特許第6415574号(P6415574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧 ▶ ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンの特許一覧

<>
  • 特許6415574-電子製品中のダイボンディングプロセス 図000007
  • 特許6415574-電子製品中のダイボンディングプロセス 図000008
  • 特許6415574-電子製品中のダイボンディングプロセス 図000009
  • 特許6415574-電子製品中のダイボンディングプロセス 図000010
  • 特許6415574-電子製品中のダイボンディングプロセス 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6415574
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】電子製品中のダイボンディングプロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20181022BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20181022BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20181022BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20181022BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20181022BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20181022BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   H01L25/08 G
   H01L23/12 501W
   H01L23/30 R
   H01L21/56 R
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-543062(P2016-543062)
(86)(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公表番号】特表2017-502521(P2017-502521A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】CN2013090682
(87)【国際公開番号】WO2015096123
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 チャンジン
(72)【発明者】
【氏名】シェン、 ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ファン、 ワンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ、 ジン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、 スアン
(72)【発明者】
【氏名】ジュオ、 チージュオ
【審査官】 鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−222914(JP,A)
【文献】 特開2002−284967(JP,A)
【文献】 特開2007−182560(JP,A)
【文献】 特開2004−210901(JP,A)
【文献】 特開2004−282042(JP,A)
【文献】 特開2005−183807(JP,A)
【文献】 特開2005−167100(JP,A)
【文献】 特開昭62−235315(JP,A)
【文献】 特開平8−88316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/54
H01L 23/00−23/10、23/16−23/26
H01L 23/12−23/15
H01L 23/28−23/31
H01L 25/00−25/18
H01L 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダム材料及びフィル材料を利用するダイボンディングのためのプロセスであって、以下のステップ:
1) ダム材料が、基板上の1つまたは複数の第一のダイの周囲にディスペンスされるステップ;
2) フィル材料が、前記ダム材料によって定義される領域内にディスペンスされ、任意工程として基板がその間に加熱されるステップ;
3) 任意工程として、前記フィル材料が部分的に硬化されるステップ;
4) 第二のダイが前記フィル材料上に接着されるステップ;
5) 前記ダムおよびフィル材料が完全に硬化されるステップ
を含み、
前記ダム材料の粘度が、25℃、5rpmで40,000−50,000mPa・sの範囲内であり、ダム材料のチキソトロピー指数(T.I.)が1.0−6.0であること
を特徴とするプロセス。
【請求項2】
