特許第6409344号(P6409344)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409344
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】プログラムおよび電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20181015BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   H04N5/232
   G03B15/00 R
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-114999(P2014-114999)
(22)【出願日】2014年6月3日
(65)【公開番号】特開2015-231064(P2015-231064A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2017年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100078189
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆男
(74)【代理人】
【識別番号】100146709
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 直正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真樹
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大
【審査官】 益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−067457(JP,A)
【文献】 特開2013−239193(JP,A)
【文献】 特開2013−054726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定操作の終了時にタイマーを開始する処理と、
前記所定操作の終了時からの経過時間が第2時間に達すると前記タイマーを終了する処理と、
前記所定操作が継続されていた時間と略等しく前記第2時間を決定する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記所定操作の終了時に前記タイマーを開始する処理は、前記所定操作の開始時からの経過時間が第1時間を超えた場合に実行される、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムにおいて、
前記所定操作は、アイコンに対するタップ操作であり、
前記所定操作の開始時は、前記アイコンに対する接触が検知されたタイミングであり、
前記所定操作の終了時は、前記アイコンに対する接触が検知されなくなるタイミングである、
プログラム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記タイマーの終了時に、カメラに対して撮影指示をする処理を、
さらにコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項5】
請求項に記載のプログラムにおいて、
前記所定操作が継続されていた時間が第1時間より短い場合、前記所定操作の終了時に前記カメラに対して撮影指示をする処理を、
さらにコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項に記載のプログラムにおいて、
前記タイマーの終了時に、カメラに対して撮影指示をする処理と、
前記所定操作と異なる第2操作に応じて、前記カメラに対して撮影指示をする処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
請求項に記載のプログラムにおいて、
第1アイコンに対するタップ操作を前記所定操作とし、
前記第1アイコンと異なる第2アイコンに対するタップ操作を前記第2操作とする、
プログラム。
【請求項8】
請求項に記載のプログラムにおいて、
1つの位置に対するタップ操作を前記第2操作とし、
2つの位置に対する略同時のタップ操作を前記所定操作とする、
プログラム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプログラムを搭載した電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ボタンを所定時間T1以上押し続けた場合に、所定時間T1経過時にタイマーを起動させ、T1経過時から所定時間T2が経過すると撮影を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−313853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ボタン操作の開始時から時間(T1+T2)が経過した時点で撮影が行われる。すなわち、ボタン操作の開始時からタイマー終了時までの時間(T1+T2)が一定であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プログラムは、所定操作の終了時にタイマーを開始する処理と、所定操作の終了時からの経過時間が第2時間に達するとタイマーを終了する処理と、前記所定操作が継続されていた時間と略等しく前記第2時間を決定する処理と、をコンピュータに実行させる。
