(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の患者の患者識別情報が配列される患者配列軸と、医療スタッフが前記患者に対して実施する複数の作業の項目である作業項目が配列される項目配列軸と、複数の前記患者識別情報と複数の前記作業項目の各々の交差部分である複数のセルとで構成され、前記患者配列軸と前記項目配列軸の一方が行方向、他方が列方向にそれぞれ配されたワークリストであり、
前記セルには、前記作業に関する作業情報が表示される情報表示セルと、前記作業情報が表示されない空欄セルとがあるワークリストの表示画面を生成する画面生成部と、
前記表示画面を介して入力される前記行方向または前記列方向のいずれかの方向の指定を受け付ける受付部と、
前記空欄セルの少なくとも1つを削除して、前記行方向または前記列方向のうち前記受付部で受け付けた方向に前記情報表示セルを詰めることによって、前記情報表示セルを空間的に集約表示する集約表示機能を有する画面表示制御部であって、
さらに、前記ワークリストの表示態様を、前記空欄セルを削除せずに表示する第1表示態様と、前記空欄セルを削除して前記行方向に前記情報表示セルを詰めて前記集約表示する第2表示態様と、前記空欄セルを削除して前記列方向に前記情報表示セルを詰めて前記集約表示する第3表示態様とに切り替える表示態様切替機能を有する画面表示制御部とを備える診療支援装置。
前記受付部は、前記表示画面を介した同一の入力操作によって、前記第1表示態様と前記第2表示態様と前記第3表示態様の間で前記表示態様を順次切り替える指定を受け付ける請求項1に記載の診療支援装置。
前記受付部は、前記ワークリストの複数の行のうちの1つの行の指定、前記ワークリストの複数の列のうちの1つの列の指定、または複数の前記セルのうちの1つのセルの指定のうちの少なくともいずれか1つを受け付ける請求項1または2に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記受付部で受け付けた前記1つの行の中の前記空欄セルを削除して、前記1つの行の中の前記情報表示セルを前記行方向に詰めて前記集約表示し、かつ前記空欄セルが存在する列については、前記情報表示セルの有無に関わらず列全体を削除することで前記表示態様を前記第2表示態様とする、
および/または、前記受付部で受け付けた前記1つの列の中の前記空欄セルを削除して、前記1つの列の中の前記情報表示セルを前記列方向に詰めて前記集約表示し、かつ前記空欄セルが存在する行については、前記情報表示セルの有無に関わらず行全体を削除することで前記表示態様を前記第3表示態様とする請求項3に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記受付部で受け付けた前記1つの行の中の前記空欄セルを削除して、前記1つの行の中の前記情報表示セルを前記行方向に詰めて前記集約表示し、かつ前記受付部で受け付けた前記1つの行以外の他の行については、前記集約表示を行わないことで前記表示態様を前記第2表示態様とする、
および/または、前記受付部で受け付けた前記1つの列の中の前記空欄セルを削除して、前記1つの列の中の前記情報表示セルを前記列方向に詰めて前記集約表示し、かつ前記受付部で受け付けた前記1つの列以外の他の列については、前記集約表示を行わないことで前記表示態様を前記第3表示態様とする請求項3または4に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記受付部で受け付けた前記1つのセルが前記情報表示セルであった場合、前記1つのセルを中心にして、前記行方向または前記列方向のうち前記受付部で受け付けた方向に前記情報表示セルを詰めることによって、前記表示態様を前記第2表示態様または前記第3表示態様とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記第2表示態様または前記第3表示態様において、前記集約表示によって前記第1表示態様における元の位置からずらされた前記情報表示セルに、前記元の位置の場合に該当する前記作業項目または前記患者識別情報を表示する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記第2表示態様または前記第3表示態様において、前記集約表示した前記情報表示セルが前記表示画面に一度に収まりきらない場合、前記情報表示セルを折り返して表示する請求項1ないし10のいずれか1項に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記受付部で受け付けた前記1つのセルが前記完了セルであった場合、前記行方向または前記列方向のうちの前記項目配列軸が配された方向に前記情報表示セルを詰める請求項13または14に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記空欄セルに加えて前記完了セルも削除し、前記未完セルのみを前記集約表示する請求項12ないし15のいずれか1項に記載の診療支援装置。
前記画面表示制御部は、前記行方向または前記列方向のうちの前記患者配列軸が配された方向に前記情報表示セルを詰める場合、前記作業の実施順に前記情報表示セルをソートする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の診療支援装置。
複数の患者の患者識別情報が配列される患者配列軸と、医療スタッフが前記患者に対して実施する複数の作業の項目である作業項目が配列される項目配列軸と、複数の前記患者識別情報と複数の前記作業項目の各々の交差部分である複数のセルとで構成され、前記患者配列軸と前記項目配列軸の一方が行方向、他方が列方向にそれぞれ配されたワークリストであり、
前記セルには、前記作業に関する作業情報が表示される情報表示セルと、前記作業情報が表示されない空欄セルとがあるワークリストの表示画面を生成する画面生成ステップと、
前記表示画面を介して入力される前記行方向または前記列方向のいずれかの方向の指定を受け付ける受付ステップと、
前記空欄セルの少なくとも1つを削除して、前記行方向または前記列方向のうち前記受付ステップで受け付けた方向に前記情報表示セルを詰めることによって、前記情報表示セルを空間的に集約表示する集約表示機能を実行する画面表示制御ステップであって、
さらに、前記ワークリストの表示態様を、前記空欄セルを削除せずに表示する第1表示態様と、前記空欄セルを削除して前記行方向に前記情報表示セルを詰めて前記集約表示する第2表示態様と、前記空欄セルを削除して前記列方向に前記情報表示セルを詰めて前記集約表示する第3表示態様とに切り替える表示態様切替機能を実行する画面表示制御ステップとを備える診療支援装置の作動方法。
複数の患者の患者識別情報が配列される患者配列軸と、医療スタッフが前記患者に対して実施する複数の作業の項目である作業項目が配列される項目配列軸と、複数の前記患者識別情報と複数の前記作業項目の各々の交差部分である複数のセルとで構成され、前記患者配列軸と前記項目配列軸の一方が行方向、他方が列方向にそれぞれ配されたワークリストであり、
前記セルには、前記作業に関する作業情報が表示される情報表示セルと、前記作業情報が表示されない空欄セルとがあるワークリストの表示画面を生成する画面生成機能と、
前記表示画面を介して入力される前記行方向または前記列方向のいずれかの方向の指定を受け付ける受付機能と、
前記空欄セルの少なくとも1つを削除して、前記行方向または前記列方向のうち前記受付機能で受け付けた方向に前記情報表示セルを詰めることによって、前記情報表示セルを空間的に集約表示する集約表示機能を実行する画面表示制御機能であって、
さらに、前記ワークリストの表示態様を、前記空欄セルを削除せずに表示する第1表示態様と、前記空欄セルを削除して前記行方向に前記情報表示セルを詰めて前記集約表示する第2表示態様と、前記空欄セルを削除して前記列方向に前記情報表示セルを詰めて前記集約表示する第3表示態様とに切り替える表示態様切替機能を実行する画面表示制御機能とを、コンピュータに実行させる診療支援装置の作動プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
図1において、診療支援システム10は、医療施設内に構築され、クライアント端末11、および診療支援装置に相当する診療支援サーバ12等を備える。クライアント端末11と診療支援サーバ12は、医療施設内に敷設されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク13を介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
ネットワーク13には、電子カルテサーバ14、画像サーバ15、およびレポートサーバ16(以下、まとめてサーバ群17と表記)も接続されている。電子カルテサーバ14はカルテデータベース(以下、DB(Data Base)と略記)14Aを有し、カルテDB14Aには電子カルテ18が検索可能に記録されている。画像サーバ15は画像DB15Aを有し、画像DB15Aには各種画像検査で得られた検査画像19が検索可能に記録されている。レポートサーバ16はレポートDB16Aを有し、レポートDB16Aには検査画像19を読影医が読影した結果である所見をまとめた医用レポート20が検索可能に記録されている。
【0034】
クライアント端末11、診療支援サーバ12、およびサーバ群17は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーションといったコンピュータをベースに、オペレーティングシステム等の制御プログラムや、各種アプリケーションプログラムをインストールして構成される。
【0035】
診療支援サーバ12は、患者に対して実施する診察や医療検査等の複数の作業に関する作業情報を表示したワークリスト50(
図9等参照)の表示画面21を出力する機能を有する。作業情報には作業を担当する医療スタッフや作業の進捗状況等が含まれる。サーバ群17は、電子カルテ18、検査画像19、および医用レポート20をそれぞれ管理する機能を有する。
【0036】
クライアント端末11は、患者を診療する医師や患者を看護する看護師、各種医療検査を実施する検査技師等(以下、まとめて医療スタッフと表記)により操作される。クライアント端末11は、内科、外科、検査科、リハビリ科等の診療科毎や医療スタッフ毎に複数台配備されている。クライアント端末11は、診療支援サーバ12およびサーバ群17が提供する各種機能を利用して患者の診療を行う際、具体的には電子カルテ18、検査画像19、医用レポート20、あるいは表示画面21を閲覧する際や、電子カルテ18に各種情報を入力したり、医用レポート20を作成する際等に使用される。なお、クライアント端末11は、各診療科に据え置かれる据え置き型でもよいし、各医療スタッフが持ち運ぶ携帯型でもよい。
