【実施例】
【0018】
[プラズマエッチング装置100の構造]
図1は、実施例に係るプラズマエッチング装置100の一例を示す縦断面図である。
図1に示すプラズマエッチング装置100は、気密に構成され、電気的に接地電位とされた処理チャンバ1を有している。処理チャンバ1は、アルミニウム等により円筒状に形成され、表面が例えば陽極酸化被膜で覆われている。処理チャンバ1内には、被処理体である半導体ウエハWを水平に支持する載置台2が設けられている。
【0019】
載置台2は、例えばアルミニウム等の導電性の金属で形成された基材2aを有する。基材2aは、下部電極として機能する。載置台2は、導体の支持台4に支持されている。支持台4と処理チャンバ1との間には、絶縁板3が設けられており、支持台4と処理チャンバ1とは電気的に絶縁されている。また、載置台2の上方の外周には、例えば単結晶シリコン等で形成されたフォーカスリング5が設けられている。また、載置台2および支持台4の周囲には、載置台2および支持台4を囲むように、例えば石英等からなる円筒状の内壁部材3aが設けられている。
【0020】
載置台2の上方には、載置台2と平行に対向するように、換言すれば、載置台2に支持された半導体ウエハWと対向するように、シャワーヘッド16が設けられている。シャワーヘッド16は、上部電極として機能する。シャワーヘッド16と載置台2とは、一対の電極(上部電極と下部電極)として機能する。シャワーヘッド16には、整合器11aを介して高周波電源10aが接続されている。また、載置台2の基材2aには、整合器11bを介して高周波電源10bが接続されている。高周波電源10aは、所定周波数(例えば60MHz)の高周波電力を、整合器11aを介してシャワーヘッド16に供給する。高周波電源10bは、高周波電源10aによって供給される高周波電力の周波数よりも低い所定周波数(例えば、13MHz)の高周波電力を、整合器11bを介して載置台2の基材2aに供給する。高周波電源10aは、主に、処理チャンバ1内にプラズマを発生させるために用いられ、高周波電源10bは、主に、載置台2上に載置された半導体ウエハWにイオンを引き込む(バイアス)ために用いられる。
【0021】
載置台2の上面には、半導体ウエハWを静電吸着する静電チャック6が設けられている。静電チャック6は、絶縁体6bの間に電極6aを介在させて構成される。電極6aには直流電源12が接続されている。直流電源12から電極6aに印加された直流電圧によって、電極6aの表面にクーロン力が発生し、クーロン力によって半導体ウエハWが電極6a上に吸着保持される。
【0022】
載置台2の内部には、冷媒流路2bが形成されており、冷媒流路2bには、冷媒入口配管2cと、冷媒出口配管2dとが接続されている。冷媒流路2bの中にガルデンなどの冷媒を循環させることによって、支持台4および載置台2を所定の温度に制御することができる。また、半導体ウエハWの裏面側にヘリウムガス等の冷熱伝達用ガス(バックサイドガス)を供給するためのバックサイドガス供給配管30が、載置台2等を貫通するように設けられている。バックサイドガス供給配管30は、図示しないバックサイドガス供給源に接続されている。これらの構成によって、載置台2の上面に静電チャック6によって吸着保持された半導体ウエハWを、所定の温度に制御することができる。
【0023】
上記したシャワーヘッド16は、処理チャンバ1の天井部分に設けられている。シャワーヘッド16は、本体部16aと電極板として機能する上部天板16bとを備えており、絶縁部材45を介して処理チャンバ1の上部に支持されている。本体部16aは、表面に例えば陽極酸化処理が施されたアルミニウム等の導電性材料により形成される。本体部16aの下部には、上部天板16bが着脱可能に取り付けられている。上部天板16bは、例えばシリコン等のシリコン含有物質で形成される。
【0024】
本体部16aの内部には、ガス拡散室が設けられている。ガス拡散室は、中央部に設けられたガス拡散室16cと、ガス拡散室16cを囲むようにガス拡散室16cの周囲に設けられたガス拡散室16dとに2分割されている。ガス拡散室が中央部と周縁部とに分割されていることにより、処理ガスの供給状態を中央部と周縁部とで独立に変更することができる。本体部16aの底部には、ガス拡散室16cおよび16dの下部に位置するように、多数のガス通流孔16eが形成されている。
【0025】
また、上部天板16bには、当該上部天板16bを厚さ方向に貫通するように形成されたガス導入孔16fが、上記したガス通流孔16eと上下方向において重なるように設けられている。このような構成により、ガス拡散室16cおよび16dに供給された処理ガスは、ガス通流孔16eおよびガス導入孔16fを介して処理チャンバ1内にシャワー状に分散されて供給される。なお、本体部16a等には、冷媒を循環させるための図示しない配管が設けられており、プラズマエッチングの処理中にシャワーヘッド16を所望の温度に制御することができる。
【0026】