電子機器は、上記プログラムを搭載する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、タイマー終了までの時間を適切に調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(a) は携帯端末の正面図、図1(b) は背面図である。
図2】携帯端末の要部構成を例示するブロック図である。
図3】表示・入力部の表示画面を例示する図である。
図4図4(a) は通常撮影を説明する図、図4(b) はタイマー撮影を説明する図である。
図5】携帯端末の制御部が実行するプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
図6】第二の実施形態における表示・入力部の表示画面を例示する図である。
図7】第二の実施形態において携帯端末の制御部が実行するプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
図8】携帯端末へのプログラムの供給を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態による携帯端末20の外観を例示する図であり、図1(a) は正面図、図1(b) は背面図である。図1(a) において、携帯端末20の正面に、カメラ26と、表示・入力部25とが設けられる。図1(b) において、携帯端末20の背面にカメラ27が設けられる。
【0009】
図1(a) のカメラ26は、ユーザ自身を撮影する際や、携帯端末20でテレビ電話機能を使用する際に、ユーザ撮影用カメラとして使用される。
【0010】
表示・入力部25は、表示面22に画像やアイコン21などを表示するディスプレイ機能と、ユーザによる接触操作を受け付ける操作部機能とを兼ね備えたタッチパネル液晶ディスプレイによって構成される。
【0011】
表示・入力部25は携帯端末20の筐体正面を覆うように設けられており、表示面22は操作面を兼ねる。表示・入力部25は、ユーザの指で表示面22が接触操作されると、例えば接触部の静電容量の変化に基づいて、接触操作されたこと、および接触位置を示す検出信号を出力する。
【0012】
携帯端末20は、表示・入力部25の表示面22に表示しているアイコン21に対応づけられているアプリケーションプログラム(以下、単にアプリと呼ぶ)を起動させることにより、電話機能やメール機能、閲覧機能、カメラ機能など、各アプリによって実現される機能を発揮する。なお、図1(a) に例示する表示面22の表示内容は、いわゆるホーム画面の例である。図1(b) のカメラ27は、携帯端末20でカメラ機能を発揮する際に撮影用カメラとして使用される。
なお、カメラ機能を発揮する際にカメラ26を使用してもよい。
【0013】
図2は、図1の携帯端末20の要部構成を例示するブロック図である。図2において、携帯端末20は、表示・入力部25と、制御部30と、カメラ26と、カメラ27と、通信部28とを有する。
【0014】
<表示・入力部>
表示・入力部25は、表示面22と、位置検出部23とを含む。表示面22は、上述したように操作面を兼ねる。位置検出部23は、指による接触位置を示す位置検出信号と、表示制御部33が有する表示情報(表示・入力部25の表示面22のどこに、何を表示させているかを示す情報)とに基づいて、表示・入力部25の画面上の対象(アイコン21など)を特定する。
【0015】
<制御部>
制御部30は、プログラム実行部32と、表示制御部33と、通信制御部34と、不揮発性メモリ35とを含み、携帯端末20内の各部の動作を制御する。プログラム実行部32は、オペレーションシステム(OS)と呼ばれる基本プログラムを実行した上で、OS上で動作するアプリを不揮発性メモリ35から読み込んで実行する。
【0016】
プログラム実行部32は通常、表示・入力部25の位置検出部23によって特定されたアイコン21に対応づけられているアプリを実行する。プログラム実行部32がカメラ用のアプリを実行した場合、カメラ26または27を起動させて撮影機能を発揮させる。ユーザは、表示・入力部25の表示面22に表示されているアイコン21に対応する任意のアプリを起動させることが可能である。
【0017】