フィル材料の粘度が、25℃、5rpmで50,000mPa・s未満の範囲であり、フィル材料のT.I.が、3.0未満であることを特徴とする請求項1に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項3】
前記ダム材料が、ベース樹脂、エポキシ硬化剤、硬化剤、充填剤、及びその他の添加剤を含み、前記ベース樹脂が、エポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項4】
前記フィル材料が、ベース樹脂、エポキシ硬化剤、硬化剤、充填剤、及びその他の添加剤を含み、前記ベース樹脂が、エポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項5】
前記ダム材料が、ダム材料の全重量に基づいて、0−20%のエポキシ樹脂、0−30%のBMI樹脂、0−30%のビニル樹脂、0−5%のエポキシ硬化剤、0−5%の硬化剤、30−80%の充填材および0−5%のその他の添加剤を含み、各成分の合計が100%である、請求項に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項6】
前記フィル材料が、フィル材料の全重量に基づいて、0−30%のエポキシ樹脂、0−40%のBMI樹脂、0−40%のビニル樹脂、0−5%のエポキシ硬化剤、0−5%の硬化剤、0−70%の充填材および0−5%のその他の添加剤を含み、各成分の合計が100%である、請求項に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項7】
前記第一のダイがコントローラダイであり、前記第二のダイが、メモリダイであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項8】
印刷されたスチール製のステンシルとペースト材料を利用するダイボンディングのための印刷プロセスであって、以下のステップ:
1) 特定の開口のセットを有する印刷スチールステンシルを使用し、基板上の1つ以上の第一のダイを被覆するステップ;
2) 前記一つ以上の第一のダイを被覆するために、ペースト材料を、前記開口内に印刷するステップ;
3) 任意工程として、ペースト材料を部分的に硬化するステップ;
4) 第二のダイを、前記ペースト材料上に付着させるステップ;
5) 前記ペースト材料を完全に硬化するステップ
を含み、
前記ペースト材料の粘度が、25℃、5rpmで15,000−50,000mPa・sの範囲であり、ペースト材料のT.I.が1.5−3.0であること
を特徴とするプロセス。
【請求項9】
前記ペースト材料が、ベース樹脂、エポキシ硬化剤、硬化剤、充填剤、及びその他の添加剤を含み、前記ベース樹脂が、エポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項10】
前記ペースト材料が、ペースト材料の全重量に基づいて、0−30%のエポキシ樹脂、0−30%のBMI樹脂、0−30%のビニル樹脂、0−6%のエポキシ硬化剤、0−5%の硬化剤、30−70%の充填剤、及び0−5%のその他の添加剤を含み、各成分の合計が100%である、請求項に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項11】
前記第一のダイおよび前記第二のダイが、それぞれメモリカード中のコントローラダイおよびメモリダイであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のダイボンディングのためのプロセス。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項により製造されたメモリカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品におけるダイボンディングのための方法に関し、特に、埋め込みマルチメディアカードなどのメモリカードにおけるダイボンディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリカード等の電子製品は、高いターンオーバーを経験している。例えば埋め込みマルチメディアカード(embedded Multi Media Card;簡潔に「eMMC」)を例にとると、eMMCは、マルチメディアカードから埋め込みメモリのために拡張されたものであり、それは、短時間で市場投入が可能なエレガントで高度のモバイルデザインへのスムーズな道すじのための主要な処方である。eMMC開発の現在の傾向は、省スペース化、最小化および多機能化の目的のために、コントローラダイが基板の方向にメモリの下に移動していることであり、これは、マザーメモリダイが、コントローラダイまたは他の類似の部品の上面に、事前に取り付けられる必要があることを意味する。
【0003】