上記した本体部16aには、ガス拡散室16cおよび16dへ処理ガスを導入するための2つのガス導入口16gおよび16hが形成されている。ガス導入口16gには、ガス供給配管15aの一端が接続されており、ガス導入口16hには、ガス供給配管15bの一端が接続されている。また、ガス供給配管15aの他端およびガス供給配管15bの他端には、エッチング用の処理ガスを供給する処理ガス供給源15が接続されている。処理ガス供給源15は、ガス供給部の一例である。ガス供給配管15aには、マスフローコントローラ(MFC)15cおよび開閉弁V1が設けられている。また、ガス供給配管15bには、マスフローコントローラ(MFC)15dおよび開閉弁V2が設けられている。
【0027】
プラズマエッチングのための処理ガスは、処理ガス供給源15からガス供給配管15aおよび15bを介してガス拡散室16cおよび16dにそれぞれ供給され、ガス拡散室16cおよび16dから、ガス通流孔16eおよびガス導入孔16fを介して処理チャンバ1内にシャワー状に分散されて供給される。
【0028】
上記した上部電極としてのシャワーヘッド16には、ローバスフィルタ(LPF)51を介して可変直流電源52が電気的に接続されている。可変直流電源52は、スイッチ53により給電のオン・オフが制御可能となっている。可変直流電源52の電流・電圧ならびにスイッチ53のオン・オフは、後述する制御部60によって制御される。なお、後述するように、高周波電源10aからの高周波がシャワーヘッド16に印加され、高周波電源10bからの高周波が載置台2に印加されて処理チャンバ1内の処理空間にプラズマが発生する際には、必要に応じて制御部60によりスイッチ53がオンとされ、上部電極としてのシャワーヘッド16に所定の直流電圧が印加される。
【0029】
処理チャンバ1の側壁からシャワーヘッド16の高さの位置よりも上方に延びるように円筒状の接地導体1aが設けられている。接地導体1aは、処理チャンバ1を介して接地されている。
【0030】
処理チャンバ1の底部には、排気口71が形成されており、排気口71には、排気管72を介して排気装置73が接続されている。排気装置73は、真空ポンプを有しており、この真空ポンプを作動させることにより処理チャンバ1内を所定の真空度まで減圧することができる。排気装置73は、減圧部の一例である。また、処理チャンバ1の側壁には、半導体ウエハWを処理チャンバ1内に搬入する、または、半導体ウエハWを処理チャンバ1内から搬出するための開口74が設けられており、開口74には、当該開口74を開閉するゲートバルブ75が設けられている。
【0031】
載置台2の周辺には、デポシールド76および77が着脱可能に設けられている。デポシールド76は、処理チャンバ1の内壁面に沿って設けられ、処理チャンバ1にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止する。デポシールド76において、静電チャック6上に載置される半導体ウエハWと略同じ高さの位置には、直流的にグランドに接続された導電性部材(GNDブロック)79が設けられている。導電性部材79によって、処理チャンバ1内の異常放電が防止される。
【0032】
上記のように構成されたプラズマエッチング装置100は、制御部60によって、その動作が統括的に制御される。制御部60には、プラズマエッチング装置100の各部を制御するプロセスコントローラ61と、ユーザインターフェイス62と、記憶部63とが設けられている。プロセスコントローラ61は、例えばCPUにより実現される。
【0033】
ユーザインターフェイス62は、オペレータがプラズマエッチング装置100を操作するためにコマンドを入力するためのキーボードや、プラズマエッチング装置100の稼動状況を可視化して表示するディスプレイ等を有する。
【0034】
記憶部63には、プラズマエッチング装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ61の制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)、処理条件を示すデータを含むレシピ等が記憶されている。プロセスコントローラ61は、ユーザインターフェイス62を介したオペレータからの指示等に応じて、任意のレシピを記憶部63から呼び出して実行することにより、プラズマエッチング装置100に所望の処理を実行させる。また、制御プログラムや処理条件を示すデータを含むレシピ等は、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体(例えば、ハードディスク、CD、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)などに格納された状態のものを利用したり、或いは、他の装置から、例えば通信回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0035】
例えば、制御部60は、後述するプラズマエッチング処理を行うようにプラズマエッチング装置100の各部を制御する。詳細な一例を挙げると、露光および現像により所定のパターンが形成されたフォトレジストが下層膜上に設けられた半導体ウエハWが処理チャンバ1内に搬入され、静電チャック6上に載置される。そして、制御部60は、MFC15c、MFC15d、開閉弁V1、および開閉弁V2を制御して、処理ガス供給源15から供給された第1の処理ガスをシャワーヘッド16のガス導入孔16fを介して処理チャンバ1内に供給する。第1の処理ガスは、第1の処理条件において用いられる処理ガスである。本実施例において、第1の処理ガスとしては、例えば、フルオロカーボンガスとハイドロカーボンガスとの混合ガス、フルオロカーボンガスと水素ガスとの混合ガス、ハイドロフルオロカーボンガスと窒素ガスとの混合ガス、または、ハイドロフルオロカーボンガスと三塩化硼素ガスとの混合ガスのいずれかが用いられる。
