【文献】
吉兼 昇、他,Beyond 100G OTNインタフェースに関する標準化動向,電子情報通信学会2014年通信ソサイエティ大会講演論文集1,2014年 9月,p.SSS-8〜SSS-9,TK-1-4
【文献】
曽根 恭介、他,フレキシブルグリッド光ネットワークにおけるリアルタイムコヒーレント受信器を用いたヒットレス波長デフラグメンテーションの実証実験,電子情報通信学会技術研究報告,日本,2013年 1月,Vol.112 No.395,p.31-36,OCS2012-90
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態を適用可能なOTNフレーマ100の機能ブロック図である。同図に示すOTNフレーマ100は、100G超(B100G、Gはギガビット毎秒)の伝送を行うためのOTNの規格であるOTUCn(Cnは100×nを表す。nは2以上の整数。)により通信を行う。同図においては、n=4の場合、すなわち、OTNフレーマ100がOTUC4により通信を行う場合の例を示している。
【0018】
OTNトランスポート技術では、様々な通信方式のクライアント信号を収容し、光伝送により転送する。OTNでは、固定フレーム構造を利用し、GbE(ギガビット・イーサネット(登録商標))を収容できる最小単位のODU0(ODU:Optical channel Data Unit)により、1.25GのTS(Tributary Slot、タイムスロットともいう。)単位で(すなわち、その倍数により)クライアント信号を扱う。OTNは、SDHと同様のパス管理、OAM(Operations, Administration, Maintenance)機能、プロテクション機能を提供する。
【0019】
OTNフレーマ100は、複数のクライアント信号が多重されたn×100Gの1光チャネルの信号を分離し、n個の100Gのパラレル信号を生成する。これらのn個のパラレル信号は複数の光サブキャリアによりマルチキャリア伝送されるが、物理的には、1つのパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送されてもよく、複数のパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送されてもよい。マルチキャリア伝送とは、1チャネルの信号を複数の光サブキャリアを使ってパラレル伝送することにより、1チャネルを大容量化する通信方式である。マルチキャリア伝送では、対地(接続先)ごとにサブキャリアを高密度多重し、電気的に分離する。1つのパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送される場合、その光サブキャリアの帯域は100Gであり、2つのパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送される場合、その光サブキャリアの帯域は200Gである。光伝送には、4SC−DP−QPSK(4 SubCarrier-Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)や、2SC−DP−16QAM(2 SubCarrier-Dual Polarization-Quadrature Amplitude Modulation)などが用いられる。
【0020】
図1に示すように、OTNフレーマ100は、送信処理部110と受信処理部150とを備える。送信処理部110は、クライアント信号受信部120と多重処理部130とライン側送信処理部140とを備える。
【0021】
クライアント信号受信部120は、受信部121とマッピング部122とOH処理部123とを備える。受信部121は、クライアント信号を受信する。マッピング部122は、受信部121が受信した1クライアント信号をLO−ODU(Lower Order Optical channel Data Unit)フレームのペイロードにマッピングする。OH処理部123は、マッピング部122がクライアント信号を設定したLO−ODUフレームにOH(オーバーヘッド)を付加する。OH処理部123は、LO−ODUフレームの電気パス信号を、ODU−スイッチ(以下、「ODU−SW」と記載)210に出力する。ODU−SW210は、他のOTNフレーマ100とも接続されており、電気パス信号のパス交換を行う。
【0022】
多重処理部130は、多重化部131とフレーミング部132とを備える。多重化部131は、ODU−SW210から受信した電気パス信号をLO−ODUフレームに設定する。多重化部131は、LO−ODUフレームを一旦ODTU(Optical channel Data Tributary Unit)フレームにマッピングした後、複数のODTUフレームを時間多重してHO−ODU(Higher Order ODU)であるODUCnフレームを生成する。フレーミング部132は、多重化部131が生成したODUCnフレームにOHとFEC(forward error correction:前方誤り訂正)を付加してOTUCnフレームを生成する。フレーミング部132は、OTUCnフレームの信号をライン側送信処理部140に出力する。
【0023】
ライン側送信処理部140は、インタリーブ部141と、OH処理部142−1〜142−nと、マルチレーン送信部143−1〜143−nとを備える。
インタリーブ部141は、多重処理部130からOTUCnフレームの信号を受信し、受信したn×100GのOTUCnフレームの信号をバイトインタリーブして、n個のOTLCn.nフレームの信号を生成する。OTLCn.nフレームは、100Gのパラレル信号のフレームである。i個目のOTLCn.nフレームを、OTLCn.n#iフレーム(iは1以上n以下の整数)と記載する。インタリーブ部141は、生成したn個のOTLCn.n#iフレームをそれぞれOH処理部142−iに出力する。
【0024】
OH処理部142−1〜142−nは、インタリーブ部141から受信したOTLCn.nフレームにOHを設定する。OH処理部142−iは、OHを設定したOTLCn.n#iフレームを、マルチレーン送信部143−iに出力する。
マルチレーン送信部143−1〜143−nは、OH処理部142−1〜142−nから受信したOTLCn.nフレームのパラレル信号を送信機220に出力する。例えば、マルチレーン送信部143−iは、4本の28Gの電気配線を使用してパラレルにOTLCn.n#iフレームのパラレル信号を送信機220に出力する。各送信機220は、それぞれ異なる波長の光サブキャリアを使用する。送信機220は、受信したパラレル信号を電気信号から光信号に変換し、マルチキャリア伝送する。なお、複数のマルチレーン送信部143−iが1つの送信機220に接続されてもよい。j個(jは2以上n以下)のマルチレーン送信部143−iが1つの送信機220に接続される場合、その送信機220は、j×100Gの光サブキャリアによりj個のパラレル信号を伝送する。
【0025】
受信処理部150は、ライン側受信処理部160と分離処理部170とクライアント信号送信部180とを備える。
【0026】
ライン側受信処理部160は、マルチレーン受信部161−1〜161−nとOH処理部162−1〜162−nとデインタリーブ部163とを備える。
マルチレーン受信部161−1〜161−nは、受信機230がマルチキャリア伝送により受信した光信号を電気信号として受信する。受信機230は、それぞれ異なる波長の光サブキャリアによる光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換してマルチレーン受信部161−1〜161−nへ出力する。マルチレーン受信部161−iは、例えば4本の28Gの電気配線を使用して受信機230からパラレルに受信した電気信号を、OH処理部162−iに出力する。
