特許第6411504号(P6411504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6411504ウエハ検査システム内での基板表面の高速高度制御のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6411504
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】ウエハ検査システム内での基板表面の高速高度制御のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20181015BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20181015BHJP
   G01B 21/02 20060101ALI20181015BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20181015BHJP
   G01B 7/02 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   H01L21/66 J
   G01B11/02 Z
   G01B21/02 A
   G01N21/956 A
   G01B7/02 B
【請求項の数】27
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-536465(P2016-536465)
(86)(22)【出願日】2014年8月21日
(65)【公表番号】特表2016-536796(P2016-536796A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】US2014052183
(87)【国際公開番号】WO2015027110
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2017年8月2日
(31)【優先権主張番号】61/869,379
(32)【優先日】2013年8月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/463,225
(32)【優先日】2014年8月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイ チョンピン
(72)【発明者】
【氏名】シオン ジンイ
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−332595(JP,A)
【文献】 特開2010−190885(JP,A)
【文献】 特開2012−141233(JP,A)
【文献】 特開2003−177101(JP,A)
【文献】 特開2003−114102(JP,A)
【文献】 特開2005−156537(JP,A)
【文献】 特表2013−504206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01B 7/02
G01B 11/02
G01B 21/02
G01N 21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のためのシステムであって、
基板を固定するための基板台を含む、動的に作動可能な基板台組立品と、
前記基板の前記表面に実質的に垂直な方向に沿って前記基板を作動するように構成されるアクチュエータと、
前記基板の表面の高度誤差を前記表面の検査位置で測定するように構成される高度誤差検出システムと、
前記基板台組立品に動作可能に連結され、かつ前記基板台組立品の場所で前記基板の前記表面に実質的に垂直な変位を測定するように構成される変位センサと、
前記高度誤差検出システム及び前記アクチュエータに通信可能に連結されるフィードバック制御システムであって、
前記高度誤差検出システムから1つ以上の高度誤差測定値を受信し、かつ
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記測定された1つ以上の高度誤差測定値に応答して、前記アクチュエータの作動状態を調整するように構成される、フィードバック制御システムと、
前記高度誤差検出システム及び前記アクチュエータに通信可能に連結されるフィードフォワード制御システムであって、
前記変位センサから1つ以上の変位測定値を受信し、かつ
前記1つ以上の高度誤差測定値からの前記1つ以上の高度誤差値とともに前記1つ以上の変位測定値からの1つ以上の変位値に応答して、1つ以上の変位目標値を生成し、かつ
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記1つ以上の変位目標値のうちの少なくとも1つを使用して前記アクチュエータを作動するように構成される、フィードフォワード制御システムと、を備える、システム。
【請求項2】
前記基板が、
半導体ウエハを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記基板台組立品が、
基板台プラットフォームと、
前記基板を固定するように構成される基板チャックと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記高度誤差検出システムが、
光線を生成するように構成される光源と、
実質的に前記検査システムの前記検査位置で前記光線を前記基板の前記表面上に方向付けるように構成される光学サブシステムと、
前記基板の前記表面から反射される前記光線の位置を検出するように構成される高度誤差センサと、を備え、高度誤差コントローラが、前記高度誤差センサでの前記光線の前記測定された位置及び高度目標値に基づいて前記基板の前記表面の高度誤差値を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記光源が、
狭帯域光源及び広帯域光源のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記高度誤差センサが、
1つ以上の光学2セルセンサを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記高度誤差コントローラが、
1つ以上のプロセッサと、
前記基板の前記表面から反射される前記光線の位置の前記高度目標値と、一組のプログラム命令であって、前記高度誤差センサでの前記光線の前記測定された位置及び高度目標値に基づいて前記基板の前記表面の高度誤差値を決定するように構成される、一組のプログラム命令と、を記憶するための1つ以上のメモリと、を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクチュエータが、
ボイスコイル駆動アクチュエータを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記変位センサが、
