特許第6420181号(P6420181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6420181
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20181029BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   H01L21/304 644C
   H01L21/68 N
   H01L21/304 622Q
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-39005(P2015-39005)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-162842(P2016-162842A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(74)【代理人】
【識別番号】100060575
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
(72)【発明者】
【氏名】宮林 将
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−185522(JP,A)
【文献】 特開2001−332842(JP,A)
【文献】 特開2004−337684(JP,A)
【文献】 特開平07−106233(JP,A)
【文献】 特開2007−019213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状に形成されたウェハ上に洗浄液を供給しながら前記ウェハをスクラブ洗浄する洗浄装置であって、
前記ウェハを収容するテンプレートと、
該テンプレートを回転させる回転手段と、
前記ウェハを洗浄する洗浄手段と、
を備え、
前記テンプレートは、
互いに隙間を空けて配置されて、前記ウェハの角部を支持する複数のウェハ支持部と、
該ウェハ支持部を載置して、前記回転手段に回転される環状基部と、
を備え
前記ウェハ支持部は、扇形に形成され、前記ウェハ支持部の中心付近に設けられ、前記ウェハを前記ウェハ支持部に収容した状態で前記ウェハと前記ウェハ支持部との間に隙間を確保するように形成された切欠き部を備えていることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記ウェハ支持部は、前記ウェハの角部周縁を支持する爪部を備えていることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記複数のウェハ支持部は、前記ウェハを搬送する搬送手段が通過可能な隙間だけ離間して配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄手段は、
前記ウェハの表面をスクラブ洗浄する上方ブラシと、
前記ウェハの裏面をスクラブ洗浄する下方ブラシと、
を備え、
前記上方ブラシは、前記下方ブラシが前記ウェハの裏面に当接している間は、前記ウェハの表面に当接していることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関し、特に、多角形状のウェハをスクラブ洗浄する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造の分野では、シリコンウェハ等の半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)を研削加工した後に、ウェハの被研削面をスクラブ洗浄して切削屑等を除去する洗浄装置が知られている。
【0003】
このような洗浄装置として、ウェハの外径より小径に形成されてウェハを吸引保持するスピナーテーブルと、ウェハを洗浄するスクラブ洗浄部材と、を備え、ウェハを回転させて洗浄液を供給しながらスクラブ洗浄部材によってウェハを洗浄するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−110270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近では、多角形状のウェハが採用されるところ、上述したような洗浄装置では、ウェハの角部を十分に支持できないため、ウェハの角部をスクラブ洗浄するのが難しいという問題があった。
【0006】
そこで、多角形状のウェハの角部を精密洗浄するという解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は、この課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、多角形状に形成されたウェハ上に洗浄液を供給しながら前記ウェハをスクラブ洗浄する洗浄装置であって、前記ウェハを収容するテンプレートと、該テンプレートを回転させる回転手段と、前記ウェハを洗浄する洗浄手段と、を備え、前記テンプレートは、互いに隙間を空けて配置されて、前記ウェハの角部を支持する複数のウェハ支持部と、該ウェハ支持部を載置して、前記回転手段に回転される環状基部と、を備え、前記ウェハ支持部は、扇形に形成され、前記ウェハ支持部の中心付近に設けられ、前記ウェハを前記ウェハ支持部に収容した状態で前記ウェハと前記ウェハ支持部との間に隙間を確保するように形成された切欠き部を備えている洗浄装置を提供する。
【0008】