【0036】
次に、制御部60は、高周波電源10aおよび整合器11aを制御してシャワーヘッド16に所定周波数の高周波電力を印加し、高周波電源10bおよび整合器11bを制御して載置台2の基材2aに所定周波数の高周波電力を印加する。これにより、シャワーヘッド16と載置台2との間の処理空間に第1の処理ガスのプラズマが生成される。
【0037】
そして、制御部60は、上部電極として機能するシャワーヘッド16に負の直流電圧を印加しながら、第1の処理ガスのプラズマにより半導体ウエハWをエッチングする。そして、半導体ウエハWを所定の深さまでエッチングした後、制御部60は、排気装置73を制御して第1の処理ガスを処理チャンバ1内から排気する。そして、制御部60は、MFC15c、MFC15d、開閉弁V1、および開閉弁V2を制御して、処理ガス供給源15から供給された第2の処理ガスをシャワーヘッド16のガス導入孔16fを介して処理チャンバ1内に供給する。第2の処理ガスは、第2の処理条件において用いられる処理ガスである。本実施例において、第2の処理ガスとしては、例えば、フルオロカーボンガスとハイドロフルオロカーボンガスとの混合ガスが用いられる。
【0038】
次に、制御部60は、高周波電源10aおよび整合器11aを制御してシャワーヘッド16に所定周波数の高周波電力を印加し、高周波電源10bおよび整合器11bを制御して載置台2の基材2aに所定周波数の高周波電力を印加する。これにより、シャワーヘッド16と載置台2との間の処理空間に第2の処理ガスのプラズマが生成される。そして、制御部60は、シャワーヘッド16に負の直流電圧を印加しながら、第2の処理ガスのプラズマにより半導体ウエハWをエッチングする処理を再開する。そして、半導体ウエハWを所定の深さまでエッチングした場合、制御部60は、プラズマエッチング処理を終了する。
【0039】
[半導体ウエハWの構造]
図2は、半導体ウエハWの一例を示す模式図である。
図2に示す半導体ウエハWは、例えば、下地層205と、下地層205上に積層されたマスク層200とを有する。下地層205は、例えばポリシリコンである。マスク層200は、下層膜202と、下層膜202上に積層されたフォトレジスト(PR)201とを有する。PR201は、例えばArFレジストである。
【0040】
本実施例におけるArFレジストは、ArFエキシマレーザの照射によりArFレジストの性質が疎水性から親水性に変化する。例えば、半導体ウエハW上に残す部分を覆うようにパターンが形成されたフォトマスクを介してArFエキシマレーザをArFレジストに照射する露光を行うことにより、レーザ光が照射されたArFレジストの部分の性質が疎水性から親水性に変化する。そして、露光後の半導体ウエハWを現像液に浸すことにより現像を行うことにより、親水性に変化したArFレジストの部分が現像液に溶け出し、フォトマスクに応じたパターンがArFレジストに形成される。
【0041】
下層膜202は、有機膜204と、有機膜204上に積層された反射防止膜203とを有する。有機膜204は、例えばアモルファスカーボン等のカーボン含有有機膜である。反射防止膜203は、SiON等のシリコン含有反射防止膜(SiARC)である。マスク層200は、PR201、反射防止膜203、および有機膜204により、三層レジストを構成する。
【0042】
ここで、露光および現像によりフォトマスクに応じた形状に加工されたPR201には、溝や穴を規定するパターンの密度が高い高密度領域と、溝や穴を規定するパターンの密度が低い低密度領域とができる場合がある。そして、低密度領域と高密度領域とを有するPR201では、同一のCDのパターンを形成するように露光および現像がされた場合であっても、低密度領域におけるパターンのCDは、高密度領域におけるパターンのCDよりも広がる傾向にある。そのため、低密度領域と高密度領域とを有するPR201をマスクとして下層膜202がプラズマエッチングされた場合、下層膜202では、低密度領域における溝や穴のCDが、高密度領域における溝や穴のCDよりも広がることになる。
【0043】
また、露光および現像によりフォトマスクに応じた形状に加工されたPR201には、レーザ光の照射により親水性に変化した部分の中で、現像液に溶け出さずに残留するスカムが発生する場合がある。低密度領域と高密度領域とを有するPR201では、低密度領域に形成されたパターンに残留するスカムの量は、高密度領域に形成されたパターンに残留するスカムの量よりも多い傾向がある。
【0044】
[低密度領域のPR201と高密度領域のPR201]
図3は、現像後における低密度領域のPR201の一例を示す断面図である。
図4は、現像後における低密度領域のPR201の一例を示す上面図である。
図5は、現像後における高密度領域のPR201の一例を示す断面図である。
図6は、現像後における高密度領域のPR201の一例を示す上面図である。なお、
