(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1種のポリアミノアミドは、少なくとも1種のポリアルキレンポリアミンを、少なくとも1種のジカルボン酸と反応させることによって得ることができることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物。
少なくとも1種のポリアルキレンポリアミンが、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノプロピルエチレンジアミン、エチレンプロピレントリアミン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
少なくとも1種のジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、及びテレフタル酸、イミノジアセチック酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項5又は6の何れかに記載の組成物。
少なくとも1種のポリアミノアミドは、少なくとも1種のポリアルキレンポリアミンを、少なくとも1種のジカルボン酸と反応させることによって得ることができることを特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記載の方法。
少なくとも1種のポリアルキレンポリアミンが、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノプロピルエチレンジアミン、エチレンプロピレントリアミン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項14に記載の方法。
少なくとも1種のジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、及びテレフタル酸、イミノジアセチック酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項14又は15の何れかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に従う組成物を電気メッキに使用すると、過剰メッキが減少した、特にマウンディングが減少した、堆積(沈澱)した金属層、特に銅層が形成されることが見出された。本発明に従い提供される金属層は、(たとえ異なる開口径の範囲が非常に広いアパーチャー(aperture)(スケール:≦130nm〜2μm)を有する基材上であっても、)実質的に平滑である。更に、本発明は、(加えられた)欠陥、例えばボイドを機構中に実質的に形成することなく、金属層を提供することが見出された。
【0013】
本発明に従う薬剤(エイジェント)/添加剤は更に、シリコンビア(TSV)を通して銅を電気メッキするために使用するのに有利である。このようなビアは通常、数マイクロメーターから100マイクロメーターの直径、及び少なくとも4、しばしば10を超えるアスペクト比を有する。
【0014】
更に、本発明に従う薬剤/添加剤は更に、接合技術、例えば典型的には、高さ及び直径が50〜100マイクトメーターの銅柱の、バンピング工程のための製造に、回路基板技術に、例えばマイクロビアメッキを使用した、印刷回路基板上の高密度相互接続の製造に、又は電子回路のための他のパッケージ化工程に有利に使用することができる。
【0015】
この平滑化効果の、更なる重用な有利な点は、堆積後操作で、除去する材料が少なくなるということである。例えば、化学的、機械的な研磨(CMP)が、下側に位置する機構を露呈するために使用される。本発明のより平滑な堆積は、堆積させるべき金属の量を低減させることになり、従って、CMPによって除去する層が少なくなる。スクラップ化した金属の量が低減し、及びより重用なことに、CMP操作のために必要とされる時間が低減される。金属除去操作は、困難性が低減され、これには、継続時間の低減と結びついて、金属除去操作で欠陥を与える傾向が少なくなることにつながる。
【0016】
従来技術の平滑化剤とは対照的に、本発明に従う平滑化剤は、(ポリ)アルコキシル化されていない、又は少なくとも5のアルコキシル化の低い平均度合いでアルコキシル化、又はポリアルコキシル化されている。アルコキシル化のより高い度合いは、平滑化剤中により低い窒素含有量をもたらす。如何なる理論とも結びついているわけではないが、平滑化剤中の窒素の高い含有量は、寸法がマイクトメーター又はナノメーターの機構を含む基材上に、良好な平滑化性能をもたらすと信じられている。
【0017】
好ましくは、金属イオンは、銅イオンを含む。
【0018】
好ましくは、D
1は、各繰り返し単位1〜pについて独立して、化学結合、又はC
1−C
20−アルカンジイル基から選ばれる。より好ましくは、D
1は、各繰り返し単位1〜pについて独立して、化学結合、又はC
1−C
6−アルカンジイル基から選ばれ、より好ましくは、直鎖状C3−、C4及びC5−アルカンジイルから選ばれ、最も好ましくは直鎖状ブタンジイル基から選ばれる。
【0019】
好ましくは、D
2、D
3は、独立して、直鎖状の、又は枝分かれしたC1〜C6アルカンジイルから選ばれ、より好ましくは(CH
2)
m(但し、mが、2〜6の整数、好ましくは2又は3、最も好ましくは2である)から選ばれる。最も好ましくは、D
2、D
3は、独立して、(CH
2)
2、又は(CH
2)
3から選ばれる。
【0020】
第1の好ましい実施の形態では、ポリアミノアミドは、置換されておらず、及び従ってR
1は水素である。
【0021】
第2の好ましい実施の形態では、ポリアミノアミドはN−置換されており、及びR
1が、各繰り返し単位1〜nについて、独立して、C
1−C
10−アルキル、又はC
1−C
10−アルケニルから選ばれ、これらは任意に、ヒドロキシル、アルコキシル、又はアルコキシカルボニルによって置換されていても良い。より好ましくは、R
1は水素又はC1−C3アルキルから選ばれる。
【0022】
第3の好ましい実施の形態では、ポリアミノアミドはアルコキシル化の平均度合qが5以下にアルコキシル化又はポリアルコキシル化され、及びR
1は、各繰り返し単位1〜nについて、独立して、−R
2から選ばれる。ここで使用される「アルコキシル化の平均度合」は、ポリマー単位1〜nにわたって平均されたアルコキシ基CR
11R
12−CR
13R
14−Oの数を意味し、例えば0.1という数は、ポリマー中の9個の水素原子当たり1個のアルコキシ基が存在することを意味する。
【0023】
第4の好ましい実施の形態では、ポリアミノアミドは(ポリ)アルコキシル化され、及び官能化されている。
【0024】
好ましくは、qは、0.1〜5の数、より好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.1〜2、最も好ましくは0.1〜1の数である。
【0025】
好ましくは、mは2又は3、最も好ましくは2である。
【0026】
好ましくは、nは1〜100の整数、より好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の整数、最も好ましくは1又は2である。
【0027】
好ましくは、pは2〜100の整数、より好ましくは2〜80、最も好ましくは5〜70の整数である。pは重合の度合に相当する。平均した、非−整数の数も可能である。
【0028】
通常、求核的に置き換え可能な離脱基Xは、求核的に置き換え可能な如何なる官能基であっても良い。求核的に置き換え可能な離脱基Xは、OH、アルコキシ及びハロゲン選ばれることが好ましく、OH、OCH
3、OCH
2CH
3及びClから選ばれることが最も好ましい。
【0029】
好ましいポリアミノアミドでは、R
1はR
2であり、及びR
11、R
12、R
13及びR
14が水素である。更に、R
2が少なくとも2つのアルキレンオキシドのコポリマーである場合が好ましく、特にR
2がエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーである場合が好ましい。R
2は、好ましくは、ブロック、ランダム、又は勾配構造、又はこれらの組合せを有していても良い。
【0030】
特に好ましいポリアミノアミドでは、
D
1が、化学結合、又はC
1−C
20−アルカンジイル基から選ばれ、好ましくは化学結合、又は直鎖状C
1−C
6−アルカンジイル基から選ばれ、最も好ましくは直鎖状C4−アルカンジイル基から選ばれ、
D
2、D
3が(CH
2)
m(但し、mが2又は3である)から選ばれ、好ましくは(CH
2)
2又は(CH
2)
3から選ばれ、
R
1が、メチル又はR
2から選ばれ、
R
2が、水素又は−(CR
112−CR
122−O)
q−Hから選ばれ、好ましくは水素であり、
R
11、R
12、R
13及びR
14が、それぞれ独立して、水素、C
1−C
3−アルキル、CH
2−O−アルキルから選ばれ、
E
1、E
2が、独立して、OH、アルコキシ、ハロゲン、H−{NH−[D
2−NR
1]
n−D
3−NH}又はR
2−{NR
2−[D
2−NR
1]
n−D
3−NH}から選ばれ、
nが、1又は2であり、
pが5〜70の整数であり、
qが0.1〜2の整数である。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態では、少なくとも1種のポリアミノミドは、少なくとも1種のポリアルキレンポリアミンを、少なくとも1種のジカルボン酸と反応させることによって得ることができる。特に、少なくとも1種のポリアルキレンポリアミンは、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノプロピルエチレンジアミン、エチレンプロピレントリアミン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物の群から選ばれる。特に、少なくとも1種のジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、及びテレフタル酸、イミノジアセチック酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びこれらの混合物の群から選ばれる。
