(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第4の工程において、他方の前記透光材を、第3の工程で形成した前記透光材の厚みよりも厚く形成する請求項11〜15のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
前記第5の工程において、前記第3の工程で形成した前記透光材と略同一面となるように、前記第4の工程で形成した前記透光材を除去する請求12〜16のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、実施形態の技術的思想を具現化するためのものであって、以下に限定するものではない。特に、構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、単なる説明例であり、説明を明確にするために誇張していることがある。以下に記載される実施形態及び実施例は、各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
なお、本明細書においては、色相を、色を定量的に表す表色系の1つであるマンセル色相環によって表す。
【0011】
<実施形態1>
(発光装置)
図1Aは、本発明の実施形態1に係る発光装置10の断面図である。
図1Bは、
図1Aの発光装置の平面図である。
実施形態に係る発光装置10は、
図1Aに示されるように、主に発光素子11と透光性部材12とを備える。透光性部材12は、少なくとも発光素子11の上面に設けられる。透光性部材12は、
図1Bに示されるように、行方向及び/又は列方向に交互に配置される第1透光材13と第2透光材14とを有する。
ここで、発光素子11の上面とは、発光素子11が実装基板等に接合される面と反対側の面のことを指す。また、透光性部材12は、発光素子11の側面、下面(上面と反対側の面)に設けられていてもよい。特に、透光材が発光素子11の側面下部まで(電極11aの側面まで)設けられると好ましい。発光素子11の側面、下面に設けられる透光性部材は、第1透光材13又は第2透光材14の一方のみであってもよいし、第1透光材13及び第2透光材14と異なる透光材であってもよい。
【0012】
第1透光材13は、発光装置がオフ状態において、第1の色相を示す蛍光体を含む。実施形態では、第1透光材13の外観色は、該蛍光体の第1の色相と等しい色相を示すものとする。また、第2透光材14は、発光装置がオフ状態において、第1の色相に対して補色関係にある第2の色相を示す着色剤を含有する。実施形態では、第2透光材14の外観色は、該着色剤の第2の色相と等しい色相を示すものとする。
【0013】
色相とは、色の属性のひとつであり、赤、黄、緑、青、紫等の色味の違いを示すものである。第1の色相(又は第2の色相)を示すとは、自然光下においてヒトが肉眼にて第1の色相(又は第2の色相)と認識し得ることを意味する。自然光とは、一般に、太陽光、月光等、人工光でないものを指すが、本明細書では、人工光であっても、ヒトが特に意図して創り出したような光(例えば、フラッシュ等の故意の強い光等)以外は、自然光に含まれることとする。つまり、室内の白熱電球、蛍光灯等は、自然光に含まれる。
【0014】
図6は、マンセルの色相環を示すものである。第1の色相は、色相環の10色相のいずれか一つを指す。例えば、実施形態の第1の色相は、
図4に示されるマンセル色相環の10色相のY1〜Y10のいずれかを選択することができ、そのような色相を示す蛍光体として、例えばYAG蛍光体が挙げられる。
【0015】
補色関係にあるとは、第1の色相及び第2の色相を任意の割合で混合することにより、無彩色(白色、灰色又は黒色)に見える関係にあることを意味する。本明細書においては、補色は、マンセル色相環において第1の色相に対向する、つまり正反対に位置する関係の色相を指し、さらにこの色相に隣接する色相も補色に含むものとする。例えば、黄(Y1〜Y10)に対して補色関係にあるのは、青紫(PB1〜PB10)、青(B1〜B10)、紫(P1〜P10)であり、黄緑(GY1〜GY10)に対して補色関係にあるのは、紫(P1〜P10)、赤紫(RB1〜RB10)、青紫(PB1〜PB10)であり、赤(R1〜R10)に対して補色関係にあるのは、青緑(BG1〜BG10)、青(B1〜B10)、緑(G1〜G10)等である。
【0016】
例えば、
図6に示されるマンセル色相環の10色相のY1〜Y10のいずれかを示す蛍光体を有する第1透光材13を用いる場合、PB1〜PB10のいずれかを示す着色剤を有する第2透光材14を用いることができる。
【0017】
なお、着色剤は、発光素子11の発光色と同じ又は類似の色相を示すものであると好ましい。これにより、発光素子11の光の第2透光材14(着色剤)に対する透過率が良くなり、第2透光材14による光吸収を低減させることができる。従って、発光素子11の光と、発光素子11から出射されて第2透光材14を透過した光とが、第1透光材13を透過することにより波長変換されるので、光取り出しを維持しつつ、所望の発光色を発する発光装置とすることができる。
【0018】