図3から
図6では、略同一の幅のパターンのフォトマスクを用いて露光および現像されたPR201が例示されている。
【0045】
現像後のPR201では、例えば
図3および
図5に示すように、低密度領域に形成された開口211のCDであるL11は、高密度領域に形成された開口211のCDであるL21よりも広くなる傾向がある。
【0046】
また、現像後のPR201において、PR201に形成された開口211のエッヂ付近には、例えば
図3および
図5に示すようにスカム210が残留する。低密度領域の開口211には、高密度領域の開口211よりも、より多くのスカム210が残留する傾向がある。低密度領域では、開口211内に残留したスカム210によって形成されたパターンのCDであるL12は、例えば
図3に示すように、PR201の開口211で形成されたパターンのCDであるL11よりも狭い。
【0047】
また、高密度領域では、開口211内に残留したスカム210によって形成されたCDであるL22は、例えば
図5に示すように、PR201の開口211で形成されたCDであるL21よりも狭い。しかし、高密度領域の開口211に残留したスカム210は、低密度領域の開口211に残留したスカム210よりもずっと少ない。そのため、L21とL22とは、ほとんど同じ幅である。
【0048】
ここで、PR201とスカム210とは同じ材料であるため、現像後の半導体ウエハWを、PR201側から見ると、低密度領域では、例えば
図4に示すように、スカム210によって形成されたパターンのCDであるL12が、あたかもPR201に形成されたパターンのCDのように見える。そのため、現像後のスカム210によって形成されたパターンのCDであるL12を初期のCDとして、PR201の下層の反射防止膜203をエッチングした後に、反射防止膜203に形成された溝や穴のCDとの差(バイアス値)が評価される。
【0049】
高密度領域においても同様に、例えば
図6に示すように、スカム210によって形成されたパターンのCDであるL22が、あたかもPR201に形成されたパターンのCDのように見える。しかし、高密度領域では、開口211に残留しているスカム210が少ないため、開口211で形成されたパターンのCDであるL21と、スカム210によって形成されたパターンのCDであるL22とはほとんど同じ幅である。
【0050】
現像後のスカム210の開口211によって形成されたパターンのCDは、ADI(After Development Inspection)と呼ばれ、PR201をマスクとして、下層の反射防止膜203がエッチングされることにより反射防止膜203に形成された溝や穴のCDは、AEI(After Etch Inspection)と呼ばれる。
【0051】
ここで、ADIとAEIとの差であるバイアス値は少ない方が好ましい。また、ある程度のバイアス値が存在する場合であっても、同一のCDとして設計された溝や穴については、バイアス値が同程度であることが好ましい。特に、低密度領域における溝や穴のCDのバイアス値は、高密度領域における溝や穴のCDのバイアス値と同程度であることが好ましい。なお、本実施例において、同一のCDとして設計された溝について、低密度領域に形成された溝のCDと、高密度領域に形成された溝のCDとの差分をCDローディングと呼ぶ。
【0052】
[処理概略]
図7は、実施例と比較例において、プラズマエッチングの概略の一例を説明する図である。
図7に示す例では、低密度領域におけるプラズマエッチングの処理の概略の一例が示されている。
図7の左側には、従来のプラズマエッチングの処理を比較例として示している。
【0053】
図7に示した比較例の最上段には、PR201の現像が行われた後の半導体ウエハWが状態S0として示されている。比較例では、状態S0の半導体ウエハWに対して、スカム210を除去する工程が実行される。これにより、比較例の半導体ウエハWが状態S1に示された状態になる。なお、スカム210の除去は、PR201によって形成されるマスクパターンのLWR(Line Width Roughness)、SWR(Space Width Roughness)、LER(Line Edge Roughness)等の改善を目的に行われる。
【0054】
次に、比較例では、状態S1に示された半導体ウエハWがプラズマエッチング装置100内に搬入され、PR201をマスクとして、処理ガスのプラズマにより、反射防止膜203のエッチングが行われる。反射防止膜203のエッチング途中の状態が、比較例の状態S2に示されている。比較例における反射防止膜203のエッチングでは、PR201に対する反射防止膜203の選択比が0.5〜1となる処理ガスが用いられる。これにより、PR201を残しながら、反射防止膜203が所定の深さまでエッチングされる。
【0055】
その後、所定時間オーバーエッチングが実行され、比較例の半導体ウエハWが、状態S3に示した状態となる。比較例に示したプラズマエッチング処理では、スカム210が除去された後のL11の幅の開口211を有するPR201をマスクとして反射防止膜203のエッチングが開始される。そのため、反射防止膜203に形成された溝の底部のCDであるL03は、スカム210によって形成されたパターンのCDであるL12よりも広くなる。比較例の場合、ADIがL12であり、AEIがL03であり、L12とL03との差分がバイアス値となる。