【0032】
本発明の更なる実施の形態は、ここに記載したポリアミノミドを、金属含有層を堆積させるために、バス(溶液)内に使用することである。
【0033】
本発明の更なる実施の形態は、金属層を基材上に堆積させるための方法であり、これは、ここに記載したメッキ溶液を基材と接触させ、そして基材に電流を施して金属層を基材に施すことによって行われるものである。本方法は、金属、特に銅層を(マイクロメーター及び/又はマイクロメーター以下の寸法の機構を有する)基材上に堆積(沈澱)させるために特に有用である。
【0034】
その強い平滑化性能のために、本発明に従う添加剤は、平滑化剤(leveling agent)又はレベラー(leveler)とも称される。本発明に従う添加剤は、マイクロメーター以下の寸法の機構の電気メッキに、強い平滑化特性を有するが、本発明に従う添加剤の使用と性能は、その平滑化特性に限られるものではなく、そして他の金属メッキ用途に、例えば他の目的のためにシリコンビア(TSV)を通して堆積させるために有利に使用されても良い。
【0035】
ここに使用されている「機構(feature)」は、基材上の幾何学形状(geometry)、例えばトレンチ及びビア(これらに限られるものではない)を意味する。「アパーチャー(aperture)」は、埋め込まれたビア及びトレンチ等の機構を意味する。ここに使用されている「メッキ(plating)」は、(他に明確な記載がなければ)金属電気メッキを意味する。「堆積」及び「メッキ」は、本明細書に、置き換え可能に記載されている。「アルキル」という用語は、C1〜C30アルキルを意味し、及び直鎖状の、枝分れした、及び環式のアルキルを含む。「置換されたアルキル」については、アルキル基上の1個以上の水素が他の置換基、例えばシアノ、ヒドロキシ、ハロ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキルチオ、チオール、ニトロ、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)で置換されることを意味する。「置換されたアリール」については、アリール上の1個以上の水素が、1つ以上の置換基、例えばシアノ、ヒドロキシ、ハロ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキルチオ、チオール、ニトロ、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)で置換されていることを意味する。ここに使用される「アリール」は、炭素環式、及び複素環式の芳香族系、例えばフェニル、ナフチル、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)を含む。「加速剤」は、電気メッキ溶液のメッキ速度を増す有機添加剤を意味する。「加速剤(accelerator)」と「加速化剤(accelerating agent)」は、本明細書に、置き換え可能に記載されている。文献では、時として、加速剤成分は、「光沢剤(brightener)」 又は「増白剤(brightening agent)」とも呼ばれている。「抑制剤」は、電気メッキ溶液のメッキ速度を減少させる有機化合物を意味する。「抑制剤(supressor)」及び「抑制化剤(suppressing agent)」は、本明細書中に置き換え可能に記載されている。「レベラー」は、実質的に平坦な金属層を得ることができる有機化合物を意味する。「レベラー(leveler)」、「平滑化剤(leveling agent)」及び「平滑添加剤(leveling agent)」が本明細書中に置き換え可能に使用されている。ここに使用されている「アシル化」は、アシル基、例えばCH
3C(O)−による置換を意味する。ここに使用される「ポリマー」は、少なくとも2つのモノマー性単位を含む任意の化合物を意味し、すなわち、ポリマーという用語は、二量体、三量体、等、オリゴマー、及び高分子量ポリマーを含む。
【0036】
本発明は、メッキされた金属層、特にメッキされた銅層を、ナノメーター及び/又はマイクロメータースケールの機構を含む基材上に提供するもので、ここで金属層の過剰メッキ(overplating)が低減され、及び全ての機構が、実質的に(加えられた)ボイドを有せず、及び好ましくはボイドを有しないものである。「過剰メッキ」は、緻密な機構領域上の、(機構を有しない領域、又は機構が少なくとも比較的少ない領域と比較して)より厚い金属沈澱を意味する。「緻密な機構領域」は、(相互間の距離が比較的長いアパーチャーを含む比較領域よりも)隣合う機構間の距離が小さい領域を意味する。「より小さい距離」は、2マイクロメーター未満の距離、及び好ましくは1マイクロメーター未満の距離、及びより好ましくは500nm未満の距離を意味する。(機構の無い領域又は機構が比較的少ない領域のメッキ厚さと比較した場合の)緻密な機構領域のメッキ厚さのこのような差異は、「段高さ(step height)」又は「マウンディング」と称される。
【0037】
適切な基材は、電気素子(電子デバイス)、例えば集積回路の製造に使用することもできる。このような基材は、典型的には、種々のサイズの複数の機構、特にアパーチャーを含む。特に適切な基材は、ナノメーター及びマイクロメータースケールのアパーチャーを有するものである。
【0038】
本発明は、実質的に、より平滑な銅層を与え、及びナノメーター及びマイクロメータースケールの機構を(実質的に欠陥、例えばボイド(これに限られない)を形成することなく)満たすことができる1種以上の平滑化剤と、金属電気メッキ溶液、好ましくは銅電気メッキ溶液を組み合わせることによって達成される。
【0039】
適切な添加剤は、ポリアミノアミド、アルコキシル化されたポリアミノアミド、官能化されたポリアミノアミド、又は官能化されたアルコキシル化されたポリアミノアミド、又はこれらの特定の誘導体である。
【0040】
ポリアミノアミドは、そのバックボーン鎖がアミノ官能基(NH)及びアミド官能基(NH−C(O))の両方を含むポリマーとして公知である。これらは、ポリアルキレンポリアミドとジカルボン酸を、好ましくは1:0.5〜1:2のモル割合で反応させることによって得ることができる。通常、ポリアミノアミドは、直鎖状であるか又は枝分かれしている。直鎖状のポリアミノアミドが好ましい。ポリアミノアミドは、上述した式Iのポリマーであっても良い。
【0041】
ポリアルキレンポリアミドは、(少なくとも1つの第2級アミノ基で遮断された)末端アミノ官能基を有する飽和した炭化水素鎖から成る化合物を意味すると理解される。適切なポリアルキレンポリアミンは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノプロピルエチレンジアミン(=N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,2−ジアミノエタン)−、エチレンプロピレントリアミン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、及びポリエチレンイミンで、モル質量が好ましくは300〜10000、特に300〜5000のもの、及びこれらの混合物を含むが、これらに限られるものではない。3〜10個の窒素原子を有するポリ−C2−C3−アルキレンアミンが好ましい。これらの中で、特に好ましいものは、ジエチレントリアミン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、ジアミノプロピレンジアミン、及びこれらの混合物である。
【0042】
適切なジカルボン酸は、特に、2〜20個の炭素原子を有するもので、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、及びテレフタル酸、及びこれらの混合物である。同様に適切なものは、二塩基酸、例えばイミノジアセチック酸、アスパラギン酸、及びグルタミン酸である。好ましい酸は、アジピン酸、グルタル酸、アスパラギン酸、イミノジアセチック酸、及びこれらの混合物である。
【0043】
ジカルボン酸は、遊離酸の状態で、又はカルボン酸誘導体、例えば無水物、エステル、アミド又は酸ハロゲン化物、特にクロリドとして使用することができる。このような誘導体の例は、無水物、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、及び無水イタコン酸;アジピン酸ジクロリド;好ましくは、C1−C2−アルコールとのエステル、例えばジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジメチル酒石酸塩、及びジメチルイミノジアセテート;アミド、例えばアジピン酸ジアミド、アジピン酸モノアミド、及びグルタル酸ジアミドである。遊離カルボン酸又は無水カルボン酸を使用することが好ましい。
【0044】
