であり、
図13(b)は
図13(a)に示す第1の位置決めブロック22および調整板4のハンガ部4bを矢印Gで示す方向から見た図であり、
図13(c)は
図13(a)に示す第1の位置決めブロック22および調整板4のハンガ部4bを矢印Hで示す方向から見た図である。
【0038】
調整板4のハンガ部4bは、ねじ30によって第1ストッパブロック22aに固定されている。このねじ30は、雄ねじ部30aおよびねじ頭部30bを有している。調整板4のハンガ部4bには、雄ねじ部30aが挿入される雌ねじ(図示せず)が形成されている。第1ストッパブロック22aは、鉛直方向に延びる切り欠き24を有しており、ねじ30の雄ねじ部30aは切り欠き24を通じて上記雌ねじ部に螺合される。切り欠き24の幅は、雄ねじ部30aの直径よりも大きく、ねじ頭部30bよりも小さい。
【0039】
調整板4のハンガ部4bは、さらに、ねじ31によって第2ストッパブロック22bに固定されている。このねじ31は、雄ねじ部31aおよびねじ頭部31bを有している。調整板4のハンガ部4bには、雄ねじ部31aが挿入される雌ねじ(図示せず)が形成されている。第2ストッパブロック22bは、鉛直方向に延びる切り欠き25を有しており、ねじ31の雄ねじ部31aは切り欠き25を通じて上記雌ねじ部に螺合される。切り欠き25の幅は、雄ねじ部31aの直径よりも僅かに大きく、ねじ頭部31bよりも小さい。
【0040】
図14(a)は、
図8に示す第2の位置決めブロック23および調整板4のハンガ部4bの平面図であり、
図14(b)は
図14(a)に示す第2の位置決めブロック23および調整板4のハンガ部4bを矢印Iで示す方向から見た図である。第2の位置決めブロック23は、板状のブロックであり、調整板4のハンガ部4bの正面に沿って延びている。第2の位置決めブロック23は、第1の位置決めブロック22の第1ストッパブロック22aと一直線上に並んでいる。
【0041】
調整板4のハンガ部4bは、ねじ32によって第2の位置決めブロック23に固定されている。このねじ32は、雄ねじ部32aおよびねじ頭部32bを有している。調整板4のハンガ部4bには、雄ねじ部32aが挿入される雌ねじ(図示せず)が形成されている。第2の位置決めブロック23は、鉛直方向に延びる切り欠き26を有しており、ねじ32の雄ねじ部32aは切り欠き26を通じて上記雌ねじ部に螺合される。切り欠き26の幅は、雄ねじ部32aの直径よりも大きく、ねじ頭部32bよりも小さい。
【0042】
調整板4は、その筒状部5が遮蔽壁8の開口8a内に挿入されるように、フレーム6上に設置される。調整板4のハンガ部4b,4bは位置決めブロック22,23にねじ30,31,32により固定され、これにより調整板4の上部と支持台10,10との相対位置が固定される。
【0043】
調整板4のハンガ部4b,4bが支持台10,10にそれぞれ置かれると同時に、調整板4の下部(より具体的には下端)が調整板ストッパ44および遮蔽壁8に保持される。調整板ストッパ44は遮蔽壁8と平行に配置された突起部であり、遮蔽壁8の下端に隣接して箱体7の底壁7c上に配置されている。
【0044】
調整板ストッパ44と遮蔽壁8との間の距離は調整板4の下部(下端)の厚さと実質的に同じである。したがって、調整板4の下部が調整板ストッパ44と遮蔽壁8との間の隙間に挿入されると、調整板4の下部と箱体7との相対位置が固定される。調整板4の上部の位置が固定された状態で、調整板4の下部の位置が固定されるので、調整板4の水平面に対する角度が固定される。すなわち、調整板4は鉛直姿勢に保持される。
【0045】
ねじ30の雄ねじ部30aと切り欠き24との間、およびねじ32の雄ねじ部32aと切り欠き26との間との間には隙間が形成されている。よって、調整板4の水平方向の位置は、雄ねじ部30a,32aと切り欠き24,26との間のクリアランスの範囲内で微調整することが可能となっている。さらに、切り欠き24,25,26は鉛直方向に延びているので、調整板4の鉛直方向の微調整も可能である。
【0046】
図15(a)および
図15(b)は、調整板4のハンガ部4bの下面と支持台10の上面との間にスペーサ36が配置され、さらに調整板4のハンガ部4bの端面と第1の位置決めブロック22との間にスペーサ37が配置された状態を示す図である。
図16は、調整板4のハンガ部4bの下面と支持台10の上面との間にスペーサ38が配置された状態を示す図である。スペーサ36,37,38を使用して、
図15(a)、
図15(b)、および