【0037】
診療支援サーバ12は、クライアント端末11からの配信要求を受け付ける。また、診療支援サーバ12は、医療施設を受診した患者の診療過程で取得された診療データをサーバ群17から取得する。診療支援サーバ12は、取得した診療データに応じた作業情報を、作業情報DB12Aの作業情報テーブル22に格納する。診療支援サーバ12は、作業情報テーブル22の作業情報を元に表示画面21を生成する。診療支援サーバ12は、生成した表示画面21を、配信要求の要求元のクライアント端末11に送信する。
【0038】
診療支援サーバ12は、ウェブブラウザ上で閲覧可能な表示画面21を配信する。診療支援サーバ12は、クライアント端末11に対して認証キーを発行して、診療支援サーバ12へのアクセス権限を与える。クライアント端末11には、診療支援サーバ12から配信された表示画面21が表示される。
【0039】
診療支援サーバ12は、表示画面21を、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用の画面データの形式で出力する。クライアント端末11は、画面データに基づき表示画面21をウェブブラウザ上に再現して表示する。なお、XMLに代えて、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。
【0040】
図2において、カルテDB14Aの電子カルテ18は、「1234567」といった患者ID(Identification Data)が関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテサーバ14は、この患者IDを検索キーとしてカルテDB14Aから電子カルテ18を検索することが可能である。
【0041】
電子カルテ18は複数種類の診療データで構成される。診療データの種類には、血液検査、尿検査等の患者に対して実施した各種検体検査、検体検査や画像検査、レポート作成、手術、投薬等の指示を記したオーダ、医師が電子カルテ18に入力した患者の主訴といった診察内容や疾患名等の診察記録、初診、入退院、麻酔同意書提出、手術同意書提出といった患者の診療過程で生じたイベント等がある。診療データは、これらの種類別に整理されて時系列に記録されている。なお、麻酔同意書、手術同意書は、麻酔、手術を行う必要性やリスクを患者やその家族に説明し、患者やその家族に署名や捺印を求める文書である。
【0042】
各種診療データの1件分のレコードは、検体検査の実施日時、オーダの発行日時、診察日時、イベントの発生日時といった日時と、検体検査の複数の検査項目の検査値、オーダIDおよびオーダの内容、イベント名といった具体的な内容とで構成される。検査項目は、例えば診療データの種類が血液検査の場合、クレアチニン、BUN(Blood Urea Nitrogen;血液尿素窒素)、随時血糖等であり、診療データの種類が尿検査の場合、尿酸、血糖、pH(Potential Hydrogen;水素イオン濃度指数)等である。また、オーダIDは、個々のオーダを識別するための番号や記号である。
【0043】
なお、電子カルテ18には、患者IDの他、患者の氏名、性別、年齢、生年月日、嗜好(喫煙、飲酒の有無)といった患者情報が記録されている。また、診療データには、上記に挙げたものの他に、患者の心拍、脈拍、血圧、体温等のバイタルサイン、患者に投与した治療薬および投与量を含む処方、既往歴、医療スタッフ間の連絡事項や備忘録を記したメモ等がある。
【0044】
図3において、画像DB15Aの検査画像19は、電子カルテ18と同じく患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテサーバ14と同じく、画像サーバ15は、患者IDを検索キーとして画像DB15Aから検査画像19を検索することが可能である。
【0045】
検査画像19は、各種画像検査で得られた画像である。各種画像検査には、例えば心電図検査、CT(Computed tomography;コンピュータ断層撮影)検査、DR(Digital Radiography;デジタルX線撮影)検査、US(Ultrasonography;超音波)検査、MRI(Magnetic Resonance Imaging;核磁気共鳴画像法)検査、内視鏡検査等がある。CT検査、DR検査、MRI検査等の検査画像19は、例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格のデータファイル形式で作成される。
【0046】
検査画像19の1件分のファイルは、検査画像19の本体と、画像検査の実施日時、画像IDおよびオーダID、「DR検査」、「CT検査」等の画像検査の種類および「胸部」、「腹部」等の撮影部位、方向といった様々な付帯情報とで構成される。画像検査の種類は、作業項目として扱われる。画像サーバ15は、こうした付帯情報とともに検査画像19を診療データとして診療支援サーバ12に送信する。
【0047】
画像IDは、各検査画像19を識別するための番号や記号である。CT検査等、1回に複数枚の検査画像19が撮影される画像検査の場合は、複数枚の検査画像19が1回の画像検査で得られたことを示すために各検査画像19に共通のオーダIDが付与され、1まとめの検査画像19として管理される。
【0048】
図4において、レポートDB16Aの医用レポート20は、電子カルテ18、検査画像19と同じく患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。各サーバ14、15と同じく、レポートサーバ16は、患者IDを検索キーとしてレポートDB16Aから医用レポート20を検索することが可能である。
【0049】
医用レポート20の1件分のファイルは、医用レポート20の本体と、医用レポート20の作成日、レポートID、医用レポート20に添付した検査画像19の画像IDおよびオーダID、並びに画像検査の種類および撮影部位、方向等の付帯情報とで構成される。レポートサーバ16は、こうした付帯情報とともに医用レポート20を診療データとして診療支援サーバ12に送信する。
【0050】
電子カルテ18には、診察の担当医師、診察する部屋、および所属診療科や、検体検査の担当看護師、検体検査を実施する部屋、および所属診療科といった情報が関連付けて記憶されている。また、検査画像19には、画像検査の担当技師、画像検査を実施する部屋、および所属診療科といった情報が関連付けて記憶されている。こうした情報によって、医療スタッフの誰がどこでどの作業をどの患者に実施したかが分かるようになっている。
【0051】
図5において、クライアント端末11および診療支援サーバ12を構成するコンピュータは、基本的な構成は同じであり、それぞれ、ストレージデバイス25、メモリ26、CPU(Central Processing Unit)27、通信部28、ディスプレイ29、および入力デバイス30を備えている。これらはデータバス31を介して相互接続されている。
【0052】
ストレージデバイス25は、クライアント端末11等を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブルやネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブ、もしくはハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス25には、オペレーティングシステム等の制御プログラムや各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種画面の表示データ等が記憶されている。
【0053】
メモリ26は、CPU27が処理を実行するためのワークメモリである。CPU27は、ストレージデバイス25に記憶されたプログラムをメモリ26へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
【0054】
通信部28は、ネットワーク13を介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。ディスプレイ29は、マウスやキーボード等の入力デバイス30の操作に応じた各種画面を表示する。画面にはGUI(Graphical User Interface)による操作機能が備えられる。クライアント端末11等を構成するコンピュータは、画面を通じて入力デバイス30からの操作指示の入力を受け付ける。
【0055】
なお、以下の説明では、クライアント端末11を構成するコンピュータの各部には添え字の「A」を、診療支援サーバ12を構成するコンピュータの各部には添え字の「B」をそれぞれ符号に付して区別する。
【0056】
図6において、ウェブブラウザが起動されると、クライアント端末11のCPU27Aは、メモリ26等と協働して、GUI制御部35、およびブラウザ制御部36として機能する。
【0057】
GUI制御部35は、各種画面をディスプレイ29Aに表示し、かつ各種画面を通じて入力デバイス30Aから入力される操作指示を受け付ける。操作指示には、診療支援サーバ12への表示画面21の配信指示、および表示画面21の編集指示がある。GUI制御部35は、受け付けた操作指示をブラウザ制御部36に出力する。
【0058】
ブラウザ制御部36は、ウェブブラウザの動作を制御する。ブラウザ制御部36は、GUI制御部35からの配信指示に応じた配信要求、および編集指示に応じた編集要求を診療支援サーバ12に対して発行する。なお、配信指示は、例えば診療支援サーバ12への認証後にディスプレイ29Aに表示される配信指示画面(図示せず)を通じて行われる。
【0059】
また、ブラウザ制御部36は、診療支援サーバ12からの表示画面21の画面データを受け取る。ブラウザ制御部36は、画面データに基づきウェブブラウザ上に表示する表示画面21を再現し、これをGUI制御部35に出力する。GUI制御部35は、表示画面21をディスプレイ29Aに表示する。
【0060】
図7において、診療支援サーバ12のストレージデバイス25Bには、診療支援プログラム40が記憶されている。診療支援プログラム40は、診療支援サーバ12を構成するコンピュータを、診療支援装置として機能させるためのアプリケーションプログラムであり、診療支援装置の作動プログラムに相当する。
【0061】
診療支援プログラム40が起動されると、診療支援サーバ12のCPU27Bは、メモリ26等と協働して、要求受付部41、画面生成部42、画面表示制御部43、配信制御部44、および作業情報管理部45として機能する。
【0062】
要求受付部41は受付部に相当する。要求受付部41は、クライアント端末11からの配信要求および編集要求を受け付ける。要求受付部41は、配信要求を画面生成部42に、編集要求を画面表示制御部43にそれぞれ出力する。