ポリアミンの、及びジカルボン酸の重縮合は、通常、ポリアミン及びジカルボン酸を、例えば100〜250℃、好ましくは120〜200℃の温度に加熱し、そして縮合物中に形成される反応物の水を蒸留除去することによって行なわれる。上述したカルボン酸誘導体が使用される場合、縮合は上述した温度よりも低い温度で行うこともできる。ポリアミノアミドの製造は、触媒を加えることなく行うことができ、又は他に、酸性又は塩基性触媒を使用して行うことができる。適切な酸性触媒は、例えば酸、例えばルイス酸、例えば硫酸、p−トルエンスルホン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸、メタンスルホン酸、ホウ酸、アルミニウムクロリド、ボロントリフルオリド、テトラエチルオルトチタネート、二酸化スズ、スズブチルジラウレート、又はこれらの混合物である。適切な塩基性触媒は、例えば、アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、又はナトリウムエトキシド、アルカリ金属ヒドロキシド、例えばカリウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、又はリチウムヒドロキシド、アルカリ土類金属酸化物、例えばマグネシウムオキシド、又はカルシウムオキシド、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属カーボネート、例えばナトリウム、カリウム、及びカルシウムカーボネート、ホスフェート、例えばカリウムフォスフェート、及び錯体金属ヒドリド、例えばナトリウムボロヒドリドである。使用される場合、触媒は、出発材料の合計量に対して通常、0.05〜10質量%の量、好ましくは0.5〜1質量%の量で使用される。
【0045】
反応は、適切な溶媒内で、又は好ましくは溶媒を使用することなく行うことができる。溶媒が使用される場合、適切な例は、炭化水素、例えばトルエン、又はキシレン、ニトリル、例えばアセトニトリル、アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びこれらに類似するものである。溶媒は通常、反応の間に、又は反応が完了した時に蒸留除去される。蒸留は任意に、保護ガス、例えば窒素、又はアルゴン下に行うことができる。
【0046】
官能化されたポリアミノアミドは、更なる反応工程で、ポリアミノアミドから合成することができる。追加的な官能化は、ポリアミノアミドの特性を変性(変更)するように作用することができる。この目的のために、ポリアミノアミド中に存在する第2級及び第1級アミノ基が、アミノ基と反応可能な適切な薬剤を使用して変換される。これにより、官能化されたポリアミノアミドが形成される。
【0047】
ポリアミノアミド中に存在する第2級、及び第1級アミノ基は、適切なプロトン化又はアルキル化剤を使用して、プロトン化、又はアルキル化、及び/又は四級化することができる。適切なアルキル化剤の例は、活性ハロゲン原子を含む有機化合物、例えばアラルキルハロゲン化物、アルキル、アルケニル、及びアルキニルハロゲン化物、及びこれらに類似するものである。追加的に、化合物、例えばアルキルサルフェート、アルキルスルトン、エポキシド、アルキルスフィット、ジアルキルカーボネート、メチルフォルミエート、及びこれらに類似するものを使用しても良い。対応するアルキル化剤の例は、ベンジルクロリド、プロパンスルトン、ジメチルサルフェート、ジメチルスルフィット、ジメチルカーボネート、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、又はこれらに類似するものを含む。好ましくは、ジメチルサルフェート、及び/又はベンジルクロリド、特にジメチルサルフェートが使用される。
【0048】
更に、ポリアミノアミド中に存在する第2級及び第1級アミノ基の全て、又は一部を、式R
21−CO−X(但し、R
21が、C
1−C
20−アルキル、又はC
1−C
20−アルケニルを意味し、ここで、アルキル又はアルケニルは、ヒドロキシル、アルコキシ、又はアルコキシカルボニルから選ばれる置換基を1つ以上有していても良い)の化合物との反応によって官能化することができる。Xは、求核的に置き換え可能な離脱基、例えば、特にヒドロキシル、アルコキシ、アシロキシ、又はハロゲン、特に塩素である。式R
21−CO−Xの化合物は従って、式R
21−COOHのカルボン酸、又はエステル、特に無水物又はハロゲン化物、特にこれらのクロリドである。アミド化は、触媒を加えることなく、又は酸性又は塩基性触媒を使用して、通常の条件下に行うことができる。適切な触媒は、ペアレント ポリアミノアミドの製造について上述したものである。反応は適切な溶媒内で行うことができ、又は好ましくは、溶媒の不存在下に行なわれる。適切な溶媒及び反応条件は、ペアレント ポリアミノアミドの製造について上述したものである。
【0049】
上述したポリアミノアミドとカルボン酸R
21−COOH、又はこれらの誘導体とが反応する替わりに、これは、ポリアミノアミドの製造の間、早期に加えられても良い。(本発明に従い使用することができる)式R
21−カルボニルの側鎖を有するポリアミノアミドは、従って、ポリアミンとジカルボン酸及び式R
21−COOHのモノカルボン酸の重縮合によって得ることができる。ジカルボン酸又は式R
21−COOHのモノカルボン酸は、その状態で使用することができ、又は誘導体、例えば無水物、エステル、又はハロゲン化物の状態で使用することができる。
【0050】
更なる代替は、ポリアミノアミドの製造の前に、式R
21−COOHのモノカルボン酸又はこれらの誘導体を使用して、ポリアミンを部分的にアミド化し、そして次に、生成物をジカルボン酸又はこれらの誘導体と反応させて(本は杖実に従い使用することができる)式R
21−カルボニルの側鎖を有するポリアミノアミドを得ることを含む。
【0051】
(ポリマーバックボーンのアミノ窒素原子に結合し、及び存在する場合には、ポリマーの末端基のアミノ窒素原子に結合した)ポリエーテル側鎖を含む(ポリ)アルコキシル化されたポリアミノアミドは、例えばGB1218394、EP1025839、EP1192941、WO03/050219及びUS2005/0032667から公知である。(ポリ)アルコキシル化されたポリアミノアミドは、R
1の少なくとも一部が−(CR
11R
12−CR
13R
14−O)
q−H(但し、各繰り返し単位1〜qについて、R
11、R
12、R
13、及びR
14が、水素、C
1−C
10−アルキル、CH
2−O−アルキル、例えばCH
2−O−tert−Bu、又はCH
2−O−アリール、例えばCH
2−O−フェニルであり、及びqが上記に定義したものである)であるポリマーである。R
11、R
12、及びR
13は好ましくは、水素であり、及びR
14は好ましくは水素、又はメチルである。
【0052】
(ポリ)アルコキシル化されたポリアミノアミドは、ポリアミノアミドを、C
1−〜C
12−アルキレンオキシド、スチレンオキシド、又はグリシジルエステルで、(ポリ)アルコキシル化することによって得ることができる(但し(ポリ)アルコキシル化の平均度合は、第2級アミノ基当たり0.01〜10であり、及び存在する場合には、第1級アミノ基当たり0.02〜10であるという条件である)。この反応で、アルコキシル化された側鎖が、ポリアミノアミドの全て又は一部のアミノ基上に形成される。平均値qは、有用なポリアミノアミド内のアミン窒素原子に基づいてのエポキシドのモル量に従い決定される。
【0053】
C
2−〜C
12−アルキレンオキシド、スチレンオキシド、又はグリシジルエーテル、例えばグリシジルtert−ブチルエーテルを使用することが可能である。対応するアルキレンオキシドの例は、エチレンオキシド、及びプロピレンオキシド、及び1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ペンテンオキシド、デセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、又はスチレンオキシドを含む。
【0054】
エチレンオキシド、及び/又はプロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシドを使用することが好ましい。高級アルキレンオキシドが通常、(たいていは、特性を微調整するために少量で)使用される。通常、エチレンオキシド、及び/又はプロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシドの量は、使用される全てのアルキレンオキシドの合計に対して、少なくとも80質量%、好ましくは95質量%、及びより好ましくは95質量%である。アルコキシル化の度合は、第2級アミノ基(secondary amino group)当たり、通常約0.01〜約5個、好ましくは約0.1〜5個、より好ましくは約0.1〜約3個、最も好ましくは約0.1〜約2個、及び例えば0.1〜1個のオキシアルキレン単位である。末端第1級アミノ基当たりのアルコキシル化の平均度合は、約0.02〜約10個、好ましくは約0.2〜約10個、より好ましくは約0.2〜約6個、最も好ましくは約0.2〜約4個、及び例えば0.2〜2個のオキシアルキレン単位である。
【0055】
2種以上の異なるアルキレンオキシドが使用される場合、形成されるポリオキシアルキレンは、ランダムコポリマー、勾配コポリマー、ブロックコポリマー、又は交互コポリマーであっても良い。アルキレンオキシド単位の合成は、この技術分野の当業者にとって公知である。包括的な詳細が、例えば“Polyoxyalkylenes” in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,6
th Edition,Electric Releaseに記載されている。
【0056】
qが約0.01〜約1の場合、アルコキシル化を、触媒として使用される水の存在下に行うことが好ましい。qが1を超える場合については、アルコキシル化を、通常の塩基性触媒、例えばアルカリ金属ヒドロキシド、好ましくはカリウムヒドロキシド、又はアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、又はカリウムtert−ブチレートの存在下に行うことが好ましい。更に、二重金属シアニド触媒(DMC触媒)を使用することができる。適切なDMC触媒は、例えばDE10243361A1、特に段落[0029]〜[0041]、及びここに引用された文献に開示されている。アルコキシル化は、圧力反応器内で、40〜250℃、好ましくは80〜200℃、及びより好ましくは100〜150℃で、原則として公知の態様で行うことができる。アルキレンオキシドを正確に計量して加えるために、アルコキシル化の前に、ポリアミノアミドの(第2級)アミン基の数を決定することが推奨される。