表示制御部33は、表示・入力部25の表示面22に、画像やテキスト、アイコン21などを表示させる。通信制御部34は、通信部28を介して行う外部機器との通信を制御する。不揮発性メモリ35は、上記OSやアプリ、および必要なデータなどを格納する。ユーザは、不揮発性メモリ35に上記OS上で動作する任意のアプリを追加、削除することが可能である。
【0018】
<通信部>
通信部28は、通信制御部34からの指示に応じて無線通信を行う。通信部28は、不図示の無線LANのアクセスポイントを経由する通信と、不図示の携帯電話回線網を経由する通信とが可能に構成されている。
【0019】
<撮影タイミング>
上述したように、プログラム実行部32がカメラ用のアプリを実行した場合、制御部30がカメラ26または27を起動して撮影処理を可能とする。例えば、カメラ用アプリに基づいてカメラ27が起動されると、図3に例示するようなライブビュー画像が表示・入力部25の表示面22に逐次表示される。ライブビュー画像は、撮影指示(レリーズ操作)前にカメラ27によって所定間隔(例えば30フレーム/秒)で繰り返し撮像されるモニタ用画像のことをいう。
【0020】
図3において、ユーザの前にいる人物45および人物46を含むライブビュー画像が表示されている。ライブビュー画像に重ねてレリーズアイコン42が表示される。レリーズアイコン42の表示はカメラ用アプリに基づく。
【0021】
<通常撮影>
ユーザは、レリーズアイコン42をタップ操作することによって携帯端末20に撮影指示を行う。制御部30は、ユーザの指がレリーズアイコン42に触れ、その指がレリーズアイコン42から離れた時点で、カメラ27に撮影開始を指示する。図4(a) を参照して説明すると、時刻t0においてレリーズアイコン42への接触操作が検知され、時刻tPにおいてレリーズアイコン42に対する接触操作が検知されなくなる。制御部30は、直ちにカメラ27へ撮影指示を送る。
【0022】
<タイマー撮影>
タイマー撮影とは、所定の時間を設定したタイマーを開始した後、所定の時間が経過したタイミング(タイマーの終了)で、カメラに撮影指示を送る撮影方法である。制御部30は、ユーザの指がレリーズアイコン42に触れた時間が所定時間T1(時刻t0から時刻t1まで。例えば1秒)より長い場合、タイマー撮影を行う。すなわち、ユーザの指がレリーズアイコン42に触れた時間が所定時間T1より長い場合、その指がレリーズアイコン42から離れた時点より遅れてカメラ27に撮影開始を指示する。図4(b) を参照して説明すると、時刻t0においてレリーズアイコン42への接触操作が検知され、接触操作が時間T1より長く継続されると、制御部30はタイマー撮影を行う。
【0023】
時刻t1より後の時刻t2においてレリーズアイコン42に対する接触操作が検知されなくなると、制御部30は、操作継続時間T2(時刻t0から時刻t2まで)と略等しい時間T2’をタイマーの計時時間として設定し、タイマーを開始する。すなわち、時刻t2から操作継続時間T2(時刻t0から時刻t2まで)と略等しい時間T2’を計時する。そして、時刻t2からの経過時間が時間T2’に達するとタイマーを終了する。時間T2’の計時を終了した時刻tQにおいて、制御部30はカメラ27へ撮影指示を送る。
【0024】
<フローチャートの説明>
上記携帯端末20の制御部30(プログラム実行部32)が実行する撮影指示処理の流れについて、図5に例示するフローチャートを参照して説明する。制御部30は、表示・入力部25からの検出信号に基づいて、レリーズアイコン42に対する操作開始を検出すると、図5によるプログラムを起動させる。本実施形態では、図5の処理がカメラ用アプリの処理に含まれる。
【0025】
図5のステップS10において、制御部30は、操作開始時刻をt0として計時をスタートし、ステップS20へ進む。ステップS20において、制御部30は、レリーズアイコン42に対する操作が終了したか否かを判定する。制御部30は、表示・入力部25からの検出信号に基づいてレリーズアイコン42に対する操作の終了を検出すると、ステップS20を肯定判定してステップS30へ進む。制御部30は、レリーズアイコン42に対する操作の終了を検出しない場合(接触操作が継続している)には、ステップS20を否定判定し、当該判定処理を繰り返しながら、レリーズアイコン42に対する操作の終了を待つ。
【0026】
ステップS30において、制御部30は、レリーズアイコン42に対する操作の継続時間T2が、上記所定時間T1(本例では1秒)以下か否かを判定する。制御部30は、操作継続時間T2を、ステップS10でスタートした計時処理に基づいて得る。制御部30は、操作継続時間T2がT1以下である場合にステップS30を肯定判定してステップS60へ進む。ステップS30を肯定判定するのは、図4(a) における時刻tPに相当する。図4(a) において、時刻t0から時刻tPまでの時間が操作継続時間T2に対応する。
【0027】
一方、制御部30は、操作継続時間T2がT1を超えている場合にステップS30を否定判定してステップS40へ進む。ステップS30を否定判定するのは、図4(b) の場合に相当する。
【0028】