【0027】
OH処理部162−1〜162−nは、OTLCn.nフレームのOHに設定されているFAS(Frame Alignment Signal)やMFAS(Multi Frame Alignment Signal)に基づいて、受信した信号からフレームの先頭を検出する。OH処理部162−iは、先頭位置を検出することにより、遅延時間差を補償して受信信号からOTLCn.n#iフレームを抽出し、デインタリーブ部163に出力する。
デインタリーブ部163は、OH処理部162−1〜162−nから受信したOTLCn.n#1フレーム〜OTLCn.n#nフレームをデインタリーブし、1つのOTUCnフレームを生成する。
【0028】
分離処理部170は、デフレーミング部171及び逆多重化部172を備える。デフレーミング部171は、デインタリーブ部163が生成したOTUCnフレームの信号をFEC復号し、復号したOTUCnフレームからLO−ODUフレームが時間多重されたODUCnフレームを抽出して逆多重化部172に出力する。逆多重化部172は、デフレーミング部171が抽出したODUCnフレームの信号から各クライアント信号が設定されたLO−ODUフレームを抽出し、LO−ODUフレームの電気パス信号をODU−SW210に出力する。
【0029】
クライアント信号送信部180は、OH処理部181とデマッピング部182と送信部183とを備える。OH処理部181は、ODU−SW210から電気パス信号を受信し、受信した電気パス信号からLO−ODUフレームを復号する。OH処理部181は、LO−ODUフレームに対してOHに関する処理を行い、デマッピング部182に出力する。デマッピング部182は、OH処理部181からLO−ODUフレームの電気パス信号を受信し、受信した電気パス信号からクライアント信号を抽出して送信部183に出力する。送信部183は、デマッピング部182が抽出したクライアント信号を送信する。
【0030】
なお、クライアント信号受信部120と多重処理部130とは、ODU−SW210を介さずに、LO−ODUフレームの電気パス信号を直接入出力してもよい。また、分離処理部170とクライアント信号送信部180とは、ODU−SW210を介さずに、LO−ODUフレームの電気パス信号を直接入出力してもよい。
【0031】
図2は、OTUCnのフレーム構造を示す図である。OTUCnは、ODUCnにFACnOH、OTUCnOH、OPUCnOH及びOTUCnFECを付加して生成される。OTUCnのフレーム構造は、4行、4080×n列で表記される。なお、
図2は、行あたり256バイトのFECを付加する場合を示している。
【0032】
OTUCnの((7+7+2)×n+1)〜3824×n列目のOPUCnペイロード(Payload)には、クライアント信号がマッピングされる。OTUCnフレームの1〜(7+7+2)×n列目には、OHが設定される。OHにおける1行目の1〜7×n列目には、FACnOHが設定される。FACnOHは、フレーム同期に必要な情報を含む。OHにおける1行目の(7×n+1)〜14×n列目にはOTUCnOHが設定される。OTUCnOHは、光チャネルのセクション監視情報を収容する。OHにおける2〜4行目の1〜14×n列目には、ODUCnOHが設定される。ODUCnOHは、光チャネルのパス管理運用情報を収容する。(14×n+1)〜16×n列目には、OPUCnOHが設定される。OPUCnOHは、クライアント信号のマッピング/デマッピングに必要な情報などを収容する。3824×n+1〜4080×n列目には、OTUCnFECが設定される。OTUCnFECは、FEC用のパリティチェックバイトを収容する。一般的に、行あたりRバイトのFECが付加される場合、3824×n+1〜(3824+R)×n列目にFECが設定される。
【0033】
図3は、OTLCn.nのフレーム構造を示す図である。OTLCn.nは、4行、4080列で表記される。OTLCn.n#1〜OTLCn.n#nは、バイトインタリーブによりOTUCnフレームを分割して得られる。OTUCnのOPUCnペイロードは、OTLCn.n#iの17〜3824列目のOPUCn.n#iペイロードにマッピングされる。
【0034】
OTLCn.n#iの1〜16列目には、OHが設定される。OTLCn.n#iのOHは、OTUCnOH等に基づいて設定される。1行目の1〜7列目には、FALCn.n#iOHが設定される。FALCn.n#iOHは、フレーム同期に必要な情報を含む。1行目の8〜14列目には、OTLCn.n#iOHが設定される。OTLCn.n#iOHは、光チャネルのセクション監視情報を収容する。2〜4行目の1〜14×n列目には、ODLCn.n#iOHが設定される.ODLCn.n#iOHは、光チャネルのパス管理運用情報を収容する。15〜16列目には、OPLCn.n#iOHが設定される。OPLCn.n#iOHは、クライアント信号のマッピング/デマッピングに必要な情報などを収容する。3825〜4080列目には、OTLCn.n#iFECが設定される。OTLCn.n#iFECは、FEC用のパリティチェックバイトを収容する。
【0035】
図4A〜
図4Dは、光信号の伝送に用いられる光チャネルを示す図である。
図4Aは、400Gの光信号を一つの光キャリアによりシリアル伝送する場合の光チャネルを示す図であり、
図4Bは、400Gの光信号を4つの光サブキャリアによりパラレル伝送(マルチキャリア伝送)する場合の光チャネルを示す図である。電子回路では動作速度の制約から、
図4Aに示すように、1光キャリアによりシリアル伝送することができる帯域の容量を、100Gを超えて拡張し続けることは困難である。そこでOTUCnでは、100G超の帯域を複数の光サブキャリアによりパラレル伝送することにより、電子回路の動作速度の制約を受けずに広帯域伝送を実現する。このパラレル伝送には、偏波多重、多値変調などが用いられる。変調方式によって、光サブキャリアの帯域は異なる。
【0036】
図4Bは、400Gの1光チャネルを、100Gの4光サブキャリアによりパラレル伝送した場合の例であり、
図4Cは、400Gの1光チャネルを、200Gの2光サブキャリアによりパラレル伝送した場合の例である。また、マルチキャリア伝送は、nを変化させることにより、
図4Dに示すように、100G単位で伝送帯域を増加させていくことができるフレキシビリティを有する。
【0037】
(第1の実施形態)
図5は、本発明に係る第1の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、第1の実施形態における光伝送システムは、光送信装置30と光受信装置40と伝送路50(光ファイバ)とを備える。また、
図5には、光送信装置30及び光受信装置40において用いられるフレーム構造が示されている。
【0038】
光送信装置30は、複数のクライアント収容部31と時間多重処理部32と伝送フレーム生成部33とi個のサブキャリア送信部34−1〜34−iとTS(タイムスロット)制御部35と電源制御部36とを備える。クライアント収容部31は、
図1におけるクライアント信号受信部120に相当する。時間多重処理部32は、
図1におけるODU−SW210及び多重化部131に相当する。伝送フレーム生成部33は、
図1におけるフレーミング部132及びライン側送信処理部140に相当する。サブキャリア送信部34−1〜34−iそれぞれは、
図1における送信機220に相当する。第1の実施形態における光送信装置30は、TS制御部35と電源制御部36とを備えている構成が、
図1に示したOTNフレーマ100における送信処理部110の構成と異なっている。
【0039】