【0057】
(ポリ)アルコキシル化されたポリアミノアミドは任意に、更なる反応工程で官能化することができる。追加的な官能化は、アルコキシル化されたポリアミノアミドの特性を変性するように作用することができる。この目的のために、アルコキシル化されたポリアミノアミド内に存在する、ヒドロキシル基、及び/又はアミノ基が、(ヒドロキシル基及び/又はアミノ基と反応可能な)適切な薬剤を使用して変換される。これにより、官能化された、アルコキシル化されたポリアミノアミドが形成される。
【0058】
例えば、アルコキシル化されたポリアミノアミド内に存在するアミノ基は、適切なアルキル化剤を使用してプロトン化又は官能化することができる。適切なアルキル化剤の例は、活性ハロゲン原子を含む有機化合物、例えばアラルキルハロゲン化物、アルキル、アルケニル、及びアルキニルハロゲン化物、及これらに類似するものである。追加的に、アルキルサルフェート、アルキルスルトン、エポキシド、アルキルスルフィット、ジアルキルカーボネート、メチルフォルミエート、及びこれらに類似するもの等の化合物も使用しても良い。対応するアルキル化剤は、ベンジルクロリド、プロパンスルトン、ジメチルサルフェート、ジメチルスルフィット、ジメチルカーボネート、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、又はこれらに類似するものを含む。ジメチルサルフェート、及び/又はベンジルクロリドを使用することが好ましい。
【0059】
アルコキシル化されたポリアミノアミドの末端ヒドロキシ基は、一般式−(アルコキシ)q−Y(但し、Xが任意の所望する基である)の基を形成する、誘導体化のための適切な反応物質と反応することができる。官能化のタイプは、所望の最終用途に依存する。官能化剤に従い、鎖末端は、疎水化することができ、又はより強く親水性化することができる。
【0060】
末端ヒドロキシル基は、例えば、硫酸又はこの誘導体を使用して、末端硫酸基を有する生成物を形成するようにエステル化することができる。同様にして、末端リン基を有する生成物を、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、POCl
3又はP
4O
10を使用して得ることができる。
【0061】
更に、一般式−(アルコキシ)
n−O−R
7(但し、R
7が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、又はアリール基である)の、末端エーテル化したポリアルコキシ基を形成するように、末端OH基をエーテル化しても良い。
【0062】
この技術分野の当業者にとって、1種を超える離脱基を使用しても良いことが理解される。2種以上の離脱基が使用される場合、少なくとも1種の離脱基は、ポリアミノアミド、又はここに記載されたようなこれらの誘導体である。メッキ組成物中に、ポリアミノアミド離脱剤を1種類のみ使用することが好ましい。
【0063】
適切な追加的な平滑化剤は、1種以上のポリアルカノールアミン、及びこれらの誘導体、ポリエチレンイミン、及びこれらの誘導体、四級化されたポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリ(アリルアミン)、ポリアニリン、ポリウレア、ポリアクリルアミド、ポリ(メラミン−コ−ホルムアルデヒド)、アミンとエピクロロヒドリンの反応生成物、アミン、エピクロロヒドリン及びポリアルキレンの反応生成物、アミンとポリエポキシド、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピロリドンの反応生成物、又はこれらのコポリマー、ニグロシン、ペンタメチル−パラ−ロザニリンヒドロハライド、ヘキサメチル−パラロザニリンヒドロハライド、又は式N−R−S(但し、Rは、置換されたアルキル、無置換のアルキル、置換されたアリール、又は無置換のアリールである)の官能基を含む化合物を含むが、これらに限られるものではない。典型的には、アルキル基は、(C1−C6)アルキルであり、及び好ましくは(C1−C4)アルキルである。通常、アリール基は、(C6−C20)アリール、好ましくは(C6−C10)アリールを含む。このようなアリール基は更に、ヘテロ原子、例えば硫黄、窒素、及び酸素を含んでも良い。アリール基がフェニル又はナフチルであることが好ましい。式N−R−Sの官能基を含む化合物は公知であり、市販されており、そして更なる精製を行うことなく使用しても良い。更なる平滑化剤は、ここに記載されているようなTriethanol凝縮物である。
【0064】
N−R−S官能基を含むこのような化合物中で、硫黄(「S」)及び/又は窒素(「N」)が、単又は二重結合で、このような化合物に結合されていても良い。硫黄がこのような化合物に、単結合で結合している場合、硫黄は別の置換基、例えば水素、(C1−C12)アルキル、(C2−C12)アルケニル、(C6−C20)アリール、(C1−C12)アルキルチオ、(C2−C12)アルケニルチオ、(C6−C20)アリールチオ、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)を有し得る。同様に、窒素は、1つ以上の置換基、例えば水素、(C1−C12)アルキル、(C2−C12)アルケニル、(C7−C10)アリール、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)を有し得る。N−R−S官能基は、非環式、又は環式であって良い。環式N−R−S官能基を含む化合物は、窒素、又は硫黄、又は窒素と硫黄の両方を環系中に有するものを含む。電気メッキ溶液中の平滑化剤の合計量は、メッキ溶液(plating bath)の合計質量に対して、通常、0.5ppm〜10000ppmである。本発明に従う平滑化剤は、メッキ溶液の合計質量に対して、典型的には、約0.1ppm〜約1000ppmの量で使用され、及びより典型的には、1〜100ppmの量で使用されるが、これを超える量で、又はこれ未満の量で使用されても良い。本発明に従う電気メッキ溶液は、1種以上の任意の添加剤を含んでも良い。このような任意の添加剤は、加速剤、抑制剤、界面活性剤、及びこれらに類似するものを含むがこれらに限定されるものではない。このような抑制剤及び加速剤は、通常この技術分野では公知である。この技術分野の当業者にとって、抑制剤及び/又は加速剤のどれを使用するか、及びその使用量は明確なものである。
【0065】
Cuメッキされた金属の、所望の表面仕上げを得るために、非常に多様な種々の添加剤も、典型的には使用されて良い。通常、1種以上の添加剤(各添加剤は所望の機能を形成する)が使用される。電気メッキ溶液は、1種以上の加速剤、抑制剤、ハロゲン化物イオンの供給源、結晶成長抑制剤、及びこれらの混合物を含むことが有利であっても良い。最も好ましくは、電気メッキ溶液は、本発明に従う平滑化剤の他に、加速剤と抑制剤の両方を含む。他の添加剤も、本電気メッキ溶液中に適切に使用して良い。
【0066】
本発明には、任意の加速剤が有利に使用されて良い。本発明に有用な加速剤は、1個以上の硫黄原子を含む化合物、及びスルホン/ホスホン酸、又はその塩を含むが、これらに限られるものではない。
【0067】
通常好ましい加速剤は、一般構造M
AO
3X
A−R
A1−(S)
a−R
A2、
(但し、
−M
Aが、水素、又はアルカリ金属(好ましくはNa又はK)であり、
−X
Aが、P又はSであり、
−a=1〜6であり、
−R
A1が、C1−C8アルキル基、又はヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロ芳香族基から選ばれ(ヘテロアルキル基は、1個以上のヘテロ原子(N、S、O)及び1〜12個の炭素を有し得る。炭素環式のアリール基は、典型的には、アリール基、例えば、フェニル、ナフチルである。ヘテロ芳香族基も適切なアリール基であり、及び1個以上のN、O、又はS原子及び1〜3個の分かれた、又は融合(fused)した環を含む。)、
−R
A2が、H又は(−S−R
A1’XO
3M)から選ばれ、ここで、R
A1’はR
A1と同一であるか、又は異なるものである)
を有する。
【0068】
より特定的には、有用な加速剤は、以下の式のものである:
X
AO
3S−R
A1−SH
X
AO
3S−R
A1−S−S−R
A1’−SO
3X
A
X
AO
3S−Ar−S−S−Ar−SO
3X
A
ここで、R
A1は、上記に定義したもので、及びArはアリールである。
【0069】
特に好ましい加速化剤は:
−SPS:ビス−(3−スルホプロピル)−ジスルフィドジナトリウム塩
−MPS:3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、ナトリウム塩
である。
【0070】
単独で又は混合物中に使用される加速剤の他の例は:MES(2−メルカプトエタンスルホン酸、ナトリウム塩);DPS(N,N−ジメチルジチオカルバミン酸(3−スルフォプロピルエステル)、ナトリウム塩);UPS(3−[(アミノ−イミノメチル)−チオ]−1−プロピルスルホン酸);ZPS(3−(2−ベンズチアゾリチオ)−1−プロパンスルホン酸、ナトリウム塩);3−メルカプト−ポリスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル;メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、ジナトリウム塩;メチル−(ω−スルホプロピル)−トリスルフィド、ジナトリウム塩を含むがこれらに限られるものではない。
【0071】
このような加速剤は、典型的には、メッキ溶液の合計質量に対して約0.1ppm〜約3000ppmの範囲の量で使用される。本発明に有用な加速剤の特に適切な量は、1〜500ppm、及びより特定的には2〜100ppmである。
【0072】