第1透光材13及び第2透光材14の配置は、行方向及び/又は列方向に交互に配置される限り、種々の配置をとることができる。例えば、第1透光材13と第2透光材14のうち一方が、平面視において、千鳥状、格子状又はマトリクス状、ライン状に配置され、他方がその間に配置される形態が挙げられる。ここで、千鳥状、格子状、マトリクス状は、平面視において厳密に四角形の組み合わせによって構成されるものでなくてもよく、多角形であってもよいし、曲線を含む形状、例えば、円、楕円又は多角形の角が丸みをおびた形状等であってもよい。また、ライン状は、平面視において厳密な直線の組み合わせによって構成されず、曲線、ジグザグ形状の線であってもよい。
【0019】
第1透光材13及び第2透光材14の平面視における幅は、例えば、発光素子11の平面視における寸法が1000μm×1000μm程度である場合、100μm以下であることが好ましく、80μm以下がより好ましく、70μm以下がさらに好ましい。
透光性部材12の厚みは、発光素子11からの光を十分に波長変換できる厚みを有していればよく、例えば、1〜300μm程度が挙げられ、10〜250μm程度、30〜120μm程度が好ましい。また、第1透光材13及び第2透光材14の厚みは同じであることが好ましく、透光性部材12は、その上面が面一であることが好ましい。
【0020】
平面視で、発光素子11上面の第1透光材13と第2透光材14の割合は、1:1程度とすることができる。これにより、発光素子11からの光を所望の色に変換しつつ、透光性部材12の外観色の視認性を低減(すなわち、彩度を低く)することができる。
【0021】
具体的には、第1透光材13及び第2透光材14を有する透光性部材12は、全体として見て、第1透光材13を単体で見る場合よりも、彩度が低くなる、つまり、黒っぽく視認することができる。さらに、透光性部材12を全体として見ると、第2透光材14を単体で見る場合よりも、彩度が低くなることが好ましい。例えば、透光性部材12の彩度が0〜6以下となるように、第1透光材13及び第2透光材14の配置、割合、含有する蛍光体又は着色剤の量及び種類等を調整することができる。ここで、透光性部材12を全体として見るとは、自然光下において、発光装置(透光性部材12)を視認する視認者が、透光性部材12との距離を約1m程度として視認した場合のことを意味する。
【0022】
透光性部材12は、その粘着性を用いて、発光素子11の上面に直接接触するように配置されると好ましい。これにより、発光素子11からの光を効率的に波長変換することができ、さらに、高い光取り出しを維持することができる。透光性部材12を発光素子11とは別個に形成し、発光素子11の上面及び/又は透光性部材12の表面に接着剤等を設けることにより、両者を固定してもよい。ここで用いられる接着剤は、透光性の樹脂等が挙げられる。
【0023】
〔発光素子11〕
発光素子11は、当該分野で一般的に用いられている発光ダイオード、レーザ等の発光素子を用いることができる。例えば、窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaP、GaAsなどのIII−V族化合物半導体、ZnSe、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体を利用することができる。実施形態では、例えば、発光波長400〜500nm程度の青色の光を出射する発光素子を用いることができる。
【0024】
発光素子11は、少なくとも、発光層を含む半導体層と、正負の電極11aとを有する。発光素子11は、正負の電極11aが同一面側に設けられたもの、両面側に設けられたもの、いずれを用いてもよい。特に、同一面側に正負の電極11aを有するフリップチップ実装型の発光素子を用いると、電極を有する面と反対側の比較的平らな面上に透光性部材12を形成することができるため好ましい。
【0025】
その他、発光素子11は、半導体層を成長させるための基板を有していてもよい。基板としては、サファイア等の絶縁性基板、SiC、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジム等の酸化物基板が挙げられる。特に、基板は透光性のものが好ましい。なお、基板はレーザリフトオフ法等を利用して除去されていてもよい。
【0026】
発光素子11の平面形状は、四角形に限定されず、円形、楕円形、三角形、六角形等の多角形であってもよい。発光素子の大きさ及び厚みは、適宜選択することができる。
【0027】
〔透光性部材12〕
透光性部材12は、第1の色相を示す蛍光体を含有する第1透光材13と、第1の色相に対して補色関係にある第2の色相を示す着色剤を含有する第2透光材14と、が行方向及び/又は列方向に交互に配置されてなる。透光性部材12は、全体として、発光素子11から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに、70%、80%又は90%以上を透過するものが好ましい。
【0028】
第1透光材13及び第2透光材14は、それぞれ蛍光体又は着色剤を含有させるための母材として、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を2種以上含むハイブリッド樹脂等、ガラス等の透光性の材料を含有することが好ましい。
【0029】