【0063】
画面生成部42は、配信要求に応じて作業情報管理部45から作業情報を受け取り、受け取った作業情報に基づいて表示画面21を生成する。画面生成部42は、生成した表示画面21を画面表示制御部43および配信制御部44に出力する。
【0064】
画面表示制御部43は、編集要求に応じて、画面生成部42からの表示画面21を編集する。画面表示制御部43は、表示画面21を編集するための機能として、集約表示機能と表示態様切替機能を有する。画面表示制御部43は、編集した表示画面21を配信制御部44に出力する。
【0065】
配信制御部44は、画面生成部42で生成した表示画面21または画面表示制御部43で編集した表示画面21を、配信要求または編集要求の要求元のクライアント端末11に出力する。
【0066】
作業情報管理部45は、作業情報DB12Aの作業情報テーブル22を管理する。作業情報管理部45は、サーバ群17に対して、定期的、例えば1時間毎に診療データの取得要求を発行する。作業情報管理部45は、この取得要求に応じてサーバ群17から送信された診療データを取得し、取得した診療データに基づいて作業情報を作成し、作成した作業情報を作業情報テーブル22に格納する。なお、医療検査に関わる診療データの取得要求は1時間毎、その他の診療データは1日毎というように、診療データの種類に応じて取得要求を発行する間隔を変更してもよい。
【0067】
作業情報管理部45は、作業情報テーブル22から作業情報を読み出し、読み出した作業情報を表示画面21の生成のために画面生成部42に提供する。
【0068】
図8において、作業情報テーブル22は、作業情報を患者毎に記録したものである。作業情報テーブル22は、項番、患者情報、および作業項目に分けられている。項番には、例えば診察の予約順または受け付け順の番号が付される。患者情報には、電子カルテ18に記録された前述の患者ID、氏名、性別、年齢、および生年月日が転記される。これらの情報のうち、点線の枠および符号IPで示す患者IDおよび氏名が患者識別情報に相当する。
【0069】
作業項目は、診察、血液検査、CT検査、DR検査等である。作業項目には、これらの他にも、尿検査、心電図検査、US検査といった他の医療検査の作業項目、入院予約、麻酔依頼、手術申込、麻酔同意書、手術同意書等のイベント関連の作業項目がある。作業項目には、作業情報として、その作業を受け付けた日時(受付日時)、作業を担当する診療科、部屋、および医療スタッフが記録される。医療検査の場合はさらにオーダIDが記録される。これらの情報は電子カルテ18や検査画像19から転記される。CT検査やDR検査等の画像検査の作業項目には、上記の診療科等の情報に加えて、検査画像19の画像IDおよび医用レポート20のレポートIDが転記される。
【0070】
また、作業項目には、点線の枠および符号PRで示すように、作業情報として作業の進捗状況が記録される。進捗状況には、項番4のCT検査等に示すように、作業を実施予定であるが未だ完了していない未完と、項番1の診察や血液検査等に示すように、作業を実施済みの完了とがある。未完には、その作業に取り掛かっていない未着手、作業に取り掛かっている最中の作業中、あるいは何らかのトラブル等で作業を中断している中断の各状態が含まれる。
【0071】
作業情報管理部45は、診察、入院予約、麻酔依頼、手術申込、麻酔同意書、手術同意書等の場合は、医療スタッフが電子カルテ18を通じて作業が完了した旨を入力したときに、進捗状況を未完から完了に変更する。血液検査や尿検査等の検体検査の場合は、検査値がカルテDB14Aに記録されたとき、心電図検査、CT検査、DR検査等の画像検査の場合は、検査画像19が画像DB15Aに記録されたとき、あるいは医用レポート20がレポートDB16Aに記録されたときに、それぞれ進捗状況を未完から完了に変更する。
【0072】
作業情報は、診察予約や入院予約がされたりオーダが発行されたり等して、実施することが確定した作業項目に対して記録される。一方、作業の実施予定がない作業項目には、項番4の血液検査の点線の枠および符号BLで示すように、作業情報は記録されない。
【0073】
図9において、表示画面21には、ワークリスト50が表示される。ワークリスト50は、患者識別情報を含む各患者の患者情報が配列される患者配列軸Yと、各作業項目が配列される項目配列軸Xと、各患者情報と各作業項目の各々の交差部分である複数のセル51とで構成される。患者配列軸Yは列方向に、項目配列軸Xは行方向にそれぞれ配されている。
【0074】
ワークリスト50の左端には、患者配列軸Yに沿って患者欄52が設けられている。また、ワークリスト50の上端には、項目配列軸Xに沿って項目欄53が設けられている。患者欄52には項番および患者情報が項番順に患者配列軸Yに沿って並べて表示され、項目欄53には作業項目が項目配列軸Xに沿って並べて表示される。項目欄53の作業項目は、通常実施する順番に左から右に並べられている。例えば診察は、通常最初に実施する作業であるため、診察の作業項目は左端に配されている。また、入院予約や手術申込等は、検体検査や画像検査を実施したうえで、その検査結果に応じて行われる作業であるため、検体検査や画像検査の作業項目の右側に配されている。
【0075】
セル51は、項目配列軸Xに沿う辺が患者配列軸Yに沿う辺よりも若干長い矩形状を有している。セル51には、作業情報が表示される情報表示セル51Aと、作業情報が表示されない空欄セル51Bとがある。情報表示セル51Aは、作業情報テーブル22において、実施することが確定して作業情報が記録された作業項目に対応する位置に表示される。一方、空欄セル51Bは、
図8に符号BLで示したように、作業情報テーブル22において、作業の実施予定がなく、作業情報が記録されていない作業項目に対応する位置に表示される。
【0076】
情報表示セル51Aは、集約表示機能により、空間的に集約表示することが可能である。集約表示した場合、空欄セル51Bは削除され、情報表示セル51Aは行方向(項目配列軸Xの方向)または列方向(患者配列軸Yの方向)のいずれかに詰められる。
【0077】
これによりワークリスト50は、以下の3つの表示態様をとる。すなわち、空欄セル51Bを削除せずに表示する第1表示態様と、空欄セル51Bを削除して行方向に情報表示セル51Aを詰めて集約表示する第2表示態様と、空欄セル51Bを削除して列方向に情報表示セル51Aを詰めて集約表示する第3表示態様とである。表示態様切替機能は、これら3つの表示態様を切り替える機能である。
【0078】
情報表示セル51Aにはアイコン54が配される。アイコン54には、作業情報の具体的な内容を示す複数行の文字が表示される。アイコン54に表示される文字は、それを医療スタッフが閲覧することで、作業情報の中味を十分に理解可能な内容である。例えば診察の作業項目に配されたアイコン54には、診察を予約した、または受け付けた日時、診療科、部屋、および担当医師が表示される(
図10も参照)。一方、空欄セル51Bにはアイコン54は配されず、文字通り空欄となっている。
【0079】
アイコン54は、作業項目毎に予め有彩色の表示色が設定されている。例えば診察の作業項目に配されたアイコン54はラセットブラウン(小豆色)、血液検査の作業項目に配されたアイコン54はイエローオーカー(黄土色)といった具合である。また、アイコン54に表示される文字は白色(白抜き)で表示される。
【0080】
表示画面21には、ワークリスト50の他に、表示態様切替ボタン55、縦スクロールバー56A、横スクロールバー56B等が表示される。これら表示態様切替ボタン55および各スクロールバー56A、56Bは、カーソル57で操作することが可能である。
【0081】
表示態様切替ボタン55は、同一の入力操作によって、ワークリスト50の3つの表示態様を順次切り替える指定を入力するためのトグル形式のボタンであり、ワークリスト50の右横に設けられている。表示態様切替ボタン55がカーソル57で選択されると、クライアント端末11から診療支援サーバ12に表示画面21の編集要求が送信される。なお、配信要求に応じて最初に配信される表示画面21では、ワークリスト50は
図9に示すような空欄セル51Bが削除されない第1表示態様で表示される。
【0082】
縦スクロールバー56Aは、患者欄52とは反対側の表示画面21の右端に、患者配列軸Yに沿って設けられている。横スクロールバー56Bは、項目欄53とは反対側の表示画面21の下端に、項目配列軸Xに沿って設けられている。縦スクロールバー56Aは、患者欄52の患者情報の一部が表示画面21に一度に収まりきらない非表示部分となる場合に表示される。横スクロールバー56Bは、項目欄53の作業項目の一部が表示画面21に一度に収まりきらない非表示部分となる場合に表示される。非表示部分は、各スクロールバー56A、56Bがカーソル57で操作される、あるいはマウスのホイールボタンが回転されるといったスクロール操作により表示可能となる。
【0083】
ワークリスト50の一部を拡大した
図10に示すように、情報表示セル51Aは、進捗状況に応じて2種類に分けられる。すなわち、情報表示セル51Aには、進捗状況が未完である未完セル51Aaと、進捗状況が完了である完了セル51Abとがある。
【0084】
この進捗状況に応じた情報表示セル51Aの分類に伴い、未完セル51Aaと完了セル51Abとでは、アイコン54が区別して表示される。具体的には、未完セル51Aaでは、ハッチングH1で示すように、予め設定された有彩色の表示色ではなく、例えばグレー等の無彩色でアイコン54が表示される。一方、完了セル51Abでは、予め設定された有彩色の表示色でアイコン54が表示される。なお、表示色の変更に加えて、あるいは代えて、完了セル51Abのアイコン54には作業情報の文字を太字で表示し、未完セル51Aaのアイコン54には作業情報の文字を細字または点線の字で表示する等して、未完セル51Aaと完了セル51Abとを区別して表示してもよい。
【0085】
図11に、第1表示態様のワークリスト50と第2表示態様のワークリスト50を示す。なお、
図11では、煩雑を避けるため、アイコン54の作業情報の文字を線で表し、情報表示セル51Aを未完セル51Aa、完了セル51Abの区別なく表示し、かつ患者欄52の患者情報をA、B、C、・・・といった大文字のアルファベット、項目欄53の作業項目をa、b、c、・・・といった小文字のアルファベットでそれぞれ表した簡易的なワークリスト50を用いて説明する。また、表示画面21の表示部分を、実線の太枠および符号DSで示す。以降の
図13、
図14、
図16等も同様である。
【0086】
図11において、上段は第1表示態様のワークリスト50、下段は第2表示態様のワークリスト50をそれぞれ示している。第1表示態様では、空欄セル51Bは削除されず、情報表示セル51Aも詰められずに表示される。一方、第2表示態様では、空欄セル51Bが削除され、行方向に情報表示セル51Aが詰められて集約表示される。