この構成によれば、ウェハ支持部が多角形状のウェハの角部を支持することにより、洗浄手段がウェハの角部まで接触可能なため、ウェハの角部をスクラブ洗浄することができる。さらに、ウェハ上の洗浄液がウェハ支持部間の隙間から流下することにより、ウェハ上に切削屑を含む洗浄液が滞留することを抑制することができる。また、ウェハ上の洗浄液が切欠き部を介して排水されるため、切削屑を含んだ洗浄液を効率的に排水することができる。さらに、切削屑を含んだ洗浄液をさらに効率的に排水することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ウェハ支持部は、前記ウェハの角部周縁を支持する爪部を備えている洗浄装置を提供する。
【0010】
この構成によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、ウェハとウェハ支持部とが爪部でのみ接触することにより、ウェハとウェハ支持部との接触面積が縮小される分だけウェハの洗浄面積が拡大するため、ウェハを精密洗浄することができる。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の構成に加えて、前記複数のウェハ支持部は、前記ウェハを搬送する搬送手段が通過可能な隙間だけ離間して配置されている洗浄装置を提供する。
【0016】
この構成によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、搬送手段がウェハ支持部間の隙間を通過可能なため、洗浄前のウェハの搬入や洗浄後ウェハの搬出を効率的に行うことができる。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項記載の発明の構成に加えて、前記洗浄手段は、前記ウェハの表面をスクラブ洗浄する上方ブラシと、前記ウェハの裏面をスクラブ洗浄する下方ブラシと、を備え、前記上方ブラシは、前記下方ブラシが前記ウェハの裏面に当接している間は、前記ウェハの表面に当接している洗浄装置を提供する。
【0018】
この構成によれば、請求項1乃至の何れか1項記載の発明の効果に加えて、ウェハの表面と裏面を同時に洗浄可能なため、ウェハを効率的にスクラブ洗浄することができる。さらに、ウェハが上方ブラシと下方ブラシに挟まれた状態で洗浄されるため、下方ブラシのみウェハに接触してウェハが押し上げられることに起因するウェハのスリップアウトを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ウェハ支持部が多角形状のウェハの角部を支持することにより、洗浄手段がウェハの角部まで接触可能なため、ウェハの角部をスクラブ洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例に係る洗浄装置を用いた洗浄機を示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、正面図であり、(c)は、右側面図である。
図2図1に示す洗浄装置を示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、正面図であり、(c)は、A−A線断面図である。
図3】チャンバを除いた洗浄装置を示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、正面図であり、(c)は、右側面図である。
図4】洗浄装置を示す斜視図であり、(a)は、上方ブラシを含むものを示すものであり、(b)は、上方ブラシを除いたものである。
図5】洗浄装置の要部拡大図。
図6】ウェハ支持部にウェハを載置した状態を示す縦断面図。
図7】洗浄装置を用いたスクラブ洗浄方法を示すフローチャート。
図8】ロボットアームでウェハをテンプレートに収容する様子を示す平面図。
図9】クランプアームでテンプレート内のウェハを把持する様子を示す斜視図であり、(a)は、クランプアームをウェハに接近させた状態を示す図であり、(b)は、クランプアームでウェハを把持した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る研削加工装置は、多角形状のウェハの角部を精密洗浄するという目的を達成するために、多角形状に形成されたウェハ上に洗浄液を供給しながらウェハをスクラブ洗浄する洗浄装置であって、ウェハを収容するテンプレートと、テンプレートを回転させる回転手段と、ウェハを洗浄する洗浄手段と、を備え、テンプレートは、互いに隙間を空けて配置されて、ウェハの角部を支持する複数のウェハ支持部と、ウェハ支持部を載置して、回転手段に回転される環状基部と、を備え、ウェハ支持部は、扇形に形成され、ウェハ支持部の中心付近に設けられ、ウェハをウェハ支持部に収容した状態でウェハとウェハ支持部との間に隙間を確保するように形成された切欠き部を備えていることにより実現する。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の一実施例に係る洗浄機1について説明する。なお、以下の実施例において、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
【0023】
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
【0024】
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
【0025】
なお、本実施例において、「上」、「下」の語は、垂直方向における上方、下方に対応するものとする。
【0026】
