【文献】
M.Amundarain,Modeling and Simulation of Wave Energy Generation Plants:Output Power Control,IEEE Trans on Industrial Electron,米国,IEEE,2011年 1月,Vol.58、No.1,pp.105-117
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記波高値推定部は、前記入力パワーの平方根の値を平均的な空気パワーの角周波数に前記入力パワーがゼロとなる時刻からの経過時間を積算した値を与えた正弦関数で除算した値を、予測した入力パワーの波高推定値として用いる波高値演算部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の波力発電装置。
前記発電機トルク制御部は、前記トルク指令値が入力されたときに前記発電機のトルク制御を瞬時に行うベクトル制御インバータで構成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の波力発電装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を伴って説明する。
図1は、本発明に係る波力発電装置の第1の実施形態の概略構成を示すシステム構成図、
図2は
図1の制御装置の具体的構成を示すブロック図である。
本発明に係る波力発電機は、
図1に示すように、下端を開放した破線図示の円筒体1内に例えば往復の空気流で一方向に回転するウエルズタービンで構成される波力発電用タービン2が回転自在に配置され、この波力発電用タービン2の円筒体1の上端から突出する回転軸2aに円筒体1の上端面に配置された発電機3が連結されている。また、円筒体1の上端には図示しないが空気を内外で流通させる開口が形成されている。
【0012】
円筒体1は、下端の開放端が海水面に確実に水没するように配置され、円筒体1内の海面の水位が波の運動により上下に移動することにより、円筒体1内の空気が上方の開口から吐き出される状態と外部から吸い込まれる状態が繰り返される。この往復空気によって波力発電用タービン2が一方向に回転駆動され、これによって発電機3で発電が行われる。
発電機3には波力発電用タービンの回転速度を検出する回転速度検出部としての回転速度センサ4が内蔵されているとともに、発電機3で発生するトルクを制御して、最高効率点での発電を行わせる制御装置10が接続されている。
この制御装置10の具体的構成は、
図2に示すように、発電機3で発生するトルクを制御するトルク制御部20と、このトルク制御部20に対するトルク指令値を形成するトルク指令値形成部30とで構成されている。
【0013】
トルク制御部20は、交流電源22と、この交流電源21の交流電力を直流電力に変換するコンバータ24と、このコンバータ24から入力される直流電力を交流電力に変換して発電機3に供給するベクトル制御インバータ26とを備えている。
ここで、ベクトル制御インバータ26は、トルク指令値形成部30からトルク指令値T
*が入力されると、発電機3がトルク指令値T
*に対応したトルクを出力するような三相交流電圧を発生する。すなわち、ベクトル制御インバータ26はトルク指令値T
*が入力されたときに、発電機3で発生するトルクが瞬時にトルク指令値となるように制御可能に構成されている。また、ベクトル制御インバータ26では、発電機内部の磁束とトルク電流とが独立となるように制御している。
また、コンバータ24は、ベクトル制御インバータ26に直流電圧を供給する共に、この直流電圧がほぼ一定となるように交流電源22に回生電力を送っている。
【0014】
一方、トルク指令値形成部30は、後述する波高値推定部36から入力される波高推定値Pmax′より速度指令値ω
m*を生成する速度指令値生成部31と、この速度指令値生成部31で生成された速度指令値ω
m*と回転速度センサ4で検出されたタービン回転速度ω
mとが入力される速度調節部32とを備えている。ここで、速度調節部32は、
図3に示すように、速度指令値生成部31から入力される速度指令値ω
m*が入力されフィードフォワード制御器32aと、速度指令値ω
m*から回転速度センサ4から入力されるタービン回転速度ω
mを減算して速度偏差Δωを算出する減算器32bとを備えている。
【0015】