【0087】
また、第2表示態様では、点線の枠および符号REで示すように、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aに、元の位置の場合に該当する作業項目が表示される。例えば、第1表示態様で作業項目j、患者情報Dの位置にある情報表示セル51A1は、第2表示態様では作業項目gの位置にずらされるので、アイコン54に元の位置の場合に該当する作業項目jが表示される。
【0088】
より具体的には
図12に示すように、第1表示態様で心電図検査の作業項目の位置にあった情報表示セル51Aが、第2表示態様で尿検査の作業項目の位置にずらされた場合、当該情報表示セル51Aのアイコン54に「心電図」が表示される。
【0089】
図13の上段は、
図11の上段の第1表示態様における患者情報Aの行を示す。この段階では、患者情報Aの行を構成する全セル51のうち、作業項目a、b、e、f、h、jに該当するセル51が情報表示セル51A、作業項目c、d、g、i、kに該当するセル51が空欄セル51Bである。画面表示制御部43は、集約表示機能により、これら作業項目c、d、g、i、kに該当する空欄セル51Bのうち、各情報表示セル51Aの間にある作業項目c、d、g、iに該当する空欄セル51Bを削除する。そして、中段に示すように、空欄セル51Bを削除した位置に、削除した空欄セル51Bの右側にあった情報表示セル51Aをずらす。例えば上段で作業項目jの位置にあった情報表示セル51A2を、空欄セル51Bを削除した作業項目iの位置にずらす。
【0090】
画面表示制御部43は、こうした空欄セル51Bの削除と情報表示セル51Aの左側へのずらしとを行うことで、行方向に情報表示セル51Aを詰めていき、最終的には下段に示すように、情報表示セル51Aを左側(患者欄52の側)に集約して第2表示態様とする。言い換えれば、画面表示制御部43は、情報表示セル51Aの間に空欄セル51Bが存在しなくなるまで、情報表示セル51Aを空欄セル51Bの位置に行方向に沿って移動させる。なお、
図13では、説明の便宜を図るため、上段、中段、下段の全ての情報表示セル51Aのアイコン54に、元の位置の場合に該当する作業項目を示す小文字のアルファベットを表示している。
図26、
図30等も同様である。
【0091】
図14において、上段は
図11と同じく第1表示態様のワークリスト50、下段は第3表示態様のワークリスト50をそれぞれ示している。第3表示態様では、空欄セル51Bが削除され、列方向に情報表示セル51Aが詰められて集約表示される。
【0092】
また、第3表示態様では、点線の枠および符号CEで示すように、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aに、元の位置の場合に該当する患者識別情報が表示される。例えば、第1表示態様で作業項目k、患者情報Gの位置にある情報表示セル51A3は、第3表示態様では患者情報Cの位置にずらされるので、アイコン54に元の位置の場合に該当する患者情報Gの患者識別情報が表示される。
【0093】
より具体的には
図15に示すように、第1表示態様で患者名「久我山紗江子」、患者ID「0002547」の位置にあった情報表示セル51Aが、第3表示態様で患者名「赤田五郎」、患者ID「1234567」の位置にずらされた場合、当該情報表示セル51Aのアイコン54に、患者名「久我山紗江子」、患者ID「0002547」が表示される。
【0094】
図16の左側は、
図14の上段の第1表示態様における作業項目dの列を示す。この段階では、作業項目dの列を構成する全セル51のうち、患者情報C、D、F、G、Hに該当するセル51が情報表示セル51A、患者情報A、B、Eに該当するセル51が空欄セル51Bである。画面表示制御部43は、集約表示機能により、各情報表示セル51Aの間にあるこれら患者情報A、B、Eに該当する空欄セル51Bを削除する。そして、中央に示すように、空欄セル51Bを削除した位置に、削除した空欄セル51Bの下側にあった情報表示セル51Aをずらす。例えば左側で患者情報Fの位置にあった情報表示セル51A4を、空欄セル51Bを削除した患者情報Eの位置にずらす。
【0095】
画面表示制御部43は、こうした空欄セル51Bの削除と情報表示セル51Aの上側へのずらしとを行うことで、列方向に情報表示セル51Aを詰めていき、最終的には右側に示すように、情報表示セル51Aを上側(項目欄53の側)に集約して第3表示態様とする。言い換えれば、画面表示制御部43は、情報表示セル51Aの間に空欄セル51Bが存在しなくなるまで、情報表示セル51Aを空欄セル51Bの位置に列方向に沿って移動させる。なお、
図16では、
図13の場合と同様に、説明の便宜を図るため、左側、中央、右側の全ての情報表示セル51Aのアイコン54に、元の位置の場合に該当する患者情報を示す大文字のアルファベットを表示している。
図28、
図32等も同様である。
【0096】
図17において、表示態様切替ボタン55は、カーソル57で選択される毎に、上段左側に示す方向指定なし、上段中央に示す行方向指定、上段右側に示す列方向指定の3つの指定状態の間で順次切り替わる。より詳しくは、表示態様切替ボタン55は、方向指定なしの状態で選択された場合、行方向指定の状態に移り、行方向指定の状態で選択された場合、列方向指定の状態に移る。そして、列方向指定の状態で選択された場合、方向指定なしの状態に戻る。
【0097】
表示態様切替ボタン55が方向指定なしの状態から行方向指定の状態に移った場合、ブラウザ制御部36は、情報表示セル51Aを詰める方向を行方向に指定する旨の編集要求を発行する。この編集要求は要求受付部41で受け付けられ、画面表示制御部43に出力される。画面表示制御部43は、表示態様切替機能により、ワークリスト50の表示態様を第1表示態様から第2表示態様に切り替える。つまり、表示態様切替ボタン55が行方向指定の状態の場合、ワークリスト50の表示態様は、下段中央に示すように第2表示態様となる。
【0098】
表示態様切替ボタン55が行方向指定の状態から列方向指定の状態に移った場合、ブラウザ制御部36は、情報表示セル51Aを詰める方向を列方向に指定する旨の編集要求を発行する。この編集要求は要求受付部41で受け付けられ、画面表示制御部43に出力される。画面表示制御部43は、表示態様切替機能により、ワークリスト50の表示態様を第2表示態様から第3表示態様に切り替える。つまり、表示態様切替ボタン55が列方向指定の状態の場合、ワークリスト50の表示態様は、下段右側に示すように第3表示態様となる。
【0099】
表示態様切替ボタン55が列方向指定の状態から方向指定なしの状態に移った場合、ブラウザ制御部36は、空欄セル51Bを削除せず、情報表示セル51Aを詰めずに表示する旨の編集要求を発行する。この編集要求は要求受付部41で受け付けられ、画面表示制御部43に出力される。画面表示制御部43は、表示態様切替機能により、ワークリスト50の表示態様を第3表示態様から第1表示態様に切り替える。つまり、表示態様切替ボタン55が方向指定なしの状態の場合、ワークリスト50の表示態様は、下段左側に示すように第1表示態様となる。
【0100】
以下、上記構成による作用について、
図18のフローチャートを参照して説明する。まず医療スタッフは、クライアント端末11を通じて診療支援サーバ12にアクセスして認証を行う。認証後、クライアント端末11のディスプレイ29Aには、配信指示画面が表示される。医療スタッフは、配信指示画面を通じて配信指示を入力する。これによりクライアント端末11から診療支援サーバ12に表示画面21の配信要求が送信される。
【0101】
診療支援サーバ12では、要求受付部41により配信要求が受け付けられる(ステップS100でYES)。配信要求は画面生成部42に出力される。これにより作業情報管理部45から画面生成部42に作業情報が出力される。そして、ステップS110に示すように、画面生成部42により作業情報に基づく表示画面21が生成される。生成された表示画面21は配信制御部44により配信要求の要求元のクライアント端末11に出力される(ステップS120)。この場合の表示画面21のワークリスト50の表示態様は、
図9に示すような第1表示態様である。
【0102】
クライアント端末11では、診療支援サーバ12からの表示画面21がブラウザ制御部36で受け取られる。そして、GUI制御部35により表示画面21がディスプレイ29Aに表示される。
【0103】
医療スタッフは、表示画面21を閲覧し、必要に応じて表示態様切替ボタン55をカーソル57で選択する。これによりクライアント端末11から診療支援サーバ12に表示画面21の編集要求が送信される。診療支援サーバ12では、要求受付部41で編集要求が受け付けられる。編集要求は画面表示制御部43に出力される。
【0104】
ワークリスト50の表示態様が第1表示態様のときに表示態様切替ボタン55が選択され、表示態様切替ボタン55が方向指定なしの状態から行方向指定の状態に移された場合、要求受付部41では、情報表示セル51Aを詰める方向を行方向に指定する旨の編集要求が受け付けられる(ステップS130でYES)。
【0105】
この場合は画面表示制御部43の集約表示機能および表示態様切替機能により、行方向に情報表示セル51Aが詰められてワークリスト50の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に切り替えられる(ステップS140)。このとき、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aには、元の位置の場合に該当する作業項目REが表示される。ワークリスト50の表示態様を第2表示態様とされた表示画面21は、配信制御部44により編集要求の要求元のクライアント端末11に出力される(ステップS150)。
【0106】
ワークリスト50の表示態様が第2表示態様のときに表示態様切替ボタン55が選択され、表示態様切替ボタン55が行方向指定の状態から列方向指定の状態に移された場合、要求受付部41では、情報表示セル51Aを詰める方向を列方向に指定する旨の編集要求が受け付けられる(ステップS160でYES)。
【0107】
この場合は画面表示制御部43の集約表示機能および表示態様切替機能により、列方向に情報表示セル51Aが詰められてワークリスト50の表示態様が第2表示態様から第3表示態様に切り替えられる(ステップS170)。このとき、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aには、元の位置の場合に該当する患者識別情報CEが表示される。ワークリスト50の表示態様を第3表示態様とされた表示画面21は、配信制御部44により編集要求の要求元のクライアント端末11に出力される(ステップS180)。