図1は、洗浄機1の装置構成を示す図である。なお、図1では、特徴が分かり易いように、洗浄機1内の洗浄装置10を破線ではなく実線で表している。洗浄機1は、洗浄前のウェハを背面に設けられた図示しない搬入口から搬入して、洗浄後のウェハを左側面に設けられた図示しない搬出口から搬出する。洗浄機1に投入されるウェハの形状は、多角形状であれば如何なる形状であっても構わない。洗浄機1には、ハウジング2内に洗浄装置10が配置されている。
【0027】
洗浄装置10は、ウェハを収容するテンプレート20と、テンプレート20を回転させる回転手段30と、ウェハを洗浄する洗浄手段40と、ウェハに洗浄液を供給する後述する洗浄液供給手段50と、を備えている。洗浄装置10は、チャンバ60内に収容されている。
【0028】
洗浄機1の動作は、制御手段3によって制御される。制御手段3は、洗浄機1を構成する構成要素をそれぞれ制御するものである。制御手段3は、例えば、CPU、メモリ等により構成される。なお、制御手段3の機能は、ソフトウェアを用いて制御することにより実現されても良く、ハードウェアを用いて動作することにより実現されても良い。
【0029】
次に、洗浄装置10について、図面に基づいて説明する。図2は、洗浄装置10を示す平面図、正面図及びハッチングを省略した断面図である。図3は、チャンバ60を除いた洗浄装置10を示す平面図、正面図及び側面図である。図4は、洗浄装置10を示す斜視図である。図5は、ウェハ支持部21の中心付近を示す要部拡大図である。図6は、ウェハ支持部21にウェハWを載置した状態を示す縦断面図である。
【0030】
テンプレート20は、略扇状に形成された4つのウェハ支持部21と、ウェハ支持部21を載置する環状基部22と、を備えている。テンプレート20の具体的な構成については後述する。
【0031】
回転手段30は、1つの駆動ギア31と、4つの従動ギア32と、で構成されている。駆動ギア31と従動ギア32は、テンプレート20を囲繞するように配置されている。駆動ギア31は、図示しない駆動源に接続されており自転可能である。駆動ギア31は円筒状に形成されており、環状基部22の下端部に接触している。従動ギア32は鼓状に形成されており、環状基部22の後述する外周面22aを受けることにより、環状基部22を安定して支持している。
【0032】
洗浄手段40は、上方ブラシ41と、下方ブラシ42と、で構成されている。上方ブラシ41は、上方ブラシユニット43の一部であり、駆動部43aによって駆動される。上方ブラシ41の両端は、上方ブラシユニット43のフランジ43bに支持されている。上方ブラシユニット43は、回転軸43c回りに搖動可能であり、垂直方向に昇降自在である。下方ブラシ42は、下方ブラシユニット44の一部であり、駆動部44aによって駆動される。下方ブラシ42の両端は、下方ブラシユニット44のフランジ44bに支持されている。下方ブラシユニット44は、回転軸44c回りに搖動可能であり、垂直方向に昇降自在である。なお、下方ブラシユニット44は、図示しないストッパによって搖動幅を規制されている。
【0033】
洗浄液供給手段50は、上方ノズル51と、下方ノズル52と、で構成されている。上方ノズル51と下方ノズル52とは、それぞれ3つずつ配置されている。上方ノズル51と下方ノズル52とは、図示しない洗浄液供給源と接続されている。上方ノズル51は、ウェハWの表面Waの中央付近に向けて洗浄液を吐出する。下方ノズル52は、ウェハWの裏面Wbの中央付近に向けて洗浄液を吐出する。
【0034】
図5及び図6に示すように、ウェハ支持部21には、ウェハ支持部21の中心に略矩形状の切欠き部21aが形成されている。ウェハ支持部21には、切欠き部21a内でウェハ支持部21の中心に向けて突出する爪部21bが設けられている。爪部21bは、ウェハWの角部Weを支持する。切欠き部21aはウェハWの角部We外径より大きく切り欠かれており、ウェハWを爪部21bに載置した状態でウェハWとウェハ支持部21との間に隙間G1が確保される。これにより、ウェハWの角部Weに残留する洗浄液が切欠き部21aを介して排水し易くなっている。
【0035】
ウェハ支持部21は、爪部21bの外周側でウェハ支持部21の表面から凸設したストッパ21cを備えている。ストッパ21cは、ウェハWをテンプレート20に載置した状態で、ウェハWの角部Weに当接する位置に配置されている。ストッパ21cは、ウェハWの水平方向のスライドを抑制する。
【0036】
隣り合うウェハ支持部21、21同士は、所定の間隔を空けて配置されている。ウェハ支持部21、21同士の隙間G2は、ウェハWを搬送する搬送手段としての後述するロボットアームA1及びクランプアームA2が通過可能であれば良い。
【0037】
環状基部22の外周面22aは、中央を外方に膨出して形成されている。外周面22aは、従動ギア32に支持されている。環状基部22は、リング状に形成されており、下方ブラシ52が環状基部22内を通過可能である。
【0038】
なお、テンプレート20の具体的な形状は、任意に変更可能であり、本実施例では、4つのウェハ支持部21が矩形状のウェハWの四隅を支持するように配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、半円状に形成された2つのウェハ支持部が矩形状のウェハの角部を支持するものであっても構わない。また、ウェハWの形状に応じて、ウェハ支持部21の形状及び個数は任意に変更される。
【0039】