また、速度調節部32は、減算器32bから出力される速度偏差Δωが入力されて比例積分制御処理を行うPI調節器32cと、フィードフォワード制御器32aの出力と、PI調節器32cの出力とを加算してトルク指令値T
*を算出する加算器32dとを備えている。
この速度調節部32の詳細な動作は後述する。
そして、速度調節部32の加算器32dから出力されるトルク指令値T
*が前述したベクトル制御インバータ26に供給される。
【0016】
また、トルク指令値形成部30は、速度調節部32から出力されるトルク指令値T
*と発電機3に内蔵された回転速度センサ4から出力されるタービン回転速度ω
mとに基づいてタービントルク推定値T
t′を演算するタービントルク推定部33と、このタービントルク推定部33から出力されるタービントルク推定値T
t′と発電機3に内蔵された回転速度センサ4から出力されるタービン回転速度ω
mとに基づいて空気速度推定値Vx′を算出する空気速度推定部34とを備えている。
【0017】
ここで、タービントルク推定部33は、発電機3のトルク指令値Tg
*を実際のトルクとほぼ一致すると見做して演算に用いている。ベクトル制御インバータ26の内部で、より正確な瞬時トルクの演算機能があれば、この瞬時トルクを用いても同様の動作を実現することができる。
このタービントルク推定部33では、下記数1に従ってタービントルク推定値T
t′を算出する。
【数1】
ここで、τ
fはフィルタ時定数、ω
mは発電機回転速度、Jはタービンイナーシャである。発電機3の回転速度ω
m及びタービンイナーシャJを用いて数1の演算を行うことにより、時定数τ
f〔s〕の応答でタービントルクを推定することが可能である。
【0018】
また、空気速度推定部34は、タービントルク推定部33で前記数1に従って得られたタービントルク推定値T
t′を用いて空気の流入速度V
xの推定値V
x′の算出を行う。
図4に本実施形態のトルク係数と流量係数の関係を示す。本実施形態の発電機3の制御は、
図4の破線で囲まれた部分に当るトルク及び流量係数で運転を行うものと仮定する。この条件に基づけば、タービンのトルク係数C
tは、
【数2】
の形の一次関数で表すことができる。
【0019】
ここで、V
xは空気の速度、U
tはタービン周速度であって、タービンの回転速度にタービン半径rを掛けた値である。a、bはトルク係数を一次近似するためのパラメータである。そして、空気速度推定部34は、下記数3の演算を行うことによりタービントルク推定値T
t′から空気の速度V
xの推定値V
x′を算出する。
【数3】
ここで、Kは係数であってK=(1/2)Aρで表され、Aはタービンの環状流路断面積、ρは空気の密度、rはタービン半径である。
【0020】
空気速度の推定値V
x′を上記数3で表すことができる理由を下記に説明する。
タービントルクT
tは下記数4で表すことができる。
【数4】
【0021】
この数4を整理すると、下記数5に示される空気の速度V
xに関する三次方程式となる。
【数5】
ここで、関数f(V
x)を
【数6】
と置く。
【0022】
したがって、関数f(V
x)=0の実数解が求める空気の速度V
xとなることが分かる。しかしながら、三次方程式の解を求める演算量を削減するため、関数f(V
x)は下記数7のように近似することもできる。
【数7】
【0023】
図5は、数6と数7との計算例を示している。横軸が空気の速度V
xであり、縦軸が関数f(V
x)の値である。この
図5から明らかなように、f(V
x)=0の近傍では、数6と数7との計算結果が略一致している。したがって、数7を用いても精度良く近似できることが分かる。そこで、本実施形態では数7を整理した結果である前記数3を用いて空気の速度V
xの推定値V
x′を算出している。
【0024】
さらに、トルク指令値形成部30は、空気速度推定部34から出力される空気速度推定値V
x′に基づいて入力パワー推定値P
in′を算出する入力パワー推定部35と、この入力パワー推定部35とから入力される入力パワーP
in′を算出する波高値推定部36とを備えている。この波高値推定部36から出力される波高推定値が速度指令値生成部31に入力される。
【0025】
ここで、入力パワー推定部35は、空気速度推定部34で推定した空気速度推定値V
x′を用いて、タービンへの入力パワーを算出する。入力パワーを算出するに当り、差圧係数C
aを求める必要がある。この差圧係数C
aは、流量係数V
x/U