1つ以上の渦電流センサを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記アクチュエータの作動状態を調整するように構成される前記フィードバック制御システムが、
前記検査位置で前記基板表面の前記1つ以上の高度誤差のうちの少なくとも1つを制御するために前記アクチュエータの作動状態を調整するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上の変位を前記1つ以上の高度誤差と組み合わせて、1つ以上の変位目標値を生成するように構成される前記フィードフォワード制御システムが、
前記1つ以上の変位を前記1つ以上の高度誤差と加算して、1つ以上の変位目標値を生成するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記検査システムが、
明視野検査システム及び暗視野検査システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のための方法であって、
基板を動的に調整可能な基板台組立品の基板台上に位置付けることと、
前記基板の前記表面に実質的に垂直な方向に沿って前記基板を作動することと、
高度誤差検出システムを使用して、前記基板の前記表面の1つ以上の高度誤差値を前記表面の検査位置で測定することと、
変位センサを使用して、前記基板台組立品の場所で前記基板の前記表面に実質的に垂直な1つ以上の変位値を測定することと、
前記1つ以上の高度誤差値及び1つ以上の変位値から1つ以上の変位目標値を生成することと、
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記測定された1つ以上の高度誤差値を使用してアクチュエータの作動状態を調整することと、
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記生成された1つ以上の変位目標値を使用して前記アクチュエータの作動状態を調整することと、を含む、方法。
【請求項14】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のためのシステムであって、
基板を固定するための基板台を含む、動的に作動可能な基板台組立品と、
前記基板の前記表面に実質的に垂直な方向に沿って前記基板を作動するように構成されるアクチュエータと、
前記基板の表面の高度誤差を前記表面の検査位置で測定するように構成される高度誤差検出システムと、
前記基板台組立品に動作可能に連結され、かつ前記基板台組立品の場所で前記基板の前記表面に実質的に垂直な変位を測定するように構成される変位センサと、
前記高度誤差検出システム及び前記アクチュエータに通信可能に連結されるフィードバック制御システムであって、
前記高度誤差検出システムからの1つ以上の高度誤差測定値を受信し、かつ
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記測定された1つ以上の高度誤差測定値に応答して、前記アクチュエータの作動状態を調整するように構成される、フィードバック制御システムと、
前記高度誤差検出システム及び前記アクチュエータに通信可能に連結されるフィードフォワード制御システムであって、
前記変位センサから1つ以上の変位測定値を受信し、かつ
前記1つ以上の高度誤差測定値からの前記1つ以上の高度誤差値とともに前記1つ以上の変位測定値からの1つ以上の変位値に応答して、1つ以上の変位目標値を生成し、
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記1つ以上の変位目標値のうちの少なくとも1つを使用して前記アクチュエータを作動するように構成される、フィードフォワード制御システムと、
前記フィードフォワード制御システムに通信可能に連結され、かつ1つ以上の前の変位目標値測定値から変位目標値を取得するように構成される追跡ユニットと、を備え、前記フィードフォワード制御システムの有効位相遅延を減少させるために、前記取得された変位目標値がフィードフォワード目標値として使用される、システム。
【請求項15】
前記基板が、
半導体ウエハを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記基板台組立品が、
基板台プラットフォームと、
前記基板を固定するように構成される基板チャックと、を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記高度誤差検出システムが、
光線を生成するように構成される光源と、
実質的に前記検査システムの前記検査位置で前記光線を前記基板の前記表面上に方向付けるように構成される光学サブシステムと、
前記基板の前記表面から反射される前記光線の位置を検出するように構成される高度誤差センサと、を備え、高度誤差コントローラが、前記高度誤差センサでの前記光線の前記測定された位置及び高度目標値に基づいて前記基板の前記表面の高度誤差値を決定するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記光源が、
狭帯域光源及び広帯域光源のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記高度誤差センサが、
1つ以上の光学2セルセンサを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記高度誤差コントローラが、
1つ以上のプロセッサと、
前記基板の前記表面から反射される前記光線の位置の前記高度目標値と、一組のプログラム命令と、を記憶するための1つ以上のメモリと、を備え、前記プログラム命令が、前記高度誤差センサの前記光線の前記測定された位置及び高度目標値に基づいて前記基板の前記表面の高度誤差値を決定するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記アクチュエータが、
ボイスコイル駆動アクチュエータを更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
記変位センサが、
1つ以上の渦電流センサを更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記追跡ユニットが、
1つ以上のプロセッサと、
一組のプログラム命令を維持するための1つ以上のメモリと、を備え、前記プログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサに、
1つ以上の前の変位目標値を取得することであって、前記取得された1つ以上の前の変位目標値が前記1つ以上のメモリに記憶される、取得することと、
前記フィードフォワードの前記有効位相遅延を減少させるために、前記取得された1つ以上の前の変位目標値をフィードフォワードして、前記アクチュエータを制御することと、を行わせるように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