次に、洗浄装置10を用いたウェハWのスクラブ洗浄方法について、図面に基づいて説明する。図7は、洗浄装置10を用いたスクラブ洗浄方法を示すフローチャートである。図8は、ロボットアームA1でウェハWをテンプレート20に収容する様子を示す平面図である。図9は、クランプアームA2でテンプレート20内のウェハWを把持する様子を示す斜視図である。
【0040】
スクラブ洗浄の前処理工程について説明する。まず、ウェハWがテンプレート20に収容される(S1)。この工程S1では、図8に示すように、ロボットアームA1がウェハWをテンプレート20内の中央に搬送する。ロボットアームA1は、ウェハ支持部21、21間の隙間G2を通じてウェハWを搬送する。ウェハWの角部Weは、爪部21b上に載置され、ウェハWとウェハ支持部21との間には、隙間G1が確保されている。
【0041】
次に、駆動ギア31を回転させてテンプレート20を回転させる(S2)。その後、洗浄液がウェハWに供給される(S3)。
【0042】
次に、上方ブラシ41がウェハWの表面Waに接触するまで上方ブラシ41を下降させる(S4)。その後、下方ブラシ42がウェハWの裏面Wbに接触するまで下方ブラシ42を上昇させる(S5)。すなわち、下方ブラシ42がウェハWに接触する前に、上方ブラシ41がウェハWに接触するようになっている。
【0043】
以上の前処理工程が終了した後に、ウェハWのスクラブ洗浄を開始する(S6)。上方ブラシ41及び下方ブラシ42がウェハWの角部Weまで接触可能なことにより、ウェハWの角部Weまでスクラブ洗浄することができる。ウェハW上に供給された洗浄液は、ウェハ支持部21の切欠き部21aや隣り合うウェハ支持部21、21間の隙間G2から流下することにより、切削屑を含んだ洗浄液の滞留が抑制される。ウェハW上の切削屑が除去されると、スクラブ洗浄が終了する(S7)。スクラブ洗浄の時間は、切削屑の量に応じて任意に調整可能である。
【0044】
次に、スクラブ洗浄の後処理工程について説明する。まず、洗浄液の供給を停止する(S8)。そして、駆動ギア31の回転を停止してテンプレート20の回転を停止する(S9)。
【0045】
次に、下方ブラシ42をウェハWの裏面Wbから離して下降させる(S10)。その後、上方ブラシ41をウェハWの表面Waから離して上昇させる(S11)。すなわち、下方ブラシ42がウェハWに接触している間は、上方ブラシ41がウェハWに接触するようになっている。
【0046】
次に、クランプアームA2がウェハWを把持する(S12)。この工程S12では、図9(a)に示すように、一対のクランプアームA2が隣り合うウェハ支持部21、21間の隙間G2を通じてウェハWに接近し、図9(b)に示すように、クランプアームA2がウェハWを把持する。
【0047】
クランプアームA2がウェハWを洗浄後のウェハWを収容する図示しないラック等に搬送する(S13)。
【0048】
このようにして、上述した本実施例に係る洗浄装置10は、ウェハ支持部21が多角形状のウェハWの角部Weを支持することにより、上方ブラシ41及び下方ブラシ42がウェハWの角部Weまで接触可能なため、ウェハWを精密洗浄することができる。
【0049】
また、ウェハWとウェハ支持部21とが爪部21bでのみ接触することにより、ウェハWとウェハ支持部21との接触面積が縮小される分だけウェハWの洗浄面積が拡大するため、ウェハWをさらに精密洗浄することができる。
【0050】
また、ウェハW上の洗浄液が切欠き部21aを介して排水されるため、切削屑を含んだ洗浄液を効率的に排水することができる。
【0051】
また、ロボットアームA1やクランプアームA2がウェハ支持部21、21間の隙間G2を通過可能なため、洗浄前のウェハWの搬入や洗浄後ウェハWの搬出を効率的に行うことができる。
【0052】
さらに、上方ブラシ41及び下方ブラシ42がウェハWを挟むようにしてスクラブ洗浄することにより、ウェハWの表面Waと裏面Wbを同時に洗浄可能なため、ウェハWを効率的に洗浄することができると共に、下方ブラシ42がウェハWに接触している間は、上方ブラシ41がウェハWに接触していることにより、下方ブラシ42のみウェハWに接触してウェハWが押し上げられることに起因するウェハWのスリップアウトを抑制することができる。
【0053】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0054】
1 ・・・ 洗浄機
2 ・・・ ハウジング
3 ・・・ 制御手段
10・・・ 洗浄装置
20・・・ テンプレート
21・・・ ウェハ支持部
21a・・・切欠き部
21b・・・爪部
21c・・・ストッパ
22・・・ 環状基部
22a・・・外周面
30・・・ 回転手段
31・・・ 駆動ギア
32・・・ 従動ギア
40・・・ 洗浄手段
41・・・ 上方ブラシ
42・・・ 下方ブラシ
43・・・ 上方ブラシユニット
43a・・・(上方ブラシユニットの)駆動部
43b・・・(上方ブラシユニットの)フランジ
43c・・・(上方ブラシユニットの)回転軸
44・・・ 下方ブラシユニット
44a・・・(下方ブラシユニットの)駆動部
44b・・・(下方ブラシユニットの)フランジ
44c・・・(下方ブラシユニットの)回転軸
50・・・ 洗浄液供給手段
51・・・ 上方ノズル
52・・・ 下方ノズル
60・・・ チャンバ
A1・・・ ロボットアーム
A2・・・ クランプアーム
G1・・・ ウェハとウェハ支持部との間の隙間
G2・・・ 隣り合うウェハ支持部間の隙間
W ・・・ ウェハ
Wa・・・ (ウェハの)表面
Wb・・・ (ウェハの)裏面
We・・・ (ウェハの)角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9