【0056】
一方、
図7の右側に示した本実施例におけるプラズマエッチングの処理では、最上段に示した状態S0の半導体ウエハW、即ち、PR201の現像後の半導体ウエハWに対して、スカム210を除去する工程を行うことなく、PR201およびスカム210をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが行われる。
【0057】
具体的には、実施例の状態S0に示された半導体ウエハWがプラズマエッチング装置100内に搬入され、プラズマエッチング装置100により、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが行われる。反射防止膜203のエッチング途中の状態が、実施例の状態S2に示されている。
【0058】
第1の処理条件では、PR201に対する反射防止膜203の選択比が2.5〜4の範囲内となる処理ガスが用いられる。これにより、PR201およびスカム210を残しながら、反射防止膜203が所定の深さまでエッチングされる。所定の深さとは、例えば、反射防止膜203の厚みの20〜30%である。また、より好ましくは、所定の深さは、例えば、反射防止膜203の厚みの25%であってもよい。
【0059】
その後、プラズマエッチング装置100により、第2の処理条件において、PR201をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが引き続き行われる。第2の処理条件では、PR201に対する反射防止膜203の選択比が0.5〜1の範囲内となる処理ガスが用いられる。これにより、PR201を残しつつ、反射防止膜203が下層の有機膜204に達するまでエッチングされる。その後、第2の処理条件において所定時間オーバーエッチングが実行され、実施例の半導体ウエハWが状態S3に示した状態となる。
【0060】
実施例として
図7に示したプラズマエッチング処理では、PR201およびスカム210をマスクとして反射防止膜203のエッチングが開始される。そのため、状態S3に示されているように、反射防止膜203に形成された溝の底部のCDであるL13は、スカム210によって形成されたパターンのCDであるL12に近い値となる。本実施例では、ADIがL12であり、AEIがL13であり、L12とL13との差分がバイアス値となる。
【0061】
このように、本実施例では、PR201の現像が行われた後の半導体ウエハWに対して、スカム210を除去する工程を行うことなく、PR201およびスカム210をマスクとして、第1の処理ガスのプラズマにより、反射防止膜203を所定の深さまでエッチングする。その後、反射防止膜203のエッチングの途中で、PR201に対する反射防止膜203の選択比が第1の処理ガスよりも低い第2の処理ガスに切り換え、第2の処理ガスのプラズマにより反射防止膜203のエッチングが再開される。これにより、低密度領域において、ADIとAEIとの差であるバイアス値を、従来よりも減少させることができる。
【0062】
なお、本実施例では、スカム210を除去する工程を行うことなく、第1の処理ガスのプラズマにより反射防止膜203をエッチングする。そのため、スカム210によりPR201のLWR等が多少悪化する。しかし、PR201のLWR等は、第1の処理ガスおよび第2の処理ガスの圧力や、シャワーヘッド16および載置台2の基材2aに印加される高周波の電力等を調整することにより、スカム210除去とは異なる手法で改善が可能である。そのため、スカム210を除去する工程を行わなかったことによるPR201のLWR等の悪化は、他の方法を用いることにより低く抑えることが可能である。
【0063】
図8は、低密度領域と高密度領域において行われる、実施例におけるプラズマエッチング処理の一例を説明する図である。
【0064】
まず、PR201の現像が行われた後の状態S0に示す半導体ウエハWは、スカム210を除去する工程が行われることなく、プラズマエッチング装置100内に搬入される。状態S0では、半導体ウエハWの低密度領域と高密度領域とは、例えば
図8の最上段に示す状態である。
【0065】
そして、プラズマエッチング装置100により、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが行われる。半導体ウエハWの低密度領域では、例えば
図8の左側の状態S4に示すように、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが開始される。
【0066】
そして、半導体ウエハWの低密度領域では、反射防止膜203において所定の深さ(例えば反射防止膜203の厚みの20〜30%)までプラズマエッチングが行われた状態S5において、第1の処理条件から第2の処理条件に切り換えられる。そして、第2の処理条件において、PR201をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが引き続き行われる。
【0067】