この変更のための既存のソリューションは、メモリダイを貼りつけるためのFOD(film over die;ダイの上に膜)を使用することである。この種のFOD材料の市販製品が既に存在する。しかし、コントローラダイとメモリダイが大きくなると(それは、メモリデバイスのトレンドの一つであるが)、基板およびメモリダイの両方が非常に薄く、高い応力を受けることができないので、深刻な反りの問題が生じる。一方、FODのためのコストは、多くのメモリデバイスのプレーヤーにとって許容できないほど非常に高い。種々の開発が試みられた。代替案1は、スペーサーダイを使用して下部(ボトム)メモリダイを基板に接着し、次いで標準スタックダイボンディング、ワイヤボンディング、そしてモールディングを行うことである。このソリューションは、FODより安価であるが、ワイヤボンディング時のダイクラックの危険性が高く、収率がかなり低い。代替案2は、標準的なモールディングプロセスを使用し、コントローラダイおよび/または他の同様の構成要素をモールドし、次いで、標準的なスタックダイボンディング、ワイヤボンディング、そしてモールディングを行うことである。上記の代替ソリューションの両方において、通常、メモリダイを取り付けるために、総材料費を増加させる余分なフィルム材料が必要とされ、そして、通常、フィルムとモールディング材料との密着性は非常に限られている。このように、上記の解決策の両方とも、ダイクラックの問題、層間剥離、高反りや低収量のため、あまりポジティブなものとは考えられていない。
【0004】
ダムおよびフィル(fill;充填)材料は、接着剤の分野において周知であり、しばらくの間、電子製品のパッケージに適用されてきた。しかしながら従来技術では、ダム及びフィル材料は、中の部品を保護するために、パッケージングに使用されているだけである。パッケージングするために使用することができるだけでなく、さらに、ダイ部品などの電子製品に直接部品を結合するために使用することができるダムおよびフィル材料を開発する試みは今まで存在しなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
電子製品、特にメモリカードにおけるダイパッケージングの現在の技術動向を考慮すると、発明の一つの目的は、例えば、ダイボンディングのための簡単で低コストの方法を提供し、反り、低収率、高コストなどの既存のソリューションにおける問題を解決することである。驚くべきことに、本発明者らは、ダム材料及びフィル材料(充填材料)を利用したプロセス(簡単に、D−Fプロセス)、および特定の開口部とペースト材料のセットを有する印刷スチールステンシルを利用した印刷プロセス(簡単に印刷プロセス)が、ダイボンディングにおいてFODまたは他の代替ソリューションを使用中に頻繁に発生する反り、ダイクラックの問題を解決できることを見いだした。両方のプロセスは、ダイボンディングに良好な接着性及び低い応力/ストリップ反りを達成し、且つ大きなコントローラダイと極薄メモリダイに適した簡単で低コストのプロセスであり。いくつかのケースでは、メモリダイを取り付けるために、追加のフィルムもしくはダイ付着材料を必要としない。
【0006】
本発明の一態様では、以下のステップを含むダイボンディングのためのD−Fプロセスが提供される:
1) ダム材料が、基板上の1つまたは複数の第一のダイの周囲にディスペンスされるステップ;
2) フィル材料(充填材料)が、前記ダム材料によって定義される領域内にディスペンスされ、任意工程として基板がその間に加熱されるステップ;
3) 任意工程として、前記フィル材料(充填材料)が部分的に硬化されるステップ;
4) 第二のダイが前記フィル材料上に接着されるステップ;
5) 前記ダムおよびフィル材料が完全に硬化されるステップ。
【0007】
D-Fプロセスにおいて、ダム材料は、標準DA(ダイアタッチ)ペーストに似ているが、比較的高い粘度と高いT.I.を持っており、これはディスペンス後にその元の形状を維持するのに役立つ。一方、フィル材料は、非常に低い粘度と非常に良好
な流動能力を有しているので、ディスペンス後に容易に基板、ワイヤ、ダイおよび他の構成要素に沿って流れ、非常に短い時間で完全なカバレッジを得ることができる。
【0008】
本発明の別の態様では、以下のステップを含む印刷プロセスが提供される:
1) 特定の開口のセットを有する印刷スチールステンシルを使用し、基板上の1つ以上の第一のダイを被覆するステップ;
2) 前記一つ以上の第一のダイを被覆するために、ペースト材料を、前記開口内に印刷するステップ;
3) 任意工程として、ペースト材料を部分的に硬化するステップ;
4) 第二のダイを、前記ペースト材料上に付着させるステップ;
5) 前記ペースト材料を完全に硬化するステップ。
【0009】
印刷プロセスは、D−Fプロセスよりもさらに容易であり、非常に高いUPH(時間当たりの単位)を提供する。
【0010】
本発明はまた、D−Fプロセス又は印刷プロセスから製造された埋め込みマルチメディアカードなどのメモリカードを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に記載された図面は、単に例示目的であり、決して本開示の範囲を限定するものではない。
【0012】
図1a図1aは、eMMCパッケージの従来の構成を示す模式図である。
図1b図1bは、eMMCパッケージの従来の構成を示す模式図である。
図2図2は、eMMCパッケージの修正された構成を示す概略図である。
図3】D−Fプロセスの手順を示すフローチャートである。
図4】印刷プロセスの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
別に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含め、本明細書が支配する。明示的に言及されている場合を除き、商標は大文字で示される。特に明記しない限り、全ての百分率、部、比等は、重量基準である。
【0014】