クライアント収容部31は、クライアント信号を受信し、受信したクライアント信号を電気パスのフレーム構造に収容する。例えばOTNにおいては、ODUが電気パスのフレーム構造として用いられる。クライアント収容部31は、クライアント信号を収容した電気パス信号を時間多重処理部32へ出力する。
【0040】
時間多重処理部32は、複数のクライアント収容部31それぞれから出力される電気パス信号を時間多重化する。時間多重処理部32は、入力した複数の電気パス信号それぞれを、伝送フレームが有する複数のタイムスロットのいずれかに対して割り当て、割り当てたタイムスロットに電気パス信号を収容する。時間多重処理部32は、伝送フレームのタイムスロットに電気パス信号を収容することで、電気パス信号を時間多重化する。時間多重処理部32は、電気パス信号の容量などに応じて、電気パス信号を一つ又は複数のタイムスロットに割り当てる。
【0041】
図6は、第1の実施形態における時間多重処理部32の構成を示すブロック図である。同図に示すように、時間多重処理部32は、複数のスタッフ付加部321と複数の書込処理部322とバッファメモリ323とを備える。
【0042】
複数のスタッフ付加部321は、クライアント収容部31それぞれに対応して設けられている。各スタッフ付加部321は、対応するクライアント収容部31が出力する電気パス信号を入力する。スタッフ付加部321は、入力した電気パス信号に対してスタッフバイトを付加して、当該電気パス信号を収容するタイムスロットの容量と同一の容量に調整する。スタッフ付加部321は、スタッフバイトが付加された電気パス信号を書込処理部322へ出力する。
【0043】
複数の書込処理部322それぞれは、スタッフ付加部321それぞれに対応して設けられている。各書込処理部322は、対応するスタッフ付加部321からスタッフバイトが付加された電気パス信号を入力する。書込処理部322は、電気パスごとに定められたタイムスロットに対応する書き込みアドレスと、データとを組み合わせてバッファメモリ323に出力して、当該アドレスに対応する領域に当該データを書き込む。各書込処理部322は、TS制御部35から書き込みアドレスを取得する。バッファメモリ323に書き込むデータは、スタッフバイトが付加された電気パス信号である。
【0044】
バッファメモリ323は、伝送フレームが有するタイムスロットの容量よりも大きい記憶容量を有する。バッファメモリ323は、各書込処理部322によって入力されるデータを記憶し、1伝送フレームの周期ごとに記憶しているデータを伝送フレーム生成部33へ出力する。なお、バッファメモリ323は、各書込処理部322によって書き込まれたデータを伝送フレーム生成部33へ順次出力してもよい。
【0045】
時間多重処理部32は、上記の構成を有することにより、複数のクライアント収容部31それぞれから出力されるLO−ODUを、HO−ODUにおけるタイムスロットに割り当て、割り当てたタイムスロットにLO−ODUを収容する。HO−ODUとしてODUCnを用いる場合には、ODUCnが有しているn×80個の1.25Gのタイムスロットに対して、LO−ODUを割り当てることになる。LO−ODUとしてODU2が用いられるとき、ODU2が約10Gの帯域を有しているので8個のタイムスロットにODU2を割り当ててODU2を収容することになる。また、LO−ODUとしてODU3が用いられるとき、ODU3が約40Gの帯域を有しているので31個のタイムスロットにODU3を割り当ててODU3を収容することになる。なお、ODUCnがn×80個の1.25Gのタイムスロットを有する構成は一例であり、ODUCnが有するタイムスロット当たりの容量は、前述の1.25G以外であってもよい。
【0046】
図5に戻り、光送信装置30の構成についての説明を続ける。伝送フレーム生成部33は、時間多重処理部32から出力される1伝送フレーム分のデータに対して、オーバーヘッド情報を付加したり、誤り訂正符号を付加したりする。伝送フレーム生成部33は、データにオーバーヘッド情報及び誤り訂正符号を付加して得られた信号を、伝送に用いるサブキャリアの数に分配した送信信号を生成する。伝送フレーム生成部33は、生成した送信信号を、それぞれに対応するサブキャリア送信部34−1〜34−iへ出力する。
【0047】
サブキャリア送信部34−1〜34−iそれぞれは、伝送フレーム生成部33から出力される送信信号に対して電気−光変換を行い、電気−光変換で得られた光信号をサブキャリア信号として出力する。サブキャリア送信部34−1〜34−iそれぞれから出力されるサブキャリア信号は、互いに異なる波長の搬送光を用いて生成される。サブキャリア送信部34−1〜34−iから出力されるサブキャリア信号は、伝送路50を介して、光受信装置40へ伝送される。複数のサブキャリア信号が伝送される際、一般的には同一経路の同一光ファイバが用いられるが、同一経路の異なる光ファイバを用いることもできるし、異なる経路の光ファイバを用いることもできる。
【0048】
TS制御部35は、時間多重処理部32及び伝送フレーム生成部33との間で制御情報を入出力する。TS制御部35と時間多重処理部32との間における制御情報には、バッファメモリ323へデータを書き込む際の書き込みアドレスや、各書込処理部322に対して書き込みアドレスの変更を指示する情報などが含まれる。TS制御部35は、タイムスロット使用状況テーブルを有しており、当該テーブルに基づいて書き込みアドレスを各書込処理部322へ指示する。TS制御部35と伝送フレーム生成部33との間における制御情報には、サブキャリア送信部34−1〜34−iのうち伝送に用いるサブキャリア送信部34を指定する情報などが含まれる。TS制御部35は、タイムスロット使用状況テーブルに基づいて、伝送に用いるサブキャリア送信部34と伝送に用いないサブキャリア送信部34とを電源制御部36へ通知する。電源制御部36は、伝送に用いるサブキャリア送信部34に対して電力を供給し、伝送に用いないサブキャリア送信部34に対して電力の供給を停止する制御を行う。
【0049】
光受信装置40は、i個のサブキャリア受信部41−1〜41−iと伝送フレーム終端部42と時間逆多重処理部43と複数のクライアント再生部44とTS制御部45と電源制御部46とを備える。サブキャリア受信部41−1〜41−iそれぞれは、
図1における受信機230に相当する。伝送フレーム終端部42は、
図1におけるライン側受信処理部160及びデフレーミング部171に相当する。時間逆多重処理部43は、
図1における逆多重化部172及びODU−SW210に相当する。クライアント再生部44は、
図1におけるクライアント信号送信部180に相当する。
【0050】
サブキャリア受信部41−1〜41−iそれぞれは、サブキャリア送信部34−1〜34−iに対応して設けられている。サブキャリア受信部41−1〜41−iは、対応するサブキャリア送信部34−1〜34−iから送信されたサブキャリア信号を受信する。サブキャリア受信部41−1〜41−iは、受信したサブキャリア信号に対して光−電気変換を行い、光電気変換で得られた電気信号を受信信号として伝送フレーム終端部42へ出力する。
【0051】
伝送フレーム終端部42は、サブキャリア受信部41−1〜41−iそれぞれから出力される受信信号を結合して伝送フレームを復元する。伝送フレーム終端部42は、受信信号を結合する際に、各受信信号のフレームの境界を検出し、フレーム間の伝送遅延に差がある場合にはその差を補償(デスキュー;de-skew)する。伝送フレーム終端部42は、復元した伝送フレームのオーバーヘッド情報を読み出し、伝送フレームに付加されている誤り訂正符号を用いた誤り訂正復号を行う。伝送フレーム終端部42は、復号した1伝送フレーム分のデータを時間逆多重処理部43へ出力する。なお、伝送フレーム終端部42は、サブキャリア受信部41−1〜41−iそれぞれの受信信号に対して個々に誤り訂正復号を行った後に、誤り訂正復号された受信信号を結合して伝送フレームを復元してもよい。