tの関数であって、
図6に示す関係となっている。流量係数V
x/U
tから差圧係数C
aを演算するに当り、次のような二次関数で
図6の差圧係数C
aを精度よく近似して、差圧係数C
aを演算する。
【数8】
【0026】
入力パワーP
inは、タービン差圧と空気の流量の積によって与えられるが、差圧係数C
a、空気速度V
x及びタービン周速度U
tを用いて下記数9で演算される。
【数9】
ここで、dPはタービン差圧、Qは空気の流量である。
【0027】
また、波高値推定部36は、入力パワーP
inの波高値P
maxを推定する。本実施形態では、入力パワーP
inの基本波を下記数10で表現できると仮定する。
【数10】
ここで、ω
wは入力パワーが変化する角速度である。
【0028】
そして、波高値推定部36の具体的構成は、
図7に示すように、入力パワーの平方根演算部36aと、平方根の演算結果P
insqrを入力とするトルク傾き検知部36bと、入力パワーがゼロになる時刻を推定し、ゼロとなった時刻からの経過時間を出力する入力パワーゼロ時刻推定部としての時刻補正部36cを備えている。
傾き検知部36aは、入力パワーP
inの推定値の平方根を取った値をサンプリング時間Ts[s]毎に観測しており、毎回前回値を保存している。傾きΔfは、入力パワーの平方根の今回値をP
insqr0、入力パワーの平方根の前回値をP
insqr1とすると、数11により演算される。
【0030】
時刻補正部36cでは、傾き検知部36bで傾き検知演算を開始したのちに、入力パワーの平方根をサンプリングする。これをf(t
1)とする。
図8に、空気入力パワーがゼロから上昇している途中でのパワーの平方根の波形を示す。
図4のトルク係数では、流量係数が0.07以下の時のトルク係数は0になっている。すなわち、空気速度が一定値以下ではタービントルクは全く発生しない。ある一定値を超えるとトルクが発生するようになるため、推定したトルクからパワーを推定する本実施例では、観測される入力パワーの波形が0から不連続な形をしている。そこで、時刻補正部36cでは入力パワーが0となる時刻
からの経過時間t
10を数12によって演算する。
【数12】
【0031】
次に、数12によって演算された値は、実際の値よりも大きくなる傾向があるため、時刻補正部36cは、
経過時間t
10に対して数13によって補正を行った
経過時間t
11を出力する。
【数13】
ここで、ω
aveは、タービンに入力される平均的な空気パワーの変動の角周波数である。
【0032】
最後に、波高値演算部36dは、波の平均周期ω
aveと時刻補正部36cから出力される
経過時間t
11とを乗算器36eで乗算し、その乗算結果と、時刻補正部36cから出力される入力パワーの平方根のサンプリング値f(t
1)とを演算部36fに供給して、数14の演算を行って、波高推定値P
max′を出力する。
【0033】
数13と数14ではタービンに入力される平均的な空気の変動の角周波数を用いている。これは、周期の変動の範囲が発電可能な波では±30%程度であり、さらに円筒体に共振周波数が存在し、通過できる空気の振動周波数に制限があるため、平均的な角周波数を用いても、発電機を高効率に運転するために十分な、波高値の予測値が得られるためである。
【0034】
次に、速度指令値生成部31では、推定した入力パワーの波高推定値P
max′を用いて、波高値が最大のときにタービンが最大効率となるように速度指令値ω
m*を生成する。
ところで、タービンの効率と流量係数との関係は
図9に示すようになる。この
図9から分かるように、効率が最高となる所定の流量係数φ
maxが存在する。発電機3を制御する場合に、効率ができるだけ高いことが望ましいので、上述したように、波高値が最大のときに流量係数がφ
maxとなるように、数15により、発電機3の回転速度指令値ω
m**を生成する。
【0035】
【数15】
ここで、φ
maxをタービンが最大効率が得られる流量係数であるとする。
これは、空気のパワーを表す数9に、最大効率の場合の空気速度と回転角周波数の関係V
X=rω
mφ
maxを代入し、回転速度に関して整理した結果である。
【0036】
すなわち、速度指令値ω
m**は、入力パワーがP
max′となった場合に、最大効率が得られる速度指令値である。次に、速度指令値生成部31から出力される、入力パワーの谷から谷までの期間の速度指令値ω
m*の例を
図10に示す。この