量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、範囲、好ましい範囲または好ましい上限値および好ましい下限値のリストとして与えられるとき、範囲が別々に開示されているかどうかに関わらず、任意の範囲上限または好ましい値と任意の範囲下限または好ましい値から形成される全ての範囲を具体的に開示するものとして理解されるべきである。数値範囲が記載されている場合、別に述べない限り、その端点、ならびに範囲内のすべての整数および分数を含むことが意図されている。本発明の範囲は、範囲を定義するときに列挙された特定の値に限定されるものではない。
【0015】
「約」という用語が、値または範囲の終点を記載するのに使用される場合、本開示は、言及された特定の値または端点を含むと理解されるべきである。
【0016】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)、「有する(has)」、「有している(having)、「含有する(contains)」、または「含有している(containing)」、またはそれらの任意の他の変形は、非排他的に包含することを意図している。例えば、要素のリストを含む組成物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的にリストされていない他の要素、またはかかる組成物、プロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含んでいてもよい。さらに、特に断わらない限り、「または」は包含的な「または」を示し、排他的な「または」を示さない。例えば、条件A「または」Bは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真(存在する)かつBが偽(存在しない)、Aが偽(存在しない)かつBが真(存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(存在する)。
【0017】
また、本発明の要素または成分に先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または成分の事例(すなわち発生)の数に関して非限定的であることが意図される。従って「a」または「an」は1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、そして数が明らかに単数を意味しない限り、要素または構成成分の単数形は、複数も含む。
【0018】
本明細書で具体的に述べられていない限り、材料、方法、および例は、例示のためのみのために与えられ、限定することを意図していない。本発明の実施または試験において、本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を用いることができるが、好適な方法および材料が本明細書に記載されている。
【0019】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0020】
D−Fプロセス
D−Fプロセスでは、ダム材料は、ベース樹脂、エポキシ硬化剤、硬化剤、充填剤、及びその他の添加剤を含み、ベース樹脂はエポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂からなる群から選択される1種以上である。
【0021】
エポキシ樹脂(ポリエポキシドとしても知られている)は、例えばビスフェノールA型エポキシ、CTBN変性エポキシなどのエポキシド基を含有する反応性プレポリマーおよびポリマーの分類である。エポキシ樹脂は、触媒的単独重合によりそれ自身で反応(架橋)してもよく、または多官能性アミン類、酸(及び酸無水物)類、フェノール類、アルコール類、およびチオール類などの広い範囲の共反応物と共に反応させてもよい。これらの共反応物は、多くの場合、エポキシ硬化剤と呼ばれる。
【0022】
BMI樹脂は、リンカー(このリンクは、例えばアルキレン基である)を介して窒素原子に接続された二つのマレイミド基を有する化合物の分類のビスマレイミド樹脂の略である。ポリ(オキシテトラメチレン)−ジ−(2−マレイミドアセテート)は、そのような種類のBMI樹脂である。
【0023】
ビニル樹脂は、フェノキシエチルアクリレート、ポリブタジエンのようなビニル基を含有するモノマー、プレポリマーまたはポリマーの一種である。
【0024】
エポキシ樹脂のために上で説明したように、エポキシ硬化剤は、多官能性アミン類、酸(及び酸無水物)類、フェノール類、アルコール類、およびチオール類を含む、エポキシ樹脂と反応する広い範囲の共反応物を含む。
【0025】
エポキシ硬化剤と同様、硬化剤は、他の基質の硬化(hardenまたはcure)を助ける成分である。例えば、過酸化物は、通常、ビニル樹脂ならびにBMI樹脂の硬化剤である。
【0026】
充填剤は、通常、粘度、T.I.、内部強度及び熱膨張係数などの特性を改善するために、マトリックス材料に添加される粒子状物質である。シリカ及びアルミナが、典型的な充填剤である。
【0027】
ベース樹脂、エポキシ硬化剤、硬化剤及び充填剤に加えて、いくつかの他の化学物質が、接着強度を向上させるため、T.I.を調整するため、相溶性を向上させするためなどのために、配合に追加される。これらの化学物質は、例えば添加物としてまとめられ、たとえばシランなどである。