ステップS40において、制御部30は、操作終了時刻をt2として計時を再スタートし、ステップS50へ進む。ステップS50において、制御部30は、レリーズアイコン42に対する操作終了後の計時時間が、上記時間T2’に到達したか否かを判定する。制御部30は、計時時間=T2’になるとタイマーの処理を終了し、ステップS50を肯定判定してステップS60へ進む。ステップS50を肯定判定するのは、図4(b) における時刻tQに相当する。
【0029】
ステップS60において、制御部30は、カメラ27に対して撮影指示を送って図5による処理を終了する。カメラ27に対して撮影指示を送ることは、カメラ用アプリに基づいてカメラ27に撮影処理を実行させることである。カメラ27が取得した画像データは、不揮発性メモリ35に格納される。
なお、上記所定時間T1は、0と設定してもよい。この場合、所定時間T1を設けない構成と等価である。すなわち、携帯端末20の制御部30(プログラム実行部32)は、図5におけるステップS30が常にNOとなるため、ステップS30を省略して実行することができる。レリーズアイコン42に対する接触操作が終了すると、接触操作が継続されていた時間(T2)の長短にかかわらず、接触操作が継続されていた時間(T2)に応じて第2時間(T2’)が決定され、タイマーが開始される。例えば、非常に短い時間で接触操作を終了すれば、第2時間(T2’)も短くなり、タイマー撮影であっても通常撮影を同等の効果が得られる。
【0030】
上述した第一の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)携帯端末20に搭載するプログラムは、タイマーを起動する処理(S40)と、レリーズアイコン42に対する接触操作の終了時(t2)からの経過時間が第2時間(T2’)に達するとタイマーを終了する処理(S50)と、をプログラム実行部32に実行させる。タイマー計時の開始をレリーズアイコン42に対する接触操作の終了時(t2)から行うようにしたことで、接触操作の継続時間を短くするか、長くするかによって、タイマー終了までの時間の調節を簡単に行うことができる。
【0031】
(2)レリーズアイコン42に対する接触操作が継続されていた時間(T2)に応じて第2時間(T2’)を決定する処理(S50)を、プログラム実行部32に実行させるようにした。これにより、接触操作の継続時間を短くした場合は第2時間(T2’)が短くなり、接触操作の継続時間を長くした場合は第2時間(T2’)が長くなるので、ユーザは、直感的にタイマーによる計時時間(すなわちT2’)を調節できる。
ここで、接触操作の継続時間(T2)が例えば5秒以内と短い場合にT2’=T2とし、接触操作の継続時間(T2)が5秒を超えて長い場合は、T2’>T2としてもよい。具体的には、接触操作の継続時間T2=15秒の場合にT2’=30秒とする。このようにすると、長い計時時間(T2’)を設定したい場合において、計時時間(T2’)よりも接触操作の継続時間(T2)を短く抑えることができるから、操作時間の短縮に有効である。
【0032】
(3)第2時間(T2’)を、レリーズアイコン42に対する接触操作が継続されていた時間(T2)と略等しく決定する場合は、ユーザにとって、タイマーの計時時間(すなわちT2’)をイメージしやすくなる。ユーザが接触操作を継続した時間と略等しい時間がタイマーで計時されるからである。
【0033】
(4)タイマーの終了時(tQ)に、カメラ27に対して撮影指示をする処理(S60)を、プログラム実行部32に実行させるようにした。これにより、カメラ27に適切にタイマー撮影を行わせることができる。
【0034】
(5)レリーズアイコン42に対する接触操作が継続されていた時間(T2)が第1時間(T1)より短い場合、レリーズアイコン42に対する接触操作の終了時(tP)にカメラ27に対して撮影指示をする処理を、プログラム実行部32に実行させるようにした。これにより、早く撮影したい場合にも適切に対応できる。
【0035】
(第二の実施形態)
図6に例示するように、レリーズアイコン42と別にタイマーアイコン43を表示・入力部25に表示させるようにしてもよい。図6において、ユーザの前にいる人物45および人物46を含むライブビュー画像が表示されている。ライブビュー画像に重ねてレリーズアイコン42と、タイマーアイコン43とが表示される。レリーズアイコン42およびタイマーアイコン43の表示は、カメラ用アプリに基づく。
【0036】
<通常撮影>
ユーザは、レリーズアイコン42をタップ操作することによって携帯端末20に撮影指示を行う。制御部30は、第一の実施形態の図4(a) の場合と同様に、ユーザの指がレリーズアイコン42に触れ、その指がレリーズアイコン42から離れた時点で、カメラ27に撮影指示を送る。第一の実施形態の場合と異なるのは、レリーズアイコン42の操作継続時間T2にかかわらず、常に、ユーザ指がレリーズアイコン42から離れた時点でカメラ27へ撮影指示を送る点である。
【0037】
<タイマー撮影>