任意の抑制剤が本発明に有利に使用されて良い。本発明で有用な抑制剤は、ポリマー性材料、特にヘテロ原子置換、及びより特定的には酸素置換を有するものを含むが、これらに限られるものではない。抑制剤は、ポリアルキレンオキシドであることが好ましい。適切な抑制剤は、ポリエチレングリコールコポリマー、特にポリエチレングリコールポリプロピレングリコールコポリマーを含む。適切な抑制剤のエチレンオキシドとプロピレンオキシドの配列は、ブロック、勾配(グラディエント)、又はランダムであっても良い。ポリアルキレングリコールは、更なるアルキレンオキシド形成ブロック、例えばブチレンオキシドを含んでも良い。好ましくは、適切な抑制剤の平均分子量は、約2000g/モルを超える。適切なポリアルキレングリコールの出発分子は、アルキルアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、及びこれらに類似するもの、アリールアルコール、例えばフェノール、及びビスフェノール、アルクアリールアルコール、例えばベンジルアルコール、ポリオール開始剤、例えばグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリチリトール、ソルビトール、カルボヒドレート、例えばサッカロース、及びこれらに類似するもの、アミン及びオリゴアミン、例えばアルキルアミン、アリールアミン、例えばアニリン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、及びこれらに類似するもの、アミド、ラクタム、複素環式アミン、例えばイミダゾール及びカルボン酸であっても良い。任意に、ポリアルキレングリコール抑制剤が、イオン性基、例えばサルフェート、スルホン酸塩、アンモニウム、及びこれらに類似するもので官能化されても良い。
【0073】
本発明に従うレベラーと組合せた、特に有用な抑制剤は:
(a)少なくとも3つの活性アミノ官能基を含むアミノ化合物を、ヨーロッパ特許出願No.9157540.7に記載されているような、エチレンオキシドと、C3及びC4アルキレンオキシドから選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物と反応させることによって得られる抑制剤。
【0074】
好ましくは、アミノ化合物は、ジエチレントリアミン、3−(2−エミノエチル)アミノプロピルアミン、3,3’−イミノジ(プロピルアミン)、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、トリエチレンテトラアミン、及びN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンから選ばれる。
【0075】
(b)活性アミノ官能性基を含むアミノ化合物を、エチレンオキシドと、C3及びC4アルキレンオキシドから選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物と反応させることによって得られる抑制剤で、該抑制剤は、分子量M
wが、6000g/モル以上であり、ヨーロッパ特許出願No.09157542.3に記載されているように、エチレンC3及び/又はC4アルキレンランダムコポリマーを形成している。
【0076】
(c)少なくとも3つの活性アミノ官能基を含むアミノ化合物を、エチレンオキシド及びC3及びC4アルキレンオキシドから選ばれる少なくとも1種の化合物と、混合物から、又は順次に反応させることによって得られる抑制剤で、該抑制剤は、ヨーロッパ特許出願No.09157543.1に記載されているように、分子量M
wが、6000g/モル以上である。
【0077】
好ましくは、アミン化合物は、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ネオペンタンジアミン、イソホロンジアミン、4,9−ジオキサデカン−1,12−ジアミン、4,7,10−トリオキシアトリデカン−1,13−ジアミン、トリエチレングリコールジアミン、トリエチレントリアミン、(3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、3,3’−イミノジ(プロピルアミン)、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、トリエチレンテトラアミン、及びN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンから選ばれる。
【0080】
(但し、ヨーロッパ特許出願No.09005106.1に記載されているように、
R
S1基は、それぞれ独立して、エチレンオキシド及び少なくとも1種の更なるC3〜C4アルキレンオキシドのコポリマーから選ばれ、該コポリマーは、ランダムコポリマーであり、
R
S2基は、それぞれ独立して、R
S1又はアルキルから選ばれ、
X
S及びY
Sは、独立してスペーサー基であり、及び
X
Sは、各繰り返し単位について独立して、C2〜C6アルキレン、及びZ
S−(O−Z
S)
tから選ばれ、ここでZ
S基は、それぞれ独立して、C2〜C6アルキレンから選ばれ、
sは、0以上の整数であり、及び
tは、1以上の整数である)
の化合物から選ばれる抑制剤。
【0081】
好ましくは、スペーサー基X
S及びY
Sは、独立して、そしてX
Sは、各繰り返し単位について独立して、C2〜C4アルキレンから選ばれる。最も好ましくは、X
S及びY
Sは、独立して、そしてX
Sは、各繰り返し単位について独立して、エチレン(−C
2H
4−)又はプロピレン(−C
3H
6−)から選ばれる。
【0082】
好ましくは、Z
Sは、C2〜C4アルキレンから選ばれ、最も好ましくは、エチレン又はプロピレンから選ばれる。
【0083】
好ましくは、sは、1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3の整数である。tは、好ましくは1〜10の整数、より好ましくは1〜5の整数、最も好ましくは1〜3の整数である。
【0084】
他の好ましい実施の形態では、C3〜C4アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド(PO)から選ばれる。この場合、EO/POコポリマー側鎖は、活性アミノ官能基から出発して生成される。
【0085】
エチレンオキシドのコポリマー中のエチレンオキシド、及び更なるC3〜C4アルキレンオキシドの含有量は、通常、約5質量%〜約95質量%、好ましくは約30質量%〜約70質量%、特に好ましくは約35質量%〜約65質量%の間であることができる。
【0086】
式(S1)の化合物は、アミン化合物を、1種以上のアルキレンオキシドと反応させることによって製造される。好ましくは、アミン化合物は、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ネオペンタンジアミン、イソホロンジアミン、4,9−ジオキサデカン−1,12−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、トリエチレングリコールジアミン、ジエチレントリアミン、(3−(2−アミノエチル)アミノ)プロピルアミン、3,3’−イミノジ(プロピルアミン)、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、トリエチレンテトラアミン、及びN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンから選ばれる。
【0087】
式S1の抑制剤の分子量M
wは、約500g/モル〜約30000g/モルの間であって良い。分子量M
wは、好ましくは約6000g/モル以上、好ましくは約6000g/モル〜約20000g/モル、より好ましくは約7000g/モル〜約19000g/モル、及び最も好ましくは約9000g/モル〜約18000g/モルである。抑制剤中のアルキレンオキシド単位の好ましい合計量は、約120〜360であって良く、好ましくは約140〜約340、最も好ましくは約180〜300であって良い。
【0088】
抑制剤中のアルキレンオキシドの典型的な合計量は、約110エチレンオキシド単位(EO)、及び10プロピレンオキシド単位(PO)、約100EO及び20PO、約90EO及び30PO、約80EO及び40PO、約70EO及び50PO、約60EO及び60PO、約50EO及び70PO、約40EO及び80PO、約30EO及び90PO、約100EO及び10ブチレンオキシド(BuO)単位、約90EO及び20BO、約80EO及び30BO、約70EO及び40BO、約60EO及び50BO、又は約40EO及び60BO〜約330EO及び30PO単位、約300EO及び60PO、約270EO及び90PO、約240EO及び120PO、約210EO及び150PO、約180EO及び180PO、約150EO及び210PO、約120EO及び240PO、約90EO及び270PO、約300EO及び30ブチレンオキシド(BuO)単位、約270EO及び60BO、約240EO及び90BO、約210EO及び120BO、約180EO及び150BO、又は約120EO及び180BOであっても良い。
【0089】
(e)US Provisional Application No.61/229803に記載されているような、式(S2)X
S(OH)
uの少なくとも1種のポリアルコールから、少なくとも1種のアルキレンオキシドとの(ポリポリアルキレン側鎖含む多価アルコール縮合物を形成する)縮合によって誘導される多価アルコール縮合化合物(ここで、uは3〜6の整数であり、及びX
Sは、3〜10個の炭素原子を有し、置換されても良く、又は置換されていなくても良い、u−価の直鎖状の、又は枝分かれした脂肪族、又は脂環式基である)を反応させることによって得られる抑制剤。
【0090】
好ましいポリルコール縮合物は以下の式
【0092】
(但し、
Y
Sが、1〜10個の炭素原子を有し、置換されていても良く、又は置換されていなくても良い、u−価の直鎖状の、又は枝分れした脂肪族、又は脂環式基であり、
aが、2〜50の整数であり、