【0028】
ダム材料中のこれらの成分について、特別な制限はなく、ダム材料がディスペンス後にその元の形状を維持する助けとなるように比較的高い粘度および高いT.I.を有する限り、当業者によって選択される任意の一般的かつ従来の成分とすることができる。例えば、ベース樹脂は、エポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂を同時に含むことができ、エポキシ硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させることができ、硬化剤は、BMI及びビニル樹脂を硬化することができ、充填材は、Tiを調整するために用いられて強度などを改善することができる。また、添加剤は、接着性、流動性を増加し、T.I.を調整するために含まれる。特に、ダム材料は、ダム材料の全重量に基づいて、0−20%、好ましくは4−8%のエポキシ樹脂、0−30%、好ましくは20−28%のBMI樹脂、0−30%、好ましくは14−20%のビニル樹脂、0−5%、好ましくは0.2−1.0%のエポキシ硬化剤、0−5%、好ましくは0.2−1.2%の硬化剤、30−80%、好ましくは40−60%の充填剤、および0−5%、好ましくは0.5−2.0%の他の添加剤を含み、各成分の合計は100%である。
【0029】
D−Fプロセスにおいて、25℃、5rpmにおけるダム材料の粘度は5,000−500,000mPa・sの範囲、好ましくは40,000−50,000mPa・sの範囲であり、ダム材料のチキソトロピー指数(TI)が1.0より大きく、好ましくは4.0−6.0である。
【0030】
さらに、D−Fプロセスにおいて、フィル材料は、ベース樹脂、エポキシ硬化剤、硬化剤、充填剤、及びその他の添加剤を含み、ベース樹脂は、エポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂からなる群から選択される1種以上である。これらの成分の定義は、ダム材料に与えられたものと同じである。例えば、エポキシ樹脂は、ビスフェノールAエポキシ樹脂及びビスフェノールFエポキシ樹脂から選択することができる。
【0031】
フィル材料中のこれらの成分について、特別な制限はなく、フィル材料が基板、ワイヤー、ダイ、他の部品に沿って容易に流れ、ディスペンスした後、非常に短い時間で完全なカバレッジを得るように、非常に低い粘度と非常に良好な流動性を有する限り、当業者によって選択される任意の一般的かつ従来の成分とすることができる。例えば、ベース樹脂は、エポキシ樹脂、BMI樹脂およびビニル樹脂を同時に含むことができ、エポキシ硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させることができ、硬化剤は、BMI樹脂及びビニル樹脂を硬化することができ、充填材は、T.I.を調整するため、強度などを改善するためなどに用いられる。また、添加剤は接着性、耐ブリード性を向上し、T.I.を調整するために含まれる。特に、フィル材料は、フィル材料の全重量に基づいて、0−30%、好ましくは8−16%のエポキシ樹脂、0−40%、好ましくは25−30%のBMI樹脂、0−40%、好ましくは6−16%のビニル樹脂、0−5%、好ましくは0.2−1.2%のエポキシ硬化剤、0−5%、好ましくは0.6−1.0%の硬化剤、0−70%、好ましくは45−50%の充填剤、および0−5%、好ましくは0.8−1.5%の他の添加剤を含み、各成分の合計は100%である。
【0032】
好ましくは、フィル材料の25℃、5rpmにおける粘度は、50,000mPa・s未満の範囲、好ましくは10,000mPa・s未満であり、フィル材料のT.I.は、3.0未満、好ましくは1.5未満である。
【0033】
D−Fプロセスの1実施形態において、第一のダイはコントローラダイであり、第二のダイは、メモリダイである。本発明の意味の範囲内において、用語「第一のダイ」および「第二のダイ」は、異なるステップで使用されるダイを区別するために使用されていると解釈されるべきものであり、「第一のダイ」および「第二のダイ」の種類には特に制限はなく、メモリカードに使用されるダイの一般的なタイプ、ならびに容量、抵抗、インダクタンス、及びその他の機能ダイ(例えばRF関連ダイ、セキュリティダイ、センサダイ、パワーダイ、デジタル信号プロセッサダイ、ロジックダイ、トランシーバダイ等)の受動素子が挙げられる。
【0034】
D−Fプロセスの好ましい1実施形態において、フィル材料の流れとカバレッジを向上させるためにステップ2)において、基板がわずかに加熱される。
【0035】
D−Fプロセスの好ましい1実施形態において、硬化はUVまたは加熱により行われる。
【0036】
D−Fプロセスの好ましい1実施形態において、ダム材料によって区画される領域は、第二のダイの面積の約70%〜100%の面積、好ましくは90%を有する。
【0037】
印刷プロセス
印刷プロセスの1実施形態において、ペースト材料は、ベース樹脂、エポキシ硬化剤、硬化剤、充填剤、及びその他の添加剤を含み、前記ベース樹脂が、エポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂からなる群より選ばれる1種以上である。これらの成分の定義は、ダム材料に与えられたものと同じである。例えば、エポキシ樹脂は、ビスフェノールAエポキシ樹脂及びビスフェノールFエポキシ樹脂から選択することができる。