前記アクチュエータの作動状態を調整するように構成される前記フィードバック制御システムが、
前記検査位置で前記基板表面の前記1つ以上の高度誤差のうちの少なくとも1つを制御するために前記アクチュエータの作動状態を調整するように更に構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記1つ以上の変位を前記1つ以上の高度誤差と組み合わせて、1つ以上の変位目標値を生成するように構成される前記フィードフォワード制御システムが、
前記1つ以上の変位を前記1つ以上の高度誤差と加算して、1つ以上の変位目標値を生成するように更に構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
前記検査システムが、
明視野検査システム及び暗視野検査システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項27】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のための方法であって、
基板を動的に調整可能な基板台組立品の基板台上に位置付けることと、
前記基板の前記表面に実質的に垂直な方向に沿って前記基板を作動することと、
高度誤差検出システムを使用して、前記基板の前記表面の1つ以上の高度誤差値を前記表面の検査位置で測定することと、
変位センサを使用して、前記基板台組立品の場所で前記基板の前記表面に実質的に垂直な1つ以上の変位値を測定することと、
前記1つ以上の前の追跡の前記1つ以上の変位目標値から1つ以上の変位目標値を生成することと、
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記測定された1つ以上の高度誤差値を使用してアクチュエータの作動状態を調整することと、
前記検査システムの検出器の撮像面または前記検査システムの照明の焦点で前記基板表面を実質的に維持するために、前記生成された1つ以上の変位目標値を使用して前記アクチュエータの作動状態を調整することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、以下に列記される出願(複数可)(「関連出願」)の最早有効出願日(複数可)に関し、かつその利益を主張するものである(例えば、仮特許出願以外の最早優先日を主張するか、または米国特許法第119条(e)の下で、関連出願(複数可)のあらゆる親出願、親出願の親出願、更にその親出願等の仮特許出願の利益を主張するものである)。
【0002】
関連出願
USPTO法定外要件のため、本出願は、発明者としてZhongping Cai and Jingyi Xiongが指名される、2013年8月23日出願の出願第61/869,379号、METHOD AND SYSTEM FOR HIGH SPEED HEIGHT CONTROL OF A SUBSTRATE SURFACE WITHIN A WAFER INSPECTION SYSTEMと題される米国仮特許出願の正規(非仮)特許出願を構成する。
【0003】
本発明は、概して、基板表面の高度制御のためのシステム及び方法に関し、具体的には、ウエハ検査システム内での基板表面の高速高度制御のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
かつてないほどに小さな半導体装置に対する需要が増え続けるにつれて、改善された半導体ウエハ検査プロセスに対する需要が高まり続けている。検査工具動作の一態様は、速い走査速度での高度誤差を低減させるために、ウエハ走査のウエハ高度制御速度を上昇させることを含む。例えば、高度誤差は、ウエハ高度が選択された高度目標値に従うように、フィードバック制御システムにおいて使用され得る。フィードバック制御速度の基本的限界は、フィードバック制御システムの開ループ共振である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−215903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゆえに、制御速度を上昇させるためのシステム及び方法を提供することが望ましい。したがって、本発明は、先行技術の欠陥の是正に努める。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御ためのシステムが開示される。一態様では、本システムは、これらに限定されないが、基板を固定するための基板台を含む動的に作動可能な基板台組立品と、基板の表面に実質的に垂直な方向に沿って基板を作動するように構成されるアクチュエータと、基板の表面の高度誤差を表面の検査位置で測定するように構成される高度誤差検出システムと、基板台組立品に動作可能に連結され、かつ基板台組立品の場所で基板の表面に実質的に垂直な変位を測定するように構成される変位センサと、を含む。更に、本システムは、高度誤差検出システム及びアクチュエータに通信可能に連結されるフィードバック制御システムを含み、フィードバック制御システムは、高度誤差検出システムから1つ以上の高度誤差測定値を受信し、かつ、測定された1つ以上の高度誤差測定値に応答して、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するためにアクチュエータの作動状態を調整するように構成される。加えて、高度誤差検出システム及びアクチュエータに通信可能に連結されるフィードフォワード制御システムであって、フィードフォワード制御システムは、変位センサから1つ以上の変位測定値を受信し、1つ以上の変位測定値からの1つ以上の変位値に応答して、1つ以上の高度誤差測定値からの1つ以上の高度誤差値とともに、1つ以上の変位目標値を生成し、かつ、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するために、1つ以上の変位目標値のうちの少なくとも1つを使用して、アクチュエータを作動するように構成される。
【0008】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のための方法が開示される。一態様では、本方法は、これらに限定されないが、基板を動的に調整可能な基板台組立品の基板台上に位置付けることと、基板の表面に実質的に垂直な方向に沿って基板を作動することと、高度誤差検出システムを使用して基板の表面の1つ以上の高度誤差値を表面の検査位置で測定することと、変位センサを使用して基板台組立品の場所で基板の表面に実質的に垂直な1つ以上の変位値を測定することと、1つ以上の高度誤差値及び1つ以上の変位値から1つ以上の変位目標値を生成することと、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するために、測定された1つ以上の高度誤差値を使用してアクチュエータの作動状態を調整することと、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するために、生成された1つ以上の変位目標値を使用してアクチュエータの作動状態を調整することと、を含む。