bが、各ポリマーアームuについて同一であっても良く、又は同一でなくても良い、及び1〜30の整数であり、
cが、2〜3の整数であり、及び
nが、1〜6の整数である)
の化合物から選ばれる。最も好ましいポリアルコールは、グリセロール縮合物、及び/又はペンタエリチリトール縮合物である。
【0093】
(f)少なくとも5つのヒドロキシル官能基を含む多価アルコールと、少なくとも1種のアルキレンオキシドを反応させて、(US Provisional Application No.61/229809に記載されているような)ポリオキシアルキレン側鎖を含む多価アルコールを形成することによって得られる抑制剤。好ましいポリアルコールは、式(S3a)又は(S3b)
HOCH
2−(CHOH)
v−CH
2OH (S3a)
(CHOH)
w (S3b)
(但し、
vが、3〜8の整数であり、及び
wが、5〜10の整数である)
によって表される直鎖状、又は環式のモノサッカリドアルコールである。最も好ましくは、モノサッカリドアルコールは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、リビトール及びイノシトールである。
【0094】
更に好ましいポリアルコールは、式(S4a)又は(S4b)
CHO−(CHOH)
x−CH
2OH (S4a)
CH
2OH−(CHOH
y−CO−(CHOH)
z−CH
2OH (S3b)
(但し、
xが4〜5の整数であり、及び
y、zが整数で、及びy+zが3又は4である)
のモノサッカリドである。最も好ましいモノサッカリドアルコールは、アルドースアロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、アイドース、マノース、タロース、グルコヘプトース、マノヘプトース、又はケトースフルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マノヘプトウロース、セドヘプトウロース、タロヘプトウロース、アロヘプトウロースから選ばれる。
【0095】
これらは特に効果的で、強い抑制剤であり、銅種が非等角状態であるにも関らず、種(seed)がオーバーハングする問題を処理し、そして実質的に欠陥のないトレンチ(溝)の充填を与えるものである。
【0096】
抑制剤が使用される場合、これらは典型的には、溶液(バス)の質量に対して、約1〜約10000ppmの範囲の量、及び好ましくは約5〜約10000ppmの範囲の量で存在する。
【0097】
金属イオン供給源は、金属イオンを放出して電気メッキ溶液内に十分な量で堆積(沈澱)させることができる任意の化合物であって良く、すなわち、金属イオン供給源は、少なくとも部分的に電気メッキ溶液内に溶解するものである。金属イオン供給源は、メッキ溶液中に溶解するものであることが好ましい。適切な金属イオン供給源は、金属塩で、及び金属サルフェート、ハロゲン化金属、金属アセテート、金属ニトレート、金属フルオロボレート、金属アルキルスルホネート、金属アリールスルホネート、金属スルファメート、金属グルコネート、及びこれらに類似するものであるが、これらに限られるものではない。金属が銅であることが好ましい。更に、金属イオンの供給源が、銅サルフェート、銅クロリド、銅アセテート、銅シトレート、銅ニトレート、銅フルオロボレート、銅メタンスルホネート、銅フェニルスルホネート、及び銅p−トルエンスルホネートであることが好ましい。銅サルフェートペンタヒドレート及び銅メタンスルホネートが特に好ましい。このような金属塩は、通常、市販されており、そして更なる精製を行うことなく使用しても良いものである。
【0098】
金属電気メッキの他に、組成物を金属含有層の無電解沈澱(無電解析出)に使用しても良い。この組成物は、Ni、Co、Mo、W及び/又はReを含むバリヤ層の堆積に特に使用されて良い。この場合、金属イオンの他に、III及びV族の更なる元素、特にB及びPが無電解沈殿のための組成物中に存在していても良く、従って金属と一緒に共沈殿(共析出)しても良い。
【0099】
金属イオン源は、電気メッキのために十分な金属イオンを基材上に与える任意の量で、本発明に使用して良い。適切な金属イオン金属源は、スズ塩、銅塩、及びこれらに類似するものである。金属が銅の場合、銅塩は、典型的には、メッキ溶液中に約1〜約300g/l(メッキ溶液)の範囲の量で存在する。金属塩の混合物は、本発明に従い電気メッキされて良いと理解される。従って、合金、例えばスズが約2質量%以下の銅−スズが、本発明に従い有利にメッキされて良い。このような混合物中の各金属塩の量は、メッキされる特定の合金に依存し、そしてこの技術分野の当業者にとって公知である。
【0100】
通常、金属イオン源及び(更にポリアルカノールアミンと称される)少なくとも1種の平滑化剤(S2)〜(S4)の他に、本金属電気メッキ組成物は、好ましくは、電解質、即ち酸性又はアルカリ性の電解質、1種以上の金属イオン供給源、任意にハロゲン化物イオン、及び任意に他の添加剤、例えば加速剤、及び/又は抑制剤を含むことが好ましい。このような溶液(バス)は、代表例では水性である。水は、広い範囲の量で存在して良い。任意の種類の水、例えば蒸留した水、イオン除去した水又は水道水を使用して良い。
【0101】
本発明の電気メッキ溶液は、成分を任意の順序で組合せて製造しても良い。無機成分、例えば金属塩、水、電解質、及び任意のハロゲン化物イオン源が、最初に溶液容器に加えられ、次に有機成分、例えば平滑化剤、加速剤、抑制剤、界面活性剤、及びこれらに類似するものが加えられることが好ましい。
【0102】
典型的には、本発明のメッキ溶液は、10〜65℃、又はこれ以上の任意の温度で使用しても良い。メッキ溶液の温度は、10〜35℃の範囲が好ましく、及び15〜30℃の範囲がより好ましい。
【0103】
適切な電解質は、例えば、硫酸、酢酸、ホウフッ化水素酸、アルキルスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばフェニルスルホン酸、及びトルエンスルホン酸、スルファミン酸、塩酸、リン酸、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらに類似するものを含むが、これらに限定されるものではない。酸は、典型的には、約1〜約300g/Lの範囲の量、アルカリ性電解質は、典型的には、約0.1〜約20g/Lの範囲の量、又は8〜13のpH、及びより典型的には9〜12のpHを生成する量で存在する。
【0104】
このような電解質は、任意に、ハロゲン化物イオン、例えば(塩化銅又は塩酸中のものとして)クロリドイオンを含んでも良い。本発明では、ハロゲン化物イオンの濃度は、広い範囲で使用することができ、例えば約0〜約500ppmの範囲で使用可能である。代表例では、ハロゲン化物イオン濃度は、メッキ溶液に対して、約10〜約100ppmの範囲である。電解質が、硫酸又はメタンスルホン酸であることが好ましく、及び硫酸又はメタンスルホン酸及び塩化物イオン供給源の混合物であることが好ましい。本発明で有用な酸及びハロゲン化物イオンの供給源は、通常、市販されており、そして更に精製することなく使用しても良い。
【0105】
半導体集積回路基材の上での銅の電気沈殿(電気堆積)の通常の方法を、
図1及び2について説明する(本発明はこれらに限られるものではない)。
【0106】
図1aは、銅層2aでシード(種付け)された誘電対基材1を示す。
図1bについて、銅層2’が、電気沈澱によって誘電体基材1の上に堆積されている。基材1のトレンチ2cが満たされ、そして「過積載(overburden)」とも称される、銅2bの過メッキが、全体が構造化された基材の頂部に形成されている。工程の間、任意の焼なましの後、銅2bの過積載が、(
図1cに示したように)化学的、機械的平坦化(CMP)によって除去される。
【0107】
平滑化剤の効果は、通常、
図2a及び2bについて記載される。平滑化剤なしでは、沈澱は、1よりもかなり大きい高割合a/b、いわゆるマウンディングをもたらす。これに対して、目的は、割合a/bを、可能な限り1に近い値に低減することである。
【0108】
本発明の特定の有利な点は、過メッキ、特にマウンディングが低減されるか、又は実質的に除去されることである。このような過メッキの低減は、次の化学的、機械的な平滑化(CMP)工程の間、特に半導体の製造で、銅等の金属の除去に費やされる時間と労力が少なくなることを意味する。本発明の更なる有利な点は、広い範囲のアパーチャーサイズが、単一の基材内で満たされ、a/bの割合が1.5以下、好ましくは1.2以下、最も好ましくは1.1以下の実質的に均一な表面が得られることである。従って、本発明は、0.01マイクロメーター〜100マイクロメーター等の、又はそれ以上の種々のアパーチャーサイズを有する基材中のアパーチャーを均一に満たすのに特に適切である。
【0109】
本平滑化効果の更なる重用な有利な点は、後−堆積処置(沈澱後処理)で、除去するべき材料が少なくなるということである。例えば、化学的、機械的平滑化(CMP)が、下部に位置する機構を露呈する(表す)のに使用される。本発明の体積の平滑さ(平らさ)が増すと、堆積する必要のある金属の量が低減することになり、従って後のCMPによる除去量が少なくなる。廃棄される金属の量が低減され、より重要なことには、CMP操作のために必要とされる時間が低減される。金属除去処理は、継続時間の短縮と結びついて緩和され、材料除去処理で欠陥を与える傾向が低減される。
【0110】
本発明に従い、金属、特に銅がアパーチャー内に(堆積した金属内に実質的にボイドを形成することなく)堆積される。「実質的にボイドを形成することなく」という用語について、該用語は、メッキされたアパーチャーの95%がボイドを有しないことを意味する。メッキされたアパーチャーがボイドフリーであること(ボイドを有しないこと)が好ましい。
【0111】