【0052】
時間逆多重処理部43は、伝送フレーム終端部42から出力されるデータに対して逆多重化し、複数の電気パス信号に分離する。時間逆多重処理部43は、分離して得られた複数の電気パス信号を対応するクライアント再生部44へ出力する。
【0053】
図7は、第1の実施形態における時間逆多重処理部43の構成を示すブロック図である。同図に示すように、時間逆多重処理部43は、バッファメモリ431と複数の読出処理部432と複数のスタッフ削除部433とを備える。
【0054】
バッファメモリ431は、伝送フレーム終端部42から入力されるデータを、入力された順序で記憶する。バッファメモリ431は、読出処理部432から指定される読み出しアドレスで指定される記憶領域に記憶されているデータを、当該読出処理部432へ出力する。読み出しアドレスで指定される記憶領域は、伝送フレームのタイムスロットに対応する。
【0055】
複数の読出処理部432それぞれは、電気パスに対応して設けられている。読出処理部432は、対応する電気パスに割り当てられているタイムスロットのデータをバッファメモリ431から取得する。読出処理部432に対応する電気パスに割り当てられているタイムスロットに対応する読み出しアドレスは、TS制御部45から各読出処理部432へ入力される。読出処理部432は、TS制御部45から取得した読み出しアドレスをバッファメモリ431へ出力して、当該読み出しアドレスの記憶領域に記憶されているデータを取得してスタッフ削除部433へ出力する。
【0056】
複数のスタッフ削除部433それぞれは、電気パスに対応して設けられている。スタッフ削除部433は、対応する電気パスに割り当てられている読出処理部432から出力されるデータを入力する。スタッフ削除部433は、入力したデータに附加されているスタッフバイトを削除して元の電気パス信号を取り出し、取り出した電気パス信号をクライアント再生部44へ出力する。
【0057】
図5に戻り、光受信装置40の構成についての説明を続ける。複数のクライアント再生部44それぞれは、電気パスに対応して設けられている。クライアント再生部44は、対応する電気パスの電気パス信号をスタッフ削除部433から入力する。クライアント再生部44は、入力した電気パス信号からクライアント信号を取り出して送信する。
【0058】
TS制御部45は、伝送フレーム終端部42及び時間逆多重処理部43との間で制御情報を入出力する。TS制御部45と伝送フレーム終端部42との間における制御情報には、サブキャリア受信部41−1〜41−iのうち伝送に用いるサブキャリア受信部41を指定する情報などが含まれる。TS制御部45は、伝送に用いるサブキャリア受信部41と伝送に用いないサブキャリア受信部41とを電源制御部46へ通知する。電源制御部46は、伝送に用いるサブキャリア受信部41に対して電力を供給し、伝送に用いないサブキャリア受信部41に対して電力の供給を停止する制御を行う。TS制御部45と時間逆多重処理部43との間における制御情報には、バッファメモリ431からデータを読み出す際の読み出しアドレスや、各読出処理部432に対して読み出しアドレスの変更を指示する情報などが含まれる。
【0059】
上述の構成を有する光送信装置30及び光受信装置40を備える光伝送システムにおいて、伝送フレームにおいて電気パス信号を配置するタイムスロットを変更する際の動作を説明する。光送信装置30のTS制御部35は、時間多重処理部32に対して一定時間後(Tフレーム後)にタイムスロットの割り当ての変更を実施する指示をする。時間多重処理部32は、TS制御部35の指示に基づいて、Tフレーム分の時間が経過した後に伝送フレームの境界においてタイムスロットの割り当て変更を実施する。
【0060】
また、TS制御部35は、伝送フレーム生成部33が付加するオーバーヘッド情報を用いて、光受信装置40に対してタイムスロットの割り当ての変更を一定時間後に実施することを通知する。光受信装置40の伝送フレーム終端部42は、タイムスロットの割り当てを変更する通知が伝送フレームのオーバーヘッド情報に含まれていることを検出すると、当該通知をTS制御部45へ出力する。TS制御部45は、タイムスロットの割り当てを変更する通知が伝送フレーム終端部42から入力されると、当該通知を時間逆多重処理部43へ出力する。時間逆多重処理部43は、Tフレーム分の時間が経過した後に伝送フレームの境界においてタイムスロットの割り当て変更を実施する。
【0061】
図8は、電気パス信号を割り当てるタイムスロットを変更する際の処理を示すフローチャートである。光伝送システムにおいて、タイムスロットの割り当てを変更する処理は、光伝送システムの管理者による開始指示を受け付けた場合、伝送フレームのタイムスロットのフラグメンテーション(タイムスロットの断片化)の度合いを示す指標が閾値を超えた場合、毎日あるいは毎週、毎月などの指定されたタイミングにおいて実行される。フラグメンテーションの度合いを示す指標としては、例えば、式(1)を用いて算出される値を用いるようにしてもよい。
(使用サブキャリア数)−((使用タイムスロット数)/(1サブキャリアあたりのタイムスロット数)) …(1)
【0062】
例えば、使用サブキャリア数が4であり、電気パス信号を割り当てたタイムスロット数が20であり、1サブキャリアあたりのタイムスロット数が10である場合、フラグメンテーションの度合いを示す指標は、(4−(20/10))=2となる。この指標は、節約しうるサブキャリア数を示しているので、指標が1以上の場合にはフラグメンテーションを解消することにより、リソースの利用効率を向上させることができる。
【0063】
光伝送システムにおいて、タイムスロットの割り当てを変更する処理が開始されると、光送信装置30のTS制御部35は、伝送フレームのタイムスロットに対する各電気パス信号の割り当てを取得する(ステップS101)。TS制御部35は、伝送フレームのタイムスロットに対する各電気パス信号の割り当てを変更し、フラグメンテーションを解消する新たなタイムスロットの割り当てを決定する(ステップS102)。
【0064】
TS制御部35は、決定したタイムスロットの割り当てとタイムスロットの割り当てを変更する通知とを伝送フレーム生成部33へ出力し、伝送フレーム生成部33を介して割り当て及び変更の通知を光受信装置40へ送信する。光受信装置40において、伝送フレーム終端部42は、光送信装置30から受信した伝送フレームのオーバーヘッド情報に、タイムスロットの割り当てと変更の通知とを検出すると、検出した割り当て及び通知をTS制御部45へ出力する(ステップS103)。なお、タイムスロットの割り当てを変更する通知には、タイムスロットの割り当てを変更するタイミングを示す情報(Tフレーム後を示す情報)が含まれる。
【0065】
光送信装置30のTS制御部35は、タイムスロットの割り当てを変更するフレームに対する処理が実行される前に、新たな割り当てを時間多重処理部32へ通知し、タイムスロットに対する割り当ての変更を実施させる。光受信装置40のTS制御部45は、タイムスロットの割り当てを変更するフレームに対する処理が実行される前に、新たな割り当てを時間逆多重処理部43へ通知し、タイムスロットに対する割り当ての変更を実施させる(ステップS104)。
【0066】
TS制御部35は、新たな割り当てにおいて電気パス信号が割り当てられたタイムスロットを伝送しないサブキャリア送信部34に対する電力の供給を停止させる制御を、電源制御部36に対して行う。同様に、TS制御部45は、新たな割り当てにおいて電気パス信号が割り当てられたタイムスロットを伝送しないサブキャリア受信部41に対する電力の供給を停止させる制御を、電源制御部46に対して行う(ステップS105)。
【0067】