なお、半導体ウエハWの低密度領域において、第1の処理条件では、PR201に対する反射防止膜203の選択比が2.5〜4と比較的高い選択比の第1の処理ガスが用いられる。しかし、反射防止膜203において所定の深さまでプラズマエッチングが行われる過程でスカム210は消失する。そして、第2の処理条件において、反射防止膜203のプラズマエッチングが再開される際には、開口211内にスカム210は存在しない。
【0068】
そして、半導体ウエハWの低密度領域において、反射防止膜203に形成された溝の底が下層の有機膜204に達した後、第2の処理条件において、所定時間オーバーエッチングが実行される。これにより、低密度領域における半導体ウエハWが、
図8の左側の状態S6に示した状態となる。低密度領域では、PR201およびスカム210をマスクとして反射防止膜203のエッチングが開始されるため、反射防止膜203に形成された溝の底部のCDであるL13は、PR201の開口211のCDであるL11よりも狭く、スカム210によって形成されたパターンのCDであるL12に近い値となる。
図8に例示した低密度領域では、ADIがL12であり、AEIがL13であり、L12とL13との差分がバイアス値となる。
【0069】
一方、高密度領域では、PR201の現像が行われた後の状態S0に示す半導体ウエハWが、スカム210を除去する工程が行われることなく、プラズマエッチング装置100内に搬入された後、プラズマエッチング装置100により、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが行われる。しかし、高密度領域では、PR201の開口211に残っているスカム210の量が少ないため、選択比が比較的高い第1の処理ガスを用いる第1の処理条件であったとしても、プラズマエッチングの開始によりスカム210が短時間で消失する。そのため、高密度領域では、例えば
図8の状態S4に示すように、PR201の開口211により形成されたパターンのCDであるL21とほぼ同じ幅を初期のCDとして、プラズマエッチングが開始される。
【0070】
そして、半導体ウエハWの高密度領域では、反射防止膜203において所定の深さ(例えば反射防止膜203の厚みの20〜30%)までプラズマエッチングが行われた状態S5において、第1の処理条件から第2の処理条件に切り換えられる。そして、第2の処理条件において、PR201をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングが引き続き行われる。
【0071】
そして、半導体ウエハWの高密度領域において、反射防止膜203に形成された溝の底が下層の有機膜204に達した後、第2の処理条件において、所定時間オーバーエッチングが実行される。これにより、高密度領域における半導体ウエハWが、状態S6に示した状態となる。高密度領域では、PR201の開口211により形成されたパターンとほぼ同じパターンをマスクとして反射防止膜203のエッチングが開始される。そのため、反射防止膜203に形成された溝の底部のCDであるL23は、開口211により形成されたパターンのCDであるL21に近い値となる。高密度領域の場合、ADIがL21であり、AEIがL23であり、L21とL23との差分がバイアス値となる。
【0072】
このように、PR201の現像が行われた後にPR201に残留しているPR201をマスクとして利用し、PR201に対する反射防止膜203の選択比が比較的高い第1の処理条件で反射防止膜203を所定の深さまでプラズマエッチングする。これにより、スカム210が多く残留している低密度領域では、AEIを従来よりも狭くすることができる。また、スカム210の残留量が少ない高密度領域では、AEIを従来と同程度に保つことができる。これにより、ADIとAEIとの差であるバイアス値を、低密度領域と高密度領域とで近づけることができる。従って、低密度領域におけるバイアス値と、高密度領域におけるバイアス値との差を小さくすることができ、CDローディングを小さくすることができる。
【0073】
[実験結果]
次に、第1の処理ガスを変えた場合のCDローディングの測定結果について説明する。
図9は、第1の処理ガスを変えた場合のCDローディングの測定結果の一例を示す図である。
【0074】
図9に示すように、実験では、6種類の処理ガスのそれぞれについて、圧力、電力、およびガス流量を変え、PR201に対する反射防止膜203の選択比、低密度領域におけるCD(
図8に示したL13)、高密度領域におけるCD(
図8に示したL23)、およびCDローディングを測定した。
図9では、低密度領域に形成された溝のCDの測定値から、高密度領域に形成された溝のCDの測定値を引いた値をCDローディングとして算出している。
【0075】
なお、
図9の実験1に示した処理ガスおよびレシピは、第2の処理条件に対応する第2の処理ガスおよびレシピと同一である。また、
図9の実験1に示した処理ガスおよびレシピは、
図7に示した比較例(従来のプラズマエッチング)において、反射防止膜203をプラズマエッチングする際に用いられる処理ガスおよびレシピと同一である。
【0076】
また、
図9の実験2〜14に示した処理ガスおよびレシピは、それぞれ第1の処理条件に対応する第1の処理ガスおよびレシピである。実験2〜14では、