図10を参照して、速度指令値生成部31の動作を説明する。この
図10で入力パワーがゼロとなる時刻をt=0とおく。
速度指令値生成部31は、波高値推定部36が入力パワーの波高推定値P
max′を出力するまでの間すなわち
図10の期間Iではt=0での回転速度ω
m0を維持するような速度指令値ω
m*が速度調節部32へ出力される。
【0037】
次に、
図10の期間IIでは、波高推定値P
max′を用いて、t=(1/4)(1/2πω
ave)の時に回転速度が 数15で表される値となるように、速度指令値ω
m*(t)を設定する。すなわち、数16で示される直線の関数に沿って速度指令値ω
m*(t)が速度調節部32へ出力される。
【数16】
【0038】
次に、入力パワーが最大値に達した後の
図10での期間IIIでは、入力パワーの波形が左右対象であると仮定して、数16の傾きを負にした速度指令値ω
m*を生成する。
速度調節部32では、
図3に示すフィードフォワード制御器32aで、速度指令値ω
m*を入力とし、下記数17の演算を行ってトルク指令値T
ff*を出力する。
【数17】
ここで、Jはタービンの慣性モーメント、τ
ffはフィードフォワード制御器32aの応答を決める時定数、ω
in*は速度指令値である。フィードフォワード制御器32aの伝達関数は、時定数τ
ffの応答で、発電機が加速するように与えられた速度指令値に必要なトルク指令値を演算している。
【0039】
また、
図3に示すPI調節器32cは、下記数18によってフィードバックトルク指令値T
fb*を出力する。このPI調節器32cは、速度指令値と実際の速度が一致するように、指令値との偏差ΔωをPI演算することでフィードバックトルク指令値T
fb*を算出する。
【数18】
そして、フィードバックトルク指令値T
fb*とフィードフォワードトルク指令値T
ff*とを加算器32dで加算してトルク指令値T
*としてベクトル制御インバータ26へ出力する。
【0040】
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態について図面を伴って説明する。
図11は、第2の実施形態の概略構成を示すシステム構成図である。
この発電機は、波力発電用タービン2、発電機3、回転速度センサ4、交流電源22、コンバータ24、ベクトル制御インバータ26、速度指令値生成部31、速度調節部32、タービントルク推定部33、空気速度推定部34、入力パワー推定部35、波高値推定部37からなる。
この中で、波高値推定部37、速度指令値生成部31以外のものは、第1の実施形態と同様な動作をするため、説明を省略する。
【0041】
次に、波高値推定部37の動作を説明する。
図12に波高値推定部37の構成図を示す。
波高値推定部37は、入力パワーP
inが入力される平方根演算部37aと、算出された平方根の傾きを検知して、第1のトリガ信号および第2のトリガ信号を出力する傾き検知部37bと、時刻補正部37cと、平方根の傾きと第1のトリガ信号とに基づいて第1の波高値を推定する第1の波高値推定部37dと平方根の傾きと第2のトリガ信号とに基づいて第2の波高値を推定する第2の波高値推定部37eとを備えている。
時刻補正部37cは、第1の実施例と同様に入力パワーがゼロとなる時刻を推定し、
そこからの経過時間を出力している。
【0042】
傾き検知部37bは、入力パワーP
inの推定値の平方根を取った値を観測し、演算の開始に必要なトリガ信号を第1の波高値推定部37d及び第2の波高値推定部37eに供給している。
図13は入力パワーの平方根の値とトリガ信号の出力タイミングを示している。この
図13に示すように、傾き検知部37bは、入力パワーの平方根の値が減少して、0に達して、再び上昇する時刻を基準にして、この時刻から所定の時間T〔s〕が経過した時刻t1で第1のトリガ信号を第1の第1の波高値推定部37dに入力する。さらに、時刻t1から所定の時間T〔s〕が経過した時刻t2で第2のトリガ信号を第2の第2の波高値推定部37eに入力する。
【0043】
第1の波高値推定部37dでは、第1のトリガ信号を受けると同時に、平方根演算部37aから出力される平方根のf(t
1)の値を記録する。この平方根の値f(t
1)を用いて下記数19の演算を行って第1の波高推定値P
max1′を演算する。
【数19】
ここで、ω
waveは設計時に定められたタービンへ入力される平均的な空気振動の角周波数である。
【0044】