なお、割り当ての変更後に、電気パス信号が割り当てられたタイムスロットを伝送しないサブキャリア送信部34とサブキャリア受信部41とが存在しない場合、TS制御部35及びTS制御部45は、電源制御部36及び電源制御部46に対する制御を行わずに、タイムスロットの割り当てを変更する処理を終了させる。
【0068】
図9は、電気パス信号を割り当てるタイムスロットを変更する際の異なる処理を示すフローチャートである。
図8に示す処理が使用するサブキャリアの削減を伴う処理であるのに対して、
図9に示す処理は、使用するサブキャリアの増加を伴う処理である。
【0069】
光伝送システムにおいて、タイムスロットの割り当てを変更する処理が開始されると、光送信装置30のTS制御部35は、伝送フレームのタイムスロットに対する各電気パス信号の割り当てを取得する(ステップS201)。TS制御部35は、新たな電気パス信号の追加又は既存の電気パス信号の容量を増加させるために、伝送フレームのタイムスロットに対する電気パス信号の割り当てを変更し、新たなタイムスロットの割り当てを決定する(ステップS202)。
【0070】
TS制御部35は、決定したタイムスロットの割り当てとタイムスロットの割り当てを変更する通知とを伝送フレーム生成部33へ出力し、伝送フレーム生成部33を介して割り当て及び変更の通知を光受信装置40へ送信する。光受信装置40において、伝送フレーム終端部42は、光送信装置30から受信した伝送フレームのオーバーヘッド情報に、タイムスロットの割り当てと割り当てを変更する通知とを検出すると、検出した割り当て及び通知をTS制御部45へ出力する(ステップS203)。
【0071】
TS制御部35は、新たな割り当てにおいて電気パス信号が割り当てられたタイムスロットを伝送するサブキャリア送信部34のうち電力の供給が停止されているサブキャリア送信部34に対して電力の供給を開始させる制御を、電源制御部36に対して行う。同様に、TS制御部45は、新たな割り当てにおいて電気パス信号が割り当てられたタイムスロットを伝送するサブキャリア受信部41のうち電力の供給が停止されているサブキャリア受信部41に対して電力の供給を開始させる制御を、電源制御部46に対して行う。(ステップS204)。
【0072】
TS制御部35及びTS制御部45は、伝送フレーム生成部33及び伝送フレーム終端部42に対して、電力の供給が開始されたサブキャリア送信部34及びサブキャリア受信部41の正常性を確認させる(ステップS205)。
【0073】
光送信装置30のTS制御部35は、タイムスロットの割り当てを変更するフレームに対する処理が実行される前に、新たな割り当てを時間多重処理部32へ通知し、タイムスロットに対する割り当ての変更を実施させる。光受信装置40のTS制御部45は、タイムスロットの割り当てを変更するフレームに対する処理が実行される前に、新たな割り当てを時間逆多重処理部43へ通知し、タイムスロットに対する割り当ての変更を実施させる(ステップS206)。
【0074】
図10A〜
図10Cは、電気パス信号を割り当てるタイムスロットの変更の一例を示す図である。同図に示す例では、1サブキャリアあたり100Gの伝送をしており、4つのサブキャリア(SC#1〜SC#4)で400Gの伝送をしている。1個のタイムスロットの容量を10Gとし、各サブキャリアに10個のタイムスロットが含まれている。
図10A〜
図10Cにおいては、縦軸がサブキャリアを表し、横軸がタイムスロットを表している。
図10Aは、400Gの信号に多重されている電気パスの開通と削除とが繰り返し行われてフラグメンテーションが生じている場合を示している。この場合、実際に伝送しているトラフィック(電気パス信号)が少ないにも拘わらず、すべてのサブキャリアを用いて伝送を行う必要があり、リソースを浪費している。具体的には、40個のタイムスロットのうち20個のタイムスロット、すなわち200G分のトラフィックしか収容していないが、4つのサブキャリアすべてを動作させているためリソースを浪費しているといえる。
【0075】
図10Bは、
図10Aに示したタイムスロットの割り当てに対して変更を行った後のタイムスロットの割り当てを示している。4つの電気パス信号に対するタイムスロットの割り当てを変更したことにより、2つのサブキャリア(SC#3、SC#4)に対して電気パス信号を割り当てずとも、4つの電気パス信号を伝送することが可能になっている。このとき、
図10Cに示すように、2つのサブキャリア(SC#3、SC#4)に対応するサブキャリア送信部34及びサブキャリア受信部41への電力の供給を停止することで、リソースの利用効率を向上させることができる。
【0076】
図10Aに示したタイムスロットの割り当てでは、式(1)で算出されるフラグメンテーションの度合いを示す指標が(4−(20/10))=2である。
図10Cに示したタイムスロットの割り当てでは、式(1)で算出されるフラグメンテーションの度合いを示す指標が(2−(20/10))=0である。このように、タイムスロットの割り当ての変更により、リソースの利用効率が向上している。
【0077】
図11は、光送信装置30及び光受信装置40の動作例を示す図である。同図において、横軸は時間を表している。光送信装置30は、伝送フレーム#1において、切替情報を光受信装置40へ通知する。切替情報には、タイムスロットの新たな割り当てと、当該割り当てを用いた多重化に切り替えるタイミングを示す情報とが含まれる。なお、タイムスロットの新たな割り当てに代えて、タイムスロットの現在の割り当てとタイムスロットの新たな割り当てとにおける変更の箇所を示す情報を切替情報に含めてもよい。
図11に示す例では、伝送フレーム#nと伝送フレーム#n+1との境界で、タイムスロットに対する電気パス信号の割り当てを切り替える。すなわち、
図11に示す例では、n伝送フレーム後に割り当てを切り替えることを示す情報が切替情報に含まれる。
【0078】
伝送フレーム#nまでは、光送信装置30は、タイムスロットの現在の割り当てに基づいて電気パス信号を伝送フレームにおいて時間多重化する。伝送フレーム#n+1以降は、光送信装置30は、タイムスロットの新たな割り当てに基づいて電気パス信号を伝送フレームにおいて時間多重化する。
【0079】
図12A〜
図12Bは、TS制御部35が有するタイムスロット使用状況テーブルの一例を示す図である。同図には、
図10Aに示した割り当てに対応するタイムスロット使用状況テーブルが示されている。タイムスロット使用状況テーブルには、タイムスロットごとに、当該タイムスロットに割り当てられている電気パス信号が対応付けられている。電気パス信号が割り当てられていないタイムスロットには、使用されていないことを示す「空き」が対応付けられている。
図13A〜
図13Bは、TS制御部35が有するタイムスロット使用状況テーブルの異なる一例を示す図である。同図では、
図10Bに示した割り当てに対応するタイムスロット使用状況テーブルが示されている。
【0080】
ここで、TS制御部35がタイムスロットに対する電気パス信号の割り当てを変更する際に新たな割り当てを決定する手順について、
図12A〜
図12B及び
図13A〜
図13Bを用いて説明する。以下の説明において、サブキャリアSC#1のタイムスロットTS#1を先頭のタイムスロットとし、サブキャリアSC#4のタイムスロットTS#10を最後尾のタイムスロットとする。
【0081】
TS制御部35は、新たな割り当てを決定する際、最後尾のタイムスロットから順に先頭のタイムスロットに向かって、タイムスロットに割り当てられている電気パス信号を探索する。
図12A〜
図12Bの例では、サブキャリアSC#4のタイムスロットTS#10から順に探索を開始すると、サブキャリアSC#4のタイムスロットTS#9に電気パス信号(Client Signal #2)を検出する。