【0009】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のためのシステムが開示される。一態様では、本システムは、これらに限定されないが、基板を固定するための基板台を含む動的に作動可能な基板台組立品と、基板の表面に実質的に垂直な方向に沿って基板を作動するように構成されるアクチュエータと、基板の表面の高度誤差を表面の検査位置で測定するように構成される高度誤差検出システムと、基板台組立品に動作可能に連結され、かつ基板台組立品の場所で基板の表面に実質的に垂直な変位を測定するように構成される変位センサと、を含む。更に、本システムは、高度誤差検出システム及びアクチュエータに通信可能に連結されるフィードバック制御システムを含み、フィードバック制御システムは、高度誤差検出システムから1つ以上の高度誤差測定値を受信し、かつ、測定された1つ以上の高度誤差測定値に応答して、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するために、アクチュエータの作動状態を調整するように構成される。加えて、高度誤差検出システム及びアクチュエータに通信可能に連結されるフィードフォワード制御システムであって、フィードフォワード制御システムは、変位センサから1つ以上の変位測定値を受信し、1つ以上の変位測定値からの1つ以上の変位値に応答して、1つ以上の高度誤差測定値からの1つ以上の高度誤差値とともに、1つ以上の変位目標値を生成し、かつ、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するために、1つ以上の変位目標値のうちの少なくとも1つを使用して、アクチュエータを作動するように構成される。フィードフォワードシステムに通信可能に連結され、かつ1つ以上の前の変位目標値測定値から変位目標値を取得するように構成される追跡ユニットを更に備えるシステムであって、取得された変位目標値は、フィードフォワード制御システムの有効位相遅延を減少させるために、フィードフォワード目標値として使用される。
【0010】
ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のための方法が開示される。一態様では、本方法は、これらに限定されないが、基板を動的に調整可能な基板台組立品の基板台上に位置付けることと、基板の表面に実質的に垂直な方向に沿って基板を作動することと、高度誤差検出システムを使用して基板の表面の1つ以上の高度誤差値を表面の検査位置で測定することと、変位センサを使用して基板台組立品の場所で基板の表面に実質的に垂直な1つ以上の変位値を測定することと、1つ以上の前の追跡の1つ以上の変位目標値から1つ以上の変位目標値を生成することと、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するために、測定された1つ以上の高度誤差値を使用してアクチュエータの作動状態を調整することと、検査システムの検出器の撮像面または検査システムの照明の焦点で基板表面を実質的に維持するために、生成された1つ以上の変位目標値を使用してアクチュエータの作動状態を調整することと、を含む。
【0011】
前述の発明の概要及び以下の発明を実施するための形態の両方が、例示的及び説明的のみのものであり、必ずしも特許請求される本発明に限定されないことを理解されたい。本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、発明の概要と組み合わせることで、本発明の原理の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
当業者であれば、添付図面を参照することによって本開示の多数の利点がより良く理解されるであろう。
図1】本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御ループを有する高度制御システムを例示する。
図2A】本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御ループを有する高度制御システムによって行われる高速高度制御の一例となる動作を例示する。
図2B】本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御ループを有する高度制御システムによって行われる高速高度制御の一例となる動作を例示する。
図2C】本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御ループを有する高度制御システムによって行われる高速高度制御の一例となる動作を例示する。
図3】本開示に従う、高度誤差検出システムを例示する。
図4】本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のための方法を例示する。
図5】本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御システムを例示する。
図6】本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のための方法を例示する。
図7】本発明のシステムの1つの実施形態に従う、2次元基板連続走査パターンの上面図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、添付図面に例示される開示の主題を詳細に参照する。
【0014】
図1〜7を全体的に参照して、本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御ためのシステム及び方法が記載される。本開示の実施形態は、検査される基板表面の高度の動的調整による基板検査システムの自動集束に適したシステム及び方法を対象とする。1つの実施形態では、基板高度の動的調整は、基板台作動装置のフィードバック制御に連結される基板の選択領域(例えば、基板検査の領域)における基板高度誤差の測定値を含む。別の実施形態では、基板高度の動的調整は、基板台作動装置のフィードフォワード制御に連結される基板の選択される領域における1つ以上の基板台変位目標値の測定値を含む。この点に関して、1つ以上の変位目標値の測定値は、変位センサ及び高度誤差センサの出力の組み合わせによって得られる。フィードフォワード制御システムで使用される変位センサ及び高度誤差センサ出力の組み合わせは、システムが、基板検査走査のための高度制御速度を上昇させることを可能にすることに留意されたい。
【0015】