ユーザは、タイマーアイコン43をタップ操作することによって携帯端末20にタイマー撮影指示を行う。制御部30は、タイマーアイコン43に触れたユーザの指がタイマーアイコン43から離れた時点より遅れてカメラ27に撮影開始を指示する。タイマーアイコン43が操作された場合は、常に、第二の実施形態の図4(b) の場合と同様のタイマー撮影を行う。
【0038】
図4(b) を参照すると、制御部30は、時刻t2においてタイマーアイコン43に対する接触操作が検知されなくなると、時刻t2から操作継続時間T2(時刻t0から時刻t2まで)に相当する時間T2’を計時する。そして、時間T2’の計時を終了した時刻tQにおいて、制御部30はカメラ27へ撮影指示を送る。
【0039】
<フローチャートの説明>
第二の実施形態において、携帯端末20の制御部30(プログラム実行部32)が実行する撮影指示処理の流れについて、図7に例示するフローチャートを参照して説明する。制御部30は、表示・入力部25からの検出信号に基づいて、レリーズアイコン42およびタイマーアイコン43のうちいずれか一方に対する操作開始を検出すると、図7によるプログラムを起動させる。図7の処理は、カメラ用アプリの処理に含まれる。
【0040】
図7のフローチャートにおいて、第一の実施形態における図5のフローチャートと同様の処理を行う場合は同じステップ番号を付与して説明を省略する。ここでは、図5と相違するステップS10BからS30Bまでの処理を中心に説明する。
【0041】
図7のステップS10Bにおいて、制御部30は、操作開始時刻をt0として計時をスタートし、ステップS20Bへ進む。操作されたアイコンがレリーズアイコン42の場合は、ステップS10Bをスキップさせてもよい。
【0042】
ステップS20Bにおいて、制御部30は、レリーズアイコン42またはタイマーアイコン43に対する操作が終了したか否かを判定する。制御部30は、表示・入力部25からの検出信号に基づいてレリーズアイコン42またはタイマーアイコン43に対する操作の終了を検出すると、ステップS20Bを肯定判定してステップS30Bへ進む。制御部30は、レリーズアイコン42またはタイマーアイコン43に対する操作の終了を検出しない場合(接触操作が継続している)には、ステップS20Bを否定判定し、当該判定処理を繰り返しながら、レリーズアイコン42またはタイマーアイコン43に対する操作の終了を待つ。
【0043】
ステップS30Bにおいて、制御部30は、操作されたアイコンがレリーズアイコン42であるか否かを判定する。制御部30は、レリーズアイコン42が操作されていた場合にステップS30Bを肯定判定してステップS60へ進む。
【0044】
一方、制御部30は、タイマーアイコン43が操作されていた場合にはステップS30Bを否定判定してステップS40へ進む。以降の処理は図5の場合と同様である。
【0045】
上述した第二の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)携帯端末20に搭載するプログラムは、タイマーアイコン43に対して接触操作される(S30Bを否定判定)とタイマーを起動する処理(S40)と、タイマーアイコン43に対する接触操作の終了時(t2)からの経過時間が第2時間(T2’)に達するとタイマーを終了する処理(S50)と、タイマーアイコン43に対する接触操作が継続されていた時間(T2)に応じて第2時間(T2’)を決定する処理(S50)と、タイマーの終了時(tQ)に、カメラ27に対して撮影指示をする処理(S60)と、タイマーアイコン43と異なるレリーズアイコン42に対する接触操作に応じて、カメラ27に対して撮影指示をする処理(S60)と、をプログラム実行部32に実行させるようにした。これにより、カメラ27に適切にタイマー撮影、および通常撮影を指示できる。とくにタイマー撮影では、タイマーアイコン43に対する接触操作の継続時間を短くするか、長くするかによって、第2時間(T2’)を短くしたり長くしたりすることができるので、ユーザは、直感的にタイマーの計時時間(すなわちT2’)を調節できる。
【0046】
(2)タイマーアイコン43に対するタップ操作を第1操作とし、レリーズアイコン42に対するタップ操作を第2操作とした。タイマー撮影したい場合と、通常撮影したい場合とで別アイコンとすることで、ユーザにとって操作対象をわかりやすくすることができる。
【0047】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した説明では、レリーズアイコン42やタイマーアイコン43に対する接触操作を例示したが、例えば押しボタンスイッチのようなメカニカル操作部材に対する押下操作を検出するように構成してもよい。具体的には、メカニカル操作部材によってレリーズボタンやタイマーボタンを構成し、これらのメカニカル操作部材に対する押下開始から押下解除までを操作継続時間とする。変形例1によれば、メカニカル操作部材を用いる場合にも、上記第一の実施形態や第二の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