具体的には、透光性部材12(第1透光材13及び第2透光材14)の母材として、シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂、ハイブリッドシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変成エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、変成ポリイミド樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリサルフォン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、変成ポリフェニレンエーテル(m−PPE)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、液晶ポリマー(LCP)樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、超高分子量ポリエチレン(UHPE)樹脂、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂、非晶ポリアリレート(PAR)樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、耐熱性、耐候性の観点から、透光性部材12はシリコーン系の樹脂を含むことが好ましい。
第1透光材13及び第2透光材14は、密着性の観点から、同じ樹脂を含むことが好ましい。
【0030】
蛍光体は、発光装置がオフ状態において、任意に選択可能な第1の色相を示し、発光素子11の発光を所望の発光色に波長変換できるものであれば、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)、硫化物系蛍光体、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。発光物質としては、半導体材料、例えば、II−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdS
xSe
1-x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。特に、YAG、CASN等の蛍光体を用い、第1透光材13が黄色、橙色、赤色等の色相に視認される場合、透光性部材12(ひいては発光装置10)の外観色が顕著になるが、実施形態1のような透光性部材12の構成とすることにより、透光性部材12(つまり、発光装置10)の外観色を目立ちにくくすることができ、発光装置10が搭載されるモジュール(例えば携帯電話等)の美観を損なうことを回避できる。
【0031】
蛍光体は、粒子状のものを用いることが好ましい。粒子の形状は、破砕状、球状、中空及び多孔質等のいずれでもよい。蛍光体は、例えば、平均粒径(メジアン径)が100μm以下、50μm以下、30μm以下であるものが好ましい。平均粒径は、市販の粒子測定器又は粒度分布測定器等及びSEMで得られる画像の処理によって測定及び算出することができる。上記の平均粒径は、F.S.S.S.No(Fisher Sub Sieve Sizer’s No)における空気透過法で得られる粒径を指す。
【0032】
着色剤は、蛍光体(第1透光材13)と補色関係にある第2の色相を示す限り、公知のもの又は市販されているものを使用することができる。例えば、上述した樹脂等との相溶性が良好であり、透光性を有するものが好ましい。具体的には、水溶液としたとき、発色団が陽イオンとなり、分子中に窒素原子が含まれて塩基性を示す塩基性染料、媒染によらないで直接染着する性質をもつアゾ化合物等の直接染料、分子中にスルフォン基、カルボキシル基等の酸性基をもつ酸性染料、無機顔料、有機顔料等のいずれでもよい。また、ドライカラー、ペーストカラー、リキッドカラー、マスターパウダー、マスターバッチ、カラーコンパウンド等と称されるいずれの形態の着色剤を用いてもよい。なかでも、無機顔料が好ましく、具体的には、ウルトラマリン、フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0033】
上述したように、第1の色相が、Y1〜Y10のいずれかである場合、第2の色相は、マンセル色相環の10色相のBG1〜BG10、B1〜B10及びP1〜P10のいずれかであることが好ましい。この場合、蛍光体としては、YAG、シリケート系蛍光体等を用いることができ、着色剤としては、ウルトラマリン、フタロシアニン顔料等を用いることができる。
【0034】
第1透光材13及び/又は第2透光材14は、充填材(例えば、拡散剤等)を含んでいてもよい。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アエロジル、ガラス、ガラスファイバー又はワラストナイトなどのフィラー、窒化アルミニウム等が挙げられる。
【0035】
透光性部材として、第1透光材及び第2透光材の他にも透光性の層を設けてもよい。
図4は、本発明の実施形態1に係る別の発光装置40の断面図である。例えば、
図4に示されるように、第1透光材43及び第2透光材44上に、保護膜として透光性の層46を設けることができる。これにより、第1透光材43及び第2透光材44を、外的応力、塵及びほこり等から保護することができる。さらに、光の取り出しを向上させることができる。この保護膜は、発光装置がオフ状態の時に、第1透光材43と第2透光材44とが補色関係にあることにより、平面視において透光性部材42の外観色の視認性を低減させる(つまり、彩度を低くする)ことを妨げないように設けられる。
【0036】