図1は、本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のシステム100を例示する。1つの実施形態では、高度制御のためのシステム100は、作動可能な基板組立品102を含む。別の実施形態では、基板組立品102は、基板101を固定するための基板台103を含む。基板台103は、基板101の表面にほぼ垂直な方向に沿った作動に適した当該技術分野で既知の任意の基板台構造を含み得る。例えば、基板台103は、基板チャックを含み得る。別の実施形態では、シャーシ105は、基板台組立品102のためのベースフレームとして構成される。
【0016】
1つの実施形態では、基板は、半導体ウエハを含むが、これに限定されない。本開示の目的に関して、「基板」及び「ウエハ」という用語は、交換可能に使用される。本開示全体を通して使用されるように、「基板」という用語は、概して、限定されないが、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、及びリン化インジウム等の半導体材料から形成されるウエハを指す。ウエハは、1つ以上の層を含み得る。例えば、そのような層は、レジスト、誘電材料、導電材料、または半導電材料を含み得るが、これらに限定されない。そのような層の多くの異なる種類が、当該技術分野で既知であり、本明細書で使用される場合、「ウエハ」という用語は、そのような層を形成し得るそのような全ての種類のウエハを包含することが意図される。本開示は、半導体ウエハ検査及び高度制御に関連して本発明の使用に注目するが、本明細書において本発明は当該技術分野で既知の任意の基板種類まで拡大され得ることに留意されたい。
【0017】
1つの実施形態では、システム100は、アクチュエータ108を含む。別の実施形態では、アクチュエータ108は、基板台組立品102に動作可能に連結される。別の実施形態では、アクチュエータ108は、基板台組立品102の場所で基板101の表面に実質的に垂直な方向に沿って基板101を作動するように構成される。例えば、アクチュエータ108は、基板台組立品102に機械的に連結され得る。この点に関して、アクチュエータ108は、基板台103を作動することによって基板101を調整し得る。アクチュエータ108は、選択される方向(例えば、垂直方向)に沿って基板を作動するのに適した既知の任意のアクチュエータを含み得る。例えば、アクチュエータ108は、ボイスコイルアクチュエータを含むが、これに限定されない。
【0018】
1つの実施形態では、システム100は、基板101の表面の高度誤差を表面上の検査位置で測定するように構成される高度誤差検出システム104を含む。別の実施形態では、高度誤差検出システム104は、基板101の表面上の高度誤差値118を基板101の表面上の検査位置で検出するように構成される1つ以上の光学センサ114を含む。高度誤差検出システム104で使用するための1つ以上の光学センサ114は、当該技術分野で既知の高度誤差検出に適した任意の光学センサを含み得る。例えば、1つ以上の高度誤差検出光学センサ114には、1つ以上の2セル検出器、1つ以上の4セル検出器、1つ以上のラインCCD検出器、1つ以上のラインCMOS検出器等を挙げることができるが、これらに限定されない。高度誤差検出システム114における実装に適した光学構成が、本明細書に更により詳細に記載される。
【0019】
1つの実施形態では、高度誤差検出システム104は、基板101の表面に対する高度目標値116を受信する。別の実施形態では、高度目標値ソース(コントローラ)は、高度誤差信号118を生成するために高度誤差センサ114に通信可能に連結される。例えば、高度誤差信号118は、プリセット高度目標値116から基板101の表面の測定された高度を差し引くことによって生成することができる。
【0020】
1つの実施形態では、システム100は、変位センサ106を含む。別の実施形態では、変位センサ106は、基板台組立品102に動作可能に連結される。例えば、変位センサ106は、基板台組立品102に機械的に連結され得る。別の実施形態では、変位センサ106は、1つ以上の変位測定値から1つ以上の変位値120を測定する。測定された1つ以上の変位値120は、基板組立品102の場所で基板101の表面に実質的に垂直であることが本明細書において留意される。別の実施形態では、変位センサ106は、Zステージ変位センサである。変位センサ106は、台組立品102の変位を測定するのに適した任意のセンサを含み得る。例えば、変位センサには、渦電流センサを挙げることができるが、これに限定されない。別の例として、変位センサ106には、光学センサを挙げることができるが、これに限定されない。
【0021】
1つの実施形態では、システム100は、フィードバック制御システム110を含む。別の実施形態では、フィードバック制御システム110は、高度誤差検出システム104に通信可能に連結される。別の実施形態では、フィードバック制御システム110は、アクチュエータ108に通信可能に連結される。別の実施形態では、フィードバック制御システム110は、高度誤差検出システム104を使用して、1つ以上の高度誤差測定値から1つ以上の高度誤差値118を受信する。
【0022】
1つの実施形態では、フィードバック制御システム110は、測定された1つ以上の高度誤差値118に応答する。別の実施形態では、フィードバックシステム110は、検査システム100の検出器の撮像面で基板101の表面を実質的に維持するために、アクチュエータ108の作動状態を調整する。別の実施形態では、フィードバックシステム110は、検査システム100の照明の焦点を維持するために、アクチュエータ108の作動状態を調整する。
【0023】
1つの実施形態では、システム100は、フィードフォワード制御システム112を含む。別の実施形態では、フィードフォワード制御システム112は、高度誤差検出システム104に通信可能に連結される。別の実施形態では、フィードフォワード制御システム112は、アクチュエータ108に通信可能に連結される。別の実施形態では、フィードフォワード制御システム112は、変位センサ106を使用して1つ以上の変位測定値から1つ以上の変位測定値120を受信する。
【0024】
別の実施形態では、フィードフォワード制御システム112は、1つ以上の変位測定値からの測定された1つ以上の変位測定値120及び1つ以上の高度誤差測定値からの1つ以上の高度誤差値118に応答して、1つ以上の変位目標値122を生成する。例えば、1つ以上の変位目標値122は、1つ以上の高度誤差値118を1つ以上の変位値120に加算することによって生成することができる。
【0025】
別の実施形態では、フィードフォワード制御システム112は、検査システム100の検出器の撮像面で基板101の表面を実質的に維持するために、1つ以上の変位目標値122のうちの少なくとも1つを使用してアクチュエータ108を作動する。別の実施形態では、フィードフォワード制御システム112は、検査システムの照明の焦点を維持するために1つ以上の変位目標値122のうちの少なくとも1つを使用してアクチュエータ108を作動する。