典型的には、基材は、該基材を本発明のメッキ溶液(plating bath)と接触させることによって電気メッキされる。基材は、典型的には、カソードとして機能する。メッキ溶液は、溶解性又は非溶解性であって良いアノードを含む。任意に、カソード及びアノードは、膜によって分離されても良い。代表例では、カソードに電位が施される。十分な電流密度が施され、そしてメッキが、所望の厚さを有する銅層等の金属層が基材上に堆積するのに十分な期間で行われる。適切な電流密度は、1〜250mA/cm
2を含むが、これらに限られるものではない。集積回路の製造で銅を堆積させるために使用される場合、代表例では、電流密度は、1〜60mA/cm
2の範囲である。特定の電流密度がメッキされる基材、選択される平滑化剤、及びこれらに類似するいものに依存する。このような電流密度の選択は、この技術分野の当業者の能力の範囲内である。施された電流は、直流(DC)、パルス電流(PC)、パルスリバース電流(PRC)又は他の適切な電流であって良い。
【0112】
通常、本発明が金属を、集積回路の製造で使用されるウエハー等の基材上に堆積させるために使用される場合、メッキ溶液は使用の間、攪拌される。適切な任意の攪拌法が本発明に使用されて良く、そしてこのような方法は、この技術分野では公知である。適切な攪拌法は、不活性ガス又は空気散布、ワークピース攪拌、衝撃、及びこれらに類似するものを含むが、これらに限られるものではない。このような方法は、この技術分野の当業者にとって公知である。本発明が集積回路基材、例えばウエハーをメッキするために使用される場合、ウエハーを、例えば1〜150RPMで回転させても良く、そしてメッキ溶液を回転するウエハーに、例えばポンプ供給又はスプレーによって接触させて良い。メッキ溶液の流れが所望の金属堆積を与えるのに十分な場合、この替わりに、ウエハーを回転させる必要はない。
【0113】
本発明に従い、金属、特に銅がアパーチャー内に(堆積した金属内に実質的にボイドを形成することなく)堆積される。「実質的にボイドを形成することなく」という用語について、該用語は、メッキされたアパーチャーの95%がボイドを有しないことを意味する。メッキされたアパーチャーがボイドフリーであること(ボイドを有しないこと)が好ましい。本発明の方法は、概して半導体の製造について記載されているが、高い反射力(reflectivity)を有する、実質的に平滑な又は平坦な銅堆積が所望される場合、及び過メッキの低減と、実質的にボイドを有しない、金属で満たされた小機構が所望される場合、本発明は、任意の電解法に有用であって良いと理解される。このような方法(工程)は、プリント配線板の製造を含む。例えば、本メッキ溶液は、プリント配線基板上のビア、パッド、又はトレースのメッキ、及びウエハー上のバンプメッキ(bump plating)のために有用であって良い。他の適切な方法は、梱包体及び相互接続物の製造を含む。従って、適切な基材は、リードフレーム、相互接続体、プリント配線基板、及びこれらに類似するものを含む。
【0114】
半導体基材をメッキするためのメッキ設備は公知である。メッキ設備は、Cu電解質を蓄え、及びプラスチック又は電解メッキ溶液に対して不活性な他の材料で形成された電気メッキタンクを含む。タンクは、特にウエハーメッキのために、シリンダー状であっても良い。カソードは、タンクの上側部分に水平に配置され、そして任意のタイプの基材、例えばトレンチやビア等の開口部を有するシリコンウエハーであって良い。ウエハー基材は、代表例では、Cu又は他の金属のシード層で被覆され、その上にメッキが開始される。Cuシード層は、化学的な蒸着(CVD)、物理的な蒸着(PVD)、又はこれらに類似するものによって施されても良い。ウエハーメッキのために、アノードは円形であり、及びアノードとカソードの間に空間を形成するタンクの下側部分に水平に配置されることが好ましい。アノードは、典型的には、溶解性アノードである。
【0115】
これらの溶液添加剤は、種々の工具製造によって発展した膜技術と組み合わせることが有用である。この系内では、アノードは、膜によって、有機溶液添加剤から分離(隔離)されても良い。アノードと有機溶液添加剤を分離する目的は、有機溶液添加剤の酸化を最小限にすることである。
【0116】
カソード基材及びアノードは、配線によって結合され、及びそれぞれ整流器(電源)に結合される。直流又はパルス流のためのカソード基材は、ネットネガティブチャージを有しており、溶液中のCuイオンがカソード基材で還元され、カーソード表面にメッキされたCu金属を形成する。アノードで酸化反応が起こる。カソードとアノードは、タンク内で、水平に、又は垂直に配置されても良い。
【0117】
本発明は、金属層、特に銅層を、種々の基材、特に種々のサイズのアパーチャーを有するもの上に堆積させるのに有用である。例えば、本発明は、(小さなビア、トレンチ、又は他のアパーチャーを有する)集積回路基板、例えば半導体デバイス上に、銅を堆積させるのに特に適切である。一実施の形態では半導体デバイスが、本発明に従いメッキされる。このような半導体デバイスは、集積回路の製造に使用されるウエハーを含むが、これらに限られるものではない。
【0118】
本発明の方法は、概して半導体の製造について記載されているが、高い反射力(reflectivity)を有する、実質的に平滑な又は平坦な銅堆積が所望される場合、本発明は、任意の電解法に有用であって良いと理解される。従って、適切な基材は、リードフレーム、相互接続体、プリント配線基板、及びこれらに類似するものを含む。
【0119】
全てのパーセント、ppm、又は類似の値は、他に記載が無ければ、対応する組成物の合計質量に対する質量を示す。全ての引用文献は、これによりここに導入される。
【0120】
以下に実施例を使用して本発明を(本発明の範囲を限定することなく)説明する。
【実施例】
【0121】
DIN53176に従い、酢酸中のポリマーの溶液を過塩素酸を使用して滴定することにより、アミン価を決定(測定)した。
【0122】
DIN53402に従い、水中のポリマーの溶液を、水酸化ナトリウム水溶液を使用して滴定することにより、酸価を決定(測定)した。
【0123】
溶離剤としての0.05%カリウムトリフルオロアセテートを含むヘキサフルオロイソプロパノール、固定相としてのヘキサフルオロイソプロパノール−充填(HFIP)ゲルカラム、及び分子量の決定のためのポリメチルメタクリレート(PMMA)スタンダードを使用して、サイズ排除クロマトグラフィーによって、分子量(M
w)を決定した。
【0124】
実施例1
ジエチレントリアミン(1.00kg、9.69モル)を、4l装置に導入し、そして一定の窒素流下に攪拌した。水(250g)を加え、温度が54℃まで上昇した。この溶液を60℃に加熱し、そしてアジピン酸を30分間にわたり部分に分けて加えた。この期間の間、温度は112℃にまで上昇した。次に反応混合物を1時間、120℃で攪拌し、色がオレンジ色になった。次に、温度を180℃に上昇させ、そして水及び少量(トレース)のジエチレントリアミンを、3時間にわたり蒸留除去した。次に窒素流を強め、残っている少量の水を除去した。得られた蒸留液(594g)は、アミン価が0.485mmol/gで、蒸留液中に9.9gのジエチレントリアミン含有量を示した。加熱を止め、そして温度が160℃になった時点で、水(755g)を徐々に加え、温度が106℃にまで下降した。室温にまで冷却した後、水(419g)を再度加え、ポリアミノアミド(3165g)のイエロー−グリーン溶液が得られた。ポリアミノアミドのこの水溶液は、(Karl−Fischer−滴定に従い)水の含有量が33.3%であり、アミン価が3.58mmol/gであり、そして酸価が0.13mmol/gであった。ゲル浸透クロマトグラフィーでは、平均分子量がM
w=28000g/mol、及びM
w/M
nの多分散性=2.3であった。
【0125】
実施例2
実施例1からのポリアミノアミドの水溶液(1.00kg;Karl−Fischer−滴定による水の含有量:33.3%)を、2lのオートクレーブ内に配置し、そして2バールで窒素下に、110℃に加熱した。エチレンオキシド(158g、3.58mol)を110℃で、2時間にわたり、部分に分けて加えた。反応を完了させるために、混合物を一晩、後反応させた。この反応混合物を、窒素でストリップした。アルコキシル化したポリアミノアミドが水溶液として得られ、水の含有量が、31.2%、及びアミン価が3.2mmol/gであった。
【0126】
実施例3
実施例1からのポリアミノアミドの水溶液(1.04kg;Karl−Fischer−滴定による水の含有量:33.3%)を、2lのオートクレーブ内に配置し、そして2バールで窒素下に、110℃に加熱した。プロピレンオキシド(216g、3.72mol)を110℃で、3時間にわたり、部分に分けて加えた。反応を完了させるために、混合物を一晩、後反応させた。この反応混合物を、窒素でストリップした。アルコキシル化したポリアミノアミドが水溶液として得られ、水の含有量が、41.6%、及びアミン価が3.2mmol/gであった。
【0127】
実施例4
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,2−ジアミノエタン(116g、0.666モル)を、1lの装置に導入し、そして一定の窒素流下に、60℃に加熱した。水(300ml)中のアジピン酸(100g、0684モル)とN,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,2−ジアミノエタン(10g、0.0573モル)の溶液を滴下して加えた。次に反応混合物を2時間、120℃で攪拌した。次に、温度を180℃に上昇させ、そして水(315g)を、3時間にわたり蒸留除去した。加熱を止め、そして温度が160℃になった時点で、水(150g)を徐々に加えた。ポリアミノアミドのこの水溶液は、(Karl−Fischer−滴定に従い)水の含有量が43.7%であり、アミン価が4.44mmol/gであり、そして酸価が0.3mmol/gであった。ゲル浸透クロマトグラフィーでは、平均分子量がM
w=3650g/mol、及びM
w/M
nの多分散性=1.9であった。
【0128】
実施例5