【0082】
TS制御部35は、タイムスロットに割り当てられている電気パス信号を検出すると、先頭のタイムスロットから順に電気パス信号が割り当てられていないタイムスロットを探索する。
図12A〜
図12Bの例では、サブキャリアSC#1のタイムスロットTS#1から順に探索を開始すると、サブキャリアSC#1のタイムスロットTS#6に電気パス信号が割り当てられていないタイムスロットを検出する。
【0083】
TS制御部35は、電気パス信号が割り当てられていないタイムスロットを検出すると、当該タイムスロットに検出した電気パス信号を割り当てる。
図12A〜
図12Bの例では、検出した電気パス信号(Client Signal #2)を、サブキャリアSC#1のタイムスロットTS#6に割り当てることになる。
【0084】
TS制御部35は、この処理を繰り返して行い、電気パス信号が割り当てられたタイムスロットを先頭側に集約させるとともに、電気パス信号が割り当てられていないタイムスロットを最後尾側に集約させる。TS制御部35が処理を繰り返すことにより、
図12A〜
図12Bの例ではサブキャリアSC#4のタイムスロットTS#2〜TS#5の電気パス信号(Client Signal #4)の割り当てがサブキャリアSC#1のタイムスロットTS#7〜TS#10へ変更される。また、サブキャリアSC#3のタイムスロットTS#6〜TS#10の電気パス信号(Client Signal #3)の割り当てがサブキャリアSC#2のタイムスロットTS#1〜TS#5へ変更される。この結果、電気パス信号(Client Signal #1〜#4)に対するタイムスロットの新たな割り当てが、
図13A〜
図13Bに示す割り当てに決定される。
【0085】
次に、電気パス信号を割り当てるタイムスロットの変更に関する他の例について説明する。
【0086】
最初に、この他の例に関する背景について説明する。光サブキャリアの変調方式は、波長リソースおよび装置コストの観点からはサブキャリア数が少ないものが好ましい。しかし、変調方式を決定する際には、実際に伝送する距離よりも伝送可能な距離(伝送距離)の長い変調方式が選択される。
【0087】
伝送距離は変調方式によって異なり、QPSK>8QAM>16QAMの順である。QPSKの伝送レートは基本レート×2ビットであり、8QAMの伝送レートは基本レート×3ビットであり、16QAMの伝送レートは、基本レート×4ビットである。光伝送帯域を一定としたとき、サブキャリア数は、QPSK>8QAM>16QAMの順である。
【0088】
B100G伝送では、基本レートとして25Gが一般的に用いられている。また、例えば1SC−DP−8QAMの場合、伝送帯域は、1(SC)×2(DP)×3×25=150Gとなり、100G単位のクライアント信号を収容する際の整合性が悪い。このため、16QAMで伝送不可能かつ8QAMで伝送可能な距離であっても、QPSKが用いられることが多かった。
【0089】
近年、25G/50G Ethernet(登録商標)や、5G単位で帯域が可変なFlexEthernetなど、100G未満のクライアント信号の規格が制定されている。100G未満のクライアント信号の増加によって8QAMの整合性が改善されるため、8QAMの利用機会は増加する。
【0090】
しかし、光サブキャリアの帯域によらずOTUCnフレームは100G単位であるため、光サブキャリアの帯域が100Gの倍数でない場合、端数の帯域を考慮しなくてはならない。例えば、1SC−DP−8QAMの場合、光サブキャリアの帯域は150Gであるため、OTUC2フレームのうち、50Gの帯域(タイムスロット)は使用不可として、クライアント信号の収容を行わない領域(タイムスロット)を明示する必要がある。
【0091】
1個のOTLC4.4フレームの帯域は100Gである。1個のタイムスロットの帯域を5Gとし、2個のOTLC4.4フレームを1組とすると、その帯域およびタイムスロット数は最大で200G、40タイムスロットとなる。1サブキャリア当たり150Gの情報を収容する場合、30個のタイムスロット(150G)を使用可能に設定し、残り10個のタイムスロット(50G)を使用不可に設定する。
【0092】
OTLC4.4フレームの本数をnとし、使用可能なタイムスロット数をMとしたとき、OTUCn−Mと表記する。例えば、2個のOTLC4.4フレームで30個のタイムスロットを使用可能な場合、OTUC2−30と表記する。
【0093】
一般に、サブキャリア数をN、1サブキャリアの帯域をBWSC(Gビット毎秒)、1タイムスロットの帯域をBWTS(Gビット毎秒)としたとき、
M=N×Ceil(BWSC/BWTS)
n=N×Ceil(BWSC/100)
となる。なお、Ceil(x)は、x以上の最小の整数を与える関数である。
【0094】
図14A〜
図14Cは、以上のような背景に鑑みた場合において、電気パス信号を割り当てるタイムスロットの変更の例を示している。同図において、丸印と斜線を組み合わせた記号の付けられたタイムスロットが、使用不可の帯域(タイムスロット)を示している。同図に示す例では、1サブキャリアあたり150Gの伝送をしており、3つのサブキャリア(SC#1〜SC#3)で450Gの伝送をしている。
【0095】
1サブキャリアあたり2個のOTLC4.4フレームが必要であるため、450Gの伝送には、6本(3組)のOTLC4.4フレームが必要となる。すなわち、
図14A〜
図14Cは、OTUC6−90の場合を示している。
【0096】
なお、使用可能なタイムスロット(もしくは、使用不可のタイムスロット)は、各組のOTLC4.4の中で任意に配置することが可能とする。また、収容する情報がない場合、使用可能なタイムスロットは空きとする。
【0097】
図14Aは、電気パスの開通と削除とが繰り返し行われて、タイムスロットの割り当てにフラグメンテーションが生じている状態を示している。使用可能な90個のタイムスロットのうち、52個(260G)でしかクライアント信号を収容していないが、3つのサブキャリアすべてを動作させているため、リソースを浪費している。
【0098】
図14Bは、
図14Aに示したタイムスロットの割り当てに対して変更を行った後のタイムスロットの割り当てを示している。
図14Bでは、1つのサブキャリア(SC#3)に対して電気パス信号を割り当てなくとも、4つの電気パス信号を伝送することが可能になっている。このとき、
図14Cに示すように、1つのサブキャリア(SC#3)に対応するサブキャリア送信部34およびサブキャリア受信部41への電力の供給を停止することで、リソースの利用効率を向上させることができる。
【0099】
なお、フラグメンテーションの度合いを示す指標としては、例えば、式(2)により算出される値を用いることができる。
(使用サブキャリア数)−((使用タイムスロット数)/(1サブキャリアあたりのタイムスロット数−1サブキャリアあたりの使用不可なタイムスロット数)) …(2)
TS制御部35が新たな割り当てを決定する手順は、
図12A〜
図13Bを参照して説明した手順と基本的に同じである。前述した手順との違いは、電気パス信号が割り当てられているタイムスロットに加えて、使用不可のタイムスロットを探索する点、および、同じ個数(図示した例では10個)の使用不可なタイムスロットが各サブキャリアに含まれるようにしている点である。また、同一のサブキャリア内では、使用可能なタイムスロットの位置と使用不可のタイムスロットの位置を交換しても構わないため、
図14Bおよび
図14Cでは、一部の位置について、空きのタイムスロットと使用不可のタイムスロットを交換した後の状態を示している。
また、タイムスロット使用状況テーブルにおけるタイムスロットの割り当ての情報には、使用不可なタイムスロットの位置の情報が含まれる。
【0100】
図15A〜