【0108】
さらに、ワークリスト50の表示態様が第3表示態様のときに表示態様切替ボタン55が選択され、表示態様切替ボタン55が列方向指定の状態から方向指定なしの状態に移された場合、要求受付部41では、空欄セル51Bを削除せず、情報表示セル51Aを詰めずに表示する旨の編集要求が受け付けられる(ステップS190でYES)。
【0109】
この場合はステップS120に戻り、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の表示画面21が、配信制御部44により編集要求の要求元のクライアント端末11に出力される。これらステップS120〜ステップS190の処理は、表示画面21の表示終了(ステップS200、S210、S220でYES)まで続けられる。
【0110】
第1表示態様では、空欄セル51Bは削除されず、情報表示セル51Aも詰められずに情報表示セル51Aと空欄セル51Bが散在して表示される。このため、情報表示セル51Aの位置によって、その情報表示セル51Aがどの患者識別情報と作業項目に該当するかを知ることができ、作業情報を全般的に俯瞰でみることができる。
【0111】
対して第2表示態様および第3表示態様では、空欄セル51Bが削除されて情報表示セル51Aが行方向または列方向に詰められる。これにより、
図13の上段の作業項目jの位置にある情報表示セル51A2や、
図16の左側の患者情報Fの位置にある情報表示セル51A4のように、第1表示態様では表示部分DS内になかった情報表示セル51Aを、第2表示態様および第3表示態様では表示部分DS内に収めることができる。したがって、ワークリスト50の一覧性が向上し、一度により多くの作業情報を確認することができる。
【0112】
また、第2表示態様では、患者配列軸Yと直交する行方向に情報表示セル51Aが詰められるので、各患者に対して実施する作業がどれだけあるかを確認することができる。一方、第3表示態様では、項目配列軸Xと直交する列方向に情報表示セル51Aが詰められるので、各作業がどれだけあるかを確認することができる。
【0113】
そして、これらそれぞれに特色のある第1〜第3表示態様が切り替え可能であるため、様々な利用目的に応じて、医療スタッフが望む表示態様のワークリスト50を表示することが可能となる。
【0114】
さらに、第2表示態様および第3表示態様では、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aに、元の位置の場合に該当する作業項目REまたは患者識別情報CEが表示されるので、第2表示態様および第3表示態様においても、第1表示態様と同様に、その情報表示セル51Aがどの作業項目または患者識別情報に該当するかを知ることができる。
【0115】
なお、作業項目REまたは患者識別情報CEを表示する場合は、項目欄53または患者欄52に元の作業項目または元の患者情報が表示されていると、かえって混乱を招く。そこで、作業項目REまたは患者識別情報CEを表示する場合は、
図19に示すように項目欄53の作業項目を非表示としたり、あるいは
図20にハッチングH2で示すように患者欄52の患者情報をグレーアウト処理で目立たなくする等の対処を施すことが好ましい。
【0116】
トグル形式の表示態様切替ボタン55によって、ワークリスト50の表示態様を順次切り替えるので、ワークリスト50の表示態様を簡単かつスムーズに切り替えることができ、作業情報の確認を効率的に進めることができる。
【0117】
なお、ワークリスト50の表示態様の順次切り替えは、トグル形式の表示態様切替ボタン55に拠らなくてもよい。例えば表示画面21に、集約表示機能の有効化、無効化を切り替えるボタンを設けておく。そして、当該ボタンにより集約表示機能が有効化された場合は、マウスのホイールボタンの回転操作や、マウスを右クリックした状態で右側にドラッグするといったマウスジェスチャにより、ワークリスト50の表示態様を第1表示態様と第2表示態様と第3表示態様の間で順次切り替える。マウスのホイールボタンの回転操作の場合は、例えばホイールボタンが同じ方向に半回転される毎にワークリスト50の表示態様を切り替える。この場合はホイールボタンを同じ方向に半回転させる操作が同一の入力操作に相当する。マウスジェスチャの場合は、マウスジェスチャが実行される毎にワークリスト50の表示態様を切り替える。この場合はマウスジェスチャが同一の入力操作に相当する。
【0118】
また、ワークリスト50の表示態様の切り替えは、順次切り替えでなくともよい。例えば
図17に示す3つの指定状態の表示態様切替ボタン55に相当する3つの表示態様切替ボタンを表示画面21に設け、各表示態様切替ボタンがカーソル57で選択されたことに応じて、ワークリスト50の表示態様を切り替えてもよい。あるいは、患者欄52のいずれかの患者情報が選択された場合を行方向指定と見なし、項目欄53のいずれかの作業項目が選択された場合を列方向指定と見なしてもよい。すなわち、専用の表示態様切替ボタンを設けずに、患者欄52の患者情報および項目欄53の作業項目を表示態様切替ボタンとして機能させてもよい。
【0119】
未完と完了とを有する作業の進捗状況を作業情報に含め、情報表示セル51Aを未完セル51Aaと完了セル51Abの2種類とし、未完セル51Aaと完了セル51Abとでアイコン54を区別して表示するので、各作業の進捗状況が一目で分かる。また、未完セル51Aaの個数によって未完の作業の数も一目で分かるため、医療スタッフは、自身が担当する作業のうち、未完の作業がどれだけあるかを把握することができる。
【0120】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、ワークリスト50の複数の行または列の全てについて集約表示を行っているが、
図21〜
図24に示す第2実施形態では、ワークリスト50の複数の行のうちの1つの行、またはワークリスト50の複数の列のうちの1つの列に対して集約表示を行う。
【0121】
本実施形態では、患者欄52の各患者情報および項目欄53の各作業項目をカーソル57で選択することが可能である。患者情報の選択は、ワークリスト50の複数の行のうちの1つの行の指定、作業項目の選択は、ワークリスト50の複数の列のうちの1つの列の指定にそれぞれ相当する。また、本実施形態では、表示画面21に、集約表示機能の有効化、無効化を切り替えるボタンが設けられている。
【0122】
集約表示機能が有効化されて患者情報が選択された場合、ブラウザ制御部36は、選択された患者情報の行(以下、指定行)の中の情報表示セル51Aを、行方向に詰める旨の編集要求を発行する。つまり、患者情報が選択された場合の編集要求には、行の指定に加えて行方向の指定も含まれる。この編集要求は要求受付部41で受け付けられ、画面表示制御部43に出力される。画面表示制御部43は、ワークリスト50の表示態様を第2表示態様とする。
【0123】
一方、集約表示機能が有効化されて作業項目が選択された場合、ブラウザ制御部36は、選択された作業項目の列(以下、指定列)の中の情報表示セル51Aを、列方向に詰める旨の編集要求を発行する。つまり、作業項目が選択された場合の編集要求には、列の指定に加えて列方向の指定も含まれる。この編集要求は要求受付部41で受け付けられ、画面表示制御部43に出力される。画面表示制御部43は、ワークリスト50の表示態様を第3表示態様とする。
【0124】
図21において、
図11等と同じく、上段は第1表示態様のワークリスト50、下段は第2表示態様のワークリスト50をそれぞれ示している。第2表示態様のワークリスト50は、ハッチングH3で示すように、患者情報Aが指定行として選択された場合を例示している。第2表示態様では、指定行の中の空欄セル51Bが削除され、指定行の中の情報表示セル51Aが行方向に詰められて集約表示される。例えば、第1表示態様で作業項目i、患者情報Aの位置にある空欄セル51B1が削除され、第1表示態様で作業項目j、患者情報Aの位置にある情報表示セル51A5は、第2表示態様では第1表示態様における作業項目fの位置に詰められる。
【0125】
また、
図22に実線の太枠および符号BLCで示すように、指定行の中の空欄セル51Bが存在する列については、情報表示セル51Aの有無に関わらず列全体が削除される。例えば作業項目cの列には、患者情報B、D、E、F、Hの位置に情報表示セル51Aがあるが、指定行である患者情報Aの位置は空欄セル51Bであるため、作業項目cの列は削除される。また、作業項目kの列は患者情報B、E、Gの位置に情報表示セル51Aがあり、かつ最終列であるが、患者情報Aの位置は空欄セル51Bであるため、作業項目kの列は削除される。このため
図21に示す第2表示態様では、指定行の中の情報表示セル51Aが存在する列の作業項目のみが項目欄53に表示される。なお、指定行の中の空欄セル51Bが存在する列は、具体的には作業項目c、d、g、i、kの列であり、指定行の中の情報表示セル51Aが存在する列は、具体的には作業項目a、b、e、f、h、jの列である。
【0126】
一方、
図23は、下段に第3表示態様のワークリスト50を示す。第3表示態様のワークリスト50は、ハッチングH4で示すように、作業項目dが指定列として選択された場合を例示している。第3表示態様では、指定列の中の空欄セル51Bが削除され、指定列の中の情報表示セル51Aが列方向に詰められて集約表示される。例えば、第1表示態様で作業項目d、患者情報Bの位置にある空欄セル51B2が削除され、第1表示態様で作業項目d、患者情報Fの位置にある情報表示セル51A6は、第2表示態様では第1表示態様における患者情報Cの位置に詰められる。
【0127】
また、
図24に実線の太枠および符号BLRで示すように、指定列の中の空欄セル51Bが存在する行については、情報表示セル51Aの有無に関わらず行全体が削除される。例えば患者情報Aの行には、作業項目a、b、e、f、h、jの位置に情報表示セル51Aがあるが、指定列である作業項目dの位置は空欄セル51Bであるため、患者情報Aの行は削除される。このため
図23に示す第3表示態様では、指定列の中の情報表示セル51Aが存在する行の患者情報のみが患者欄52に表示される。なお、指定列の中の空欄セル51Bが存在する行は、具体的には患者情報A、B、Eの行であり、指定列の中の情報表示セル51Aが存在する行は、具体的には患者情報C、D、F、G、Hの行である。
【0128】
このように、指定行または指定列に対して集約表示を行うので、指定行または指定列の一覧性が向上する。これにより、個々の患者に主眼を置いて作業情報を確認したり、個々の作業項目に主眼を置いて作業情報を確認することができる。より具体的には、診察時に診察対象の患者の患者情報を選択してワークリスト50の表示態様を第2表示態様とし、診察対象の患者に対する作業の作業情報や作業数を確認したり、医療施設の始業時や終業時に、医療スタッフが自身の担当する作業の作業項目を選択してワークリスト50の表示態様を第3表示態様とし、自身の担当する作業の作業情報や作業数を確認することができる。