実施例4からのポリアミノアミドの水溶液(20.0g;Karl−Fischer−滴定による水の含有量:43.7%)、及び追加的な水(78.7g)を、250mlの装置内に配置し、そしてジメチルサルフェート(10.6g、84.4mmol)を、注入ポンプを使用して徐々に加えた。温度が34℃にまで上昇した時に、反応混合物を、氷バスを使用して再度、室温にまで冷却した。反応混合物は、アミン価が0.11mmol/gで、アミン原子の不完全な四級化を示した。そして、ジメチルサルフェートの追加的な部分(1.62g、12.8mmol)を徐々に加えた。得られた茶色の溶液は、アミン価が0mmol/gで、ポリアミノアミド出発材料内に存在する、全てのアミン原子の完全な四級化を示した。四級化したポリアミノアミドの水溶液は、水の含有量が78.6%であった。
【0129】
図3a及び3bは、(以下のセクションに記載した、異なるメッキ溶液を使用して電気メッキするために使用される)銅種付したウエハー基材の機構サイズを示している。銅種の堆積の後、
図3aに示したより小さいトレンチは、トレンチの開口部で、幅が15.6〜17.9ナノメーターであり、トレンチの半分の高さで、幅が34.6〜36.8ナノメーターであり、そして深さが176.4ナノメーターであった。
図3bに示したトレンチは、幅が約100nmであった。
【0130】
比較例6
DI水、硫酸銅として40g/l銅、10g/lの硫酸、HClとして、0.050g/lのクロリドイオン、0.028g/lのSPS、及び分子量M
wが13000g/モル未満で、末端ヒドロキシル基を有するEO/POコポリマー抑制剤の、2.00ml/lのDI水中5.3質量%の溶液を組合せることによってメッキ溶液を製造した。
【0131】
図3a及び3bに示した機構サイズを有するウエハー基材上に、銅層を電気メッキしたが、これは、銅種層が施されたウエハー基材を、上述したメッキ溶液に、25℃で接触させ、−5mA/cm
2の直流電流を27秒間施し、次に−10mA/cm
2の直流電流を27秒間施すことによって行われた。このように電気メッキした銅層を断面化し、そしてSEM検査によって調査した。
【0132】
結果を
図4a及び4bに示す。SEM画像では、ボイドやシーム等の欠陥のない、一杯に満たされたトレンチが示されている。
図4bに明確に示すように、(誘電体の上での減少した銅堆積とは対照的に、)一杯に満たされたトレンチの上に、高くなった銅堆積が存在し、隆起(バンプ)を形成している。
【0133】
実施例7
0.625ml/lの、実施例4からのポリアミノアミドの1質量%水溶液をメッキ溶液に加えたこと以外は、実施例6の手順を繰り返した。
【0134】
銅層を、実施例6に記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を断面化し、そしてSEM検査によって調査した。
【0135】
本発明に従う実施例4で製造した平滑化剤を有するメッキ溶液を使用した結果を、
図5a及び5bに示す。16〜100ナノメーターの幅のトレンチが、ボイドやシーム等の欠陥を有することなく、完全に満たされ、従って、平滑化剤によるギャップ充填に、如何なる障害も無いことが示されている。
図5bは、トレンチと誘電体の上にバランスしたCu堆積を示している。
【0136】
実施例8
0.625ml/lの、実施例5からの四級化したポリアミノアミドの1質量%水溶液をメッキ溶液に加えたこと以外は、実施例6の手順を繰り返した。
【0137】
銅層を、実施例6に記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を断面化し、そしてSEM検査によって調査した。
【0138】
本発明に従う実施例5で製造した平滑化剤を有するメッキ溶液を使用した結果を
図6に示す。16〜37ナノメーターの幅のトレンチが、ボイドやシーム等の欠陥を有することなく、完全に満たされ、従って、平滑化剤によるギャップ充填に、如何なる障害も無いことが示されている。
【0139】
比較例9
硫酸銅として40g/l銅、10g/lの硫酸、HClとして、0.050g/lのクロリドイオン、0.100g/lのEO/POコポリマー抑制剤、及び0.028g/lのSPS及びDI水を組合せることによって銅メッキ溶液を製造した。EO/POコポリマー抑制剤は、分子量が<5000g/molで、末端ヒドロキシル基を有していた。
【0140】
銅層を、SKW Associate Inc.から購入した、トレンチを含む構造化シリコンウエハー上に電気メッキした。これらのトレンチは、幅が130nm〜数ミクロンの範囲に変化し、深さが約250nmであり、そして130nm〜数ミクロンの範囲のセパレーション(間隔)であった。このようなウエハー基材を、上述したメッキ溶液に、25℃で接触させ、−5mA/cm
2の直流電流を120秒間施し、次に−10mA/cm
2の直流電流を60秒間施した。
【0141】
このように電気メッキした銅層を、Dektal3、Veeco Instruments Incを使用して、表面形状測定的に調査した。130nm及び250nmの機構サイズの場合、ネスト化したワイヤーの領域をスキャンし、そして構造化されていない領域と、構造化された領域の高さの差を測定した。2マイクロメーターのトレンチの場合、プロフィロメーターP16+、KLAA Tencor GmbHを使用し、そしてトレンチとリッジ(尾根)の間の高さの差を測定した。高さの差の平均値を、少なくとも10高度差異(10 height difference)から計算した。
【0142】
平滑化剤を使用しない場合の結果を、
図7a及び7bに示した。これらは、幅0.130マイクロメータ、セパレーション(間隔)0.130マイクロメーターのネスト化したトレンチのプロフィロメトリー断面スキャン(
図7a)、0.250マイクロメーター機構の断面スキャン(
図7b)を示している。
図7a及び7bの両方は、非構造化領域とは対照的に、構造化ざれた領域で、より速い銅堆積速度を示した。この現象はマウンディングとして公知であり、そして0.130及び0.250マイクロメーターのトレンチ上に極めて著しいものである。
図7cは、幅が2.0マイクロメータのトレンチのプロフィルメトリースキャンを示しており、非メッキ基材に相当する、かなりの溝深さを示している。0.130マイクロマーター、0.250マイクロメーター、及び2.0マイクロメーターの機構の測定値を表1に示した。
【0143】
実施例10
1%(w/w)の実施例1の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0144】
銅層を、実施例9に記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例9に記載したようにプロフィロメトリーによって調査した。
【0145】
本発明に従う平滑化剤を有するメッキ溶液を使用した結果を、異なるトレンチサイズについて
図8a、b、cに示す。幅が0.130マイクロメーターで、セパレーション(間隔)が0.130μmの、ネスト化されたトレンチのプロフィロメトリー断面スキャン(
図8a)、0.250マイクロメーター機構の断面スキャン(
図8b)は、従来技術と比較して、マウンディングが大きく低減されていることを示している。
図8cは、幅が2.0マイクロメーターのトレンチのプロフィロメトリースキャンを示しており、及び従来技術と比較して、溝深さ(groove depth)が著しく低減されていることを示している。測定した値を表1に示す。
【0146】
実施例11
1%(w/w)の実施例5の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0147】
銅層を、実施例9に記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例9に記載したようにプロフィロメトリーによって調査した。
【0148】
表1に示したように、プロフィロメトリーから得られた値は、(平滑化剤を使用していない比較例9と比較して)マウンディングの大きな低減、及び溝深さの低減を示した。
【0149】
実施例12
1%(w/w)の実施例4の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0150】
銅層を、実施例9で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例9に記載したようにプロフィロメトリーによって調査した。
【0151】
表1に示したように、プロフィロメトリーから得られた値は、(平滑化剤を使用していない比較例9と比較して)マウンディングの大きな低減、及び溝深さの低減を示した。
【0152】
実施例13
1%(w/w)の実施例3の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加え たこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0153】
銅層を、実施例9で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例9に記載したようにプロフィロメトリーによって調査した。
【0154】
表に示したように、プロフィロメトリーから得られた値は、(平滑化剤を使用していない比較例9と比較して)マウンディングの大きな低減、及び溝深さの低減を示した。
【0155】
実施例14
1%(w/w)の実施例2の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0156】
銅層を、実施例9で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例9に記載したようにプロフィロメトリーによって調査した。
【0157】
表1に示したように、プロフィロメトリーから得られた値は、(平滑化剤を使用していない比較例9と比較して)マウンディングの大きな低減、及び溝深さの低減を示した。
【0158】
【表1】