図15Fは、TS制御部35が有するタイムスロット使用状況テーブルの一例を示す図である。同図には、
図14Aに示した割り当てに対応するタイムスロット使用状況テーブルが示されている。
【0101】
図16A〜
図16Fは、TS制御部35が有するタイムスロット使用状況テーブルの一例を示す図である。同図には、
図14Bに示した割り当てに対応するタイムスロット使用状況テーブルが示されている。
【0102】
なお、この他の例の場合、サブキャリア送信部34は、タイムスロット使用状況テーブルに基づいて、使用不可のタイムスロットを除いたタイムスロットの信号を光信号に変換し、得られた光信号をサブキャリア信号として出力する。
【0103】
次に、
図17A〜
図17Bは、OTNにおけるタイムスロット使用状況テーブルを示す図である。OTNでは、同図に示すようなMSI(Multiplex Structure Identifier)が用いられている。光送信装置30のTS制御部35は、
図12A〜
図12B、
図13A〜
図13B、
図15A〜
図15F、
図16A〜
図16F、又は
図17A〜
図17Bに示したタイムスロット使用状況テーブルと、電気パス信号に対するタイムスロットの割り当てを変更するタイミング情報とを、伝送フレームのオーバーヘッド情報の空き領域などを用いて光受信装置40のTS制御部45へ通知する。
【0104】
OTNの場合、
図18又は
図19に示すオーバーヘッドの空き領域(RES(Reservation)byteや、GCC(General Communication Channel))などを用いることにより、TS制御部35からTS制御部45への通知がなされる。
図18は、OTUkのフレーム構造を示す図である。OTUkフレーム構造では、1行目の11列目から14列目までのOTUkOHにおけるGCC0やRESを、通知に用いることができる。
図19は、ODUkのフレーム構造を示す図である。ODUkフレーム構造では、ODUkOHにおける2行目の1列目から2列目までのRESや、4行目の1列目から4列目までにおけるGCC1及びGCC2、4行目の9列目から14列目までのRESなどを、通知に用いることができる。
【0105】
OTNの場合、MSIにはビットエラーへの耐性を高めるための保護段数が設けられており、光受信装置40は、新たなタイムスロット使用状況テーブル(MSI)の通知において、光送信装置30から一定回数同じMSIを受け取った後に、新しいMSIとして使用を開始する。また、MSIは、マルチフレームと呼ばれる複数の伝送フレームを使用して光送信装置30から光受信装置40へ通知されるため、マルチフレームが一巡するまでの待ち時間が生じてしまう場合がある。OTNの場合、256フレームに1回、MSIを通知している。したがって、このような過渡状態では、
図11に示したように、光受信装置40において伝送フレーム#n+1から伝送フレーム#n+mまでの間は時間多重信号を正しく時間逆多重化して電気パス信号を分離することできず、信号断となる。伝送フレーム#n+m+1以降において、光受信装置40は、新しいMSIを用いて伝送フレームに対する時間逆多重化により電気パス信号を分離することができる。
【0106】
サブキャリア送信部34及びサブキャリア受信部41に対する電力供給を停止した後の信号の扱いについては、以下の動作が考えられる。
図10Cで示したように、4つのサブキャリアでトータル400Gの容量を有する伝送路において、2つのサブキャリアの電力供給を停止して伝送路の容量を200Gにした場合、この伝送路の容量を400Gとして扱うようにしてもよい。この場合、ネットワーク管理システムは、この伝送路の容量を400Gとして扱うことができる。トラフィックが増加して200Gを超えるときには、光送信装置30と光受信装置40とがバックグランドで、電力供給が停止されているサブキャリア送信部34及びサブキャリア受信部41に対して電力供給を再開して、増加したクライアント信号を収容するようにする。ネットワーク管理システムは、サブキャリアの利用停止及び利用再開についての制御を行うことなく、管理を行うことが可能となる。
【0107】
また、別の動作としては、サブキャリアの利用を停止した後に、この伝送路の容量を200Gとして扱うようにしてもよい。この場合、ネットワーク管理システムは、サブキャリアの利用停止による容量減少を検出することになる。トラフィックが増加したときには、サブキャリアの利用を再開させるとともに200Gから300G又は400Gへ容量を変更する。OTNを例にすると、前者の動作はサブキャリアの利用停止後もOTUC4の伝送路のまま扱うことに相当し、後者の動作はサブキャリアの利用停止後にOTUC4の伝送路からOTUC2の伝送路に変更することに相当する。
【0108】
マルチキャリア伝送においては、各サブキャリアで伝送する信号の各々に信号管理用のオーバヘッドバイトが設けられているフレーム構造が用いられることがある。このフレーム構造では、いずれかのサブキャリアが伝送路を代表するサブキャリアとしてオーバーヘッド情報を有する場合や、すべてのサブキャリアが同一のオーバーヘッド情報を有する場合、あるいはオーバーヘッド情報の種別によりそれらが混在している場合がある。タイムスロットのフラグメンテーションを解消した際にサブキャリアに対する電力供給を停止するときには、オーバーヘッド情報の扱いにも考慮しなければならない。
【0109】
例えば、特定のサブキャリアのみがオーバーヘッド情報を有している場合、当該サブキャリアを代表サブキャリアとして扱い、代表サブキャリアに対する電力供給を継続するように、タイムスロットに対する割り当ての変更を行う。具体的には、代表サブキャリアに対応するタイムスロットに対して優先的に電気パス信号を割り当てたり、代表サブキャリアに対する電力供給を停止するときには電気パス信号が割り当てられているサブキャリアを代表サブキャリアに変更したりする。
【0110】
以上のように、第1の実施形態における光伝送システムによれば、電気パスの開通と削除とが繰り返し行われるなどして、マルチキャリア伝送におけるタイムスロットの割り当てにフラグメンテーションが発生した場合に、タイムスロットに対する電気パス信号の割り当てを変更する。このとき、電気パス信号が割り当てられていないサブキャリアがあれば、当該サブキャリアに対応するサブキャリア送信部34及びサブキャリア受信部41の動作を停止させることにより、リソースの利用効率を向上させることができる。
【0111】
(第2の実施形態)
第1の実施形態における光伝送システムでは、タイムスロットに対する割り当てを変更する際に一定回数同じMSIを受け取った後に新しいMSIとして使用を開始するという保護期間や伝送マルチフレームの一巡待ち時間などにより、光受信装置40において信号断が生じていた(
図11)。第2の実施形態における光伝送システムでは、タイムスロットに対する電気パス信号の割り当てを変更する際に信号断が生じさせない動作をする。第2の実施形態における光受信装置40では、タイムスロット使用状況テーブルを切り替える際において保護期間の設定を一時的に解除し、一定回数同じMSIを受け取らずともMSIの変更を行う。
【0112】
図20は、第2の実施形態における光送信装置30及び光受信装置40の動作例を示す図である。同図において、横軸は時間を表している。光受信装置40は、伝送フレーム#1から伝送フレーム#nまでにおいて、更新されたタイムスロット使用状況テーブルを受け取る。光受信装置40は、伝送フレーム#n以降に保護期間を設けずに伝送フレーム#n+1から、更新されたタイムスロット使用状況テーブルを用いて伝送フレームに対する逆多重化により電気パス信号を分離する。
【0113】