【0038】
ペースト材料中のこれらの成分について、特別な制限はなく、ペースト材料が25℃にて1,000−500,000mPa×sの範囲の粘度、10より大きいT.I.を有する限り、当業者によって選択される任意の一般的かつ従来の成分とすることができる。例えば、ベース樹脂は、エポキシ樹脂、BMI樹脂及びビニル樹脂を同時に含むことができ、エポキシ硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させることができ、硬化剤は、BMI及びビニル樹脂を硬化することができ、充填材は、Tiを調整するために用いられて強度などを改善することができる。また、添加剤は、接着性を増加し、およびT.I.を調整するために含まれる。特に、ペースト材料は、ペースト材料の全重量に基づいて、0−30%、好ましくは5−10%のエポキシ樹脂、0−30%、好ましくは20−30%のBMI樹脂、0−30%、好ましくは15−28%のビニル樹脂、0−6%、好ましくは0.2−1.5%のエポキシ硬化剤、0−5%、好ましくは0.2−1.0%の硬化剤、30−70%、好ましくは30−55%の充填剤、および0−5%、好ましくは1.0−1.5%の他の添加剤を含み、各成分の合計は100%である。
【0039】
印刷プロセスにおいて、25℃、5rpmにおけるペースト材料の粘度は、1,000−500,000mPa・sの範囲、好ましくは15,000−50,000mPa・sの範囲であり、ペースト材料のT.I.が1.0より大きく、好ましくは1.5−3.0である。
【0040】
印刷プロセスの1実施形態において、ステップ1)の前に、任意のステップとして、ダム材料を、基板上の1つ以上の第一のダイの周囲にディスペンスすることができる。ダム材料は、D−Fプロセスに適用されるダム材料と同じであり、ダム材料のための記載は省略する。
【0041】
印刷プロセスの1実施形態において、第一のダイはコントローラダイであり、第二のダイは、メモリダイである。本発明の意味の範囲内において、用語「第一のダイ」および「第二のダイ」は、異なるステップで使用されるダイを区別するために使用されていると解釈されるべきものであり、「第一のダイ」および「第二のダイ」の種類には特に制限はなく、メモリカードに使用されるダイの一般的なタイプ、ならびに容量、抵抗、インダクタンス、及びその他の機能ダイ(例えばRF関連ダイ、セキュリティダイ、センサダイ、パワーダイ、デジタル信号プロセッサダイ、ロジックダイ、トランシーバダイ等)の受動素子が挙げられる。
【0042】
印刷プロセスの好ましい1実施形態において、硬化はUVまたは加熱により行われる。
【実施例】
【0043】
本発明を、以下の実施例および図面と共により詳細に説明する。
【0044】
I.試験方法
粘度
ダム材料、フィル材料及びペースト材料についての粘度は、ブルックフィールドによって供給されるブルックフィールドモデルHBDV−III(CP−51)により、25℃、5rpmで測定した。
【0045】
T.I.(チキソトロピー指数)
ダム材料、フィル材料及びペースト材料のT.I.値は、以下の式に基づいて計算した。
TI=(0.5rpmでの粘度)/(5.0rpmでの粘度)
0.5rpm、5.0rpmの粘度は、ブルックフィールドによって供給されるブルックフィールドモデルHBDV−III(CP−51)により、25℃で測定した。
【0046】
DSC(示差走査熱量計)測定
ダム材料、フィル材料及びペースト材料の硬化プロファイルを、パーキンエルマー社により供給されるパーキンエルマー示差走査熱量計(DSC−7)を用いて、温度の関数として材料を通る熱流を測定することによって得た。温度範囲は、10℃/minの昇温速度で25℃から300℃である。
【0047】
ダイせん断強度
定義:均一の方向に、ダイと基板との間の結合を破壊するのに必要な接線方向の力(tangential force)の値。
ダイせん断試験機は、Dage社によって供給される、Dage社製4000である。
【0048】
BLT(Bond Line Thickness;ボンドラインの厚さ)
定義:粘着剤層の厚さ及びニコン顕微鏡MM−40(ニコン社により供給)によって測定した。
【0049】
ストリップ反り(μmで表現)
対象物を水平面上に配置し、反りの最高点と最低点との間の差を、Cyber scan laser profilometer VANTAGE−2(Cyber Technologies製)により決定するとによって、ストリップ反りを測定した。
【0050】
II.材料
・SR495B:イソデシルアクリレートモノマー、Sartomerが供給
・SR610:ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、Sartomerが供給
・RAS−1:官能化エポキシ樹脂、ヘンケルが供給
・EPON Resin 58005:CTBN変性エポキシ樹脂、Hexionが供給
・Art Resin UN9200:ポリウレタン変性アクリレート、根上化学が供給
・SRM−1: BMI樹脂、ヘンケルが供給
・Ricon 131 MA10:無水マレイン酸ブタジエン共重合体、Sartomerが供給