また、発光素子11の側面側に透光性の層48を設けてもよい。具体的には、発光素子11の側面側に設けられる透光性の層は、発光素子11の側面上、又は発光素子11の側面に設けられる第1透光材及び/又は第2透光材上に形成することができる。形状は、膜状、フィレット状など適宜選択することができる。発光素子11の側面側に透光性の層を設けることにより、発光素子11を、外部応力、塵及びほこり等から保護することができる。
【0037】
その他、第1透光材43と第2透光材44との間に、第3透光材として透光性の層45が設けられていてもよい。第1透光材43と第2透光材44との間に設けられる透光性の層45は、発光装置がオフ状態の時に、第1透光材43と第2透光材44とが補色関係にあることにより、平面視において透光性部材42の外観色の視認性を低減させる(すなわち、彩度を低くする)ことを妨げないように設けられる。例えば、第3透光材は、前述の透光性の材料を用い、無色、例えば黒っぽいような彩度の低い色、第1透光材13又は第2透光材14と類似の色のものを用いることができる。又は、第1透光材、第2透光材、第3透光材が、発光装置がオフ状態において補色関係となるように(例えば、3つの透光材がそれぞれ赤、青、緑の色相を示すように)、第3透光材の色相を決定してもよい。
前述のような透明性の層45、46、48には、充填材等が含有されていてもよい。
【0038】
〔その他の部材〕
発光装置は、前記の部材の他、例えば、発光素子11の側方及び下面に設けられる光反射性部材47を有していてもよい。具体的には、光反射性部材47は、発光素子11の側面又は発光素子11の側面を被覆する透光性部材42の側面、及び発光素子11の下面(電極11aの接続面を除く)を被覆するように設けることができる。これにより、発光素子11の光を光出射面である上面側へ効率的に出射させることができる。光反射性部材47の内側面を、発光素子11の下面から上面側へ外側に傾斜させることにより、さらに光の取り出しを向上させることができる。なお、光反射性部材47を、発光素子11の上面の透光性部材42の側面を被覆するように形成すると、見切りの良い(つまり、発光方向への光強度が高い)発光装置40を形成することができる。
【0039】
光反射性部材の材料としては、例えば、セラミックス、上述した樹脂等の母材に、光反射性物質を混合したものを用いることができる。光反射性物質としては、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等が挙げられる。光反射性物質は、光反射性部材の全重量において、約20〜80重量%程度、より好ましくは約30〜70重量%程度であると好ましい。これにより、光反射性部材の光反射率を高めつつ、強度を確保することができる。
【0040】
(発光装置の製造方法)
実施形態1の発光装置10の製造方法は、主として、発光素子11を準備する工程と、透光性部材12を構成する第1透光材13及び第2透光14材を準備する工程と、発光素子11上面に第1透光材13又は第2透光材14のいずれか一方をパターン形成する工程と、他方の透光材を先に形成した透光材間に形成する工程と、を含む。
なお、透光性部材12は、発光素子11とは別に、例えば、シート上に形成し、この透光性部材を発光素子11の上面に、シートごと又はシートから剥離して固定してもよい。
【0041】
〔第1の工程〕
図3Aは、本発明の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する第1の工程の概略断面図である。第1の工程では、発光素子11を準備する。発光素子11は、前述の構成のものを準備することができる。実施形態では、同一面側に正負の電極11aを有するフリップチップ実装型の発光素子11を用いることができる。準備する発光素子11は、1つでも複数でもよい。発光素子11は、
図3Aに示されるように、上面(電極11aを有する側と反対側の面)側を上にして、例えば塩化ビニルなどの樹脂、アルミナ、窒化アルミ等からなる基体49上に配置しておくことができる。後述のように、基体49を湾曲させることにより透光材を切断して発光装置毎に個片化する場合は、可撓性を有する基体49を用いることが好ましい。特に、塩化ビニル等の樹脂からなるシート状の基体49を用いることが好ましい。
【0042】
〔第2の工程〕
第2の工程では、第1の色相を示す蛍光体を含む第1透光材13と、第1の色相に対して補色関係にある第2の色相を示す着色剤を含む第2透光材14とを準備する。
第1透光材13は、例えば、第1の色相を示す蛍光体と、任意に選択可能な充填材とを、母材である樹脂等と混合することにより準備することができる。蛍光体は、例えば、第1透光材13の全重量に対してそれぞれ50〜90重量%程度含有させることができる。第1透光材13は、さらに有機溶剤等の溶剤を含有してもよい。有機溶剤の種類は、用いる樹脂、蛍光体の種類等によって適宜選択することができる。例えば、溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、炭酸ジメチル、トルエン、アセトン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤が挙げられる。
【0043】
第2透光材14は、例えば、第2の色相を示す着色剤と、母材である樹脂等と、任意に選択可能な充填材とを混合することにより準備することができる。着色剤は、例えば、第2透光材14の全重量に対してそれぞれ50〜90重量%程度含有させることにより準備する。第2透光材14は、有機溶剤等の溶剤をさらに含有してもよい。有機溶剤の種類は、用いる樹脂、着色剤の種類等によって適宜選択することができる。