また、第2の波高値推定部37eでは、第2のトリガ信号を受けると、平方根演算部37aから出力される平方根の値f(t
2)を記録するとともに、第1の波高値推定部37dが記録した平方根の値f(t
1)が入力される。そして、平方根の値f(t
1)及びf(t
2)を用いて下記数20の演算を行って数S
1〜S
3を算出する。また、数S
3と平方根のf(t
1)とを用いて下記数20の演算を行って、入力エネルギーの振動の角周波数の推定値ω
w′を演算する。
【数20】
【0045】
【数21】
上記数21の演算で得られた入力エネルギーの振動の角周波数の推定値ω
w′を用いて下記数22の演算を行って、再度波高推定値を算出し、これを第2の波高推定値P
max2′として出力する。
【0046】
【数22】
上記のようにして波高値を推定できる理由を下記に説明する。先ず、入力パワーの平方根を取った値は下記数23の時間関数で表される。
【0048】
t=T時点で数23を2回時間微分すると下記数24が導かれる。
【数24】
また、数24を計算することによって、t=T〔s〕周辺での2回微分を取ることになる。具体的には、数20の数S
3が2回微分の計算結果である。したがって、入力エネルギーが正弦波状であるという仮定が成り立てば、入力エネルギーの角周波数が下記数25で得られることになる。
【数25】
【0049】
こうして求めた角周波数ω
wを用いて、波高値を求める数22を演算するため、平均的な周期を用いる場合に比べると正確な値を得ることができる。
そして、波高値推定部37で推定した第1の波高推定値P
max1′及び第2の波高推定値P
max2′は、速度指令値生成部31に入力される。
速度指令値生成部31は、入力パワーが最大となるときに、タービン効率が最大となるよう速度指令値を生成する。ただし、波高値推定部37は、t=T、t=2Tの時に波高値の推定値を演算した結果を出力するため、この値に合わせて速度指令値を変化させている。速度指令値生成部31は、第1の波高推定値P
max1′および第2の波高推定値P
max2′が入力されると、数26にしたがって、入力パワーが速度指令値ω
m1**及びω
m2**を演算する。
【数26】
図14を参照して、速度指令値生成部31の動作を説明する。この
図14で入力パワーがゼロとなる時刻をt=0とおく。速度指令値生成部31は、波高値推定部37が入力パワ1の波高推定値P
max1′を出力するまでの間すなわち
図14の期間Iではt=0での回転速度ω
m0を維持するような速度指令値ω
m*が速度調節部32へ出力される。
【0050】
次に、t=T〔s〕〜2T〔s〕の間すなわち
図14の期間IIでは、第1の波高推定値P
max1′を用いて、t=(1/4)(1/2πω
ave)の時に回転速度がω
m1**となるように、速度指令値ω
m*(t)を設定する。すなわち、数27で示される直線の関数に沿って速度指令値ω
m*(t)が速度調節部32へ出力される。
【数27】
【0051】
次に、t=2T〜(1/4)(1/2πω
w)の間(
図14での期間III)では、第2の波高推定値P
max2′を用いて、t=(1/4)(1/2πω
w)の時に回転速度がω
m2**になるように速度指令値ω
m*(t)を設定する。すなわち、数28で示される直線の関数に沿って速度指令値ω
m*(t)が速度調節部32へ出力される。
【数28】
【0052】
次に、入力パワーが最大値に達した後の
図14での期間IVでは、入力パワーの波形が左右対象であると仮定して、数28の傾きを負にした速度指令値ω
m*を生成する。
このため、ベクトル制御インバータ26で発電機3のトルクを制御することにより、入力パワーが最大に達する時にタービンが最適な速度になるように加速することができる。すなわち、現在のエネルギーの状態をフィードバックして最適な速度制御を行う場合に比べて、制御遅れを軽減することができる。また、第1の波高値を推定した後に、さらに第2の波高値を推定することにより、より正確な波高値を推定することができ、より正確に最適な速度指令値を作成することができ、タービンの効率を高めることができる。
なお、上記実施形態においては、タービントルク推定部33を設けて、タービントルクを推定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、波力発電用タービン2にトルク検出部を設けて直接タービンで発生するタービントルクを検出するようにしてもよい。