・Catalyst 313B:N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ジ(ピロリジン−1−カルボキサミド)、エポキシ硬化剤、ヘンケル社供給
・ジクミルパーオキサイド:過酸化物、Akzo Nobelが供給
・Z6040: 3(−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、Dow Corning供給
・Z6030:トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、Dow Corning供給
・BYK−333: シリコン系ポリマー、BYK Chemie供給
・Fomblin T4:2−オキシランメタノールの、還元重合酸化テトラフルオロエチレンの還元メチルエステルとのポリマー(2−Oxiranemethanol, polymers with reduced Me esters of reduced polymd. oxidized tetrafluoroethylene)、Solvay Solexisが供給
・Dow Corning Antifoam 1400:シリコーン化合物、Dow Corningが供給
・AO−802:アルミナ、Admatechsが供給
・XG−1270:シリカ、Gelestが供給
・SE6100:球状シリカ、平均粒子サイズ1.8μm、Admatechs company limitedが供給
・SE1050:球状シリカ、平均粒子サイズ0.8μm、Admatechs company limitedが供給
【0051】
<実施例1>
フィル材料1の調製
8.81gのSR495B(ビニル樹脂)、8.33gのRAS−1(エポキシ樹脂)、25.60gのSRM−1(BMI樹脂)、5.12gのRicon 131 MA10(ビニル樹脂)、0.48gのZ6040(添加剤)、0.36gのZ6030(添加剤)、0.36gのBYK−333(添加剤)、0.24gのCatalyst 313B(エポキシ硬化剤)、0.71gのジクミルパーオキサイド(硬化剤)および50.00gのAO−802(充填剤)を一緒に混合し、フィル材料を調製した。フィル材料の5rpmでの粘度は、3992mPa・sであり、0.5rpmでの粘度は4643mPa・sであり、従ってフィル材料のT.I.は1.163であった。フィル材料1のDSCピークに関連するデータを表1に報告する。
【0052】
<実施例2>
フィル材料2の調製
フィル材料2中の各成分の量を表1に示したデータのとおりに変更したこと以外は、フィル材料1と同様にしてフィル材料2を調製した。
【0053】
<実施例3>
フィル材料3の調製
フィル材料3中の各成分の量を表1に示したデータのとおりに変更したこと以外は、フィル材料1と同様にしてフィル材料3を調製した。
【0054】
【表1】
【0055】
<実施例4>
ダム材料4の調製
7.64gのSR610(ビニル樹脂)、6.11gのEPON Resin58005(エポキシ樹脂)、1.53gのArt Resin UN9200(ビニル樹脂)、23.45gのSRM−1(BMI樹脂)、9.27gのRicon 131 MA10(ビニル樹脂)、0.24gのCatalyst 313B(エポキシ硬化剤)、0.22gのジクミルパーオキサイド(硬化剤)、0.33gのDow Corning Antifoam 1400(添加剤)、0.44gのZ6040(添加剤)、0.33gのZ6030(添加剤)および50.70gのXG−1270(充填剤)を一緒に混合し、ダム材料4を調製した。ダム材料の5rpmでの粘度は、44370mPa・sであり、0.5rpmでの粘度は164400mPa・sであり、従ってダム材料4のT.I.は3.705である。ダム材料4のDSCピークに関連するデータを表2に報告する。
【0056】
<実施例5>
ダム材料5の調製
ダム材料5中の各成分の量を表2に示したデータのとおりに変更したこと以外は、ダム材料4と同様にしてダム材料5を調製した。
【0057】
<実施例6>
ダム材料6の調製
ダム材料6中の各成分の量を表2に示したデータのとおりに変更したこと以外は、ダム材料4と同様にしてダム材料6を調製した。
【0058】
【表2】
【0059】
<実施例7>
ペースト材料7の調製
5.46gのSR 495B(ビニル樹脂)、6.12gのEPON Resin 58005(エポキシ樹脂)、1.95gのArt Resin UN 9200(ビニル樹脂)、23.48gのSRM−1(BMI樹脂)、10.92gのRicon 131 MA10(ビニル樹脂)、0.27gのFomblin T4(添加剤)、0.44gのZ6040(添加剤)、0.33gのZ6030(添加剤)、0.24gのCatalyst 313B(エポキシ硬化剤)、0.44gのジクミルパーオキサイド(硬化剤)、および43.80gのSE 6100(充填剤)および6.55gのAO−802(充填剤)を一緒に混合し、ペースト材料7を調製した。ペースト材料の5rpmでの粘度は、21990mPa・sであり、0.5rpmでの粘度は45420mPa・sであり、従ってペースト材料4のT.I.は2.065である。ペースト材料7のDSCピークに関連するデータを表3に報告する。
【0060】
<実施例8>
ペースト材料8の調製
ペースト材料8中の各成分の量を表3に示したデータのとおりに変更したこと以外は、ペースト材料7と同様にしてペースト材料8を調製した。
【0061】