図9の実験2〜14の欄に示した処理ガスおよびレシピにおいて、反射防止膜203を所定の深さ(反射防止膜203の25%)までプラズマエッチングを行った後に、実験1の欄に示した処理ガスおよびレシピにおいて、反射防止膜203の残りの厚みについて反射防止膜203のプラズマエッチングを行った。なお、実験1では、
図9の実験1の欄に示した処理ガスおよびレシピを切り換えることなく、反射防止膜203を最後までプラズマエッチングを行った。
【0077】
例えば
図9に例示した実験9では、第1の処理ガスとして、CHF3ガスおよびN2ガスの混合ガスを用いた。また、実験9では、処理チャンバ1内の圧力を20mTとし、シャワーヘッド16に500Wの高周波電力を印加し、載置台2の基材2aに100Wの高周波電力を印加した。また、実験9では、CHF3ガスおよびN2ガスの流量を、それぞれ、100sccmおよび30sccmに設定した。
【0078】
また、実験9では、PR201に対する反射防止膜203の選択比が2.51であった。また、実験9では、低密度領域におけるL13の値が38.8nmであり、高密度領域におけるL23の値が37.1nmであり、CDローディングは、1.7nmであった。
【0079】
なお、
図9に示した表において、L13、L23、およびCDローディングの実験結果の欄に記載されている「−」は、プラズマエッチングの途中でエッチングがストップし、測定不能であったことを示している。
【0080】
図9に示した実験結果を基に、選択比とCDローディングの関係を図示すると、例えば
図10のようになる。
図10は、選択比とCDローディングの関係の一例を示す図である。
【0081】
図10を参照すると、選択比の増加に伴って、CDローディングが低下する傾向にあることが分かる。しかし、選択比を増加させ過ぎると、プラズマエッチングの途中でエッチングがストップする。
図9に示した実験結果では、選択比が4.95となった実験14では、エッチングがストップした。一方、
図9に示した実験結果では、選択比が4.11となった実験6では、エッチングがストップすることがなかった。そのため、エッチングがストップすることなく反射防止膜203に溝を形成可能な選択比の上限は、4.11と4.95の間の値であると考えられる。
【0082】
また、
図10を参照すると、選択比が1.63〜4.11の範囲内であれば、CDローディングの値が、従来のプラズマエッチングである実験1で測定されたCDローディングの値である3.8nmを下回ることが分かる。
図9を参照すると、選択比が1.63〜4.11の範囲内となる処理条件は、実験2〜4、6、および9〜12の処理条件である。
図9に示した実験2〜4、6、または9〜12と同様の処理条件においてプラズマエッチングを行うことで、従来よりもCDローディングを抑制することができる。
【0083】
実験2では、処理ガスとして、CF4ガスおよびCH4ガスの混合ガスが用いられている。また、実験3、4、および6では、処理ガスとして、CF4ガスおよびH2ガスの混合ガスが用いられている。また、実験9〜11では、処理ガスとして、CHF3ガスおよびN2ガスの混合ガスが用いられている。また、実験12では、処理ガスとして、CHF3ガスおよびBCl3ガスの混合ガスが用いられている。
【0084】
また、
図10を参照すると、選択比が例えば2.5〜4.11の範囲内であれば、CDローディングの値を2nm以下に抑えることができることが分かる。
図9を参照すると、選択比が2.5〜4の範囲内となる処理条件は、実験6、9〜11および12の処理条件である。
【0085】
なお、
図9および
図10から明らかなように、選択比を増加させると、CDローディングが減少し、マイナスになる場合がある。即ち、選択比を増加させると、低密度領域に形成された溝のCD値が、高密度領域に形成された溝のCD値よりも小さくなる場合がある。これは、選択比を増加させたことにより、プラズマ中の炭素ラジカルが増加し、PR201の表面に炭素ラジカルが付着したためと考えられる。低密度領域では、PR201の被覆率が高いため、高密度領域のPR201よりも多くの炭素ラジカルがPR201に付着する。多くの炭素ラジカルがPR201に付着することにより、低密度領域のPR201の開口211が、高密度領域のPR201の開口211よりも狭くなったため、低密度領域に形成された溝のCDが、高密度領域に形成された溝のCDよりも狭くなったと考えられる。
【0086】
[処理の流れ]
図11は、プラズマエッチングの処理手順の一例を示すフローチャートである。例えば、PR201の現像が行われた後の半導体ウエハWがプラズマエッチング装置100の処理チャンバ1内に搬入され、静電チャック6上に載置されることにより、プラズマエッチング装置100は、
図11に示す動作を開始する。
【0087】
まず、制御部60は、MFC15c、MFC15d、開閉弁V1、および開閉弁V2を制御して、処理ガス供給源15から供給された第1の処理ガスをシャワーヘッド16のガス導入孔16fを介して処理チャンバ1内に供給する(S100)。
【0088】