【0044】
第3の工程及び/又は第4の工程で、ドライ又はウェット方式のスプレー法を用いて第1透光材13及び第2透光材14を形成する場合、溶剤と、熱硬化性樹脂と、粒子状等の蛍光体又は着色剤とを含有するスラリーを準備することができる。スラリーは、0.01〜1000mPa・s程度に調整することができ、0.1〜100mPa・s程度がより好ましい。具体的には、蛍光体又は着色剤:シリコーン樹脂:n−溶剤を質量比で、2〜40:5〜20:10〜200で混合したスラリーを用いることができる。このような比で混合することにより、スプレーが容易となり、蛍光体又は着色剤を均一に発光素子11上面に付着させることができる。また、粘度又は流動性を調整するために、スラリーに粘度調整剤(例えば、シリカの微粒子等)等を添加してもよい。
【0045】
〔第3の工程〕
図3Bは、本発明の実施形態1に係る発光装置の製造方法を説明する第3の工程の概略断面図である。第3の工程では、発光素子11の上面に、第1透光材13又は第2透光材14のうち一方を、行方向及び/又は列方向に間隔を空けて形成する。以降、第3の工程で形成された方の透光材を、一方の透光材、と記載することがある。第3の工程で形成するいずれかの透光材は、千鳥状、格子状又マトリクス状、ライン状に形成することが好ましい。
なお、第3の工程で形成される透光材は、発光素子11の上面以外に形成されてもよい。例えば、発光素子11の側面、発光素子11が配置されるシート等の基体上に形成されていてもよい。また、発光素子11の上面以外に形成される透光材は、行方向及び/又は列方向に間隔を空けて形成されていなくてもよい。例えば、発光素子11の側面及び/又は基体上に、連続的に形成されていてもよい。
【0046】
第3の工程では、一方の透光材として、第1透光材13又は第2透光材14のいずれを形成してもよいが、発光素子11の側面にも透光材が形成される場合は、その側面を被覆する最も外側の透光材が、第1透光材13となるように形成することが好ましい。これにより、発光素子11の側面から出射された光は、最終的に第1透光材13を通過して出射するので、所望の波長に波長変換された光を取り出すことができる。
【0047】
第3の工程において、透光材を形成する方法としては、印刷法、スプレー法、ポッティング、圧縮成型等の成型、静電塗布法、シート状の蛍光体又は着色剤の貼り付け、電気泳動堆積法で蛍光体又は着色剤を付着させた後で母材(例えば、透明性の樹脂)を含浸させる方法等により、連続した一体の透光材を設けた後、レーザ加工、エッチング、リフトオフ法等によりその一部を取り除くことにより、透光材をパターニングする方法が好ましい。なかでも、レーザ加工によれば、適宜レーザの照射条件を調整することにより、容易に発光素子11の上面のような小さい平面上に、微細なパターンを形成することが可能である。
なお、上記の方法に限らず、マスク又はレジストを設けて印刷法、スプレー法等で形成してもよいし、描画法又は圧縮成型等の成型等でパターンを形成してもよい。
【0048】
スプレー法を用いると、薄層とすることができるため、薄層を複数積層することにより、所望の厚みに調整することができる。さらに、蛍光体又は着色剤の分布を均一にすることができる。
また、発光素子11の上面及び側面に透光材を形成する場合、スプレー法によれば、発光素子11の角部おいて、その他の部分よりも厚くなるように透光材を形成することができる。より詳細には、発光素子11の角部付近で厚みが厚くなり、発光素子11の側面の下部(電極11aを有する面側)ほど厚みが薄くなるように透光材を形成可能である。このような形状の透光材を形成し、その外表面を、前述の光反射性部材47で被覆するように形成すると、発光装置の光の取り出しを向上させることができる。
【0049】
〔第4の工程〕
図3Cは、本発明の実施形態1に係る発光装置の製造方法を説明する第4の工程の概略断面図である。第4の工程では、第3の工程で形成した透光材間に、他方の透光材を形成する。以降、第4の工程で形成された方の透光材を、他方の透光材、と記載することがある。なお、第4の工程で形成される透光材は、第3の工程で形成した透光材間以外に形成されてもよい。例えば、第3の工程形成された透光材上、発光素子11の側面上、発光素子11が配置される基体49上等に形成されていてもよい。発光素子11の上面以外に設けられる透光材は、行方向及び/又は列方向に間隔を空けて形成されていなくてもよく、例えば、連続的に形成されていてもよい。
【0050】
他方の透光材は、第3の工程で形成される透光材と同様の方法で形成することができる。例えば、印刷法を利用することにより、第3の工程で行方向及び/又は列方向に間隔を空けて形成した一方の透光材間に、他方の透光材を容易に配置することができる。
【0051】
あるいは、
図3Cに示されるように、他方の透光材はスプレー法によって形成することができる。スプレー法によれば、他方の透光材を薄く形成でき、部材コストを抑えることができるため好ましい。スプレー法によれば、第3の工程で形成された一方の透光材上にも他方の透光材が塗布されるため、後述する第5の工程において、第3の工程で形成した透光材の上面が露出するように、他方の透光材の一部を除去する必要がある。
【0052】