【表3】
【0062】
<性能実施例9>
D−Fプロセスに従って形成されたダイボンディング
13グループのダイボンディング試験を、D−Fプロセスに従って行った。グループ#1を例にとると、ダム材料4を最初に、コントローラダイの周りにディスペンスした。ここで、その粘度(44370mPa・s)は、標準的なダイボンディングの粘度(約10000mPa・s)よりも高く、したがってその元の形状を保つことができる。ダム材料用のノズル径(内径)は、フレーム状ディスペンスパターンで0.30mmであった。ダム材料をディスペンスするため、空気圧は0.34MPa、ディスペンス速度は9mm/s、ディスペンス高さは0.08mmであった。ステージ温度は25℃であった。フィル材料は非常に低い粘度およびT.I.を有し、BGA基板で非常に良好な流動性を持つことができる。フィル材料用のノズル径は、迷路v2状ディスペンスパターンで、0.50mmであった。フィル材料をディスペンスするため、空気圧は0.12MPa、ディスペンス速度は37.5mm/s、ディスペンス高さは0.14mmであった。流動性とカバレッジを向上させるために、基板をわずかに加熱した。ステージ温度は65℃であった。フィル材料が充填され完全なカバレッジを得た後、粘着性表面を形成するためにフィル材料を予備加熱した。そして、メモリダイをその上に付着させた。接着力は200gであり、接着時間は1000msであった。部分的に硬化した材料を、その後、完全硬化のためにオーブンに入れた。硬化後、ダイボンドの結果を表4に示す。即ち、BLTは80μmであり、室温での接着性は4.3kgf/mmであり、ストリップ反りは50μmであった。他の12のグループについて、対応するプロセスパラメータを表4に示したとおりに変更した以外は、グループ#1の場合と同じ方法で実施した。
【0063】
【表4】
【0064】
表4から、D−Fプロセスの性能が、BLT、室温での接着性及びストリップ反りの点で優れていることが明らかにわかる。本発明のD−Fプロセスによって、BLTを、80〜200μmの範囲内などに、制御可能であることが証明される。本発明のD−Fプロセスに従うと、室温で密着性が3.9kgf/mm以上であり、それは従来の平均値の約2.5kgf/mmよりもはるかに高い。ストリップ反りは、100μmよりずっと小さいので、さらに良好であり、それは、一方で本発明の方法に従えば、反りが肉眼では見えないことを意味し、他方で、従来技術の平均値100μm超よりも良好であることを意味する。
【0065】
<性能実施例10>
印刷プロセスに従って形成されたダイボンディング
8グループのダイボンディング試験を、印刷プロセスに従って行った。グループ#1を例に取ると、125μmの厚さと特定の開口部のセットとを有する印刷スチールステンシルを、基板上のコントローラダイを覆うために使用し、次にペースト材料7を、開口部に印刷してコントロールダイを被覆した。スキージ圧は1kg、スキージ速度10mm/secおよび分離速度を0.5mm/secであった。ペースト材料を部分的に硬化させた。次いで、メモリダイをペースト材料に付着させた。接着力は200g、接着時間は1000msであった。部分的に硬化した材料を、その後、完全硬化のためにオーブンに入れた。硬化後、ダイボンドの結果を表5に示す。即ち、BLTは100μm、室温での接着性は4.3kgf/mmであり、ストリップ反りは50μmであった。他の7グループについて、対応するプロセスパラメータを表5に示したとおりに変更した以外は、グループ#1の場合と同じ方法で実施した。
【0066】
【表5】
【0067】
表5から、印刷プロセスの性能が、BLT、室温での接着性及びストリップ反りの点で優れていることが明らかにわかる。本発明の印刷プロセスによって、BLTを、80〜100μmの範囲内などに、制御可能であることが証明される。本発明の印刷プロセスに従うと、室温で密着性が4.06kgf/mm以上であり、それは従来の平均値の約2.5kgf/mmよりもはるかに高い。ストリップ反りは、100μmよりずっと小さいので、さらに良好であり、それは、一方で本発明の方法に従えば、反りが肉眼では見えないことを意味し、他方で、従来技術の平均値100μm超よりも良好であることを意味する。
【0068】
本発明を、様々な実施形態を参照しながら、明細書に記載しそして図面で図示して開示したが、特許請求の範囲で定義された開示の発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更がなされてもよいこと、それらの要素を等価物で置換してもよいことが当業者に理解される。さらに、種々の実施形態間の特徴、要素及び/又は機能の混合及び整合は、本願において明示的に意図されており、別段の記載がない限り、当業者はこの開示から、ある実施形態における特徴、要素及び/又は機能が、他の実施形態に適切に組み込まれることが理解できる。さらに、特定の状況又は材料を、本開示の教示に、その本質的な範囲から逸脱することなく、適合させるように、多くの改変がなされてよい。従って、本開示は、実施するための最良の形態として図面により説明し明細書に記載した特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、本開示が、上記の記載および添付の特許請求の範囲内にある任意の実施形態を包含することを意図するものである。
図1a
図1b
図2
図3
図4