【0129】
また、第2表示態様では指定列の中の空欄セル51Bが存在する行全体が削除され、第3表示態様では指定行の中の空欄セル51Bが存在する列全体が削除されるので、ワークリスト50の行または列が減ってワークリスト50をコンパクトにまとめることができ、表示部分DSをより有効活用することができる。
【0130】
さらに、第2表示態様では指定行の中の情報表示セル51Aが存在する列の位置自体は行方向にずらされるが、列毎ずらされるので、項目欄53に表示される作業項目は第1表示態様から変化しない。このため、第2表示態様においても、情報表示セル51Aの位置によって、その情報表示セル51Aがどの作業項目に該当するかを知ることができる。したがって、本実施形態では、上記第1実施形態の元の位置の場合に該当する作業項目REを表示する必要がない。第3表示態様についても同様のことが言え、情報表示セル51Aの位置によって、その情報表示セル51Aがどの患者情報に該当するかを知ることができ、上記第1実施形態の元の位置の場合に該当する患者識別情報CEを表示する必要がない。
【0131】
[第3実施形態]
図25〜
図28に示す第3実施形態では、上記第2実施形態と同じく、指定行または指定列に対して集約表示を行うが、集約表示の仕方が上記第2実施形態と異なる。
【0132】
図25において、
図11等と同じく、上段は第1表示態様のワークリスト50、下段は第2表示態様のワークリスト50をそれぞれ示している。第2表示態様のワークリスト50は、上記第2実施形態の
図21と同じく、ハッチングH3で示すように、患者情報Aが指定行として選択された場合を例示している。本実施形態においても上記第2実施形態と同じく、第2表示態様では、指定行の中の空欄セル51Bが削除され、指定行の中の情報表示セル51Aが行方向に詰められて集約表示される。
【0133】
また、第2表示態様では、上記第1実施形態と同じく、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aに、元の位置の場合に該当する作業項目REが表示される。
【0134】
ただし、本実施形態では、指定行以外の他の行については、集約表示を行わない。また、ハッチングH5で示すように、表示部分DSの指定行以外の集約表示を行わない他の行に対して、例えば灰色の網掛けパターンで覆うグレーアウト処理を施すことで、集約表示を行う指定行を強調表示する。
【0135】
図26の上段および中段に示すように、画面表示制御部43は、集約表示機能により、指定行である患者情報Aの行の空欄セル51Bの削除と情報表示セル51Aの左側へのずらしとを行うことで、行方向に患者情報Aの行の情報表示セル51Aを詰めていき、最終的には情報表示セル51Aを左側(患者欄52の側)に集約して第2表示態様とする。そして、下段に示すように、患者情報Aの行以外の他の行に対してグレーアウト処理を施す。
【0136】
一方、
図27は、下段に第3表示態様のワークリスト50を示す。第3表示態様のワークリスト50は、上記第2実施形態の
図23と同じく、ハッチングH4で示すように、作業項目dが指定列として選択された場合を例示している。本実施形態においても上記第2実施形態と同じく、第3表示態様では、指定列の中の空欄セル51Bが削除され、指定列の中の情報表示セル51Aが列方向に詰められて集約表示される。
【0137】
また、第3表示態様では、上記第1実施形態と同じく、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aに、元の位置の場合に該当する患者識別情報CEが表示される。
【0138】
ただし、本実施形態では、指定列以外の他の列については、集約表示を行わない。また、第2表示態様と同じく、ハッチングH5で示すように、表示部分DSの指定列以外の他の列に対してグレーアウト処理を施すことで、指定列を強調表示する。
【0139】
図28の左側および中央に示すように、画面表示制御部43は、集約表示機能により、指定列である作業項目dの列の空欄セル51Bの削除と情報表示セル51Aの上側へのずらしとを行うことで、列方向に作業項目dの列の情報表示セル51Aを詰めていき、最終的には情報表示セル51Aを上側(項目欄53の側)に集約して第3表示態様とする。そして、右側に示すように、作業項目dの列以外の他の列に対してグレーアウト処理を施す。
【0140】
本実施形態においても、上記第2実施形態と同じく、指定行または指定列の一覧性が向上し、個々の患者に主眼を置いて作業情報を確認したり、個々の作業項目に主眼を置いて作業情報を確認することができるという効果がある。
【0141】
また、指定行以外の他の行、または指定列以外の他の列に集約表示を行わないので、指定行以外の他の行、または指定列以外の他の列は表示態様が変化しない。このため指定行または指定列を除いて、表示態様の切り替え前後でセル51の位置が変化しない。したがって、表示態様の切り替え前後でセル51の位置が変化する上記各実施形態と比べて、医療スタッフに煩雑な印象を与えない。
【0142】
さらに、指定行または指定列を強調表示するので、指定行または指定列に医療スタッフの注意を引き付けることができる。
【0143】
なお、指定行または指定列の強調表示の方法としては、指定行以外の他の行、または指定列以外の他の列のアウトラインを細線、指定行または指定列のアウトラインを太線にする、あるいは、指定行または指定列の背景色を例えば赤色、他の行または他の列の背景色を灰色にする、指定行または指定列を点滅表示する等々、他の方法を採用してもよい。
【0144】
[第4実施形態]
上記各実施形態では、情報表示セル51Aを左側または上側に詰めているが、
図29〜
図32に示す第4実施形態では、1つの情報表示セル51Aを中心にして、他の情報表示セル51Aを左右または上下に詰める。このため本実施形態では、情報表示セル51Aをカーソル57で選択することが可能である。情報表示セル51Aの選択は、複数のセル51のうちの1つのセル51の指定に相当する。また、本実施形態では、表示画面21に、集約表示機能の有効化、無効化を切り替えるボタンが設けられている。
【0145】
この場合、行方向または列方向の指定は、例えば表示画面21に行方向指定ボタンと列方向指定ボタンが設けられる等して、情報表示セル51Aの選択とは別に行われる。あるいは、上記第2、第3実施形態のように、患者欄52の各患者情報および項目欄53の各作業項目をカーソル57で選択可能とし、患者情報が選択された場合は行方向が指定されたと見なし、作業項目が選択された場合は列方向が指定されたと見なしてもよい。
【0146】
集約表示機能が有効化されて情報表示セル51Aが選択された場合、ブラウザ制御部36は、選択された情報表示セル51A(以下、指定セル)を中心にして、行方向または列方向のうち指定された方向に情報表示セル51Aを詰める旨の編集要求を発行する。この編集要求は要求受付部41で受け付けられ、画面表示制御部43に出力される。画面表示制御部43は、ワークリスト50の表示態様を第2表示態様または第3表示態様とする。
【0147】
図29において、
図11等と同じく、上段は第1表示態様のワークリスト50、下段は第2表示態様のワークリスト50をそれぞれ示している。第2表示態様のワークリスト50は、行方向が指定され、かつハッチングH6で示すように、患者情報A、作業項目eに該当する情報表示セル51Aが指定セルとして選択された場合を例示している。第2表示態様では、指定セルが存在する行(患者情報Aの行)の中の空欄セル51Bが削除され、指定セルが存在する行の情報表示セル51Aが、指定セルを中心にして行方向に詰められて集約表示される。
【0148】
また、第2表示態様では、上記第1、第3実施形態と同じく、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aに、元の位置の場合に該当する作業項目REが表示される。
【0149】
さらに、上記第3実施形態と同じく、指定セルが存在する行以外の他の行には集約表示は行われず、ハッチングH5で示すように指定セルが存在する行以外の他の行にはグレーアウト処理が施される。
【0150】
図30の上段に示すように、画面表示制御部43は、集約表示機能により、指定セルが存在する行である患者情報Aの行の中の空欄セル51Bのうち、指定セルと他の情報表示セル51Aとの間にある空欄セル51Bを削除する。そして、中段に示すように、患者情報Aの行の中の情報表示セル51Aを全て指定セルの側にずらす。例えば上段で作業項目a、bの位置にあった情報表示セル51A7、51A8を、指定セルの側である右側の作業項目c、dの位置にそれぞれずらす。
【0151】
画面表示制御部43は、こうした空欄セル51Bの削除と情報表示セル51Aの指定セルの側へのずらしとを行うことで、行方向に情報表示セル51Aを詰めていき、最終的には中段に示すように、指定セルを中心にして情報表示セル51Aを集約して第2表示態様とする。そして、下段に示すように、患者情報Aの行以外の他の行に対してグレーアウト処理を施す。
【0152】
一方、
図31は、下段に第3表示態様のワークリスト50を示す。第3表示態様のワークリスト50は、列方向指定がされ、かつハッチングH7で示すように、患者情報D、作業項目dの位置の情報表示セル51Aが指定セルとして選択された場合を例示している。第3表示態様では、指定セルが存在する列(作業項目dの列)の中の空欄セル51Bが削除され、指定セルが存在する列の情報表示セル51Aが、指定セルを中心にして列方向に詰められて集約表示される。
【0153】
また、第3表示態様では、上記第1、第3実施形態と同じく、集約表示によって第1表示態様における元の位置からずらされた情報表示セル51Aに、元の位置の場合に該当する患者識別情報CEが表示される。
【0154】
さらに、上記第3実施形態と同じく、指定セルが存在する列以外の他の列には集約表示は行われず、ハッチングH5で示すように指定セルが存在する列以外の他の列にはグレーアウト処理が施される。
【0155】
図32の左側に示すように、画面表示制御部43は、集約表示機能により、指定セルが存在する列である作業項目dの列の中の空欄セル51Bのうち、指定セルと他の情報表示セル51Aとの間にある空欄セル51Bを削除する。そして、中央に示すように、作業項目dの列の中の情報表示セル51Aを全て指定セルの側にずらす。例えば左側で患者情報F、G、Hの位置にあった情報表示セル51A9、51A10、51A11を、指定セルの側である上側の患者情報E、F、Gの位置にそれぞれずらす。
【0156】