なお、第4の工程で形成される他方の透光材は、第3の工程で形成された一方の透光材の上面及び側面を被覆し、第3の工程で形成された透光材の高さ以上の高さに形成されることが好ましい。これにより、第5の工程で、第3の工程で形成された一方の透光材が露出するように、透光材を例えば切削等で一部除去する際、いずれかの透光材が剥がれたりすることを防止し、除去を容易に行うことができる。
【0053】
〔第5の工程〕
図3Dは、本発明の実施形態1に係る発光装置の製造方法を説明する第5の工程の概略断面図である。第5の工程では、前述のように、第4の工程で形成される他方の透光材が、第3の工程で形成される透光材上にも形成される場合、第3の工程で形成された透光材が露出するように、少なくとも第4の工程で形成された他方の透光材の一部を除去する。これにより、平面視において、行方向及び/又は列方向に交互に配置される第1透光材13と第2透光材14とを有する透光性部材12を形成することができる。
第3の工程で形成された透光材の上面が露出するように、第4の工程において他方の透光材が形成される場合は、第5の工程は省略することができる。また、他方の透光材が、第3の工程で形成された透光材の上面が露出するように形成される場合でも、透光材の厚み、上面の高さを調整するために、第5の工程を行ってもよい。
【0054】
第5の工程の透光材の除去は、研削、研磨等の公知の方法により行うことができる。
【0055】
除去する透光材は、第3の工程で形成された透光材の上面上の他方の透光材のみでもよいし、第3の工程で形成された透光材の一部も同時に除去してもよい。例えば、発光素子11又はシート等の基体の上面に対して平行に切削等することにより、一方の透光材と、その上面及び間に形成された他方の透光材とを同時に除去することができる。これにより、得られる透光性部材12の上面を容易に面一とすることができる。
【0056】
以上、発光素子11上面に直接透光性部材12を形成する形態を説明したが、別途形成した透光性部材12を、透光性部材12の粘着力、透光性部材12又は発光素子11上面に接着剤等を設けることによって、発光素子11の上面に固定してもよい。例えば、シート上に前述のような構成を有する透光性部材12を形成し、シートごと発光素子11上に固定することができる。シートは除去してもよいし、透光性の(例えばシリコーン樹脂等からなる)シートを用いる場合は、発光装置10の一部として用いてもよい。発光素子11を、透光性部材12上に固定するように固定してもよい。
【0057】
〔その他の工程〕
以上の工程後、適宜その他の工程を行うことができる。その他の工程としては、個片化工程、前述の透明性の層を形成する工程、光反射性部材を形成する工程等が挙げられる。
【0058】
(個片化工程)
個片化工程は、例えば、発光素子11をシート等の基体49上に配置し、その上面に透光性部材12を形成する場合であって、第3の工程及び/又は第4の工程において、透光材が発光素子11上から基体49上にまで連続して設けられる場合などに、個々の発光装置10に個片化するために適宜行うことができる。例えば、基体49としてシート等の可撓性を有する部材を用いると、シートを湾曲させることにより、透光性部材12にかかる引張り力によって、透光性部材12を容易に切断することができる。具体的には、透光性部材12は、例えば、発光素子11と基体の境界付近(すなわち、発光素子11側面の下方側)に設けられる部分において、他の部材との密着力が小さくなる。従って、その部分に張り力がかかることにより、伸びて切断を容易とする。切断位置は、透光性部材12の構成、引張り力の条件等により調整することが可能である。このように透光性部材12を切断すると、ダイシング等の切断方法に比べて切り代が不要なので、発光素子11どうしを密に配置して透光性部材12を形成することができ、発光装置10を量産性よく形成することができる。
【0059】
基体49を湾曲させる方法としては、基体49の下面(発光素子11が配置される面と反対側の面)側からヘラ等の治具でしごく、発光素子11をピン等で基体49の下面から突き上げる等、適宜所望の方法を選択することができる。また、基体49を平面方向に引っ張り、基体49を伸縮させることにより、透光性部材12を切断してもよい。なお、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。個片化は、ダイシング等によって行ってもよい。
【0060】
(透光性の層形成工程)
保護膜として第1透光材13及び第2透光材14上に設けられる透光性の層46は、例えば、発光素子11上に設けられた透光性部材12上に、前述の樹脂等をスプレー、ポッティング、印刷等で形成してもよいし、予めシート状の樹脂、平板状のガラス等を準備しておき、透光性部材12上に透光性の層46として配置してもよい。
【0061】
また、発光素子11の側面に設けられる透光性の層48は、例えば、透光性部材12を発光素子11とは別個に形成し、発光素子11の上面及び/又は透光性部材12表面に接着剤等を用いて固定する場合に、透光性の接着剤を用いることにより形成することができる。具体的には、発光素子11の上面及び/又は透光性部材12表面に透光性の接着剤等を配置し、発光素子11と透光性部材12とを押圧して接着する際、発光素子11と透光性部材12の間の接着剤が押し出され、発光素子11側面を被覆するように設けることができる。このように形成された透光性の層48は、例えば、発光素子11の下面(電極)側から上面側に外側に広がるように傾斜する傾斜面を有する形状(すなわち、フィレット形状)に形成することができる。この形成方法に限らず、発光素子11の側面を被覆するように、発光素子11の周囲を囲むように形成してもよいし、圧縮成形、トランスファー成形等で形成してもよい。