次に、制御部60は、高周波電源10aおよび整合器11aを制御してシャワーヘッド16に所定周波数の高周波電力を印加し、高周波電源10bおよび整合器11bを制御して載置台2に所定周波数の高周波電力を印加する。これにより、シャワーヘッド16と載置台2との間に第1の処理ガスのプラズマが生成される。そして、制御部60は、スイッチ53を制御して、上部電極として機能するシャワーヘッド16に負の直流電圧を印加し、第1の処理ガスのプラズマにより、PR201およびスカム210をマスクとしてPR201の下層に設けられた反射防止膜203をエッチングする。これにより、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして反射防止膜203のプラズマエッチングが行われる(S101)。
【0089】
次に、制御部60は、反射防止膜203の厚みに対して、所定の深さまでエッチングが行われたか否かを判定する(S102)。制御部60は、例えば、所定の深さまでのエッチングにかかる時間として予め設定された時間が経過したか否かを判定することにより、反射防止膜203の厚みに対して、所定の深さまでエッチングが行われたか否かを判定する。所定の深さまでエッチングが行われていない場合(S102:No)、制御部60は、再びステップS101に示した処理を実行する。
【0090】
一方、反射防止膜203の厚みに対して所定の深さまでエッチングが行われた場合(S102:Yes)、制御部60は、排気装置73を制御して、第1の処理ガスを処理チャンバ1内から排気する(S103)。そして、制御部60は、MFC15c、MFC15d、開閉弁V1、および開閉弁V2を制御して、処理ガス供給源15から供給された第2の処理ガスをシャワーヘッド16のガス導入孔16fを介して処理チャンバ1内に供給する(S104)。
【0091】
次に、制御部60は、高周波電源10aおよび整合器11aを制御してシャワーヘッド16に所定周波数の高周波電力を印加し、高周波電源10bおよび整合器11bを制御して載置台2に所定周波数の高周波電力を印加する。これにより、シャワーヘッド16と載置台2との間に第2の処理ガスのプラズマが生成される。そして、制御部60は、スイッチ53を制御して、シャワーヘッド16に負の直流電圧を印加し、第2の処理ガスのプラズマにより、フォトレジストをマスクとして半導体ウエハW上の下層膜のエッチングを再開する。これにより、第2の処理条件において、PR201をマスクとして反射防止膜203のプラズマエッチングが行われる(S105)。
【0092】
次に、制御部60は、反射防止膜203の厚みに対して所定の深さまでエッチングが行われたか否かを判定する(S106)。所定の深さまでエッチングが行われていない場合(S106:No)、制御部60は、再びステップS105に示した処理を実行する。一方、反射防止膜203の厚みに対して所定の深さまでエッチングが行われた場合(S106:Yes)、制御部60は、本フローチャートに示した動作を終了する。
【0093】
以上、実施例について説明した。上記説明から明らかなように、本実施例のプラズマエッチング装置100によれば、CDローディングを抑制することができる。
【0094】
[その他]
なお、上記した実施例では、PR201の現像が行われた後の半導体ウエハWに対して、スカム210を除去する工程を行うことなく、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして、所定の深さまで反射防止膜203のプラズマエッチングを行い、その後、第2の処理条件に切り換え、PR201をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングを引き続き行った。しかし、開示の技術は、これに限られない。
【0095】
例えば、PR201の現像が行われた後の半導体ウエハWに対して、スカム210を除去する工程を行うことなく、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして、所定の深さまで反射防止膜203のプラズマエッチングを行い、その後、第2の処理条件に切り換えて反射防止膜203のプラズマエッチングを引き続き行い、さらに、反射防止膜203のエッチングの途中から第1の処理条件に切り換え、PR201をマスクとして、反射防止膜203のプラズマエッチングを引き続き行うようにしてもよい。
【0096】
また、PR201の現像が行われた後の半導体ウエハWに対して、スカム210を除去する工程を行うことなく、第1の処理条件において、PR201およびスカム210をマスクとして、所定の深さまで反射防止膜203のプラズマエッチングを行い、その後、第2の処理条件に切り換えて反射防止膜203のプラズマエッチングを行う処理と、第1の処理条件に切り換えて反射防止膜203のプラズマエッチングを行う処理とを、交互に複数回繰り返してもよい。
【0097】
また、上記した実施例では、三層レジストとして構成されたマスク層200に含まれる反射防止膜203をプラズマによりエッチングする工程を例に説明したが、開示の技術はこれに限られない。例えば、PRに形成されたパターンをマスクとして、PRの下層に設けられた膜をプラズマによりエッチングする工程であれば、二層構造のレジストや、四層以上の構造を有するマスク層に対しても、上記した実施例に開示された技術を適用することができる。
【0098】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。