画面表示制御部43は、こうした空欄セル51Bの削除と情報表示セル51Aの指定セルの側へのずらしとを行うことで、列方向に情報表示セル51Aを詰めていき、最終的には中段に示すように、指定セルを中心にして情報表示セル51Aを集約して第3表示態様とする。そして、右側に示すように、作業項目dの列以外の他の列に対してグレーアウト処理を施す。
【0157】
このように、指定セルを中心にして他の情報表示セル51Aを集約表示するので、指定セルを基準に他の情報表示セル51Aの作業情報を確認することができる。また、表示態様が切り替わっても指定セルの位置は変わらないので、医療スタッフの視線移動がより少なくて済む。
【0158】
なお、指定セルが存在する行以外の他の行、または指定セルが存在する列以外の他の列についても、指定セルが存在する列、または指定セルが存在する行を中心にして情報表示セル51Aを詰める集約表示を行ってもよい。
【0159】
[第5実施形態]
上記第1〜第4実施形態は、複合して実施してもよい。
図33および
図34に示す第5実施形態では、一例として上記第1実施形態と上記第3実施形態を複合して実施する。
【0160】
この場合、表示画面21には行方向指定ボタンと列方向指定ボタンが設けられ、また、患者欄52の各患者情報および項目欄53の各作業項目をカーソル57で選択することが可能である。
【0161】
表示態様切替機能は、ワークリスト50の表示態様を、ワークリスト50の複数の行の全てについて集約表示を行う、上記第1実施形態の第2表示態様と、指定行の中の空欄セル51Bを削除して、指定行の中の情報表示セル51Aを行方向に詰めて集約表示し、かつ指定行以外の他の行については集約表示を行わない、上記第3実施形態の第2表示態様のいずれかに切り替える機能を含む。
【0162】
また、表示態様切替機能は、ワークリスト50の表示態様を、ワークリスト50の複数の列の全てについて集約表示を行う、上記第1実施形態の第3表示態様と、指定列の中の空欄セル51Bを削除して、指定列の中の情報表示セル51Aを列方向に詰めて集約表示し、かつ指定列以外の他の列については集約表示を行わない、上記第3実施形態の第3表示態様のいずれかに切り替える機能を含む。
【0163】
より具体的には
図33に示すように、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に行方向指定ボタンが選択された場合、表示態様切替機能は、ワークリスト50の表示態様を、上記第1実施形態の第2表示態様に切り替える。一方、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に患者情報が選択された場合、表示態様切替機能は、ワークリスト50の表示態様を、上記第3実施形態の第2表示態様に切り替える。
【0164】
また、
図34に示すように、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に列方向指定ボタンが選択された場合、表示態様切替機能は、ワークリスト50の表示態様を、上記第1実施形態の第3表示態様に切り替える。一方、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に、作業項目が選択された場合、表示態様切替機能は、ワークリスト50の表示態様を、上記第3実施形態の第3表示態様に切り替える。
【0165】
例えば医療施設の始業時や終業時に、残作業がどの程度あるかといった作業の実施状況を全般的に俯瞰することを主眼に作業情報を確認する目的の場合は、医療スタッフは行方向指定ボタンまたは列方向指定ボタンを選択して、ワークリスト50の表示態様を上記第1実施形態の第2表示態様または第3表示態様とする。
【0166】
一方、患者の診察時といった個々の患者に主眼を置いて作業情報を確認する目的の場合は、医療スタッフは患者情報を選択して、ワークリスト50の表示態様を上記第3実施形態の第2表示態様とする。また、医療スタッフが自身の担当する作業を把握することを主眼として作業情報を確認する目的の場合は、医療スタッフは作業項目を選択して、ワークリスト50の表示態様を上記第3実施形態の第3表示態様とする。
【0167】
このように、上記第1実施形態と上記第3実施形態を複合して実施し、ワークリスト50の表示態様を、上記第1実施形態の第2表示態様と上記第3実施形態の第2表示態様、または上記第1実施形態の第3表示態様と上記第3実施形態の第3表示態様とに切り替え可能とするので、作業情報を確認する様々な目的に適応した表示態様のワークリスト50を医療スタッフの閲覧に供することができる。
【0168】
なお、患者欄52のいずれかの患者情報が選択された場合を行方向指定と見なして、ワークリスト50の表示態様を上記第1実施形態の第2表示態様とし、項目欄53のいずれかの作業項目が選択された場合を列方向指定と見なして、ワークリスト50の表示態様を上記第1実施形態の第3表示態様としてもよい。また、方向指定がされたうえで情報表示セル51Aが選択された場合に、選択された情報表示セル51Aが属する行または列を指定行または指定列として、ワークリスト50の表示態様を上記第3実施形態の第2表示態様または第3表示態様としてもよい。
【0169】
[第6実施形態]
第2表示態様または第3表示態様では、情報表示セル51Aが行方向または列方向に詰められて集約表示されるが、情報表示セル51Aの個数によっては、集約表示した状態で情報表示セル51Aが表示部分DSに一度に収まりきらない場合がある。この場合はせっかく情報表示セル51Aを集約表示したにも関わらず、各スクロールバー56A、56Bを操作しなければ、全ての情報表示セル51Aの作業情報を確認することができない。そこで
図35に示す第6実施形態では、第2表示態様または第3表示態様において、集約表示した情報表示セル51Aが表示部分DSに一度に収まりきらない場合、情報表示セル51Aを折り返して表示する。
【0170】
図35は、第2表示態様における患者情報Aの行の情報表示セル51Aの折り返し表示の様子を示している。上段に示すように、表示部分DSに一度に収まりきらない情報表示セル51Aは、作業項目h、jの位置にある情報表示セル51A12、51A13である。この場合、画面表示制御部43は、下段に示すように、患者欄52の患者情報Aの行を列方向に1つ増設する。そして、増設した行に情報表示セル51A12、51A13を移動させることで、情報表示セル51A12、51A13を折り返して表示する。
【0171】
なお、図示は省略するが、第3表示態様において集約表示した情報表示セル51Aが表示部分DSに一度に収まりきらない場合も同様に、作業項目の列を増設して、増設した列に、表示部分DSに一度に収まりきらない情報表示セル51Aを折り返して表示する。
【0172】
こうすれば、表示部分DSに表示されない情報表示セル51Aが少なくなるので、ワークリスト50の一覧性がさらに向上し、各スクロールバー56A、56Bを操作することなく、多くの作業情報を確認することができる。
【0173】
ただし、上記第1実施形態の場合は、全ての行または全ての列に対して集約表示が行われるので、情報表示セル51Aを折り返して表示すると患者欄52または項目欄53が列方向または行方向に間延びし、かえって表示部分DSに一度に収まりきらない情報表示セル51Aが増えるおそれがある。このため本実施形態は、指定行または指定列のみに集約表示を行う上記第2、第3実施形態と複合して実施することが好ましい。
【0174】
[第7実施形態]
上記第4実施形態では、情報表示セル51Aをカーソル57で選択可能とし、指定セルを中心にして他の情報表示セル51Aを詰めているが、
図36に示す第7実施形態では、情報表示セル51Aに加えて空欄セル51Bも指定セルとして選択可能とする。さらに指定セルが空欄セル51Bまたは情報表示セル51Aのうちの未完セル51Aaであった場合、患者配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰め、指定セルが情報表示セル51Aのうちの完了セル51Abであった場合、作業の詳細を表示する。
【0175】
図36において、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に、空欄セル51Bまたは未完セル51Aaが選択された場合、画面表示制御部43は、患者配列軸が配された方向、すなわち列方向に情報表示セル51Aを詰め、ワークリスト50の表示態様を第3表示態様とする。つまり、空欄セル51Bまたは未完セル51Aaの選択が、列方向の指定の役割を果たす。
【0176】
一方、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に、完了セル51Abが選択された場合、画面表示制御部43は、選択された完了セル51Abに該当する作業の詳細を表示する詳細表示画面60を生成する。詳細表示画面60は、例えば表示画面21上にポップアップ表示される。なお、
図36では、尿検査の各検査項目の検査値を作業の詳細として表示した詳細表示画面60を例示している。
【0177】
このように、指定セルが空欄セル51Bまたは未完セル51Aaであった場合は患者配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰め、指定セルが完了セル51Abであった場合は作業の詳細を表示するので、各作業の作業情報や作業数を気軽に確認することができ、かつ進捗状況が完了の作業については、簡単に作業の詳細を確認することができる。
【0178】
[第8実施形態]
上記第7実施形態では、指定セルが完了セル51Abであった場合に作業の詳細を表示しているが、
図37に示す第8実施形態では、指定セルが完了セル51Abであった場合、項目配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰める。
【0179】
図37において、ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に、完了セル51Abが選択された場合、画面表示制御部43は、項目配列軸が配された方向、すなわち行方向に情報表示セル51Aを詰め、ワークリスト50の表示態様を第2表示態様とする。つまり、完了セル51Abの選択が、行方向の指定の役割を果たす。
【0180】
ワークリスト50の表示態様が第1表示態様の場合に、空欄セル51Bまたは未完セル51Aaが選択された場合は、上記第7実施形態と同じく、ワークリスト50の表示態様を第3表示態様とする。
【0181】
このように、指定セルが空欄セル51Bまたは未完セル51Aaであった場合は患者配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰め、指定セルが完了セル51Abであった場合は項目配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰めるので、各作業および各患者の作業情報や作業数を気軽に確認することができる。