図16に示すように、調整板4の鉛直方向および水平方向の位置を微調整することが可能である。調整板4の位置の微調整は、例えば、めっきを行う基板のパターン配置に応じて電位分布を最適化する場合などに行われる。遮蔽壁8の開口8aの直径は、調整板4の筒状部5の外径よりも大きいので、調整板4の位置の調整は遮蔽壁8によって阻害されない。
【0047】
図1に示すように、アノードホルダ2および調整板4は、フレーム6の箱体7内に配置され、基板ホルダ3は箱体7の外に配置される。めっき液がめっき槽50内に保持されている状態でアノード1と基板Wとの間に電圧を印加したとき、電流はアノード1から調整板4の開口4aを通って基板Wに流れる。箱体7は電場を遮るように構成されているので、調整板4の開口4a以外に電場が漏れることがない。よって、調整板4はその開口4aの大きさに依存して電場を調整することができる。
【0048】
箱体7は支持台10,10に固定されている。箱体7は堅牢な構造体であるので、支持台10,10は箱体7によって補強され、支持台10,10の機械的強度が向上する。さらに、支持台10,10は変形しにくい金属から形成されている。したがって、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4がフレーム6に設置されたときに、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4の重みによって支持台10,10が撓むことはなく、フレーム6はアノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4を安定して支持することができる。
【0049】
アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4がフレーム6に設置されるとき、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4のそれぞれの上部の位置は位置決め突起12,13および位置決めブロック22,23によって固定され、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4のそれぞれの下部の位置はアノードホルダストッパ42,基板ホルダストッパ43,調整板ストッパ44によって固定される。位置決め突起12,13および位置決めブロック22,23は、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4の上部の位置を固定する上側位置決め構造体を構成し、アノードホルダストッパ42,基板ホルダストッパ43,調整板ストッパ44は、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4の下部の位置を固定する下側位置決め構造体を構成する。
【0050】
位置決め突起12,13、位置決めブロック22,23、ストッパ42,43,44は、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4が互いに平行に、かつアノード1,調整板4の開口4a、および基板Wの中心が一直線上に並ぶ位置に予め設置されている。したがって、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4をフレーム6に設置するだけで、アノードホルダ2,基板ホルダ3,および調整板4の正確な位置決めが完了する。
【0051】
フレーム6がめっき槽50に設置された後、アノードホルダ2および調整板4はフレーム6に設置される。そして、めっき槽50にめっき液が供給された後に基板ホルダ3がフレーム6に設置される。アノード1と基板Wとの間に電圧が印加され、基板Wの表面に均一な厚さの金属膜が形成される。
【0052】
基板Wのめっきが終了すると、基板Wを保持した基板ホルダ3は搬送装置(図示しない)によってめっき槽50から取り出される。フレーム6の位置決め突起13,13は基板ホルダ3の孔15,16に挿入されているだけであるので、基板ホルダ3の引き上げにより、基板ホルダ3をフレーム6から容易に取り外すことができる。基板ホルダ3が取り出された後、別の基板を保持した別の基板ホルダ3がフレーム6にセットされる。
【0053】
アノードホルダ2も基板ホルダ3と同様の仕組みでフレーム6にセットされている。したがって、アノードホルダ2の引き上げにより、アノードホルダ2をフレーム6から容易に取り外すことができ、アノードホルダ2の下降により、アノードホルダ2をフレーム6に容易にセットすることができる。
【0054】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。