【0026】
図2は、本開示に従う、システム100と一致するシステムによって行われる高速高度制御の一例となる動作を例示する。高度制御ループのためのフィードバック高度制御帯域幅は、図2のデータでは200Hzである。
【0027】
図2Aは、基板101の高度ランアウトを示す。高度ランアウトは、示される基板運動速度で、ピーク間で約8,000nmである。フィードバック制御システム110による200Hz帯域幅の高度制御後、図2Bに示されるように、残余高度誤差118は、ピーク間で約175nmである。図2Cは、アクチュエータ106を制御するためにフィードフォワード制御システム112を追加することによって、基板101ランアウトの更に低減された残余高度誤差118を示す。この態様では、フィードフォワード制御システム112は、制御速度を上昇させる。図2Cにおける残余高度誤差は、この例においてピーク間で約45nmである。
【0028】
図3は、本開示に従う、システム100の高度誤差検出システム104を例示する。1つの実施形態では、高度誤差検出システム104は、基板台308を含む。別の実施形態では、基板台308は、基板306を配置するように構成される。基板台308は、当該技術分野で既知の任意の適切な機械的組立品を含む。例えば、基板台103は、基板チャックを含み得るが、これに限定されない。
【0029】
別の実施形態では、高度誤差検出システム104は、選択される波長または波長範囲の光線を生成するように構成される1つ以上の光源302を含む。別の実施形態では、1つ以上の光源302には、当該技術分野で既知の任意の狭帯域光源を含む。例えば、1つ以上の光源302には、1つ以上のレーザー(例えば、1つ以上の赤外線レーザー)または1つ以上の狭帯域LEDを挙げることができるが、これらに限定されない。別の例として、1つ以上の光源には、任意の広帯域光源を挙げることができるが、これに限定されない。例えば、1つ以上の光源302には、平行及び/またはフィルター広帯域源を挙げることができる。別の例として、1つ以上の光源302には、広帯域スペクトルLED(例えば、蛍光体層を有するWLED)を挙げることができるが、これに限定されない。別の例として、1つ以上の光源302には、スーパールミネッセントLED(SLED)を挙げることができるが、これに限定されない。別の実施形態では、1つ以上の光源302は、光線を1つ以上の集束レンズ304を通して基板306の表面の一部に方向付けるように構成される。次に、1つ以上の集束レンズ304は、1つ以上の光源302からの光を基板306の表面の少なくとも一部に方向付けるように構成される。
【0030】
別の実施形態では、高度誤差検出システム104は、1つ以上のセンサ312を含む。別の実施形態では、1つ以上のセンサ312は、基板306の表面から反射される光の1つ以上の特性を監視するように構成される。例えば、1つ以上のセンサ312は、これに限定されないが、基板306の表面の1つ以上の高度誤差値118を測定し得る。別の実施形態では、基板306の一部によって反射される光線は、レンズコレクター310によって収集され、収束され、及びセンサ312に方向付けられる。高度誤差検出システム104の1つ以上のセンサ312には、1つ以上の光源302によって生成された光線を検出することができる当該技術分野で既知の任意の適切なセンサを挙げることができる。例えば、1つ以上のセンサ312には、1つ以上の2セル検出器、1つ以上の4セル検出器、1つ以上のラインCCD検出器、1つ以上のラインCMOS検出器等を挙げることができるが、これらに限定されない。基板304の表面からの反射線を受けて、1つ以上のセンサ312は、受信された光を1つ以上の高度誤差値118に変換する。
【0031】
本明細書において、高度誤差検出システム104は、記載される実施形態を行うために任意の数の追加の光学素子を含み得ることが更に認識される。例えば、高度誤差検出システム104は、1つ以上の光源302からの光線を基板306の表面上に方向付ける及び/または集束するのに適した一組の光学部品を更に含み得るが、これに限定されない。別の例として、高度誤差検出システム104は、基板306の表面からの光線を1つ以上のセンサ312の一部分上に収集する及び/または反射するための一組の光学部品を含み得るが、これに限定されない。
【0032】
1つの実施形態では、高度誤差検出システム104は、基板306の高度誤差値を測定するように構成されるコントローラ314を含む。別の実施形態では、コントローラ314は、高度誤差検出システム104の1つ以上のセンサ312に通信可能に連結される。例えば、コントローラ314は、高度誤差検出システム104の1つ以上のセンサ312の出力に通信可能に連結され得る。更に、コントローラ314は、コントローラ314が高度誤差検出システム104によって取得された出力を受信することができるような任意の好適な方法で1つ以上のセンサ312に連結され得る。例えば、コントローラ314は、有線または無線接続を介して連結され得る。
【0033】
1つの実施形態では、コントローラ314は、1つ以上のセンサ312から1つ以上の監視される光特性を受信するように構成される。例えば、コントローラ314は、基板306の表面の測定された1つ以上の高度誤差値118を指示する1つ以上の信号を受信し得る。この点に関して、1つ以上のセンサ312は、測定された高度誤差値を時間の関数として送信し得る。
【0034】
1つの実施形態では、コントローラ314は、1つ以上のプロセッサ316及び1つ以上のメモリ318を含む。別の実施形態では、コントローラ314の1つ以上のメモリ318は、コントローラ314の1つ以上のプロセッサ316が本開示全体を通して記載される高度誤差測定を行うように構成される一組のプログラム命令を含む。
【0035】
別の実施形態では、1つ以上のメモリ318は、1つ以上の高度誤差値118を生成するように構成される高度目標値116を含む。例えば、コントローラ314は、基板306の表面の1つ以上の高度値を測定し得る。この点に関して、測定された1つ以上の高度値を記憶された高度目標値116から差し引いて、1つ以上の高度誤差値118を生成することができる。別の実施形態では、生成された1つ以上の高度誤差値はまた、1つ以上のメモリ318にも記憶される。
【0036】
図4は、本開示に従う、ウエハ検査システム100内の基板の表面の高速高度制御のための方法400を例示する。本開示の方法400は、本明細書で前述されたシステムまたはサブシステムのうちの1つ以上を利用して行われ得るが、方法400を行うために他の構造及び構成が使用され得ることが予想されるように、本明細書で前述された様々な構造要素及び構成が方法400を限定するものと解釈されるべきではないことが本明細書において留意される。
【0037】
