【実施例】
【0031】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
(実施例1)
図1の洗浄処理装置10を用いて、直径が450mmの半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。
ただし、洗浄は以下の条件を用いて行った。
洗浄フロー :オゾン水 → フッ酸 →オゾン水 → 乾燥
オゾン水濃度 :20ppm
フッ酸濃度 :0.5重量%
薬液処理時回転速度:500rpm
乾燥時回転速度 :1000rpm
【0033】
また、メッシュ構造15は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :110μm
オープニング幅 :313μm
開口率 :55%
さらに、メッシュ構造15とカップ14との距離Dは30mmとした。
【0034】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、KLA−Tencor社製 Surfscan SP3を用いて、パーティクルマップを測定した。その結果を
図4に示す。なお、上記の測定装置において、検出されたパーティクルの数は欠陥数として出力される。
図4からわかるように、洗浄後の半導体シリコンウェーハにおいて、ウォータマーク、パーティクル密集は見られず、パーティクル数も低減されている。ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0035】
(実施例2)
図3の洗浄処理装置11を用いて、直径が450mmの半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。
洗浄は実施例1と同じ条件とし、メッシュ構造15’の繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)は、実施例1と同じとした。
また、メッシュ構造15’とカップ14との距離Dは30mmとした。
【0036】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。その結果を
図5に示す。
図5からわかるように、洗浄後の半導体シリコンウェーハにおいて、ウォータマーク、パーティクル密集は見られず、パーティクル数も実施例1と比べてさらに低減されている。ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0037】
(実施例3)
実施例2と同様にして、半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。ただし、メッシュ構造15’は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :50μm
オープニング幅 :204μm
開口率 :65%
【0038】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。パーティクルマップから得られる、ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0039】
(実施例4)
実施例2と同様にして、半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。ただし、メッシュ構造15’は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :80μm
オープニング幅 :238μm
開口率 :56%
【0040】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。パーティクルマップから得られる、ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0041】
(実施例5)
実施例2と同様にして、半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。ただし、メッシュ構造15’は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :150μm
オープニング幅 :358μm
開口率 :50%
【0042】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。パーティクルマップから得られる、ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
図6の洗浄処理装置20を用いて、直径が450mmの半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。
洗浄は実施例1と同じ条件とした。
【0044】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。その結果を
図7に示す。
図7からわかるように、ウェーハ外周部に、薬液の跳ね返りであるライン状のウォータマークや、薬液の飛沫(ミスト)によるパーティクル密集が発生しており、パーティクル数も実施例1、2と比較して多くなっている。ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0045】
(比較例2)
実施例2と同様にして、半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。ただし、メッシュ構造15’は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :80μm
オープニング幅 :89μm
開口率 :28%
【0046】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。パーティクルマップから得られる、ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0047】
(比較例3)
実施例2と同様にして、半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。ただし、メッシュ構造15’は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :80μm
オープニング幅 :115μm
開口率 :35%
【0048】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。パーティクルマップから得られる、ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0049】
(比較例4)
実施例2と同様にして、半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。ただし、メッシュ構造15’は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :110μm
オープニング幅 :144μm
開口率 :32%
【0050】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。パーティクルマップから得られる、ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0051】
(比較例5)
実施例2と同様にして、半導体シリコンウェーハの洗浄を行った。ただし、メッシュ構造15’は、繊維幅、オープニング幅、開口率({(オープニング幅)
2/(オープニング幅+繊維幅)
2}×100)が以下のものを用いた。
繊維幅 :250μm
オープニング幅 :766μm
開口率 :57%
【0052】
洗浄後の半導体シリコンウェーハについて、実施例1と同様にしてパーティクルマップを測定した。パーティクルマップから得られる、ウォータマーク、パーティクル密集の有無、欠陥数(パーティクル数)を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表1からわかるように、メッシュ構造を設け、メッシュ構造の繊維幅を50μm以上、150μm以下とし、メッシュ構造のオープニング幅が200μm以上、400μm以下とし、メッシュ構造の開口率を50%以上とした実施例1−5においては、ウォータマーク、パーティクル密集は見られず、メッシュ構造を設けない比較例1、メッシュ構造のオープニング幅、開口率が上記の範囲にない比較例2−4、メッシュ構造の繊維幅、オープニング幅が上記の範囲にない比較例5と比べて、欠陥数(パーティクル数)が低減されている。
一方、メッシュ構造を設けない比較例1、メッシュ構造のオープニング幅、開口率が上記の範囲にない比較例2−4は、ウォータマーク、パーティクル密集が発生し、メッシュ構造の繊維幅、オープニング幅が上記の範囲にない比較例5は、ウォータマーク、パーティクル密集は見られなかったものの、実施例1−5と比べて欠陥数(パーティクル数)が増加している。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。