【0062】
第3透光材として第1透光材13と第2透光材14との間に設けられる透光性の層45は、例えば、第1透光材、第2透光材と同様の方法で形成することができる。
【0063】
(光反射性部材形成工程)
発光素子11の側方及び下面に設けられる光反射性部材47は、例えば、印刷、金型を用いた圧縮成形、トランスファー成形等によって、発光素子11の側面及び電極11aを有する側の面を被覆するように形成することができる。また、透光性部材12の側面を被覆するように形成してもよい。これにより、見切りの良い発光装置を形成することができる。発光素子11の側面に透光性の層48が形成される場合は、光反射性部材47を透光性の層48を被覆するように形成することが好ましい。透光性の層48の外表面が前述のように傾斜面を有する場合、傾斜面を有する光反射性部材47を形成することができ、発光素子の光の取り出しを向上させることができる。
【0064】
<実施形態2>
図5は、本発明の実施形態2に係る発光装置50の断面図である。実施形態2では、実施形態1と透光性部材52の構成が異なっている。実施形態2の透光性部材52は、断面視において、発光素子11の上面の全面に第1透光材53又は第2透光材54の一方(実施形態2では、第2透光材54)が配置され、その上に他方の透光材(実施形態2では、第1透光材53)が、行方向及び/又は列方向に配置されている。この場合でも、平面視において、第1透光材53と第2透光材54とを行方向及び/又は列方向に交互に視認することができ、透光性部材52の外観色の視認性を低減することができる。
【0065】
この場合、一方の透光材上に行方向及び/又は列方向に交互に配置された他方の透光材間には、何も配置しない、つまり、他方の透光材の厚み分、凹凸形状を有する透光性部材52としてもよいし、第3透光材として透光性の層55を配置して、透光性部材52の表面を略平面にしてもよい。
【0066】
以下に、本発明の実施形態1に係る実施例の発光装置及びその製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0067】
<実施例>
(発光装置)
実施例の発光装置10は、
図1A及び1Bに示すように、発光素子11と発光素子11の上面に設けられた透光性部材12とを備える。
発光素子11は、GaN系の窒化物半導体層の積層体により形成されたものであり、発光波長が400nm程度の青色光を出射するものを用いることができる。発光素子11は、同一面上に正負の電極11aを有する。発光素子11の寸法は、例えば、平面視で1000μm×1000μm、厚み150μmである。
【0068】
発光素子11の上面(電極11aを有する面と反対側の面)には、透光性部材12が設けられる。実施例の透光性部材12は、平面視において、行列方向に交互に、千鳥状に配置された第1透光材13と第2透光材14とを有する。
【0069】
第1透光材13は、母材であるフェニル系シリコーン樹脂に、第1の色相、実施例では黄色を示すYAG蛍光体を含む。YAG蛍光体は、自然光下で、マンセル色相環の10色相の7Y9/12を示す。また、第1透光材13は、充填剤としてナノフィラーであるアエロジルを含む。重量比は、YAG蛍光体:フェニル系シリコーン樹脂:充填材(アエロジル)=15:10:1とすることができる。
第2透光材14は、母材であるフェニル系シリコーン樹脂に、第1の色相に対して補色関係にある第2の色相、つまり濃紺を示す着色剤であるウルトラマリンを含有する。この着色剤は、マンセル色相環の10色相の5PB7/10を示す。また、第2透光材14は、拡散剤を含む。重量比は、着色剤(ウルトラマリン):フェニル系シリコーン樹脂:拡散剤=0.3〜5:100:0.3〜1とすることができる。
【0070】
実施例の第1透光材13及び第2透光材14の上面は面一であり、それらの厚みは30μmである。第1透光材13及び第2透光材14の幅は、いずれも50μmμmとすることができる。実施例では、発光素子11の上面において、第1透光材13と第2透光材14とが占める割合は1:1である。
【0071】
実施例では、透光性部材12の第1透光材13が発光素子11の側面も被覆するように形成することができる。このような構成とすることにより、所望の光を発光する広配光な発光装置10を形成することができる。
【0072】
以上のような構成の透光性部材12を有する発光装置10は、自然光下、発光素子11が点灯していない場合において、補色関係にある第1透光材13と第2透光材14とがパターン形成されていることにより、平面視において透光性部材12の外観色の視認性を低減する、すなわち黒っぽく視認させることができる。つまり、YAG蛍光体を含む第1透光材13のみからなる透光性部材と比べて、透光性部材の彩度を下げることができる。具体的には、前述の第1透光材のみからなる透光性部材と比べて、彩度をそれぞれ2〜4程度に低減させることができる。加えて、発光素子11の光取り出しを大きく低下させることを回避することができる。これにより、発光装置が発光モジュールにおいて外部から視認可能な位置に搭載される場合(例えば、携帯電話のフラッシュ用光源等に搭載されるような場合)、透光性部材12の色によって、発光モジュールの美観を損ねることを防止することができる。特に、携帯電話のカメラ部は黒っぽい色が多く採用されているので、発光装置が点灯していない状態で、実施例のように彩度の低い黒っぽい色の透光性部材12を用いることにより、発光装置の色を目立たなくできる。