ステップ402では、基板101は、動的に調整可能な基板台組立品102の基板台103上に位置付けられる。ステップ404では、基板101は、基板101の表面に実質的に垂直な方向に沿って作動される。ステップ406では、基板101の表面の1つ以上の高度誤差値118は、高度誤差検出システム104を使用して表面の検査位置で測定される。ステップ408では、基板101の表面に実質的に垂直な1つ以上の変位値120は、変位センサ106を使用して基板台組立品102の位置で測定される。ステップ410では、1つ以上の変位目標値122は、測定された1つ以上の高度誤差値118及び1つ以上の変位値120から生成される。ステップ412では、アクチュエータ108の作動状態は、基板表面を検査システムの検出器の撮像面100または検査システムの照明の焦点で実質的に維持するために、測定された1つ以上の高度誤差値118を使用して調整される。ステップ414では、アクチュエータ108の作動状態は、基板表面を検査システムの検出器の撮像面100または検査システムの照明の焦点で実質的に維持するために、生成された1つ以上の変位目標値122を使用して調整される。検査及び高度調整プロセスが任意の順序でまたは同時に行えることが認識されるように、方法400のステップの順序が限定的ではないことが本明細書において更に留意される。
【0038】
図5は、本開示に従う、ウエハ検査システム内での基板の表面の高速高度制御のためのシステムの別の実施形態を例示する。特に記載のない限り、図1に記載される構成要素及び実施形態は、システム500まで拡張可能であることが本明細書において留意される。
【0039】
1つの実施形態では、システム500は、データスイッチ128を含む。別の実施形態では、データスイッチ128は、2つ以上のポートを含む。別の実施形態では、データスイッチ128の少なくとも1つのポートは、フィードフォワード制御システム112に通信可能に連結される。例えば、図5に示されるように、データスイッチ128は、経路1を通してフィードフォワード制御システム112に通信可能に連結され得る。別の例として、データスイッチ128は、経路2を通してフィードフォワード制御システム112に通信可能に連結され得る。
【0040】
1つの実施形態では、システム500は、追跡ユニット126を含む。別の実施形態では、追跡ユニット126は、1つ以上の高度誤差値118及び1つ以上の変位値120から生成された1つ以上の変位目標値124を取得及び維持するように構成される。別の実施形態では、追跡ユニット126は、データスイッチ128の1つ以上のポートを通してフィードフォワード制御システム112に通信可能に連結される。例えば、追跡ユニット126は、データスイッチ128の経路2を通してフィードフォワード制御システム112に通信可能に連結され得る。別の実施形態では、追跡ユニット126は、1つ以上の前の追跡から取得された1つ以上の変位目標値を現在の追跡に対する1つ以上の変位目標値122として使用する。更に、現在の追跡の1つ以上の変位目標値122は、フィードフォワード制御システム112に送信され得る。例えば、1つ以上の変位目標値124が1つ以上の第1の走査ルーチンの後に取得された場合、1つ以上の前の追跡の1つ以上の変位目標値124を現在の追跡に対する1つ以上の変位目標値122として利用するために、スイッチ128は経路1から経路2に移ってもよい。本明細書において、所与の基板検査進路に沿う現在の追跡の1つ以上の変位目標値122は、本開示全体を通して言及される1つ以上の前の追跡の1つ以上の変位目標値124とほぼ同じであることに留意されたい。この点に関して、1つ以上の前の追跡の1つ以上の変位目標値124は、現在の追跡の1つ以上の変位目標値122を正確に予測し、フィードフォワード制御システム112の有効位相遅延を減少させることができる。
【0041】
1つの実施形態では、追跡ユニット126は、前の追跡の単一の取得された変位目標値124を使用して、現在の追跡の変位目標値122を予測する。別の実施形態では、追跡ユニット126は、2つ以上の前の追跡の2つ以上の変位目標値124を取得して、フィードフォワード制御112に対する現在の追跡の変位目標値122を予測する。例えば、2つ以上の前の追跡の取得された2つ以上の変位目標値124は、フィードフォワード制御システム112に対する現在の追跡の変位目標値122を予測するために平均化され得る。
【0042】
1つの実施形態では、システム500の追跡ユニット126は、1つ以上の変位目標値を取得するように構成される1つ以上のプロセッサを含む。別の実施形態では、システム500の追跡ユニット126は、1つ以上の変位目標値を維持するように構成される1つ以上のメモリを含む。別の実施形態では、1つ以上のメモリは、1つ以上のプロセッサに1つ以上の前の追跡の1つ以上の変位目標値を取得させる一組のプログラム命令を維持するように構成される。別の実施形態では、一組のプログラム命令は、アクチュエータを制御するために、取得された1つ以上の変位目標値をフィードフォワード制御システム112に送信するように構成される。
【0043】
図6は、本開示に従う、ウエハ検査システム500内の基板の表面の高速高度制御のための方法600を例示する。本開示の方法600は、本明細書で前述されたシステムまたはサブシステムのうちの1つ以上を利用して行われ得るが、方法600を行うために他の構造及び構成が使用され得ることが予想されるように、本明細書で前述された様々な構造要素及び構成が方法600を限定するものと解釈されるべきではないことが本明細書において留意される。
【0044】
ステップ602では、基板101は、動的に調整可能な基板台組立品102の基板台103上に位置付けられる。ステップ604では、基板101は、基板101の表面に実質的に垂直な方向に沿って作動される。ステップ606では、基板101の表面の1つ以上の高度誤差値118は、高度誤差検出システム104を使用して表面の検査位置で測定される。ステップ608では、基板101の表面に実質的に垂直な1つ以上の変位値120は、変位センサ106を使用して基板台組立品102の位置で測定される。ステップ610では、1つ以上の変位目標値122は、1つ以上の前の追跡124の1つ以上の変位目標値から生成される。ステップ612では、アクチュエータ108の作動状態は、基板表面を検査システムの検出器の撮像面100または検査システムの照明の焦点で実質的に維持するために、測定された1つ以上の高度誤差値118を使用して調整される。ステップ614では、アクチュエータ108の作動状態は、基板表面を検査システムの検出器の撮像面100または検査システムの照明の焦点で実質的に維持するために、生成された1つ以上の変位目標値122を使用して調整される。検査及び高度調整プロセスが任意の順序でまたは同時に行われ得ることが認識されるように、方法600のステップの順序が限定的ではないことが本明細書において更に留意される。
【0045】
図7は、本発明のシステム500の1つの実施形態に従う、2次元基板連続走査パターンの上面図を例示する。1つの実施形態では、基板101の走査は、2次元可変半径/可変角度走査を含む。例えば、基板101の走査は、当該技術分野で既知の任意の走査パターンを形成する2次元走査パターン700を含み得る。