なお、タイムスロット使用状況テーブルの伝送におけるビットエラー耐性を高めるために、伝送フレーム#1から伝送フレーム#nまでにおいて、光送信装置30は、更新したタイムスロット使用状況テーブルを複数回に亘り光受信装置40へ送信するようにしてもよい。これにより、タイムスロット使用状況テーブルの伝送においてビットエラーが生じた場合においても、光受信装置40で誤った逆多重化が行われることを防ぐことができる。また、光送信装置30において、伝送マルチフレームの一巡待ち期間が含まれるように、更新したタイムスロット使用状況テーブルに基づいた多重化を開始するタイミングを設定して、事前にタイムスロット使用状況テーブルを光受信装置40へ伝送するようにしてもよい。
【0114】
伝送フレーム#nと伝送フレーム#n+1との境界では、TS制御部35が各書込処理部322に対して書き込みアドレスを変更するとともに、TS制御部45が各読出処理部432に対して読み出しアドレスを変更することにより、タイムスロット使用状況テーブルの切り替えを実施する。
【0115】
第2の実施形態における光伝送システムによれば、タイムスロットに対する電気パス信号の割り当てにおけるフラグメンテーションを解消する際に、信号断を生じさせずにタイムスロット使用状況テーブルを切り替えることができる。
【0116】
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態における光伝送システムでは、主信号としての伝送フレームのオーバーヘッドを利用して切替情報を伝送していた。第3の実施形態における光伝送システムでは、主信号とは別の波長の信号であるスーパーバイザリチャネルや他の通信路を用いて、切替情報を伝送する。
図21は、第3の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、第3の実施形態における光伝送システムは、光送信装置30Aと光受信装置40Aと伝送路50とを備える。
【0117】
光送信装置30Aは、複数のクライアント収容部31と時間多重処理部32と伝送フレーム生成部33とi個のサブキャリア送信部34−1〜34−iとTS(タイムスロット)制御部35と電源制御部36と制御信号送信部39とを備える。光送信装置30Aにおいて、光送信装置30が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。制御信号送信部39は、TS制御部35から切替情報を入力し、当該切替情報を伝送路50と異なる経路で光受信装置40Aへ送信する。TS制御部35は、切替情報を伝送フレーム生成部33へ出力することに代えて、切替情報を制御信号送信部39へ出力する。
【0118】
光受信装置40Aは、i個のサブキャリア受信部41−1〜41−iと伝送フレーム終端部42と時間逆多重処理部43と複数のクライアント再生部44とTS制御部45と電源制御部46と制御信号受信部49とを備える。光受信装置40Aにおいて、光受信装置40が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。制御信号受信部49は、制御信号送信部39が送信する切替情報を受信し、当該切替情報をTS制御部45へ出力する。TS制御部45は、伝送フレーム終端部42から切替情報を入力することに代えて、切替情報を制御信号受信部49から入力する。
【0119】
第3の実施形態における光伝送システムによれば、タイムスロットに対する電気パス信号の割り当てにおけるフラグメンテーションを解消する際に、任意のタイミングで切替情報を伝送し、信号断を生じさせずにタイムスロット使用状況テーブルを切り替えることができる。
【0120】
(第4の実施形態)
第1、第2及び第3の実施形態における光伝送システムに対して波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)を適用してもよい。第4の実施形態における光伝送システムは、波長分割多重を適用した光伝送システムである。
図22は、第4の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、第4の実施形態における光伝送システムは、複数の光送信装置30と波長多重部61と伝送路50と波長分離部62と複数の光受信装置40とを備える。第4の実施形態における光送信装置30及び光受信装置40は、第1の実施形態における光送信装置30及び光受信装置40(
図5)と同じ構成であるので、重複する説明を省略する。
【0121】
波長多重部61は、光送信装置30それぞれが出力する異なる波長の光信号を多重して1つの伝送路50(光ファイバ)へ出力する。波長分離部62は、伝送路50から受信した光信号を波長ごとに分離し、波長ごとに分離した光信号を所定数の光信号ごとに光受信装置40へ出力する。このように、マルチキャリア伝送で用いられる複数のサブキャリアを波長多重して伝送することにより、1つの伝送路50における伝送容量を向上させることができる。なお、光伝送システムは、光送信装置30及び光受信装置40に代えて、光送信装置30A及び光受信装置40Aを備えてもよい。
【0122】
なお、上述した各実施形態における光伝送システムでは、電気パス信号のタイムスロットに対する割り当ての変更を実行するタイミングを一定時間後(Tフレーム後)と指定する構成について説明した。しかし、これに限ることなく他の手法でタイミングを指定してもよい。例えば、各伝送フレームに一意に識別できる識別子が割り振られている場合には、伝送フレームの識別子でタイミングを指定してもよい。
【0123】
また、上述した各実施形態の光伝送システムにおいて、タイムスロットに対する割り当てを変更する際に、電源の供給が停止されるサブキャリア送信部34及びサブキャリア受信部41の組をラウンドロビン・スケジューリングで選択してもよい。電源の供給を停止するサブキャリアを平均的に選択することにより、サブキャリア送信部34及びサブキャリア受信部41の稼働時間を平均化して装置の使用期間を延ばすことができる。特に光通信において用いられるレーザ発振器は通電時間に応じて使用期間が短くなるので、通電時間を平均化することによりシステム全体の使用期間を延ばすことができる。
【0124】
また、上述した各実施形態では、
図2,
図3,
図18に示されるように、FEC(誤り訂正符号)が含まれたフレーム構造を有するフレームを使用する場合を例に挙げて説明した。しかし、上述した各実施形態において、FECが含まれないフレーム構造を有するフレームを使用するようにしてもよい。この場合、フレーミング部132、デフレーミング部171、伝送フレーム生成部33、伝送フレーム終端部42では、FECに関係する処理(FEC(誤り訂正符号)の付加,FEC復号(誤り訂正復号))を行わない。また、この場合、FECに関係する処理は、例えば、送信機220および受信機230で行うようにしてもよい。
【0125】
上述した実施形態における光送信装置及び光受信装置をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、光送信装置及び光受信装置が備える構成要素それぞれを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disc)−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した構成要素の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した構成要素をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、光送信装置及び光受信装置は、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
【0126】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。