【0073】
<変形例1>
図2Aは、本発明の実施形態1に係る別の発光装置の平面図である。変形例1では、
図2Aに示すように、透光性部材22の第1透光材23及び第2透光材24の形状がライン状である以外、実施例の発光装置10と同様である。
【0074】
<変形例2>
図2Bは、本発明の実施形態1に係る別の発光装置の平面図である。変形例2では、
図2Bに示すように、透光性部材32の第1透光材33がマトリクス状であり、第2透光材34が格子状である以外、実施例の発光装置と同様である。なお、第2透光材34がマトリクス状で、第1透光材33が格子状でもよい。
【0075】
(発光装置の製造方法)
実施例の発光装置10の製造方法では、まず、
図3Aに示すように、発光素子11を準備する。発光素子11は、例えば前述のように、基板と、GaN系の窒化物半導体層の積層体と、同一面上に設けられた正負の電極11aとを有し、発光波長が400nm程度の青色光を出射するものを準備することができる。発光素子11は、平面視で1000μm×1000μm、厚み150μmのものを準備することができる。
実施例では、発光素子11を、可撓性を有するシート状の基体49上に、基板側を上にして配置しておく。
【0076】
続いて、第1透光材13及び第2透光材14を準備する。実施例では、準備する第1透光材13は、フェニル系シリコーン樹脂に、YAG蛍光体、溶剤として炭酸ジメチル、充填材としてナノフィラーであるアエロジルを混合したものを用いることができる。重量比は、例えば、YAG蛍光体:フェニル系シリコーン樹脂:溶剤(炭酸ジメチル):充填材(アエロジル)=15:10:25:1とすることができる。また、準備する第2透光材14は、フェニル系シリコーン樹脂に、濃紺の着色剤であるウルトラマリン、拡散剤を混合したものを用いることができる。重量比は、例えば、着色剤(ウルトラマリン):フェニル系シリコーン樹脂:拡散剤=0.3〜5:100:0.3〜1とすることができる。
【0077】
実施例では、
図3Aに示すように、発光素子11の上面に、準備した第2透光材14aを直接印刷法等の所望の方法により全面に塗布し、硬化後、レーザ照射により、第2透光材14aの一部を除去し、パターンを形成する。
【0078】
具体的には、レーザは、例えば約355nm以下の波長のものを用いることができる。照射条件(スポット径、強度、パルスの繰返し周波数、移動速度等)は、透光材の材料、厚み、形成したいパターンによって適宜調整する。例えば、実施例のように千鳥状の透光性部材12を形成する場合は、波長約355nm、スポット径約10〜30μm、パルスエネルギー約30μJ、周波数約200kHzのレーザを、スキャン速度約400mm/sで、第2透光材14aに一定の間隔で照射することにより、発光素子11の上面全体に形成された第2透光材14aの一部を除去し、パターンを形成することができる。その他、例えば波長10.6μmで、スポット径70〜120μm、平均出力30W、周波数25kHz、スキャン速度500~12000mm/sで照射してもよい。
実施例では、第2透光材14aを、平面視で50μm×50μmの略矩形が50μm間隔で設けられた千鳥状に形成する。その厚みは30μm以上とすることができる。そして、第2透光材14aが除去された部分に、準備した第1透光材13aをスプレー法等の所望の方法で形成する。実施例では、スプレー法により所望の厚み(実施例では30μm)以上になるように複数回積層することができる。
【0079】
その後、第1透光材13aを硬化し、
図3Cに示すように、研削、研磨等により、第2透光材14a上に形成された第1透光材13a及び第2透光材14aを一部除去することにより、第2透光材14の上面を露出させる。これにより、発光素子11上に、千鳥状の第1透光材13及び第2透光材14を有する透光性部材22を形成することができる。透光材の除去は、発光素子11の上面に対して平行に行うことができ、第1透光材13及び第2透光材14の上面が面一となるように除去することが好ましい。
【0080】
ライン状、マトリクス状又は格子状の第1透光材及び第2透光材を有する透光性部材を形成する場合は、前述のレーザの照射位置を変更し、除去する透光材の範囲を調整することにより形成可能である。
なお透光性部材12は、発光素子11の側面、基体49上に形成されてもよい。実施例では、第1透光材13及び/又は第2透光材14が、発光素子11の側面にも形成される。
【0081】
次に、透光性部材12が設けられた発光素子11を各々の発光装置10に個片化する。なお、個片化の前後に、適宜前述の透光性の層、光反射性部材を形成してもよい。個片化は、例えば、可撓性の基体を基体の下面側からヘラ等の治具でしごくことにより行うことができる。これにより、透光性部材12を切断し、発光装置毎に個片化することができる。
【0082】
以上のような発光装置の製造方法では、発光素子の上面に微細なパターンを容易に形成することができる。すなわち、発光装置がオフ状態における透光性部材の外観色の視認性を低減可能な透光性部材を有する発光装置を、高精度且つ簡便に製造することができる。