【0046】
例えば、図7に示されるように、2次元走査パターン700は、スパイラルパターンを含み得る。1つの実施形態では、スパイラルパターン700は、ウエハの中心からウエハの縁部に向かって、あるいはウエハの縁部からウエハの中心に向かって走査される。別の実施形態では、現在の追跡702に沿う変位目標値は、前の追跡704に沿う変位目標値に非常に近い。別の実施形態では、前の追跡704の変位目標値を使用して、現在の追跡706を予測する。別の実施形態では、前の追跡704及び706に沿う2つ以上の変位目標値を取得及び使用して、現在の追跡702の変位目標値を生成する。例えば、前の追跡704及び706に沿う2つ以上の変位目標値は、取得及び平均化され、現在の追跡702の変位目標値として使用される。
【0047】
当業者であれば、本明細書に示される様式で記載されるシステム及び方法の最先端技術、及びその後の、そのような記載されるシステム及び方法を高速ウエハ検査システムに統合するために使用される工学実践を理解するだろう。つまり、本明細書に記載されるシステム及び方法の少なくとも一部分は、十分な実験を介して高速ウエハ検査システムに統合することができる。典型的な高速ウエハ検査システムは、ウエハ検査及び/または自動集束システムにおいて典型的に見られるもの等の任意の好適な市販の構成要素を利用して実装され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシステムの様々なステップ、機能、及び/または動作(及び以下の方法)は、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサー、プログラム可能な論理素子、ASIC、アナログもしくはデジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ、または計算システムのうちの1つ以上によって行われる。コントローラには、パーソナル計算システム、メインフレーム計算システム、ワークステーション、撮像コンピュータ、並列プロセッサ、または当該技術分野で既知の任意の他の装置を挙げることができるが、これらに限定されない。概して、「計算システム」という用語は、搬送媒体またはメモリからの命令を実行する1つ以上のプロセッサを有する任意の装置を包含するように広く定義される。本明細書に記載されるもの等の方法を実装するプログラム命令は、搬送媒体を介して送信され得る、またはその上に記憶され得る。搬送媒体は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光学ディスク、不揮発性メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気テープ等の記憶媒体を含み得る。搬送媒体は、有線、ケーブル、または無線伝送リンク等の伝送媒体を含み得る。
【0049】
本開示全体を通して記載される様々なステップは、単一コントローラ(またはコンピュータシステム)、あるいはマルチプルコントローラ(またはマルチプルコンピュータシステム)によって行われ得ることを理解すべきである。更に、システムの異なるサブシステムは、上述のステップの少なくとも一部分を行うのに適した1つ以上の計算または論理システムを含み得る。したがって、上述の説明は、本発明を限定するものと解釈されるべきではなく、単なる例示である。更に、コントローラは、本明細書に記載される方法実施形態のいずれかの任意の他のステップ(複数可)を実施するように構成されてもよい。
【0050】
当業者であれば、それによってプロセス及び/もしくはシステム並びに/または本明細書に記載される他の技術が実施され得る様々な伝達手段(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェア)が存在し、好ましい伝達手段は、プロセス及び/もしくはシステム並びに/または他の技術が展開される状況によって異なるだろうことを理解するだろう。
【0051】
本明細書に記載される方法の全ては、方法実施形態の1つ以上のステップの結果を記憶媒体内に記憶してもよい。結果は、本明細書に記載される結果のいずれかを含んでもよく、当該技術分野で既知の任意の方法で記憶されてもよい。記憶媒体は、本明細書に記載される任意の記憶媒体または当該技術分野で既知の任意の他の好適な記憶媒体を含み得る。結果が記憶された後、結果は、記憶媒体内にアクセスされ、本明細書に記載される方法またはシステム実施形態のうちのいずれかによって使用され、ユーザへの表示用にフォーマットされ、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステム等で使用されてもよい。更に、結果は、「永久に」、「半永久」、一時的に、またはいくつかの期間にわたって記憶されてもよい。例えば、記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は、記憶媒体内に必ずしも無期限に存続しなくてもよい。
【0052】
当業者であれば、本明細書に示される様式で装置及び/またはプロセスを記載し、その後、そのような記載された装置及び/またはプロセスをデータ処理システムに統合するために工学実践を使用することが当該技術分野で一般的であることを認識するだろう。つまり、本明細書に記載される装置及び/またはプロセスの少なくとも一部分は、十分な実験を介してデータ処理システムに統合することができる。当業者であれば、典型的なデータ処理システムは、一般的に、システムユニットハウジング、ディスプレイ装置、揮発性及び不揮発性メモリ等のメモリ、マイクロプロセッサ及びデジタル信号プロセッサ等のプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバー、グラフィカルユーザインタフェース、及びアプリケーションプログラム等の計算エンティティ、タッチパッドもしくはスクリーン等の1つ以上の相互作用装置、並びに/またはフィードバックループ及びコントロールモーターを含む制御システム(例えば、感知位置並びに/もしくは速度に対するフィードバック、構成要素及び/もしくは量を移動並びに/または調整するためのコントロールモーター)のうちの1つ以上を含むことを理解するだろう。典型的なデータ処理システムは、典型的には、データ計算/通信及び/またはネットワーク計算/通信システムにおいて見られるもの等の任意の好適な市販の構成要素を利用して実装されてもよい。
【0053】
本発明の特定の実施形態が例示されているが、本発明の様々な修正及び実施形態が、前述の開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者によって作成され得ることが明らかである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7