(変形例2)
第二の実施形態において、レリーズアイコン42やタイマーアイコン43を表示することなく、表示面22に対するタップ操作が表示面22において1箇所に行われたか、タップ操作が表示面22において2箇所に行われたかに応じて、通常撮影を行うか、あるいはタイマー撮影を行うかを切り換えてもよい。
【0049】
変形例2の制御部30は、例えば、ユーザが1本の指で表示面22のいずれかの位置をタップした場合、レリーズアイコン42に対して接触操作が行われた場合と同様の処理を行う。また、ユーザが2本の指で表示面22のいずれか2つの位置をタップした場合、タイマーアイコン43に対して接触操作が行われた場合と同様の処理を行う。この場合、表示面22の2箇所において接触操作がそれぞれ継続されている状態をタイマー撮影のための接触操作継続時間とし、2本の指のうちいずれか一方が表示面22から離れた時点で、タイマー撮影のための接触操作が終了したと判定する。
【0050】
変形例2によれば、表示面22における1つの位置に対するタップ操作を第2操作とし、表示面22における2つの位置に対して略同時に行われるタップ操作を第1操作とする。タイマー撮影したい場合と、通常撮影したい場合とでタップ操作に用いる指の数を異ならせることで、レリーズアイコン42やタイマーアイコン43を表示させなくても、通常撮影を行うか、タイマー撮影を行うかの切り換えが可能となる。
【0051】
(変形例3)
第一の実施形態において、制御部30は、ユーザの指がレリーズアイコン42に触れ、その指がレリーズアイコン42から離れた時点で、カメラ27に撮影指示を送るとしていたが、本変形例では、ユーザの指がレリーズアイコン42に触れたタイミングで、カメラ27に撮影指示を送るようにする。そして、撮影により取得した画像は、不図示のバッファメモリに一時的に保持しておく。すなわち、図5のステップS10において、制御部30は、カメラ27に対して撮影指示を送り、取得した画像を不図示のバッファメモリに保持する。そして、制御部30は、操作開始時刻をt0として計時をスタートし、ステップS20へ進む。ステップS30が肯定判定された場合には、ステップS60において、制御部30は、カメラ27に対して撮影指示を送らずに、不図示のバッファメモリに保持している画像を、撮影画像として不揮発性メモリ35に記録する。一方で、ステップS30が否定判定された場合には、ステップS60において、制御部30は、カメラ27に対して撮影指示を送ると同時に、不図示のバッファメモリに保持している画像を削除する。なお、図5の他のステップについては、第一の実施形態で説明した通りである。
このように構成することにより、通常撮影する場合には、いわゆる「押した瞬間にレリーズ」という動作を実行することができる。すなわち、所定時間T1以内にレリーズアイコン42に対する接触操作を終了した場合、常に時刻t0における撮影画像を取得することができる。
変形例3によれば、時刻t0における撮影画像を不図示のバッファメモリに保持することにより、所定時間T1内で通常撮影を行うかタイマー撮影を行うか決定することができ、通常撮影を行う場合には、時刻t0における撮影画像を取得することができる。
【0052】
(変形例4)
上述した実施形態に係る携帯端末20は、高機能携帯電話機(いわゆるスマートフォン)に限らず、デジタルカメラまたはタブレット端末などのモバイル機器によって構成してもよい。デジタルカメラやタブレット端末等へのプログラムの供給は、例えば図8に例示するように、プログラムを格納したパーソナルコンピュータ205から赤外線通信や近距離無線通信によってタブレット端末20B等へ送信することができる。
【0053】
パーソナルコンピュータ205に対するプログラムの供給は、プログラムを格納したCD−ROMなどの記憶媒体204をパーソナルコンピュータ205にセットして行ってもよいし、ネットワークなどの通信回線201を経由する方法でパーソナルコンピュータ205へローディングしてもよい。通信回線201を経由する場合は、当該通信回線に接続されたサーバー202のストレージ装置203などにプログラムを格納しておく。
【0054】
また、通信回線201に接続された無線LANのアクセスポイント(不図示)を経由して、タブレット端末20Bへプログラムを直接送信することもできる。さらに、プログラムを格納したメモリカードなどの記憶媒体204Bをタブレット端末20Bにセットしてもよい。このように、プログラムは記憶媒体や通信回線を介する提供など、種々の形態のコンピュータプログラム製品として供給できる。
【0055】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
20…携帯端末
20B…タブレット端末
21、21B…アイコン
22…表示面
23…位置検出部
25…表示・入力部
26、27…カメラ
28…通信部
30…制御部
32…プログラム実行部
33…表示制御部
35…不揮発性メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8