【0182】
なお、
図36および
図37では上記第1実施形態の第2表示態様および第3表示態様を例示しているが、選択された空欄セル51Bまたは未完セル51Aaが存在する行または列を指定行または指定列とし、上記第2、第3実施形態の第2表示態様および第3表示態様としてもよい。
【0183】
上記第7実施形態と本実施形態を複合して実施してもよい。この場合は例えば表示画面21に、集約表示機能の有効化、無効化を切り替えるボタンを設けておく。そして、集約表示機能が無効化されて完了セル51Abが選択された場合は作業の詳細を表示し、集約表示機能が有効化されて完了セル51Abが選択された場合は項目配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰める。
【0184】
[第9実施形態]
上記各実施形態では、空欄セル51Bを削除して情報表示セル51Aを集約表示しているが、
図38に示す第9実施形態では、空欄セル51Bに加えて完了セル51Abも削除し、未完セル51Aaのみを集約表示する。
【0185】
より詳しくは
図38の左側に示すように、画面表示制御部43は、集約表示機能により、空欄セル51Bおよび完了セル51Abを削除する。そして、空欄セル51Bおよび完了セル51Abを削除した位置に未完セル51Aaをずらしていき、最終的には右側に示すように、未完セル51Aaを上側(項目欄53の側)に集約して第3表示態様とする。こうすることで、ワークリスト50には未完セル51Aaのみが集約表示されるので、残作業がどの程度あるかをより簡単に確認することができる。
【0186】
なお、
図38では、情報表示セル51Aを列方向に詰める第3表示態様の場合を例示しているが、第2表示態様の場合についても同様に空欄セル51Bおよび完了セル51Abを削除してもよい。
【0187】
また、項目配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰める指定がされた場合は空欄セル51Bのみを削除し、患者配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰める指定がされた場合は空欄セル51Bおよび完了セル51Abを削除してもよい。こうすれば、医療スタッフは、項目配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰める指定をする場合は、完了セル51Abも含めて各患者の作業情報を全般的に確認したいという意図があり、患者配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰める指定をする場合は、残作業がどの程度あるかを確認したいという意図があるため、医療スタッフの意図を汲んだ表示態様のワークリスト50を提供することができる。
【0188】
[第10実施形態]
患者欄52には、例えば診察の予約順または受け付け順に付された項番にしたがって患者情報が並べられるが、医療検査の実施順は、各患者の診察に掛かる時間やオーダの発行タイミング等によって前後することがあるため、必ずしも項番と一致するとは限らない。このため、医療検査の作業項目に該当する情報表示セル51Aも、実施順に並べられていない場合がある。そこで
図39に示す第10実施形態では、患者配列軸が配された方向に情報表示セル51Aを詰める場合に、作業の実施順に情報表示セル51Aをソートする。
【0189】
作業の実施順は、各患者の電子カルテ18のオーダの診療データに基づいて、例えば病院情報システム(HIS;Hospital Information System)や放射線情報システム(RIS;Radiology Information System)等で管理されている。作業情報管理部45は、これらHISやRISから作業の実施順のデータを取得し、作業情報テーブル22の各作業情報に作業の実施順を転記する。
【0190】
図39の左側は、患者配列軸が配された方向、すなわち列方向に作業項目dの情報表示セル51Aを詰め、ワークリスト50の表示態様を第3表示態様とした場合を示している。このとき、作業項目dの作業の実施順が上側の情報表示セル51Aから順に1、3、2、5、4となっていた場合、画面表示制御部43は、実施順3の情報表示セル51Aと実施順2の情報表示セル51A、および実施順5の情報表示セル51Aと実施順4の情報表示セル51Aの位置を入れ替え、右側に示すように情報表示セル51Aの表示順を実施順と一致させる。各情報表示セル51Aには、元の位置の場合に該当する患者識別情報CEが表示される。なお、作業の実施順を示す数字は、説明の便宜上付けたものであるが、実際にアイコン54に表示されてもよい。
【0191】
このように、作業の実施順に情報表示セル51Aをソートするので、医療スタッフは簡単に作業の実施順を確認することができる。患者の診察時にこれを行えば、診察対象の患者に対してオーダを発行した医療検査の実施順が何番目かを患者に直接伝えることができる。
【0192】
なお、本実施形態と、指定セルを中心にして列方向に情報表示セル51Aを詰める第4実施形態の第3表示態様を複合して実施する場合は、指定セルを強調表示することが好ましい。こうすれば、指定セルに該当する患者に対する作業の実施順が一目で分かる。
【0193】
また、情報表示セル51Aの位置を、例えばドラッグアンドドロップ操作で入れ替え可能とし、ソート後に情報表示セル51Aの位置が入れ替えられた場合、これに応じて作業の実施順を入れ替えてもよい。より具体的には、ソート後に情報表示セル51Aの位置が入れ替えられた場合、作業情報管理部45からHISやRISに作業の実施順を入れ替える旨の通知を送信し、HISやRISではこの通知に応じて作業の実施順を入れ替える。こうすれば、急患の患者の医療検査の実施順を一番早い順番に入れ替える等、臨機応変な対応が可能となる。
【0194】
さらに、例えば医療検査の作業項目に該当する空欄セル51Bがカーソル57で選択された場合に、当該医療検査のオーダを発行するための画面を表示する等、表示画面21を通じて医療検査のオーダを発行可能に構成してもよい。こうすれば、オーダの発行を簡単に済ませることができる。
【0195】
さらにまた、表示画面21を通じて作業を担当する医療スタッフや部屋といった作業情報の変更を受け付けてもよい。この場合は作業情報の変更に応じて、作業情報テーブル22や電子カルテ18の内容が変更される。
【0196】
上記各実施形態では、項目配列軸を行方向に、患者配列軸を列方向に配しているが、逆に患者配列軸を行方向に、項目配列軸を列方向に配してもよい。また、アイコン54を配さず、情報表示セル51Aに直接作業情報を表示してもよい。
【0197】
本発明の診療支援装置に相当する診療支援サーバ12を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、診療支援サーバ12を、処理能力や信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のサーバコンピュータで構成することも可能である。例えば、要求受付部41および配信制御部44の機能と、画面生成部42および画面表示制御部43の機能と、作業情報管理部45の機能とを、3台のサーバコンピュータに分散して担わせる。この場合は3台のサーバコンピュータで診療支援装置を構成する。また、作業情報DB12Aは、作業情報管理部45の機能を担うサーバコンピュータに設けられる。なお、作業情報DB12Aは、診療支援装置とは別に設けてもよい。
【0198】
また、上記第1実施形態では、診療支援サーバ12で表示画面21を生成し、診療支援サーバ12からの表示画面21の画面データに基づいて、クライアント端末11側で表示画面21を再現してディスプレイ29Aに表示する態様を例示したが、表示画面21の生成の元となる診療データを診療支援サーバ12からクライアント端末11に送信し、クライアント端末11側で表示画面21を生成してもよい。この場合、画面生成部42は、クライアント端末11のCPU27Aに構築される。
【0199】
さらに、配信制御部44を除く診療支援サーバ12のCPU27Bに構築した各機能部をクライアント端末11のCPU27Aに構築し、クライアント端末11を診療支援装置として稼働させてもよい。この場合、要求受付部41は、配信要求および編集要求に代えて、GUI制御部35から配信指示および編集指示を受け付ける。また、画面生成部42および画面表示制御部43は、表示画面21をGUI制御部35に出力する。
【0200】
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、診療支援プログラム40等のアプリケーションプログラムについても、安全性や信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
【0201】
上記各実施形態では、診療支援サーバ12を1つの医療施設内で利用する形態で説明したが、診療支援サーバ12を複数の医療施設が利用可能な形態としてもよい。
【0202】
上記各実施形態では、診療支援サーバ12は、1つの医療施設内に設置されるクライアント端末11がLAN等のネットワーク13を介して通信可能に接続され、クライアント端末11からの配信要求等に応じた表示画面21を提供する形態である。これを複数の医療施設で利用可能とするためには、診療支援サーバ12を、例えば、インターネットや公衆通信網等のWAN(Wide Area Network)を介して、複数の医療施設に設置される各クライアント端末11と通信可能に接続する。そして、複数の医療施設の各クライアント端末11からの配信要求等を、WANを介して診療支援サーバ12で受け付けて、各クライアント端末11に対して表示画面21を提供する。なお、WANを利用する場合には、情報セキュリティを考慮して、VPN(Virtual Private Network)を構築したり、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等のセキュリティレベルの高い通信プロトコルを使用することが好ましい。
【0203】
なお、この場合は電子カルテ18、検査画像19、および医用レポート20は医療施設毎に管理される。また、この場合の診療支援サーバ12の設置場所および運営主体は、例えば医療施設とは別の会社が運営するデータセンタでもよいし、複数の医療施設のうちの1つでもよい。
【0204】
本発明は、上述の種々の実施形態や種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本発明は、プログラムに加えて、プログラムを記憶する記憶媒体にも及ぶ。